JP2008174598A - 樹脂組成物 - Google Patents

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貴之 藤若
Yasuhiro Fukutome
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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂へのポリアニリンまたはその誘導体の極めて良好な分散性を示す樹脂組成物を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂とポリアニリンまたはその誘導体と塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体と酸性置換基を有する樹脂とを含むことを特徴とする樹脂組成物。また、ポリアニリンまたはその誘導体0.1〜50重量%および塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体が0.05〜25重量%および熱可塑性樹脂と酸性置換基を有する樹脂との計が25〜99.85重量%からなる上記樹脂組成物。さらにこれらを用いた成型体。
【選択図】なし

Description

ポリアニリンは各種プロトン酸等でドーピングさせることで導電性を発現させることができる。これは例えば、ポリアニリンを樹脂へ添加しシート状、フィルム状、繊維状などの成形品を作成すると帯電防止効果を付与できる。また、ポリアニリンは新しい電子材料、導電材料、電池の電極材料、帯電防止材料、電磁波遮蔽材料、有機EL、太陽電池、光メモリー、各種センサーなどの機能素子材料、各種ハイブリッド素材、透明導電体、などの広い分野への応用が研究されている。
一般的な導電性フィラーは粒子状のものが多く、粒子の接触が導電性に依存するため大量の充填が必要になる。しかし、大量にフィラーを充填すると物性低下を引き起こすなどの問題がある。また、粒子状のフィラーは樹脂から脱落をして電子機器などに悪影響を与えたり、汚染を引き起こしたりなどの問題点もあった。
そこで、カーボンナノチューブなどの繊維状の導電性フィラーにより低充填量で脱落も少なく優れた導電性を発現する導電材の開発も行われているが、素材自身の価格が非常に高価であることなどから一般のカーボンブラックなどによる導電材の代替に使用することは困難であった。そこで安価なポリアニリンが注目されている。また、ポリアニリンを電解酸化重合法などで合成すると一次粒子が繊維状の形状として得ることが出来る。そのため低充填・安価で導電性付与の可能性が高い材料として注目されている。
しかしながら、こうして得られた一次粒子は非常に凝集しやすく網目構造を経て塊凝集へと変化していく。凝集体は粒子状となり、一般の導電剤同様に大量の充填が必要となる。また、ポリアニリンは剛直性が強く、可塑性も劣り、その構造から水素結合を引き起こすことにより分子間の凝集が高いため、分子を分散させることが困難であり非常に加工性に乏しい。
そこで、ポリアニリンを分散させる方法が様々検討されている。例えば、[特許文献1]にはポリアニリンのいくつかの酸化状態の内のロイコエメラルジンやパーニグルアニリン形態へ変化させることで水素結合の影響が無くなることで解凝集され、成形が容易になるとされている。しかしながら、酸化または還元工程が必要なことや、半酸化状態であるエメラルジン形態と比較しドーパントとの反応でエネルギー的に不利なため十分な導電性が得られないなどの問題があった。また、[特許文献2]にはm−クレゾール、塩化リチウム、ノニルフェノールなどの添加剤を添加することで凝集を解くことができるとされているが、溶媒中での分散を目的としており樹脂への練り込みにおいてこれらの添加剤は溶解度、環境衛生性などから好ましくない。また、[特許文献3]には添加剤として主にフェノール誘導体を骨格に含む化合物により樹脂との相溶化を促進させるとされている、[特許文献4]には酸化亜鉛またはドデシルベンゼンスルホン酸亜鉛などでポリアニリンを可塑化させるとされているが、いずれも添加剤の量が多いため加工性やブリード性の問題などがある。
特許第3205963号報 特許第3065524号報 特許第3740509号報 特許第3017903号報
本発明は、これらの欠点がない優れた分散安定性を有する塩基性処理されたポリアニリンまたはその誘導体を含有する樹脂組成物を工業的に有利に提供することにある。
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂とポリアニリンまたはその誘導体と塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体と酸性置換基を有する樹脂とを含むことを特徴とする樹脂組成物に関する。
更に本発明は、上記樹脂組成物がポリアニリンまたはその誘導体0.1〜50重量%および塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体が0.05〜25重量%および熱可塑性樹脂と酸性置換基を有する樹脂との計が25〜99.85重量%からなることを特徴とする樹脂組成物に関する。
更に本発明は上記のポリアニリンまたはその誘導体があらかじめドーピング処理されたエメラルジン塩であっても、ドーパントがないエメラルジン塩基であってもよく、エメラルジン塩基を用いる場合はさらにプロトン酸を含有することを特徴とする樹脂組成物に関する。
更に本発明は上記樹脂組成物に可塑剤を含有することを特徴とする樹脂組成物に関する。
更に本発明は上記樹脂組成物からなる成形体に関する。
本発明によって得られる樹脂組成物は、熱可塑性樹脂へのポリアニリンまたはその誘導体の極めて良好な分散性を示した。
本発明で使用されるポリアニリンまたはその誘導体は特に限定されない。ドープされたエメラルジン塩であっても脱ドープされたエメラルジン塩基であっても構わないが、エメラルジン塩基を用いる場合はプロトン酸をどこかの工程にて添加しなくてはならない。また、ポリアニリンまたはその誘導体の芳香環上に置換基をもっていても構わないが、自己ドープ(分子内ドープ)をするような置換基を持つ場合はプロトン酸の添加によるドープ化反応は不要となる。エメラルジン塩を得る方法は特に限定されないが、例えば、プロトン酸または界面活性剤などとアニリンとを酸化剤などを用いて重合して得られるもの、エメラルジン塩基をプロトン酸でドープさせたものなどが例示される。また、ポリアニリン類の製造方法も特には限定されない。有機溶媒や水またはそれらの混合溶媒中で反応させても良いし、溶融した樹脂中で反応させても良い。また、ポリアニリンまたはその誘導体の分子量や分子量分布も特に限定されないが、分子量は5000以上であることが好ましい。
本発明で使用されるポリアニリンまたはその誘導体は合成直後の合成液の形態であっても、それを処理し有機溶媒や水に分散させた分散体であっても、乾燥させた粉体であっても構わない。
本発明において用いるプロトン酸は、例えば、有機カルボン酸又はフェノール類である。このようなプロトン酸としては、脂肪族、芳香族、芳香脂肪族、脂環式等の一又は多塩基酸を含む。このようなプロトン酸は、水酸基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等を有していてもよい。従って、かかるプロトン酸の具体例として、例えば、酢酸、n−酪酸、ペンタデカフルオロオクタン酸、ペンタフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、モノブロモ酢酸、モノクロロ酢酸、シアノ酢酸、アセチル酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸、ギ酸、シュウ酸、安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、2,4−ジニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ピクリン酸、o−クロロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、トリメチル安息香酸、p−シアノ安息香酸、m−シアノ安息香酸、チモールブルー、サリチル酸、5−アミノサリチル酸、o−メトキシ安息香酸、1,6−ジニトロ−4−クロロフェノール、2,6−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、p−オキシ安息香酸、ブロモフェノールブルー、マンデル酸、フタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、α−アラニン、β−アラニン、グリシン、グリコール酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン−N,N'−二酢酸、エチレンジアミン−N,N,N',N'−四酢酸等を挙げることができる。
また、プロトン酸は、スルホン酸又は硫酸基を有するものであつてもよい。このようなプロトン酸としては、例えば、アミノナフトールスルホン酸、メタニル酸、スルファニル酸、アリルスルホン酸、ラウリル硫酸、キシレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スチレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸、ジエチルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、ジブチルベンゼンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、エチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、ヘプチルナフタレンスルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸、デシルナフタレンスルホン酸、ウンデシルナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、ペンタデシルナフタレンスルホン酸、オクタデシルナフタレンスルホン酸、ジメチルナフタレンスルホン酸、ジエチルナフタレンスルホン酸、ジプロピルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、ジペンチルナフタレンスルホン酸、ジヘキシルナフタレンスルホン酸、ジヘプチルナフタレンスルホン酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、トリメチルナフタレンスルホン酸、トリエチルナフタレンスルホン酸、トリプロピルナフタレンスルホン酸、トリブチルナフタレンスルホン酸、カンフアースルホン酸、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸等を挙げることができる。
また、本発明においては、分子内に2つ以上のスルホン酸基を有する多官能有機スルホン酸も用いることができる。このような多官能有機スルホン酸としては、例えば、エタンジスルホン酸、プロパンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、ヘキサンジスルホン酸、ヘプタンジスルホン酸、オクタンジスルホン酸、ノナンジスルホン酸、デカンジスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸、エチルベンゼンジスルホン酸、プロピルベンゼンジスルホン酸、ブチルベンゼンジスルホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベンゼンジスルホン酸、ジプロピルベンゼンジスルホン酸、ジブチルベンゼンジスルホン酸、メチルナフタレンジスルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、プロピルナフタレンジスルホン酸、ブチルナフタレンジスルホン酸、ペンチルナフタレンジスルホン酸、ヘキシルナフタレンジスルホン酸、ヘプチルナフタレンジスルホン酸、オクチルナフタレンジスルホン酸、ノニルナフタレンジスルホン酸、ジメチルナフタレンジスルホン酸、ジエチルナフタレンジスルホン酸、ジプロピルナフタレンジスルホン酸、ジブチルナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ナフタレンテトラスルホン酸、アントラセンジスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、フェナントレンジスルホン酸、フルオレノンジスルホン酸、カルバゾールジスルホン酸、ジフエニルメタンジスルホン酸、ビフエニルジスルホン酸、ターフェニルジスルホン酸、ターフェニルトリスルホン酸、ナフタレンスルホン酸−ホルマリン縮合物、フェナントレンスルホン酸−ホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸−ホルマリン縮合物、フルオレンスルホン酸−ホルマリン縮合物、カルバゾールスルホン酸−ホルマリン縮合物等を挙げることができる。芳香環におけるスルホン酸基の位置は任意である。
更に、本発明において、プロトン酸はポリマー酸であってもよい。このようなポリマー酸としては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアリルスルホン酸、ポリメタリルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリハロゲン化アクリル酸、ポリイソプレンスルホン酸、N−スルホアルキル化ポリアニリン、核スルホン化ポリアニリン等を挙げることができる。ナフイオン(米国デュポン社登録商標)として知られている含フッ素重合体も、ポリマー酸として好適に用いられる。
通常このようなポリアニリンまたはその誘導体は凝集力が著しく強く、容易に樹脂、樹脂分散剤等で分散できるものではなかった。
そこで、鋭意検討した結果、塩基性官能基を持つ有機色素誘導体またはトリアジン誘導体がポリアニリンまたはその誘導体の分散剤として有効であり、このポリアニリンまたはその誘導体組成物が、樹脂に、極めて良好に分散することを見出した。また、この処理方法は、簡便で、工業的に有利である。
本発明に用いる、塩基性官能基を有する有機色素誘導体および、塩基性官能基を有するトリアジン誘導体は、下記一般式(1)または(3)で表される。
一般式(1)
Figure 2008174598
式中の記号は下記の意味を表す。
1;有機色素残基、アントラキノン残基またはアミノ基を有するアリール基
;直接結合,−CONH−Y−,−SO2 NH−Y- または−CH2 NHCOCH2 NH−Y−(Y;置換基を有してもよいアルキレン基またはアリーレン基を表す。)
;−NH−または−O−
;水酸基、アルコキシ基または下記一般式(2)で示される基で、nは1〜4の整数を表す。またn=1の場合、−NH−X−Qであってもよい。
、R;それぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基
m;1〜6の整数
一般式(2)
Figure 2008174598
式中の記号は下記の意味を表す。
3;−NH−または−O−
、R;それぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基またはRとRとが一体となって形成されたヘテロ環。
o;1〜6の整数。
一般式(3)
2−(−X−Yp
式中の記号は下記の意味を表す。
2;有機色素残基またはアントラキノン残基
;直接結合、−CONH−Y−,−SO2NH−Y−または−CH2NHCOCH2NH−Y−(Yは置換基を有してもよいアルキレン基またはアリーレン基を表す。)
;下記一般式(4)で示される基
p;1〜4の整数。
一般式(4)
Figure 2008174598
式中の記号は下記の意味を表す。
、R;それぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基。
q;1〜6の整数。
上記一般式(1)のQ、(3)のQにおける有機色素残基としてはフタロシアニン系色素、アゾ系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、アントラピリミジン系色素、アンサンスロン系色素、インダンスロン系色素、フラバンスロン系色素、ペリレン系色素、ペリノン系色素、チオインジコ系色素、イソインドリノン系色素、トリフェニルメタン系色素等の顔料または染料が挙げられる。上記一般式(1)のQ1 におけるアミノ基を有するアリール基としては、例えばアミノフェニル基、アミノナフチル基などが挙げられ、この時ベンゼン環にはアミノ基に加え、他の置換可能な場所にハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルコキシ基、置換または無置換のアルキル基の何れかの置換基を有してもよい。
塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体の添加量は、ポリアニリンまたはその誘導体の比表面積に比例するが、ポリアニリンまたはその誘導体に対して、1〜40wt%添加することが好ましい。より好ましくは10〜20wt%である。
塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体がポリアニリンまたはその誘導体の表面に吸着させ、酸性置換基を有する樹脂を添加することで塩基性処理ポリアニリンまたはその誘導体と強い親和性を持ち、立体障害での反発力が期待できるので好ましい。また、ポリアニリンまたはその誘導体の表面と酸性置換基を有する樹脂が強い親和性を持つことで樹脂への分散性が向上する。酸性置換基を有する樹脂とは、樹脂に酸基が結合しているものであれば、特に限定されないが、通常、極性の低い樹脂が用いられる。このような樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。なかでも、オレフィン系樹脂が好ましい。オレフィン系樹脂としては、α−オレフィンを単独で又は2種以上用いて重合させて得られたポリオレフィン等が挙げられる。α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン及び1−オクテン等が挙げられる。
酸基としては、COH基、CO−基、酸無水物基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。
酸基の樹脂への導入には、これらの酸基を有する不飽和化合物等を用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
例えば、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びナジック酸等が、不飽和カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸及び無水ナジック酸等が挙げられる。
具体的な導入方法としては、例えば、樹脂製造時に、不飽和化合物を共重合する方法、樹脂と不飽和化合物と少量の有機過酸化物とを混合した後に溶融混練する方法、樹脂を溶剤に溶解したものに不飽和化合物と少量の有機過酸化物を添加して溶液状態でグラフト反応させる方法等が挙げられる。
このような酸性置換基を有する樹脂としては、例えば、エチレン・アクリル酸共重合体、マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、EVA−グラフトアクリル酸共重合体、エチレン・エチルアクリレート・マレイン酸共重合体等が挙げられる。また、エチレン・(メタ)アクリル酸アイオノマー等のアイオノマー樹脂やカルボン酸などの酸基を末端または側鎖にもつポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。
更に、市販されている酸性置換基を有する樹脂としては、例えば、米国ハネウェル社製、商品名「A−Cポリエチレン A−C540」(エチレン・アクリル酸共重合体)、「A−Cポリエチレン A−C575P」(マレイン酸変性ポリエチレン)、クラリアント社製、商品名「Licocene PP MA 6252」(無水マレイン酸変性ポリプロピレンワックス)、ビックケミー社製、商品名「BYK−111」(リン酸エステル系共重合体)、ルーブルリゾール社製、商品名「Solsperse−21000」(酸性基を有する高分子)、信越化学工業社製、商品名「X−22−162C」(カルボキシル変性ポリオルガノシロキサン)等が挙げられる。これらの酸性置換基を有する樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、酸性置換基を有する樹脂の数平均分子量は、特に限定されないが、5000〜100000であることが好ましい。この数平均分子量が5000未満の場合、ブリードによる型汚れが起こることがある。数平均分子量が100000を超える場合、溶融粘度が上がり、無機充填剤の分散性が低下することがある。
更に、酸性置換基を有する樹脂の酸価は、特に限定されないが、塩基性処理ポリアニリンまたはその誘導体とより強い親和性を持たせる為、JIS K 0070で規定される酸価が20以上であることが好ましい。
熱可塑性樹脂に対し、酸性置換基を有する樹脂の添加量は0.01〜50w%であり、好ましくは0.1〜30w%、より好ましくは0.1〜20w%、更に好ましくは0.5〜10w%である。この添加量が0.01w%未満の場合、塩基性処理ポリアニリンまたはその誘導体の分散性を向上させる効果が低いため好ましくない。一方、50w%を超える場合、物性が著しく悪くなる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、CAB樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、PBT樹脂、PET樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマー、ポリテトラフロロエチレン樹脂、ポリフロロアルコキシ樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、微生物崩壊性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの樹脂を2種以上含むものであっても良い。
また、本発明に用いられる熱可塑性樹脂として、微生物崩壊性樹脂も用いることができる。具体的にはポリ乳酸、ポリカプロラクトン、または脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールとを原料として得られる脂肪族ポリエステル系樹脂の他、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂等が挙げられる。特にポリ乳酸が好ましい。
本発明で使用する可塑剤としては、特に限定されないが、一般によく知られているものを使用することができ、例えばポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤およびエポキシ系可塑剤などをあげることができる。
ポリエステル系可塑剤の具体例としては、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの酸成分と、プロピレングリコール、1,3 −ブタンジオール、1,4 −ブタンジオール、1,6 −ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール成分からなるポリエステルや、ポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸からなるポリエステルなどを挙げることができる。これらのポリエステルは単官能カルボン酸もしくは単官能アルコールで末端封鎖されていてもよく、またエポキシ化合物などで末端封鎖されていてもよい。グリセリン系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレートおよびグリセリンモノアセトモノモンタネートなどを挙げることができる。
多価カルボン酸系可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシルなどのトリメリット酸エステル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸n−オクチル−n−デシルアジピン酸エステルなどのアジピン酸エステル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチルなどのクエン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、およびセバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸エステルなどを挙げることができる。
リン酸エステル系可塑剤の具体例としては、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル−2−エチルヘキシルおよびリン酸トリクレシルなどを挙げることができる。
ポリアルキレングリコール系可塑剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロックおよび/又はランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体などのポリアルキレングリコールあるいはその末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物、および末端エーテル変性化合物などの末端封鎖化合物などを挙げることができる。
エポキシ系可塑剤とは、一般にはエポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリドなどを指すが、その他にも、主にビスフェノールAとエピクロロヒドリンを原料とするような、いわゆるエポキシ樹脂も使用することができる。
その他の可塑剤の具体例としては、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートなどの脂肪族ポリオールの安息香酸エステル、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチルなどのオキシ酸エステル、ペンタエリスリトール、各種ソルビトール、ポリアクリル酸エステル、シリコーンオイル、およびパラフィン類などを挙げることができる。
本発明で使用する可塑剤としては、上記に例示したもののなかでも特にポリエステル系可塑剤およびポリアルキレングリコール系可塑剤から選択した少なくとも1種が好ましい。本発明に使用する可塑剤は、1種のみでもよくまた2種以上の併用を行ってもよい。
本発明で可塑剤は、ポリアニリンまたはその誘導体と塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体をあらかじめ分散させた分散体、または、ポリアニリンまたはその誘導体と塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体と酸性置換基を有する樹脂をあらかじめ分散させた分散体として用いる。この分散体と熱可塑性樹脂および前者の分散体の場合は酸性置換基を有する樹脂を混練機にて混練することで樹脂組成物を作ることができる。
熱可塑性樹脂に対し、可塑剤の添加量は0.01〜50w%であり、好ましくは0.1〜30w%、より好ましくは0.1〜20w%、更に好ましくは0.5〜15w%である。この添加量が0.01w%未満の場合、ポリアニリンまたはその誘導体の添加量が低くなるため好ましくない。一方、50w%を超える場合、物性が著しく悪くなる。
本発明におけるポリアニリンまたはその誘導体の分散に使用する分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば、ヘンシェルミキサーやタンブラー、ディスパー等で混合しニーダー、ロールミル、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、シュギミキサー、バーティカルグラニュレーター、ハイスピードミキサー、ファーマトリックス、ペイントコンディショナー、ボールミル、スチールミル、サンドミル、振動ミル、アトライター、パールミル、コボールミル、バスケットミル、ホモミキサー、ホモジナイザー、ジェットミル、バンバリーミキサーのような回分式混練機、二軸押出機、単軸押出機、ローター型二軸混練機等を用いることができる。これらの分散機は1種のみ使ってもよくまた2種以上併用し2工程以上で製造しても良い。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体と塩基性官能基を有する有機色素誘導体と酸性置換基を有する樹脂と熱可塑性樹脂を二軸押出機にて溶融混練する方法や、ポリアニリンまたはその誘導体と塩基性官能基を有する有機色素誘導体と酸性置換基を有する樹脂とをMEK等の有機溶媒とともにペイントコンディショナーで分散させたものから溶媒を除去させて得られた組成物を二軸押出機に熱可塑性樹脂とともに溶融混練する方法、ポリアニリンまたはその誘導体があらかじめ分散された分散体へ塩基性官能基を有する有機色素誘導体と酸性置換基を有する樹脂を添加しペイントコンディショナーで分散させたものから溶媒を除去させて得られた組成物を二軸押出機に熱可塑性樹脂とともに溶融混練する方法等で樹脂組成物を得ることが出来る。
本発明における樹脂組成物は、熱可塑性樹脂以外の成分を比較的高濃度に含有し、成形時に被成形樹脂(ベース樹脂)で希釈されるマスターバッチであっても良いし、熱可塑性樹脂以外の成分の濃度が比較的低く、被成形樹脂で希釈せずにそのままの組成で成形に供されるコンパウンドであっても良い。
本発明における成形品の成形方法は、一般のプラスチックと同様の射出成形、押し出し成形、中空成形、回転成形、粉末成形、真空成形、圧縮成形等、公知の方法が挙げられる。さらに本発明における樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、各種フィラー、帯電防止剤、離型剤、香料、滑剤、難燃剤、発泡剤、充填剤、抗菌・抗カビ剤、核形成剤等の各種添加剤が配合されていても良い。また、これらの樹脂添加剤を1種のみでもよく、また2種以上併用しても良い。
[実施例]
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に特に限定されるものではない。実施例中、部および%は、それぞれ重量部および重量%を表す。なお、実施例、比較例で得られたポリアニリン組成物の表面抵抗率はSIMCO社製の表面抵抗測定器(TRUSTAT ST−3)を用いて測定した。また、分散度はキーエンス社製の顕微鏡を用いて175倍での粗大粒子の有無を確認した。
○:良分散
△:分散不良
×:未分散
本実施例および比較例で使用した有機色素誘導体および、トリアジン誘導体の化学構造式を以下に示す。
製造例1
東京色材工業社製のポリアニリン(TOSHIKI #502)30g、一般式(7)で示されるベンズイミダゾロン誘導体3g、イオン交換水1000gを3Lのステンレス容器に仕込み、混合した後、pH=5.0になるように酢酸を添加し、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェカーを用いて1時間分散を行い、溶媒を加熱蒸発させ、本発明のポリアニリン組成物を得た。
一般式(7)
Figure 2008174598
実施例1
製造例1で得られたポリアニリン組成物33g、A−Cポリエチレン A−C540(米国ハネウェル社製)33g、LDPE934gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを150℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
実施例2
製造例1で得られたポリアニリン組成物33g、Solsperse−21000(ルーブルリゾール社製)33g、GPPS樹脂934gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを190℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
実施例3
製造例1で得られたポリアニリン組成物33g、BYK111(ビックケミー社製)33g、アデカサイザーPN−400(ADEKA社製)134.0gを500ccのガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェカーを用いて1時間分散を行い、これをGPPS樹脂800gと共に190℃に設定した2軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
実施例4
東京色材工業社製のポリアニリン(TOSHIKI #103)15g、一般式(7)で示されるベンズイミダゾロン誘導体1.5g、イオン交換水450gを1Lのステンレス容器に仕込み、混合した後、pH=5.0になるように酢酸を添加し、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェカーを用いて1時間分散を行い、溶媒を加熱蒸発させ、本発明のポリアニリン組成物を得た。得られたポリアニリン組成物16.5g、Solsperse−21000(ルーブルリゾール社製)16.5g、ドデシルベンゼンスルホン酸15g、GPPS樹脂952gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを190℃に設定した2軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
実施例5
東京色材工業社製のポリアニリン(TOSHIKI #502)30g、一般式(8)で示されるフタロシアニン誘導体4.5g、イオン交換水1000gを3Lのステンレス容器に仕込み、混合した後、pH=5.0になるように酢酸を添加し、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェカーを用いて1時間分散を行い、溶媒を加熱蒸発させ、本発明のポリアニリン組成物を得た。得られたポリアニリン組成物34.5g、Solsperse−21000(ルーブルリゾール社製)34.5g、GPPS樹脂931gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを190℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
一般式(8)
Figure 2008174598
実施例6
東京色材工業社製のポリアニリン(TOSHIKI #502)30g、一般式(9)で示されるトリアジン誘導体6g、イオン交換水1000gを3Lのステンレス容器に仕込み、混合した後、pH=5.0になるように酢酸を添加し、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェカーを用いて1時間分散を行い、溶媒を加熱蒸発させ、本発明のポリアニリン組成物を得た。得られたポリアニリン組成物36g、Solsperse−21000(ルーブルリゾール社製)36g、GPPS樹脂928gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを190℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
一般式(9)
Figure 2008174598
実施例7
東京色材工業社製のポリアニリン(TOSHIKI #502)30g、一般式(10)で示されるキナクリドン誘導体3g、MEK1000gを3Lのステンレス容器に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェカーを用いて1時間分散を行い、溶媒を減圧下で加熱蒸発させ、本発明のポリアニリン組成物を得た。得られたポリアニリン組成物33g、Solsperse−21000(ルーブルリゾール社製)33g、GPPS樹脂934gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを190℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
一般式(10)
Figure 2008174598
実施例8
東京色材工業社製のポリアニリン(TOSHIKI #502)30g、一般式(11)で示されるトリアジン誘導体4.5g、トルエン1000gを3Lのステンレス容器に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェカーを用いて1時間分散を行い、溶媒を減圧下で加熱蒸発させ、本発明のポリアニリン組成物を得た。得られたポリアニリン組成物34.5g、Solsperse−21000(ルーブルリゾール社製)34.5g、GPPS樹脂931gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを190℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
一般式(11)
Figure 2008174598
比較例1
東京色材工業社製のポリアニリン(TOSHIKI #502)30g、LDPE樹脂970gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを150℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
比較例2
東京色材工業社製のポリアニリン(TOSHIKI #502)30g、GPPS樹脂970gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを190℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
比較例3
東京色材工業社製のポリアニリン(TOSHIKI #502)30g、BYK111(ビックケミー社製)30g、アデカサイザーPN−400(ADEKA社製)140.0gを500ccのガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェカーを用いて1時間分散を行い、これをGPPS樹脂800gと共に190℃に設定した2軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
比較例4
東京色材工業社製のポリアニリン(TOSHIKI #502)30g、Solsperse−21000(ルーブルリゾール社製)30g、GPPS樹脂940gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを190℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
Figure 2008174598

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂と、ポリアニリンまたはその誘導体と、塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体と、酸性置換基を有する樹脂とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. ポリアニリンまたはその誘導体0.1〜50重量%および塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体が0.05〜25重量%および熱可塑性樹脂と酸性置換基を有する樹脂との計が25〜99.85重量%からなる請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1および2記載のポリアニリンまたはその誘導体があらかじめドーピング処理されたエメラルジン塩であっても、ドーパントがないエメラルジン塩基であってもよく、エメラルジン塩基を用いる場合はさらにプロトン酸を含有する請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. さらに可塑剤を含有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の樹脂組成物からなる成形体。
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