JP2015017179A - 感温性粘着剤およびその架橋方法 - Google Patents

感温性粘着剤およびその架橋方法 Download PDF

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Abstract

【課題】糊残りの発生を抑制できる感温性粘着剤およびその架橋方法を提供することである。【解決手段】少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートを重合させることによって得られる共重合体をジオール化合物とともにイソシアネート系架橋剤によって架橋反応させてなる、側鎖結晶性ポリマーを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度で粘着力が低下する、感温性粘着剤およびその架橋方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、感温性粘着剤およびその架橋方法に関する。
感温性粘着剤は、主成分として含有する側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度に冷却されると、側鎖結晶性ポリマーが結晶化することによって粘着力が低下するものであり、半導体ウェハの仮固定等に使用される(例えば、特許文献1参照)。
ところで、感温性粘着剤の粘着力を低下させて半導体ウェハから剥離するとき、感温性粘着剤がちぎれて半導体ウェハ上に残る、いわゆる糊残りが発生することがある。特許文献1に記載されているような従来の感温性粘着剤は、糊残りに対する対策が必ずしも十分ではなかった。
糊残りの発生を抑制するには、側鎖結晶性ポリマーを架橋する架橋剤の添加量を増やして側鎖結晶性ポリマーの凝集力を向上させればよいとも考えられる。
しかし、架橋剤の添加量を増やすと、凝集力の向上に伴って粘着力が低下するという問題があった。
特開平9−249858号公報
本発明の課題は、糊残りの発生を抑制できる感温性粘着剤およびその架橋方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートを重合させることによって得られる共重合体をジオール化合物とともにイソシアネート系架橋剤によって架橋反応させてなる、側鎖結晶性ポリマーを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度で粘着力が低下する、感温性粘着剤。
(2)前記ジオール化合物が、ジエチレングリコールである、前記(1)に記載の感温性粘着剤。
(3)前記ジオール化合物の添加量が、前記イソシアネート系架橋剤の添加量よりも少ない、前記(1)または(2)に記載の感温性粘着剤。
(4)発泡剤をさらに含有する、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(5)半導体ウェハの仮固定用である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の感温性粘着剤からなる、感温性粘着シート。
(7)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の感温性粘着剤からなる粘着剤層を、フィルム状の基材の片面または両面に積層してなる、感温性粘着テープ。
(8)少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートを重合させることによって得られる共重合体をイソシアネート系架橋剤によって架橋反応させてなる、側鎖結晶性ポリマーを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度で粘着力が低下する、感温性粘着剤の架橋方法であって、前記架橋反応をジオール化合物の存在下で行う、感温性粘着剤の架橋方法。
本発明によれば、粘着力を低下させることなく、糊残りの発生を抑制できるという効果がある。
実施例における破断強度の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る感温性粘着剤およびその架橋方法について詳細に説明する。本実施形態の感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーを含有する。側鎖結晶性ポリマーは、温度変化に対応して結晶状態および流動状態を可逆的に起こす感温性を有する。
具体的に説明すると、側鎖結晶性ポリマーは、融点を有する。融点とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていた重合体の特定部分が無秩序状態になる温度であり、後述する共重合体を示差熱走査熱量計(DSC)によって10℃/分の測定条件で測定して得られる値のことを意味するものとする。
側鎖結晶性ポリマーは、上述した融点未満の温度で結晶化し、かつ融点以上の温度では相転移して流動性を示す。そして、本実施形態の感温性粘着剤は、融点未満の温度で側鎖結晶性ポリマーが結晶化したときに粘着力が低下する割合で側鎖結晶性ポリマーを含有する。つまり、本実施形態の感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーを主成分として含有していることから、被着体から感温性粘着剤を剥離するときには、感温性粘着剤を側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度に冷却すれば、側鎖結晶性ポリマーが結晶化することによって粘着力が低下する。また、感温性粘着剤を側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度に加熱すれば、側鎖結晶性ポリマーが流動性を示すことによって粘着力が回復するので、繰り返し使用することができる。
側鎖結晶性ポリマーの融点としては、0℃以上であるのが好ましく、10〜60℃であるのがより好ましく、40〜50℃であるのがさらに好ましい。融点は、側鎖結晶性ポリマーの組成等を変えることによって調整することができる。本実施形態の側鎖結晶性ポリマーは、少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートを重合させることによって得られる共重合体を、イソシアネート系架橋剤によって架橋反応させてなる。
炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートは、その炭素数16以上の直鎖状アルキル基が側鎖結晶性ポリマーにおける側鎖結晶性部位として機能する。すなわち、側鎖結晶性ポリマーは、側鎖に炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する櫛形のポリマーであり、この側鎖が分子間力等によって秩序ある配列に整合されることにより結晶化するのである。このような炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばセチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数16〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
また、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、イソシアネート系架橋剤と反応する架橋成分として機能する。ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
また、本実施形態の共重合体は、上述した炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートとともに、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートをさらに重合させることができる。炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
上述した各モノマーは、例えば炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを20〜99重量部、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを0〜70重量部、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートを1〜20重量部とする割合で重合させるのが好ましい。
重合方法としては、特に限定されるものではなく、例えば溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が採用可能である。溶液重合法を採用する場合には、上述した各モノマーを溶剤に加えて40〜90℃程度で2〜10時間程度攪拌すればよい。
共重合体の重量平均分子量としては、100,000以上が好ましく、400,000〜800,000がより好ましく、700,000〜800,000がさらに好ましい。重量平均分子量は、共重合体をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
上述した共重合体を架橋反応させるイソシアネート系架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート化合物が挙げられる。また、例示したイソシアネート化合物に対して、例えばグリセロール、トリメチロールプロパン等のポリオールを反応させたアダクト体、イソシアネート化合物の2量体、3量体等も採用可能である。
イソシアネート系架橋剤の添加量としては、固形分換算で共重合体100重量部に対して0.1〜5.0重量部であるのが好ましく、0.1〜3.0重量部であるのがより好ましく、0.1〜1.0重量部であるのがさらに好ましい。また、イソシアネート系架橋剤による架橋反応は、加熱することによって行うことができる。加熱条件としては、使用するイソシアネート系架橋剤に応じた条件を採用すればよく、特に限定されない。
ここで、本実施形態では、上述した架橋反応をジオール化合物の存在下で行う。すなわち、本実施形態の側鎖結晶性ポリマーは、上述した共重合体をジオール化合物とともにイソシアネート系架橋剤によって架橋反応させてなる。このような構成によれば、粘着力を低下させることなく、糊残りの発生を抑制できるという効果が得られる。この理由としては、以下の理由が推察される。
すなわち、上述した共重合体の架橋反応をイソシアネート系架橋剤単独で行うと、共重合体間の立体障害によって共重合体間での架橋が妨げられ、共重合体間よりも同一の共重合体内での架橋が進行し易くなる。そして、同一の共重合体内でヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートとイソシアネート系架橋剤とのウレタン結合の生成が進行してしまい、それゆえ架橋密度が高くならず、糊残りが発生する。
これに対し、上述した架橋反応をジオール化合物の存在下で行うと、自由に動けるジオール化合物が橋架けとなって、共重合体間での架橋が進行し易くなると考えられる。具体的に説明すると、例えば互いに隣接する共重合体を共重合体(A),(B)、これらと反応するイソシアネート系架橋剤をイソシアネート系架橋剤(A),(B)としたとき、まず、共重合体(A)と反応したイソシアネート系架橋剤(A)が、ジオール化合物の一方のヒドロキシル基と反応する。次に、共重合体(B)と反応したイソシアネート系架橋剤(B)が、ジオール化合物の他方のヒドロキシル基と反応する。その結果、共重合体(A)、イソシアネート系架橋剤(A)、ジオール化合物、イソシアネート系架橋剤(B)および共重合体(B)からなるネットワークポリマーが形成される。
このように、上述した架橋反応をジオール化合物の存在下で行えば、ジオール化合物が共重合体間の架橋を補助する架橋補助剤として機能することから、架橋剤の添加量を増やさなくても共重合体間の架橋を進行させて架橋密度を高くすることができ、結果として粘着力を低下させることなく、糊残りの発生を抑制できると推察される。
ジオール化合物としては、例えばジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等が挙げられ、例示したこれらのジオール化合物のうちジエチレングリコールが好ましい。
ジオール化合物の添加量としては、固形分換算で共重合体100重量部に対して0.05〜2.5重量部であるのが好ましく、0.05〜1.5重量部であるのがより好ましく、0.05〜0.5重量部であるのがさらに好ましい。ジオール化合物の添加量は、イソシアネート系架橋剤の添加量よりも少ないのが好ましい。具体的には、ジオール化合物の添加量は、イソシアネート系架橋剤の添加量の半量であるのが好ましい。
一方、本実施形態の感温性粘着剤は、上述のとおり、側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度で粘着力が低下するものであるが、その組成等を調整して側鎖結晶性ポリマーが流動状態から結晶状態になる過程でアンカー効果を発現させて固定力が上昇するようにすれば、ワックスのように使用することもできる。なお、本実施形態の感温性粘着剤は、ワックスのように使用する場合であっても、側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度では粘着力が低下しているので、外力を加えることによって剥離することができる。また、外力を加えることに代えて、感温性粘着剤に発泡剤をさらに含有させて、発泡剤の膨脹ないし発泡によって感温性粘着剤を剥離することもできる。発泡剤としては、一般的な化学発泡剤および物理発泡剤のいずれもが採用可能である。化学発泡剤には、熱分解型および反応型の有機系発泡剤ならびに無機系発泡剤が含まれる。
熱分解型の有機系発泡剤としては、例えば各種のアゾ化合物(アゾジカルボンアミド等)、ニトロソ化合物(N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等)、ヒドラジン誘導体[4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等]、セミカルバジド化合物(ヒドラゾジカルボンアミド等)、アジド化合物、テトラゾール化合物等が挙げられ、反応型の有機系発泡剤としては、例えばイソシアネート化合物等が挙げられる。
熱分解型の無機系発泡剤としては、例えば重炭酸塩・炭酸塩(炭酸水素ナトリウム等)、亜硝酸塩・水素化物等が挙げられ、反応型の無機系発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウムと酸との組み合わせ、過酸化水素とイースト菌との組み合わせ、亜鉛粉末と酸との組み合わせ等が挙げられる。
物理発泡剤としては、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロエタン、ジクロロメタン等の塩化炭素水素類、フロン等のフッ化塩化炭化水素類等の有機系物理発泡剤;空気、炭酸ガス、窒素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
また、他の発泡剤として、マイクロカプセル化された熱膨張性微粒子である、いわゆるマイクロバルーン発泡剤を採用することができる。マイクロバルーン発泡剤は、熱可塑性または熱硬化性樹脂によって構成されているポリマー殻の内部に、固体、液体または気体からなる加熱膨張性物質を封入したものである。マイクロバルーン発泡剤は加熱によって体積が40倍以上に膨張し、独立気泡形式の発泡体が得られる。したがって、マイクロバルーン発泡剤は、通常の発泡剤に比べて、発泡倍率がかなり大きくなるという特性を有する。このようなマイクロバルーン発泡剤は、市販のものを用いることができ、例えば日本フィライト社製の「エクスパンセル551DU20」等が好適である。
発泡剤の含有量としては、固形分換算で共重合体100重量部に対して30〜60重量部であるのが好ましく、40〜60重量部であるのがより好ましい。
発泡剤が膨脹ないし発泡する温度は、側鎖結晶性ポリマーの融点よりも高い温度である。また、発泡剤が膨脹ないし発泡する温度としては、通常、180℃以下であり、90℃で膨脹ないし発泡を開始して120℃で実質的に完全に発泡するのが好ましい。
発泡剤の平均粒径としては、特に限定されるものではないが、通常、5〜50μm程度である。平均粒径は、粒度分布測定装置で測定して得られる値である。
上述した本実施形態の感温性粘着剤は、糊残り対策が要求される分野の粘着剤として好適に用いることができる。具体的には、本実施形態の感温性粘着剤は、半導体ウェハの製造過程における半導体ウェハの仮固定用として好適に用いることができる。半導体ウェハとしては、例えばEPI付き、レーザーカット有り、サファイア塊から切り出したベアウェハ等が挙げられる。
また、本実施形態の感温性粘着剤は、例えば基材レスのシート状の形態で使用することができる。感温性粘着剤を感温性粘着シートとして使用する場合には、その厚さが15〜400μmであるのが好ましい。
また、本実施形態の感温性粘着剤は、テープ状の形態で使用することもできる。感温性粘着剤を感温性粘着テープとして使用する場合には、感温性粘着剤からなる粘着剤層を、フィルム状の基材の片面または両面に積層すればよい。フィルム状とは、フィルム状のみに限定されるものではなく、本実施形態の効果を損なわない限りにおいて、フィルム状ないしシート状をも含む概念である。
基材の構成材料としては、例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンポリプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂が挙げられる。
基材は、単層体または複層体のいずれであってもよく、その厚さとしては、通常、5〜500μm程度である。基材には、粘着剤層に対する密着性を高める上で、例えばコロナ処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理等の表面処理を施すことができる。
基材の片面または両面に粘着剤層を設けるには、感温性粘着剤に溶剤を加えた塗布液を、コーター等によって基材の片面または両面に塗布して乾燥させればよい。コーターとしては、例えばナイフコーター、ロールコーター、カレンダーコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ロッドコーター等が挙げられる。
粘着剤層の厚さとしては、5〜60μmであるのが好ましく、10〜60μmであるのがより好ましく、10〜50μmであるのがさらに好ましい。片面の粘着剤層の厚さと、他面の粘着剤層の厚さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、本実施形態では、片面の粘着剤層が感温性粘着剤からなる限り、他面の粘着剤層は特に限定されない。他面の粘着剤層を、例えば感温性粘着剤からなる粘着剤層で構成する場合、その組成は、片面の粘着剤層の組成と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、他面の粘着剤層を、例えば感圧性接着剤からなる粘着剤層で構成することもできる。感圧性接着剤は、粘着性を有するポリマーであり、例えば天然ゴム接着剤、合成ゴム接着剤、スチレン/ブタジエンラテックスベース接着剤、アクリル系接着剤等が挙げられる。
上述した感温性粘着シートおよび感温性粘着テープの表面には、離型フィルムを積層するのが好ましい。離型フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート等からなるフィルムの表面に、シリコーン等の離型剤を塗布したもの等が挙げられる。
以上、本発明に係る好ましい実施形態について例示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。
例えば、上述の実施形態においては、架橋反応をジオール化合物の存在下で行っているが、これに代えて、架橋反応をジアミン化合物の存在下で行うこともできる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明で「部」は重量部を意味する。
<感温性粘着シートの作製>
まず、ベヘニルアクリレートを45部、ブチルアクリレートを50部、2−ヒドロキシエチルアクリレートを5部、および重合開始剤として日油社製の「パーブチルND」を0.5部の割合で、それぞれ酢酸エチル:ヘプタン=7:3(重量比)の混合溶媒208部に添加して混合し、55℃で4時間撹拌した。その後、70℃で日油社製の「パーヘキシルPV」を0.5部の割合で添加し、1時間40分攪拌して各モノマーを重合させ、共重合体を得た。
得られた共重合体について、重量平均分子量および融点を測定した。各測定結果は、以下のとおりである。
重量平均分子量:73.5万
融点:44℃
なお、重量平均分子量は、共重合体をGPCで測定し、得られた測定値をポリスチレン換算することによって得た。融点は、共重合体をDSCで10℃/分の測定条件で測定することによって得た。
次に、共重合体に、発泡剤、イソシアネート系架橋剤およびジオール化合物をこの順に添加した。添加した発泡剤、イソシアネート系架橋剤およびジオール化合物の組成および添加量は、以下のとおりである。
(組成)
発泡剤:発泡温度が100℃以上である日本フィライト社製の「エクスパンセル551DU20」
イソシアネート系架橋剤:日本ポリウレタン工業社製のイソシアネート化合物であるトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体「コロネートL−45E」
ジオール化合物:ジエチレングリコール
(添加量)
発泡剤:固形分換算で共重合体100部に対して50部
イソシアネート系架橋剤:固形分換算で共重合体100部に対して1部
ジオール化合物:固形分換算で共重合体100部に対して0.5部
次に、各添加剤を添加した共重合体をトルエン:アセトン=3:1(重量比)の混合溶媒によって固形分が28重量%となるように調整し、塗布液を得た。そして、得られた塗布液を離型フィルム上に塗布し、80℃で10分間加熱して架橋反応させ、厚さ40μmの感温性粘着シートを得た。なお、離型フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にシリコーンを塗布した厚さ50μmのものを用いた。
<評価>
得られた感温性粘着シートについて、糊残り性および破断強度を評価した。各評価方法を以下に示すとともに、その結果を表1および図1に示す。
(糊残り性)
まず、ステンレス鋼板の表面に感温性粘着シートを加熱加圧しながら貼付した。加熱加圧の条件は、以下のとおりである。
[加熱加圧条件]
温度:70℃
圧力:30MPa
時間:5分
次に、ステンレス鋼板を感温性粘着シートの発泡剤が発泡する130℃にまで加熱し、感温性粘着シートを手でステンレス鋼板から剥離した。そして、感温性粘着シートを剥離した後のステンレス鋼板の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)によって倍率30〜150倍の写真を撮り、その写真内に存在する糊残り箇所を観察することによって糊残り性を評価した。
(破断強度)
まず、感温性粘着シートを2枚積層し、厚さ80μmの試験片を得た。次に、得られた試験片を用いて、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製の動的粘弾性測定装置「DMS6100」を用いて破断強度を測定した。測定条件は、以下のとおりである。
[測定条件]
張力レート:100mN/分
サンプル幅(試験片幅):5mm
測定時温度:25℃
[比較例]
まず、上述した実施例と同様にして共重合体を得た。次に、得られた共重合体にジオール化合物を添加しなかった以外は上述した実施例と同様にして発泡剤およびイソシアネート系架橋剤をこの順に添加して塗布液を得、得られた塗布液を離型フィルム上に塗布して架橋反応させて厚さ40μmの感温性粘着シートを得た。得られた感温性粘着シートについて、上述した実施例と同様にして糊残り性および破断強度を評価した。その結果を表1および図1に示す。
Figure 2015017179
表1から明らかなように、共重合体をジオール化合物の存在下でイソシアネート系架橋剤によって架橋反応させた実施例は、ジオール化合物を添加しなかった比較例よりも、糊残りの発生を著しく抑制できているのがわかる。また、図1に示した破断強度の測定結果において、曲線の終端部は試験片が破断したことを示している。図1から明らかなように、実施例は比較例よりも試験片が破断したときの荷重が大きいことから、破断強度が比較例よりも向上しているのがわかる。これは、共重合体間での架橋が進行して架橋密度が高くなったことに起因していると考えられる。

Claims (8)

  1. 少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートを重合させることによって得られる共重合体をジオール化合物とともにイソシアネート系架橋剤によって架橋反応させてなる、側鎖結晶性ポリマーを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度で粘着力が低下する、感温性粘着剤。
  2. 前記ジオール化合物が、ジエチレングリコールである、請求項1に記載の感温性粘着剤。
  3. 前記ジオール化合物の添加量が、前記イソシアネート系架橋剤の添加量よりも少ない、請求項1または2に記載の感温性粘着剤。
  4. 発泡剤をさらに含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  5. 半導体ウェハの仮固定用である、請求項1〜4のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の感温性粘着剤からなる、感温性粘着シート。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の感温性粘着剤からなる粘着剤層を、フィルム状の基材の片面または両面に積層してなる、感温性粘着テープ。
  8. 少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートを重合させることによって得られる共重合体をイソシアネート系架橋剤によって架橋反応させてなる、側鎖結晶性ポリマーを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度で粘着力が低下する、感温性粘着剤の架橋方法であって、前記架橋反応をジオール化合物の存在下で行う、感温性粘着剤の架橋方法。
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