JP2008171941A - 発光素子 - Google Patents

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実人 三好
Mitsuhiro Tanaka
光浩 田中
Takashi Egawa
孝志 江川
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Abstract

【課題】低い動作電圧と高い発光効率とを有する、深紫外光発光素子を実現する。
【解決手段】発光素子10を、紫外領域に発光波長を有する第1のIII族窒化物で形成された発光部4と、第1のIII族窒化物よりもバンドギャップが大きい第2のIII族窒化物からなる第1クラッド部3と、第2のIII族窒化物よりもバンドギャップが小さい第3のIII族窒化物からなる第1コンタクト部2と、第1コンタクト部2に隣接するカソード電極部7と、第1のIII族窒化物よりもバンドギャップが小さい第4のIII族窒化物からなる第2クラッド部5と、第4のIII族窒化物よりもバンドギャップが小さい第5のIII族窒化物からなる第2コンタクト部6と、第2コンタクト部6に隣接するアノード電極部8と、によって構成し、第2コンタクト部6に紫外光の吸収不能部としての溝部6aを設け、該溝部6aを出射部として、発光部4からの励起発光を取り出すようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、III族窒化物半導体を用いた発光素子に関し、特に、深紫外光を好適に出射することができる発光素子の構造に関する。
深紫外域(例えばλ≦270nm)に発光波長を有するダイオード構造型の発光素子として、Al組成比の高いAlxGa1-xN(x≧0.4)からなる化合物半導体を発光層に用い、該発光層よりもさらにAl組成比が高い(バンドギャップが大きい)AlGaNにて形成したn型層およびp型層にて発光層を挟み込む構造がすでに公知である(例えば、非特許文献1参照)。
一方、n型の半導体層をGaN系III族窒化物で形成し、Ti/Alを電極に用いることで、n型層と電極との間で良好なオーム性接触が得られることも公知である(例えば、特許文献1参照)。
また、金属−半導体の電気的接合を良好なものとするために、接合部位の半導体層を超格子構造とする技術も公知である(例えば、特許文献2参照)。
ダイオード構造型の発光素子を得るには、p型層にはアノード電極が、n型層にはカソード電極が、各々直列接続される必要がある。
しかしながら、深紫外域(例えばλ≦270nm)に発光波長を有する発光素子を、非特許文献1に開示されているようにp型層とn型層とを発光層よりもAl組成比が高いAlGaNにて形成することで作製しようとする場合、そのバンドギャップの大きさのため、Al組成比が高いAlGaNの上には、良好なオーム性接触が得られるように金属電極を形成することが難しく、アノードまたはカソードで余分な電力消費が生じたり、あるいは接合部がショットキー性を有してしまうことに起因して、不要な波長域の発光が生じるという問題がある。
一方、n型層およびp型層としてAl組成比の低いAlGaNやGaNを用いた場合には、例えばTi/AlやNI/Auなどの金属材料と良好なオーム性接触を形成することが可能ではあるが、発光層よりもバンドギャップが小さいIII族窒化物からなるp型層とn型層とで発光層を挟み込む構造となるため、所望の波長を有する紫外線発光を素子外部に取り出すことができないという問題が生じる。
また、特許文献3に開示されているように、接合部位の半導体層を超格子構造とする態様は、その厚みがせいぜい数nm程度で相異なる組成を有する複数の超格子層を繰り返し積層し、かつ、いずれかの超格子層を正確に露出させて電極との接合面とする必要があるため、結晶成長の条件制御や接合面の形成プロセスの精密さが素子特性に大きく影響することになり、再現性の面で問題がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、低い動作電圧と高い発光効率とを有する、紫外光発光素子、特に、深紫外光発光素子を実現することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ダイオード構造型の発光素子であって、 紫外領域に発光波長を有するIII族窒化物で形成された発光部と、前記発光部に隣接する第1の導電部と、前記第1の導電部と異なる導電型を有し、前記発光部を介して前記第1の導電部と対向するように前記発光部に隣接する第2の導電部と、前記第1の導電部に隣接する第1の金属電極と、前記第2の導電部に隣接する第2の金属電極と、を備え、前記第1と第2の導電部はIII族窒化物からなり、少なくとも一方が溝部を有するように形成されており、前記溝部が前記発光部において発光された紫外光の出射部となる、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、ダイオード構造型の発光素子であって、紫外領域に発光波長を有するIII族窒化物で形成された発光部と、前記発光部に隣接する第1の導電部と、前記第1の導電部と異なる導電型を有し、前記発光部を介して前記第1の導電部と対向するように前記発光部に隣接する第2の導電部と、前記第1の導電部に隣接する第1の金属電極と、前記第2の導電部に隣接する第2の金属電極と、を備え、前記第1と第2の導電部はIII族窒化物からなり、少なくとも一方が前記発光部において発光された紫外光に対する吸収能を実質的に有さない吸収不能部を有するように形成されてなり、前記吸収不能部が前記発光部において発光された紫外光の出射部となる、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、ダイオード構造型の発光素子であって、紫外領域に発光波長を有するIII族窒化物で形成された発光部と、前記発光部に隣接する第1の導電部と、前記第1の導電部と異なる導電型を有し、前記発光部を介して前記第1の導電部と対向するように前記発光部に隣接する第2の導電部と、前記第1の導電部に隣接する第1の金属電極と、 前記第2の導電部に隣接する第2の金属電極と、を備え、前記第1と第2の導電部はIII族窒化物からなり、少なくとも一方が前記第1または第2のクラッド部の一部を実質的に露出させる露出部を有するように形成されてなり、前記露出部が前記発光部において発光された紫外光の出射部となる、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発光素子であって、前記発光層が第1のIII族窒化物からなり、前記第1の導電部が、前記第1のIII族窒化物よりもバンドギャップが大きい第2のIII族窒化物からなり、前記発光部に隣接する第1のクラッド部と、前記第2のIII族窒化物よりもバンドギャップが小さい第3のIII族窒化物からなり、前記第1のクラッド部に隣接する第1のコンタクト部と、からなり、前記第2の導電部が、前記第1のIII族窒化物よりもバンドギャップが小さい第4のIII族窒化物からなり、前記発光部を介して前記第1のクラッド部と対向するように前記発光部に隣接する第2のクラッド部と、前記第4のIII族窒化物よりもバンドギャップが小さい第5のIII族窒化物からなり、前記第2のクラッド部に隣接する第2のコンタクト部と、からなり、前記第1の金属電極が前記第1のコンタクト部に隣接し、前記第2の金属電極が前記第2のコンタクト部に隣接することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載の発光素子であって、所定の基板の上に、前記第1のコンタクト部と、前記第1のクラッド部と、前記発光部と、前記第2のクラッド部と、前記第2のコンタクト部とがこの順に積層形成された積層構造を有してなり、前記第2のコンタクト部が前記出射部として上側出射部を有してなる、ことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載の発光素子であって、前記第2のコンタクト部が、前記第5のIII族窒化物からなる層をいったん形成した後、前記上側出射部となる部分の前記第5のIII族窒化物を除去することによって形成されてなる、ことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5または請求項6に記載の発光素子であって、前記第1のコンタクトと前記第1のクラッド部との間に、所定のIII族窒化物からなる層を複数積層した分布ブラッグ反射部がさらに設けられてなる、ことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項4に記載の発光素子であって、所定の基板の上に、前記第1のコンタクト部と、前記第1のクラッド部と、前記発光部と、前記第2のクラッド部と、前記第2のコンタクト部とがこの順に積層形成された積層構造を有してなり、前記第1のコンタクト部に前記出射部としての下側出射部を有してなり、前記基板が、前記第1のコンタクト部が有する前記下側出射部を露出させる構造を有する、ことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8に記載の発光素子であって、前記第1のコンタクト部が、前記第3のIII族窒化物からなる層をいったん形成した後、前記下側出射部となる部分の前記第3のIII族窒化物を前記基板の対応箇所ともども除去することによって形成されてなる、ことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項8または請求項9に記載の発光素子であって、前記第2のコンタクトと前記第2のクラッド部との間に、所定のIII族窒化物からなる層を複数積層した分布ブラッグ反射部がさらに設けられてなる、ことを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項4ないし請求項10のいずれかに記載の発光素子であって、前記発光部がAlxGa1-xN(0.4≦x≦1.0)からなり、前記第1のクラッド部がAly1Ga1-y1N(x<y1≦1.0)からなるとともにN型の導電型を有し、前記第1のコンタクト部がAlz1Ga1-z1N(0≦z1<y1)からなるとともにN型の導電型を有し、前記第2のクラッド部がAly2Ga1-y2N(x<y2≦1.0)からなるとともにP型の導電型を有し、前記第2のコンタクト部がAlz2Ga1-z2N(0≦z2<y2)からなるとともにP型の導電型を有する、ことを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項11に記載の発光素子であって、前記第2のコンタクト部が、少なくとも前記第2の金属電極との接合部近傍においては、Alz2Ga1-z2N(0≦z2≦0.3)からなる、ことを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項12に記載の発光素子であって、前記第2のコンタクト部が、少なくとも前記第2の金属電極との接合部近傍においては、GaNからなる、ことを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項11ないし請求項13のいずれかに記載の発光素子であって、前記第1のコンタクト部が、少なくとも前記第1の金属電極との接合部近傍においては、Alz1Ga1-z1N(0≦z1≦0.65)からなり、前記第1のクラッド部がAly1Ga1-y1N(x<y1≦1.0かつz1<y1≦1.0)からなる、ことを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項14に記載の発光素子であって、前記第1のコンタクト部が、少なくとも前記第1の金属電極との接合部近傍においては、GaNからなる、ことを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項11ないし請求項15のいずれかに記載の発光素子であって、前記第1のクラッド部が、少なくとも前記発光部との接合部近傍においては、Aly1Ga1-y1N(x<y1≦1.0かつ0.6≦y1≦1.0)からなり、前記第2のクラッド部が、少なくとも前記発光部との接合部近傍においては、Aly2Ga1-y2N(x<y2≦1.0かつ0.6≦y2≦1.0)からなる、ことを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発光素子であって、 前記第1と第2の導電部の少なくとも一方の、前記発光層との隣接部を含む領域が、前記発光層を形成するIII族窒化物よりもバンドギャップが小さいIII族窒化物からなる、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項17の発明によれば、良好なオーミック接触を有するように電極が形成されてなる一方で、紫外光が出射部から確実に取り出される構造を有することにより、従来の発光素子よりも低い動作電圧と高い発光効率とを有する、紫外光を発光する発光素子が実現される。特に、発光部を深紫外領域に発光波長を有するIII族窒化物で形成する場合であっても、係る低い動作電圧と高い発光効率とが好適に実現される。
特に、請求項7および請求項10の発明によれば、出射部が設けられていない側のクラッド部とコンタクト部との間に設けた分布ブラッグ反射部が、発光部からの光を出射部が備わる側へと反射させるので、さらに発光効率の優れた発光素子が実現される。
<第1の実施の形態>
<発光素子の概略構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光素子10の構造を模式的に示す図である。図1(a)は発光素子10の上面図であり、図1(b)は該上面図に記す線分A−Bに沿った断面図である。なお、図1以降の各図における各部の比率は、必ずしも実際のものを反映したものではない。
図1(b)に示すように、発光素子10は、基板1の上に、第1コンタクト部2と、第1クラッド部3と、発光部4と、第2クラッド部5と、第2コンタクト部6とをこの順に隣接形成させた積層構造を有する。換言すれば、発光部4を第1クラッド部3と第2クラッド部5とで上下から挟み込み、さらにその外側を第1コンタクト部2と第2コンタクト部6とで上下から挟み込んだ積層構造体を、基板1の上に設けたものであるともいえる。
基板1は、例えば、サファイアやSiCなどの単結晶基材である。あるいは、これら単結晶基材の上に、AlNやGaNなどのIII族窒化物からなる下地層を適宜にエピタキシャル形成したものを基板1としてもよい。例えば、厚みが数百μm程度のC面単結晶サファイアの上に、MOCVD法によって数μm程度の厚みのAlN層を下地層としてエピタキシャル成長させたものを基板1とするのが好適な一例である。
このような基板1の上に、MOCVD法などの公知のエピタキシャル成長法によって所定のIII族窒化物からなる複数の層を順次にエピタキシャル成長させることで、上述の積層構造体を構成する各部が形成されてなる。
なお、第1コンタクト部2と第1クラッド部3とは、いずれもN型の導電型を有するように形成されてなる。このようにN型の導電型を有する部位を、N型の導電部と総称する場合がある。また、第2クラッド部4と第2コンタクト部5とは、いずれもP型の導電型を有するように形成されてなる。このようにP型の導電型を有する部位を、P型の導電部と総称する場合がある。
また、第1コンタクト部2の一部は露出しており、その露出部分にカソード電極部7が設けられてなる。なお、カソード電極部7のことをカソード電極パッド7とも称する。カソード電極パッド7は、Ti/Alによって形成されてなる。
さらに、第2コンタクト部6の上には、アノード電極層8aとアノード電極パッド8bとからなるアノード電極部8が設けられてなる。アノード電極層8aは、第2コンタクト部6の上面の後述する溝部6aの部分を除く略全面に形成されてなる。第2のアノード電極パッド8bは、係るアノード電極層8aの一部に設けられてなる。アノード電極層8aとアノード電極パッド8bとは、Ni/Auによって形成されてなる。
発光素子10は、カソード電極パッド7とアノード電極パッド8bとの間に所定の電圧を印加することで生じる、発光部4におけるキャリアの再結合による励起発光を、素子外部に向けて出射するものであり、後述するように、係る出射光を好適に取り出すことが出来る構造を有してなる。
<発光部の構成>
発光部4は、紫外領域に発光波長を有するIII族窒化物で形成されてなる。ここで、紫外領域に発光波長を有するとは、具体的には発光波長が350nm以下であることを意味する。なお、後述するように、発光部4が深紫外領域である270nm以下の発光波長を有するIII族窒化物で形成される場合に、本実施の形態に係る発明の効果がより十分に発揮されることになる。具体的には、AlxGa1-xN(0.4≦x≦1.0)なるIII族窒化物で発光部4を形成する場合に、係る発光波長を有することになる。
発光部4は、単一かつ均一組成のIII族窒化物層にて形成される態様であってもよいが、発光効率の向上という観点からは、図1に示すように、実際に励起発光を生じさせる発光層4aと、キャリアの閉じ込め効果を得るために発光層4aよりもわずかにバンドギャップが大きなバリア層4bとが繰り返し積層されてなる、いわゆる多重量子井戸層の構成を有することが好ましい。例えば、発光層4aとしてAl0.5Ga0.5Nからなる層を3nmの厚みに形成し、バリア層4bとしてAl0.55Ga0.45Nからなる層を5nmの厚みに形成することを数周期程度繰り返す態様が、その好適な一例である。
<クラッド部の構成>
第1クラッド部3と、第2クラッド部5とは、上述のように発光部4を挟みこむように、第1クラッド部3については発光部4の下側に、第2クラッド部5については発光部4の上側に、それぞれ隣接形成されてなる。第1クラッド部3と、第2クラッド部5とは、いわゆるクラッド層として機能する。従って、第1クラッド部3と第2クラッド部5とはいずれも、発光部4を構成するIII族窒化物よりも、バンドギャップが大きなIII族窒化物で形成されてなる。
発光部4がAlxGa1-xN(0.4≦x≦1.0)なるIII族窒化物で形成されてなる場合、第1クラッド部3は、さらにAlリッチなAly1Ga1-y1N(x<y1≦1.0)なるIII族窒化物に、SiなどのN型のドーパントをドープすることによって形成されてなる。
一方、第2クラッド部5も同様に、発光部4を形成するIII族窒化物よりもAlリッチなAly2Ga1-y2N(x<y2≦1.0)なるIII族窒化物に、MgなどのP型のドーパントをドープすることによって形成されてなる。
より好ましくは、第1クラッド部3が、少なくとも発光部4との接合部近傍においては、Aly1Ga1-y1N(x<y1≦1.0かつ0.6≦y1≦1.0)なるIII族窒化物で形成され、第2クラッド部5が、少なくとも発光部4との接合部近傍においては、Aly2Ga1-y2N(x<y2≦1.0かつ0.6≦y2≦1.0)なるIII族窒化物で形成される。係る場合、発光素子10の発光特性がより向上するからである。
例えば、発光部4がAl0.5Ga0.5NなるIII族窒化物で形成する場合であれば、第1クラッド部3については、N型ドーパントとしてのSi原子を5×1018/cm3程度含むAl0.68Ga0.32Nからなる層を、第2クラッド部5については、P型ドーパントとしてのMg原子を1×1020/cm3程度含むAl0.68Ga0.32Nからなる層を、それぞれ数十nm程度の厚みに形成するのが、好適である。
また、発光部4を構成するIII族窒化物よりもバンドギャップが大きいIII族窒化物で第1クラッド部3と第2クラッド部5とを構成し、発光部4を挟み込むことは、発光部4で生じる励起発光を外部へと取り出すうえにおいても好ましい。
<コンタクト部の構成>
第1コンタクト部2と第2コンタクト部6とは、上述のように、第1クラッド部3と発光部4と第2クラッド部5とを挟みこむように、第1コンタクト部2については第1クラッド部3の下側に、第2コンタクト部6については第2クラッド部5の上側に、それぞれ隣接形成されてなる。
第1コンタクト部2と第2コンタクト部6とは、カソード電極部7もしくはアノード電極部8との間で良好なオーミック接触を得るために形成される部位である。
第1コンタクト部2は、第1クラッド部3を構成するIII族窒化物よりもバンドギャップが小さいIII族窒化物にて形成される。同様に、第2コンタクト部6は、第2クラッド部5を構成するIII族窒化物よりもバンドギャップが小さいIII族窒化物にて形成される。
上述のように、発光部4がAlxGa1-xN(0.4≦x≦1.0)なるIII族窒化物で形成されてなり、第1クラッド部3がAly1Ga1-y1N(x<y1≦1.0)なるIII族窒化物で形成されなる場合、第1コンタクト部2は、Alz1Ga1-z1N(0≦z1<y2)なるIII族窒化物に、SiなどのN型のドーパントをドープすることによって形成することができる。
同様に、発光部4がAlxGa1-xN(0.4≦x≦1.0)なるIII族窒化物で形成されてなり、第2クラッド部5がAly2Ga1-y2N(x<y2≦1.0)なるIII族窒化物で形成されてなる場合、第2コンタクト部6は、Alz2Ga1-z2N(0≦z2<y2)なるIII族窒化物に、MgなどのP型のドーパントをドープすることによって形成されてなる。
仮に、発光素子が第1コンタクト部2と第2コンタクト部6とを備えない場合、第1クラッド部3と第2クラッド部5とに直接に隣接させる態様で、カソード電極部7とアノード電極部8とを形成しなければならないが、上述したように、第1クラッド部3と第2クラッド部5とを発光部4よりもAlリッチなAlGaN層で形成する場合、カソード電極部7とアノード電極部8とを構成する金属材料との間で良好なオーミック接触を実現することは難しい。そのため、本実施の形態においては、上述のようなバンドギャップの関係をみたすように(つまりは上述のような組成の関係をみたすように)第1コンタクト部2と第2コンタクト部6とを設け、これらの上にカソード電極部7もしくはアノード電極部8を形成することで、良好なオーミック接触を確保している。すなわち、本実施の形態に係る発光素子10においては、カソード電極部7やアノード電極部8との接合部分において余分な電力消費が生じることや、ショットキー接触が生じてしまうことが好適に防止されてなる。
好ましくは、第1コンタクト部2は、少なくともカソード電極部7との接合部近傍においては、Alz1Ga1-z1N(0≦z1≦0.65)なるIII族窒化物で形成される。係る場合、第1コンタクト部2とカソード電極部7との間で、より良好なオーム性接触を得ることが出来るからである。なお、その場合には、第1クラッド部3がAly1Ga1-y1N(x<y1≦1.0かつz1<y1≦1.0)なるIII族窒化物で形成される必要がある。係る場合において、より好ましくは、第1コンタクト部2は、少なくともカソード電極部7との接合部近傍においては、GaNで形成される。
また、好ましくは、第2コンタクト部6が、少なくともアノード電極部8との接合部近傍においては、Alz2Ga1-z2N(0≦z2≦0.3)なるIII族窒化物で形成される。係る場合、第2コンタクト部6とアノード電極部8との間で、より良好なオーム性接触を得ることが出来るからである。係る場合において、より好ましくは、第2コンタクト部6は、少なくともアノード電極部8との接合部近傍においては、GaNで形成される。
ただし、第1クラッド部3、発光部4、および第2クラッド部5を、第1クラッド部3あるいは第2クラッド部5を構成するIII族窒化物よりもバンドギャップが小さいIII族窒化物からなる層で完全に挟み込んでしまうようにすると、これらのIII族窒化物は紫外光の透過能が小さいため、発光部4で生じた励起発光(紫外光)はこれらの部分で吸収されてしまい、素子の外部に出射される光が弱められてしまう。
そこで、本実施の形態に係る発光素子10においては、図1に示すように、第2コンタクト部6の一部に溝部6aを設け、発光部4からの励起発光が、溝部6aを通じて出射されるようにしている。このようにすると、溝部6aがいわば取り出し窓となって、発光部4の溝部6aの下方の領域で生じた紫外光は、吸収を受けることなく溝部6aから素子外部へと出射されることになる。
第2コンタクト部6が係る溝部6aを有する構成は、例えば、第2コンタクト部6を形成するIII族窒化物からなる層をいったん第2クラッド部5の上面全体に形成した上で、その一部をフォトリソグラフィーやRIE(反応性イオンエッチング)などの公知の手法で除去することによって、実現可能である。
このことは、第2クラッド部5の一部が露出するように第2コンタクト部6を形成すれば、紫外光の出射部を形成したことになる、ということでもある。
ただし、第2クラッド部5が完全に露出することは必須の態様ではない。実質的な吸収が生じない程度であれば、溝部6aの底面に第2コンタクト部6を形成するIII族窒化物が存在していてもよい。換言すれば、第2コンタクト部6においては、溝部6aが、発光部4において発光された紫外光に対する吸収能を実質的に有さない吸収不能部となっていれば、吸収不能部が紫外光の出射部として機能する、ということでもある。
なお、図1(a)に示す、発光素子10を上面からみた場合の溝部の形成位置や上面形状はあくまで例示であって、係る態様に限定されるものではなく、異なる態様で設けられてもよい。図2に示す発光素子の上面図は、そうした態様の一例を示す図である。図2においては、上面視ストライプ状に溝部6bが設けられてなる場合を示している。係る態様であっても、溝部6bは良好に紫外光の出射部として機能する。なお、通電の際の電流経路の分布度合を鑑みると、図2のようなストライプ状にするなどして溝部を分散配置することによって、アノード電極層8aの配置に偏りが生じないようにする方が望ましい。
発光素子10においては、カソード電極部7と第1コンタクト部2との間、およびアノード電極部8と第2コンタクト部6との間で良好なオーム性接触を確保するために、第1コンタクト部2と第2コンタクト部6とを紫外光の透過能の小さいIII族窒化物で形成する一方で、第2コンタクト部6に設けた吸収不能部を出射部として、発光部4における励起発光を効率良く取り出せるようにされてなる。すなわち、発光素子10においては、低い動作電圧と高い発光効率とが併せて実現されていることになる。
なお、深紫外領域の発光が生じるように発光部4を形成したとしても、第2コンタクト部6に溝部6aのような吸収不能部を設けさえすれば、紫外光の出射は確保されることになるので、本実施の形態に係る発光素子10の構造は、深紫外領域に発光波長を有する発光素子を作製する場合に特に適しているといえる。
すなわち、本実施の形態によれば、従来の発光素子よりも低い動作電圧と高い発光効率とを有する、紫外光を発光する発光素子が、なかでも深紫外光を発光する発光素子が好適に実現される。
<発光素子の作製方法>
次に、本実施の形態に係る発光素子10の作製方法の一例を示す。ここでは、発光部4をいずれもAlxGa1-xN(0.4≦x≦1.0)なる発光層4aとバリア層4bとが繰り返し積層された多重量子井戸層として形成し、第1クラッド部3をAly1Ga1-y1N(x<y1≦1.0)で形成し、第2クラッド部5をAly2Ga1-y2N(x<y2≦1.0)で形成し、第1コンタクト部2をAlz1Ga1-z1N(0≦z1<y2)で形成し、第2コンタクト部6をAlz2Ga1-z2N(0≦z2<y2)で形成する場合について説明する。なお、以下に示す作製方法はあくまで例示であって、必ずしもこれに限られるわけではない。
まず、C面単結晶サファイアからなる厚みが数百μm程度の単結晶基材を用意し、その上に、MOCVD法によって、数μm程度の厚みのAlN層を下地層としてエピタキシャル成長させる。これによって基板1が得られる。なお、上述したように、サファイアやSiCなどの単結晶基材をそのまま基板1として用いてもよい。
引き続き、MOCVD法を用いて、基板1の上に第1コンタクト部2、第1クラッド部3,発光部4、第2クラッド部5、第2コンタクト部6となるIII族窒化物層を次のように順次にエピタキシャル成長させる:
(1)第1コンタクト部2となる層を、Si原子濃度が5×1018/cm3程度となるようにSiをドーピングしつつ、数μm程度の厚みに形成する;
(2)第1クラッド部3となる層を、Si原子濃度が5×1018/cm3程度となるようにSiをドーピングしつつ、数十nm程度の厚みに形成する;
(3)発光部4として、発光層4aと発光層4aよりもわずかにAlリッチなバリア層4bとを、それぞれ数nm程度の厚みで数周期〜数十周期繰り返し積層して多重量子井戸層を形成する;
(4)第2クラッド部5となる層を、Mg原子濃度が1×1020/cm3程度となるようにMgをドーピングしつつ、数十nm程度の厚みに形成する;
(5)第2コンタクト部6となる層を、Mg原子濃度が1×1020/cm3程度となるようにMgをドーピングしつつ、数十nm程度の厚みに形成する。
このようにして得られた積層構造体に対し、フォトリソグラフィープロセスとRIE法とを用いて、第1コンタクト部2の一部を露出させる。
さらに、フォトリソグラフィープロセスとRIE法とを用いて、第2コンタクト部6に溝部6aを形成する。
次に、第2クラッド部5と第2コンタクト部6におけるMgイオンの活性化処理として、窒素雰囲気中での800℃の熱処理を数十分間施す。
続いて、フォトリソグラフィープロセスと真空蒸着法とを用いて、第1コンタクト部2の露出部分に、カソード電極パッド7となるTi/Al膜をパターニングする。その後、オーム性接触特性を良好なものとするために、窒素雰囲気中での700℃の熱処理を数十秒間施す。
さらに、フォトリソグラフィープロセスと真空蒸着法とを用いて、第2コンタクト部6の最上面に(溝部6a以外の部分に)、アノード電極層8aとなるNi/Au膜をパターニングする。その後、オーム性接触特性を良好なものとするために窒素雰囲気中での600℃の熱処理を数十秒間施す。
さらに、フォトリソグラフィープロセスと真空蒸着法とを用いて、アノード電極層8aの上面の一部領域に、アノード電極パッド8bとなるNi/Au膜をパターニングする。
以上のプロセスを経ることで、発光素子10は作製される。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態においては、第2コンタクト部6に紫外光が実質的に吸収されない溝部6aを設け、これを出射部とするようにしているが、出射部を設ける態様はこれに限定されるものではない。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る発光素子20の構造を模式的に示す図である。図3(a)は発光素子20の上面図であり、図3(b)は該上面図に記す線分C−Dに沿った断面図である。なお、発光素子20において、第1の実施の形態に係る発光素子10の構成要素と同様の作用効果を奏する構成要素については、第1の実施の形態に係る構成要素と同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態においては、第2のコンタクト部6に溝部を設ける代わりに、第1コンタクト部2に溝部を設け、発光部4からの励起発光が、該溝部を通じて出射されるようにする。ただし、図3に示す発光素子20においては、第1コンタクト部2は基板1の上に設けられているため、基板1の対応箇所も含めて、溝部2aを構成するようにされてなる。このようにすると、発光部4の溝部2aの上方の領域で生じた紫外光は、吸収を受けることなく溝部2aから素子外部へと出射されることになる。
このことは、第1クラッド部3の一部が露出するように第1コンタクト部2を形成すれば、紫外光の出射部を形成したことになる、ということでもある。
ただし、第1クラッド部3が完全に露出することは必須の態様ではない。実質的な吸収が生じない程度であれば、溝部2aの底面に第1コンタクト部2を形成するIII族窒化物が存在していてもよい。換言すれば、第1コンタクト部2においては、溝部2aが、発光部4において発光された紫外光に対する吸収能を実質的に有さない吸収不能部となっていれば、吸収不能部が紫外光の出射部として機能する、ということでもある。
溝部2aは、少なくとも第1コンタクト部2を形成するIII族窒化物からなる層がいったん基板1の上面全体に形成されてさえいれば、その一部を基板1ともども除去することで実現可能である。ただし、通常は、第1の実施の形態で示したように、第1コンタクト部2の形成から第2コンタクト部6の形成までは連続的行うことが効率的であることから、少なくとも第2コンタクト部6までを形成した後に係る除去を行うことが好適である。あるいは、カソード電極部7やアノード電極部8を形成した後に溝部2aを形成する態様であってもよい。溝部2aの形成は、レーザー加工法などの公知の手法で実現可能である。
発光素子20においては、カソード電極部7と第1コンタクト部2との間、およびアノード電極部8と第2コンタクト部6との間で良好なオーム性接触を確保するために、第1コンタクト部2と第2コンタクト部6とを紫外光の透過能の小さいIII族窒化物で形成する一方で、第1コンタクト部2に設けた吸収不能部を出射部として、発光部4における励起発光を効率良く取り出せるようにされてなる。すなわち、発光素子20においては、低い動作電圧と高い発光効率とが併せて実現されていることになる。
なお、本実施の形態に係る発光素子20の構造が、深紫外領域に発光波長を有する発光素子を作製する場合に特に適している点は、第1の実施の形態に係る発光素子10の場合と同様である。
すなわち、本実施の形態によっても、従来の発光素子よりも低い動作電圧と高い発光効率とを有する、紫外光を発光する発光素子が、なかでも深紫外光を発光する発光素子が好適に実現される。
<第3の実施の形態>
発光部における紫外発光を素子外部に取り出すための出射部が備わる態様であれば、発光素子の構成は必ずしも上述の実施の形態で示すものには限定されない。上述の実施の形態とは異なる構造を有する発光素子について説明する。
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る発光素子30の構造を模式的に示す図である。図4は、図1(a)に記す発光素子10の線分A−Bの箇所と同様の箇所についての発光素子30の断面図である。なお、発光素子30において、第1の実施の形態に係る発光素子10の構成要素と同様の作用効果を奏する構成要素については、第1の実施の形態に係る構成要素と同一の符号を付してその説明を省略する。
発光素子30は、第1の実施の形態に係る発光素子10と同様に第2コンタクト部6に溝部6aを有する発光素子であるが、第1コンタクト部2と第1クラッド部3との間に、分布ブラッグ反射(DBR:Distributed Bragg Reflector)部9が挿入されてなる点で発光素子10と相違する。
分布ブラッグ反射部9は、分布ブラッグ反射器として機能する部位であり、互いに組成の異なるAlwGa1-wN(0≦w≦1.0)からなる複数の層を好適に積層することで実現される。係る分布ブラッグ反射部9を備える発光素子30においては、発光部4からの紫外光のうち第1クラッド部3の方に向けて照射された成分は、分布ブラッグ反射部9において反射を受けることで、結局は溝部6aが設けられている第2クラッド部5の方に向けて照射されることになる。その結果として、発光素子30は、係る分布ブラッグ反射部9を備えていない、第1の実施の形態に係る発光素子10に比して、より多くの紫外光を溝部6aを通じて素子の外部へと出射することができる。すなわち、発光素子30の構造は、第1の実施の形態に係る発光素子10よりもさらに発光効率が優れた発光素子を実現する構造である。
すなわち、本実施の形態によれば、第1の実施の形態よりもさらに発光効率の高い発光素子を実現することが出来る。
<第4の実施の形態>
本実施の形態においても、発光部における紫外発光を素子外部に取り出すための出射部を備える、さらに異なる構造を有する発光素子について説明する。
図5は、本発明の第4の実施の形態に係る発光素子40の構造を模式的に示す図である。図5(a)は発光素子40の上面図であり、図3(b)は該上面図に記す線分E−Fに沿った断面図である。なお、発光素子40において、第1の実施の形態に係る発光素子10の構成要素と同様の作用効果を奏する構成要素については、第1の実施の形態に係る構成要素と同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態に係る発光素子40は、N型の導電部の構成が第1の実施の形態に係る発光素子10と相違する。具体的には、第1コンタクト層2と第1クラッド層3とを設ける代わりに、第1導電部41と第2導電部42とが設けられてなる。また、第2導電部42と発光層が隣接し、かつ、第2導電部42の一部は露出しており、その露出部分にカソード電極部7が設けられてなる。
第2導電部42は、カソード電極7との間で良好なオーミック接触が得られるよう、発光素子10の第1コンタクト部2と同様の組成のIII族窒化物にて形成される。例えば、発光部4がAlxGa1-xN(0.4≦x≦1.0)なるIII族窒化物で形成されてなる場合であれば、第2導電部42は、GaNに、SiなどのN型のドーパントをドープすることによって形成するのが好適である。
第1導電部41は、発光素子10の第1クラッド部3と同様の組成のIII族窒化物にて形成することができる。例えば、発光部4がAlxGa1-xN(0.4≦x≦1.0)なるIII族窒化物で形成されてなる場合であれば、第1導電部41は、Aly1Ga1-y1N(x<y1≦1.0)なるIII族窒化物に、SiなどのN型のドーパントをドープすることによって形成することができる。
このような構成を有する発光素子40においては、N型の導電部の側にクラッド層として作用する部位を有していないものの、第2コンタクト部6に設けた吸収不能部を出射部として、発光部4における励起発光を効率良く取り出せるようにされてなる点は、第1の実施の形態に係る発光素子10と同様である。すなわち、発光素子40においても、低い動作電圧と高い発光効率とが併せて実現されていることになる。
<変形例>
上述の実施の形態においては、いずれも、溝部を設けることで紫外光の出射部を確保するようにしているが、必ずしも溝部を形成せずとも、第1コンタクト部2または第2コンタクト部6の少なくとも一方において紫外光が実質的に吸収されない吸収不能部が備わっていればよい。例えば、発光素子10における溝部6aの領域に、第2クラッド部5を形成するIII族窒化物と同程度に紫外光を透過させるIII族窒化物からなる部位が存在していてもよい。同様に、発光素子20における溝部2bの領域に、第1クラッド部3を形成するIII族窒化物と同程度に紫外光を透過させるIII族窒化物からなる部位が存在していてもよい。
第3の実施の形態においては、溝部6aが第2コンタクト部6に備わることに対応して第1コンタクト部2と第1クラッド部3との間に分布ブラッグ反射部9を設ける態様を示しているが、第2の実施の形態に係る発光素子20のように溝部2bが第1コンタクト部2に備わる場合に、第2コンタクト部5と第2クラッド部6との間に分布ブラッグ反射部を設ける態様であってもよい。
(実施例1)
本実施例では、図1に示すような、第1の実施の形態に係る発光素子10を作製し、その特性を評価した。
まず、厚みが400μmの単結晶C面サファイア基材上に、MOCVD法を用いてAlN層を1μmの厚みにエピタキシャル成長させることで基板1を得た。
次いで、基板1の上に、MOCVD法を用いて、第1コンタクト部2、第1クラッド部3,発光部4、第2クラッド部5、第2コンタクト部6となるIII族窒化物層を次のように順次にエピタキシャル成長させた:
(1)Si原子濃度が5×1018/cm3程度となるようにSiをドーピングしつつ、GaNからなる層を1μmの厚みに成長させることによって、第1コンタクト部2となる層を形成した;
(2)Si原子濃度が5×1018/cm3程度となるようにSiをドーピングしつつ、Al0.68Ga0.32Nからなる層を25nmの厚みに成長させることによって、第1クラッド部3となる層を形成した;
(3)Al0.5Ga0.5Nからなる発光層4aを3nmの厚みに成長させた後、Al0.55Ga0.45Nからなるバリア層4bを5nmの厚みに成長させることを5周期繰り返すことで、発光部4となる多重量子井戸層を形成した;
(4)Mg原子濃度が1×1020/cm3程度となるようにMgをドーピングしつつ、Al0.68Ga0.32Nからなる層を25nmの厚みに成長させることで、第2クラッド部5となる層を形成した;
(5)Mg原子濃度が1×1020/cm3程度となるようにMgをドーピングしつつ、GaNからなる層を50nmの厚みに成長させることによって、第2コンタクト部6となる層を形成した。
得られた積層構造体に対し、フォトリソグラフィープロセスとRIE法とを用い、第1コンタクト部2となるGaN層の一部を露出させた。なお、非エッチング領域の概略寸法は0.5mm×0.5mmとした。
さらに、フォトリソグラフィープロセスとRIE法とを用いて、第2コンタクト部6となるGaN層の一部を除去して、第2クラッド部5が露出した溝部6aを形成した。溝部6aの開口部の概略寸法は0.3mm×0.3mmであった。
次に、第2クラッド部5となるAl0.68Ga0.32N層と第2コンタクト部6となるGaN層におけるMgイオンの活性化処理として、窒素雰囲気中での800℃の熱処理を20分間行った。
続いて、フォトリソグラフィープロセスと真空蒸着法とを用いて、第1コンタクト部2となるGaN層の露出部分に、カソード電極パッド7としてのTi/Al膜をそれぞれ25nm、100nmの厚みでパターニングした。その後、オーム性接触特性を良好なものとするために、窒素雰囲気中での700℃の熱処理を30秒間行った。
さらに、フォトリソグラフィープロセスと真空蒸着法とを用いて、第2コンタクト部6となるGaN層の最上面に(溝部6a以外の部分に)、アノード電極層8aとなるNi/Au膜をそれぞれ6nm、12nmの厚みにパターニングした。その後、オーム性接触特性を良好なものとするために窒素雰囲気中での600℃の熱処理を30秒間行った。
さらに、フォトリソグラフィープロセスと真空蒸着法とを用いて、アノード電極層8aとしてのNi/Au膜の上面の一部領域に、アノード電極パッド8bとなるNi/Au膜をそれぞれ6nm、100nmの厚みにパターニングした。以上により、図1に示す発光素子10が得られたことになる。
係る発光素子に対して、アノード電極部8とカソード電極部7の間に正バイアスを加えたところ、波長265nmの紫外線発光が確認された。この紫外線の光出力は、入力電流20mA時において1.0mWであった。また、電流値20mAを得るのに要するバイアス電圧は7.6Vであり、このときの外部量子効率は約0.7%であった。
また、アノード電極部8、カソード電極部7についての電気特性を調べたところ、いずれもオーム性接触特性を示した。また、これら電極部の接触抵抗はそれぞれ、約1×10-4Ωcm2、約1×10-5Ωcm2であった。
以上の結果より、第1の実施の形態で示す構造を有するようにすることで、良好な発光特性を有する発光素子が実現できることが確認された。
(比較例1)
溝部6aを設けなかった他は、実施例1と同様の手順で素子を作製し、アノード電極部8とカソード電極部7の間に正バイアスを加えたが、紫外線の発光を確認することはできなかった。
係る結果より、実施例1のように溝部を形成することで、該溝部が出射部となって紫外光が出射されることが確認された。
(比較例2)
本比較例では、実施例1に係る発光素子の第1コンタクト部2と第1クラッド部3とに代えて、Si原子濃度が5×1018/cm3程度となるようにSiをドーピングしつつ、Al0.68Ga0.32Nからなる層を1μmの厚みで形成するとともに、係る層の一部を露出させ、その露出部分にカソード電極部7を形成したほかは、実施例1と同様に発光素子を作製した。
係る発光素子に対して、アノード電極部8とカソード電極部7の間に正バイアスを加えたところ、波長265nmの紫外線発光が確認された。この紫外線の光出力は、入力電流20mA時において0.2mWであった。また、電流値20mAを得るのに要するバイアス電圧は31.5Vであり、このときの外部量子効率は約0.03%であった。
また、アノード電極部、カソード電極部についての電気特性を調べたところ、アノード電極部ではオーム性接触特性が得られたが、カソード電極ではオーム性接触が得られなかった。アノード電極の接触抵抗値は約1×10-4Ωcmであった。
すなわち、本比較例で作製した発光素子は、実施例1で作製した発光素子よりも特性が劣るものであった。
以上の結果より、実施例1のような構成を有するようにすることで、動作電圧が低く、かつ発光効率の高い発光素子が実現できることが確認された。
(比較例3)
第2コンタクト部となる層を、GaNに代えて、GaNよりもバンドギャップが大きなAl0.4Ga0.6Nで形成したほかは、比較例2と同様の手順で発光素子を作製した。これは、比較例2よりも第2コンタクト部における紫外光の吸収能を弱めることを意図した構成である。
係る発光素子に対して、アノード電極部8とカソード電極部7の間に正バイアスを加えたところ、波長265nmの紫外線発光と波長約300nmの紫外線発光とが確認された。このうち、波長265nmに相当する紫外線の光出力は、入力電流20mA時において0.21mWであった。また、電流値20mAを得るのに要するバイアス電圧は42.5Vであり、このときの外部量子効率は約0.025%以下と見積もられた。
また、アノード電極部、カソード電極部についての電気特性を調べたところ、いずれもオーム性接触特性が得られず、アノード電極部についてはショットキー接触型の特性が得られた。この結果は、波長約300nmでの紫外線発光は、アノード電極部におけるショットキー接触性に伴うものであることを指し示している。
以上の結果より、実施例1に係る発光素子においては、カソード電極部、アノード電極部において良好なオーム性接触が実現されることで、良好な発光特性が実現されていることが確認された。
(実施例2)
溝部6aの配置態様を図2のようなストライプ状とした他は、実施例1と同様の手順で発光素子を作製し、その特性を評価した。
作製した発光素子に対して、アノード電極部8とカソード電極部7の間に正バイアスを加えたところ、波長265nmの紫外線発光が確認された。この紫外線の光出力は、入力電流20mA時において1.5mWであった。また、電流値20mAを得るのに要するバイアス電圧は7.6Vであり、このときの外部量子効率は約1%であった。
また、アノード電極部8、カソード電極部7についての電気特性を調べたところ、いずれもオーム性接触特性を示した。また、これら電極部の接触抵抗はそれぞれ、約1×10-4Ωcm2、約1×10-5Ωcm2であった。
以上の結果より、溝部をストライプ状にすることで、より発光特性が向上することが確認された。
(実施例3)
本実施例では、図3に示すような、第2の実施の形態に係る発光素子20を作製し、その特性を評価した。
具体的には、溝部6aの形成を行わないほかは、実施例1と同様の手順で、アノード電極パッド8bの形成までを行った後、レーザー加工法を用いて、基板1の裏面側から、基板1の一部および第1コンタクト部2の一部を除去しつつ、第1クラッド部となるAl0.68Ga0.32N層が露出する深さ位置まで掘り下げることで、溝部2bを形成した。溝部2bの開口部の概略寸法は0.3mm×0.3mmであった。
作製した発光素子に対して、アノード電極部8とカソード電極部7の間に正バイアスを加えたところ、波長265nmの紫外線発光が確認された。この紫外線の光出力は、入力電流20mA時において1.2mWであった。また、電流値20mAを得るのに要するバイアス電圧は7.6Vであり、このときの外部量子効率は約0.8%であった。
また、アノード電極部8、カソード電極部7についての電気特性を調べたところ、いずれもオーム性接触特性を示した。また、これら電極部の接触抵抗はそれぞれ、約1×10-4Ωcm2、約1×10-5Ωcm2であった。
以上の結果より、第2の実施の形態で示す構造を有するようにする場合でも、良好な発光特性を有する発光素子が実現できることが確認された。
(実施例4)
本実施例では、図4に示すような、第3の実施の形態に係る発光素子30を作製し、その特性を評価した。
具体的には、第1コンタクト部2となる層の形成と第2クラッド部3となる層の形成との間に、分布ブラッグ反射部9となる層の形成を行った他は、実施例1と同様の手順で作製を行った。
作製した発光素子に対して、アノード電極部8とカソード電極部7の間に正バイアスを加えたところ、波長265nmの紫外線発光が確認された。この紫外線の光出力は、入力電流20mA時において2.2mWであった。また、電流値20mAを得るのに要するバイアス電圧は8.2Vであり、このときの外部量子効率は約1.3%であった。
また、アノード電極部8、カソード電極部7についての電気特性を調べたところ、いずれもオーム性接触特性を示した。また、これら電極部の接触抵抗はそれぞれ、約1×10-4Ωcm2、約1×10-5Ωcm2であった。
以上の結果より、第3の実施の形態で示す構造を有するようにすることで、第1の実施の形態に係る発光素子よりも良好な発光特性を有する発光素子が実現できることが確認された。
(実施例5)
本実施例では、図5に示すような、第4の実施の形態に係る発光素子40を作製し、その特性を評価した。
具体的には、第1コンタクト部2と第1クラッド部3となる層の形成に代えて、第1導電部41と第2導電部42となる層の形成を行った点、および、積層構造体を得た後に、第1コンタクト部2となるGaN層の一部を露出させる代わりに、第2導電部42となるGaN層の一部を露出させるようにした以外は、実施例1と同様に行った。
第1導電部41となる層の形成に際しては、Si原子濃度が5×1018/cm3程度となるようにSiをドーピングしつつ、Al0.68Ga0.32Nからなる層を25nmの厚みに成長させた。
第2導電部42となる層の形成に際しては、Si原子濃度が5×1018/cm3程度となるようにSiをドーピングしつつ、GaNからなる層を1μmの厚みに成長させた。
作製した発光素子に対して、アノード電極部8とカソード電極部7の間に正バイアスを加えたところ、波長265nmの紫外線発光が確認された。この紫外線の光出力は、入力電流20mA時において0.8mWであった。また、電流値20mAを得るのに要するバイアス電圧は8.5Vであり、このときの外部量子効率は約0.5%であった。
また、アノード電極部8、カソード電極部7についての電気特性を調べたところ、いずれもオーム性接触特性を示した。また、これら電極部の接触抵抗はそれぞれ、約1×10-4Ωcm2、約2×10-5Ωcm2であった。
以上の結果より、第4の実施の形態で示す構造を有するようにすることで、第1の実施の形態に係る発光素子よりも発光特性はやや劣るものの、比較例2よりは動作電圧が低く、かつ発光効率の高い発光素子が実現できることが確認された。
本発明の第1の実施の形態に係る発光素子10の構造を模式的に示す図である。 図1とは異なる配置態様で溝部が形成された場合を例示する図である。 本発明の第2の実施の形態に係る発光素子20の構造を模式的に示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る発光素子30の構造を模式的に示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る発光素子40の構造を模式的に示す図である。
符号の説明
1 基板
2 第1コンタクト部
10、20、30、40 発光素子
2a、6a、6b 溝部
3 第1クラッド部
4 発光部
4a 発光層
4b バリア層
5 第2クラッド部
6 第2コンタクト部
7 カソード電極部(カソード電極パッド)
8 アノード電極部
8a アノード電極層
8b アノード電極パッド
9 分布ブラッグ反射部
41 第1導電部
42 第2導電部

Claims (17)

  1. ダイオード構造型の発光素子であって、
    紫外領域に発光波長を有するIII族窒化物で形成された発光部と、
    前記発光部に隣接する第1の導電部と、
    前記第1の導電部と異なる導電型を有し、前記発光部を介して前記第1の導電部と対向するように前記発光部に隣接する第2の導電部と、
    前記第1の導電部に隣接する第1の金属電極と、
    前記第2の導電部に隣接する第2の金属電極と、
    を備え、
    前記第1と第2の導電部はIII族窒化物からなり、少なくとも一方が溝部を有するように形成されており、前記溝部が前記発光部において発光された紫外光の出射部となる、
    ことを特徴とする発光素子。
  2. ダイオード構造型の発光素子であって、
    紫外領域に発光波長を有するIII族窒化物で形成された発光部と、
    前記発光部に隣接する第1の導電部と、
    前記第1の導電部と異なる導電型を有し、前記発光部を介して前記第1の導電部と対向するように前記発光部に隣接する第2の導電部と、
    前記第1の導電部に隣接する第1の金属電極と、
    前記第2の導電部に隣接する第2の金属電極と、
    を備え、
    前記第1と第2の導電部はIII族窒化物からなり、少なくとも一方が前記発光部において発光された紫外光に対する吸収能を実質的に有さない吸収不能部を有するように形成されてなり、前記吸収不能部が前記発光部において発光された紫外光の出射部となる、
    ことを特徴とする発光素子。
  3. ダイオード構造型の発光素子であって、
    紫外領域に発光波長を有するIII族窒化物で形成された発光部と、
    前記発光部に隣接する第1の導電部と、
    前記第1の導電部と異なる導電型を有し、前記発光部を介して前記第1の導電部と対向するように前記発光部に隣接する第2の導電部と、
    前記第1の導電部に隣接する第1の金属電極と、
    前記第2の導電部に隣接する第2の金属電極と、
    を備え、
    前記第1と第2の導電部はIII族窒化物からなり、少なくとも一方が前記第1または第2のクラッド部の一部を実質的に露出させる露出部を有するように形成されてなり、前記露出部が前記発光部において発光された紫外光の出射部となる、
    ことを特徴とする発光素子。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発光素子であって、
    前記発光層が第1のIII族窒化物からなり、
    前記第1の導電部が、
    前記第1のIII族窒化物よりもバンドギャップが大きい第2のIII族窒化物からなり、前記発光部に隣接する第1のクラッド部と、
    前記第2のIII族窒化物よりもバンドギャップが小さい第3のIII族窒化物からなり、前記第1のクラッド部に隣接する第1のコンタクト部と、
    からなり、
    前記第2の導電部が、
    前記第1のIII族窒化物よりもバンドギャップが小さい第4のIII族窒化物からなり、前記発光部を介して前記第1のクラッド部と対向するように前記発光部に隣接する第2のクラッド部と、
    前記第4のIII族窒化物よりもバンドギャップが小さい第5のIII族窒化物からなり、前記第2のクラッド部に隣接する第2のコンタクト部と、
    からなり、
    前記第1の金属電極が前記第1のコンタクト部に隣接し、
    前記第2の金属電極が前記第2のコンタクト部に隣接する、
    ことを特徴とする発光素子。
  5. 請求項4に記載の発光素子であって、
    所定の基板の上に、前記第1のコンタクト部と、前記第1のクラッド部と、前記発光部と、前記第2のクラッド部と、前記第2のコンタクト部とがこの順に積層形成された積層構造を有してなり、
    前記第2のコンタクト部に前記出射部としての上側出射部を有してなる、
    ことを特徴とする発光素子。
  6. 請求項5に記載の発光素子であって、
    前記第2のコンタクト部が、前記第5のIII族窒化物からなる層をいったん形成した後、前記上側出射部となる部分の前記第5のIII族窒化物を除去することによって形成されてなる、
    ことを特徴とする発光素子。
  7. 請求項5または請求項6に記載の発光素子であって、
    前記第1のコンタクトと前記第1のクラッド部との間に、所定のIII族窒化物からなる層を複数積層した分布ブラッグ反射部がさらに設けられてなる、
    ことを特徴とする発光素子。
  8. 請求項4に記載の発光素子であって、
    所定の基板の上に、前記第1のコンタクト部と、前記第1のクラッド部と、前記発光部と、前記第2のクラッド部と、前記第2のコンタクト部とがこの順に積層形成された積層構造を有してなり、
    前記第1のコンタクト部に前記出射部としての下側出射部を有してなり、
    前記基板が、前記第1のコンタクト部が有する前記下側出射部を露出させる構造を有する、
    ことを特徴とする発光素子。
  9. 請求項8に記載の発光素子であって、
    前記第1のコンタクト部が、前記第3のIII族窒化物からなる層をいったん形成した後、前記下側出射部となる部分の前記第3のIII族窒化物を前記基板の対応箇所ともども除去することによって形成されてなる、
    ことを特徴とする発光素子。
  10. 請求項8または請求項9に記載の発光素子であって、
    前記第2のコンタクトと前記第2のクラッド部との間に、所定のIII族窒化物からなる層を複数積層した分布ブラッグ反射部がさらに設けられてなる、
    ことを特徴とする発光素子。
  11. 請求項4ないし請求項10のいずれかに記載の発光素子であって、
    前記発光部がAlxGa1-xN(0.4≦x≦1.0)からなり、
    前記第1のクラッド部がAly1Ga1-y1N(x<y1≦1.0)からなるとともにN型の導電型を有し、
    前記第1のコンタクト部がAlz1Ga1-z1N(0≦z1<y1)からなるとともにN型の導電型を有し、
    前記第2のクラッド部がAly2Ga1-y2N(x<y2≦1.0)からなるとともにP型の導電型を有し、
    前記第2のコンタクト部がAlz2Ga1-z2N(0≦z2<y2)からなるとともにP型の導電型を有する、
    ことを特徴とする発光素子。
  12. 請求項11に記載の発光素子であって、
    前記第2のコンタクト部が、少なくとも前記第2の金属電極との接合部近傍においては、Alz2Ga1-z2N(0≦z2≦0.3)からなる、
    ことを特徴とする発光素子。
  13. 請求項12に記載の発光素子であって、
    前記第2のコンタクト部が、少なくとも前記第2の金属電極との接合部近傍においては、GaNからなる、
    ことを特徴とする発光素子。
  14. 請求項11ないし請求項13のいずれかに記載の発光素子であって、
    前記第1のコンタクト部が、少なくとも前記第1の金属電極との接合部近傍においては、Alz1Ga1-z1N(0≦z1≦0.65)からなり、
    前記第1のクラッド部がAly1Ga1-y1N(x<y1≦1.0かつz1<y1≦1.0)からなる、
    ことを特徴とする発光素子。
  15. 請求項14に記載の発光素子であって、
    前記第1のコンタクト部が、少なくとも前記第1の金属電極との接合部近傍においては、GaNからなる、
    ことを特徴とする発光素子。
  16. 請求項11ないし請求項15のいずれかに記載の発光素子であって、
    前記第1のクラッド部が、少なくとも前記発光部との接合部近傍においては、Aly1Ga1-y1N(x<y1≦1.0かつ0.6≦y1≦1.0)からなり、
    前記第2のクラッド部が、少なくとも前記発光部との接合部近傍においては、Aly2Ga1-y2N(x<y2≦1.0かつ0.6≦y2≦1.0)からなる、
    ことを特徴とする発光素子。
  17. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発光素子であって、
    前記第1と第2の導電部の少なくとも一方の、前記発光層との隣接部を含む領域が、前記発光層を形成するIII族窒化物よりもバンドギャップが小さいIII族窒化物からなる、
    ことを特徴とする発光素子。
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