JP2013175603A - 接着フィルムおよびウェハ加工用テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】加圧オーブン等の高価な設備を用いることなく、常圧加熱で残留ボイドを消失させることが可能で、薄化したチップを多段積層したパッケージを安価に得ることができる接着フィルムおよびウェハ加工用テープを提供する。
【解決手段】半導体ウェハと貼合される接着剤層13bを有する接着フィルム13であって、接着剤層13bが必須成分としてフェノキシ樹脂とエポキシ樹脂をそれぞれ含み、硬化前の該接着剤層を40℃〜200℃の範囲で周波数1Hz、昇温速度20℃/分、ひずみ量0.3%の条件で測定した損失正接(tanδ)が60℃〜180℃の範囲において少なくとも連続した10K以上の温度範囲で1.0以上であり、かつ硬化前の接着剤層13bを上記の条件で測定した60℃〜180℃の範囲における複素粘度(η)の最小値が300Pa・s以上10000Pa・s未満である接着フィルム13およびウェハ加工用テープ10。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェハと貼合される接着剤層を有する接着フィルム、および基材フィルム上に粘着剤層を有する粘着フィルムの該粘着剤層上に接着剤層を有するウェハ加工用テープに関する。
半導体チップの組み立ては、ダイシングテープから半導体ウェハを剥離するピックアップ工程の後、一般に、基板や他のチップ上に搭載されるボンディング工程、半導体チップの電極パッドとリードフレームの外部電極(ポスト部)を金線で繋ぐワイヤーボンディング工程、半導体チップや金線を外部からの応力、湿気や汚染物質から保護するために封止材を用いて固める封止工程からなる。
近年、高密度化、高集積化のため、リードフレームに代わってビスマレイミド−トリアジン基板やポリイミド基板のような有機基板の使用が増加している。しかしながら、これらの有機基板を使用した場合、有機基板の表面はリードフレーム以上に段差がある。このような段差の埋め込みは、接着剤フィルムの改良で、封止材封入時の圧力を利用して段差の埋め込みができたが、この埋め込みが不十分な場合、熱処理後の接着剤フィルムの溶融粘度を調整する方法が提案されている(特許文献1参照)。
一方、半導体チップを他の半導体チップ上に積層してボンディングする場合、ボンディングされる半導体チップ上の配線やワイヤーボンディング等に起因する凹凸で、ボイドが発生する。この凹凸を充填し、貼り付け時のボイドを生じないようにするためするため、硬化前の溶融粘度とタック強度を調整すること(特許文献2参照)や、特定のポリマーとエポキシ樹脂およびフィラーの各含有量を調整すること(特許文献3参照)が提案されている。
しかしながら、年々進む半導体チップの薄化と積層段数増加に対しては、これらの技術では必ずしも十分でない。
特開2007−88489号公報 特開2007−270125号公報 特開2006−183020号公報
本発明者等は、このような状況を鑑み、ピックアップ工程と連続して実施されるボンディング工程において、ボイドの発生を調べたところ、ピックアップ工程で、真空吸着して半導体チップを取り出すのに使用されるコレットの吸引穴によってボイドが発生する。すなわち、コレットの吸引穴から空気を吸引すると、図2に示すように半導体チップと吸引穴の接する半導体チップ部分が減圧により吸引穴側に吸い込まれるように変形し、ボンディング工程では、図3に示すように、この変形した状態の半導体チップが基板にボンディングされ、この結果空気を含んだ空洞であるボイドが基板に接して生じ、これによる凹凸でチップクラックが発生し、ワイヤーボンディングが困難になることがわかった。しかもワイヤーボンディング工程に入る前に残留ボイドを消失させるため、ポストキュアを常圧加熱の条件で行っても樹脂の種類、特にアクリル共重合体、によっては残留ボイドの消失は難しく、加圧下で過熱する条件が必要であることがわかった。加圧下での加熱には、加圧が可能な高価なオープン等の設備が必要となる。
従って、本発明は、加圧オーブン等の高価な設備を用いることなく、常圧加熱で残留ボイドを消失させることが可能な接着フィルムおよびウェハ加工用テープを提供することを目的とする。さらに、薄化したチップを多段積層したパッケージを安価に得ることができる接着フィルムおよびウェハ加工用テープを提供することを目的とする。
上記課題は以下の手段により解決された。
(1)半導体ウェハと貼合される接着剤層を有する接着フィルムであって、該接着剤層が必須成分としてフェノキシ樹脂とエポキシ樹脂をそれぞれ含み、硬化前の該接着剤層を40℃〜200℃の範囲で周波数1Hz、昇温速度20℃/分、ひずみ量0.3%の条件で測定した損失正接(tanδ)が60℃〜180℃の範囲において少なくとも連続した10K以上の温度範囲で1.0以上であり、かつ硬化前の該接着剤層を上記の条件で測定した60℃〜180℃の範囲における複素粘度(η)の最小値が300Pa・s以上10000Pa・s未満であることを特徴とする接着フィルム。
(2)前記エポキシ樹脂を、前記フェノキシ樹脂の固形分100質量部に対して固形分で100質量部以上含有することを特徴とする(1)に記載の接着フィルム。
(3)前記エポキシ樹脂が、下記一般式(EP−A)で表されるエポキシ化合物の少なくとも1種と下記一般式(EP−B)で表されるエポキシ化合物の少なくとも1種とを組み合わせからなることを特徴とする(1)または(2)に記載の接着フィルム。
Figure 2013175603
一般式(EP−A)、(EP−B)において、Xは単結合または2価の連結基を表す。Rは水素原子またはアルキル基を表す。mおよびnは各々独立に0または1以上の数を表す。
(4)基材フィルム上に粘着剤層を有する粘着フィルムの該粘着剤層上に、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の接着フィルムを有することを特徴とするウェハ加工用テープ。
(5)前記ウェハ加工用テープが、エキスパンドにより接着フィルムを半導体チップ毎に分割し、前記接着フィルム付きの複数の半導体チップを得るために用いられるテープであることを特徴とする(4)に記載のウェハ加工用テープ。
本発明により、加圧オーブン等の高価な設備を用いることなく、常圧加熱で残留ボイドを消失させることができる接着フィルムおよびウェハ加工用テープを提供することができ、薄化したチップを多段積層したパッケージを低コストで提供することができる。
本発明の一実施形態に係るウェハ加工用テープを示す断面図である。 ピックアップ工程での吸着コレットの吸引穴からの吸引による半導体チップの変形を示す、部分拡大図を含む模式図である。 基板上へボンディングする際に生じるボイドの部分拡大図を含む模式図である。 比較例4のボイド発生を、超音波探査装置(SAT)を用い、透過法にてスキャンした画像を2値化した写真である。 実施例6のボイドを、超音波探査装置(SAT)を用い、透過法にてスキャンした画像を2値化した写真である。
以下に本発明を詳細に説明する。
最初に、本発明の接着フィルムを説明する。
<接着フィルム>
本発明の接着フィルムは、半導体ウェハと貼合される接着剤層を有する接着フィルムである。
<<接着剤層>>
本発明の接着剤層は、必須の樹脂成分として、少なくとも1種のフェノキシ樹脂と少なくとも1種のエポキシ樹脂を有する。
1.フェノキシ樹脂
フェノキシ樹脂は、各種のビスフェノールとエピクロルヒドリンとを反応させる方法、または、液状エポキシ樹脂とビスフェノールとを反応させる方法により得られる樹脂が好ましく、ビスフェノールとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールビスフェノールAF、ビスフェノールAD、ビスフェノールF、ビスフェノールSが挙げられる。
本発明で使用するフェノキシ樹脂として好ましい樹脂は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する樹脂である。
Figure 2013175603
一般式(I)において、Xは単結合または2価の連結基を表す。
2価の連結基としては、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−S−、−SO−または−SO−が挙げられる。
ここで、アルキレン基は、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、−C(R)(R)−がより好ましい。R、Rは水素原子またはアルキル基を表し、該アルキル基としては炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐のアルキル基が好ましく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、1,3,3−トリメチルブチル等が挙げられる。また、該アルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよく、例えば、トリフルオロメチル基が挙げられる。
Xは、アルキレン基、−O−、−S−または−SO−が好ましく、アルキレン基、−SO−がより好ましい。なかでも、−C(CH−、−CH(CH)−、−CH−、−SO−が好ましく、−C(CH−、−CH(CH)−、−CH−がより好ましく、−C(CH−が特に好ましい。
本発明で使用するフェノキシ樹脂は、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するのであれば、これらのXが異なった繰り返し単位を複数有する樹脂でであっても、Xが同一の繰り返し単位のみから構成されていてもよい。
本発明においては、Xが同一の繰り返し単位のみから構成されている樹脂が好ましい。
本発明で使用するフェノキシ樹脂の質量平均分子量は、5000〜150000が好ましく、5000〜100000がより好ましく、10000〜100000がさらに好ましい。また、ガラス転移温度(Tg)は−50〜120℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、55〜110℃が更に好ましい。
フェノキシ樹脂は、InChem社製のPKHB、PKHC、PKHH、PKHJ、PKFEPHHP−200、新日鐵化学(株)製のYP−50、YP−50S、YP−55U、三菱化学(株)社製の1256、4250、4275等が挙げられる。
本発明において、フェノキシ樹脂は、接着剤層中に、固形分質量で10〜50質量%含有するのが好ましく、20〜30質量%含有するのがさらに好ましい。
2.エポキシ樹脂
本発明で使用するエポキシ樹脂は、エポキシ基を少なくとも2個有するものが好ましく、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビススフェノールA型、ビフェニル型のビスフェニル基を有するエポキシ化合物、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物、ナフタレン環を有するエポキシ化合物、フルオレン基を有するエポキシ化合物等の二官能型グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型等の多官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸のような合成脂肪酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリンのようなグリシジルアミノ基を有する芳香族エポキシ樹脂、トリシクロデカン環を有するエポキシ化合物(例えば、ジシクロペンタジエンとm−クレゾールのようなクレゾール類、やフェノール類を重合させた後、エピクロルヒドリンを反応させて得られるエポキシ化合物)が挙げられる。
これらのビスフェノール樹脂のなかでも、本発明においては、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビススフェノールA型、ビフェニル型のビスフェニル基を有するエポキシ化合物、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型の多官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型のビスフェニル基を有するエポキシ化合物、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型の多官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂がより好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、120〜250g/当量(eq)が好ましく、150〜230g/当量(eq)がより好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、日本化薬(株)製のEOCNシリーズ、EPPNシリーズ、NCシリーズ、BRENシリーズ、REシリーズ、GANシリーズ、GOTシリーズ、AKシリーズや、三菱化学(株)製の806、807、827、828、828EL、828XA、834、4005P、4007P、4010P等が挙げられる。
エポキシ樹脂は1種でも2種以上併用してもよく、本発明においては2種以上併用することが好ましい。なかでも、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビススフェノールA型、ビフェニル型のビスフェニル基を有するエポキシ化合物と、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型の多官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を併用することが好ましい。
これらのエポキシ樹脂の好ましい組合せは、下記一般式(EP−A)で表されるエポキシ化合物と下記一般式(EP−B)で表されるエポキシ化合物の組合せである。
Figure 2013175603
一般式(EP−A)、(EP−B)において、Xは一般式(I)のXと同義であり、好ましい範囲も同じである。Rは水素原子またはアルキル基を表す。mおよびnは各々独立に0または1以上の数を表す。
におけるアルキル基は直鎖もしくは分岐で、炭素数は1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、メチル基、エチル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
は、なかでも水素原子またはメチル基が好ましい。
一般式(EP−A)で表されるエポキシ化合物の固形分100質量部に対して、一般式(EP−B)で表されるエポキシ化合物は固形分で10〜500質量部が好ましい。
また、これらの好ましい組合せに、さらにグリシジル(メタ)アクリレートを共重合成分として含む(メタ)アクリル酸エステルもしくはこれから得られる繰り返し単位を有する(メタ)アクリル樹脂等のエポキシ樹脂(好ましくは、質量平均分子量が10000〜1000000でガラス転移温度が−50〜50℃)を組み合わせることも好ましい。
エポキシ樹脂は、接着剤層中に、固形分質量で20〜40質量%含有するのが好ましく、25〜35質量%含有するのがさらに好ましい。
また、エポキシ樹脂は、フェノキシ樹脂の固形分100質量部に対し、固形分100〜500質量部が好ましく、100〜300質量部がより好ましく、100〜250質量部がさらに好ましく、110〜250質量部が特に好ましい。
3.その他の樹脂
本発明の接着剤層には、上記フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂以外に、これ以外の樹脂を含有してもよい。
このような樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂(粘着剤もしくは接着剤)、接着剤に使用される公知のポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコンオリゴマー系等が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。
本発明においては、上記フェノキシ樹脂とエポキシ樹脂のみを含有するのが好ましい。
4.添加剤
本発明の接着剤層は、上記の樹脂以外に、エポキシ樹脂用硬化剤、硬化促進剤、フィラー等の添加剤を含有することが好ましい。
1)エポキシ樹脂用硬化剤および硬化促進剤
本発明において、エポキシ樹脂用硬化剤もしくは硬化促進剤としては、通常エポキシ樹脂の硬化剤として使用されるものを用いることができる。このようなエポキシ樹脂用硬化剤もしくは硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素錯化合物、有機ヒドラジッド化合物、アミン類、ポリアミド樹脂、イミダゾール化合物、尿素もしくはチオ尿素化合物、ポリメルカプタン化合物、メルカプト基を末端に有するポリスルフィド樹脂、酸無水物、光・紫外線硬化剤が挙げられる。
このうち、三フッ化ホウ素錯化合物としては、種々のアミン化合物(好ましくは1級アミン化合物)との三フッ化ホウ素−アミン錯体が挙げられ、有機ヒドラジッド化合物としては、イソフタル酸ジヒドラジドが挙げられる。
アミン類としては、鎖状脂肪族アミン(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N−ジメチルプロピルアミン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノ)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、m−キシレンジアミン等)、環状脂肪族アミン(N−アミノエチルピペラジン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等)、ヘテロ環アミン(ピペラジン、N,N−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、メラミン、グアナミン等)、芳香族アミン(メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ジアミノ、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等)、ポリアミド樹脂(ポリアミドアミンが好ましく、ダイマー酸とポリアミンの縮合物)、イミダゾール化合物(2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−n−ヘプタデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、エポキシ・イミダゾール付加体等)、尿素もしくはチオ尿素化合物(N,N−ジアルキル尿素化合物、N,N−ジアルキルチオ尿素化合物等)、ポリメルカプタン化合物、メルカプト基を末端に有するポリスルフィド樹脂、酸無水物(テトラヒドロ無水フタル酸等)、光・紫外線硬化剤(ジフェニルヨードにウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等)が例示される。
これらは1種でも2種以上併用してもよいが、本発明においては2種を併用することが好ましい。
エポキシ樹脂用硬化剤もしくは硬化促進剤は、本発明においては、ジシアンジアミド、有機ヒドラジッド化合物、アミン類、ポリアミド樹脂、イミダゾール化合物、尿素もしくはチオ尿素化合物が好ましく、中でも硬化剤としてジシアンジアミドが好ましく、硬化促進剤として、イミダゾール化合物と併用するのが特に好ましい。
エポキシ樹脂用硬化剤もしくは硬化促進剤の接着剤層中の含有量は、特に限定されず、最適な含有量は硬化剤もしくは硬化促進剤の種類によって異なるが、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.5〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
このうち、硬化促進剤の含有量は、硬化剤の含有量より少ない方が好ましく、硬化剤の質量部の0.001〜0.95質量部が好ましく、0.01〜0.5質量部がさらに好ましい。
2)フィラー
本発明の接着剤層は、フィラーを含有するのが好ましい。フィラーとしては、有機フィラー、無機フィラーのいずれでもよいが、本発明においては無機フィラーが好ましい。
無機フィラーとしては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウム、タルク、ほう酸アルミウイスカ、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性シリカ、アンチモン酸化物等が挙げられる。
ここで、無機フィラーはシランカップリング剤や有機酸等で表面処理されていてもされていなくてもよい。
このうち、本発明においては、ダイシング性を向上させるためケイ素を構成成分として含む無機フィラーが好ましく、なかでもシリカが好ましい。
無機フィラーの平均粒子径は、0.05〜20μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましい。
フィラーは1種でも2種以上併用してもよい。
フィラーは、接着剤層中のフェノキシ樹脂とエポキシ樹脂の総固形分100質量部に対し、30〜180質量部が好ましく、40〜150質量部がより好ましく、40〜120質量部がさらに好ましい。
3.その他の添加剤
接着剤層には、上記以外に、必要により、シランカップリング剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、滑剤、摺動性付与剤、界面活性剤、着色剤等を含有してもよい。
<<接着フィルムの製造方法>>
接着剤層は、接着フィルムの製造において、有機溶媒を使用して、上記の各樹脂および添加剤を撹拌混合し、接着剤ワニスを作製して、離型処理されたポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の剥離フィルム(基材である保護フィルム)に塗工し、樹脂混合物の硬化開始温度以下の熱処理を施し、乾燥することで得られる。使用に際しては、剥離フィルムを剥離して接着フィルムとして使用する。
有機溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N―メチルピロリドン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、トルエン、キシレン等が挙げられる。乾燥速度が速く、価格が安い点でメチルエチルケトン、シクロヘキサノンを使用することが好ましい。
接着剤層の乾燥後の厚みは、5〜100μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。
<<硬化前の接着剤層の特性>>
本発明の硬化前の接着剤層は、40℃〜200℃の範囲で周波数1Hz、昇温速度20℃/分、ひずみ量0.3%の条件で測定した損失正接(tanδ)が60℃〜180℃の範囲において少なくとも連続した10K以上の温度範囲で1.0以上である。
ここで、損失正接(tanδ)は下記式(1)で表される。
Figure 2013175603
G’(ジープライム)は貯蔵弾性率であり、内部に蓄えられた応力を保持する能力、いわば弾性成分を表す。G”(ジーダブルプライム)は損失弾性率であり、与えたエネルギーが熱となって逃げてしまう粘性成分を意味する。なお、貯蔵弾性率は外的要因(応力、歪)に対してもとの形に戻ろうとする要素で、フックの法則に従う要素であり、損失弾性率は外的要因(応力、歪)に対して熱エネルギーとして逃がす要素であり、ニュートンの法則に従う要素である。
tanδが1以上であるということは、弾性成分より粘性成分の寄与が大きいことを意味し、tanδが小さくなると硬くなり、大きくなると粘性がでる。
具体的には、動的粘弾性測定装置(例えば、レオロジカ製のARES(商品名))を使用し、硬化前の接着剤層(サンプル)に対して、サンプル厚み1mm、プレート径8mmΦ、周波数1Hz、ひずみ量0.3%のせん断条件で40℃より200℃まで昇温速度20℃/分の条件で昇温した際の60℃〜180℃における損失正接(tanδ)を測定し、得られた損失正接(tanδ)が1以上となる連続した温度範囲の最高温度と最低温度の差分(K)より算出し、損失正接(tanδ)が1以上となる連続した温度範囲が10K以上かどうか判定した。
本発明においては、損失正接(tanδ)が1以上となる連続した温度範囲が10〜1100Kが好ましく、20〜100Kがより好ましく、30〜100Kがさらに好ましい。
損失正接(tanδ)が1以上となる連続した温度範囲が10K未満であると常圧加熱で残留ボイドを消失させることができなくなる。
さらに、本発明では、接着剤層は、40〜200℃の範囲で周波数1Hz、昇温速度20℃/分、ひずみ量0.3%の条件で測定した60〜180℃の複素粘度(η)の最小値が300Pa・s以上、10000Pa・s未満である。複素粘度(η)の最小値は400Pa・s以上、10000Pa・s未満であることが好ましい。
複素粘度(η)は下記式(2)で表される。
Figure 2013175603
G’(ジープライム)、G”(ジーダブルプライム)は式(1)と同義である。
複素粘度(η)は貯蔵弾性率と損失弾性率をそれぞれXY軸においたときに引かれる直線の長さに相当する。したがって、複素粘度(η)が小さいほど変形しやすい。
適度に変形しやすいほうが、ボンディングの際に噛みこんだエアーの排出がしやすいと考えられ、本発明においては複素粘度(η)を上記の値に制御することが好ましい。複素粘度(η)が大きすぎると変形しにくくなり、ボイドが消失しにくくなることがある。小さすぎると常圧加熱時にダイボンド位置からのチップ移動が発生することがある。
複素粘度(η)は、損失正接(tanδ)と同様に、上記動的粘弾性測定装置で、硬化前の接着剤層(サンプル)に対して、サンプル厚み1mm、プレート径8mmΦ、周波数1Hz、ひずみ量0.3%のせん断条件で40℃より200℃まで昇温速度20℃/分の条件で昇温した際の60℃〜180℃における最小の複素粘度の測定で得られる。
<ウェハ加工用テープ>
次に、本発明のウェハ加工用テープについて説明する。
本発明のウェハ加工用テープ10は、エキスパンドにより、接着フィルム13(接着剤層13bのみでもよい)を半導体チップ毎に分割し、接着フィルム付きの複数の半導体チップを得るために用いられるテープであることが好ましい。
本発明のウェハ加工用テープ10は、基材フィルム12a上に粘着剤層12bを有する粘着フィルム12において、この粘着剤層12b上に、前述の接着フィルム13(接着剤層13bのみでもよい)を有するものである。
<<粘着フィルム>>
粘着フィルムは、半導体ウェハをダイシングする際には半導体ウェハが剥離しないように十分な粘着力を有し、ダイシング後に半導体チップをピックアップする際には容易に接着剤層から剥離できるよう低い粘着力を有するものである。
粘着フィルムの基材フィルムとしては、従来公知のものであれば特に制限することなく使用することができるが、後述するように、本実施形態においては、粘着剤層として、エネルギー硬化性の材料のうち放射線硬化性の材料を使用することから、放射線透過性を有するものを使用することが好ましい。
例えば、基材フィルムの材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテン共重合体もしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。また、基材フィルムはこれらの群から選ばれる2種以上の材料が混合されたものでもよく、これらが単層又は複層化されたものでもよい。基材フィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、50〜200μmが好ましい。
本実施形態においては、紫外線などの放射線を粘着フィルムに照射することにより、粘着剤層を硬化させ、粘着剤層を接着剤層から剥離しやすくしていることから、粘着剤層の樹脂には、粘着剤に使用される公知の塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、付加反応型オルガノポリシロキサン系樹脂、シリコンアクリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリイソプレンやスチレン・ブタジエン共重合体やその水素添加物等の各種エラストマー等やその混合物に、放射線重合性化合物を適宜配合して粘着剤を調製することが好ましい。また、各種界面活性剤や表面平滑化剤を加えてもよい。粘着剤層の厚さは特に限定されるものではなく適宜に設定してよいが、5〜30μmが好ましい。
このような放射線重合性化合物は、例えば光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分量化合物や、光重合性炭素−炭素二重結合基を置換基に持つポリマーやオリゴマーが用いられる。具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートや、オリゴエステルアクリレート等、シリコンアクリレート等、アクリル酸や各種アクリル酸エステル類の共重合体等が適用可能である。
また、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。なお、粘着剤層には、上記の樹脂から選ばれる2種以上が混合されたものでもよい。
なお、粘着剤層の樹脂には、放射線を粘着フィルムに照射して粘着剤層を硬化させる放射線重合性化合物の他、アクリル系粘着剤、光重合開始剤、硬化剤等を適宜配合して粘着剤層を調製することもできる。
光重合開始剤を使用する場合、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を使用することができる。これら光重合開始剤の配合量はアクリル系共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
<<ウェハ加工用テープの使用方法>>
半導体装置の製造工程の中で、ウェハ加工用テープは、以下のように使用される。
なお、具体的には、特開2010−219293号公報の段落番号0032〜0036および該特許公報の図1〜図5に記載の内容が、そのまま本願明細書に好ましく取り込まれる。
ウェハ加工用テープに、半導体ウェハとリングフレームとが貼り合わされ、粘着フィルムの粘着剤層をリングフレームに貼り付け、半導体ウェハを接着剤層に貼り合わせる。これらの貼り付け順序に制限はなく、半導体ウェハを接着剤層に貼り合わせた後に粘着フィルムの粘着剤層をリングフレームに貼り付けてもよい。また、粘着フィルムのリングフレームへの貼り付けと、半導体ウェハの接着剤層への貼り合わせとを、同時に行っても良い。
そして、半導体ウェハのダイシング工程を実施し、次いで、粘着フィルムにエネルギー線、例えば紫外線を照射する工程を実施する。具体的には、ダイシングブレードによって半導体ウェハと接着剤層とをダイシングするため、吸着ステージにより、ウェハ加工用テープを粘着フィルム面側から吸着支持する。そして、ダイシングブレードによって半導体ウェハと接着剤層を半導体チップ単位に切断して個片化し、その後、粘着フィルムの下面側からエネルギー線を照射する。このエネルギー線照射によって、粘着剤層を硬化させてその粘着力を低下させる。なお、エネルギー線の照射に代えて、加熱などの外部刺激によって粘着フィルムの粘着剤層の粘着力を低下させてもよい。粘着剤層が二層以上の粘着剤層により積層されて構成されている場合、各粘着剤層の内の一層又は全層をエネルギー線照射によって硬化させて、各粘着剤層の内の一層又は全層の粘着力を低下させても良い。
その後、ダイシングされた半導体チップ及び接着剤層を保持した粘着フィルムをリングフレームの周方向に引き伸ばすエキスパンド工程を実施する。具体的には、ダイシングされた複数の半導体チップおよび接着剤層を保持した状態の粘着フィルムに対して、中空円柱形状の突き上げ部材を、粘着フィルムの下面側から上昇させ、粘着フィルムをリングフレームの周方向に引き伸ばす。エキスパンド工程により、半導体チップ同士の間隔を広げ、CCDカメラ等による半導体チップ2の認識性を高めるとともに、ピックアップの際に隣接する半導体チップ同士が接触することによって生じる半導体チップ同士の再接着を防止することができる。
エキスパンド工程を実施した後、粘着フィルムをエキスパンドした状態のままで、半導体チップをピックアップするピックアップ工程を実施する。具体的には、粘着フィルムの下面側から半導体チップをピンによって突き上げるとともに、粘着フィルムの上面側から吸着冶具で半導体チップ2を吸着することで、個片化された半導体チップを接着剤層とともにピックアップする。
そして、ピックアップ工程を実施した後、ダイボンディング工程を実施する。具体的には、ピックアップ工程で半導体チップとともにピックアップされた接着剤層により、半導体チップをリードフレームやパッケージ基板等に接着する。
以下に、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜8、比較例1〜13)
<接着フィルムの作製>
下記の表1、2および3に示す配合の各々の接着剤組成物にメチルエチルケトンを加えて攪拌混合して各接着剤ワニスを作製した。この接着剤ワニスを離型フィルム上に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥させ、各接着剤フィルムを作製した。次に、離型フィルムを接着剤フィルムから剥離し、実施例1〜8おび比較例1〜13の接着フィルムを作製した。
なお、表1、2および3において、各成分の配合割合の単位は質量部である。また、各成分には以下のものを用いた。 フェノキシ樹脂:PKHH(INCHEM製商品名、質量平均分子量約5.2万、ガラス転移温度92℃) アクリル樹脂:SG−708−6(ナガセケムテックス(株)製商品名、質量平均分子量70万、ガラス転移温度−5℃) エポキシ樹脂A:828(三菱化学(株)製商品名、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量187g/eq) エポキシ樹脂B:EOCN1020(日本化薬(株)製商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量200g/eq) 硬化剤:Dyhard100SF(デグサ製商品名、ジシアンジアミド) 硬化促進剤:キュアゾール2PHZ(四国化成(株)製商品名、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール) シリカフィラーA:SO−C2(アドマファイン(株)製商品名、平均粒径0.5μm) シリカフィラーB:SO−C1(アドマファイン(株)製商品名、平均粒径0.25μm)
<60〜180℃において損失正接が1以上となる連続した温度範囲の測定>
動的粘弾性測定装置ARES(レオロジカ製)を用い硬化前のサンプルに対して、前述した接着フィルムを厚み1mmまで熱圧着して積層し、プレート径8mmΦ、周波数1Hz、ひずみ量0.3%のせん断条件で40℃より200℃まで昇温速度20℃/分の条件で昇温した際の60℃〜180℃における損失正接(tanδ)を測定し、得られた損失正接が1以上となる連続した範囲の最高温度と最低温度の差分より算出した。
なお、損失正接(tanδ)は前述の式(1)により算出した。
<60〜180℃における複素粘度の最小値の測定>
動的粘弾性測定装置ARES(レオロジカ製)を用い硬化前のサンプルに対して、サンプル厚み1mm、プレート径8mmΦ、周波数1Hz、ひずみ量0.3%のせん断条件で40℃より200℃まで昇温速度20℃/分の条件で昇温した際の60℃〜180℃における最小の複素粘度(η)を測定した。
なお、複素粘度(η)は前述の式(2)により算出した。
<常圧キュア後のボイド量>
50μm厚10mm角のシリコンチップを実施例および比較例の接着フィルムを用いて銀メッキされた42アロイ製のメタル基板上(表面粗さRz=1μm)に130℃、10N、500msecの条件でダイボンドした後に、オーブンを用いて160℃1時間加熱硬化させ評価用サンプルを作製した。
作製したサンプルを、超音波探査装置(SAT)を用い、透過法にてスキャンした画像を2値化し、黒色部面積比を求め、これをボイド量とした。
また、実施例6を図5に、比較例4を図4に示した。
10%以下が合格レベルで実用範囲である。
<チップ位置変化>
50μm厚10mm角のシリコンチップを実施例および比較例の各接着フィルムを用いて銀メッキされた42アロイ製のメタル基板上(表面粗さRz=1μm)に130℃、10N、500msecの条件でダイボンドし、更に同条件で縦横とも100μmオフセットさせてダイボンド済みのチップ上に別のチップを積層した後に、オーブンを用いて160℃1時間加熱硬化させ評価用サンプルを作製した。
評価サンプルの1段目と2段目のチップ位置を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測長し、ダイボンド位置からのチップ移動量を測定し、これを初期位置からのチップ位置変化率を下記式で算出した。
10%以下が合格レベルで実用範囲である。
チップ位置変化率=100×│硬化前オフセット量−硬化後オフセット量│÷硬化前オフセット量
これらの結果を下記表1、2および3にまとめて示す。
Figure 2013175603
Figure 2013175603
Figure 2013175603
実施例1〜8の接着フィルムは、いずれも常圧キュア後のボイド量が低く、かつ、チップ位置変化率が小さくなっていることがわかる。
なお、上記実施例1〜8および比較例1〜13の各接着フィルムを、粘着剤層を有する支持基材として市販のダイシングテープ(古河電工(株)製、商品名:UC−334EP−110)と合わせてプリカット加工して、ウェハ加工用テープを作製し、本発明の接着フィルムを使用したウェハ加工用テープは、いずれも常圧加熱(160℃1時間)にて残留ボイドが極めて少ないことを確認した。
また、上記の各ウェハ加工用テープを予め切断されたチップに貼り合せた後、エキスパンドをすることで接着フィルムがチップ毎に分割することを確認した。
10 ウェハ加工用テープ
12 粘着フィルム
12a 基材フィルム
12b 粘着剤層
13 接着フィルム
13a 剥離ライナー
13b 接着剤層
21 吸着コレット
22 半導体チップ
23 基板
24 空気(ボイド)

Claims (5)

  1. 半導体ウェハと貼合される接着剤層を有する接着フィルムであって、該接着剤層が必須成分としてフェノキシ樹脂とエポキシ樹脂をそれぞれ含み、硬化前の該接着剤層を40℃〜200℃の範囲で周波数1Hz、昇温速度20℃/分、ひずみ量0.3%の条件で測定した損失正接(tanδ)が60℃〜180℃の範囲において少なくとも連続した10K以上の温度範囲で1.0以上であり、かつ硬化前の該接着剤層を上記の条件で測定した60℃〜180℃の範囲における複素粘度(η)の最小値が300Pa・s以上10000Pa・s未満であることを特徴とする接着フィルム。
  2. 前記エポキシ樹脂を、前記フェノキシ樹脂の固形分100質量部に対して固形分で100質量部以上含有することを特徴とする請求項1に記載の接着フィルム。
  3. 前記エポキシ樹脂が、下記一般式(EP−A)で表されるエポキシ化合物の少なくとも1種と下記一般式(EP−B)で表されるエポキシ化合物の少なくとも1種とを組み合わせからなることを特徴とする請求項1または2に記載の接着フィルム。
    Figure 2013175603
    一般式(EP−A)、(EP−B)において、Xは単結合または2価の連結基を表す。Rは水素原子またはアルキル基を表す。mおよびnは各々独立に0または1以上の数を表す。
  4. 基材フィルム上に粘着剤層を有する粘着フィルムの該粘着剤層上に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着フィルムを有することを特徴とするウェハ加工用テープ。
  5. 前記ウェハ加工用テープが、エキスパンドにより接着フィルムを半導体チップ毎に分割し、前記接着フィルム付きの複数の半導体チップを得るために用いられるテープであることを特徴とする請求項4に記載のウェハ加工用テープ。
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