JP2008166212A - ニッケル水素蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】負極に希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金を用いても良好なサイクル特性を示すニッケル水素蓄電池を提供する。
【解決手段】負極に希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金を用いたニッケル水素蓄電池において、焼結基板の全細孔体積に対する占有体積率がピークとなる細孔半径が5〜7μmであり、8.5μmより大きい細孔半径を有する細孔の前記占有体積率の累計が11%以下である焼結基板を用いた焼結式ニッケル極板を正極として用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動自転車やハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)や電気自動車(PEV:Pure Electric Vehicle)等の高出力が要求される用途に適したニッケル水素蓄電池に関する。
近年、ニッケル水素蓄電池の用途が拡大し、ハイブリッド車(HEV)などの車両用電源として用いられるようになった。このような車両用電源としては、10秒程度の短時間で数十アンペア〜数百アンペアの大電流での充放電が行われるため、従来の範囲を遙かに超えた高出力が求められる。
ニッケル水素蓄電池の極板としては、穿孔鋼板等の導電芯体の両面にニッケル粉末を焼結させた多孔性の焼結基板の細孔内に活物質を充填した焼結式極板と、活物質粉末を結着剤と混合してペーストを作り、このペーストを穿孔鋼板やニッケルスポンジなどの導電性基体に塗布して得る非焼結式極板とがある。上述のように高出力が要求される電池に対しては、ニッケル焼結体により導電性に優れた焼結式極板が有利である。そこで、車両用のニッケル水素蓄電池の正極として焼結式極板を用いる検討がなされている(例えば、特許文献1)。
また、ニッケル水素蓄電池のエネルギー密度向上のため、従来のAB型希土類系合金中の希土類元素の一部をMg元素で置換した希土類−Mg−Ni系の水素吸蔵合金を負極活物質として用いるニッケル水素蓄電池の開発が進められている(特許文献2)。前記希土類−Mg−Ni系の水素吸蔵合金は前記AB型希土類系合金に比べ、常温付近で水素ガスを多量に吸蔵できるという特徴を有するため、負極およびニッケル水素蓄電池のエネルギー密度を高めることができ、大電流での充放電に有利となる。
特開2005−129382号公報 特開2000−82941号公報
しかしながら、希土類―Mg−Ni系水素吸蔵合金を使用したニッケル水素蓄電池には、AB型希土類系合金を使用したニッケル水素蓄電池に比べ、充放電サイクルの進行に伴う作動電圧の低下が早期に生じるという問題があった。
これは、充放電サイクルを経るうちに希土類―Mg−Ni系水素吸蔵合金からMgが溶出し、正極に移動することにより正極の反応が阻害されるためであると考えられる。そこで特許文献3において、希土類―Mg−Ni系水素吸蔵合金負極中に亜鉛化合物を添加することによりMgの溶出を抑制することが考案されたが、Mgの正極への移動を完全に抑制できるまでには至らず、十分とは言えなかった。
特開2006−236915号公報
本発明は上述の事情に基づいてなされたものであり、焼結式ニッケル正極と希土類―Mg−Ni系水素吸蔵合金負極を用いたニッケル水素蓄電池において、負極からMgが溶出し正極に移動した場合でも、より充放電サイクルでの劣化が少ないニッケル水素蓄電池を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、希土類―Mg−Ni系水素吸蔵合金を活物質とする負極と、正極として焼結基板に活物質である水酸化ニッケルを充填してなる焼結式ニッ
ケル極板を組み合わせてなるニッケル水素蓄電池において、前記焼結基板の全細孔体積に対する占有体積率がピークとなる細孔半径が5〜7μmであり、8.5μmより大きい細孔半径を有する細孔の前記占有体積率の累計が11%以下である焼結基板を用いた。
上述のような焼結基板を用いた焼結式ニッケル正極と、希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金負極と組み合わせたニッケル水素電池においては、正極へMgが移行したとしても、ほとんど充放電サイクルでの劣化が起こらず、良好なサイクル特性を示す。
このような効果を示す理由として、本発明に係る焼結基板の焼結体中の細孔の孔径分布が非常に均一であることが考えられる。従来、焼結基板を作製する際には、多孔度を向上させるため、用いるスラリー中に造孔剤が添加されるが、造孔剤同士が凝集するなどして、孔径が比較的大きい細孔(半径9〜15μm程度)が発生していた。このように孔径の大きい細孔が発生すると、孔径の大きい細孔中にMg化合物が析出しやすく、結果、当該部分の活物質の反応が大きく阻害されるものと考えられる。一方、本発明に係る焼結基板においては、孔径分布が均一で、孔径が大きい細孔が少ないないため、前記の局所的活物質の反応阻害効果が小さく、良好なサイクル特性を示すと考えられる。
図1は、本発明のアルカリ蓄電池の一実施形態に係るニッケル水素蓄電池の断面図を示す。
この電池は、有底円筒形状の外装缶1を備え、外装缶1の中に電極群2が収容されている。電極群2は、正極3及び負極4を、セパレータ5を介して渦巻状に巻回してなり、正極3の端部3aおよび負極4の端部4aはそれぞれ正極集電体6および負極集電体7と接続されている。また、外装缶1の中には、図示しないアルカリ電解液が収容されている。なお、アルカリ電解液としては、例えば水酸化カリウム水溶液と、これに水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液などを混合したものを用いることができる。
外装缶1の開口端内には、リング状の絶縁性ガスケット8を介して、中央にガス抜き孔9aを有する円形の蓋板9が配置されている。これら絶縁性ガスケット8及び蓋板9は、かしめ加工された外装缶1の開口端縁により固定されている。蓋板9の内面には正極集電体6のリード部6aが接続され、正極3と蓋板9が電気的に接続されるようになされている。一方、蓋板9の外面には、フランジ付きの円筒形状の正極端子10が取り付けられている。正極端子10と蓋板8の間の空間にはガス抜き孔9aを塞ぐようにゴム製の弁板11が配され、さらに弁板11はコイルバネ12により付勢されている。
また、負極集電体7は外装缶1の底部に接続されており、外装缶1自体が負極端子を兼ねるようになっている。
上述したニッケル水素蓄電池は、外装缶1内に、電極群2を収納して所定の取付工程を行った後、アルカリ電解液を注液してから、外装缶1の開口端を蓋板9等を用いて封口して組立てられる。そして、組立てられたニッケル水素蓄電池は、温度25℃の室温環境にて2時間以上放置された後、コンディショニングとして所定条件(温度、充電電流、充電時間)にて初充電が処理され完成する。
以下、正極3及び負極4について詳述する。
<正極>
正極3は、ニッケルメッキ鋼板などの導電性芯体上にニッケル粉末を高温で焼結させた焼結基板中に活物質を充填してなる焼結式ニッケル極板である。前記焼結基板は、全細孔体積に対する占有体積率がピークとなる細孔半径が5〜7μmであり、8.5μmより大きい細孔半径を有する細孔の前記占有体積率の累計が11%以下であるように作製されて
いる。
焼結基板は一般に以下の製造ステップにより作製される。
まず、ニッケル粉末と、増粘剤としてメチルセルロース等の有機高分子の水溶液と、造孔剤として完全発泡有機中空体をそれぞれ適量混練してスラリーを調製する。このスラリーをニッケルメッキ穿孔鋼板等の導電芯体の両面に塗着する。
そして、前記スラリーを塗着した前記ニッケルメッキ鋼板を加熱して前記スラリーを乾燥した後、還元雰囲気下で例えば1000℃にて焼結させることにより、焼結基板が得られる。
焼結基板の細孔径や孔径分布は、使用するニッケル粉末や造孔剤の物性値により調整される。本発明に係る正極3の焼結基板においては、ニッケル粉末として嵩密度0.57g/cm、フィッシャーサイズ2.5μmのものを用い、造孔剤として平均粒径(直径)25μm、粒径分布の変動係数が30%以下の完全発泡有機中空体を用いることにより作製することができる。前記変動係数が30%以下であるとは、造孔剤の粒径分布が均一であることを示す。
さらに、焼結基板への活物質の充填は以下の製造ステップにより作製される。
上述のように作製した焼結基板を、主として硝酸ニッケルを含む水溶液(含浸液)に浸漬する。この浸漬によって、その細孔内にニッケル硝酸塩を保持した焼結基板を、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に浸漬し、硝酸ニッケル塩を水酸化ニッケルに転換させる。この後、十分に水洗することで焼結基板から水酸化ナトリウム水溶液を除去し、適宜乾燥を行う。焼結基板に対し、上述した混合水溶液への浸漬、水酸化ナトリウム水溶液への浸漬、水洗及び乾燥工程からなる充填プロセスを複数回繰り返し、所定量の活物質を充填する。
なお、上述の含浸液には高温特性を高めるなどの目的で、適宜、硝酸コバルトや硝酸イットリウム、硝酸イッテルビウムなど硝酸ニッケルとは別の塩を混合することができる。
以上の製造ステップを経た後、活物質が充填された焼結基板を所定の大きさに裁断することにより、正極3が作製される。
<負極>
負極4は、導電性の負極基板上に、活物質である水素吸蔵合金を含む負極合剤を塗着し、乾燥させてなるものである。
負極合剤は、水素吸蔵合金粉末、結着剤、及び必要に応じて導電剤等の添加剤からなり、結着剤としては、スチレンブタジエンゴムやメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースを用いることができる。また、導電剤としては、例えばカーボン粉末などを用いることができる。
本発明に係る負極4の水素吸蔵合金は、希土類―Mg−Ni系合金からなり、組成が一般式(I):Ln1−xMg(Ni1−y(式中、Lnは、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ca,Sr,Sc,Y,Ti,Zr及びHfよりなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Tは、V,Nb,Ta,Cr,Mo,Mn,Fe,Co,Al,Ga,Zn,Sn,In,Cu,Si,P及びBよりなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、x,y,zは、それぞれ、0<x<1,0≦y≦0.5,2.5≦z≦4.5を満たす数を表す)で示される。
なお、上記一般式(I)中、xが0<x<1を満たすように設定されるのは、xがゼロ(Mgを含まない場合)であったり、1以上である場合には、希土類−Mg−Ni系合金
が本来備えている特性、すなわち、常温下における水素吸蔵量が多いという特性が消失するからである。
また、一般式(I)中、yはNiの置換元素Tの置換量を示すが、yが大きくなりすぎると、水素吸蔵合金はその結晶構造が変化して水素の吸蔵・放出能を喪失しはじめるとともに、アルカリ電解液への置換元素Tの溶出が起こりはじめ、その複合物がセパレータに析出して電池の長期貯蔵性が低下する。それ故、yは、0≦y≦0.5を満たすように設定される。
そして、一般式(I)中のzが小さくなりすぎると、水素吸蔵合金内における水素の吸蔵安定性が高くなるため、水素放出能が劣化し、またzが大きくなりすぎると、今度は、水素吸蔵合金における水素の吸蔵サイトが減少して、水素吸蔵能の劣化が起こりはじめる。それ故、zは、2.5≦z≦4.5を満たすように設定される。
本発明に係る水素吸蔵合金は、以下の製造ステップにより作製される。
まず、上記した一般式(I)に示した組成となるよう金属原料を秤量して混合し、この混合物を例えば高周波溶解炉で溶解してインゴットにする。得られたインゴットに、900〜1200℃の温度の不活性ガス雰囲気下にて5〜24時間加熱する熱処理を施し、インゴットにおける結晶構造をAB型構造及びAB型構造の超格子構造にする。この後、インゴットを粉砕し、篩分けにより所望粒径に分級して水素吸蔵合金が作製される。
(実施例)
1.正極の作製
(1)焼結基板の作製
厚み60μmの穿孔鋼板の表面に厚み4μmのニッケルメッキを施した、ニッケルメッキ穿孔鋼板を準備した。
次いで、ニッケル粉末(嵩密度0.57g/cm、フィッシャーサイズ2.5μm)40質量部と造孔剤としてメチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体を主成分とする完全発泡有機中空体(平均粒径25μm、粒径分布変動係数29%)0.1質量部と3wt%メチルセルロース水溶液60質量部を混練してスラリーを調製し、このスラリーを前記ニッケルメッキ穿孔鋼板の両面に片面あたり410μmの厚みで塗着した。
そして、前記スラリーを塗着した前記ニッケルメッキ鋼板を800℃で約30秒加熱して前記スラリーを乾燥した後、還元雰囲気下1000℃にて焼結させ、ニッケルメッキ穿孔鋼板上の片面の焼結体厚みが200μmで、多孔度が85%の焼結基板を作製した。
(2)極板の作製
上述のように作製した基板を、硝酸ニッケルと硝酸コバルトを混合した(モル比10:1)比重が1.75の混合水溶液に浸漬した。この浸漬によって、その細孔内にニッケル塩及びコバルト塩を保持した焼結基板を、25wt%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に浸漬し、ニッケル塩及びコバルト塩をそれぞれ水酸化ニッケル及び水酸化コバルトに転換させた。この後、十分に水洗することで焼結基板から水酸化ナトリウム水溶液を除去し、乾燥を経てから、多孔性ニッケル焼結基板の細孔内に水酸化ニッケル及び水酸化コバルトを保持させた。焼結基板に対し、上記した混合水溶液への浸漬、水酸化ナトリウム水溶液への浸漬、洗浄及び乾燥工程からなる充填プロセスを6回繰り返すことにより活物質を所定量充填させた後、所定の大きさに裁断し、焼結式ニッケル極板(正極)を作製した。
なお、細孔内での水酸化ニッケル及び水酸化コバルトの充填密度は2.8g/cmとした。
2.負極の作製
(1)水素吸蔵合金の作製
組成がNd0.9Mg0.1(Ni0.9Co0.03Al0.073.5となるように金属原料を秤量して混合し、この混合物を高周波溶解炉で溶解してインゴットを得た。このインゴットを、温度1000℃のアルゴン雰囲気下にて10時間加熱し、インゴットにおける結晶構造をAB型及びAB型の超格子構造にした。この後、インゴットを不活性雰囲気中で機械的に粉砕して篩分けし、上記組成を有する希土類−Mg−Ni系合金粉末を得た。なお、得られた希土類−Mg−Ni系合金粉末は、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した重量積分50%にあたる平均粒径が25μmであった。
(2)極板の作製
上記の水素吸蔵合金粉末100質量部に対し、結着剤としてスチレンブタジエンゴム(SBR)0.5質量部、カルボキシメチルセルロース(CMC)0.3質量部に適量の純水を加えて混練し、負極合剤を調製した。そして、負極合剤をニッケルメッキ穿孔鋼板に塗着し、その後乾燥を経てから圧延・裁断して、水素吸蔵合金極板(負極)を作製した。
3.ニッケル水素蓄電池の組立
得られたと正極と負極を、ポリプロピレン繊維製不織布からなるセパレータを介して渦巻状に巻回し、電極群を作製した。得られた電極群を外装缶内に収納して所定の取付工程を行った後、外装缶内にアルカリ電解液として、リチウム及びナトリウムを含有した30質量%の水酸化カリウム水溶液を注液した。そして、外装缶の開口端を蓋板等を用いて封口し、Dサイズの公称容量6Ahの実施例の密閉円筒形ニッケル水素蓄電池を組み立てた。さらに、温度25℃の室温環境にて前記ニッケル水素蓄電池2時間以上放置した後、コンディショニングとして所定条件にて初充電を行い、完成させた。
(比較例)
比較例は以下のようにして作製した。
造孔剤として用いる完全発泡有機中空体の平均粒径が60μm、粒径分布変動係数39%のものを用いた以外は実施例の基板と同様のスラリーを用い、実施例正極の焼結基板と同様にして片側の焼結体厚みが200μmで多孔度85%の焼結基板を作製した。
そして、その他の製造ステップは実施例と同様に行い、Dサイズの公称容量6Ahの比較例の電池を作製した。
(実験1・焼結基板の孔径分布の測定)
上述のようにして作製した実施例および比較例の焼結基板において、焼結体中の細孔の孔径分布(孔径と全細孔体積に占める体積率の関係)を、水銀厚入式ポロシメーター(FISONS Instruments製PASCAL140)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2008166212
表1の結果から、実施例及び比較例ともに、体積率がピークとなるのは孔径(細孔半径)が6.0〜6.7μmの範囲であるが、孔径が8.5μmより大きい範囲の占有体積率の累計を比較すると、比較例の焼結基板では約14.0%であるのに対し、実施例の焼結基板では10.2%と孔径の大きい細孔の占有体積率が比較的小さいことが確認された。特に、9.5〜15.4μmの範囲の孔径において、比較例に比べ実施例の方が占有体積率が小さくなっていることが分かる。すなわち、実施例の焼結基板においては、比較例よりも孔径の大きな細孔の数が少なく、孔径分布が均一となっていると言える。
(実験2・サイクル特性の評価)
充放電サイクル前後の出力を比較することにより、サイクルによる劣化を次のように評価した。
まず、実施例、比較例の電池を6セルずつ用意し、そのうち各2セルを以下に示すようにして、サイクル前の正極、負極および電池の出力を測定した。
次いで、残りのセルを以下に示す条件のパルス充放電サイクルを行い、前記サイクル後の電池で、上記のサイクル前の電池にしたのと同様の方法に従い、出力を測定した。
さらに、サイクル前後の正極中のMg量をICP分析により定量した。
(サイクル試験)
得られたニッケル水素蓄電池について、6Aの電流で30分間の充電を行った。そして、50Aで86秒間充電し、50Aで86秒間放電するパルス充放電サイクルを40000回繰り返した。
(出力測定)
正極、負極および電池の出力は、各要素の直流抵抗値を測定し、それを各出力として評価した。直流抵抗値の測定は以下のような方法で行った。図2に従って説明する。
まず、蓋板に取り付けられていた正極端子、弁板およびコイルバネを取り外し、半密閉状態の電池21とした。また、電解液22を入れたビーカー23を用意し、その中にHg/HgO参照電極24を挿入した。そして、内部を電解液で満たした毛細管25の一方の端をニッケル水素蓄電池の蓋板21bのガス抜き孔21aから電池21内部に差し込み、他方の端をビーカー23に浸すことにより、電池21とビーカー内の電解液22を電気的に連結させた。
次いで、図示しない測定装置と電池21の蓋板21b、外装缶21c、参照極24を導線にて接続し、正極および負極の参照極24に対する電位および電池電圧を測定できるようにした。
この状態で6Aの電流で30分の充電を行った。この後、20A充電→40A放電→40A充電→80A放電→60A充電→120A放電→80A充電→160A放電→100A充電→200A放電の順で充放電を繰り返した。
この場合、各ステップの間に10分間の休止期間を設け、各放電ステップ実施後の10分間の休止後において、10秒間ずつ放電、20秒間ずつ充電を行い、この10秒間経過点における正極電位、負極電位、及び電池電圧を放電電流に対してプロットし、最小二乗法にて求めた直線の傾きから抵抗を算出した。この各抵抗値を正極、負極、電池の出力として評価した。
なお、サイクル後の電池の測定を行う場合は、一旦6Aの電流で0.9Vになるまで放電を行い、サイクルでの残存容量を抜いた後、上記出力測定を行った。
出力測定の結果を以下の表2に示す。
Figure 2008166212
以上の結果から、実施例、比較例ともサイクル前後で正極中のMg量が増加していることが分かる。しかし、電池の抵抗値を比較すると比較例電池の抵抗値が大きく上昇する一方、実施例電池ではほとんど上昇が見られなかった。さらに正極および負極の各要素ごとの抵抗値測定結果から検討すると、比較例電池の抵抗増加の主要因は正極の抵抗増加であることが分かる。すなわち、従来の焼結基板を用いた比較例では抵抗値が大きく上昇する一方、孔径分布が均一な焼結基板を用いた実施例では、あまり上昇は見られないという結果が得られた。
このような効果を示す理由として、従来の焼結基板においては孔径が比較的大きい細孔(半径9〜15μm程度)が多くみられ、この孔径の大きい細孔中にMg化合物が析出し
やすく、当該部分の活物質の反応が大きく阻害される一方、本発明に係る焼結基板においては孔径分布が均一で、前記孔径が大きい細孔が少ないため、前記の局所的活物質の反応阻害効果が小さく、サイクルを経ても抵抗増加が少ないものと考えられる。
なお、本発明は上記した実施形態及び実施例に限定されることはなく、種々変形が可能である。例えば、負極合剤中には文献3に記載のように亜鉛化合物を添加することもできる。このようにすることにより、水素吸蔵合金からのMgの溶出を抑制することができ、さらに抵抗値の上昇を抑制することも可能である。
本発明のアルカリ蓄電池の一実施形態に係るニッケル水素蓄電池の断面を示す図である。 電池の出力特性の測定方法を示す図である。
符号の説明
1 外装缶 2 電極群 3 正極 4 負極 5 セパレータ
6 正極集電体 7 負極集電体 8 ガスケット 9 蓋板
10 正極端子 11 弁板 12 コイルバネ
21 半密閉電池 22 電解液 23 ビーカー 24 参照極
25 毛細管 26、27、28 導線

Claims (1)

  1. 組成が一般式:Ln1−xMg(Ni1−y(式中、Lnは、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ca,Sr,Sc,Y,Ti,Zr及びHfよりなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Tは、V,Nb,Ta,Cr,Mo,Mn,Fe,Co,Al,Ga,Zn,Sn,In,Cu,Si,P及びBよりなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、x,y,zは、それぞれ、0<x<1,0≦y≦0.5,2.5≦z≦4.5を満たす数を表す)で示される希土類―Mg−Ni系水素吸蔵合金を活物質とする負極と、正極として焼結基板に活物質である水酸化ニッケルを充填してなる焼結式ニッケル極板を組み合わせてなるニッケル水素蓄電池において、
    前記焼結基板の全細孔体積に対する占有体積率がピークとなる細孔半径が5〜7μmであり、8.5μmより大きい細孔半径を有する細孔の前記占有体積率の累計11%以下である焼結基板を用いることを特徴とするニッケル水素蓄電池。
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