JP2007284666A - 加熱剥離性粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】粗面に対する粘着力に優れ、かつ加熱により粘着力が消失し自己剥離的に被着体より容易に剥離する加熱剥離性粘着テープを提供する。
【解決手段】基材フィルムに加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層が設けられた加熱剥離性粘着テープにおいて、上記粘着剤層の動的粘弾性測定により求められる23℃での損失正接(tanδ)が0.4〜1.5であり、加熱膨張開始温度での損失正接が0.6以下であることを特徴とする加熱剥離性粘着テープ、また加熱剥離性粘着剤層が設けられた面の反対側に粘着剤層を設けた両面粘着テープ、また粘着剤層の動的粘弾性測定により求められる23℃から加熱膨張開始温度における貯蔵弾性率(G’)が1.0×104〜4.0×105Paである上記加熱剥離性粘着テープ。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリコンウエハ等の半導体や半導体パッケージを加工する時の仮固定用あるいは、液晶表示装置の液晶分子の配向膜を形成するラビング工程で用いるラビング布固定用粘着テープ等、作業時には粘着性を有しており強固に被着体を固定し、作業終了時には容易に剥離することが可能な仮固定用として用いられる加熱剥離性粘着テープに関する。
従来、シリコンウエハ等半導体の研削加工時の表面保護や切断加工時の仮固定及びセラミックコンデンサ、半導体パッケージ等の電子部品の加工時における仮固定の際には、各種の粘着テープが使用されている。
中でも、加熱により体積が膨張する加熱膨張性の材料を粘着剤層に含有させ、加熱処理を行うことにより剥離する加熱剥離性粘着テープが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、液晶表示装置においては、液晶分子を整列させるために、細い化学繊維からなる布(ラビング布)を用いて一方から配向膜を擦ることにより処理するラビング工程という製造工程がある。ラビング布は、一般に、両面テープを介してラビングロールに巻きつけるように固定する。ラビング布はラビング処理により消耗する部材であり、また液晶パネルの種類により異なるため、数時間毎に交換するのが一般的である。そのため、ラビング布固定用粘着テープには、ラビング布やラビングロールに対する高い粘着力と交換時に容易にはく離できる性能が求められる(例えば、特許文献3参照)。
しかし、セラミックコンデンサや半導体パッケージ等の電子部品の加工においては、表面が粗面であるために十分な粘着力を発現できなかったり、加熱してもテープが剥離できない等の問題が顕在化している。
また、液晶表示装置においては近年大型化が進展し、ラビングロールも大型化しており、はく離する際にラビング布と粘着テープが強く固定されていると、はく離に過剰な力が必要で、ラビング布から繊維がちぎれて周囲に飛散するといった問題が生じている。
特開昭60−252681号公報 特開2001−131507号公報 特開平6−27470号公報
本発明は、粗面に対する粘着力に優れ、かつ加熱により粘着力が消失し自己剥離的に被着体より容易に剥離する加熱剥離性粘着テープを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題につき鋭意検討したところ、少なくとも基材フィルムの片面に加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層を有し、その基材フィルムと加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層を含む粘着テープの動的粘弾性測定により求められる23℃での損失正接(tanδ)と加熱膨張開始温度での損失正接が特定範囲にあるものを用いることにより、さらに好ましくは加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層の23℃から加熱膨張開始温度における貯蔵弾性率(G’)が特定範囲にあるものを用いることにより、粗面においても強い粘着力を有し、かつ加熱時には自己剥離的に被着体より容易に剥離が可能となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)基材フィルムの片面に加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層が設けられた加熱剥離性粘着テープにおいて、上記粘着テープの動的粘弾性測定により求められる23℃での損失正接(tanδ)が0.4〜1.5であり、加熱膨張開始温度での損失正接が0.6以下であることを特徴とする加熱剥離性粘着テープ、
(2) 前記加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層の動的粘弾性測定により求められる23℃から加熱膨張開始温度における貯蔵弾性率(G’)が1.0×104〜4.0×105Paであることを特徴とする(1)に記載の加熱剥離性粘着テープ、
(3)(1)または(2)に記載の加熱剥離性粘着テープの加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層とは反対面にさらに粘着剤層を設けられたことを特徴とする加熱剥離性粘着テープ、
を提供するものである。
本発明の加熱剥離性粘着テープは、上記の構成をとることにより、粗面においても初期粘着力および粘着力の持続性に優れ、また、加熱により自己剥離的に容易に被着体より剥離可能な効果を有する。
本発明は、加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層を有する粘着テープにおいてその動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)、さらには加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層の貯蔵弾性率(G’)に着目したものである。これを、図1および図2を用いて詳しく説明する。
図1および図2は、加熱膨張性の材料を含有する粘着テープの動的粘弾性の温度依存性の一例を示したものである。図1は動的粘弾性測定により求められる加熱膨張性の材料を含有する粘着テープの損失正接(tanδ)の温度依存性、図2は加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層の貯蔵弾性率(G’)の温度依存性である。
図2において、上記粘着剤層の貯蔵弾性率は加熱に伴って低下し、上記材料が加熱により膨張を開始して粘着剤層の急激な体積変化を生じたときに極小値を示すようになる。この時の温度が加熱膨張開始温度である。
本発明者は、このような粘着テープの動的粘弾性と初期粘着力、粘着力の持続性および加熱時の剥離性との関係につき、広範囲の実験検討を行い、上記測定による23℃での損失正接(tanδ)と加熱膨張開始温度での損失正接(tanδ)が特定範囲にあるときに、粘着剤層の初期粘着力と加熱時の剥離性に共に好結果が得られることを見出した。
また、上記の両損失正接に加えて、23℃から加熱膨張開始温度における貯蔵弾性率が特定範囲にあるときに、粘着剤層の初期粘着力と加熱時の剥離性により一段と好結果が得られることを見出した。
すなわち、加熱膨張性の材料を含有する粘着テープは、動的粘弾性測定により求められる23℃での損失正接が0.4〜1.5であり、加熱膨張開始温度での損失正接が0.6以下であることが必要である。ここで規定する「加熱」とは、加熱剥離性粘着テープを加熱することをいい、その温度は必ずしも制限がなく、該テープの種類、用途などによって異なるが、加熱膨張開始温度は、好ましくは、80〜150℃、より好ましくは80〜120℃の範囲である。
23℃での損失正接が0.4より小さいと、十分な粘着性が得られなくなり、1.5より大きいと、粘着テープを貼り合わせて被着体を加工する際に、粘着剤層として十分な凝集力が得られず、被着体に粘着剤が付着し汚染してしまう。また、加熱膨張開始温度での損失正接が0.6よりも大きいと、加熱により粘着剤層が膨張しても十分な剥離性が得られない。
また、加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層は、動的粘弾性測定により求められる23℃から加熱膨張開始温度における貯蔵弾性率が1.0×104〜4.0×105Paであることが望ましい。このような範囲内であれば、精度よく被着体を加工することができ、より容易に被着体と粘着テープを剥離させることができる。
なお、本発明者の実験検討では、加熱膨張開始温度以上での粘弾性挙動については重要なことではなく、したがって、加熱膨張開始温度以上での損失正接や貯蔵弾性率がいかなる値をとるかは特に問われない。
本発明においては、基材フィルム上に加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層が設けられるが、基材フィルムを介して反対側にさらに粘着剤層を設けることによって両面テープとしてもよい。その場合には、基材フィルムと加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層の積層体の粘弾性特性が上記の範囲内であればよい。
本発明において、このような粘着剤層は、粘着剤ポリマー、架橋剤および加熱膨張性の材料を必須成分とし、必要により、顔料等の着色剤、補強剤、老化防止剤等の通常用いられる各種の添加剤が含まれていてもよい。
このような構成材料からなる粘着剤層において、粘着剤ポリマーの種類(モノマー組成等によるポリマーのガラス転移点や分子量等)、架橋剤の種類や量等を調整することで、粘着剤層の動的粘弾性特性を前記範囲に容易に設定することができる。動的粘弾性特性の設定手段については、特に限定されるものではない。
粘着剤ポリマーには、公知の各種のポリマー(樹脂やゴム)を任意に選択使用できる。その中でも、アクリル系ポリマーが特に好ましい。
アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これと共重合可能な他の不飽和モノマーを使用した(共)重合体である。この(共)重合体は1種であっても2種以上の混合物であってもよい。
アクリル系ポリマーの分子量は重量平均分子量で20万〜100万が好ましい。また、アクリル系ポリマーのガラス転移温度については、好ましくは−60〜0℃、さらに好ましくは−60〜10℃である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルには、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。
共重合可能な他の不飽和モノマーには、(メタ)アクリル酸、水酸基含有(メタ)アクリレート、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート等、アクリル系ポリマーに通常用いられる各種のモノマーを使用できる。
脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートは、粘着テープ剥離後の被着体の汚染が極めて少なく、特に好ましい。このような(メタ)アクリレートとしては、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、メラミン系化合物、エポキシ化合物等が挙げられる。架橋剤の配合量としては、粘着剤ポリマー100質量部に対し、通常0.05〜0.5質量部とするのが好ましい。
加熱膨張性の材料には、加熱により体積が膨張する、いわゆる加熱膨張剤のほか、加熱により分解ガス等を発生する加熱発泡剤等が用いられる。
加熱膨張剤としては、ブタン、プロパン、ペンタン等の低沸点炭化水素を、アクリロニトリル、塩化ビニリデン等の共重合体等からなる熱可塑性樹脂で封入してカプセル化した熱膨張性マイクロカプセルが用いられる。市販品としては、マイクロスフェアー(松本油脂社製商品名)等が挙げられる。
加熱発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が用いられる。
加熱膨張性の材料の中でも、粘着剤ポリマーへの分散性や経時安定性の点において、加熱膨張剤(熱膨張性マイクロカプセル)が好ましい。
加熱膨張剤の平均粒径は、粘着剤層の厚さの半分以上であるのが好ましく、加熱膨張前の被着体への粘着性を考慮に入れると、粘着剤層の厚さ以下であるのが好ましい。
加熱膨張剤の配合量としては、粘着剤ポリマー100質量部に対して、通常5〜50質量部であるのが好ましい。
本発明の加熱剥離性粘着テープにおいて、上記した粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、通常は5〜50μmであるのが好ましい。
本発明においては、このような粘着剤層を基材フィルムの片面だけでなく、用途に応じて基材フィルムの両面に設けた両面テープとすることもできる。
また、本発明においては、このような粘着剤層を基材フィルムの片面または両面に設けるにあたり、基材フィルム上に直接設けてもよいし、他の任意の中間層(下地層)を介して間接的に設けてもよい。このような中間層(下地層)には、公知の各種の層を任意に選択使用できるものである。
基材フィルムは、加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層が膨張し粘着力が低下する温度において、溶融しないものであれば制限なく使用できる。
このような要求特性を満足する基材フィルムの材質には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリイミドフィルム、ポリメチルペンテン、ポリスチレンブタジエンゴム、ポリプロピレン等が挙げられる。
また、これらの材料が任意の組み合わせで混合されたものであってもよいし、また多層化されたものを用いることもできる。
さらに、基材フィルムには、熱変形温度以下の温度に加熱後、冷却する等して、適宜の処理を施したものを使用することもできる。
このような基材フィルムの厚さは、特に限定されないが、通常は25〜200μmの範囲であるのが好ましい。
本発明の加熱剥離性粘着テープは、加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層の動的粘弾性を特定したため、常温では被着体に良好に接着し、加熱により粘着剤層が膨張し、粘着剤層と被着体の接着界面に凹凸を生じさせて、被着体より容易に剥離できる。
このため、本発明の加熱剥離性粘着テープは、シリコンウエハ等の半導体や半導体パッケージを加工する時の仮固定用のテープとして、その他、上記製品等の研削加工時の表面保護用のテープ等、あるいは液晶表示装置製造プロセスであるラビング工程に使用するラビング布固定用粘着テープとして、幅広く利用できるものである。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において、部とあるのは質量部を意味する。
(実施例1)
イソボロニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートが質量%比で10:80:10からなる重量平均分子量60万のアクリル系ポリマー100部と、イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン製コロネートL)0.2部と、熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂社製商品名マツモトマイクロスフェアーF−50、平均粒径13.5μm、膨張開始温度100℃)20部とを混合し、粘着剤を得た。得られた粘着剤を、離型処理したポリエステル製セパレータ(厚さ:38μm)上に厚さ30μmになるように塗布したのち、ポリエステル製基材フィルム(厚さ100μm)を貼着することにより、加熱剥離性粘着テープを得た。
(実施例2)
イソボロニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートが質量%比で30:60:10からなる重量平均分子量60万のアクリル系ポリマー100部と、イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン製コロネートL)0.1部と、熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂社製商品名マツモトマイクロスフェアーF−50、平均粒径13.5μm、膨張開始温度100℃)20部とを混合し、粘着剤を得た。得られた粘着剤を、離型処理したポリエステル製セパレータ(厚さ:38μm)上に厚さ30μmになるように塗布したのち、ポリエステル製基材フィルム(厚さ100μm)を貼着することにより、加熱剥離性粘着テープを得た。
(実施例3)
イソボロニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートが質量%比で10:85:5からなる重量平均分子量40万のアクリル系ポリマー100部と、イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン製コロネートL)0.05部と、熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂社製商品名マツモトマイクロスフェアーF−50、平均粒径13.5μm、膨張開始温度100℃)20部とを混合し、粘着剤を得た。得られた粘着剤を、離型処理したポリエステル製セパレータ(厚さ:38μm)上に厚さ30μmになるように塗布したのち、ポリエステル製基材フィルム(厚さ100μm)を貼着することにより、加熱剥離性粘着テープを得た。
(実施例4)
イソボロニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートが質量%比で30:60:10からなる重量平均分子量60万のアクリル系ポリマー100部と、イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン製コロネートL)0.3部と、熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂社製商品名マツモトマイクロスフェアーF−50、平均粒径13.5μm、膨張開始温度100℃)20部とを混合し、粘着剤を得た。得られた粘着剤を、離型処理したポリエステル製セパレータ(厚さ:38μm)上に厚さ30μmになるように塗布したのち、ポリエステル製基材フィルム(厚さ100μm)を貼着することにより、加熱剥離性粘着テープを得た。
(実施例5)
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸が質量%比で85:10:5からなる重量平均分子量20万のアクリル系ポリマー100部と、イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン製コロネートL)1.0部とを混合し、粘着剤を得た。得られた粘着剤を、離型処理したポリエステル製セパレータ(厚さ:38μm)上に厚さ30μmになるように塗布したのち、実施例1で作成したテープの加熱剥離性粘着層と反対側の面に貼着することにより、両面テープを得た。
(比較例1)
イソボロニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートが質量%比で30:60:10からなる重量平均分子量60万のアクリル系ポリマー100部と、イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン製コロネートL)1.0部と、熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂社製商品名マツモトマイクロスフェアーF−50、平均粒径13.5μm、膨張開始温度100℃)20部とを混合し、粘着剤を得た。得られた粘着剤を、離型処理したポリエステル製セパレータ(厚さ:38μm)上に厚さ30μmになるように塗布したのち、ポリエステル製基材フィルム(厚さ100μm)を貼着することにより、加熱剥離性粘着テープを得た。
(比較例2)
イソボロニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルアクリレートが質量%比で10:85:5からなる重量平均分子量60万のアクリル系ポリマー100部と、イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン製コロネートL)0.02部と、熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂社製商品名マツモトマイクロスフェアーF−50、平均粒径13.5μm、膨張開始温度100℃)20部とを混合し、粘着剤を得た。得られた粘着剤を、離型処理したポリエステル製セパレータ(厚さ:38μm)上に厚さ30μmになるように塗布したのち、ポリエステル製基材フィルム(厚さ100μm)を貼着することにより、加熱剥離性粘着テープを得た。
上記の実施例1〜5および比較例1,2の各加熱剥離性粘着テープについて、下記の方法により、動的粘弾性測定、ダイシング性評価(チップ飛びの確認)、剥離性試験、顕微鏡観察(糊残り)、および対ラビング布面の粘着力と剥離性試験を行った。これらの結果を、表1に示した。
なお実施例5においては、実施例1記載の粘着テープの基材フィルムを介して反対側に加熱膨張性の材料を含有しない粘着剤層を設けたので、基材フィルムと加熱膨張性材料を含有する粘着剤層の積層体の動的粘弾性測定による損失正接(tanδ)と、加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層の貯蔵弾性率(G’)値は、実施例1のそれぞれの結果と同じ結果となっている。
実施例1の加熱剥離性粘着テープの動的粘弾性測定による損失正接(tanδ)と、加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層の貯蔵弾性率(G’)の温度依存性を、図1および図2にそれぞれ示した。
<動的粘弾性測定>
加熱剥離性粘着テープの動的粘弾性測定を行い、23℃及び加熱膨張開始温度(90℃)における損失正接(tanδ)を求めた。また加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層の動的粘弾性測定を行い、23℃及び加熱膨張開始温度(90℃)における貯蔵弾性率(G’)を求めた。測定条件は以下の通りとした。
装置:ティー・エイ・インスツルメント社製ARES(ずり方式の粘弾性装置)
測定周波数:1Hz
昇温速度:5℃/分
<ダイシング性評価(チップ飛びの確認)>
加熱剥離性粘着テープを用いて、下記の条件でダイシングを行った。このダイシングでチップ飛びの無いものを「○」、チップ飛びのあるものを「×」、と評価した。
装置:ディスコ社製DAD−340
ダイシングサイズ:1mm角
被着体:アルミナセラミック基板(50mm角、厚さ1mm)
<剥離性試験>
上記の条件でダイシングしたサンプルについて、オーブンで120℃加熱したのちに、被着体側を下面にし、被着体の剥離状態を観察した。この観察により、下記の基準にて、剥離性を評価した。
◎:1分間の加熱で加熱剥離性粘着テープから被着体が剥離した
○:2分間の加熱で加熱剥離性粘着テープから被着体が剥離した
×:2分間の加熱でも加熱剥離性粘着テープから被着体が剥離しなかった
<顕微鏡観察(糊残り)>
上記の条件で剥離したサンプルについて、顕微鏡(倍率100倍)により糊残りの有無を確認した(n=25)。結果を、下記の基準により,評価した。
○:粘着剤の付着が見られなかった
×:粘着剤の付着が見られた
<対ラビング布面粘着力および剥離性試験>
幅25mmに切断した実施例1〜4および比較例1,2の各加熱剥離性粘着テープをラビング布裏面に2kgのゴムローラーを用いて貼合し、1時間放置後に剥離速度300mm/分、T字剥離で粘着力を測定した。その後、オーブンで120℃加熱し、被着体の剥離状態を観察した。
この観察により、下記の基準にて、剥離性を評価した。
◎:1分間の加熱で加熱剥離性粘着テープから被着体が剥離した
○:2分間の加熱で加熱剥離性粘着テープから被着体が剥離した
×:2分間の加熱でも加熱剥離性粘着テープから被着体が剥離しなかった
Figure 2007284666
上記の表1から明らかなように、23℃および加熱膨張開始温度(90℃)でのtanδが本発明の範囲内にある実施例1〜4の各加熱剥離性粘着テープは、加熱前には強い粘着性を示し、加熱により容易に剥離し、かつ糊残りが見られなかった。また、23℃から加熱膨張開始温度(90℃)におけるG’が本発明の範囲にある実施例1,2の両加熱剥離性粘着テープは剥離性において特に優れていた。また、実施例1の加熱剥離性粘着剤層の反対面に粘着層を貼合せて作成した両面テープも実施例1と同様に良好な結果を得た。
これに対し、23℃でのtanδが本発明の範囲外となる比較例1の加熱剥離性粘着テープは、加熱前の粘着力が低かった。また、23℃および加熱膨張開始温度でのtanδがいずれも本発明の範囲外となる比較例2の加熱剥離性粘着テープは、加熱により剥離することができなかった。
加熱剥離性粘着テープの損失正接(tanδ)の温度依存性を示す特性図である。 加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層の貯蔵弾性率(G’)の温度依存性を示す特性図である。

Claims (3)

  1. 基材フィルムの片面に加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層が設けられた加熱剥離性粘着テープにおいて、上記粘着テープの動的粘弾性測定により求められる23℃での損失正接(tanδ)が0.4〜1.5であり、加熱膨張開始温度での損失正接が0.6以下であることを特徴とする加熱剥離性粘着テープ。
  2. 前記加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層の動的粘弾性測定により求められる23℃から加熱膨張開始温度における貯蔵弾性率(G’)が1.0×104〜4.0×105Paであることを特徴とする請求項1に記載の加熱剥離性粘着テープ。
  3. 請求項1または2に記載の加熱剥離性粘着テープの加熱膨張性の材料を含有する粘着剤層とは反対面にさらに粘着剤層が設けられたことを特徴とする加熱剥離性粘着テープ。
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