JP5074716B2 - 粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、部品等を仮止めする際に用いる粘着シートに関する。
従来から、例えば電子部品、半導体ウエハ、液晶等の分野に利用される部品の仮止め用の粘着シートには、部品を所定の粘着力で固定でき、部品から剥離する際には、粘着力が低下して簡単に取り外せることが要求される。さらに、粘着シートの粘着剤層には、ズレやはみ出し等を抑制する上で、薄膜化が要求される。これらの粘着シートとしては、発泡粘着シートや、側鎖結晶性ポリマーを用いた粘着シートがある。
発泡粘着シートは、所定の感圧性接着剤に発泡剤を含有したものであって、加熱処理による発泡剤の膨脹ないし発泡で粘着力が低下する(例えば、特許文献1,2を参照)。
しかしながら、粘着剤層の粘着力の低下を重視すると、発泡剤の添加量を多くしなければならず、該粘着剤層を薄膜化することは困難である。すなわち、発泡剤を多く配合した粘着剤層を薄膜化すると、該粘着剤層表面に発泡剤由来の凹凸が発生して平滑性が低下するという問題がある。
一方、例えば特許文献3に記載されているような側鎖結晶性ポリマーを用いた粘着シートは、所定の感圧性接着剤に側鎖結晶性ポリマーを含有してなり、側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度にまで加熱処理をすると、該側鎖結晶性ポリマーが流動性を示すことにより、粘着剤層の粘着力が十分に低下する。例えば、特許文献3には、35℃以上に加温した時のステンレス鋼板に対する接着強度が、23℃でのステンレス鋼板に対する接着強度の10%以下であると記載されている。
しかしながら、側鎖結晶性ポリマーによる粘着力の低下であっても、完全に粘着力が消失するわけではないので、部品から取り外す際には、何らかの力を付与しなければならないという問題がある。
特開昭63−33487号公報 特開平5−43851号公報 特開2000−355684号公報
本発明の課題は、粘着剤層が、厚みが薄くかつ平滑性に優れ、しかも剥離する際には簡単に取り外すことができる粘着シートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、粘着剤層が、感圧性接着剤および側鎖結晶性ポリマーを含む感温性粘着剤と、発泡剤とを含有する場合には、該粘着剤層の厚みを5〜30μmと薄くしても該粘着剤層表面の平滑性に優れ、しかも剥離する際には簡単に取り外すことができるという新たな事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の粘着シートは、以下の構成からなる。
(1)粘着剤層を基材フィルムの片面または両面に設けた粘着シートであって、前記粘着剤層は、感圧性接着剤および側鎖結晶性ポリマーを含む感温性粘着剤と、発泡剤とを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度で粘着力の低下を発現すると共に、前記粘着剤層の厚さが5〜30μmであることを特徴とする粘着シート。
(2)前記側鎖結晶性ポリマーは、融点が50℃以上であり、融点未満の温度で結晶化しかつ融点以上の温度で流動性を示す前記(1)記載の粘着シート。
(3)前記側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量が3,000〜30,000である前記(1)または(2)記載の粘着シート。
(4)前記側鎖結晶性ポリマーが、感圧性接着剤100重量部に対して1〜20重量部の割合で含有されている前記(1)〜(3)のいずれかに記載の粘着シート。
(5)前記発泡剤が、感圧性接着剤100重量部に対して1〜30重量部の割合で含有されている前記(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着シート。
(6)23℃において、前記粘着剤層の粘着力が0.5〜10N/25mmである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の粘着シート。
本発明によれば、粘着シートの粘着剤層が側鎖結晶性ポリマーを含有するので、該側鎖結晶性ポリマーが融点以上の温度で流動性を示すことにより粘着剤層の粘着力が十分に低下する。したがって、粘着剤層中の発泡剤の含有量を少なくすることができるので、粘着剤層の厚みを薄くしても、粘着剤層表面に発泡剤由来の凹凸が発生することによる平滑性の低下が抑制される。すなわち、粘着剤層が、厚みが薄くかつ平滑性に優れるという効果がある。しかも、該粘着剤層の粘着力を低下させる際には、側鎖結晶性ポリマーによる粘着力の低下に加えて発泡剤による粘着力の低下も加わるので、簡単に取り外すことができる。
本発明の粘着シートは、粘着剤層を基材フィルムの片面または両面に設けたものである。
<粘着剤層>
本発明における粘着剤層は、感温性粘着剤と発泡剤とを含有したものであり、厚さは5〜30μm、好ましくは5〜20μmである。前記感温性粘着剤とは、温度変化に対応して粘着力が変化する粘着剤を意味する。本発明における感温性粘着剤は、感圧性接着剤と側鎖結晶性ポリマーとを含有し、該側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度で粘着力が低下する。
(感圧性接着剤)
感圧性接着剤は、粘着性を有するポリマーであればよく、特に限定されるものではないが、例えば天然ゴム接着剤;合成ゴム接着剤;スチレン/ブタジエンラテックスベース接着剤;ブロック共重合体型の熱可塑性ゴム;ブチルゴム;ポリイソブチレン;アクリル接着剤;ビニルエーテルの共重合体等が挙げられる。特に、本発明では、アクリル接着剤が好ましく、炭素数1〜12のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル[以下、(メタ)アクリレートという]を主成分とする共重合体であるのがよく、例えばエチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上を重合させるのが好ましい。
(側鎖結晶性ポリマー)
側鎖結晶性ポリマーは、融点未満の温度で結晶化しかつ融点以上の温度で流動性を示すのが好ましい。すなわち、温度変化に対応して結晶状態と流動状態を可逆的に起こすポリマーであるのがよい。これにより、融点未満の温度では、側鎖結晶性ポリマーが結晶状態であることにより、感温性粘着剤は所定の粘着力を確保することができ、融点以上の温度では、側鎖結晶性ポリマーが流動状態となることにより、感温性粘着剤の粘着力を十分に低下させることができる。したがって、本発明の粘着剤層は、前記側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度で粘着力の低下を発現する。
本発明において融点とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていたポリマーの特定部分が無秩序状態となる温度を意味し、示差熱走査熱量計(DSC)で、10℃/分の測定条件で測定して得られた値である。本発明では、側鎖結晶性ポリマーの融点は50℃以上、好ましくは50〜70℃であるのがよい。これにより、側鎖結晶性ポリマーは室温下で結晶化しているので、作業性が向上する。
側鎖結晶性ポリマーの組成としては、例えば炭素数16以上、好ましくは炭素数16〜22の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート30〜99重量部と、炭素数1〜6のアルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル0〜70重量部と、極性モノマー1〜10重量部とを重合させて得られる重合体等が挙げられる。
炭素数16以上の直鎖状アルキル基を側鎖とする(メタ)アクリレートとしては、例えばセチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数16〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。極性モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有エチレン不飽和単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するエチレン不飽和単量体等が挙げられる。
前記重合体、すなわち側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量は3,000〜30,000、好ましくは5,000〜25,000であるのがよい。重量平均分子量がこの範囲内であると、側鎖結晶性ポリマーが融点以上の温度で流動性を示した際には、粘着剤層の粘着力が十分に低下する。これに対し、重量平均分子量が3,000未満であると、粘着シートを部品から取外す際には、粘着剤層が部品上に残る、いわゆる糊残りが多くなるおそれがある。また、重量平均分子量が30,000を超えると、粘着力が低下しにくくなるおそれがある。前記重量平均分子量は、側鎖結晶性ポリマーをゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
側鎖結晶性ポリマーは、感圧性接着剤100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の割合で含有されているのがよい。これにより、側鎖結晶性ポリマーが融点以上の温度で流動性を示した際には、粘着剤層の粘着力が十分に低下する。これに対し、側鎖結晶性ポリマーの含有量が1重量部未満であると、粘着剤層を側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度まで加熱しても、粘着力が低下しにくくなる。また、20重量部より多いと、糊残りが多くなるおそれがある。
側鎖結晶性ポリマーは、前記感圧性接着剤と非相溶であるのが好ましい。これにより、側鎖結晶性ポリマーが、母材である感圧性接着剤(海)に対して非相溶(連続性のない島)に分散し、いわゆる海島構造を形成した状態となるので、感温性粘着剤の形状追従性や密着性が向上すると共に、側鎖結晶性ポリマーが流動性を示した際には、感温性粘着剤の粘着力が低下しやすくなる。
(発泡剤)
発泡剤としては、特に限定されるものではなく、通常の化学発泡剤、物理発泡剤がいずれも採用可能である。化学発泡剤には、熱分解型および反応型の有機系発泡剤ならびに無機系発泡剤が包含される。
熱分解型の有機系発泡剤としては、例えば各種のアゾ化合物(アゾジカルボンアミド等)、ニトロソ化合物(N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等)、ヒドラジン誘導体[4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等]、セミカルバジド化合物(ヒドラゾジカルボンアミド等)、アジド化合物、テトラゾール化合物等が挙げられ、反応型の有機系発泡剤としては、例えばイソシアネート化合物等が挙げられる。
熱分解型の無機系発泡剤としては、例えば重炭酸塩・炭酸塩(炭酸水素ナトリウム等)、亜硝酸塩・水素化物等が挙げられ、反応型の無機系発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウムと酸との組み合わせ、過酸化水素とイースト菌との組み合わせ、亜鉛粉末と酸との組み合わせ等が挙げられる。
物理発泡剤としては、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロエタン、ジクロロメタン等の塩化炭素水素類、フロン等のフッ化塩化炭化水素類等の有機系物理発泡剤;空気、炭酸ガス、窒素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
また、他の発泡剤として、マイクロカプセル化された熱膨張性微粒子(いわゆるマイクロバルーン発泡剤)を採用することができる。マイクロバルーン発泡剤とは、熱可塑性または熱硬化性樹脂で作られたポリマー殻の内部に、固体、液体または気体からなる加熱膨張性物質を封入したものである。このマイクロバルーン発泡剤は加熱によって体積が40倍以上も膨張し、独立気泡形式の発泡体が得られる。したがって、マイクロバルーン発泡剤は、通常の発泡剤に比べて、発泡倍率がかなり大きくなるという特性を有する。
ここで、本発明では、感温性粘着剤中に含有される側鎖結晶性ポリマーが融点以上の温度で流動性を示すことにより粘着力が十分に低下するので、粘着剤層中の発泡剤の含有量を少なくすることができる。具体的には、発泡剤は、感圧性接着剤100重量部に対して1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で含有されているのがよい。これにより、粘着剤層の厚みを5〜30μm、好ましくは5〜20μmと薄くしても優れた平滑性を有することができる。これに対し、発泡剤の含有量が1重量部未満であると、粘着力が低下しにくくなり、30重量部より多いと、粘着剤層の表面に発泡剤由来の凹凸が発生して平滑性が低下するおそれがあるので好ましくない。
発泡剤が膨脹ないし発泡する温度は、特に限定されるものではないが、通常180℃以下であるのがよく、塗工乾燥時に発泡するのを抑制する上で、80℃以上の温度であるのが好ましい。発泡剤の平均粒径は、特に限定されるものではないが、通常5〜50μm程度である。前記平均粒径は、粒度分布測定装置で測定して得られた値である。
<基材フィルム>
基材フィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンポリプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂フィルムのシートが挙げられる。また、該フィルムは、単層体またはこれらの複層体からなるものであってもよく、厚さは、通常、5〜500μm程度である。基材フィルムの表面には、粘着剤層に対する密着性を向上させるため、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理等の表面処理を施してもよい。
この基材フィルムの片面または両面に上記で説明した粘着剤層が設けられる。粘着剤層を基材フィルムに設けるには、一般的にナイフコーター、ロールコーター、カレンダーコーター、コンマコーター等が多く用いられる。また、塗工厚みや材料の粘度によっては、グラビアコーター、ロッドコーター等により行うことができる。粘着剤層の厚さは、上記した通り、5〜30μm、好ましくは5〜20μmである。これに対し、厚みが5μmより薄いと、部品を固定することができず、30μmより厚いと、粘着剤層のズレやはみ出しが発生する。
上記のようにして基材フィルムの片面または両面に設けられた粘着剤層は、23℃において、粘着剤層の粘着力が0.5〜10N/25mmであるのが好ましい。これにより、粘着剤層が室温下で所定の粘着力を示すことができるので、作業性が向上する。
一方、前記粘着力が0.5N/25mm未満であると、部品を固定できないおそれがあり、10N/25mmを超えると、粘着力を十分に低下させることができず、部品から取り外すことができないおそれがある。前記粘着力は、JIS Z0237に準じて測定して得られた値である。上記融点や粘着力を所定の値とするには、側鎖結晶性ポリマーの構造、粘着剤層の処方(例えば、感圧性接着剤の組成・粘着剤層の厚み・配合)等を変えることによって任意に行うことができる。
また、上記粘着剤層の凝集力を上げるために、架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、例えばイソシアネート系化合物・アジリジン系化合物・エポキシ系化合物・金属キレート系化合物等が挙げられる。粘着剤層には、必要に応じて可塑剤、タッキファイヤー、フィラー等のような任意の成分を添加することができる。タッキファイヤーとしては、例えば特殊ロジンエステル系、テルペンフェノール系、石油樹脂系、高水酸基価ロジンエステル系、水素添加ロジンエステル系等があげられる。
次に、本発明の粘着シートを使用する一例について、図面に基づいて説明する。図1は本発明の粘着シートを用いて積層セラミックコンデンサを製造する方法を示す概略説明図である。まず、セラミック粉末のスラリーをドクターブレードで薄く延ばしてセラミックのグリーンシートを形成し、該グリーンシートの表面に電極を印刷する。次に、電極を印刷したグリーンシートを含む複数のグリーンシートを積層してグリーンシートの積層体3を形成する。この積層体3を加熱および加圧して一体化した後、図1(a)に示すように、本発明の粘着シート2を介して台座1上に固定する。
このとき、粘着シート2は、基材フィルムの両面に粘着剤層が設けられているので、片面に設けられた粘着剤層が積層体3に、他面に設けられた粘着剤層が台座1にそれぞれ所定の粘着力で貼着するが、粘着剤層の厚みが5〜30μmであるので、粘着剤層のズレやはみ出しが抑制され、さらに該粘着剤層の表面は平滑性に優れているので、積層体3は粘着シート2を介して台座1上に確実に固定される。
固定後、積層体3を切断する。切断は、図1(b)に示すように、切断刃4による押し切りでもよく、回転刃による切断であってもよい。ここで、切断の際には、積層体が切断刃4に押されて横方向へ移動するのを、粘着シート2によって抑えることができる。このようにして、複数の切断片5(チップ)を形成する。
次に、粘着シート2を加熱処理する。該加熱は、粘着剤層中の側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度でありかつ発泡剤が膨張ないし発泡する温度にまで加熱する。これにより、側鎖結晶性ポリマーが融点以上の温度で流動性を示し、さらに発泡剤が膨脹ないし発泡するので、粘着剤層の粘着力が十分に低下する。この状態で、図1(c)に示すように、切断片5を粘着シート2から取り出すので、切断片5を粘着シート2から簡単に取り外すことができる。その後、切断片5を仮焼成工程、本焼成工程へ送って焼成し、端面に外部電極を形成してチップ形の積層セラミックコンデンサが得られる。
なお、上記では積層セラミックコンデンサに使用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば積層セラミックインダクター、抵抗器、フェライト、センサー素子、サーミスタ、バリスタ、圧電セラミック等のセラミック電子部品、半導体ウエハ、液晶等の製造にも同様にして適用可能である。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明の粘着シートを詳細に説明するが、本発明は以下の合成例および実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明で「部」は重量部を意味する。
(合成例1:感圧性接着剤)
エチルへキシルアクリレート(日本触媒社製)を52部、メチルアクリレート(日本油脂社製)を40部、ヒドロキシエチルアクリレート(日本触媒社製)を8部およびパーブチルND(日本油脂社製)を0.5部の割合で、それぞれ酢酸エチル/n−ヘプタン(7対3)230部の中へ混合し、60℃で5時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は47万であった。
(合成例2:側鎖結晶性ポリマー)
ベヘニルアクリレート(日本油脂社製)を40部、ステアリルアクリレート(日本油脂社製)を35部、メチルアクリレート(日本触媒社製)を20部、アクリル酸(日本油脂社製)を5部、ドデシルメルカプタン(日本油脂社製)を6部およびパーへキシルPV(日本油脂社製)を1部の割合で、それぞれトルエン100部に混合し、80℃で5時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は7,900、融点は51℃であった。
合成例1,2の共重合体を表1に示す。なお、前記重量平均分子量は、共重合体をゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。また、合成例2の共重合体の融点は、示差熱走査熱量計(DSC)で、10℃/分の測定条件で測定した。
[実施例1〜4および比較例1〜7]
<粘着シートの作成>
まず、上記で得た感圧性接着剤および側鎖結晶性ポリマーを表2に示す組み合わせで用いて、共重合体溶液を調製した。ついで、この共重合体溶液に、発泡剤を表2に示す組み合わせで添加した。なお、発泡剤としては、マイクロカプセル化された熱膨張性微粒子(EXPANCEL社製の「009DU80」)を用いた。また、表2中、側鎖結晶性ポリマーの添加量は、感圧性接着剤100重量部に対する値であり、発泡剤の添加量は、感圧性接着剤100重量部に対する値である。
この共重合体溶液を基材フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の片面に塗布、乾燥させて表2に示す厚みを有する粘着剤層を形成して、各粘着シートを得た(表2中の実施例1〜4および比較例1〜7)。
<評価>
上記で得た各粘着シートについて、剥離強度、剥離性および表面性をそれぞれ評価した。各評価方法を以下に示すと共に、結果を表2に併せて示す。
(剥離強度)
23℃におけるステンレス鋼板(SUS)に対する剥離強度(粘着力)をJIS Z0237に準じて測定した。
(剥離性)
粘着シートを23℃でステンレス鋼板(SUS)に貼着させた後、150℃(側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度であり、発泡剤が膨張する温度)まで昇温することにより、粘着シートがSUSからテープの自重のみで剥離するか否かを目視観察した。なお、判定基準は以下のものを用いた。
○:テープの自重のみで剥離した
×:剥離しない
(表面性)
粘着シートの粘着剤層表面を目視観察した。なお、判定基準は以下のものを用いた。
○:平滑である
×:発泡剤由来の凹凸がある
表2から明らかなように、実施例1〜4の粘着シートは、粘着剤層の厚みを5μmおよび20μmと薄くしても表面性(平滑性)に優れ、しかも剥離性にも優れているのがわかる。これに対し、比較例1〜4の粘着シートは、側鎖結晶性ポリマーを含まないため剥離性に劣る結果を示した。また、側鎖結晶性ポリマーを含まず、発泡剤の添加量が50部である比較例5の粘着シートは、厚みを20μmとすると、表面性(平滑性)に劣る結果を示した。比較例6および比較例7の粘着シートは、発泡剤を含まないため剥離性に劣る結果を示した。
本発明の粘着シートを用いて積層セラミックコンデンサを製造する方法を示す概略説明図である。
符号の説明
1 台座
2 粘着シート
3 積層体
4 切断刃
5 切断片

Claims (5)

  1. 粘着剤層を基材フィルムの片面または両面に設けた粘着シートであって、
    前記粘着剤層は、感圧性接着剤および側鎖結晶性ポリマーを含む感温性粘着剤と、発泡剤とを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度で粘着力の低下を発現すると共に、厚さが5〜20μmであり、
    前記側鎖結晶性ポリマーは、重量平均分子量が3,000〜30,000であることを特徴とする粘着シート。
  2. 前記側鎖結晶性ポリマーは、融点が50℃以上であり、融点未満の温度で結晶化しかつ融点以上の温度で流動性を示す請求項1記載の粘着シート。
  3. 前記側鎖結晶性ポリマーが、感圧性接着剤100重量部に対して1〜20重量部の割合で含有されている請求項1または2記載の粘着シート。
  4. 前記発泡剤が、感圧性接着剤100重量部に対して1〜30重量部の割合で含有されている請求項1〜のいずれかに記載の粘着シート。
  5. 23℃において、前記粘着剤層の粘着力が0.5〜10N/25mmである請求項1〜のいずれかに記載の粘着シート。
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