JP2008159998A - ダイシングテープ - Google Patents

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Yasuyuki Ogawa
康之 小川
Shinichiro Kawahara
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Abstract

【課題】ダイシング時にチップ部品が飛散するのを抑制することができ、かつ得られたチップ部品を簡単に取り外すことができるダイシングテープを提供することである。
【解決手段】粘着剤層2aを基材フィルム2bの片面に設けたチップ部品用のダイシングテープ2であって、前記粘着剤層2aは、感圧性接着剤およびこの感圧性接着剤100重量部に対して4〜9重量部の割合で側鎖結晶性ポリマーを含む感温性粘着剤と、前記感圧性接着剤100重量部に対して25〜35重量部の割合で発泡剤とを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度で粘着力の低下を発現すると共に、厚さが35〜45μmであり、23℃において粘着力が10〜20N/25mmである。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品等をダイシングしてチップ部品を得る際に用いるチップ部品用のダイシングテープに関する。
従来から、例えば電子部品等を回転刃等でダイシング(分割)してチップ部品を得るダイシング工程では、前記電子部品は、ダイシングテープと呼ばれる粘着テープに貼着され固定された状態でダイシングされる。ダイシングテープには、ダイシング時にチップ部品がダイシングテープから飛散するのを抑制することができ、かつ得られたチップ部品をダイシングテープから簡単に取り外せることが要求される。このようなダイシングテープとして、発泡剤や、側鎖結晶性ポリマーを用いたものがある。
発泡剤を用いたダイシングテープは、所定の感圧性接着剤に発泡剤を含有してなり、加熱処理による発泡剤の膨脹ないし発泡で粘着力が低下する(例えば、特許文献1,2を参照)。
しかしながら、発泡剤による粘着力の低下は十分でなく、粘着力をあまり高くすることができない。粘着力を高くすると、取り外しにくくなるという問題がある。
一方、側鎖結晶性ポリマーを用いたダイシングテープは、所定の感圧性接着剤に側鎖結晶性ポリマーを含有してなり、側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度にまで加熱処理をすると、該側鎖結晶性ポリマーが流動性を示すことにより、粘着剤層の粘着力が低下する(例えば、特許文献3を参照)。特許文献3には、35℃以上に加温した時のステンレス鋼板に対する接着強度が、23℃でのステンレス鋼板に対する接着強度の10%以下であると記載されている。したがって、側鎖結晶性ポリマーを用いると、粘着剤層の粘着力を高く設計することができる。
しかしながら、側鎖結晶性ポリマーによる粘着力の低下であっても、完全に粘着力が消失するわけではないので、チップ部品をダイシングテープから取り外す際には、何らかの力を付与しなければならない。
特開昭63−33487号公報 特開平5−43851号公報 特開2000−355684号公報
本発明の課題は、ダイシング時にチップ部品が飛散するのを抑制することができ、かつ得られたチップ部品を簡単に取り外すことができるダイシングテープを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、基材フィルムの片面に設けた粘着剤層が、感圧性接着剤および特定の割合で側鎖結晶性ポリマーを含む感温性粘着剤と、特定の割合で発泡剤とを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度で粘着力の低下を発現すると共に、厚さが35〜45μmであり、23℃において粘着力が10〜20N/25mmである場合には、ダイシングする際の粘着力を十分に高くしても、チップ部品を取り外す際には、ダイシングテープを所定温度に加熱することにより、粘着剤層自体の粘着力の低下と、発泡剤の発泡による粘着力の低下とが相まって、粘着力を大きく低下させることができるので、簡単に取り外すことができるという新たな事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のダイシングテープは、粘着剤層を基材フィルムの片面に設けたチップ部品用のものであって、前記粘着剤層は、感圧性接着剤およびこの感圧性接着剤100重量部に対して4〜9重量部の割合で側鎖結晶性ポリマーを含む感温性粘着剤と、前記感圧性接着剤100重量部に対して25〜35重量部の割合で発泡剤とを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度で粘着力の低下を発現すると共に、厚さが35〜45μmであり、23℃において粘着力が10〜20N/25mmであることを特徴とする。
前記側鎖結晶性ポリマーは、融点が50℃以上であり、融点未満の温度で結晶化しかつ融点以上の温度で流動性を示すのが、作業性を向上させる上で好ましい。前記側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量が3,000〜30,000であると、該側鎖結晶性ポリマーが融点以上の温度で流動性を示した際には粘着剤層の粘着力が十分に低下する。
本発明によれば、ダイシングテープの粘着剤層が側鎖結晶性ポリマーを特定の割合で含有するので、該側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度に粘着剤層を加熱することにより、側鎖結晶性ポリマーが流動性を示して粘着剤層自体の粘着力が低下する。しかも、該粘着剤層は発泡剤を特定の割合で含有するので、粘着剤層自体の粘着力の低下に加えて発泡剤の発泡による粘着力の低下も加わる。したがって、粘着剤層の粘着力を高くして、ダイシング時にはチップ部品を確実に固定してチップ部品が飛散するのを抑制することができると共に、取り外し時には、粘着力を十分に低下させてチップ部品を簡単に取り外すことができる。
本発明のダイシングテープはチップ部品用であり、粘着剤層を基材フィルムの片面に設けたものである。
<粘着剤層>
本発明における粘着剤層は、感温性粘着剤と発泡剤とを含有したものである。前記感温性粘着剤とは、温度変化に対応して粘着力が変化する粘着剤を意味する。本発明における感温性粘着剤は、感圧性接着剤と側鎖結晶性ポリマーとを含有し、該側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度で粘着力が低下する。
(感圧性接着剤)
感圧性接着剤は、粘着性を有するポリマーであればよく、特に限定されるものではないが、例えば天然ゴム接着剤;合成ゴム接着剤;スチレン/ブタジエンラテックスベース接着剤;ブロック共重合体型の熱可塑性ゴム;ブチルゴム;ポリイソブチレン;アクリル接着剤;ビニルエーテルの共重合体等が挙げられる。特に、本発明では、アクリル接着剤が好ましく、炭素数1〜12のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル[以下、(メタ)アクリレートという]を主成分とする共重合体であるのがよく、例えばエチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上を重合させるのが好ましい。
(側鎖結晶性ポリマー)
側鎖結晶性ポリマーは、融点未満の温度で結晶化しかつ融点以上の温度で流動性を示すのが好ましい。すなわち、温度変化に対応して結晶状態と流動状態を可逆的に起こすポリマーであるのがよい。これにより、融点未満の温度では、側鎖結晶性ポリマーが結晶状態であることにより、感温性粘着剤は高い粘着力を確保することができ、融点以上の温度では、側鎖結晶性ポリマーが流動状態となることにより、感温性粘着剤の粘着力を低下させることができる。したがって、本発明の粘着剤層は、前記側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度で粘着力の低下を発現する。
本発明において融点とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていたポリマーの特定部分が無秩序状態となる温度を意味し、示差熱走査熱量計(DSC)で、10℃/分の測定条件で測定して得られた値である。本発明では、側鎖結晶性ポリマーの融点は50℃以上、好ましくは50〜70℃であるのがよい。これにより、側鎖結晶性ポリマーは室温下で結晶化しているので、作業性が向上する。
側鎖結晶性ポリマーの組成としては、例えば炭素数18、好ましくは炭素数18〜22の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート30〜99重量部と、炭素数1〜6のアルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル0〜70重量部と、極性モノマー1〜10重量部とを重合させて得られる重合体等が挙げられる。
炭素数18以上の直鎖状アルキル基を側鎖とする(メタ)アクリレートとしては、例えばステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数16〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられ、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、極性モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有エチレン不飽和単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するエチレン不飽和単量体等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、あるいは2種以上を併用してもよい。
前記重合体、すなわち側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量は3,000〜30,000、好ましくは5,000〜25,000であるのがよい。重量平均分子量がこの範囲内であると、側鎖結晶性ポリマーが融点以上の温度で流動性を示した際には、粘着剤層の粘着力が十分に低下する。これに対し、重量平均分子量が3,000未満であると、ダイシングテープからチップ部品を取外す際には、粘着剤層がチップ部品上に残る、いわゆる糊残りが多くなるおそれがある。また、重量平均分子量が30,000を超えると、粘着力が低下しにくくなるおそれがある。前記重量平均分子量は、側鎖結晶性ポリマーをゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
側鎖結晶性ポリマーは、前記感圧性接着剤100重量部に対して4〜9重量部、好ましくは4〜6重量部の割合で含有されている。これにより、側鎖結晶性ポリマーが融点以上の温度で流動性を示した際には、粘着剤層の粘着力が十分に低下する。これに対し、側鎖結晶性ポリマーの含有量が4重量部未満であると、粘着剤層を側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度まで加熱しても、粘着力が低下しにくくなる。また、9重量部より多いと、ダイシング時に粘着力が不足してチップ部品がダイシングテープから飛散するおそれや、糊残りが多くなるおそれがある。
側鎖結晶性ポリマーは、前記感圧性接着剤と非相溶であるのが好ましい。これにより、側鎖結晶性ポリマーが、母材である感圧性接着剤(海)に対して非相溶(連続性のない島)に分散し、いわゆる海島構造を形成した状態となるので、側鎖結晶性ポリマーが流動性を示した際には、感温性粘着剤の粘着力が低下しやすくなる。
(発泡剤)
発泡剤としては、特に限定されるものではなく、通常の化学発泡剤、物理発泡剤がいずれも採用可能である。化学発泡剤には、熱分解型および反応型の有機系発泡剤ならびに無機系発泡剤が包含される。
熱分解型の有機系発泡剤としては、例えば各種のアゾ化合物(アゾジカルボンアミド等)、ニトロソ化合物(N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等)、ヒドラジン誘導体[4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等]、セミカルバジド化合物(ヒドラゾジカルボンアミド等)、アジド化合物、テトラゾール化合物等が挙げられ、反応型の有機系発泡剤としては、例えばイソシアネート化合物等が挙げられる。
熱分解型の無機系発泡剤としては、例えば重炭酸塩・炭酸塩(炭酸水素ナトリウム等)、亜硝酸塩・水素化物等が挙げられ、反応型の無機系発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウムと酸との組み合わせ、過酸化水素とイースト菌との組み合わせ、亜鉛粉末と酸との組み合わせ等が挙げられる。
物理発泡剤としては、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロエタン、ジクロロメタン等の塩化炭素水素類、フロン等のフッ化塩化炭化水素類等の有機系物理発泡剤;空気、炭酸ガス、窒素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
また、他の発泡剤として、マイクロカプセル化された熱膨張性微粒子(いわゆるマイクロバルーン発泡剤)を採用することができる。マイクロバルーン発泡剤とは、熱可塑性または熱硬化性樹脂で作られたポリマー殻の内部に、固体、液体または気体からなる加熱膨張性物質を封入したものである。このマイクロバルーン発泡剤は加熱によって体積が40倍以上も膨張し、独立気泡形式の発泡体が得られる。したがって、マイクロバルーン発泡剤は、通常の発泡剤に比べて、発泡倍率がかなり大きくなるという特性を有する。マイクロバルーン発泡剤としては、EXPANCEL社製の商品名「009DU80」が好適に使用可能である。
発泡剤は、感圧性接着剤100重量部に対して25〜35重量部、好ましくは30重量部の割合で含有されている。これにより、側鎖結晶性ポリマーが流動性を示すことによる粘着剤層自体の粘着力の低下に加えて、加熱処理による発泡剤の膨脹ないし発泡でも粘着力が低下するので、粘着剤層の粘着力を十分に低下させることができる。これに対し、発泡剤の含有量が25重量部未満であると、粘着力が低下しにくくなり、35重量部より多いと、粘着剤層の表面に発泡剤由来の凹凸が発生する等、粘着剤層の平滑性が低下してダイシング時に粘着力が不足し、チップ部品がダイシングテープから飛散するおそれがあるので好ましくない。
発泡剤が膨脹ないし発泡する温度は、特に限定されるものではないが、通常、120℃で発泡を開始し、180℃で完全に発泡するのが好ましい。発泡剤の平均粒径としては、18〜24μm程度であるのが好ましい。前記平均粒径は、粒度分布測定装置で測定して得られた値である。
<基材フィルム>
基材フィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンポリプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂フィルムが挙げられ、特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、該フィルムは、単層体またはこれらの複層体からなるものであってもよく、厚さは、通常、5〜500μm程度、好ましくは100〜250μmであるのがよい。基材フィルムの表面には、粘着剤層に対する密着性を向上させるため、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理等の表面処理を施してもよい。
この基材フィルムの片面に上記で説明した粘着剤層が厚さ35〜45μm、好ましくは40μmで設けられる。これにより、粘着剤層が高い粘着力を示すことができる。これに対し、厚さが35μmより薄いと、ダイシング時に粘着力が不足してチップ部品がダイシングテープから飛散するおそれや、粘着剤層の表面に発泡剤由来の凹凸が発生するおそれがある。また、45μmより厚いと、粘着力が低下しにくくなる。粘着剤層を基材フィルムに設けるには、例えばナイフコーター、ロールコーター、カレンダーコーター、コンマコーター等のコーターを用いるのが好ましい。また、塗工厚みや材料の粘度によっては、グラビアコーター、ロッドコーター等を用いてもよい。
上記のようにして基材フィルムの片面に設けられた粘着剤層は、所定温度に加熱することにより、粘着剤層自体の粘着力の低下と、発泡剤の発泡とが相まって、粘着力を大きく低下させることができるので、粘着力を高くすることができる。具体的には、23℃において、粘着剤層の粘着力が10〜20N/25mmである。これにより、該粘着剤層は室温下で高い粘着力を示すことができるので、作業性が向上すると共に、ダイシングの際に確実に電子部品およびチップ部品を固定することができる。
一方、前記粘着力が10N/25mm未満であると、電子部品およびチップ部品を固定できないおそれがあり、20N/25mmを超えると、粘着力を十分に低下させることができず、チップ部品を取り外すことができないおそれがある。前記粘着力は、JIS Z0237に準じて測定して得られた値である。上記融点や粘着力を所定の値とするには、側鎖結晶性ポリマーの構造、粘着剤層の処方(例えば、感圧性接着剤の組成・粘着剤層の厚み・配合)等を変えることによって任意に行うことができる。
また、粘着剤層の凝集力を上げるために、架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、例えばイソシアネート系化合物・アジリジン系化合物・エポキシ系化合物・金属キレート系化合物等が挙げられる。粘着剤層には、必要に応じて可塑剤、タッキファイヤー、フィラー等のような任意の成分を添加することができる。タッキファイヤーとしては、例えば特殊ロジンエステル系、テルペンフェノール系、石油樹脂系、高水酸基価ロジンエステル系、水素添加ロジンエステル系等があげられる。
次に、本発明のダイシングテープを使用する一例について、図面に基づいて説明する。図1は本発明のダイシングテープを用いて電子部品をダイシングする方法を示す概略説明図である。まず、図1(a)に示すように、本発明にかかる粘着剤層2aを基材フィルム2bの片面に設けたダイシングテープ2を電子部品3に貼着する。電子部品3としては、例えば積層セラミックコンデンサー、積層セラミックインダクター、抵抗器、フェライト、センサー素子、サーミスタ、バリスタ、圧電セラミック等のセラミック電子部品が挙げられる。なお、本発明のダイシングテープが貼着する被着体は、前記で例示した電子部品に限定されるものではなく、例えば半導体ウェハ、液晶等であってもよい。
ついでダイシングテープ2の基材フィルム2bを、台座1の吸着固定機能(例えばエアー吸引等)を用いて台座1上に吸着固定する。このとき、粘着剤層2aが電子部品3に貼着しているので、電子部品3はダイシングテープ2に高い粘着力で固定される。なお、前記吸着固定に代えて、基材フィルム2bの他面に例えば感圧性接着剤からなる粘着剤層を設け、該粘着剤層を介して台座1上に固定してもよい。
上記のようにして固定した後、電子部品3をダイシング(分割)して複数のチップ部品5を形成する。ダイシングは、図1(b)に示すように、回転刃4による切断である。ここで、粘着剤層2aが電子部品3に貼着していることにより、ダイシングの際に電子部品3が回転刃に押されて横方向による移動や振動により形成されたチップ部品5がダイシングテープ2から飛散するのを抑制することができる。また、これと同様に、電子部品3がダイシングテープ2から飛散するのを抑制することができる。
ダイシング後、ダイシングテープ2を加熱手段で加熱処理する。前記加熱手段としては、例えばヒータ等が挙げられる。また、前記加熱処理は、粘着剤層2a中の側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度でありかつ発泡剤が膨張ないし発泡する温度にまで加熱する。これにより、側鎖結晶性ポリマーが融点以上の温度で流動性を示し、さらに発泡剤が膨脹ないし発泡するので、粘着剤層2aの粘着力が十分に低下する。この状態で、図1(c)に示すように、チップ部品5をダイシングテープ2から取り出すので、チップ部品5をダイシングテープ2から簡単に取り外すことができる。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明のダイシングテープを詳細に説明するが、本発明は以下の合成例および実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明で「部」は重量部を意味する。
(合成例1:感圧性接着剤)
エチルへキシルアクリレート(日本触媒社製)を52部、メチルアクリレート(日本触媒社製)を40部、ヒドロキシエチルアクリレート(日本触媒社製)を8部およびパーブチルND(日本油脂社製)を0.5部の割合で、それぞれ酢酸エチル/n−ヘプタン(7対3)230部の中へ混合し、60℃で5時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は47万であった。
(合成例2:側鎖結晶性ポリマー)
ベヘニルアクリレート(日本油脂社製)を40部、ステアリルアクリレート(日本油脂社製)を35部、メチルアクリレート(日本触媒社製)を20部、アクリル酸(日本触媒社製)を5部、ドデシルメルカプタン(日本油脂社製)を6部およびパーへキシルPV(日本油脂社製)を1部の割合で、それぞれトルエン100部に混合し、80℃で5時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は7,900、融点は51℃であった。
合成例1,2の共重合体を表1に示す。なお、前記重量平均分子量は、共重合体をゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。また、合成例2の共重合体の融点は、示差熱走査熱量計(DSC)で、10℃/分の測定条件で測定した。
Figure 2008159998
[実施例1および比較例1〜8]
<ダイシングテープの作成>
まず、上記で得た感圧性接着剤および側鎖結晶性ポリマーを表2に示す組み合わせで用いて、共重合体溶液を調製した。ついで、この共重合体溶液に、発泡剤を表2に示す組み合わせで添加した。なお、発泡剤としては、マイクロカプセル化された熱膨張性微粒子(EXPANCEL社製の「009DU80」)を用いた。また、表2中、側鎖結晶性ポリマーの添加量は、感圧性接着剤100重量部に対する値であり、発泡剤の添加量は、感圧性接着剤100重量部に対する値である。
この共重合体溶液を基材フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の片面に塗布、乾燥させて表2に示す厚みを有する粘着剤層を形成して、各ダイシングテープを得た(表2中の実施例1および比較例1〜8)。
<評価>
上記で得た各ダイシングテープについて、剥離強度、ダイシング時の固定性、剥離性、糊残りおよび平滑性を評価した。各評価方法を以下に示すと共に、結果を表2に併せて示す。
(剥離強度)
23℃におけるステンレス鋼板(SUS)に対する剥離強度(粘着力)をJIS Z0237に準じて測定した。
(ダイシング時の固定性)
図1に示すように、ダイシングテープに20μmに研削したウェハを貼り付け、ダイシング装置(ディスコ社製のDFD−6350)にて23℃でダイシングを行い、寸法が10mm×10mmの半導体チップを160個得た。このダイシング時におけるチップ部品の飛散の有無を目視観察した。なお、判定基準は以下のものを用いた。
○:チップ部品の飛散有り
×:チップ部品の飛散無し
(剥離性)
前記ダイシング時の固定性の評価で得たチップ部品を23℃でダイシングテープに貼着した後、150℃(側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度であり、発泡剤が膨張する温度)まで昇温することにより、チップ部品がダイシングテープからチップ部品の自重のみで剥離するか否かを目視観察した。なお、判定基準は以下のものを用いた。
○:チップ部品の自重のみで剥離した
×:剥離しない
(糊残り)
前記剥離性の評価において、剥離後のチップ部品の表面を電子顕微鏡にて観察し、糊残りの有無を確認した。なお、前記剥離性の評価において、チップ部品の自重のみで剥離しなかったもの、すなわち評価が「×」のものについては、強制的にチップ部品をダイシングテープから剥離して評価した。判定基準は以下のものを用いた。
○:糊残り無し
×:糊残り有り
(平滑性)
ダイシングテープの粘着剤層表面を目視観察して発泡剤由来の表面の荒れを確認した。なお、判定基準は以下のものを用いた。
○:表面荒れ無し
×:表面荒れ有り
Figure 2008159998
表2から明らかなように、実施例1のダイシングテープは、粘着剤層が側鎖結晶性ポリマーおよび発泡剤を所定量で含有し、かつ所定の厚みであると共に、23℃での粘着力が所定の範囲内なので、ダイシング時の固定性と平滑性に優れているのがわかる。さらに、23℃での粘着力を高くしても、剥離性および糊残りに優れた結果を示した。
これに対し、比較例1、3、5のダイシングテープは、発泡剤が含有されてないか、もしくは所定量より少ないため剥離性に劣る結果を示した。また、比較例1、2のダイシングテープは、側鎖結晶性ポリマーが所定量より少ないため剥離性に劣る結果を示した。比較例3、4のダイシングテープは、側鎖結晶性ポリマーが所定量より多いため糊残りが劣る結果を示した。比較例6のダイシングテープは、発泡剤が所定量より多いため平滑性に劣る結果を示した。比較例7のダイシングテープは、粘着剤層の厚みが所定の厚みよりも薄いため、ダイシング時の固定力と平滑性に劣る結果を示した。比較例8のダイシングテープは、粘着剤層の厚みが所定の厚みよりも厚いため、剥離性に劣る結果を示した。
本発明のダイシングテープを用いて電子部品をダイシングする方法を示す概略説明図である。
符号の説明
1 台座
2 ダイシングテープ
2a 粘着剤層
2b 基材フィルム
3 電子部品
4 回転刃
5 チップ部品

Claims (3)

  1. 粘着剤層を基材フィルムの片面に設けたチップ部品用のダイシングテープであって、
    前記粘着剤層は、
    感圧性接着剤およびこの感圧性接着剤100重量部に対して4〜9重量部の割合で側鎖結晶性ポリマーを含む感温性粘着剤と、
    前記感圧性接着剤100重量部に対して25〜35重量部の割合で発泡剤とを含有し、
    前記側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度で粘着力の低下を発現すると共に、
    厚さが35〜45μmであり、
    23℃において粘着力が10〜20N/25mmであることを特徴とするダイシングテープ。
  2. 前記側鎖結晶性ポリマーは、融点が50℃以上であり、融点未満の温度で結晶化しかつ融点以上の温度で流動性を示す請求項1記載のダイシングテープ。
  3. 前記側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量が3,000〜30,000である請求項1または2記載のダイシングテープ。
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