JP2008163514A - 透明な柔軟仕上げ剤 - Google Patents

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裕 峰岸
Keiko Takase
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Abstract


【課題】優れた柔軟化作用を有すると同時に、常温においてだけでなく5℃以下の低い温度に長期間保存した場合においても透明な状態となる柔軟仕上げ剤を提供すること。
【解決手段】本発明は、次の一般式(1)で表わされる窒素原子に少なくとも一つのヒドロキシエチル基を有する第四級アンモニウム塩(I)と、
【化1】
Figure 2008163514

(Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R、RおよびRはそれぞれ独立にメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基のいずれかであり、かつ一つはヒドロキシエチル基である。)
アルキル基又はアルケニル基(R)の炭素数が11〜19である脂肪酸塩(II)と、CLogPが0.7〜1.4の範囲内である有機溶剤(III)を含有し、RとRの炭素数の合計が23〜35であり、第四級アンモニウム塩(I)と脂肪酸塩(II)の比率(モル比)が(I)/(II)=65/35〜90/10の範囲内であり、かつ、有機溶剤(III)と脂肪酸塩(II)との比率(質量比)が、(III)/(II)=1/1〜9/1である透明な柔軟仕上げ剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維製品や衣類の柔軟仕上げのために使用する柔軟仕上げ剤に関する。特に、冬季などに低温度に保存した場合にも良好な透明性を維持し、かつ繊維製品や衣類に対して良好な柔軟性を付与することのできる透明な柔軟仕上げ剤に関する。
繊維製品や衣類の柔軟仕上げ剤としては、ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩のような長鎖アルキル基を2本有するカチオン性の第四級アンモニウム塩を基剤としたものが従来から広く使用されていた。しかし、このような柔軟仕上げ剤は、優れた柔軟化作用を有するが、基剤成分のジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩の水に対する溶解度が低いため、固形分の析出した乳濁状またはスラリー状の液体状態で使用されていた。近年になって、使用する基剤成分や配合を工夫して外観が透明または半透明な状態の種々の柔軟仕上げ剤が提案され、より魅力的な製品として好評を得ている。例えば、1本の長鎖疎水性基を有する特定のアミンまたは第四級アンモニウム化合物とアニオン界面活性剤と特定の有機溶剤とを一定比率で組み合わせて透明な柔軟剤組成物としたもの(例えば、特許文献1参照)や、エステル結合またはアミド結合を含む疎水性部分と分岐または不飽和疎水基とを有する第四級アンモニウム化合物からなる布帛柔軟活性剤を使用した透明布帛柔軟剤などが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このような従来の外観が透明な柔軟仕上げ剤は、カチオン成分に、例えば疎水性基として一つの長鎖アルキル基またはエステル結合若しくはアミド結合を含む疎水性基を有するある特定の構造のアミンまたは第四級アンモニウム化合物を使用するものである。このような構造を有する化合物は、その水に対する溶解性が向上するため、これ単独でも或いは溶剤等を使用することによっても透明な外観の溶液とすることができるが、それ自身が十分な柔軟化作用有していない。そのため、このようなカチオン性化合物にさらにアルキル硫酸塩やアルキルスルホン酸塩などのアニオン性化合物を組み合わせて配合し、両者のコンプレックスを形成させて、配合した原液の状態では透明でありながら同時に良好な柔軟化作用を有する柔軟仕上げ剤を得ていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような従来の透明な柔軟仕上げ剤は、配合するアルキル硫酸塩やアルキルスルホン酸塩などのアニオン性化合物の陰イオン性が強いため、カチオン性化合物との間で生じたコンプレックスが中性又は陰イオン性となるとともに強い油性を示すという特性があった。このコンプレックスの強い油性のために柔軟仕上げ剤組成物の水への溶解性が低下し、柔軟仕上げ剤の保存安定性が悪くなり、特に冬季など5℃以下の低温度に保存した場合にその透明性が悪くなり、柔軟仕上げ剤の組成物に濁りや沈澱が生ずるという問題があった。
従って、通常の室温では透明であっても冬季などに低温になった場合に濁りや沈澱が生ずるとその商品価値は大きく損なわれることとなるため、20℃前後の室温で透明であるだけでなく、5℃以下の低温度となるような店頭や家庭でも良好な透明性を維持するとともに、優れた柔軟化作用を有する柔軟仕上げ剤が望まれていた。
特開2002−371469号公報 特表平11−507095号公報
本発明は、以上のような従来の柔軟仕上げ剤についての問題点を解決し、優れた柔軟化作用を有すると同時に、低温度においても良好な透明性を維持するという特徴を有する柔軟仕上げ剤を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、分子内にヒドロキシエチル基を少なくとも一つ有する特定の構造の第四級アンモニウム化合物と脂肪酸塩と水と1−オクタノールに対する親和性を示す係数が一定範囲にある有機溶剤とを特定の比率で配合することによって、優れた柔軟化作用を発揮するとともに、低温度においても良好な透明性を維持することができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の内容をその要旨とするものである。
(イ)次の一般式(1)で表わされる第四級アンモニウム塩(I)と;
Figure 2008163514
(ここで、Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R、RおよびRはそれぞれ独立にメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基のいずれかであり、かつその少なくとも一つはヒドロキシエチル基であり、Xはハロゲンイオン、炭素数1〜2のアルキル硫酸エステルイオンのいずれかである。)
次の一般式(2)で表わされる脂肪酸塩(II)と;
−COO−M (2)
(ここで、Rは炭素数11〜19のアルキル基又はアルケニル基であり、Mはアルカリ金属またはNH(COH)で表されるアンモニウム基のいずれかであり、mは1〜4の数、nは0〜3の数であって、m+nは4である。)
CLogPが0.7〜1.4の範囲内である有機溶剤(III)とを含有し;
とRの炭素数の合計が23〜35の範囲内にあり;
第四級アンモニウム塩(I)と脂肪酸塩(II)の比率(モル比)が、(I)/(II)=65/35〜90/10の範囲内であり;かつ
有機溶剤(III)と脂肪酸塩(II)との比率(質量比)が、(III)/(II)=1/1〜9/1の範囲であることを特徴とする透明な柔軟仕上げ剤。
(ロ)RとRの炭素数の合計が25〜33の範囲内であることを特徴とする、前記(イ)に記載の透明な柔軟仕上げ剤。
(ハ)第四級アンモニウム塩(I)と脂肪酸塩(II)の比率(モル比)が、(I)/(II)=70/30〜90/10であることを特徴とする、前記(イ)又は(ロ)に記載の透明な柔軟仕上げ剤。
(ニ)更に、次の一般式(3)で表わされる第四級アンモニウム塩(IV)
Figure 2008163514
(ここで、Rは炭素数12〜20のアルキル基又はアルケニル基であり、R、RおよびRはそれぞれ独立にメチル基又はエチル基であり、Xはハロゲンイオン、炭素数1〜2のアルキル硫酸エステルイオンのいずれかである。)を含有することを特徴とする、前記(イ)に記載の透明な柔軟仕上げ剤。
(ホ)第四級アンモニウム塩{(I)+(IV)}と脂肪酸塩(II)の比率(モル比)が{(I)+(IV)}/(II)=65/35〜90/10であり、かつ第四級アンモニウム塩(I)と(IV)の比率(モル比)が(I)/(IV)=50/50〜100/0であることを特徴とする、前記(ニ)に記載の透明な柔軟仕上げ剤。
(ヘ)第四級アンモニウム塩{(I)+(IV)}と脂肪酸塩(II)の比率(モル比)が{(I)+(IV)}/(II)=70/30〜90/10であることを特徴とする、前記(ニ)に記載の透明な柔軟仕上げ剤。
(ト)第四級アンモニウム塩{(I)+(IV)}と脂肪酸塩(II)の合計の配合量が3〜20質量%であることを特徴とする、前記(ニ)ないし(ヘ)のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤。
(チ)有機溶剤(III)が、CLogP=0.7〜1.2の範囲内であることを特徴とする、前記(イ)ないし(ト)のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤。
(リ)有機溶剤(III)の配合量が、1〜15質量%であることを特徴とする、前記(イ)ないし(チ)のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤。
(ヌ)有機溶剤(III)と脂肪酸塩(II)の比率(質量比)が、(III)/(II)=1.5/1〜3/1の範囲内であることを特徴とする、前記(イ)ないし(リ)のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤。
本発明の柔軟仕上げ剤では、従来広く利用されている衣料用柔軟剤と異なり、分子内にヒドロキシエチル基を少なくとも一つ有する特定の構造の第四級アンモニウム化合物と脂肪酸塩と水と1−オクタノールに対する親和性を示す係数が一定範囲にある有機溶剤とをある特定の比率で配合することによって、従来の柔軟仕上げ剤と同程度の優れた柔軟化作用を有すると同時に、20℃前後の室温だけでなく、5℃以下という低温度においても良好な透明性を維持することができる。
既に述べたように、20〜25℃程度の室温では、その原液状態で透明な外観をした衣類の柔軟仕上げ剤は既に公知であり、特に前記の特許文献1には、特定のアミンまたは第四級アンモニウム化合物とアニオン性界面活性剤と特定の有機溶剤とを含有する透明な柔軟仕上げ剤を開示している。しかし、この発明による柔軟仕上げ剤では、形成されるコンプレックスが強い油性を示すため、冬季など5℃以下の低温度で保存した場合には柔軟仕上げ剤に濁りや沈澱が生じ、その透明性が悪くなり、更に、処理した衣類が油っぽい風合いとなるという問題があった。
これに対して、本発明の柔軟仕上げ剤は、前述の記特許文献1などには具体的に開示していない、ヒドロキシエチル基を少なくとも一つ有する特定の構造の第四級アンモニウム塩(I)と脂肪酸塩(II)と水と1−オクタノールに対する親和性を示す係数が一定範囲にある有機溶剤(III)とをある特定の比率で組み合わせたものである。
これらの成分を特定の比率と特定の範囲で組み合わせて配合することによって、製品として配合した柔軟仕上げ剤が、良好な柔軟化作用を発揮するとともに、室温だけでなく5℃以下の低温度においても濁りや沈澱を生ずることなく、優れた透明性を維持するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の柔軟仕上げ剤は、その柔軟化成分として前記一般式(1)で表わされる第四級アンモニウム塩(I)を使用する。これは長鎖炭化水素基として炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を一つ有し、更に必ずヒドロキシエチル基を少なくとも一つ有する構造の第四級アンモニウム化合物である。長鎖炭化水素基のRは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、特に炭素数12または14のアルキル基が好ましい。R、RおよびRはそれぞれ独立にメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基のいずれかであるが、少なくとも一つはヒドロキシエチル基である。ヒドロキシエチル基は一つのものが好ましく、残りの置換基は両方ともメチル基のものが好ましい。Xはカチオン性窒素原子の対イオンであり、ハロゲンイオン、炭素数1〜2のアルキル硫酸エステルイオンのものが使用できるが、ハロゲンイオン、特に塩素イオンが好ましい。このような第四級アンモニウム化合物としては、例えば、塩化ドデシルジメチル2−ヒドロキシエチルアンモニウム、塩化テトラデシルジメチル2−ヒドロキシエチルアンモニウム、塩化デシルジメチル2−ヒドロキシエチルアンモニウム、塩化オレイルジメチル2−ヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ドデシルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、塩化オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム等が挙げられる。
本発明の柔軟仕上げ剤は、上記の第四級アンモニウム塩(I)とともに、前記一般式(2)で表わされる脂肪酸塩(II)を使用する。これはアルキル基又はアルケニル基(一般式(2)におけるR)の炭素数が11〜19の脂肪酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩である。
ここで、この第四級アンモニウム塩(I)と脂肪酸塩(II)の疎水基であるRとRの炭素数の合計が23〜35の範囲内にあることが必要であり、25〜33の範囲内にあることがより好ましい。例えば、第四級アンモニウム塩(I)のRが炭素数12のものである場合には脂肪酸塩(II)のRは炭素数11以上のアルキル基又はアルケニル基であり、炭素数13〜19のアルキル基のものが好ましい。第四級アンモニウム塩(I)のRが炭素数14のものである場合には脂肪酸塩(II)のRは炭素数11以上のアルキル基又はアルケニル基であるが、炭素数11〜19のアルキル基のものが好ましい。
この炭素数の範囲を外れる場合、即ちRとRの炭素数の合計が35を超える場合には柔軟仕上げ剤として20〜25℃程度の室温においても十分な透明なものとならず、保存安定性が劣る。またRとRの炭素数の合計が23未満の場合には、良好な透明性を有し、保存安定性はよいが、衣類に十分な柔軟性を付与することができない。
また、本発明の柔軟仕上げ剤では、上述の特定の第四級アンモニウム塩(I)と脂肪酸塩(II)を一定の比率で組み合わせて配合する。即ち、上記の第四級アンモニウム塩(I)と脂肪酸塩(II)とを、上述したRとRの炭素数の合計が23〜35の範囲内になる条件で、モル比で65/35〜90/10の範囲内になるように任意の比率で配合すればよい。使用する第四級アンモニウム塩(I)と脂肪酸塩(II)の種類にもよるが、この比率が70/30〜90/10の範囲が低温度においてより優れた透明性を有し、同時に衣類の優れた柔軟性を付与する柔軟化作用を示すのでより好ましい。更に、第四級アンモニウム塩(I)と脂肪酸塩(II)とをRとRの炭素数の合計が25〜33の範囲内となるように選択して、その比率がモル比で70/30〜90/10の範囲とすることがより好ましい。
本発明の柔軟仕上げ剤の上記の第四級アンモニウム塩(I)と脂肪酸塩(II)の使用量は、この二つ成分の合計が組成物中の3〜20質量%であり、好ましくは4〜15質量%である。第四級アンモニウム塩(I)と脂肪酸塩(II)の比率は、この範囲内で上述のように適宜その比率を変えて使用することができる。
本発明においては、前記一般式(1)で表される第四級アンモニウム塩(I)と一般式(2)で表される脂肪酸塩(II)とともに、CLogPが0.7〜1.4の範囲内、好ましくは0.7〜1.2の範囲内である有機溶剤(III)を使用する。
この有機溶剤(III)は、前記一般式(1)で表される第四級アンモニウム塩(I)と一般式(2)で表される脂肪酸塩(II)から形成されるコンプレックスの水に対する溶解性を増大し、柔軟仕上げ剤組成物の透明性、保存安定性を向上させる役割を有する。
このために本発明の柔軟仕上げ剤ではカチオン性化合物とのコンプレックスを溶解するために一定量の有機溶媒(III)を必要とする。このコンプレックスの量に対応する量として脂肪酸塩(II)の量があり、コンプレックスを溶解するために必要な有機溶剤(III)の量として、有機溶剤(III)と脂肪酸塩(II)の比率(質量比)で、(III)/(II)が1/1〜9/1の範囲にあることが必要であり、1.5/1〜3/1の範囲にあることが好ましい。
また、本発明の柔軟仕上げ剤では、上記の条件を満たすとともに、有機溶剤(III)を組成物の1〜15質量%の範囲で使用することが好ましい。
ここで、LogPとは有機化合物の水と1−オクタノールに対する親和性を示す係数であり、1−オクタノール/水分配係数であるPの対数のLogPで表したものである。多くの化合物の実測LogPのほかに、化合物の化学構造に基づきフラグメントアプローチから計算によっても求めることができ、計算LogP(CLogP)として、溶剤の選択の指標として使用される。例えば、Syracuse Research CorporationのLogKow (KowWin) Programにより計算することができる。
本発明の柔軟仕上げ剤の場合には、このCLogPが0.7以下の有機溶剤と水との混合溶剤では疎水性のコンプレックスの溶解性が不足し、一方、CLogPが1.4以上の有機溶剤では溶剤そのものが水に溶けなくなり、混合溶剤とならないため、CLogPが0.7〜1.4の範囲内の有機溶剤を使用する必要がある。
本発明に使用できるCLogPが0.7〜1.4の範囲内の有機溶剤としては、以下のようなものがあげられる。(カッコ内の数値はCLogP値を示す)
t−ブタノール(0.73)、iso−ブタノール(0.77)、ブタノール(0.84)、t−アミルアルコール(1.22)、iso−ペンタノール(1.26)、ペンタノール(1.33)、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル(0.98)、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル(1.13)、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル(1.27)、ベンジルグリコール(0.80)、ジエチレングリコールフェニルエーテル(0.83)、ベンジルアルコール(1.08)、フェノキシエタノール(1.10)、ジエチレングリコールヘキシルエーテル(1.27)。
これに対して、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、エチルセロソルブ、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル等はCLogP値が0.7よりも小さく、ヘプタノール、ヘキシルグリコール、プロピレングリコールフェニルエーテル等はCLogP値が1.4よりも大きく、いずれも使用することができない。
本発明の柔軟仕上げ剤は、更に、上記の一般式(3)で表わされる炭素数が12〜20の長鎖アルキル基又はアルケニル基を1本と短鎖アルキル基を3本有する第四級アンモニウム塩(IV)を配合することができる。この第四級アンモニウム塩(IV)を配合することにより、衣類の柔軟化作用を一層強化することができるとともに、第四級アンモニウム塩(I)よりも安価な材料であるため製品コストを引き下げることができる。
本発明の柔軟仕上げ剤では、この第四級アンモニウム塩(IV)の配合量は、第四級アンモニウム塩(I)と等モル以下の比率であることが必要であり、これを超える量を使用すると透明性が低下するため好ましくない。
本発明の柔軟仕上げ剤においては、カチオン性の化合物である一般式(1)の第四級アンモニウム塩(I)を一般式(2)の脂肪酸塩(II)に対してモル比で過剰に配合した組成系とする。第四級アンモニウム塩(I)とともに第四級アンモニウム塩(IV)を使用する場合は、両者の合計量を脂肪酸塩(IV)に対してモル比で過剰に配合した組成系とする。具体的には、第四級アンモニウム塩(I)又は{(I)+(IV)}と脂肪酸塩(II)との比率が、モル比で65/35〜90/10、好ましくは70/30〜90/10の範囲である。
本発明に使用する第四級アンモニウム塩(I)または(IV)は強カチオン性の化合物であり、脂肪酸塩(II)は弱アニオン性の化合物である。そしてこの強カチオン性第四級アンモニウム塩(I)又は{(I)+(IV)}の疎水基の炭素数と弱アニオン性の脂肪酸塩(II)の疎水基の炭素数を一定の範囲内にしつつ、カチオン性化合物が過剰の状態で配合したものであるため、カチオンとアニオンの安定なコンプレックスが形成されて、コンプレックスの溶解性が向上し、ひいては柔軟剤組成物が良好な透明性を有するものとなり、5℃以下の低温度においてもこの良好な透明性を維持することができる。また、このコンプレックス自体がカチオン性を保つことができるため繊維への吸着性に優れ、より高い柔軟効果を有するものとなる。
これに対して、例えば特許文献1に記載される柔軟剤では、アルキル硫酸エステル等の陰イオン性界面活性剤とともに溶剤等を配合することにより柔軟剤組成物としては常温では透明性を示すものを得ているが、低温度では白濁してしまい、透明な状態にならない。
また、カチオン性化合物として本発明と同一の第四級アンモニウム化合物を使用しても、これを単独で使用した場合には常温では透明な組成物は得られるが、ほとんど衣類の柔軟化作用を示さないものとなる。
更に、本発明においては、前記一般式(1)に示すようなカチオン性窒素原子に一つ以上のヒドロキシエチル基を有する第四級アンモニウム化合物を使用することが必要である。このようなヒドロキシエチル基を有する第四級アンモニウム化合物を使用することにより、水に対する溶解性が向上し、5℃以下という低温度においても透明なものが得られる。これに対して、カチオン性窒素原子の置換基にヒドロキシエチル基を有しない第四級アンモニウム化合物、例えば塩化テトラデシルトリメチルアンモニウムを使用した場合には、その外観は常温ではほぼ透明な状態を維持しているが、5℃以下という低温度では濁りが生ずる。
本発明の柔軟仕上げ剤においては、衣類の柔軟化作用と組成物の保存安定性、透明性を損なわない範囲で、種々の添加物を加えることができる。例えば、例えば、通常繊維処理剤として配合される親水性ポリエーテル変性シリコーン(例えば、商品名としてSF8410、SF3771、SF3746など、いずれも東レ・ダウコーニング(株)製)や、アミノ変性シリコーン(例えば、商品名としてREWOQUAT SQ 1、Degussa AG製)等の水溶性シリコーン;炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルであるポリオキシエチレン(m=8)ドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(m=20)オクタデシルエーテル、ポリオキシエチレン(m=40)テトラドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(m=75)オレイルエーテル等の非イオン界面活性剤(ここでmはオキシエチレンの付加モル数を示す);エチレンジアミン四酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩、クエン酸等の金属封鎖剤;防腐剤、着色料、香料等が挙げられる。
本発明の柔軟仕上げ剤組成物の製造方法としては特に限定されず、常法により調製することができ、例えば次のような方法で製造することができる。即ち、所定量の水または必要に応じて温水を用い、まずこれに後で添加する脂肪酸を中和するために必要な量以上の水酸化ナトリウムなどのアルカリ剤を加え、この溶液を脂肪酸の融点以上の温度に加熱する。このアルカリ剤水溶液を攪拌しながら、所定量の前記一般式(2)の脂肪酸を加えて、脂肪酸塩(II)の水溶液とする。次に、この水溶液を攪拌しながら、ここに所定量の前記一般式(1)の第4級アンモニウム塩(I)、又は更に必要に応じて前記一般式(3)の第4級アンモニウム塩(IV)を加えて、透明になるまで攪拌を続ける。次いで、所定量の有機溶剤(III)を加えて、攪拌しながら常温になるまで冷却する。更に必要に応じてその他の成分を加えて、均一になるまで攪拌して最終的な柔軟仕上げ剤組成物を得る。
次に、本発明を実施例によって更に詳しく説明する。以下の実施例において、特に注記しない限り「%」および「部」は質量基準である。
以下の実施例において、柔軟仕上げ剤の評価は下記の評価項目と評価方法によって行った。
(1) 透明性:
柔軟仕上げ剤の原液300mLを直径80mmの透明ガラス容器にいれ、25℃、5℃および0℃の恒温室に1週間保存した後、透明ガラス容器に入ったそれぞれの試料の透明性を肉眼で観察し、次のように評価した。
○:完全に溶解し、透明な状態。
△:わずかに濁りが見られるが、ほぼ透明な状態。
×:明らかな濁り・沈澱が見られる状態。
(2) 柔軟性:
木綿100%のタオル16枚(約1kg)を市販の弱アルカリ性粉末洗剤を用いて、市販の洗濯機にて洗濯した(洗剤濃度0.067%、水道水30L、水温約20℃)。その後洗浄液を排出し、3分間脱水後、30Lの水道水を注水して5分間すすぎを行い、排水後3分間脱水した。その後再度30Lの水道水を注水した後、試料の柔軟仕上げ剤の原液10mLを添加し、5分間攪拌した。その後排水し3分間脱水した後タオルを自然乾燥し、このタオルの柔軟性を次の方法によって評価した。
即ち、10人の女性パネラーにより下記の基準によって16枚のタオルの柔軟性をそれぞれ次の基準で判定し、その平均点を求めた。
非常に柔らかく仕上がった・・・・ 3
柔らかく仕上がった ・・・・ 2
やや柔らかく仕上がった ・・・・ 1
柔らかに仕上がらない ・・・・ 0
その結果を、平均点が2以上のものを「○」、2未満1以上のものを「△」、1未満のものを「×」として表示した。
(i)カチオン成分とアニオン成分の組合せの評価
カチオン成分及びアニオン成分として次のものを用いて、表1に示す組成の柔軟仕上げ剤を調製し、これらの柔軟仕上げ剤の透明性と柔軟性を評価した。
カチオン成分(第四級アンモニウム塩)
・塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C12/C14=約50/50、MW=307)
(表1では「C12-14カチオン(I)」と表示する)
・塩化アルキルトリメチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C12/C14=約50/50、MW=278)
(表1では「C12-14カチオン(IV)」と表示する)
アニオン成分
・脂肪酸ナトリウム
(アルキル基炭素数:C15/C17=約50/50、MW=292)
(表1では「C15-17Na(II)」と表示する)
・アルキル硫酸ナトリウム
(アルキル基炭素数:C16/C18=約35/65、MW=363)
(表1では「C16-18ASNa」と表示する)
有機溶剤
・ベンジルアルコール(表1では「ベンジルアルコール(III)」と表示する)

得られた結果を表1に示す。
Figure 2008163514
カチオン成分としてヒドロキシエチル基を有する第四級アンモニウム塩{C12-14カチオン(I)}を、アニオン成分として脂肪酸塩{C15-17Na(II)}と組合せ、有機溶剤としてベンジルアルコールを用い、かつ(I)と(II)のアルキル基の炭素数の和、(I)と(II)のモル比が本発明の条件を満足する柔軟仕上げ剤(発明例1)では、室温に保存した場合だけでなく、5℃および0℃という低温に長期間保存した場合でも、濁り等が生ずることなく、良好な透明性を有していた。これに対して、従来の処方であるモノ長鎖アルキル第四級アンモニウム塩{C12-14カチオン(IV)}とアニオン成分のアルキル硫酸塩{C16-18ASNa}を組み合わせて使用した柔軟仕上げ剤(比較例3)では、室温に保存した場合でも濁りや沈澱が生じて、透明性のよいものが得られなかった。この従来の処方からアニオン成分のアルキル硫酸塩を脂肪酸塩{C15-17Na(II)}に変えた場合(比較例2)には、室温では透明なものが得られたが5℃で保存した場合には白濁し、透明なものが得られなかった。また、従来の処方のモノ長鎖アルキル第四級アンモニウム塩をヒドロキシエチル基を有する第四級アンモニウム塩{C12-14カチオン(I)}に変えることで室温では透明な柔軟仕上げ剤が得られたが、5℃で保存すると白濁し、透明なものが得られなかった。
(ii)カチオン成分とアニオン成分のアルキル鎖長の評価
カチオン成分及びアニオン成分として次のものを用いて、表2に示す組成の柔軟仕上げ剤を調製し、これらの柔軟仕上げ剤の透明性と柔軟性を評価した。
カチオン成分(第四級アンモニウム塩)
・塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C8、MW=238)
(表2では「C8カチオン(I)」と表示する)
・塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C10/C12=約50/50、MW=279)
(表2では「C10-12カチオン(I)」と表示する)
・塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C12/C14=約50/50、MW=307)
(表1では「C12-14カチオン(I)」と表示する)
・塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C16/C18=約50/50、MW=363)
(表2では「C16-18カチオン(I)」と表示する)
・塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C20/C22=約50/50、MW=419)
(表2では「C20-22カチオン(I)」と表示する)
アニオン成分
・脂肪酸ナトリウム
(アルキル基炭素数:C9、MW=194)
(表2では「C9Na(II)」と表示する)
・脂肪酸ナトリウム
(アルキル基炭素数:C11、MW=222)
(表2では「C11Na(II)」と表示する)
・脂肪酸ナトリウム
(アルキル基炭素数:C13、MW=250)
(表2では「C13Na(II)」と表示する)
・脂肪酸ナトリウム
(アルキル基炭素数:C15/C17=約50/50、MW=292)
(表2では「C15-17Na(II)」と表示する)
・脂肪酸ナトリウム
(アルキル基炭素数:C17/C19=約50/50、MW=320)
(表2では「C17-19Na(II)」と表示する)
・脂肪酸ナトリウム
(アルキル基炭素数:C21、MW=362)
(表2では「C21Na(II)」と表示する)
得られた結果を表2に示す。
Figure 2008163514
カチオン成分としてヒドロキシエチル基を有する第四級アンモニウム塩(I)を、アニオン成分として脂肪酸塩(II)と組合せ、有機溶剤としてCLogPが0.7から1.4のものを用い、かつ(I)と(II)のアルキル基の炭素数の和、(I)と(II)のモル比が本発明の条件を満足する柔軟仕上げ剤(発明例1〜4)では、良好な柔軟性を有するとともに、室温に保存した場合だけでなく、5℃および0℃という低温に長期間保存した場合でも、濁り等が生ずることなく、良好な透明性を有していた。
しかし、第四級アンモニウム塩(I)と脂肪酸塩(II)のアルキル基の炭素数の和(R+R)が23未満の場合(比較例4)には、他の条件が同じであっても、透明性はよいが柔軟性の劣ったものとなった。また、同じく(R+R)が35を超える場合(比較例5)には、柔軟性はよいが、透明性の劣ったものとなった。(R+R)が23〜35であっても、第四級アンモニウム塩(I)のRが短かすぎる(C8)、又は脂肪酸塩(II)のRが短すぎる(C8)場合(比較例6、7)には、透明性はよいが、柔軟性に劣ったものとなった。また、(R+R)が23〜35であっても、第四級アンモニウム塩(I)のRが長すぎる(C20-22)、又は脂肪酸塩(II)のRが長すぎる(C21)場合(比較例8、9)には、柔軟性はよいが、透明性に劣ったものとなった。
(iii)有機溶剤の種類と配合量の評価
カチオン成分、アニオン成分及び有機溶剤として次のものを用い、表3に示す組成の柔軟仕上げ剤を調製し、これらの柔軟仕上げ剤の透明性を評価した。
カチオン成分(第四級アンモニウム塩)
・塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C10/C12=約50/50、MW=279)
(表3では「C10-12カチオン(I)」と表示する)
・塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C12/C14=約50/50、MW=307)
(表3では「C12-14カチオン(I)」と表示する)
・塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C16/C18=約50/50、MW=363)
(表3では「C16-18カチオン(I)」と表示する)
アニオン成分
・脂肪酸ナトリウム
(アルキル基炭素数:C11、MW=222)
(表3では「C11Na(II)」と表示する)
・脂肪酸ナトリウム
(アルキル基炭素数:C13、MW=250)
(表3では「C13Na(II)」と表示する)
・脂肪酸ナトリウム
(アルキル基炭素数:C15/C17=約50/50、MW=292)
(表3では「C15-17Na(II)」と表示する)
・脂肪酸ナトリウム
(アルキル基炭素数:C19/C21=約50/50、MW=348)
(表3では「C19-21Na(II)」と表示する)
有機溶剤
・ベンジルアルコール (CLogP=1.08)
・フェノキシエタノール(CLogP=1.10)
・t−ブタノール (CLogP=0.73)
・ペンタノール (CLogP=1.33)
・エタノール (CLogP=−0.14)
・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(CLogP=0.46)
(表3では「ソルフィット」と表示する。)
・ヘキシルグリコール (CLogP=1.55)
得られた結果を表3に示す。
Figure 2008163514
有機溶剤としてCLogPの値が0.7〜1.4の範囲のものを使用すれば、室温だけでなく、0℃の低温度に保存しても保存安定性がよく、良好な透明性を維持していた(発明例1、5〜8)。しかし、CLogPの値が0.7〜1.4の範囲の有機溶剤であってもその配合量が1%未満の場合には、低温度での保存安定性が悪かった(比較例10)。
一方、CLogPが0.7未満または1.4を超える値の有機溶剤を使用した場合には、室温では透明なものが得られるが、5℃以下の低温度で保存した場合に濁りや沈殿が生じて保存安定性が悪かった(比較例11〜13)。
(iv)カチオン成分を併用した場合の評価
カチオン成分として次の第四級アンモニウム塩(I)と第四級アンモニウム塩(IV)を併用し、表4に示すアニオン成分の脂肪酸塩と有機溶剤を用いて、表4に示す組成の柔軟仕上げ剤を調製し、これらの柔軟仕上げ剤の透明性と柔軟性を評価した。尚、表4の脂肪酸塩の表記は表2と同一のものであることを意味する。
第四級アンモニウム塩(I)
・塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C10/C12=約50/50、MW=279)
(表4では「C10-12カチオン(I)」と表示する)
・塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C12/C14=約50/50、MW=307)
(表4では「C12-14カチオン(I)」と表示する)
・塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C16/C18=約50/50、MW=363)
(表4では「C16-18カチオン(I)」と表示する)
第四級アンモニウム塩(IV)
・塩化アルキルトリメチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C12/C14=約50/50、MW=278)
(表4では「C12-14カチオン(IV)」と表示する)
・塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム (MW=320)
(表4では「C16カチオン(IV)」と表示する)
・塩化アルキルトリメチルアンモニウム
(アルキル基炭素数:C16/C18=約50/50、MW=337)
(表4では「C16-18カチオン(IV)」と表示する)
その結果を表4に示す。
Figure 2008163514
カチオン成分としてヒドロキシエチル基を有する第四級アンモニウム塩(I)とともにモノ長鎖アルキル基を有する第四級アンモニウム塩(IV)を50%以下の量で併用しても、優れた柔軟性とともに、室温だけでなく低温度でも良好な透明性を有する保存安定性に優れた柔軟仕上げ剤が得られた(発明例1,9〜12)。しかし、第四級アンモニウム塩(IV)を50%を超える量で併用すると柔軟性は良好であるが、透明性に劣った保存安定性の悪いものとなった(比較例14〜17)。
(v)最適溶剤量の評価
柔軟仕上げ剤が良好な透明性を有したものとするための最適な有機溶剤の配合量を評価した。即ち、表5に記載のカチオン成分の第四級アンモニウム塩(I)、アニオン成分の脂肪酸塩(II)及び有機溶剤(III)を、表5に記載の配合組成で配合して柔軟仕上げ剤を調製し、これらの柔軟仕上げ剤の透明性と柔軟性を評価した。尚、表5の各成分の表記は表2のものと同一のものであることを意味である。
その結果を表5に示す。
Figure 2008163514
本発明の柔軟仕上げ剤においては、低温度においても良好な透明性を有する保存安定性に優れた組成物とするために、カチオン成分とアニオン成分のコンプレックスを溶解するCLogP値が0.7〜1.4の有機溶剤が必要である。この有機溶剤(III)の配合量は、表5からわかるように、アニオン成分である脂肪酸塩(II)の量より質量基準で多いと、低温度でも優れた透明性を有し、良好な保存安定性を示した(発明例1,13〜16)。しかし、有機溶剤(III)の量が脂肪酸塩(II)の量より質量基準で少ないと、保存安定性の劣ったものとなった(比較例18〜21)。また、溶剤量が多すぎると透明性は良好であるが、柔軟性のよいものが得られなかった(比較例22)。
(vi)アニオン成分とカチオン成分の配合比率の評価
同様に最適なアニオン成分とカチオン成分の配合比率の評価を行った。即ち、表6に記載のカチオン成分の第四級アンモニウム塩(I)と、アニオン成分の脂肪酸塩(II)及び有機溶剤(III)を、表6に記載の配合組成で配合して柔軟仕上げ剤を調製し、これらの柔軟仕上げ剤の透明性と柔軟性を評価した。尚、表6の各成分の表記は表2のものと同一のものであることを意味である。
その結果を表6に示す。
Figure 2008163514
カチオン成分の第四級アンモニウム塩(I)とアニオン成分の脂肪酸塩(II)の配合比率が、モル比で、65/35〜90/10の範囲にある時は柔軟性と低温での保存安定性のいずれも良好であった(発明例1,17〜20)が、脂肪酸塩の比率がこの範囲より低い(配合量が少なすぎる)と低温での保存安定性はよいが、柔軟性が劣ったものとなった(比較例23)。また、脂肪酸塩の比率がこの範囲より大きい(配合量が多すぎる)と低温での保存安定性が悪くなった(比較例24、25)。
(vii)その他のカチオン成分の評価
カチオン成分として前記一般式(1)で表される第四級アンモニウム塩(I)以外の第四級アンモニウム塩を用いて、脂肪酸塩と有機溶剤とともに表7に示す配合組成にて柔軟仕上げ剤を調製し、これらの柔軟仕上げ剤の透明性と柔軟性を評価した。
その結果を表7に示す。
Figure 2008163514
この結果からわかるように、カチオン成分として前記一般式(1)で表される第四級アンモニウム塩(I)以外の第四級アンモニウム塩を用いると、アニオン成分として脂肪酸塩を、有機溶剤としてベンジルアルコールを用いて柔軟仕上げ剤を調製しても、室温においても透明な柔軟仕上げ剤の液状組成物は得られなかった。
本発明は特定の第四級アンモニウム化合物とアニオン成分としての脂肪酸塩と特定の有機溶剤をある一定の条件で組み合わせて配合した柔軟仕上げ剤であり、従来の柔軟仕上げ剤と同等の優れた柔軟性を有すると同時に、室温だけでなく、5℃以下の低い温度でも優れた透明性を有し、その美的外観に特徴のある衣類の柔軟仕上げ剤として有用である。

Claims (10)

  1. 次の一般式(1)で表わされる第四級アンモニウム塩(I)と;
    Figure 2008163514

    (ここで、Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R、RおよびRはそれぞれ独立にメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基のいずれかであり、かつその少なくとも一つはヒドロキシエチル基であり、Xはハロゲンイオン、炭素数1〜2のアルキル硫酸エステルイオンのいずれかである。)
    次の一般式(2)で表わされる脂肪酸塩(II)と;
    −COO−M (2)
    (ここで、Rは炭素数11〜19のアルキル基又はアルケニル基であり、Mはアルカリ金属またはNH(COH)で表されるアンモニウム基のいずれかであり、mは1〜4の数、nは0〜3の数であって、m+nは4である。)
    CLogPが0.7〜1.4の範囲内である有機溶剤(III)とを含有し;
    とRの炭素数の合計が23〜35の範囲内にあり;
    第四級アンモニウム塩(I)と脂肪酸塩(II)の比率(モル比)が、(I)/(II)=65/35〜90/10の範囲内であり;かつ
    有機溶剤(III)と脂肪酸塩(II)との比率(質量比)が、(III)/(II)=1/1〜9/1の範囲であることを特徴とする透明な柔軟仕上げ剤。
  2. とRの炭素数の合計が25〜33の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の透明な柔軟仕上げ剤。
  3. 第四級アンモニウム塩(I)と脂肪酸塩(II)の比率(モル比)が、(I)/(II)=70/30〜90/10であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の透明な柔軟仕上げ剤。
  4. 更に、次の一般式(3)で表わされる第四級アンモニウム塩(IV)
    Figure 2008163514

    (ここで、Rは炭素数12〜20のアルキル基又はアルケニル基であり、R、RおよびRはそれぞれ独立にメチル基又はエチル基であり、Xはハロゲンイオン、炭素数1〜2のアルキル硫酸エステルイオンのいずれかである。)を含有することを特徴とする、請求項1に記載の透明な柔軟仕上げ剤。
  5. 第四級アンモニウム塩{(I)+(IV)}と脂肪酸塩(II)の比率(モル比)が{(I)+(IV)}/(II)=65/35〜90/10であり、かつ第四級アンモニウム塩(I)と(IV)の比率(モル比)が(I)/(IV)=50/50〜100/0であることを特徴とする、請求項4に記載の透明な柔軟仕上げ剤。
  6. 第四級アンモニウム塩{(I)+(IV)}と脂肪酸塩(II)の比率(モル比)が{(I)+(IV)}/(II)=70/30〜90/10であることを特徴とする、請求項4に記載の透明な柔軟仕上げ剤。
  7. 第四級アンモニウム塩{(I)+(IV)}と脂肪酸塩(II)の合計の配合量が3〜20質量%であることを特徴とする、請求項4ないし6のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤。
  8. 有機溶剤(III)が、CLogP=0.7〜1.2の範囲内であることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤。
  9. 有機溶剤(III)の配合量が、1〜15質量%であることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤。
  10. 有機溶剤(III)と脂肪酸塩(II)の比率(質量比)が、(III)/(II)=1.5/1〜3/1の範囲内であることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤。
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