JP2014034852A - ハンガー機構及びそれを用いた吊り天井の下地構造 - Google Patents

ハンガー機構及びそれを用いた吊り天井の下地構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2014034852A
JP2014034852A JP2012177983A JP2012177983A JP2014034852A JP 2014034852 A JP2014034852 A JP 2014034852A JP 2012177983 A JP2012177983 A JP 2012177983A JP 2012177983 A JP2012177983 A JP 2012177983A JP 2014034852 A JP2014034852 A JP 2014034852A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hanger mechanism
viscoelastic body
upper plate
ceiling
receiver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012177983A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6021248B2 (ja
Inventor
Takahiro Kanai
貴浩 金井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Industries Ltd filed Critical Sanyo Industries Ltd
Priority to JP2012177983A priority Critical patent/JP6021248B2/ja
Publication of JP2014034852A publication Critical patent/JP2014034852A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6021248B2 publication Critical patent/JP6021248B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】本発明は、構造が簡易であるとともに、部材点数を大幅に増やすことなく、かつ、現場での施工性やコストにおいて優れた、制振機能を有するハンガー機構及びそのハンガー機構を用いた吊り天井の制振構造を提供する。
【解決手段】天井躯体から垂下する吊りボルト2の下端に取付けられ、野縁受け4を支持するハンガー機構3であって、吊りボルト2を挿通する上板3bと、上板3bの一辺から延在して凹字状に形成され、野縁受け4を支持する折り曲げ部3aとを備え、上板3b及び折り曲げ部3aの少なくとも一方に制振機能を有する粘弾性体31が配置されることを特徴とするハンガー機構。
【選択図】図2

Description

本発明は、吊り天井において野縁受けを支持するハンガー機構、特に、地震等に対し制振機能を有するハンガー機構及びそれを用いた吊り天井の下地構造に関する。
先に発生した東日本大震災の甚大な被害はまだまだ記憶に新しいところであるが、被害の1つとして、吊り天井の落下が多発したことを忘れることができない。吊り天井が落下すると、天井の仕上げ板のみならず下地構造を構成する多くの部材が室内にいる人々の頭上に降り注ぐこととなり、人命にかかわる重大事故を引き起こすことも皆無ではない。
従来、吊り天井の下地構造としては、天井躯体から垂下する吊りボルトと、吊りボルトにハンガーを介して接続されたC字型横断面の野縁受けと、野縁受けにクリップを介して接続された凹字型横断面の野縁とを備えるものが広く普及している。野縁は、幅狭なシングル野縁と幅広なダブル野縁とが組合わせて用いられ、クリップも、それらに応じてシングルクリップとダブルクリップとが用いられる。そして、天井の仕上げ板は野縁に種々の手段により設置されるとともに、耐震性を高めるなど必要な場合には、さらにブレースが付加される。
このような吊り天井に対し、地震等に対して制振機構をもたせた吊り天井構造として、例えば、特許文献1には、図7(a)及び(b)に示すように、構造が簡易であるとともに、吊り部材と振れ止め部材との取付が容易で、吊り部材を振れ止め部材との間で制振機能を有する接合部材およびこれを用いた吊り天井構造が開示されている。具体的には、振れ止め9(ブレース)を吊りボルト5に接合するための接合部材11が提案されており、接合部材11は振れ止め保持部23と吊りボルト保持部25を有し、振れ止め保持部23の筒内には粘弾性体27が設けられている。粘弾性体27は振れ止め保持部23の内面に設けられており、略中央には振れ止め保持部23の軸方向に貫通する挿入穴29があり、その中には振れ止め9が挿入される。地震等によって、振れ止め9が力を受けると、粘弾性体27は振れ止め9の軸方向にせん断変形し、この際、粘弾性体27の変形に弾性変形の際に減衰力を発生する。なお、本段落及び図7において各要素に付された符号は、特許文献1において記載されたものであり、本段落限りのものである。
特開2009−215716号公報
しかし、特許文献1に開示された吊り天井は、振れ止めすなわちブレースを設けた場合の対策であって、ブレースを用いない場合の吊り天井に対しては当然のことながら適用できない。また、どのような構造であったとしても、想定以上の大きさの地震が発生した場合、吊り天井の落下を完全に防止することは困難と言わざるを得ず、落下し難くすると同時に、落下した場合の被害を軽減することまでを考慮に入れた構造が望まれるところである。この点、特許文献1の発明では、従来の吊り天井の下地構造に対し部材点数を削減するものではないため、ひとたび落下した際に被害を小さくできるというものではないという問題がある。
本発明は以上のような問題に鑑みなされたもので、構造が簡易であるとともに、新たな部材を大幅に増やすことなく軽量で、かつ、現場での施工性やコストにおいて優れた、制振機能を有するハンガー機構及びそのハンガー機構を用いた吊り天井の制振構造を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)天井躯体から垂下する吊りボルトの下端に取付けられ、野縁受けを支持するハンガー機構であって、吊りボルトを挿通する上板と、上板の一辺から延在して凹字状に形成され、野縁受けを支持する折り曲げ部とを備え、上板及び折り曲げ部の少なくとも一方に制振機能を有する粘弾性体が配置されることを特徴とするハンガー機構を提供する。
(2)粘弾性体が、側面視において、野縁受けの両側面及び底面と折り曲げ部のそれぞれ対向する面との間に配置されることを特徴とする上記(1)に記載のハンガー機構を提供する。
(3)さらに、折り曲げ部の内部で野縁受けを挟持し、第1の側面が折り曲げ部に当接するクリップを備え、粘弾性体が、側面視において、クリップの第1の側面と反対側の第2の側面と折り曲げ部の対向する面との間に配置されることを特徴とする上記(1)に記載のハンガー機構を提供する。
(4)さらに、野縁受けの外面であってハンガー機構の上板側に設けられ、粘弾性体が所定の範囲を超えて変形することを防止するストッパーを備える上記(1)ないし(3)のいずれか1つに記載のハンガー機構を提供する。
(5)さらに、上板を上下に挟む複数の座金を備え、粘弾性体が、側面視において、上板を介して複数の座金の間に配置されることを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれか1つに記載のハンガー機構を提供する。
(6)天井躯体から垂下する吊りボルトと、吊りボルトの下端に取付けられる上記(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の制振機能を有するハンガー機構と、ハンガー機構に支持される野縁受けとを備えることを特徴とする吊り天井の下地構造を提供する。
本発明は、構造が簡易であるとともに、新たな部材を大幅に増やすことなく軽量で、かつ、現場での施工性やコストにおいて優れた、制振機能を有するハンガー機構及びそのハンガー機構を用いた吊り天井の制振構造を提供する。
吊り天井の下地構造を模式的に示す概念図である。 本発明の第1の実施形態に係るハンガー機構を示す図であって、(a)は野縁受けの断面方向からみた側面図、(b)はA方向からみた正面図、(c)はB方向からみた平面図である。 本発明の第2の実施形態に係るハンガー機構を示す野縁受けの断面方向からみた側面図である。 本発明の第3の実施形態に係るハンガー機構を示す図であって、(a)は野縁受けの断面方向からみた側面図、(b)はC方向からみた背面図、(c)はD方向からみた平面図である。 本発明の第4の実施形態に係るハンガー機構を示す図であって、(a)は野縁受けの断面方向からみた側面図、(b)はE方向からみた背面図、(c)はF方向からみた平面図である。 本発明の第4の実施形態に係るハンガー機構について、粘弾性体の取付方法を説明するための図である。 従来の吊り天井構造の一例を示す図であって、(a)は吊り天井構造の全体斜視図、(b)は振れ止め(ブレース)と吊りボルトの接合部材の組立斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明するが、図1〜6において、同一符号は同一又は対応する部分を示す。また、本発明は、以下の説明からも明らかなようにこれらの実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において当業者であれば種々の変形が可能である。
(第1の実施形態)
まず、吊り天井の下地構造について、その全体構成を説明する。図1に示すように、吊り天井の下地構造1は、上端が天井躯体A(図示せず)に取付けられ、垂下する複数の吊りボルト2と、吊りボルト2の下端にハンガー機構3を介して支持され、所定の横断面を有する複数の長尺の野縁受け4とを備えている。さらに、図1には、天井仕上げ板B(図示せず)を保持する部材として、野縁受け4に交差して固着される野縁5を図示している。野縁5aはシングルサイズのものを、野縁5bはダブルサイズのものを示しており、適宜いずれかを選択できる。ここでは天井仕上げ板Bを保持する部材として野縁5を用いた場合を示したが、後述するように、野縁5以外にもジョイナーなどの保持部材を用いることもできる。
複数の吊りボルト2は天井躯体Aから所定の間隔で垂下しており、その下端にJ字状のハンガー機構3が取り付けられている。ここではJ字状のハンガー機構3を図示しているが、この形状に限定される必要はなく、U字状やT字状など他の形状を有するものでもよい。ハンガー機構3は、野縁受け4を支持するためのものであり、野縁受け4は、互いに平行にかつ水平に延びた状態で配設されている。本発明の第1の実施形態に係るハンガー機構3の詳細については、後述する。
吊りボルト2は、既知の工法を用いて天井躯体Aに堅牢に取付けられている。まず、天井躯体Aに設けられたインサート(図示せず)の位置の確認をした後、天井のふところから100mm程度マイナスした長さの吊りボルト2を用意し、その下端側に前もってハンガー3をナット21で取り付けたうえで、上端側をインサートへ確実にねじ込んで取付ける。吊りボルト2については、既知のものを用いることができるが、スパイラル仕様のものを用いてもよい。スパイラル仕様の吊りボルト2とは、その表面に溝をスパイラル状に彫り込んだものである。スパイラル状の溝を彫り込むことにより、吊りボルト2の重量を軽量化したうえで、その剛性を維持又は向上させることができる。溝の幅、深さ、ピッチ又は彫り込み数は、吊り天井の下地構造1に求められる強度に応じて適切に設定することができる。
なお、吊りボルト2の長さが1500mmより長くなる場合、換言すると、天井のふところが1500mm以上となる場合には、吊りボルト2の中間であって天井躯体Aから1500mm以内となる位置に水平補強材を追加してもよい。さらに、必要に応じて、ブレースで補強することもできる。
野縁受け4は、ハンガー機構3に支持されている。図1では、野縁受け4としてC字型の横断面を有する部材を用いているが、横断面の形状がC字型に限定される必要はなく、この外にも、角型やE字型の横断面を有している部材であってもよい。角型やE字型の横断面を有している部材は、一般に用いられているC字型の横断面の部材と比べて曲げやねじれに対する強度が高く、例えば角型の横断面を採用することによって、断面二次モーメントや断面係数などの断面性能を高めることが可能となる。その結果、吊りボルト2の配置間隔や後述する野縁5の配置間隔を大きくすることができる。ただし、C字型、角型又はE字型などの中からいずれを選択するかは、吊り天井の下地構造1が設置される場所で求められる諸条件による。
野縁5は、天井仕上げ板Bを保持する部材として、野縁受け4と直交するように配置されており、野縁受け4にクリップ61や、接着剤又はビスなどで固定されている。野縁5は凹字状の断面を有しており、天井仕上げ板Bは、野縁5の底面に接着剤又はビスなどで固定される。野縁5には、前述のとおり、シングルサイズの野縁5a、ダブルサイズ野縁5bのものがあり、天井仕上げ板Bとの当接に必要な面積などの条件を考慮して選択される。
図1では、天井仕上げ板Bを保持する部材として野縁5を図示したが、その他にも、天井や壁などにおいて仕上げ材を配置する際に接合目地部分の接合材や目地材として用いられるジョイナーを保持部材として用いることもできる。例えば、少なくとも1つのフランジが形成された横断面を有するジョイナーであって、上下一対のフランジを左右に有するH字型又は下側のみにフランジを左右に有するハット型のものを好適に採用することができる。これらの場合、天井仕上げ板Bは左右に隣接するジョイナーのフランジ間に挟持又は載置され、フランジにビス止めや接着剤などの既知の方法によって取付けられる。
なお、これら以外にも、左右いずれかの片側のみにフランジを有するようなコ字型又はZ字型の横断面を用いることもできる。すなわち、保持部材が壁際に設置される場合には、水平方向に片側のみに天井仕上げ板Bが配置されるため、フランジが片側のみに突出したコ字型やZ字型の横断面を有するものを採用することができる。
以上、本実施形態に係る吊り天井の下地構造1の構成を説明したが、各々の部材の材質については、特に限定されるものではなく、例えば、鋼板やステンレス板を用いることができる。また、耐食性や加工性に優れた高耐食溶融メッキ鋼板を用いれば、さらに好ましい。
次に、ハンガー機構3の第1の実施形態について、図2を参照しつつ、その詳細を説明する。図2は、第1の実施形態に係るハンガー機構3を示す図であって、(a)は野縁受けの断面方向からみた側面図、(b)はA方向からみた背面図、(c)はB方向からみた平面図である。なお、図2(a)〜(c)に示した左右向白矢印は、地震等による吊り天井の下地構造1の振動方向を表している。
ハンガー機構3は、吊りボルト2を挿通する上板3bと、上板3bの一辺から延在してU字状に形成され、野縁受け4を支持する折り曲げ部3aとを備えており、粘弾性体31が、側面視において、野縁受け4の両側面及び底面と折り曲げ部3aのそれぞれ対向する面との間に配置されている。吊りボルト2は上板3bに挿通され、2つのナット21によって上板3bを上下から締め付けることにより固定されている。
上板3bの一辺からは略U字状に折り曲げられている折り曲げ部3aが延在している。ここでは断面形状においてU字状のものを用いているが、これに限定されるものではなく、例えばJ字状のものであっても差し支えない。J字状のハンガーは比較的天井のふところが深いような場合に、U字状のハンガーは天井のふところが浅いような場合に主に用いられる。
折り曲げ部3aの内部すなわち両側面及び底面の内側には、所定の肉厚を有する粘弾性体31が配置されている。粘弾性体31と折り曲げ部3aとの接合は、溶着又は接着によって行われる。粘弾性体31を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、既知のものを採用することができる。例えば、ジエン系、シリコン系、アクリル系、スチレン系などの高減衰ゴムが好適である。ただし、これら材料の粘弾性は、温度依存性が相対的に大きいものから小さいものまで種々存在することから、吊り天井が設置される建物や場所の温度条件を勘案し、所定の減衰効果すなわち制振機能が発揮できるよう選択する必要がある。
粘弾性体31によって形成されたU字状の空間に野縁受け4が支持されるが、両者の接合も、溶着又は接着によって行われる。ただし、野縁受け4としてC字型断面の部材を採用したときは、そのオープン側の面は溶着又は接着はしない。野縁受け4を粘弾性体31に溶着又は接着した後、付属ボルト32によって折り曲げ部3aの対向する両端を締め付ける。
次に、吊り天井の下地構造1が地震等によって振動する際のハンガー機構3の制振機能について説明する。地震等が発生すると、図2(a)〜(c)の左右向白矢印で示したように、野縁受け4はそれぞれの方向に振動する。例えば、図2(b)と(c)のように野縁受け4がその長手方向に振動すると、粘弾性体31は、野縁受け4の外面とハンガー機構3の折り曲げ部3aの内面との間に生じる相対的な位置変化により、野縁受け4の長手方向にせん断変形する。そして、この際、粘弾性体31は弾性変形し、減衰力を発生する。これにより、野縁受け4とハンガー機構3との接合部で野縁受け4の振動が減衰し、吊りボルト2ひいては吊り天井の下地構造1全体の振動を抑制することができる。
以上のように、第1の実施形態にかかるハンガー機構3によれば、野縁受け4と吊りボルト2とを介在するハンガー機構3に粘弾性体31が設けられるため、新たな部材を大幅に増やすことなく軽量で、かつ、現場での施工性やコストにおいて優れた、制振機能を有するハンガー機構3及びそのハンガー機構3を用いた吊り天井の制振構造1を提供することができる。
(第2の実施形態)
次に、ハンガー機構3の第2の実施形態について、図3を参照しつつ、第1の実施形態とは異なる点を主に説明する。図3は、第2の実施形態に係るハンガー機構3を野縁受け4の断面方向からみた側面図である。なお、図3に示した左右向白矢印は、地震等による吊り天井の下地構造1の振動方向を表している。
第2の実施形態は、野縁受け4をいったんクリップ33によって挟持し、クリップ33の第1の側面33aをハンガー機構3の折り曲げ部3aの一方側の側面に当接させ、クリップ33の第2の側面33bと折り曲げ部3aの他方側の側面との間に粘弾性体31を配置したものである。粘弾性体31と各面との接合は、溶着又は接着で行われる。本実施形態では、第1の実施形態とは異なり、付属ボルト32は、野縁受け4を直接挟持しているクリップ33を締め付けることとなる。
第1の実施形態では野縁受け4の両側面及び底面が粘弾性体31で覆われるのに対し、本実施形態では野縁受け4を挟持したクリップ33の片面側(第2の側面33a)のみが粘弾性体31で覆われる。本実施形態によれば、クリップ33の第1の側面33aと折り曲げ部3aの一方側の側面との間に生ずる摩擦力を活用しつつ、その第2の側面33bと折り曲げ部の3aの他方側の側面との間に配置された粘弾性体31の配置量を少なくすることができる。
(第3の実施形態)
次に、ハンガー機構3の第3の実施形態について、図4を参照しつつ、第1の実施形態とは異なる点を主に説明する。図4は、第3の実施形態に係るハンガー機構3を示す図であって、(a)は野縁受け4の断面方向からみた側面図、(b)は(a)をC方向からみた背面図、(c)は(a)をD方向からみた平面図である。なお、図4(a)〜(c)に示した左右向白矢印は、地震等による吊り天井の下地構造1の振動方向を表している。
第3の実施形態は、第1の実施形態において、さらにストッパー34を設けたものである。ここでは、ストッパー34は、折り曲げ部3aを挟んで所定の長さを有する板部材を用い、一方端側を野縁受け4の外面にビス35により固定するとともに、他方端側を折り曲げて突出部34aとすることにより構成されている。野縁受け4の長手方向の揺れが大きくなり、同方向の粘弾性体31の変形量が一定程度を超えるような場合、折り曲げ部3aをストッパー34の突出部34aに当接させることにより、ハンガー機構3全体と野縁受け4との支持関係を維持するようにしたものである。
ここでは、第1の実施形態にストッパー34を設けた例を図示しているが、第2の実施形態や後述する第4の実施形態又は本発明の要旨の範囲内で考案されうる他の変形例と組合わせることももちろん可能である。
(第4の実施形態)
次に、ハンガー機構3の第4の実施形態について、図5及び6を参照しつつ、第1の実施形態とは異なる点を主に説明する。図5は、第4の実施形態に係るハンガー機構を示す図であって、(a)は野縁受け4の断面方向からみた側面図、(b)は(a)をE方向からみた背面図、(c)は(a)をF方向からみた平面図である。図6は、第4の実施形態に係るハンガー機構について、粘弾性体の取付方法を説明するための図である。なお、図5(a)〜(c)に示した左右向白矢印は、地震等による吊り天井の下地構造1の振動方向を表している。
第4の実施形態は、ハンガー機構3の上板3bを挟むように上下それぞれに座金36a,bを備えており、粘弾性体31を側面視において上板3bを介して複数の座金36a,bの間に配置したものである。粘弾性体31の縦方向の肉厚は、本発明の目的が地震等に対する制振にあり、当該吊り天井が設置されている階の上の階からの防振、防音を目的とするものではないことから、可能な限り薄いものでよい。
ハンガー機構3に粘弾性体31を取付ける方法は、図6に示すように、座金の一方、ここでは上側の座金36aにバーリング加工により立ち上がり部36cを設けておき、その周囲に粘弾性体31を所定の肉厚となるように溶着又は接着させる。そして、粘弾性体31を設けた座金36aを上板3bの吊りボルト2を挿通する穴に嵌合させた後、下側の座金36bを溶着若しくは接着又はナット21による締付けで固定する。
本実施形態では、粘弾性体31は中空の形状となるが、図5(b)に示すように、粘弾性体31が制振効果を発揮できる肉厚は座金36aの立ち上がり部36cから上板3bの端面までの距離Lとなる。なお、本実施形態は、求められる制振効果に対応するため、ハンガー機構3の折り曲げ部3aに粘弾性体31を設けた第1ないし第3の実施形態と組合わせて構成してもよいことはもちろんである。
以上、各種の実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲がこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもない。これらの実施形態に多様な変更又は改良を加え得ることは当業者には明らかであり、そのように変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。さらには、本発明を、他の部材間例えば吊りボルト2と天井躯体Aとの間、野縁受け4と壁との間、ブレースとその取付け部との間などに設けられた制振機能などと併せて適用できることも明らかである。
1 吊り天井の下地構造
2 吊りボルト
21 ナット
3 ハンガー機構
3a 折り曲げ部
3b 上板
31 粘弾性体
32 付属ボルト
33 クリップ
33a クリップの第1の側面
33b クリップの第2の側面
34 ストッパー
34a 突出部
35 ビス
36a,b 座金
36c 立ち上がり部
4 野縁受け
5 野縁
A 天井躯体
B 天井仕上げ板
L 粘弾性体の肉厚

Claims (6)

  1. 天井躯体から垂下する吊りボルトの下端に取付けられ、野縁受けを支持するハンガー機構であって、
    前記吊りボルトを挿通する上板と、
    前記上板の一辺から延在して凹字状に形成され、前記野縁受けを支持する折り曲げ部とを備え、
    前記上板及び前記折り曲げ部の少なくとも一方に制振機能を有する粘弾性体が配置されることを特徴とするハンガー機構。
  2. 前記粘弾性体が、側面視において、前記野縁受けの両側面及び底面と前記折り曲げ部のそれぞれ対向する面との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載のハンガー機構。
  3. さらに、前記折り曲げ部の内部で前記野縁受けを挟持し、第1の側面が前記折り曲げ部に当接するクリップを備え、
    前記粘弾性体が、側面視において、前記クリップの前記第1の側面と反対側の第2の側面と前記折り曲げ部の対向する面との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載のハンガー機構。
  4. さらに、前記野縁受けの外面であって前記ハンガー機構の前記上板側に設けられ、前記粘弾性体が所定の範囲を超えて変形することを防止するストッパーを備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載のハンガー機構。
  5. さらに、前記上板を上下に挟む複数の座金を備え、
    前記粘弾性体が、側面視において、前記上板を介して前記複数の座金の間に配置されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のハンガー機構。
  6. 天井躯体から垂下する吊りボルトと、
    前記吊りボルトの下端に取付けられる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の制振機能を有するハンガー機構と、
    前記ハンガー機構に支持される野縁受けとを備えることを特徴とする吊り天井の下地構造。
JP2012177983A 2012-08-10 2012-08-10 ハンガー機構及びそれを用いた吊り天井の下地構造 Active JP6021248B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012177983A JP6021248B2 (ja) 2012-08-10 2012-08-10 ハンガー機構及びそれを用いた吊り天井の下地構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012177983A JP6021248B2 (ja) 2012-08-10 2012-08-10 ハンガー機構及びそれを用いた吊り天井の下地構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014034852A true JP2014034852A (ja) 2014-02-24
JP6021248B2 JP6021248B2 (ja) 2016-11-09

Family

ID=50284004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012177983A Active JP6021248B2 (ja) 2012-08-10 2012-08-10 ハンガー機構及びそれを用いた吊り天井の下地構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6021248B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101926096B1 (ko) * 2018-01-25 2018-12-06 심재옥 내진용 경량철골틀의 구조
KR20190119570A (ko) * 2018-04-11 2019-10-22 정민시 시공성과 공간 활용성을 증대시킨 천장 구조체 및 그 시공방법
JP7433795B2 (ja) 2019-07-24 2024-02-20 三洋工業株式会社 天井支持構造

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6089328U (ja) * 1983-11-18 1985-06-19 東洋ゴム工業株式会社 天井の防振吊下げ構造
JPH0321754A (ja) * 1989-06-15 1991-01-30 Bridgestone Corp 内装天井板取付装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6089328U (ja) * 1983-11-18 1985-06-19 東洋ゴム工業株式会社 天井の防振吊下げ構造
JPH0321754A (ja) * 1989-06-15 1991-01-30 Bridgestone Corp 内装天井板取付装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101926096B1 (ko) * 2018-01-25 2018-12-06 심재옥 내진용 경량철골틀의 구조
KR20190119570A (ko) * 2018-04-11 2019-10-22 정민시 시공성과 공간 활용성을 증대시킨 천장 구조체 및 그 시공방법
KR102336055B1 (ko) * 2018-04-11 2021-12-07 정민시 시공성과 공간 활용성을 증대시킨 천장 구조체 및 그 시공방법
JP7433795B2 (ja) 2019-07-24 2024-02-20 三洋工業株式会社 天井支持構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP6021248B2 (ja) 2016-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4846612B2 (ja) 吊り天井の耐震構造
JP4806239B2 (ja) 吊天井の補強金具
KR101171062B1 (ko) 전단형 마찰댐퍼
JP5746874B2 (ja) 天井構造およびブレース材と天井仕上板の固定金具
JP2009035942A (ja) 天井用補強金具とそれを用いた吊り天井
JP6021248B2 (ja) ハンガー機構及びそれを用いた吊り天井の下地構造
JP6253948B2 (ja) 吊天井下地構造
JP4774310B2 (ja) 粘弾性体付き制振装置を備えた制振装置付き耐力壁
JP2008274546A (ja) 吊り天井
KR102020389B1 (ko) 조립식 패널지지장치 및, 패널구조체
JP6808902B2 (ja) 吊り天井の下地構造
KR101844645B1 (ko) 횡하중 흡수형 건축용 패널 조립체
JP2013181342A (ja) 天井下地構造
JP6741269B2 (ja) クリップ補強金具
JP6954703B1 (ja) ボルト支持金具
JP2010043415A (ja) 制震デバイス
JP2016211216A (ja) 天井構造およびその構築方法
JP6218452B2 (ja) 吊り天井の下地構造
JP4373937B2 (ja) 制振壁パネルおよび壁構造
JP2011117262A (ja) 制振構造物
RU2330205C1 (ru) Устройство для закрепления трубопровода, преимущественно воздуховода
JP2007009450A (ja) パネル工法建築物の免震装置および免震構造
JP5997935B2 (ja) 角形鋼用吊り金具
JP6906344B2 (ja) 胴縁取付用金具
JP2009035949A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161003

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6021248

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250