JP2008166045A - 防水コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一括ゴム栓20に開口された電線Wの挿通孔23の回りには、4個の圧入孔40A,40Bが形成され、ホルダ30に突設された圧入ピン50A,50Bが圧入可能とされる。それらの挿通孔23と対向した辺が、円弧形辺41,51とされる。圧入ピン50A,50Bが圧入孔40A,40B内に圧入されることに伴い、挿通孔23の周縁部が四方から押圧されるが、特に圧入孔40A,40Bの挿通孔23と対向する部分が円弧形辺41となっているから、全周のうちの広い領域において押圧される。そのため、電線Wの外周面の全周にわたってほぼ満遍なくリップ24の内周面が強固に密着され、電線W回りについて高いシール性が得られる。
【選択図】図10
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、防水の信頼性をより高めるところにある。
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記圧入孔の内周面の隅部、並びに前記圧入突部の外周面の角部には、それぞれ丸みが付されているところに特徴を有する。
ゴム栓の挿通孔に端子金具並びに電線が挿通されたのち、ホルダの組み付けに伴って圧入突部が対応する圧入孔に圧入されると、挿通孔の周縁部が回りから押圧されてその内周面が電線の外周面に密着される。
ここで、挿通孔の回りに配された圧入孔並びに圧入突部における挿通孔と対向する部分の形状が、挿通孔の周縁に倣った弧状に形成されているから、挿通孔の周縁部を内方に押圧する場合に、全周のうちの広い領域において押圧することができる。そのため、電線の外周面の全周にわたってほぼ満遍なく挿通孔の内周面が強固に密着され、電線回りについて高いシール性を得ることができる。
各挿通孔の回りにおいて4個の圧入孔が配された場合、各圧入孔における挿通孔と対向した部分が円弧形をなしていることで、挿通孔の周縁部はほぼ全周から内方に押圧され、そのため電線の外周面の全周にわたってほぼ満遍なく挿通孔の内周面が強固に密着される。
<請求項3の発明>
圧入孔の隅部から亀裂が入ることが防止される。
ホルダが仮係止位置に保持された状態で、端子金具並びに電線が挿通孔に挿通され、そのとき挿通孔は強制的に縮径されていないから、端子金具等の挿通はスムーズに行われる。ホルダが本係止位置に保持されると、圧入突部が圧入孔に圧入されて挿通孔がほぼ全周から縮径され、電線回りのシールが取られる。
端子金具並びに電線の挿通作業性を良好に保ちつつ、高い信頼性を持って電線回りをシールすることができる。また、ホルダがコネクタハウジングに保持されてアッセンブリ化できるから、使い勝手に優れたものとなる。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図12に基づいて説明する。
本実施形態の防水コネクタは、複数本の電線Wを一括してシールするタイプのものであって、図1に示すように、電線Wの端末に接続された端子金具(図示せず)が収容されるコネクタハウジング10(以下、単にハウジング10という)と、ハウジング10に装着されて電線Wの周りをシールする一括ゴム栓20(以下、単にゴム栓20という)と、ハウジング10に装着されてゴム栓20を保持するホルダ30とから構成されている。
なお以下では、ハウジング10に対する端子金具の挿入方向(図1の上方)を前方として説明する。
ハウジング10の後面における上記のキャビティ11の形成領域には、横長の方形をなす周壁12が突設され、同周壁12の内側に、ゴム栓20並びにホルダ30を収容可能な収容室13が後方へ開口して設けられている。
ゴム栓20には、端子金具並びに電線Wを挿通可能な挿通孔23が前後面に貫通して設けられている。同挿通孔23は、上記したハウジング10に設けられたキャビティ11の配列と対応して6個ずつ上下2段に形成されており、ゴム栓20が収容室13に収容された場合に各キャビティ11と整合するようになっている。
挿通孔23は、電線Wよりも若干大きい径を持った円形孔であって、その内周面の中央幅部分には、電線Wの外周面に密着して両面間を水密状に保つためのリップ24が周設されている。
これに対して、上段の挿通孔23列の上側領域26U、並びに下段の挿通孔23列の下側領域26Dに形成された圧入孔40Bは、それぞれ上記した圧入孔40Aの下半分または上半分の形状となっている。言い換えると、上側領域26Uの圧入孔40Bは、原型が下向きの二等辺三角形、下側領域26Dの圧入孔40Bは、原型が上向きの二等辺三角形であって、それぞれの斜辺が、対向した挿通孔23と同心の円弧形辺41として形成されている。また、同圧入孔40Bの3箇所の隅部42にも丸みが付けられている。
上段の導入孔31列の上側領域36U、並びに下段の導入孔31列の下側領域36Dに形成された圧入ピン50Bも、同様に対応した圧入孔40Bよりも少し大きい断面形状を有しており、すなわち原型が、対応した圧入孔40Bよりも少し大きい下向きまたは上向きの二等辺三角形であって、それぞれの斜辺が円弧形辺51として形成され、また同圧入ピン50Bの3箇所の角部52にも丸みが付けられている。
すべての圧入ピン50A,50Bは、ホルダ30の厚さの2/3程度の突出長さを有している。
ホルダ30が仮係止位置に保持された状態では、圧入ピン50A,50Bが対応する圧入孔40A,40Bに圧入されることに伴い、挿通孔23の周縁部が四方から押圧されることになるが、図8に示すように、圧入ピン50A,50Bの圧入深さが1/3程度に留められているから、挿通孔23における入口側の周縁部が押圧されることに留まる。
またホルダ30は、実質的に圧入ピン50A,50Bを圧入することに機能しない仮係止位置に保持できるようになっていて、ホルダ30を同仮係止位置に保持しておく限り、挿通孔23に端子金具と電線Wとを挿通する場合の抵抗増を小さく抑えることができ、すなわち端子金具並びに電線Wの挿通作業性を良好に保つことができる。一方、端子金具と電線Wの挿通作業時にホルダ30がハウジング10に組み付けられてアッセンブリ化できるから、挿通作業がしやすい等の使い勝手に優れたものとなる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、一括ゴム栓に設ける圧入孔を後面から前面に貫通した形状としたが、前面に開口することなく行き止まり状であってもよい。
(2)上記実施形態では、ホルダが仮係止位置にあるときには、圧入ピンが圧入孔に対して挿通孔のリップの位置の手前に留まる程度に圧入されるようにしたが、リップの形成位置等によっては、ホルダが仮係止位置にあるときには圧入ピンが圧入孔に入り込む手前に留まるようにしてもよい。
(3)ホルダは、仮係止位置に保持されることなく、本係止位置のみに保持されるようになっていてもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(5)回りに4個の挿通孔がある場合の圧入孔並びにそれに圧入される圧入ピンの形状については、挿通孔の横方向のピッチや縦方向のピッチにより、原型を縦長や横長の菱形として対応することができる。
(6)本発明は、雌端子を収容する雌コネクタ、雄端子を収容する雄コネクタのいずれにも適用することができる。
10…コネクタハウジング
11…キャビティ
12…周壁
13…収容室
15…仮係止孔
16…本係止孔
20…ゴム栓
23…挿通孔
24…リップ
30…ホルダ
31…導入孔
33…仮係止突部
34…本係止突部
40A,40B…圧入孔
41…円弧形辺
42…(圧入孔40A,40Bの)隅部
50A,50B…圧入ピン(圧入突部)
51…円弧形辺
52…(圧入ピン50A,50Bの)角部
Claims (4)
- 電線の端末に接続された端子金具が後方から挿入されるキャビティを有するコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングの後面に配され前記端子金具と電線とを挿通可能な挿通孔が設けられた一括型のゴム栓と、
このゴム栓を前記コネクタハウジングの後面に密着した状態に保持するべく前記ゴム栓の後面側において前記コネクタハウジングに組付可能なホルダと、
前記ゴム栓の後面において前記挿通孔の回りに周方向に間隔を開けて形成された圧入孔と、
前記ホルダの前面に突設され同ホルダが前記コネクタハウジングに組み付けられた際に各圧入孔に個別に圧入可能な圧入突部と、
が備えられ、
かつ、前記圧入孔並びに前記圧入突部における前記挿通孔と対向する部分の形状が、前記挿通孔の周縁に倣った弧状に形成されていることを特徴とする防水コネクタ。 - 前記挿通孔が縦横に複数個整列して設けられるとともに、前記圧入孔が各挿通孔とは縦横にずれた位置に配されたものであって、
前記圧入孔のうち回りに4個の挿通孔が配される圧入孔では、同圧入孔に圧入される圧入突部ともども、原型が斜方形でかつ同斜方形の各辺が円弧状をなす断面形状に、また一側に2個の挿通孔が配される圧入孔では、同圧入孔に圧入される圧入突部ともども、原型が二等辺三角形でかつ同二等辺三角形の両斜辺が円弧状をなす断面形状に、それぞれ形成されていることを特徴とする請求項1記載の防水コネクタ。 - 前記圧入孔の内周面の隅部、並びに前記圧入突部の外周面の角部には、それぞれ丸みが付されていることを特徴とする請求項2記載の防水コネクタ。
- 前記ホルダと前記コネクタハウジングとの間には、前記圧接突部が対応する圧入孔に圧入される手前に留まる仮係止位置と、前記圧接突部が対応する圧入孔に圧入される本係止位置との2位置に前記ホルダを保持可能な保持手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の防水コネクタ。
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