JP2008174600A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Takayuki Fujiwaka
貴之 藤若
Keisuke Masuko
啓介 増子
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Abstract

【課題】優れた分散安定性を有する塩基性処理されたカーボンナノチューブを含有する樹脂組成物を工業的に有利に提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂とカーボンナノチューブと酸性官能基を有する有機色素誘導体または酸性官能基を有するトリアジン誘導体と塩基性官能基を有する樹脂とを含むことを特徴とする樹脂組成物、さらにカーボンナノチューブが多層カーボンナノチューブである上記樹脂組成物、さらにそれを用いた成型体。
【選択図】なし

Description

直径が数ナノメートルから数十ナノメートルの筒状炭素材料であるカーボンナノチューブは、高い導電性、機械的強度を有することから、燃料電池、電極、電磁波シールド材、導電性樹脂、電界放出ディスプレー(FED)用部材、水素を始めとする各種ガスの吸蔵材料などの機能性材料として、エレクトロニクス、エネルギー分野等の幅広い分野への利用が期待されている。
通常、カーボンナノチューブは隣接するカーボンナノチューブ同士が絡まり合った凝集物として得られる。一般に、カーボンナノチューブを使用する場合には、互いに絡まり合うことなく、樹脂中に微分散していることが好ましい。しかし、カーボンナノチューブはアスペクト比が非常に大きく絡まりあっているためその分散が非常に困難である。特に樹脂中への分散は非常に困難である。一般的な顔料の分散方法であるワックスに分散させる方法をカーボンナノチューブの分散に適用すると、特に、カーボンナノチューブが高濃度の場合、ワックスがカーボンナノチューブの絡まりの中に保持されてしまい、これを樹脂中に分散させても分散体がほぐれず、カーボンナノチューブは樹脂中に分散できなかった。そのため低濃度の分散体しか作成が出来ず、添加量を多くすると物性を落とす結果になっていた。そこで、カーボンナノチューブを分散する技術が検討されている。例えば、[特許文献1]にはカーボンナノチューブをプラズマで処理することにより絡まりをほぐし樹脂へ分散させる技術、[特許文献2]には独自の解砕機を作製しカーボンナノチューブを機械的に分散させる技術が提案されている。しかし、いずれの手法も初期投資費用や生産性に欠けるなどの問題があった。
特開2003−306607号報 特開2006−143532号報
本発明は、これらの欠点がない優れた分散安定性を有する塩基性処理されたカーボンナノチューブを含有する樹脂組成物を工業的に有利に提供することにある。
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂とカーボンナノチューブと酸性官能基を有する有機色素誘導体または酸性官能基を有するトリアジン誘導体と塩基性官能基を有する樹脂とを含むことを特徴とする樹脂組成物に関する。
更に本発明は、上記カーボンナノチューブが多層カーボンナノチューブである樹脂組成物に関する。
更に本発明は、上記樹脂組成物がカーボンナノチューブ0.1〜50重量%および酸性官能基を有する有機色素誘導体または酸性官能基を有するトリアジン誘導体が0.05〜25重量%および熱可塑性樹脂と塩基性官能基を有する樹脂との計が25〜99.85重量%からなることを特徴とする樹脂組成物に関する。
更に本発明は上記樹脂組成物に可塑剤を含有することを特徴とする樹脂組成物に関する。
更に本発明は上記樹脂組成物からなる成形体に関する。
本発明によって得られるカーボンナノチューブ樹脂組成物は、極めて良好な分散性を示した。
本発明で用いるカーボンナノチューブは、グラファイトの1枚面を巻いて円筒状にした形状を有しており、そのグラファイト層が1層で巻いた構造を持つ単層カーボンナノチューブ、2層またはそれ以上で巻いた多層カーボンナノチューブのいずれでも良いが、多層カーボンナノチューブであることが好ましい。単層カーボンナノチューブは、通常の製法では、33%が金属性で、残りの67%が導電性の低い半導体性の単層カーボンナノチューブであるため導電材としての用途には適さないため、導電材用途としては、多層カーボンナノチューブを用いる方が好ましい。
本発明のカーボンナノチューブは、一般にレーザーアブレーション法、アーク放電法、熱CVD法、プラズマCVD法、燃焼法などで製造できるが、どのような方法で製造したカーボンナノチューブでも構わない。特に、ゼオライトを触媒の担体としてアセチレンを原料に熱CVD法で作る方法は、特に精製することなく、多少の熱分解による不定形炭素被覆はあるものの、純度が高く、良くグラファイト化された多層カーボンナノチューブが得られる点で、本発明に使用するカーボンナノチューブとして好ましい。
本発明で用いるカーボンナノチューブは、好ましくは径が1〜200nmのもので、更に好ましくは径が3.5〜150nmのものである。
通常このようなカーボンナノチューブは凝集力が著しく強く、容易に樹脂、樹脂分散剤等で分散できるものではなかった。そこで、鋭意検討した結果、酸性官能基を持つ有機色素誘導体またはトリアジン誘導体がカーボンナノチューブの分散剤として有効であり、このカーボンナノチューブ組成物が、樹脂に、極めて良好に分散することを見出した。また、この処理方法は、簡便で、工業的に有利である。
本発明に用いる、酸性官能基を有する有機色素誘導体および、酸性官能基を有するトリアジン誘導体は、下記一般式(1)または(2)で表される。
一般式(1)
Figure 2008174600
式中の記号は下記の意味を表す。
;有機色素残基、またはアントラキノン残基、または置換基を有していてもよい複素環、または置換基を有していてもよい芳香族環
;−O−R、−NH−R、ハロゲン基、−X−R、−X−Y−Z(Rは水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基を表す。)
;−NH−、−O−、−CONH−、−SONH−、−CHNH−、−CHNHCOCHNH−または−X−Y−X−(X及びXはそれぞれ独立に−NH−または−O−を表す。)
;−CONH−、−SONH−、−CHNH−、−NHCO−または−NHSO
;炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、あるいは置換基を有してもよいアルケニレン基、あるいは置換基を有してもよいアリーレン基
;−SOM、−COOM(Mは1〜3価のカチオンの1当量を表す。)
上記一般式(1)のQにおける有機色素残基としてはフタロシアニン系色素、アゾ系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、アントラピリミジン系色素、アンサンスロン系色素、インダンスロン系色素、フラバンスロン系色素、ペリレン系色素、ペリノン系色素、チオインジコ系色素、イソインドリノン系色素、トリフェニルメタン系色素等の顔料または染料が挙げられる。
上記一般式(1)のQにおける複素環または芳香族環としては例えば、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、ベンズトリアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン等が挙げられる。
一般式(2)
−(−X−Z)n
式中の記号は下記の意味を表す。
;有機色素残基またはアントラキノン残基
;直接結合、−NH−、−O−、−CONH−、−SONH−、−CHNH−、−CHNHCOCHNH−または−X−Y−X−(X及びXはそれぞれ独立に−NH−または−O−を表し、Yは置換基を有していてもよいアルキレン基またはアリーレン基を表す。)
;−SOM、−COOM(Mは1〜3価のカチオンの1当量を表す。)
n;1〜4の整数
上記一般式(2)のQにおける有機色素残基としてはフタロシアニン系色素、アゾ系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、アントラピリミジン系色素、アンサンスロン系色素、インダンスロン系色素、フラバンスロン系色素、ペリレン系色素、ペリノン系色素、チオインジコ系色素、イソインドリノン系色素、トリフェニルメタン系色素等の顔料または染料が挙げられる。
酸性官能基を有する有機色素誘導体または酸性官能基を有するトリアジン誘導体の添加量は、カーボンナノチューブの比表面積に比例するが、カーボンナノチューブに対して、1〜40wt%添加することが好ましい。より好ましくは10〜20wt%である。
酸性官能基を有する有機色素誘導体または酸性官能基を有するトリアジン誘導体がカーボンナノチューブ表面に吸着させ、塩基性官能基を有する樹脂を添加することで塩基性処理カーボンナノチューブと強い親和性を持ち、立体障害での反発力が期待できるので好ましい。また、カーボンナノチューブの表面と塩基性官能基を有する樹脂が強い親和性を持つことで樹脂への分散性が向上する。塩基性官能基を有する樹脂とはアミノ基を含む樹脂である。アミノ基を含む樹脂としては、アミン変性樹脂、あるいは高分子分散剤から選ばれる少なくとも1種であり、アミン変性樹脂としては、ポリエチレンイミン、アミン変性ポリビニル樹脂、アミン変性アクリル樹脂、アミン変性ポリエステル樹脂およびアミン変性ポリウレタン樹脂、アミン変性ポリオルガノシロキサン等である。分子量としては、重量平均分子量5000以上の樹脂が好ましい。また、アミン価としては酸性処理カーボンナノチューブとより強い親和性を持たせる為、10以上が好ましい。更に、市販されている塩基性官能基を有する樹脂としては、例えば、味の素ファインテクノ社製、商品名「アジスパーPB−821」、日本触媒社製、商品名「エポミンSP−200」(ポリエチレンイミン)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂に対し、塩基性官能基を有する樹脂の添加量は0.01〜50w%であり、好ましくは0.1〜30w%、より好ましくは0.1〜20w%、更に好ましくは0.5〜10w%である。この添加量が0.01w%未満の場合、塩基性処理カーボンナノチューブの分散性を向上させる効果が低いため好ましくない。一方、50w%を超える場合、物性が著しく悪くなる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、CAB樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、PBT樹脂、PET樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマー、ポリテトラフロロエチレン樹脂、ポリフロロアルコキシ樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、微生物崩壊性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの樹脂を2種以上含むものであっても良い。
また、本発明に用いられる熱可塑性樹脂として、微生物崩壊性樹脂も用いることができる。具体的にはポリ乳酸、ポリカプロラクトン、または脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールとを原料として得られる脂肪族ポリエステル系樹脂の他、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂等が挙げられる。特にポリ乳酸が好ましい。
本発明で使用する可塑剤としては、特に限定されないが、一般によく知られているものを使用することができ、例えばポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤およびエポキシ系可塑剤などをあげることができる。
ポリエステル系可塑剤の具体例としては、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの酸成分と、プロピレングリコール、1,3 −ブタンジオール、1,4 −ブタンジオール、1,6 −ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール成分からなるポリエステルや、ポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸からなるポリエステルなどを挙げることができる。これらのポリエステルは単官能カルボン酸もしくは単官能アルコールで末端封鎖されていてもよく、またエポキシ化合物などで末端封鎖されていてもよい。
グリセリン系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレートおよびグリセリンモノアセトモノモンタネートなどを挙げることができる。
多価カルボン酸系可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシルなどのトリメリット酸エステル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸n−オクチル−n−デシルアジピン酸エステルなどのアジピン酸エステル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチルなどのクエン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、およびセバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸エステルなどを挙げることができる。
リン酸エステル系可塑剤の具体例としては、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル−2−エチルヘキシルおよびリン酸トリクレシルなどを挙げることができる。
ポリアルキレングリコール系可塑剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロックおよび/又はランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体などのポリアルキレングリコールあるいはその末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物、および末端エーテル変性化合物などの末端封鎖化合物などを挙げることができる。
エポキシ系可塑剤とは、一般にはエポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリドなどを指すが、その他にも、主にビスフェノールAとエピクロロヒドリンを原料とするような、いわゆるエポキシ樹脂も使用することができる。
その他の可塑剤の具体例としては、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートなどの脂肪族ポリオールの安息香酸エステル、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチルなどのオキシ酸エステル、ペンタエリスリトール、各種ソルビトール、ポリアクリル酸エステル、シリコーンオイル、およびパラフィン類などを挙げることができる。
本発明で使用する可塑剤としては、上記に例示したもののなかでも、特にポリエステル系可塑剤およびポリアルキレングリコール系可塑剤から選択した少なくとも1種が好ましい。本発明に使用する可塑剤は、1種のみでもよくまた2種以上の併用を行ってもよい。
本発明で可塑剤は、カーボンナノチューブと酸性官能基を有する有機色素誘導体または酸性官能基を有するトリアジン誘導体をあらかじめ分散させた分散体、または、カーボンナノチューブと酸性官能基を有する有機色素誘導体または酸性官能基を有するトリアジン誘導体と塩基性官能基を有する樹脂をあらかじめ分散させた分散体として用いる。この分散体と熱可塑性樹脂および前者の分散体の場合は塩基性官能基を有する樹脂を混練機にて混練することで樹脂組成物を作ることができる。
熱可塑性樹脂に対し、可塑剤の添加量は0.01〜50w%であり、好ましくは0.1〜30w%、より好ましくは0.1〜20w%、更に好ましくは0.5〜15w%である。この添加量が0.01w%未満の場合、カーボンナノチューブの添加量が低くなるため好ましくない。一方、50w%を超える場合、物性が著しく悪くなる。
本発明におけるカーボンナノチューブの分散に使用する分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば、ヘンシェルミキサーやタンブラー、ディスパー等で混合しニーダー、ロールミル、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、シュギミキサー、バーティカルグラニュレーター、ハイスピードミキサー、ファーマトリックス、ペイントコンディショナー、ボールミル、スチールミル、サンドミル、振動ミル、アトライター、パールミル、コボールミル、バスケットミル、ホモミキサー、ホモジナイザー、ジェットミル、バンバリーミキサーのような回分式混練機、二軸押出機、単軸押出機、ローター型二軸混練機等を用いることができる。これらの分散機は1種のみ使ってもよくまた2種以上併用し2工程以上で製造しても良い。例えば、カーボンナノチューブと酸性官能基を有する有機色素誘導体と塩基性官能基を有する樹脂と熱可塑性樹脂を二軸押出機にて溶融混練する方法や、カーボンナノチューブと酸性官能基を有する有機色素誘導体と塩基性官能基を有する樹脂とをMEK等の有機溶媒とともにペイントコンディショナーで分散させたものから溶媒を除去し、得られた組成物を二軸押出機に熱可塑性樹脂とともに溶融混練する方法等で樹脂組成物を得ることが出来る。
本発明における樹脂組成物は、カーボンナノチューブ組成物を比較的高濃度に含有し、成形時に被成形樹脂(ベース樹脂)で希釈されるマスターバッチであっても良いし、カーボンナノチューブ組成物の濃度が比較的低く、被成形樹脂で希釈せずにそのままの組成で成形に供されるコンパウンドであっても良い。
本発明における成形品の成形方法は、一般のプラスチックと同様の射出成形、押し出し成形、中空成形、回転成形、粉末成形、真空成形、圧縮成形等、公知の方法が挙げられる。
さらに本発明における樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、各種フィラー、帯電防止剤、離型剤、香料、滑剤、難燃剤、発泡剤、充填剤、抗菌・抗カビ剤、核形成剤等の各種添加剤が配合されていても良い。また、これらの樹脂添加剤を1種のみでもよく、また2種以上併用しても良い。
[実施例]
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に特に限定されるものではない。実施例中、部および%は、それぞれ重量部および重量%を表す。なお、実施例、比較例で得られたカーボンナノチューブ組成物の表面抵抗率はSIMCO社製の表面抵抗測定器(TRUSTAT ST−3)を用いて測定した。また、分散度は日立ハイテク社製の走査電子顕微鏡を用いて15000倍での凝集体の有無を確認した。
○:良分散
△:分散不良
×:未分散
本実施例および比較例で使用した有機色素誘導体および、トリアジン誘導体の化学構造式を以下に示す。
製造例1
Nanocyl社製の多層カーボンナノチューブ30g、一般式(7)で示されるフタロシアニン誘導体3g、イオン交換水1000gを3Lのステンレス容器に仕込み、混合した後、pH=9.0になるようにジメチルエタノールアミンを添加し、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェカーを用いて1時間分散を行い、溶媒を加熱蒸発させ、本発明のカーボンナノチューブ組成物を得た。
一般式(3)
Figure 2008174600
実施例1
製造例1で得られたカーボンナノチューブ組成物33g、アジスパーPB−821(味の素ファインテクノ社製)33g、LDPE樹脂934gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを150℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
実施例2
製造例1で得られたカーボンナノチューブ組成物33g、アジスパーPB−821(味の素ファインテクノ社製)33g、GPPS樹脂934gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを150℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
実施例3
製造例1で得られたカーボンナノチューブ組成物33g、エポミンSP−200(日本触媒社製)33g、アデカサイザーPN−260(ADEKA社製)134.0gを500ccのガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェカーを用いて1時間分散を行い、これをGPPS樹脂800gと共に190℃に設定した2軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
実施例4
Nanocyl社製の多層カーボンナノチューブ15g、一般式(3)で示されるフタロシアニン誘導体1.5g、イオン交換水450gを1Lのステンレス容器に仕込み、混合した後、pH=9.0になるようにジメチルエタノールアミンを添加し、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェカーを用いて1時間分散を行い、溶媒を加熱蒸発させ、本発明のカーボンナノチューブ組成物を得た。得られたカーボンナノチューブ組成物16.5g、アジスパーPB−821(味の素ファインテクノ社製)16.5g、GPPS樹脂952gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを190℃に設定した2軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
実施例5
Nanocyl社製の多層カーボンナノチューブ30g、一般式(4)で示されるベンズイミダゾロン誘導体4.5g、イオン交換水1000gを3Lのステンレス容器に仕込み、混合した後、pH=9.0になるようにジメチルエタノールアミンを添加し、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェカーを用いて1時間分散を行い、本発明のカーボンナノチューブ分散液を得た。これをイオン交換水で希釈し、分散粒度を測定した。得られたカーボンナノチューブ組成物34.5g、アジスパーPB−821(味の素ファインテクノ社製)34.5g、GPPS樹脂931gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを190℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
一般式(4)
Figure 2008174600
実施例6
Nanocyl社製の多層カーボンナノチューブ30g、一般式(4)で示されるトリアジン誘導体6g、イオン交換水1000gを3Lのステンレス容器に仕込み、混合した後、pH=9.0になるようにジメチルエタノールアミンを添加し、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェカーを用いて1時間分散を行い、本発明のカーボンナノチューブ分散液を得た。これをイオン交換水で希釈し、分散粒度を測定した。得られたカーボンナノチューブ組成物36g、アジスパーPB−821(味の素ファインテクノ社製)36g、GPPS樹脂928gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを190℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
一般式(5)
Figure 2008174600
比較例1
Nanocyl社製の多層カーボンナノチューブ30g、LDPE樹脂970gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを150℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
比較例2
Nanocyl社製の多層カーボンナノチューブ30g、GPPS樹脂970gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを190℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
比較例3
Nanocyl社製の多層カーボンナノチューブ30g、エポミンSP−200(日本触媒社製)30g、アデカサイザーPN−400(ADEKA社製)140.0gを500ccのガラス瓶に仕込み、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェカーを用いて1時間分散を行い、これをGPPS樹脂800gと共に190℃に設定した2軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
比較例4
Nanocyl社製の多層カーボンナノチューブ30g、アジスパーPB−821(味の素ファインテクノ社製)30g、GPPS樹脂940gを所定量加えスーパーミキサーにて撹拌羽回転速度約300rpmで3分間、撹拌・混合した。これを190℃に設定した単軸押出機で溶融混練し樹脂組成物を作成した後、射出成形機を用い成形を行った。
Figure 2008174600

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂と、カーボンナノチューブと、酸性官能基を有する有機色素誘導体または酸性官能基を有するトリアジン誘導体と、塩基性官能基を有する樹脂とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. カーボンナノチューブが多層カーボンナノチューブである請求項1記載の樹脂組成物。
  3. カーボンナノチューブ0.1〜50重量%および酸性官能基を有する有機色素誘導体または酸性官能基を有するトリアジン誘導体が0.05〜25重量%および熱可塑性樹脂と塩基性官能基を有する樹脂との計が25〜99.85重量%からなる請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. さらに可塑剤を含有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の樹脂組成物からなる成形体。
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