JP2018058937A - 感温性粘着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定性および剥離性に優れるとともに、残渣が少ない感温性粘着剤を提供することである。【解決手段】融点未満の温度で結晶化し、かつ前記融点以上の温度で流動性を示す側鎖結晶性ポリマーと、発泡剤と、を含有し、前記側鎖結晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg)が、5℃以上であり、かつ前記発泡剤の発泡温度未満の温度であり、前記融点以上であり、かつ前記発泡剤の発泡温度未満の温度を経た後の23℃の雰囲気温度におけるポリエチレンテレフタレートフィルムに対する180°剥離強度が、0.2〜5.0N/25mmである、感温性粘着剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、感温性粘着剤に関する。
感温性粘着剤は、融点未満の温度で結晶化し、かつ融点以上の温度で流動性を示す側鎖結晶性ポリマーを含有する粘着剤であり、発泡剤をさらに含有するものも知られている(例えば、特許文献1参照)。感温性粘着剤は、テープまたはシートなどに加工されて、ウエハの研磨工程などで仮固定材として使用されている。このような用途に使用される感温性粘着剤は、固定性および剥離性に優れるのが望ましい。
また、上述した用途に使用される感温性粘着剤は、残渣が少ないのが望ましい。すなわち、感温性粘着剤をウエハなどの被着体から剥離したとき、被着体の全面にシミ状の残渣(糊残り)が発生することがある。残渣が多いと、洗浄工程が必要になり、生産性が低下する。また、被着体から剥離するときに被着体を損傷するおそれもある。
特開2011−236291号公報
本発明の課題は、固定性および剥離性に優れるとともに、残渣が少ない感温性粘着剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)融点未満の温度で結晶化し、かつ前記融点以上の温度で流動性を示す側鎖結晶性ポリマーと、発泡剤と、を含有し、前記側鎖結晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg)が、5℃以上であり、かつ前記発泡剤の発泡温度未満の温度であり、前記融点以上であり、かつ前記発泡剤の発泡温度未満の温度を経た後の23℃の雰囲気温度におけるポリエチレンテレフタレートフィルムに対する180°剥離強度が、0.2〜5.0N/25mmである、感温性粘着剤。
(2)前記発泡剤の含有量が、側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して20〜100重量部である、前記(1)に記載の感温性粘着剤。
(3)前記側鎖結晶性ポリマーは、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートおよび極性モノマーをモノマー成分として含むとともに、前記炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしてメチルアクリレートまたはエチルアクリレートを含む、前記(1)または(2)に記載の感温性粘着剤。
(4)前記融点が、30℃以上であり、かつ前記発泡剤の発泡温度未満の温度である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(5)23℃における貯蔵弾性率G’が、6×106〜8×107Paである、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(6)60℃における貯蔵弾性率G’が、8×104〜1×106Paである、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(7)ウエハの仮固定用である、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の感温性粘着剤を含む、感温性粘着シート。
(9)フィルム状の基材と、前記基材の少なくとも片面に積層されており前記(1)〜(7)のいずれかに記載の感温性粘着剤を含む粘着剤層と、を備える、感温性粘着テープ。
本発明によれば、固定性および剥離性(発泡剥離性)に優れるとともに、残渣が少ないという効果がある。
<感温性粘着剤>
以下、本発明の一実施形態に係る感温性粘着剤について詳細に説明する。
本実施形態の感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーおよび発泡剤を含有する。
(側鎖結晶性ポリマー)
側鎖結晶性ポリマーは、融点を有するポリマーである。融点とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていたポリマーの特定部分が無秩序状態になる温度であり、示差熱走査熱量計(DSC)によって10℃/分の測定条件で測定して得られる値のことを意味するものとする。
側鎖結晶性ポリマーは、上述した融点未満の温度で結晶化し、かつ融点以上の温度では相転移して流動性を示す。すなわち、側鎖結晶性ポリマーは、温度変化に対応して結晶状態と流動状態とを可逆的に起こす感温性を有する。これにより、感温性粘着剤の温度を、融点以上の温度であり、かつ発泡剤の発泡温度よりも低い温度にして側鎖結晶性ポリマーを流動させれば、感温性粘着剤が粘着力を発現することから、被着体に貼着することが可能となる。また、側鎖結晶性ポリマーを流動させると、感温性粘着剤が被着体の表面に存在する微細な凹凸形状に追従するようになる。そして、この状態の感温性粘着剤を融点未満の温度に冷却すると、側鎖結晶性ポリマーが結晶化することによっていわゆるアンカー効果が発現し、その結果、被着体を高い固定力で固定することが可能となる。さらに、感温性粘着剤を発泡剤の発泡温度に加熱すると、側鎖結晶性ポリマーが流動性を示すことによって感温性粘着剤の凝集力が低下するとともに、発泡剤も発泡することから、上述した固定力を十分に低下させることができ、被着体から簡単に剥離することができる。したがって、本実施形態の感温性粘着剤は、上述した融点以上であり、かつ発泡剤の発泡温度未満の温度で貼着した被着体を、融点未満の温度で固定し、さらに発泡剤の発泡温度で剥離する粘着剤として使用することができる。
本実施形態の感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーが流動性を示したときに被着体に貼着することができ、かつ側鎖結晶性ポリマーが結晶化したときに被着体を固定できる割合で側鎖結晶性ポリマーを含有する。
ここで、本実施形態の感温性粘着剤が含有する側鎖結晶性ポリマーは、そのガラス転移温度(Tg)が、5℃以上であり、かつ発泡剤の発泡温度未満の温度である。これにより、感温性粘着剤の凝集力が適度に高くなり、その結果、固定性および剥離性のバランスが優れたものになり、感温性粘着剤の残渣を少なくすることも可能となる。ガラス転移温度(Tg)は、好ましくは10〜80℃、より好ましくは10〜50℃、さらに好ましくは10〜25℃である。ガラス転移温度(Tg)は、後述する実施例に記載の測定方法で測定して得られる値である。ガラス転移温度(Tg)は、例えば、側鎖結晶性ポリマーの組成などを変えることによって調整することができる。
側鎖結晶性ポリマーは、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートおよび極性モノマーをモノマー成分として含むのがよい。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートのことを意味するものとする。
炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートは、その炭素数16以上の直鎖状アルキル基が側鎖結晶性ポリマーにおける側鎖結晶性部位として機能する。すなわち、側鎖結晶性ポリマーは、側鎖に炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する櫛形のポリマーであり、この側鎖が分子間力などによって秩序ある配列に整合されることにより結晶化する。
炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどの炭素数16〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。例示した(メタ)アクリレートは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。例示した(メタ)アクリレートは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
極性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和単量体などが挙げられる。例示した極性モノマーは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
モノマー成分中における上述した各モノマーの割合は、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが20〜90重量%、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが9〜70重量%、極性モノマーが1〜10重量%であるのがよい。
側鎖結晶性ポリマーは、上述した炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとして、メチルアクリレートまたはエチルアクリレートを含むのがよい。これにより、側鎖結晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg)が上述した特定の値になる傾向がある。側鎖結晶性ポリマーがメチルアクリレートを含むときは、ブチルアクリレートを併用するのがよい。
側鎖結晶性ポリマーの好ましい組成としては、例えば、ベヘニルアクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレートおよび2−ヒドロキシエチルアクリレートをモノマー成分として含む組成(A)、ベヘニルアクリレート、エチルアクリレートおよび2−ヒドロキシエチルアクリレートをモノマー成分として含む組成(B)などが挙げられる。
組成(A)のとき、各モノマーの割合は、ベヘニルアクリレートが30〜55重量%、メチルアクリレートが20〜30重量%、ブチルアクリレートが20〜30重量%、2−ヒドロキシエチルアクリレートが5〜10重量%であるのがよい。組成(B)のとき、各モノマーの割合は、ベヘニルアクリレートが30〜55重量%、エチルアクリレートが40〜60重量%、2−ヒドロキシエチルアクリレートが5〜10重量%であるのがよい。
モノマー成分の重合方法としては、例えば、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法などが挙げられる。溶液重合法を採用する場合には、モノマー成分と溶媒とを混合し、必要に応じて重合開始剤、連鎖移動剤などを添加して、撹拌しながら40〜90℃で2〜10時間反応させればよい。
側鎖結晶性ポリマーの融点は、30℃以上であり、かつ発泡剤の発泡温度未満の温度であるのがよい。これにより、室温(23℃)において、側鎖結晶性ポリマーが結晶状態にあることから感温性粘着剤が粘着力を発現しておらず、それゆえ感温性粘着剤の取り扱い性が良好になり、結果として作業性を向上させることができる。融点は、好ましくは30〜60℃、より好ましく40〜50℃、さらに好ましくは45〜50℃である。融点は、側鎖結晶性ポリマーの組成などを変えることによって調整することができる。
側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは50万〜90万、より好ましくは60万〜85万である。重量平均分子量は、側鎖結晶性ポリマーをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
(発泡剤)
発泡剤としては、一般的な化学発泡剤および物理発泡剤のいずれもが採用可能である。化学発泡剤には、熱分解型および反応型の有機系発泡剤ならびに無機系発泡剤が含まれる。
熱分解型の有機系発泡剤としては、例えば、各種のアゾ化合物(アゾジカルボンアミドなど)、ニトロソ化合物(N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなど)、ヒドラジン誘導体[4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)など]、セミカルバジド化合物(ヒドラゾジカルボンアミドなど)、アジド化合物、テトラゾール化合物などが挙げられる。反応型の有機系発泡剤としては、例えば、イソシアネート化合物などが挙げられる。
熱分解型の無機系発泡剤としては、例えば、重炭酸塩・炭酸塩(炭酸水素ナトリウムなど)、亜硝酸塩・水素化物などが挙げられる。反応型の無機系発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウムと酸との組み合わせ、過酸化水素とイースト菌との組み合わせ、亜鉛粉末と酸との組み合わせなどが挙げられる。
物理発泡剤としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロエタン、ジクロロメタンなどの塩化炭素水素類、フロンなどのフッ化塩化炭化水素類などの有機系物理発泡剤;空気、炭酸ガス、窒素ガスなどの無機系物理発泡剤などが挙げられる。
また、他の発泡剤として、マイクロカプセル化された熱膨張性微粒子である、いわゆるマイクロバルーン発泡剤を採用することができる。マイクロバルーン発泡剤は、熱可塑性または熱硬化性樹脂によって構成されているポリマー殻の内部に、固体、液体または気体からなる加熱膨張性物質を封入したものである。言い換えれば、マイクロバルーン発泡剤は、マイクロオーダーの平均粒径を有する中空状のポリマー殻と、ポリマー殻の内部に封入されている加熱膨張性物質と、を備えるものである。マイクロバルーン発泡剤は加熱によって体積が40倍以上に膨張し、独立気泡形式の発泡体が得られる。したがって、マイクロバルーン発泡剤は、通常の発泡剤に比べて、発泡倍率がかなり大きくなるという特性を有する。上述したマイクロバルーン発泡剤は、市販品を使用することができる。市販のマイクロバルーン発泡剤としては、例えば、EXPANCEL社製の「551DU40」などが挙げられる。
発泡剤の発泡温度は、上述した側鎖結晶性ポリマーの融点よりも高い温度である。発泡剤の発泡温度は、好ましくは90℃以上である。発泡剤の発泡温度とは、発泡剤が膨張ないし発泡を開始する温度のことを意味するものとする。
発泡剤の平均粒径は、好ましくは5〜50μm、より好ましくは5〜20μmであるが、これらに限定されるものではない。平均粒径は、粒度分布測定装置で測定して得られる値である。
発泡剤の含有量は、側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して、好ましくは20〜100重量部、より好ましくは20〜50重量部、さらに好ましくは20重量部以上40重量部未満である。これにより、被着体を強固に固定することができ、発泡剤が発泡したときは被着体を簡単に剥離することができる。
ここで、上述した側鎖結晶性ポリマーと発泡剤を含有する本実施形態の感温性粘着剤は、融点以上であり、かつ発泡剤の発泡温度未満の温度を経た後の23℃の雰囲気温度におけるポリエチレンテレフタレートフィルムに対する180°剥離強度が、0.2〜5.0N/25mm、好ましくは0.5〜3.0N/25mm、より好ましくは1.0〜2.0N/25mmである。これにより、室温(23℃)で被着体を強固に固定することが可能となる。また、粘着力が高すぎることによる剥離不良の発生を抑制することができる。上述した180°剥離強度は、JIS Z0237に準拠して測定される値である。
感温性粘着剤は、23℃における貯蔵弾性率G’が、好ましくは6×106〜8×107Pa、より好ましくは2.5×107〜4.5×107Paである。また、感温性粘着剤は、60℃における貯蔵弾性率G’が、好ましくは8×104〜1×106Pa、より好ましくは2.5×105〜3.5×105Paである。感温性粘着剤がこのような貯蔵弾性率G’を有すると、固定性および剥離性が向上し、さらに残渣が少なくなる傾向がある。各温度における貯蔵弾性率G’は、動的粘弾性測定装置で測定して得られる値である。
(架橋剤)
感温性粘着剤は、架橋剤をさらに含有していてもよい。架橋剤としては、例えば、金属キレート化合物、アジリジン化合物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物などが挙げられる。架橋剤の含有量は、側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部である。架橋反応は、感温性粘着剤を加熱乾燥することによって行うことができる。加熱乾燥の条件としては、温度が70〜80℃、時間が1分〜20分であるのがよい。
上述した感温性粘着剤の使用形態は、特に限定されず、例えば、そのまま使用してもよいし、下記で説明するように、粘着シート、粘着テープなどの形態で使用してもよい。
<感温性粘着シート>
本実施形態の感温性粘着シートは、上述した感温性粘着剤を含むものであり、基材レスのシート状である。感温性粘着シートの厚さは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは5〜50μmである。
感温性粘着シートの表面には、離型フィルムを積層してもよい。離型フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどからなるフィルムの表面に、シリコーンなどの離型剤を塗布したものが挙げられる。離型フィルムの厚さは、好ましくは5〜500μm、より好ましくは25〜250μmである。離型フィルムは、感温性粘着シートの使用時に剥離すればよい。
<感温性粘着テープ>
本実施形態の感温性粘着テープは、フィルム状の基材と、基材の少なくとも片面に積層されている粘着剤層とを備えている。フィルム状とは、フィルム状のみに限定されるものではなく、本実施形態の効果を損なわない限りにおいて、フィルム状ないしシート状をも含む概念である。
基材の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンポリプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂が挙げられる。
基材の構造は、単層構造または多層構造のいずれであってもよい。基材の厚さは、好ましくは5〜500μm、より好ましくは25〜250μmである。基材は、粘着剤層に対する密着性を高めるうえで、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理などが挙げられる。
基材の少なくとも片面に積層されている粘着剤層は、上述した感温性粘着剤を含むものである。粘着剤層を基材の少なくとも片面に積層するには、例えば、感温性粘着剤に溶剤を加えて塗布液を調製し、得られた塗布液をコーターなどで基材の片面または両面に塗布して乾燥させればよい。コーターとしては、例えば、ナイフコーター、ロールコーター、カレンダーコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ロッドコーターなどが挙げられる。
粘着剤層の厚さは、好ましくは5〜100μm、より好ましくは5〜50μmである。
基材の両面に粘着剤層を積層する場合には、片面の粘着剤層と他面の粘着剤層は、互いの厚さ、組成などが、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、片面の粘着剤層が上述した感温性粘着剤からなる限り、他面の粘着剤層は特に限定されない。他面の粘着剤層は、例えば、感圧性接着剤で構成することもできる。感圧性接着剤としては、例えば、天然ゴム接着剤、合成ゴム接着剤、スチレン−ブタジエンラテックスベース接着剤、アクリル系接着剤などが挙げられる。
感温性粘着テープの表面には、離型フィルムを積層してもよい。離型フィルムとしては、上述した感温性粘着シートで例示したのと同じものが挙げられる。離型フィルムは、感温性粘着テープの使用時に剥離すればよい。
上述した本実施形態の感温性粘着剤は、被着体を加工するときは被着体を強固に固定することができ、被着体を加工した後は被着体を簡単に剥離することができ、しかも剥離した被着体に残渣が少ないことが要求される分野の仮固定材として好適に使用することができる。具体例を挙げると、本実施形態の感温性粘着剤は、ウエハの研磨工程における仮固定材として使用することができる。言い換えれば、本実施形態の感温性粘着剤をウエハの仮固定用として使用すると、ウエハの精密研磨が可能となる。ウエハとしては、例えば、サファイアウエハなどが挙げられる。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の合成例および実施例のみに限定されるものではない。
(合成例1〜2および比較合成例1〜3)
まず、表1に示すモノマーを表1に示す割合で反応容器に加えた。表1に示すモノマーは、以下のとおりである。
C22A:ベヘニルアクリレート
C1A:メチルアクリレート
C2A:エチルアクリレート
C4A:ブチルアクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
次に、重合開始剤として日油社製の「パーブチルND」をモノマー混合物100重量部に対して0.5重量部、酢酸エチルをモノマー混合物100重量部に対して230重量部の割合で反応容器にそれぞれ加えて混合液を得た。そして、得られた混合液を55℃で4時間撹拌することによって各モノマーを共重合させて側鎖結晶性ポリマーを得た。
得られた側鎖結晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg)、重量平均分子量および融点を表1に示す。なお、融点は、DSCを使用して10℃/分の測定条件で測定した値である。重量平均分子量は、GPCで測定して得られた測定値をポリスチレン換算した値である。ガラス転移温度(Tg)は、以下のようにして測定した値である。
(ガラス転移温度(Tg))
サーモサイエンティフィック(Thermo Scientific)社製の動的粘弾性測定装置「HAAKE MARSIII」を使用して、20Hz、5℃/分、−100〜400℃の昇温過程でtanδを測定し、得られたtanδのピーク温度からガラス転移温度(Tg)を求めた。
Figure 2018058937
[実施例1〜2および比較例1〜6]
<感温性粘着シートの作製>
まず、合成例1〜2および比較合成例1〜3で得た各側鎖結晶性ポリマーを表2に示す組み合わせで使用し、かつ発泡剤および架橋剤を表2に示す割合で添加して感温性粘着剤を得た。なお、表2に示す発泡剤および架橋剤の添加量は、固形分換算で側鎖結晶性ポリマー100重量部に対する値である。
添加した発泡剤および架橋剤は、以下のとおりである。
発泡剤:平均粒径が10〜16μmであり、発泡温度が90℃以上であるEXPANCEL社製のマイクロバルーン発泡剤「551DU40」
架橋剤:日本ポリウレタン工業社製のイソシアネート化合物「コロネートL−45E」
次に、得られた感温性粘着剤を離型フィルム上に塗布し、80℃で10分間加熱して架橋反応させて、厚さ40μmの感温性粘着シートを得た。なお、離型フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にシリコーンを塗布した厚さ50μmのものを使用した。
<評価>
得られた感温性粘着シートについて、23℃における180°剥離強度、固定性、剥離性、残渣、貯蔵弾性率G’を評価した。各評価方法を以下に示すとともに、その結果を表2に示す。
(23℃における180°剥離強度)
23℃の雰囲気温度におけるポリエチレンテレフタレートフィルムに対する180°剥離強度をJIS Z0237に準拠して測定した。具体的には、まず、融点以上であり、かつ発泡剤の発泡温度未満の温度である60℃の雰囲気温度において、感温性粘着シートの片面を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに貼着し、他面をガラス台座に貼着した。次に、60℃の雰囲気温度で20分間静置した後、雰囲気温度を23℃に下げ、この雰囲気温度で20分間静置した後、ロードセルを使用して300mm/分の速度で180°剥離し、感温性粘着シートおよびポリエチレンテレフタレートフィルム間の180°剥離強度を測定した。
(固定性)
上述した23℃における180°剥離強度の測定結果から固定性を以下の基準で評価した。
〇:23℃の雰囲気温度における180°剥離強度が、0.2〜5.0N/25mmである。
×:23℃の雰囲気温度における180°剥離強度が、0.2〜5.0N/25mmでない。
(剥離性)
まず、60℃の雰囲気温度で感温性粘着シートをガラス板に貼着した。ガラス板は、直径が50mm、厚さが500μm、形状が円形であるサファイア製のものを使用した。次に、この雰囲気温度で20分間静置した後、雰囲気温度を60℃から23℃に下げ、この雰囲気温度で20分間静置した後、雰囲気温度を23℃から90℃まで上げ、この雰囲気温度でガラス板が自重のみで感温性粘着シートから剥離する時間を測定した。なお、評価基準は、以下のように設定した。
〇:90℃昇温後10分以内にガラス板が自重のみで感温性粘着シートから剥離する。
×:90℃昇温後10分を超えてもガラス板が自重のみで感温性粘着シートから剥離しない。
(残渣)
上述した剥離性の評価において、剥離後のガラス板表面を目視観察することによって、残渣を評価した。なお、評価基準は、以下のように設定した。
〇:残渣が少ない。
△:実使用上問題のない範囲において、残渣がある。
×:全面にシミ状の残渣がある。
(貯蔵弾性率G’)
23℃および60℃における各貯蔵弾性率G’は、サーモサイエンティフィック(Thermo Scientific)社製の動的粘弾性測定装置「HAAKE MARSIII」を使用して、1Hz、5℃/分、0〜200℃の昇温過程で測定した。
Figure 2018058937
表2から明らかなように、実施例1〜2は、固定性および剥離性に優れ、残渣も少ないことがわかる。これに対し、比較例1は、23℃の雰囲気温度における180°剥離強度が0.2N/25mm未満であり、ウエハの研磨時に必要な固定性に劣る結果を示した。ガラス転移温度(Tg)が5℃未満である比較例2〜6は、残渣が多い結果を示した。比較例2〜6のうち23℃の雰囲気温度における180°剥離強度が5.0N/25mmを超える比較例4と、発泡剤の量を少なくした比較例5は、剥離性にも劣る結果を示した。また、比較例2〜6のうち発泡剤の量を多くした比較例6は、23℃の雰囲気温度における180°剥離強度が0.2N/25mm未満であり、固定性にも劣る結果を示した。

Claims (9)

  1. 融点未満の温度で結晶化し、かつ前記融点以上の温度で流動性を示す側鎖結晶性ポリマーと、
    発泡剤と、を含有し、
    前記側鎖結晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg)が、5℃以上であり、かつ前記発泡剤の発泡温度未満の温度であり、
    前記融点以上であり、かつ前記発泡剤の発泡温度未満の温度を経た後の23℃の雰囲気温度におけるポリエチレンテレフタレートフィルムに対する180°剥離強度が、0.2〜5.0N/25mmである、感温性粘着剤。
  2. 前記発泡剤の含有量が、側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して20〜100重量部である、請求項1に記載の感温性粘着剤。
  3. 前記側鎖結晶性ポリマーは、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートおよび極性モノマーをモノマー成分として含むとともに、前記炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしてメチルアクリレートまたはエチルアクリレートを含む、請求項1または2に記載の感温性粘着剤。
  4. 前記融点が、30℃以上であり、かつ前記発泡剤の発泡温度未満の温度である、請求項1〜3のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  5. 23℃における貯蔵弾性率G’が、6×106〜8×107Paである、請求項1〜4のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  6. 60℃における貯蔵弾性率G’が、8×104〜1×106Paである、請求項1〜5のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  7. ウエハの仮固定用である、請求項1〜6のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の感温性粘着剤を含む、感温性粘着シート。
  9. フィルム状の基材と、
    前記基材の少なくとも片面に積層されており請求項1〜7のいずれかに記載の感温性粘着剤を含む粘着剤層と、を備える、感温性粘着テープ。
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