JP2004211214A - 柔軟剤組成物の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温貯蔵しても異物が生成せず、外観が良好な透明液体柔軟剤組成物の製造法の提供。
【解決手段】(a)アミド基、エステル基及び/又はエーテル基で分断されていても良い炭素数12〜36の炭化水素基を分子内に1つ以上有し、かつ3級アミノ基又はその酸塩もしくは4級アンモニウム基を有する化合物、(b)logPが0.5〜3の有機溶剤、及び(c)水を含有する柔軟剤組成物の製造法であって、予め(a)成分に含有される炭素数22〜35のパラフィン化合物の含有量を、組成物全量に対し7mg/kg以下となるように制御する工程を含む、柔軟剤組成物の製造法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は透明な液体柔軟剤組成物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般家庭で用いられている衣料用液体柔軟剤は水不溶性の4級アンモニウム塩を水に乳化分散させた不透明な外観を有するものが用いられていたが、近年、審美的観点から透明又は半透明な柔軟剤の開発が行われている。特許文献1には不飽和アルキル基を有する柔軟剤及び非水性溶剤を用いた組成物が開示されている。特許文献2には特定ヨウ素価を有する柔軟化基材を用いた柔軟剤組成物が開示されている。特許文献3には特定のジエステル型4級アンモニウム化合物とジアミド型4級アンモニウム化合物を併用した透明柔軟剤が開示されている。特許文献4には、界面活性剤組成物として、ホモジェーナスでありアイソトロピックな柔軟剤組成物が詳細な説明に記載されており、炭素数14〜20のパラフィンを使用することが開示されている。特許文献5には特定の溶剤を用いた透明柔軟剤組成物が開示されている。
【0003】
これら特許文献に記載の柔軟剤は、水不溶性の柔軟基剤を、特定の両親媒性溶剤を含有する水溶液に溶解させることで透明化を達成しているが、これらはしばしば低温貯蔵において、もやのような異物が生成し、審美的に好ましくない。さらに、一旦このような異物が形成されると室温にもどしても回復しないという問題があるため、改善が求められる。
【0004】
一方、炭化水素化合物を柔軟剤組成物に用いることはすでに知られている。特許文献6には柔軟剤組成物の製造を容易にさせる目的からパラフィン化合物が用いられている。特許文献7には好ましい粘度を有する炭化水素を含有した柔軟剤組成物が開示されている。特許文献8には水不溶性陽イオン性柔軟基材の分散安定化を目的に炭化水素化合物を用いる技術が開示されている。しかしながら、これらに開示されている柔軟剤組成物は乳化分散系であるため、低温における異物の形成の問題がなく、これを抑制する技術を開示するものではない。さらに、特許文献9及び10には水の含有量が少ない濃縮された柔軟剤組成物にオイルを利用する技術が開示されている。しかしながらこのような技術を透明柔軟剤に応用しても低温貯蔵における問題を解決できるものではない。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−229061号公報
【特許文献2】
特開平9−250085号公報
【特許文献3】
特表平10−511146号公報
【特許文献4】
欧州特許第125103号明細書
【特許文献5】
特表平11−506810号公報
【特許文献6】
特開昭58−109681号公報
【特許文献7】
特開平4−228680号公報
【特許文献8】
英国特許第1601360号明細書
【特許文献9】
国際公開第01/04254号パンフレット
【特許文献10】
欧州特許第829531号明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、低温貯蔵しても異物が生成せず、外観が良好な透明液体柔軟剤組成物の製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する柔軟剤組成物の製造法であって、予め(a)成分に含有される炭素数22〜35のパラフィン化合物(以下(d)成分という)の含有量を、組成物全量に対し7mg/kg以下となるように制御する工程(以下工程1という)を含む、柔軟剤組成物の製造法を提供する。
(a)アミド基、エステル基及び/又はエーテル基で分断されていても良い炭素数12〜36の炭化水素基を分子内に1つ以上有し、かつ3級アミノ基又はその酸塩もしくは4級アンモニウム基を有する化合物
(b)logPが0.5〜3の有機溶剤
(c)水
【0008】
【発明の実施の形態】
[(a)成分]
本発明の(a)成分は、アミド基、エステル基及び/又はエーテル基で分断されていても良い炭素数12〜36の炭化水素基を分子内に1つ以上有し、かつ3級アミノ基又はその酸塩もしくは4級アンモニウム基を有する化合物であり、組成物の透明化の点から、一般式(1)で表され、ヨウ素価が20〜120、好ましくは35〜110、特に好ましくは40〜100の化合物(以下化合物(1)という)、一般式(2)で表される化合物(以下化合物(2)という)、又は一般式(3)で表される化合物(以下化合物(3)という)が好適である。
【0009】
【化3】
Figure 2004211214
【0010】
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、エステル基、アミド基及び/又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数12〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、R3は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。X-は陰イオン基を示す。]
【0011】
【化4】
Figure 2004211214
【0012】
[式中、R5及びR9はそれぞれ独立に、炭素数12〜36のアルキル基又はアルケニル基であり、R6及びR10はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキレン基である。但し、R5とR6の合計炭素数、及びR9とR10の合計炭素数は36を超えない。R7、R8、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。A及びBはそれぞれ独立に、−COO−、−OCO−、−CONH−及び−NHCO−から選ばれる基であり、a及びbは0又は1の数である。Y-は陰イオンである。]
化合物(1)において、R1及びR2は、好ましくはエステル基、アミド基及び/又はエーテル基を含有し、特に好ましくはエステル基及び/又はアミド基を含有するアルキル基又はアルケニル基である。また、R1及びR2の合計数に対して、アルキル基の数が1〜15%、好ましくは1〜13%、より好ましくは1〜10%、特に好ましくは5〜10%であり、アルケニル基の数が85〜99%、好ましくは87〜99%、より好ましくは90〜99%、特に好ましくは90〜95%であるものが好適であり、このような範囲において柔軟剤の透明化が可能となる。また、R1及びR2の合計数に対して、炭素−炭素不飽和結合を2つ以上有するアルケニル基の数が7%以下、好ましくは0.1〜5%、より好ましくは0.5〜4%、特に好ましくは0.5〜3%であるものが透明化及び貯蔵安定性の点から好ましい。
【0013】
具体的に好ましい化合物としては、下記一般式(1−1)で表される化合物(以下化合物(1−1)という)及び一般式(1−2)で表される化合物(以下化合物(1−2)という)を挙げることができる。
【0014】
【化5】
Figure 2004211214
【0015】
[式中、R14及びR15はそれぞれ独立に、c,dが共に0の時は、炭素数12〜18のアルキル基及びアルケニル基が混合した混合炭化水素基であり、c,dの少なくともひとつが0でない時は、炭素数11〜18のアルキル基及びアルケニル基が混合した混合炭化水素基である。R18及びR19はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。また、分子中に存在するR14及びR15の合計数に対して、アルキル基の数が好ましくは1〜15%、より好ましくは1〜13%、さらに好ましくは1〜10%、特に好ましくは5〜10%であり、アルケニル基の数が好ましくは85〜99%、より好ましくは87〜99%、さらに好ましくは90〜99%、特に好ましくは90〜95%である。また、分子中に存在するR14及びR15の合計数に対して、炭素−炭素不飽和結合を2つ以上有するアルケニル基の数が好ましくは7%以下、より好ましくは0.1〜5%、さらに好ましくは0.5〜4%、特に好ましくは0.5〜3%である。R16及びR17はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキレン基である。D及びEはそれぞれ独立に−COO−、−OCO−、−CONH−及び−NHCO−から選ばれる基であり、c及びdはそれぞれ独立に、0又は1、好ましくは1の数である。X-は陰イオン、好ましくはハロゲンイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜3のアルキル基が1〜3個置換していてもよいベンゼンスルホン酸イオン、炭素数1〜12の1価〜3価の脂肪族カルボン酸イオン、特に好ましくはハロゲンイオン、アルキル硫酸エステルイオンである。]
化合物(1−1)及び化合物(1−2)は、牛脂や豚脂等の動物油、イワシ油、サバ油、さめ肝油等の魚油、あるいはパーム油、綿実油、ひまわり油等の植物油をケン化、あるいはメチルエステル化して得られる脂肪酸や脂肪酸メチルエステルを蒸留等の精製工程を経て得られるオレイン酸(又はそのメチルエステル)あるいはオレイルアルコールを原料として製造される。また、このようなオレイン酸(又はその低級アルキルエステル)は、ステアリン酸、パルミチン酸等の飽和脂肪酸を5〜15モル%、リノール酸等の炭素−炭素2重結合を2つ以上有する化合物を7〜15モル%含有する。オレイルアルコールも同様に、ステアリルアルコール、パルミチルアルコール等の飽和アルコールを5〜15モル%、リノールアルコール等の炭素−炭素2重結合を2つ以上有する化合物を7〜15モル%含有する。本発明では特にリノール酸やリノールアルコール等の炭素−炭素2重結合を2つ以上有する化合物を低減化させた原料を用いて、化合物(1−1)又は化合物(1−2)を製造することが好ましい。リノール酸やリノールアルコールを低減化させる方法としては、例えば特開平8−99036号公報に開示されている金属銅結晶を選択水素添加触媒として用いる方法が挙げられる。また、本発明では、好ましくは炭素−炭素2重結合を2つ以上有する化合物の含有量を3モル%以下に低減化することが好ましい。
【0016】
このようなリノール酸を低減化した脂肪酸とメチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジアミノプロピル−N−メチルアミン、あるいはN−ヒドロキシエチル−N−アミノプロピル−N−メチルアミン等のアミン化合物との脱水エステル化反応により、上記化合物(1−1)を得ることができ、さらに化合物(1−1)をメチルクロリド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のアルキル化剤でアルキル化することで化合物(1−2)を得ることができる。
【0017】
なお、化合物(1−1)としては、無機又は有機の酸で中和した塩でも良く、この場合、柔軟剤組成物に配合する前にアミノ基を酸剤により中和したものを用いても、柔軟剤組成物にアミン化合物を配合した後、アミノ基を酸剤で中和したものを用いても良い。中和のための酸としては塩酸、硫酸、リン酸、グリコール酸、蓚酸、乳酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸、炭素数1〜12の脂肪酸又は炭素数1〜3のアルキル硫酸が好ましく、特に塩酸、硫酸、グリコール酸、蓚酸、乳酸、クエン酸が好ましい。中和に用いるこれらの酸剤は、単独で用いても複数で用いてもよい。
【0018】
本発明では化合物(1−1)及び化合物(1−2)を用いる場合には、不飽和結合を1つ有する炭化水素基においてシス体とトランス体を含むことができ、シス体/トランス体は25/75〜100/0、好ましくは50/50〜95/5(モル比)が透明化の点から好適である。
【0019】
さらに本発明では化合物(1−1)及び化合物(1−2)を用いる場合には、化合物(1−1)及び化合物(1−2)を併用することが柔軟効果の点から好ましく、併用する場合には、化合物(1−1)/化合物(1−2)の質量比は1/99〜50/50、好ましくは5/95〜40/60、より好ましくは10/90〜30/70が柔軟効果を向上させる点から好適である。
【0020】
化合物(2)においてR5は、炭素数12〜36、好ましくは14〜24のアルキル基又はアルケニル基である。R6は、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましく、より好ましくはエチレン基又はプロピレン基である。R7及びR8はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましい。aは1が好ましい。化合物(2)の中で特に好ましい化合物として、下記一般式(2−1)で表される化合物(以下化合物(2−1)という)及び一般式(2−2)で表される化合物(以下化合物(2−2)という)から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0021】
【化6】
Figure 2004211214
【0022】
[式中、R20は炭素数15〜35、好ましくは15〜23、より好ましくは17〜21のアルキル基又はアルケニル基であり、eは2又は3である。R21及びR22はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基、好ましくはメチル基又はヒドロキシエチル基である。]
化合物(2−1)及び化合物(2−2)は、R20−COOHで表される脂肪酸又はこのアルキル(炭素数1〜5)エステル若しくは酸クロリドと、N−ヒドロキシアルキル−N,N−ジアルキルアミン又はN−アミノアルキル−N,N−ジアルキルアミンとを反応させることで合成することができ、R20は単独のアルキル鎖長でもよく、混合アルキル鎖長でもよい。
【0023】
化合物(2)は、無機又は有機の酸で中和した塩であってもよい。また、塩として使用する場合は、柔軟剤組成物に配合する前にアミノ基を酸剤により中和したものを用いても、柔軟剤組成物に(a)成分を配合した後、アミノ基を酸剤で中和したものを用いてもよい。中和のための酸としては塩酸、硫酸、リン酸、グリコール酸、ヒドロキシカルボン酸、炭素数1〜12の脂肪酸又は炭素数1〜3のアルキル硫酸が好ましく、特に塩酸、硫酸、グリコール酸が好ましい。中和に用いるこれらの酸剤は、単独で用いても複数で用いてもよい。
【0024】
化合物(3)において、R9は、炭素数12〜36、好ましくは14〜24のアルキル基又はアルケニル基である。R10は、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましく、より好ましくはエチレン基又はプロピレン基である。R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、好ましくはメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基である。化合物(3)の中で特に好ましい化合物として、下記一般式(3−1)で表される化合物(以下化合物(3−1)という)及び一般式(3−2)で表される化合物(以下化合物(3−2)という)から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0025】
【化7】
Figure 2004211214
【0026】
[式中、R23は炭素数13〜35、好ましくは15〜23のアルキル基又はアルケニル基であり、fは2又は3である。R24、R25及びR26は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基、好ましくはメチル基又はエチル基である。Y-は陰イオン、好ましくはハロゲンイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜12の脂肪酸イオン、炭素数1〜3のアルキル基で置換していても良いアリールスルホン酸イオンから選ばれる1種以上である。]
化合物(3−1)及び化合物(3−2)は、R23−COOHで表される脂肪酸又はこのアルキル(炭素数1〜5)エステルもしくは酸クロリドと、N−ヒドロキシアルキル−N,N−ジアルキルアミン又はN−アミノアルキル−N,N−ジアルキルアミンとを反応させ、さらにアルキルハライド、ジアルキル硫酸、アルキレンオキシド等のアルキル化剤で4級化することで合成することができる。また、N,N,N−トリアルキル−N−ヒドロキシアルキル4級アンモニウム塩、N,N,N−トリアルキル−N−アミノアルキル4級アンモニウム塩と、R23−COOHで表される脂肪酸又はこのアルキル(炭素数1〜5)エステルもしくは酸クロリドとの反応で合成することも可能である。R23は単独のアルキル鎖長でもよく、混合アルキル鎖長でもよい。
【0027】
さらに本発明では化合物(2)及び化合物(3)を用いる場合には、化合物(2)及び化合物(3)を併用することが柔軟効果の点から好ましく、併用する場合には、化合物(2)/化合物(3)の質量比は1/99〜50/50、好ましくは5/95〜40/60、より好ましくは10/90〜30/70が柔軟効果を向上させる点から好適である。
【0028】
また、本発明では化合物(1)と化合物(2)及び/又は化合物(3)を併用することも柔軟効果を向上させることができるため好ましく、併用する場合には、(化合物(2)+化合物(3))/化合物(1)の質量比は、好ましくは1/99〜20/80、特に好ましくは5/95〜15/85である。
【0029】
[(b)成分]
本発明の(b)成分はlogPが0.5〜3、好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.8〜1.8、特に好ましくは1.1〜1.6の溶剤である。ここでlogPとは、有機化合物の水と1−オクタノールに対する親和性を示す係数である。1−オクタノール/水分配係数Pは、1−オクタノールと水の2液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数logPの形で示すのが一般的である。多くの化合物のlogP値が報告され、Daylight Chemical Information Systems, Inc. (Daylight CIS)などから入手しうるデータベースには多くの値が掲載されているので参照できる。実測のlogP値がない場合には、Daylight CISから入手できるプログラム“CLOGP”で計算すると最も便利である。このプログラムは、実測のlogP値がある場合にはそれと伴に、Hansch, Leoのフラグメントアプローチにより算出される“計算logP(ClogP)”の値を出力する。フラグメントアプローチは化合物の化学構造に基づいており、原子の数及び化学結合のタイプを考慮している(cf. A. Leo, Comprehensive Medicinal Chemistry, Vol.4, C. Hansch, P.G. Sammens, J.B. Taylor and C.A. Ramsden, Eds., p.295, Pergamon Press, 1990)。このClogP値は現在最も汎用的で信頼できる推定値であるので、化合物の選択に際して実測のlogP値の代わりに用いることができる。本発明では、logPの実測値があればそれを、無い場合はプログラムCLOGP v4.01により計算したClogP値を用いた。
【0030】
このようなLogPを有する有機溶剤としては下記一般式(4)、一般式(5)及び一般式(6)で表される化合物が好適である。
【0031】
27−OH (4)
[式中、R27は炭素数4〜8の炭化水素基、好ましくはアルキル基、アリール基又はアリールアルキル基である。]
28−(O−R29g−O−R30 (5)
[式中、R28及びR30はそれぞれ独立に、水素原子、R31CO−(ここでR31は炭素数1〜3のアルキル基)又は炭素数1〜7の炭化水素基、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基又はアリールアルキル基であり、R29は炭素数2〜9の分岐鎖を有していてもよいアルキレン基である。ただし、R29が炭素数2〜3のアルキレン基で、かつR28及びR30の両者が水素原子である場合を除く。gは1〜5の数である。]
32−O−CH2CH(O−R33)CH2−O−R34 (6)
[式中、R32は炭素数3〜8のアルキル基であり、R33及びR34はそれぞれ独立に、水素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基である。]
より具体的に好ましい化合物としては、n−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、フェノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテル、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ノナンー1,6−ジオール、2−メチルオクタン−1,8−ジオール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、2−(2−メチル)プロポキシエタノール、ジエチレングリコールモノ−2−メチルプロピルエーテル、2−プロポキシ−1−プロパノール、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、2−ブトキシ−1−プロパノール、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、2−t−ブトキシ−1−プロパノール、2−フェノキシ−1−プロパノール、2−エトキシプロピル−1−アセテート、2−プロポキシプロピル−1−アセテート、1,2−ジアセトオキシプロパン、3−ジメチル−3−メトキシ−1−プロパノール、1,3−ジメチルブチルグリセリルエーテル、ペンチルグリセリルエーテル、ヘキシルグルセリルエーテルを挙げることができる。
【0032】
これらの中でも特にn−ヘキサノール、ベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ヘキシルグリセリルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール、ノナンー1,6−ジオール、2−プロポキシ−1−プロパノール、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ペンチルグリセリルエーテルが好ましく、組成物の透明化及び貯蔵安定性の点から最も好ましい(b)成分は2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、及びジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルから選ばれる1種以上である。
【0033】
[(c)成分]
本発明の(c)成分は水であり、水中に微量に存在するカルシウム、マグネシウム等の硬度成分や鉄等の重金属を除去した水が好ましく、イオン交換水または、蒸留水を用いることができる。また、水を殺菌あるいは滅菌する目的から少量の塩素を含有しても差し支えない。
【0034】
[柔軟剤組成物の製造法]
本発明の製造法は、工程1、即ち予め(a)成分に含有される炭素数22〜35、好ましくは炭素数29〜35のパラフィン化合物((d)成分)の含有量を、組成物全量に対し7mg/kg以下、好ましくは5mg/kg以下となるように制御する工程を含む。このように(d)成分の含有量を制御することにより、低温貯蔵における異物の形成を抑制することができる。(d)成分の具体例としては、i−パラフィン、ナフテン、n−パラフィン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
(a)成分中の(d)成分の含有量を制御する方法としては、(a)成分を蒸留する方法や、(a)成分の出発原料として使用する脂肪酸を蒸留する方法等が挙げられるが、好ましくは(a)成分の出発原料である脂肪酸を蒸留して(d)成分の含有量を制御する方法である。
【0036】
本発明の製造法は、上記のような工程1により、(a)成分中の(d)成分の含有量を制御した後、この(a)成分と、(b)成分及び(c)成分を混合する工程を含むことが好ましい。
【0037】
本発明に係わる柔軟剤組成物中の(a)成分の含有量は、3〜50質量%、好ましくは3〜35質量%、特に好ましくは4〜30質量%である。また、(b)成分の含有量は、3〜40質量%、好ましくは5〜35質量%、特に好ましくは7〜25質量%である。また、(c)成分である水は、組成物の粘度上昇を抑え、組成物を透明化する観点から、組成物中に20〜90質量%、好ましくは25〜80質量%、特に好ましくは30〜70重量%配合する。
【0038】
本発明では任意ではあるが柔軟効果を向上させる目的から陰イオン界面活性剤(以下(e)成分という)を含有することが好ましく、特に上記(a)成分において化合物(2)及び/又は化合物(3)を用いる場合には、柔軟効果を著しく向上させることができる。
【0039】
(e)成分としては、炭素数14〜20、好ましくは16〜18の飽和又は不飽和脂肪酸、又はそのアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属塩、もしくは炭素数16〜36、好ましくは16〜28のアルキル基又はアルケニル基を有し、−SO3M基及び/又は−OSO3M基〔M:対イオン〕を有する陰イオン界面活性剤が好ましい。具体的にはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミトレイン酸から選ばれる脂肪酸、上記炭素数を有するアルキルベンゼンスルホン酸、アルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル、オレフィンスルホン酸、アルカンスルホン酸、α−スルホ脂肪酸、α−スルホ脂肪酸エステル及びこれらの塩が好ましい。これらの中でも特に炭素数16〜28のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、炭素数16〜28のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシド(以下、EOと表記する)平均付加モル数が1〜6、好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3であるポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステルおよびこれらの塩から選ばれる1種以上を配合することが好ましい。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が貯蔵安定性の点から良好である。
【0040】
本発明において(a)成分として化合物(1)を用いる場合には、(e)成分の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜7質量%、特に好ましくは1〜5質量%であり、(a)成分として化合物(2)及び/又は化合物(3)を用いる場合には、(e)成分の含有量は、好ましくは0.1〜35質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、特に好ましくは3〜15質量%である。さらに、(a)成分として化合物(2)及び/又は化合物(3)を用いる場合には、(a)成分/(e)成分の質量比は、柔軟効果向上の観点から、好ましくは95/5〜52/48、より好ましくは90/10〜55/45、特に好ましくは80/20〜60/40が好適である。
【0041】
本発明の柔軟剤組成物は、上記(b)成分以外の溶剤を用いても差し支えないが、柔軟剤を透明化させる効果を損なわないことが好ましい。(b)成分以外で用いることができる溶剤(以下(f)成分という)としては、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールから選ばれる溶剤であり、特にエタノールが匂いの点から好ましい。
【0042】
本発明の組成物中の(f)成分の含有量は、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは1〜5質量%、最も好ましくは1〜2質量%である。
【0043】
本発明では貯蔵安定性の点から上記(a)成分、(b)成分及び(c)成分に加えて(g)成分としてさらに非イオン界面活性剤を配合することが好ましい。非イオン界面活性剤としては炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、特に下記一般式(7)で表される非イオン界面活性剤が良好である。
【0044】
35−G−[(R36O)h−R37]i (7)
[式中、R35は炭素数8〜18、好ましくは10〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R36は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。R37は炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子である。hは2〜100、好ましくは5〜80、より好ましくは5〜60、特に好ましくは10〜40の数を示す。Gは−O−、−COO−、−CON−又は−N−であり、Gが−O−又は−COO−の場合はiは1であり、Gが−CON−又は−N−の場合はiは2である。ここで、複数個のR36及びR37は同一でも異なっていても良い。]
一般式(7)で表される化合物の具体例として下記一般式(7−1)〜(7−4)で表される化合物を挙げることができる。
【0045】
35−O−(C24O)j−H (7−1)
[式中、R35は前記の意味を示す。jは8〜100、好ましくは10〜60の数である。]
35−O−(C24O)k−(C36O)m−H (7−2)
〔式中、R35は前記の意味を示す。k及びmはそれぞれ独立に2〜40、好ましくは5〜40の数であり、(C24O)と(C36O)はランダムあるいはブロック付加体であってもよい。]
【0046】
【化8】
Figure 2004211214
【0047】
[式中、R35は前記の意味を示す。p、q、r及びsはそれぞれ独立に0〜40の数であり、p+q+r+sは5〜60、好ましくは5〜40の数であり、(C24O)と(C36O)はランダムあるいはブロック付加体であってもよい。R36及びR37はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。]
本発明の組成物中の(g)成分の含有量は、安定性の点から、0.1〜10質量%、特に0.5〜8質量%が好ましい。
【0048】
また、本発明の柔軟剤組成物は、(h)成分として無機塩を含有することができる。無機塩としては塩化ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムが貯蔵安定性の点から好ましい。但し、脂肪酸塩類等の界面活性剤にはナトリウム塩やカリウム塩が含まれているが、このような界面活性剤の使用によって組成物に混入する無機塩は上記制限を受けるものではない。
【0049】
本発明の組成物中の(h)成分の含有量は、好ましくは0〜3質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、特に好ましくは0.2〜0.5質量%である。
【0050】
本発明では風合いを改善する目的で(i)成分として炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物を配合しても差し支えないが、透明な外観を得るために留意する必要がある。配合できる化合物としてはトリグリセライド、ジグリセライド、モノグリセライド、ペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリエステル、ソルビタンエステルを挙げることができる。
【0051】
本発明の組成物中の(i)成分の含有量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
【0052】
本発明の柔軟剤組成物には、貯蔵後の色や匂いを改善するため、通常知られている金属封鎖剤や酸化防止剤(以下(j)成分という)を配合することができる。金属封鎖剤としてはエチレンジアミン四酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩等に代表されるアミノカルボン酸類、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩に代表される無機リン化合物、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩やポリホスホン酸類、フィチン酸に代表される有機リン酸類を挙げることができ、酸化防止剤としては2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール及び2(3)−ブチル−4−オキシアニソール等が挙げられる。これらは酸でも塩として配合してもよい。
【0053】
本発明の組成物中の(j)成分の含有量は、(a)成分に対して0.1〜1000ppmの範囲が好ましい。
【0054】
本発明の柔軟剤組成物は、臭い劣化抑制効果の点から炭素数1〜10、好ましくは1〜7の炭化水素基を有する融点25℃以上、好ましくは50℃〜300℃、より好ましくは50〜200℃の有機酸(以下(k)成分という)を配合することが好ましい。具体的に好ましい化合物としてはグリコール酸(mp80℃)、蓚酸(mp102℃)、乳酸(mp26℃)、マロン酸(mp135℃)、コハク酸(mp185℃)、マレイン酸(mp130℃)、リンゴ酸(mp100℃)、酒石酸(mp170℃)、グルタル酸(mp98℃)、アジピン酸(mp153℃)、n−ブチルマロン酸(mp102℃)、アゼライン酸(mp107℃)、クエン酸(mp153℃)、安息香酸(mp122℃)、フタル酸(mp191℃)を挙げることができる。これらの中でも特にグリコール酸、クエン酸、蓚酸、乳酸が臭い劣化抑制効果の点から良好である。
【0055】
本発明の組成物中の(k)成分の含有量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
【0056】
本発明の柔軟剤組成物には、通常繊維処理剤に用いられる香料(特に好ましくは特開平8−113871号公報記載の成分(c)及び(d)にて示された香気成分の組み合わせ)、あるいは色素等の成分(以下(l)成分という)を配合しても差し支えない。
【0057】
本発明の組成物中の(l)成分の含有量は、0.1〜2質量%が好ましく、0.1〜1質量%が更に好ましく、0.1〜0.5質量%が特に好ましい。
【0058】
本発明の組成物は、上記工程1により(d)成分の含有量を制御した(a)成分と、(b)成分、及び必要に応じてその他成分を水に溶解させた水溶液の形態で得られ、且つ透明な水溶液である。ここで、本発明の透明とは660nmの光透過率が30%以上、好ましくは50%以上の状態と定義する。また、本発明の柔軟剤組成物の20℃におけるpHは1.5〜7.5、好ましくは2〜6が貯蔵安定性の点から好適である。
【0059】
本発明の柔軟剤組成物の製造法においては、上記工程1により(d)成分の含有量を制御した(a)成分を、多量の(c)成分に添加して、柔軟剤組成物に配合することが好ましい。この際に極少量の(c)成分を、上記工程1により(d)成分の含有量を制御した(a)成分と混合することが貯蔵安定性の点で好ましい。具体的には上記工程1により(d)成分の含有量を制御した(a)成分と、(a)成分に対して3〜20質量%の(c)成分を混合し、20〜70℃、好ましくは30〜60℃に加熱して混合した溶液Aを予め調製する。(b)成分及び必要に応じて(e)成分〜(j)成分を残りの(c)成分に添加して40〜70℃、好ましくは45〜65℃に加熱した溶液に、上記溶液Aを加え混合する。良く攪拌混合した後、無機若しくは有機酸剤で所定のpHに調整し、必要に応じて(k)成分、(l)成分を添加し、冷却する方法が本発明の効果を得る目的から好ましい。
【0060】
【実施例】
実施例1
下記配合成分を用いて、下記方法で表1に示す組成の柔軟剤組成物を調製した。得られた柔軟剤組成物について、下記方法で調製直後及び低温貯蔵後の外観を評価した。結果を表1に示す。
【0061】
<配合成分>
(a−1):下記方法で得た化合物
特開平8−99036号公報段落番号0023の表2の実施例1に示す炭化水素組成を有する脂肪酸を蒸留した後に、N−メチル−N−ヒドロキシエチル−N−アミノプロピルアミンと、脂肪酸/アミン=1.86/1のモル比で通常の方法により脱水縮合反応して、主生成物としてN−アルカノイルアミノプロピル−N−アルカノイルオキシエチル−N−メチルアミンを得た。次に上記の反応により得られた化合物を、反応溶媒としてエタノールを使用し、メチルクロリドを用いて通常の方法によりアルキル化し、減圧下で溶媒を留去してN−アルカノイルアミノプロピル−N−アルカノイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリドを主生成物として得た。尚、化合物の組成は、N−アルカノイルアミノプロピル−N−アルカノイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリドを80%、N−アルカノイルアミノプロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリドを7%、未反応脂肪酸を3%、エタノールを5%、炭素数22〜35のパラフィン化合物を8mg/kg含んでいる。
(a−2):炭素数22〜35のパラフィン化合物の含有量が20mg/kgになるように脂肪酸を蒸留する以外は、(a−1)と同様に脂肪酸と、N−メチル−N−ヒドロキシエチル−N−アミノプロピルアミンを反応させて得られる化合物。
(a−3):下記方法で得た化合物
特開平8−99036号公報段落番号0023の表2の比較例3に示す炭化水素組成を有する脂肪酸を蒸留した後に、トリエタノールアミンと、脂肪酸/アミン=1.7/1のモル比で通常の方法により脱水縮合反応してN,N−ジアルカノイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチルアミンを主生成物として得た。次に上記の反応により得られた化合物を、反応溶媒としてエタノールを使用し、ジメチル硫酸を用いて通常の方法によりアルキル化してN,N−ジアルカノイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウム メチルサルフェートを主生成物として得た。尚、化合物組成はN−アルカノイルオキシエチル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウム メチルサルフェートを27%、N,N−ジアルカノイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウム メチルサルフェートを37%、N,N,N−トリアルカノイルオキシエチルアミンを16%、N,N,N−トリ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウム メチルサルフェートを5%、未反応脂肪酸を5%、エタノールを5%、炭素数22〜35のパラフィン化合物を8mg/kg含んでいる。
(a−4):N−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン塩酸塩(アルカノイル基はステアロイル基/パルミトイル基がモル比で95/5)、炭素数22〜35のパラフィン化合物を20mg/kg含む
(a−5):N,N−ジアルキル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(アルキル基はステアリル基/パルミチル基がモル比で50/50)、炭素数22〜35のパラフィン化合物を22mg/kg含む。
(a’−1):炭素数22〜35のパラフィン化合物の含有量が40mg/kgになるように脂肪酸を蒸留する以外は、(a−1)と同様に脂肪酸と、N−メチル−N−ヒドロキシエチル−N−アミノプロピルアミンを反応させて得られる化合物
(a’−2):N−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン塩酸塩(アルカノイル基はステアロイル基/パルミトイル基がモル比で95/5)、炭素数22〜35のパラフィン化合物を60mg/kg含む。
(b−1):2−フェノキシエタノール(logP=1.19)
(b−2):ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(ClogP=1.25)
(b−3):ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(ClogP=1.52)
(d−1):炭素数29〜35のパラフィン化合物
(e−1):オレイン酸
(e−2):2−デシル−1−テトラデシル硫酸エステルナトリウム
(f−1):エタノール
(g−1):ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO平均縮合度19)
(h−1):塩化マグネシウム
(i−1):未硬化パーム油由来脂肪酸のグリセリンエステル(アシル化度2.5)
(j−1):2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
(l−1):香料〔ヘキシルシンナミックアルデヒド(18)、ネロリンヤラヤラ(4)、トリシクロデセニルアセテート(4)、ベンジルアセテート(10)、ムスクケトン(5)、アニシルアセトン(2)、サンダルマイソールコア(2)、アルデヒドC14ピーチ(1)、リナロール(18)、ジヒドロキシミルセノール(8)、ボルネオール(4)、セドロール(4)、ムゴール(5)、ベンジルアルコール(5)、ジプロピレングリコール(10)の混合物:カッコ内は香料中の質量%〕。
【0062】
<柔軟剤組成物の調製法>
(a)成分及び(c)成分((a)成分に対して5質量%のイオン交換水)を混合し、60℃で1時間攪拌混合し、溶液Aを調製した。次に300mLビーカーに、柔軟剤組成物の出来あがり質量が200gになるのに必要な量の85質量%相当量のイオン交換水((c)成分)を入れ、ウォーターバスで60℃に昇温した。一つの羽根の長さが2cm、幅0.8cmの攪拌羽根が、傾斜角度45°で3枚ついたタービン型の攪拌羽根で攪拌しながら(200r/min)、所要量の(b)成分を入れ、次に60℃で溶融させた溶液Aを添加した。(e)成分〜(j)成分を添加する場合には、(b)成分を添加した後に添加した。そのまま5分間攪拌後、35%塩酸水溶液と48%水酸化ナトリウム水溶液で目標のpHに調整した。また、(l)成分を添加する場合にはpH調整後に添加した。次に出来あがり質量にするのに必要な量の60℃のイオン交換水((c)成分)を添加した。その後10分間攪拌し、5℃の水を入れたウォーターバスにビーカーを移し、攪拌しながら20℃に冷却した。なお、表中に示すpHは冷却後(20℃)のpHを記載した。
【0063】
<柔軟剤の外観評価法>
柔軟剤組成物の調製直後及び低温貯蔵後の外観を下記方法で評価した。
・調製直後
柔軟剤組成物を広口規格ビンPSNo.11に70ml入れ密封後、20℃の恒温槽に1時間静置した。その後、柔軟剤組成物の外観を下記の基準で評価した。
○:透明(660nmの光透過率が30%以上)
×:不透明(660nmの光透過率が30%未満)
・低温貯蔵後
柔軟剤組成物を広口規格ビンPSNo.11に70ml入れ密封後、5℃の恒温室に20日間貯蔵した。その後、柔軟剤組成物の外観を下記の基準で評価した。
○:透明な外観である。
△:やや白っぽいもやのようなものが見られる
×:明らかに白っぽいもやのようなものが見られる
【0064】
【表1】
Figure 2004211214
【0065】
*組成物中の配合量で、単位はmg/kgである。

Claims (6)

  1. 下記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する柔軟剤組成物の製造法であって、予め(a)成分に含有される炭素数22〜35のパラフィン化合物(以下(d)成分という)の含有量を、組成物全量に対し7mg/kg以下となるように制御する工程(以下工程1という)を含む、柔軟剤組成物の製造法。
    (a)アミド基、エステル基及び/又はエーテル基で分断されていても良い炭素数12〜36の炭化水素基を分子内に1つ以上有し、かつ3級アミノ基又はその酸塩もしくは4級アンモニウム基を有する化合物
    (b)logPが0.5〜3の有機溶剤
    (c)水
  2. 組成物中の(a)成分の含有量が3〜50質量%である請求項1記載の製造法。
  3. 工程1により(d)成分の含有量を制御した(a)成分と、(b)成分及び(c)成分を混合する工程を含む請求項1又は2記載の製造法。
  4. 組成物中の(b)成分の含有量が3〜40質量%、(c)成分の含有量が20〜90質量%である請求項1〜3いずれかに記載の製造法。
  5. (a)成分が下記一般式(1)で表される化合物である請求項1〜4いずれかに記載の製造法。
    Figure 2004211214
    [式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、エステル基、アミド基及び/又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数12〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、R3は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。X-は陰イオン基を示す。]
  6. (a)成分が下記一般式(2)で表される化合物、及び下記一般式(3)で表される化合物から選ばれる1種以上である請求項1〜4いずれかに記載の製造法。
    Figure 2004211214
    [式中、R5及びR9はそれぞれ独立に、炭素数12〜36のアルキル基又はアルケニル基であり、R6及びR10はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキレン基である。但し、R5とR6の合計炭素数、及びR9とR10の合計炭素数は36を超えない。R7、R8、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。A及びBはそれぞれ独立に、−COO−、−OCO−、−CONH−及び−NHCO−から選ばれる基であり、a及びbは0又は1の数である。Y-は陰イオンである。]
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