JP2008163072A - 生分解性樹脂含有フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、植物由来の生分解性樹脂を使用しながら光線透過率が高く、光拡散性に優れたフィルムを提供すること。
【解決手段】生分解性樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)および分散剤(C)からなる複合樹脂組成物(D)を含む生分解性樹脂含有フィルムであって、複合樹脂組成物(D)は、生分解性樹脂(A)の構成比が5〜60重量%であり、ポリオレフィン樹脂(B)の構成比が40〜95重量%であり、分散剤(C)の構成比が0.1〜25重量%であり、かつ生分解性樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)および分散剤(C)の合計が100重量%となる生分解性樹脂含有フィルムとする。
【選択図】 なし
【解決手段】生分解性樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)および分散剤(C)からなる複合樹脂組成物(D)を含む生分解性樹脂含有フィルムであって、複合樹脂組成物(D)は、生分解性樹脂(A)の構成比が5〜60重量%であり、ポリオレフィン樹脂(B)の構成比が40〜95重量%であり、分散剤(C)の構成比が0.1〜25重量%であり、かつ生分解性樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)および分散剤(C)の合計が100重量%となる生分解性樹脂含有フィルムとする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、光線透過率が高く、光拡散性に優れた単層または積層フィルムに関するものである。
従来から使用されている光拡散性フィルムとしては、フィルム表面に成形した凹凸または、コーティングした光拡散層により効果を得る、いわゆる表面光拡散性フィルムがある。例えば、ポリエステル樹脂等透明基材フィルム上に微粒子を含有した透明樹脂からなる光拡散層をコーティングして得られた表面光拡散フィルム(例えば、特許文献1参照)等が挙げられる。また、フィルム内部に拡散成分を含有した内部光拡散フィルムがある。例えば、透明樹脂中にビーズを溶融混合し、これを押出成形して得られた光拡散フィルム(例えば、特許文献2参照)等が挙げられる。
また、生分解性樹脂を利用した光拡散性フィルムとしては、ポリ乳酸樹脂にアクリル樹脂ビーズを溶融混合し、押出成形もしくはキャスト成形して得られた光拡散フィルム(例えば、特許文献3参照)等が挙げられる。
特開2000−344875号公報
特開2001−337207号公報
特開2000−180969号公報
また、生分解性樹脂を利用した光拡散性フィルムとしては、ポリ乳酸樹脂にアクリル樹脂ビーズを溶融混合し、押出成形もしくはキャスト成形して得られた光拡散フィルム(例えば、特許文献3参照)等が挙げられる。
従来の光拡散性フィルムに用いられてきた樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂を主とした石油由来の合成樹脂であり、石油資源の枯渇問題や焼却による二酸化炭素の増大など環境問題がある。これら環境負荷を軽減すべく、植物由来のポリ乳酸を利用した透過型スクリーン用部材も考案されているが、全光線透過率93.5〜95%であり光源の省電力化の観点から十分とはいえない。
上記課題を解決するための本発明は、生分解性樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)および分散剤(C)からなる複合樹脂組成物(D)を含む生分解性樹脂含有フィルムであって、複合樹脂組成物(D)は、生分解性樹脂(A)の構成比が4〜60重量%であり、ポリオレフィン樹脂(B)の構成比が30〜95重量%であり、分散剤(C)の構成比が0.1〜25重量%であり、かつ生分解性樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)および分散剤(C)の合計が100重量%となる生分解性樹脂含有フィルムを特徴とする。
また、本発明の目的は、上記のフィルム単独もしくは他樹脂組成物との積層からなる積層フィルムによって達成される。
本発明によれば、植物由来の生分解性樹脂を使用しながら光線透過率が高く、光拡散性に優れたフィルムが得られる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムは、少なくとも生分解性樹脂(A)<以下、単に(A)と表記することがある>、ポリオレフィン樹脂(B)<以下、単に(B)と表記することがある>、および分散剤(C)<以下、単に(C)と表記することがある>からなる複合樹脂組成物(D)<以下、単に(D)と表記することがある>を含み、当該(D)の構成比が、(A)の構成比が4〜60重量%、(B)の構成比が30〜95重量%、(C)の構成比が0.1〜25重量%であり、かつ(A)、(B)および(C)の合計が100重量%となっている。
また、少なくとも一方向へ延伸する観点から(A)の構成比が4〜40重量%、(B)の構成比が60〜95重量%であることが好ましい。
また、本発明のフィルムがヘイズが50%以上、かつ全光線透過率が96%以上で良好な光拡散性を発現するには、(A)と(B)とが互いに非相溶であり、かつ(C)により(B)マトリクスに(A)ドメインが分散している海島構造をとることが好ましく、さらに(A)ドメインの分散粒子径は(A)、(B)および(C)の構成比を上記範囲で適時調整し、50μm以下とすればよい。
一方、(C)の構成比が0.1重量%を下回ると、(A)ドメインの分散粒子径が50μmを超えて、全光線透過率が96%を下回り、光拡散性も低下する傾向にある。また(C)の構成比が25重量%を超えるとフィルムの製膜性安定性が低下することがある。
また、本発明のフィルムのヘイズは50%以上であり、光拡散性向上の観点から好ましくは80%以上である。ヘイズが50%未満では平行光の透過率が高くなり、この場合フィルムの輝度に斑を生じやすくなり光拡散性が低下しやすい。上限は特に規定されないが通常100%以下である。
また、本発明のフィルムは、全光線透過率が96%以上であり、上限は特に規定されないが通常100%以下である。全光線透過率が96%未満では実用での光源の省電力化の観点から好ましくない。
なお、これらヘイズと全光線透過率は、フィルムの厚み方向に関する値である。
本発明に用いられる(A)は、(A)の総量に対しポリ乳酸樹脂を5〜100重量%、少なくとも一方向へ延伸する観点から好ましくは50〜100重量%、フィルムの機械特性の観点からより好ましくは80〜100重量%含有していることが好ましい。
また、ポリ乳酸樹脂以外の生分解性樹脂としては、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレート)、ポリカプロラクトン、あるいはエチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族ジオールとコハク酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸よりなる脂肪族ポリエステル、さらにはポリ(ブチレンサクシネート・テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート・テレフタレート)などの脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルの共重合体、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
ポリ乳酸樹脂とは、L−乳酸及び/またはD−乳酸を主たる構成成分とするポリマーであるが、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。他のモノマー単位としては、エチレングリコール、ブロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、カプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。
ポリ乳酸樹脂の分子量や分子量分布は、実質的に押出成形加工が可能であれば、特に制限されるものではないが、重量平均分子量としては、通常1万〜50万、好ましくは4万〜30万、さらに好ましくは8万〜25万である。ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーで測定したポリメチルメタクリレート(以下、PMMA)換算の分子量をいう。重量平均分子量が1万以下ではフィルムは極めて脆くなり実用に適さない場合がある。重量平均分子量が50万を超えると、溶融粘度が高すぎて押出が困難となる場合が多く、またフィルムの表面を平滑にすることが困難となる場合がある。
ポリ乳酸樹脂の融点は、特に制限されるものではないが、好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上である。
次に、本発明に用いられるポリオレフィン樹脂(B)は、マトリクスの結晶性の観点からポリプロピレン樹脂であることが好ましい。
ポリプロピレン樹脂は、極限粘度[η]が1.4〜3.2dl/g、好ましくは1.6〜2.4dl/g、アイソタクチックインデックス(II)が、95%以上、メルトフローインデックス(MFI)が1.0〜15g/10分の範囲が機械特性、耐衝撃性等の諸物性、および結晶化度が高くなるので好ましい。
また、本発明の全光線透過率を損なわない範囲で、プロピレン以外の第2成分、例えばエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ヘプテン−2、4−メチル−ペンテン−1、および4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1などを少量ランダムに共重合させてもよい。同様の範囲で、ポリプロピレン以外のポリオレフィン樹脂、例えばエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ヘプテン−2、4−メチル−ペンテン−1、および4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1の単独重合体やプロピレンを含めたこれら共重合体などから選択される少なくとも1種以上を含有することができる。
次に、本発明に用いられる(C)は、(B)との親和性の観点から(B)と同じ構成単位を有し、かつ(A)との親和性の観点から(無水)カルボン酸基、カルボン酸エステル基、アミノ基、および水酸基からなる群から選択された少なくとも一種の官能基を有することが好ましい。好ましくは、(A)を(B)に微分散化させる観点から(C)はオレフィン/不飽和カルボン酸エステル共重合体、もしくは無水カルボン酸変性ポリオレフィンであり、具体的にはエチレン/酢酸ビニル共重合体、もしくは無水マレイン酸変性ポリプロピレンであることが好ましい。
また、(C)の分子量は特に限定するものではないが、重量平均分子量で通常1千〜100万の範囲であることが好ましい。
本発明のフィルムは延伸しても無延伸でも構わない。延伸する場合は1軸延伸でも2軸延伸でも構わないが、通常は2軸延伸する。2軸延伸する場合には、一方向に延伸後、直交する方向に更に延伸する逐次2軸延伸法、または直交する2方向に同時に延伸する同時2軸延伸が用いられるが、いずれも本発明において好ましく使用できる。製膜機としては、テンター法、インフレーション法のいずれも使用できる。
本発明のフィルムは、複合樹脂組成物(D)を含むフィルム層(a層)の少なくとも片面にポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂およびポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1種類以上の樹脂層(b層)を積層してもよい。b層は柔軟性(ガラス転移点)や耐熱性(融点、結晶性)などの特性に応じて、また使用する用途に応じてその厚み構成を決定すればよい。
b層に使用するポリ(メタ)アクリル樹脂に関し、当該アクリル樹脂を構成するモノマー成分としては、例えばアルキル(メタ)アクリレート(例えば、アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基など) 、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有モノマー、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基を含有するモノマーなどを用いることができ、これらは1種もしくは2種以上を用いて共重合される。
b層に使用するポリオレフィン樹脂に関し、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン、ポリスチレンやこれらの混合物および共重合物を挙げることができる。
b層に使用するポリエステル樹脂に関し、該ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸を使用することができる。例えば芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸など、脂肪族および脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸など、およびそれらのエステル形成性誘導体を用いることができる。また、該ポリエステル樹脂のグリコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、などを用いることができる。
本発明に対して、フィルムの全光線透過率を損なわない範囲で、ブロッキング防止剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤等)、滑剤(アルキルカルボン酸アミド、ステアリン酸塩など)、帯電防止剤(アルキルスルホン酸塩、アルキル脂肪酸塩、アルキル脂肪酸エステル、など)、可塑剤、染料および顔料を含む着色剤、核化剤などを添加することができる。
ブロッキング防止剤は、フィルム同士のブロッキングを抑制しフィルムのハンドリング性を改善するために、フィルム表面に凹凸を付与する目的で樹脂成分に添加される粒子であり、凝集シリカ、コロイダルシリカ、アルミノシリケート、架橋PMMA、架橋ポリスチレン、炭酸カルシウムなどの不活性な粒子を用いることができ、特に凝集シリカ、コロイダルシリカ、アルミノシリケートが好ましい。平均粒径(凝集シリカの場合は凝集物の平均粒径)が0.01〜10μmのものが好ましく、より好ましくは0.1〜8μmであり、更に好ましくは0.5〜6μmである。
帯電防止剤としては、公知のカチオン系、アニオン系、両性イオン系、非イオン系を用いることができ、フィルム表面に塗布する手法、樹脂成分に混練する方法いずれも使用することができる。ただし、樹脂成分に混練する場合は、イオン系帯電防止剤を用いるとポリ乳酸系樹脂成分の混練時の分解が起こるため好ましくない場合があり、その場合は非イオン系帯電防止剤が好ましく用いられる。非イオン性帯電防止剤としては、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、グリセリン、ソルビット等の多価アルコールおよび/またはその脂肪酸エステルなどが挙げられる。
可塑剤としては、ポリ乳酸系樹脂に添加することによりガラス転移温度の低下や剛性の低下を導くものであればよく、例えばエステル系誘導体やエーテル系誘導体が挙げられ、より具体的には、エーテルエステル誘導体、グリセリン誘導体、フタル酸誘導体、グリコール酸誘導体、クエン酸誘導体、アジピン酸誘導体、エポキシ系可塑剤などが例示されるが、これら複数種以上の可塑剤のブレンドも含む。
本発明に対して、フィルムの全光線透過率を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂(例えばアクリル樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミドなど)および熱硬化性樹脂(例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など)および軟質熱可塑性樹脂(例えばエチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、エチレン/プロピレンターポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体など)などの少なくとも1種以上をさらに含有することができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではないが、例えばポリ乳酸樹脂、ポリプロピレン樹脂、分散剤および必要に応じてその他の添加剤を予めブレンドした後、融点以上において、1軸または2軸押出機で、均一に溶融混練する方法や溶液中で混合した後に溶媒を除く方法などが好ましく用いられる。
フィルムとする場合には、前もって上述の方法で調製した樹脂組成物を1軸または2軸押出機よりスリット状口金より溶融押出する手法、あるいはポリ乳酸樹脂、ポリプロピレン樹脂、分散剤および必要に応じてその他の添加剤を予めブレンドした後、融点以上において、直接1軸または2軸押出機で均一に溶融混練してスリット状口金からフィルム状に溶融押出しする手法のいずれの手法も使用できる。フィルム状に押し出された溶融組成物は、エアナイフまたは静電印加などの方式により、キャスティングドラムに密着させ、冷却固化せしめて未延伸フィルムが得られる。
次に、この未延伸フィルムを、樹脂組成物のガラス転移温度以上で長手方向または横方向の一方向に延伸する方法、長手方向に延伸した後、横方向に延伸する方法、横方向に延伸した後、縦方向に延伸する方法、あるいは、長手方向、横方向を同時に延伸する方法、また、長手方向の延伸、幅方向の延伸を複数回数組み合わせて行う方法等により延伸フィルムを得る。
本発明のフィルムの厚みは特に制限されるものではないが、好ましくは1〜1,000μm、さらに好ましくは3〜300μm、より好ましくは5〜100μmである。
本発明のフィルムの用途は特に限定されるものではないが、その良好な光線透過率および光拡散性から、ラベル、スタンピングフィルム、トレーシングフィルムとしての製図用フィルムや第二原図フィルム、また、包装材料や、液晶ディスプレイのバックライトや照明器具などの光拡散フィルムやノンバックライト液晶反射板、防弦フィルム 、オーバーレイ用途などがあげられる。
本発明を実施例、比較例に基づいて説明する。
[フィルム厚み]
JIS−B−7509(1955)に従い、ダイヤルゲージ式厚み計を用いて測定した。
JIS−B−7509(1955)に従い、ダイヤルゲージ式厚み計を用いて測定した。
[全光線透過率およびヘイズ]
全光線透過率、ヘイズ全自動直読ヘーズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用いて、フィルムの厚み方向の全光線透過率及びヘイズを測定した。
全光線透過率、ヘイズ全自動直読ヘーズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用いて、フィルムの厚み方向の全光線透過率及びヘイズを測定した。
[光拡散性]
可視光レーザー(He−Neレーザー、波長632.8nm)を、得られたフィルムに照射し、透過した光線をスクリーンに投影して、入射光線がどの程度の拡がりを示すか観察して評価した。強度分布が見られず均一で広い拡散 範囲をもつものを○、著しい強度分布または狭い拡散 範囲のものまたは透過光量が少なく暗いものを×とした。
(実施例1)
アイソタクチックインデックスが98.8%、極限粘度が1.80dl/gのポリプロピレン(住友化学製ノーブレン)50重量部、分子量約20万のポリ乳酸(NatureWorks製)33重量部、および分子量約4万のエチレン/酢酸ビニル共重合体(三井デュポン製エバフレックス)17重量部を配合して押出し機に供給し、シリンダー温度230℃で溶融押出しを行い、エアナイフ法により鏡面のキャストドラム上で冷却して膜厚約200μmのフィルムを作製した。当該フィルムを、温度155℃、予熱20秒、延伸倍率(3.3×3.3)、延伸速度2,000%/分で同時二軸延伸し、その後温度160℃、時間10秒で熱処理して膜厚約20μmのフィルムを得た。
可視光レーザー(He−Neレーザー、波長632.8nm)を、得られたフィルムに照射し、透過した光線をスクリーンに投影して、入射光線がどの程度の拡がりを示すか観察して評価した。強度分布が見られず均一で広い拡散 範囲をもつものを○、著しい強度分布または狭い拡散 範囲のものまたは透過光量が少なく暗いものを×とした。
(実施例1)
アイソタクチックインデックスが98.8%、極限粘度が1.80dl/gのポリプロピレン(住友化学製ノーブレン)50重量部、分子量約20万のポリ乳酸(NatureWorks製)33重量部、および分子量約4万のエチレン/酢酸ビニル共重合体(三井デュポン製エバフレックス)17重量部を配合して押出し機に供給し、シリンダー温度230℃で溶融押出しを行い、エアナイフ法により鏡面のキャストドラム上で冷却して膜厚約200μmのフィルムを作製した。当該フィルムを、温度155℃、予熱20秒、延伸倍率(3.3×3.3)、延伸速度2,000%/分で同時二軸延伸し、その後温度160℃、時間10秒で熱処理して膜厚約20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムについて全光線透過率、ヘイズを測定した。全光線透過率は99%、ヘイズは89%、および光拡散性は○であった。
(実施例2)
実施例1記載のエチレン/酢酸ビニル共重合体の代わりに分子量約5万の無水マレイン酸変成ポリプロピレン(三井化学製アドマー)を17重量部配合した以外は実施例1と同様にして膜厚22μmのフィルムを得た。当該フィルムの全光線透過率は98%、ヘイズは88%、および光拡散性は○であった。
実施例1記載のエチレン/酢酸ビニル共重合体の代わりに分子量約5万の無水マレイン酸変成ポリプロピレン(三井化学製アドマー)を17重量部配合した以外は実施例1と同様にして膜厚22μmのフィルムを得た。当該フィルムの全光線透過率は98%、ヘイズは88%、および光拡散性は○であった。
(実施例3)
実施例1記載のポリプロピレン90重量部、ポリ乳酸5重量部、およびエチレン/酢酸ビニル共重合体5重量部を用いた以外は実施例1と同様にして膜厚20μmのフィルムを得た。当該フィルムの全光線透過率は97%、ヘイズは83%、および光拡散性は○であった。
(実施例4)
実施例1記載のポリプロピレン90重量部、ポリ乳酸5重量部、および実施例2記載の無水マレイン酸変成ポリプロピレン5重量部を用いた以外は実施例1と同様にして膜厚21μmのフィルムを得た。当該フィルムの全光線透過率は97%、ヘイズは85%、および光拡散性は○であった。
(実施例5)
実施例1記載の、ポリプロピレン50重量部、ポリ乳酸27重量部、エチレン/酢酸ビニル共重合体17重量部、および分子量約8,000のエチレングリコール・アジピン酸共重合体6重量部を用いた以外は実施例1と同様にして膜厚22μmのフィルムを得た。当該フィルムの全光線透過率は97%、ヘイズは85%、および光拡散性は○であった。
(比較例1)
エチレン/酢酸ビニル共重合体を使用しない以外は、実施例1と同様にして膜厚21μmのフィルムを得た。当該フィルムの全光線透過率は92%、ヘイズは45%、および光拡散性は×であった。
(比較例2)
エチレン/酢酸ビニル共重合体を使用しない以外は、実施例3と同様にして膜厚21μmのフィルムを得た。当該フィルムの全光線透過率は75%、ヘイズは80%、および光拡散性は×であった。
得られたフィルムの結果を表1および表2に示す。
実施例1記載のポリプロピレン90重量部、ポリ乳酸5重量部、およびエチレン/酢酸ビニル共重合体5重量部を用いた以外は実施例1と同様にして膜厚20μmのフィルムを得た。当該フィルムの全光線透過率は97%、ヘイズは83%、および光拡散性は○であった。
(実施例4)
実施例1記載のポリプロピレン90重量部、ポリ乳酸5重量部、および実施例2記載の無水マレイン酸変成ポリプロピレン5重量部を用いた以外は実施例1と同様にして膜厚21μmのフィルムを得た。当該フィルムの全光線透過率は97%、ヘイズは85%、および光拡散性は○であった。
(実施例5)
実施例1記載の、ポリプロピレン50重量部、ポリ乳酸27重量部、エチレン/酢酸ビニル共重合体17重量部、および分子量約8,000のエチレングリコール・アジピン酸共重合体6重量部を用いた以外は実施例1と同様にして膜厚22μmのフィルムを得た。当該フィルムの全光線透過率は97%、ヘイズは85%、および光拡散性は○であった。
(比較例1)
エチレン/酢酸ビニル共重合体を使用しない以外は、実施例1と同様にして膜厚21μmのフィルムを得た。当該フィルムの全光線透過率は92%、ヘイズは45%、および光拡散性は×であった。
(比較例2)
エチレン/酢酸ビニル共重合体を使用しない以外は、実施例3と同様にして膜厚21μmのフィルムを得た。当該フィルムの全光線透過率は75%、ヘイズは80%、および光拡散性は×であった。
得られたフィルムの結果を表1および表2に示す。
Claims (10)
- 生分解性樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)および分散剤(C)からなる複合樹脂組成物(D)を含む生分解性樹脂含有フィルムであって、複合樹脂組成物(D)は、生分解性樹脂(A)の構成比が4〜60重量%であり、ポリオレフィン樹脂(B)の構成比が30〜95重量%であり、分散剤(C)の構成比が0.1〜25重量%であり、かつ生分解性樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)および分散剤(C)の合計が100重量%となる生分解性樹脂含有フィルム。
- ヘイズが50%以上であり、かつ全光線透過率が96%以上である、請求項1記載の生分解性樹脂含有フィルム。
- 生分解性樹脂(A)がポリ乳酸樹脂を5〜100重量%含有する、請求1または2記載の生分解性樹脂含有フィルム。
- ポリオレフィン樹脂(B)がポリプロピレン樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の生分解性樹脂含有フィルム。
- 分散剤(C)が、ポリオレフィン樹脂(B)と同じ構成単位を有し、かつ(無水)カルボン酸基、カルボン酸エステル基、アミノ基、および水酸基からなる群から選択された少なくとも一種の官能基を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の生分解性樹脂含有フィルム。
- 分散剤(C)が、オレフィン/不飽和カルボン酸エステル共重合体、または無水カルボン酸変性ポリオレフィンである、請求項1〜5のいずれかに記載の生分解性樹脂含有フィルム。
- オレフィン/不飽和カルボン酸エステル共重合体がエチレン/酢酸ビニル共重合体である、請求項6記載の生分解性樹脂含有フィルム。
- 無水カルボン酸変性ポリオレフィンが無水マレイン酸変性ポリプロピレンである、請求項6記載の生分解性樹脂含有フィルム。
- 少なくとも一方向に延伸して得られる、請求項1〜8のいずれかに記載の生分解性樹脂含有フィルム。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の生分解性樹脂含有フィルムからなる光拡散性フィルム。
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