JP2008158544A - 電子写真用トナー、その製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電装置、現像装置、感光体、中間転写体が現像剤によって汚染されることなく、高品位な画像、特に、長期間、多数枚繰り返し使用しても適正な画像濃度で地肌汚れがきわめて少ない画像を得ることができると共に、どのような転写媒体に対しても、再現性があり、画像ぼけ、チリがなく転写抜けのない安定した画像を形成することのできる電子写真用トナー外添剤、その製造方法を提供する。
【解決手段】疎水化処理された一次粒子の平均粒径が100nm以下の無機微粒子からなるものであり、該疎水化処理剤の残存率が重量基準で40〜98.5%であって、かつ該疎水化処理された無機微粒子の溶媒処理残存成分中に、少なくともオルガノポリシロキサン構造を有する化合物を含むことを特徴とする電子写真トナー用外添剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真用トナー外添剤、その製造方法、電子写真用トナー及び電子写真現像装置に関し、さらに詳しくは、直接又は間接電子写真現像方式を用いた複写機もしくはフルカラー複写機、レーザープリンターもしくはフルカラーレーザープリンター又は普通紙ファックスもしくはフルカラー普通ファックス等に使用される電子写真トナー用外添剤、その製造方法、電子写真用トナー及び電子写真現像装置に関するものである。
電子写真、静電記録、静電印刷等において使用される現像剤は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に一旦付着され、次に転写工程において、感光体から転写紙等の転写媒体に転写された後、定着工程において紙面に定着される。その際、潜像保持面上に形成される静電荷像を現像するための現像剤として、キャリアとトナーから成る二成分系現像剤又はキャリアを必要としない一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。
現像剤に含有されるトナーには、静電潜像やプロセスに応じて正帯電トナーと負帯電トナーとがあり、正帯電性を付与するトナーへの添加剤として、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩等の帯電制御剤や、キャリアに所定の帯電能力を付与するためのアクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等のコーティング剤等が知られている。
一方、負帯電性を付与するものとしては、含金属アゾ染料等の帯電制御剤や無機粉末、有機粉末、キャリアのコーティング剤等が知られている。そして、トナーの流動特性、帯電特性等を改善する目的で、トナー粒子と各種金属酸化物等の無機粉末等を混合して使用する方法が提案されており、この無機粉末等は外添剤と呼ばれている。
また、必要に応じて、該無機粉末表面の疎水性、帯電特性等を改質する目的で、特定のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーンオイル、有機酸等で処理する方法、特定の樹脂を被覆する方法等も提案されている。上記無機粉末としては、例えば、二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化錫等が知られている。特に、シリカや酸化チタン微粒子とジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等の有機珪素化合物とを反応させ、シリカ微粒子表面のシラノール基を有機基で置換し疎水化したシリカ微粒子が好ましく用いられる。これらのうち、十分な疎水性を示し、かつトナーに含有されたときに、その低表面エネルギーからトナーが優れた転写性を示すものとして用いられる疎水化処理剤としては、シリコーンオイルが好ましく用いられる。
特許文献1(特公平7−3600号公報)や特許文献2(特許第02568244号公報)には、シリコーンオイルで処理されたシリカの疎水化度が規定されている。また、特許文献3(特開平7−271087号公報)や特許文献4(特開平8−292598号公報)には、シリコーンオイル添加量や添加剤中の炭素含有率が規定されている。外添剤の母剤である無機微粒子を疎水化処理し、高湿度下における現像剤の帯電性の安定性を確保するためには、上記公報におけるシリコーンオイル含有量や疎水化度により満足できるレベルのものであった。しかし、シリコーンオイルの重要な特性である低表面エネルギーを利用して現像剤と接触する部材、例えば、接触帯電装置、現像剤担持体(スリーブ)、ドクターブレード、キャリア、静電潜像担持体(感光体)、中間転写体等への付着性を低減させるための積極的な試みはなされていなかった。特に、感光体への現像剤の付着力が強いことによる地肌汚れや画像における文字部やライン部、ドット部のエッジ部や中央部における転写後のぬけ(現像剤の転写されない部分)は、シリコーンオイルの添加量や疎水化度を調節するだけでは改良できないものであった。さらに、凹凸の激しい転写部材への転写時における凹部へ転写できないことによる白抜けも同様に改良できていなかった。
特許文献5(特開平11−212299号公報)には、シリコーンオイルを液体成分として特定量含有させた無機微粒子が開示されている。しかし、このような量の定義(後記)では、上記の特性を満足することはできず、また、無機微粒子にどのように処理を施して付着されたシリコーンオイル又はシリコーンオイルと同等の機能を発揮する成分又は構造が有効であるかは、一切、言及されていなかった。さらに、それら機能性成分、構造の無機微粒子との混在状態についての知見も得られていないものであった。
特公平7−3600号公報 特許第02568244号公報 特開平7−271087号公報 特開平8−292598号公報 特開平11−212299号公報
本発明は、このような従来の問題点を解消し、帯電装置、現像装置、感光体、中間転写体が現像剤によって汚染されることなく、高品位な画像、特に、長期間、多数枚繰り返し使用しても適正な画像濃度で地肌汚れがきわめて少ない画像を得ることができると共に、どのような転写媒体に対しても、再現性があり、画像ぼけ、チリがなく転写抜けのない安定した画像を形成することのできる電子写真用トナー外添剤、その製造方法を提供することをその課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定粒径以下の疎水化処理された無機微粒子であって、特定の疎水化処理剤の残存率を有し、かつ該無機微粒子の溶媒処理残存成分中に少なくともオルガノポリシロキサン構造を有する化合物を含むもの又は該溶媒処理残存成分の熱分解成分中に、少なくとも環状シロキサン構造を有する化合物を含む無機微粒子を電子写真トナー用外添剤として電子写真用トナーに用いると、帯電装置、現像装置、感光体、中間転写体が現像剤によって汚染されることなく、高品位な画像、特に、長期間、多数枚繰り返し使用しても適正な画像濃度で地肌汚れがきわめて少ない現像剤とすることができ、また、どのような転写媒体に対しても、画像ぼけがなく、転写抜けのない安定した画像を形成できるということを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
上記課題は、本発明の(1)「疎水化処理された一次粒子の平均粒径が100nm以下の無機微粒子からなるものであり、該疎水化処理剤の残存率が重量基準で40〜98.5%であって、かつ該疎水化処理された無機微粒子の溶媒処理残存成分中に、少なくとも下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する化合物を含むことを特徴とする電子写真トナー用外添剤。
Figure 2008158544

〔式(1)中、R、R′、R″は炭素数1〜3のアルキル基を示す。n,mは、1≦(n+m)である。〕
」、
(2)「疎水化処理された一次粒子の平均粒径が100nm以下の無機微粒子からなるものであり、該疎水化処理剤の残存率が重量基準で40〜98.5であって、かつ該疎水化処理された無機微粒子の溶媒処理残存成分の熱分解成分中に、少なくとも環状シロキサン構造を有する化合物を含むことを特徴とする電子写真トナー用外添剤」、
(3)「該環状シロキサン構造を有する化合物が、下記一般式(2)で表されるものである前記第(2)項に記載の電子写真トナー用外添剤。
Figure 2008158544
〔式(2)中、R、R′は炭素数1〜3のアルキル基を示す。nは、3〜4≦nである。〕」、
(4)「該疎水化処理剤が、シリコーンオイル又はシリコーンワニスである前記第(1)〜第(3)のいずれか1に記載の電子写真トナー用外添剤。
(5)「該疎水化処理が、疎水化処理剤と共に加熱処理するものである前記第(1)〜第(4)のいずれか1に記載の電子写真トナー用外添剤」、
(6)「該無機微粒子が、シリカ、酸化チタン又はアルミナである前記第(1)〜第(5)のいずれか1に記載の電子写真トナー用外添剤」、
(7)「疎水化処理剤を無機微粒子に付着させながら加熱処理することを特徴とする前記第(1)〜第(6)のいずれか1に記載の電子写真トナー用外添剤の製造方法」、
(8)「疎水化処理剤を無機微粒子に付着させた後、加熱処理することを特徴とする前記第(1)〜第(6)のいずれか1に記載の電子写真トナー用外添剤の製造方法」により達成される。
本発明によれば、帯電装置、現像装置、感光体、中間転写体が現像剤によって汚染されることなく、高品位な画像、特に、長期間、多数枚繰り返し使用しても適正な画像濃度で地肌汚れが極めて少ない画像を得ることができると共に、どのような転写媒体に対しても、再現性があり、画像ぼけ、チリがなく転写抜けのない安定した画像を形成することのできる電子写真用トナー外添剤、その製造方法が提供され、電子写真現像分野に寄与するところはきわめて大きいものである。
無機微粒子の溶媒処理残存成分中に、オルガノポリシロキサン構造を有する化合物が存在するということは、溶媒処理では容易に外添剤表面から遊離しない強固に物理吸着したシリコーンオイル又は外添剤表面に化学結合したオルガノポリシロキサン構造等のオルガノポリシロキサン構造に由来する成分が無機微粒子中に存在することを示す。容易に外添剤から遊離しない物理吸着したシリコーンオイル又は化学結合したオルガノポリシロキサン構造を有する化合物が存在すると、その低い表面エネルギーのため、接触する感光体表面の摩擦係数を下げ、感光体の削れや摩耗を防止することができるのである。
また、画像における地肌汚れの原因となる現像剤や紙等の転写媒体に含まれる汚染物質や逆帯電、低帯電物質の付着が抑制され、地肌汚れのない高品位な画像が形成できるものとなる。さらに、容易に外添剤表面から遊離しない物理吸着したシリコーンオイル又は化学結合したオルガノポリシロキサン構造等を有する化合物を含む外添剤は、同種処理された外添剤で囲まれているトナー間の付着力を上げ、逆に、感光体や中間転写体との付着力を下げることができる。通常、文字部、ライン部、ドットのエッジや中央等の現像剤が多く付着した部分が転写媒体により圧縮され、感光体や中間転写体との付着性が高まり、転写電界では移動できなくなり転写抜けが起こる。
しかし、容易に外添剤表面から遊離しない物理吸着したシリコーンオイル又は化学結合したオルガノポリシロキサン構造等を有する化合物が存在すると、感光体や中間転写体との付着力が下がり、たとえ現像剤が可とう性の低い、固い転写媒体により強く圧縮されたとしても、転写時の抜けが起こらないということを本発明者らは見出したのである。
こればかりでなく、通常は、転写抜けを防ぐために、外添剤を多くしてトナー表面の被覆率を上げて感光体等との付着力を下げるという手段がとられているが、逆に、転写の際にトナー同士の静電的反発力に敏感に反応することによって転写媒体上へ移動した画像のぼけ、チリが生じるという弊害がある。本発明では、トナー同士の凝集力が高まっているために、転写抜けと画像のぼけ、チリの問題を同時に解決するという卓越した効果を奏するというものである。
また、これらの現象は、複数回中間転写媒体や転写媒体に重ねられて、現像、転写が行われるフルカラー画像形成システムにおいて、最も効果を発揮できるということも判明した。このように、トナー同士の凝集性が高まっているために、トナー粒子は転写時に多数の粒子が一体となって移動することができ、凹凸の激しい転写媒体や、紙繊維の間隔が広く開いている転写においてさえも、均一に転写できるということも分った。
通常、シリコーンオイル等の疎水化処理剤は、クロロホルム等の溶媒に可溶で、無機微粒子は不溶である。したがって、シリコーンオイル等の疎水化処理剤は溶媒処理することにより、容易に溶液中に溶出し、不溶成分中には残らない。したがって、容易に外添剤表面から遊離しない強固に物理吸着したシリコーンオイル又は容易に解離しない化学結合したオルガノポリシロキサン構造等を有する化合物が無機微粒子中に存在することを示す基準として、上記のような溶媒処理後の成分を確認する方法が適当である。
また、外添剤の溶媒処理不溶成分の熱分解成分中に、少なくとも環状シロキサン構造を有する化合物を含むことにより、該溶媒処理不溶成分中にオルガノポリシロキサン構造を有する化合物が含まれるのと同様な効果を示すことが見い出された。また、この環状鎖に少なくとも4員環以上の長鎖環状構造を含むことにより、その低い表面エネルギーのため、より一層、本発明の効果が奏されることが分った。
さらに、これらの効果は、外添剤の疎水化処理による効果だけでなく、トナーの溶媒処理不溶成分中に少なくともオルガノポリシロキサン構造を有する化合物を含むか、該溶媒処理不溶成分の熱分解成分中に少なくとも環状シロキサン構造を有する化合物を含むことによっても、達成可能であることが判明した。
さらに、上記のようなオルガノポリシロキサン構造や環状シロキサン構造を有する化合物を、有効にその機能を発揮させるために、上記の構造を含む成分が容易に遊離せずに、適正な残存率で流動化剤又はトナー中に存在することが重要である。また、トナー中においては、トナーの凝集度を制御することにより、オルガノポリシロキサン構造や環状シロキサン構造を有する化合物の適正量を制御可能とすることができるのである。また、本発明で規定する疎水化処理剤の残存率とは、無機微粒子に処理されている疎水化処理剤総量に占める残存疎水化処理剤の割合(重量百分率)を意味する。
したがって、無機微粒子単位重量当たりの遊離疎水化処理剤量が等しくても、無機微粒子の粒子径や表面積、反応性、吸着性等により残存率は異なるものとなる。残存率が少ない、すなわち遊離疎水化処理剤の量が多すぎると、バルクの疎水化処理剤そのものの悪影響が強くなるという不具合が生じ、また、大きすぎると、疎水化処理剤としての処理量が反応量又は吸着量に比べて十分でないこととなり、好ましくない。したがって、単純にバルクの疎水化処理剤成分量を特定するよりも、どのような無機微粒子に対してもその品質と対応可能という点で一層、普遍性があるものとなる。
本発明に用いる疎水化処理剤としては、例えば、シリコーンオイル、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤等が使用できる。また、それらを組み合わせて用いてもよい。具体的には、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、P−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、P−クロルフエニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシピロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジペンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等が挙げられるが、必らずしもこれらに限定されるものではない。
本発明に用いるシリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、αメチルスチレン変性シリコーンオイル等を挙げることができる。
本発明に用いる無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることができる。その中でも特に、シリカと二酸化チタンが好ましい。その添加量は、トナーに対し、0.1〜5重量%、好ましくは、0.3〜3重量%である。
本発明に好ましく用いられるものとしては、日本アエロジル社製、MOX80(平均粒子径、約30nm)、OX50(平均粒子径、約40nm)およびTT600(平均粒子径、約40nm)、出光興産社製、IT−PB(平均粒子径、約40nm)及びIT−PC(平均粒子径、約60nm)、富士チタン工業社製、TAF110A(平均粒子径、約40〜50nm)及びTAF510(平均粒子径、約40〜50nm)等が挙げられる。これらの無機微粒子は、電子写真用トナーとして用いる際には、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
疎水化処理剤で処理された無機微粒子の一次粒子の平均粒径は、100nm以下、好ましくは、5〜70nm、より好ましくは、10〜50nmである。この範囲よりも小さいと、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。また、この範囲よりも大きいと、無機微粒子の表面積が少なくなり、オルガノポリシロキサン構造を有する化合物又は強固に付着したシリコーンオイル等が、感光体表面と接触する面積が減少し、当発明の効果が発揮しにくい。また、感光体表面を不均一に傷つけるので好ましくない。また、ここにいう平均粒径とは、数平均の粒子径である。
本発明に使用される無機微粒子の粒子径は、動的光散乱を利用する粒径分布測定装置、例えば、(株)大塚電子製のDLS−700やコールターエレクトロニクス社製のコールターN4により測定可能である。しかし、疎水化処理後の粒子の二次凝集を解離することは困難であるため、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡により得られる写真により直接、粒径を求めることが好ましい。この場合、少なくとも100個以上の無機微粒子を観察し、その長径の平均値を求めることとなる。
次に、疎水化処理方法について説明する。予め、数100℃のオーブンで充分脱水乾燥した無機微粒子と疎水化処理剤を均一に接触させ、無機微粒子表面に付着させる。付着させるには、無機微粒子粉体と疎水化処理剤を回転羽根等の混合機により、充分、粉体のまま混合させたり、疎水化処理剤が希釈できる比較的低沸点の溶剤により、疎水化処理剤を溶解させ、無機微粒子粉体を液中に含浸させ、溶剤を除去、乾燥させる方法により行うことができる。疎水化処理剤の粘度が高い場合には、液中で処理するのが好ましい。その後、疎水化処理剤が付着した無機粉体を、100℃〜数100℃のオーブン中で熱処理を施すことにより、無機粉体表面の水酸基を用いて金属と疎水化処理剤とのシロキサン結合を形成させたり、疎水化処理剤自身をさらに高分子化、架橋することができる。予め、疎水化処理剤中に酸、アルカリ、金属塩、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート等の触媒を存在させて、反応を促進させてもよい。
ここで疎水化処理剤がシリコーンオイルであれば、なお一層の効果が発揮される。また、無機微粒子は、シランカップリング剤等の疎水化剤による処理の後に、シリコーンオイル処理を行ってもよい。予め、疎水化されている無機粉体の方が、シリコーンオイルの吸着量は多くなるので好ましい。この熱処理により生成した無機微粒子の溶媒処理残存成分中にオルガノポリシロキサン構造を有する化合物を含む無機微粒子又は溶媒処理残存成分の熱分解成分中に、少なくとも環状シロキサン構造を有する化合物を含む無機微粒子が生成される。
本発明におけるオルガノポリシロキサン構造又は環状シロキサン構造は、微粒子表面の細孔等に強固に物理吸着しているシリコーンオイル又は無機微粒子表面と化学結合したオルガノポリシロキサン構造等から由来すると考えられる。より詳しくは、溶媒等では容易に溶解しない不溶分成分中に含まれるものであり、後に述べる測定法により検出される。
溶媒処理残存成分の構造の測定は、以下の熱分解ガスクロマトグラフィーとマススペクトロスコピー(Py−GCMS)法によって測定することができるが、これらの装置、条件に限定されるものではない。
1.溶媒処理試料をクロロホルムに浸漬、攪拌、放置する。遠心分離により上澄み液を除去した後の固形分に、新たにクロロホルムを加え、攪拌、放置する。この操作を繰り返し、溶媒処理残存成分を得る。得られた溶媒処理残存成分を、以下のPy−GCMS法により測定する。
2.Py−GCMS測定Py−GCMS測定は、以下の装置、条件により測定する。
装 置:島津製作所QP5000 島津CRASS−5000熱分解装置:日本分析工業 JHP−3S熱分解温度:670℃×4秒カ ラ ム:DB−5(J&W Co.)L=30m I.D=0.25mmFilm=0.25μmカラム温度:40℃(保持2分)〜320℃(10℃/min昇温)
Inj.温 度:320℃キャリアガス圧力:90kPa(保持2分)〜150kPa(2kPa昇圧)
イオン化法式:EI法電子電圧:70eV質量検出範囲:25m/z〜650m/z 分析ロッド:プリロッド付 円筒形四重極検出器電圧:1.10V得られたPy−GCパイログラム、マススペクトルパターンより、オルガノポリシロキサン構造又はそれに由来する環状シロキサンが測定できる。
疎水化処理剤残存率の測定は、以下の定量方法によって測定することができる。残存率は、40〜98.5%、より望ましくは、50〜90%が好ましい。
1.遊離疎水化処理剤の抽出試料をクロロホルムに浸漬、攪拌、放置する。遠心分離により上澄み液を除去した後の固形分に、新たにクロロホルムを加え、攪拌、放置する。この操作を繰り返し、遊離疎水化処理剤を取り除く。
2.炭素量の定量炭素量の定量は、CHN元素分析装置(CHNコーダー MT−5型(ヤナコ製))により測定する。
3.疎水化処理剤残存率の測定疎水化処理剤残存率は、下記の式により求めた。
疎水化処理剤残存率=C1/C0×100(%)
0:抽出操作前の試料中炭素量。
1:抽出操作後の試料中炭素量。
凝集度の測定方法は以下のとおりに行なう。測定装置は、ホソカワミクロン社(製)のパウダーテスターを使用し、振動台の上に、次の手順で附属部品をセットする。
(イ)バイブロシュート(ロ)パッキン(ハ)スペースリング(ニ)フルイ(3種類)上>中>下(ホ)オサエバー
次に、ノブナットで固定し、振動台を作動させる。測定条件は次のとおりである。
フルイ目開き (上) 75μm〃 (中) 45μm〃 (下) 22μm振巾目盛 1mm試料採取量 2g振動時間 15秒
測定後、次の計算から凝集度を求める。
上段のフルイに残った粉体の重量%×1 …(a)
中段のフルイに残った粉体の重量%×0.6 …(b)
下段のフルイに残った粉体の重量%×0.2 …(c)
上記3つの計算値の合計をもって、凝集度(%)とする。
すなわち、凝集値(%)=(a)+(b)+(c)。
本発明においては、本発明の流動化剤と共に、表面処理を施さない公知の無機微粒子及び/又はシリコーンオイル、他の疎水化処理剤により表面処理された公知の無機微粒子を1種類以上組合わせて使用してもよい。疎水化処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤等が好ましいものとして挙げられる。併用する無機微粒子は、本発明の流動化剤よりも平均粒子径が小さいものが用いられる。この小さな無機微粒子によって、トナー表面の被覆率が上がり、適切な流動性を現像剤に与えることができ、現像時における潜像に対する忠実再現性や現像量を確保することができる。また、現像剤保存時のトナーの凝集、固化を防止することができる。その添加量は、トナーに対し、0.01〜5重量%、好ましくは、0.1〜2重量%である。
樹脂微粒子としては、例えば、ソープフリー乳化重合、懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル共重合体、シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。このような樹脂微粒子と併用することによって、現像剤の帯電性を強化することができ、逆帯電のトナー粒子を減少させ、地肌汚れを低減させることができる。その添加量は、トナーに対し、0.01〜5重量%、好ましくは、0.1〜2重量%である。
本発明の電子写真用トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とからなる体積平均粒径15μm以下の電子写真用トナーであって、上記の外添剤が該トナーに混合されていることを特徴とするものである。ここで、本発明に用いられる現像剤は、製法や材料に関しては公知のものが全て採用可能である。
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、単独又は混合して使用することができる。
さらに、本発明の流動化剤との親和性を考慮すると、a)エポキシ樹脂、b)2価フェノール及びc)2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物又はそのグリシジルエーテルを反応して合成された、主鎖にポリオキシアルキレン部を有するポリオール樹脂を結着樹脂として用いることがより好ましい。ここで、エポキシ樹脂は、好ましくは、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとエピクロロヒドリンを反応させて得られたものであり、2価フェノールとしては、ビスフェノールAやビスフェノールFが挙げられる。また、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物又はそのグリシジルエーテルは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及びこれらの混合物とビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとの反応生成物が挙げられる。得られた生成物を、エピクロロヒドリンやβメチルエピクロロヒドリンでグリシジルエーテルとしてもよい。また、フェノール、クレゾール、イソプロピルフェノール、アミノフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、pクミルフェノール等の一価フェノールを反応させてもよい。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレトVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物等を挙げることができる。その使用量は、一般にバインダー樹脂100重量部に対し、0.1〜50重量部である。
本発明の現像剤は、必要に応じて、帯電制御剤を含有していてもよい。帯電制御剤としては、公知のものが全て使用でき、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩等を挙げることができる。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナーの製造方法によって決定されるもので、一律に決定されるものではないが、好ましくは、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合には、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くので望ましくない。
製造される現像剤に離型性を持たせるために、製造される現像剤中にワックスを含有させることが好ましい。このワツクスは、その融点が40〜120℃のものであり、特に50〜110℃のものであることが好ましい。ワックスの融点が高すぎるときには、低温での定着性が不足する場合があり、一方、融点が低すぎるときには、耐オフセツト性、耐久性が低下する場合がある。なお、ワックスの融点は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば、10℃/minで加熟したときの融解ピーク値を融点とするものである。
本発明に用いることができるワックスとしては、例えば、固形のパラフィンワックス、マイクロワツクス、ライスワツクス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワツクス等を挙げることができる。また、低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン等も用いることができる。特に、環球法による軟化点が70〜150℃のポリオレフィンが好ましく、さらには、当該軟化点が120〜150℃のポリオレフィンが好ましい。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えば、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子等を挙げることかできる。ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
本発明のトナーを製造するには、少なくとも結着剤樹脂、主帯電制御剤及び顔料を含む現像剤成分を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また、機械的に混合する工程や溶融混練する工程においては、粉砕又は分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末を戻して再利用する製造方法も採用することができる。ここで言う製品となる粒子以外の粉末(副製品)とは、溶融混練する工程後、粉砕工程で得られる所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子や引き続いて行われる分級工程で発生する所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。
このような副製品を混合工程や溶融混練する工程で、原料と好ましくは副製品1に対し、その他原材料99から副製品50に対し、その他原材料50の重量比率で混合するのが好ましい。少なくとも結着剤樹脂、主帯電制御剤及び顔料又は副製品を含む現像剤成分を機械的に混合する混合工程は、回転させる羽による通常の混合機等を用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。以上の混合工程が終了したら、次いで、混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、池貝鉄工所社製PCM型2軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適である。この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが重要である。具体的には、溶融混練温度は、結着剤樹脂の軟化点を参考に行うべきであり、軟化点より低温過ぎると切断が激しく、高温過ぎると分散が進まないこととなるので好ましくない。
以上の溶融混練工程が終了したら、次いで、混練物を粉砕する。この粉砕工程においては、まず、粗粉砕し、次いで、微粉砕することが好ましい。この際、ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。この粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠心力等で気流中で分級し、もって所定の粒径、例えば、平均粒径が5〜20μmの現像剤を製造する。
また、現像剤を調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造された現像剤に、さらに上記の疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。外添剤の混合は、一般の粉体の混合機が用いられるが、ジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次、外添剤を加えていけばよい。もちろん、混合機の回転数、転動速度、時間、温度等を変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えてもよく、その逆であってもよい。使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー等が挙げられる。
また、本発明のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対して、トナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリア等、従来から公知のものが使用できる。
また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ポリビニル樹脂及びポリビニリデン系樹脂、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー及びシリコーン樹脂等が使用できる。
さらに、必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー又は非磁性トナーとしても用いることもできる。
本発明における導電性ブラシを用いた非磁性一成分現像方式において、特定の円形度を持つフルカラー用トナーを用いて多数回の現像を順次行い、転写媒体上に順次重ねて転写していく非磁性一成分フルカラープロセスにおいて、特にハーフトーンの均一再現性にその効果を有効に利用することができる。
本発明のフルカラー非磁性一成分画像形成方法とは、現像ローラ及び該現像ローラ上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の多色現像装置によって、導電性ブラシ帯電器及び露光装置によって感光体上に形成された各色に分割された静電潜像を、それぞれの色に対応する現像剤により順次現像し、転写媒体に転写する方法である。
また、本発明のフルカラー非磁性一成分画像形成方法とは、現像ローラ及び該現像ローラ上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の多色の現像装置によって、それぞれの色に対応した複数の感光体上に、各色に分割された静電潜像を導電性ブラシ帯電器及び露光装置によって形成し、対応する色の現像剤により順次現像し、転写媒体に転写する方法である。この場合、感光体上の静電潜像の極性と非磁性一成分現像剤の極性とが同一である反転現像方式により現像することが好ましい。また、感光体上の静電潜像と現像ローラを直接接触させて、感光体よりも高速で現像ローラを回転させて現像することが好ましい。
本発明のトナーは、従来より公知であるコロトロン転写装置を備えた電子写真現像装置を用いてもその転写性は改善できるが、静電荷像担持体表面に転写材を介し転写手段を当接させ、トナー像を転写材に静電転写する電子写真現像装置に用いた場合、その効果はとりわけ顕著なものとなる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
実施例1
〔外添剤処理の製造〕
粘度350csのポリジメチルシロキサン(信越化学社製)を3.0部、トルエン100部に溶解し、シリカOX−50(日本アエロジル社製;一次粒子の平均粒径40nm)30部を、その中に攪拌しながら超音波照射することによって分散した。凝集物がないことを視認した後に、ロータリーエバポレーターを用いてトルエンを溜去した。得られた固形物を減圧乾燥機にて、設定温度50℃で恒量になるまで乾燥した。さらに、電気炉にて窒素気流下、200℃で2時間の加熱処理を行った。得られた粉体はジェットミルにより解砕し、バグフィルターで捕集した。また、このようにして得られた外添剤は、該外添剤のクロロホルム処理残存成分のPy−GCMS分析でオルガノポリシロキサン構造を有する化合物を含むように疎水化処理分散条件、熱処理条件等を調整して製造した。
〔トナー用母剤着色粒子の製造〕
水 1200部 フタロシアニングリーン含水ケーキ(固形分30%) 200部 カーボンブラック(MA60 三菱化学社製) 540部をフラッシャーでよく撹拌した。ここに、エポキシポリオ−ル樹脂(Mn;3800、Mw/Mn;3.9、Tg;59℃)1200部を加え、150℃で30分混練後、キシレン1000部を加え、さらに1時間混練、水とキシレンを除去後、圧延冷却してパルペライザーで粉砕し、マスターバッチ顔料を得た。
上記エポキシポリオール樹脂 100部 上記マスターバッチ 8部 帯電制御剤(オリエント化学社製、ボントロン E−84) 2部上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで溶融混練し、混練物を圧延冷却した。
その後、ジェットミルによる衝突板方式の粉砕機(I式ミル;日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機;日本ニューマチック工業社製)を行い、体積平均径8.5μmのブラック色の着色粒子を得た。
水 600部 Pigment Yellow 17 含水ケーキ(固形分50%) 1200部をフラッシャーでよく撹拌した。ここに、エポキシポリオ−ル樹脂(Mn;3800、Mw/Mn;3.9、Tg;59℃)1200部を加え、150℃で30分混練後、キシレン1000部を加え、さらに1時間混練し、水とキシレンを除去後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、さらに3本ロールで2パスし、マスターバッチ顔料を得た。
上記エポキシポリオール樹脂 100部 上記マスターバッチ 8部 帯電制御剤(オリエント化学社製、ボントロン E−84) 2部上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで溶融混練し、混練物を圧延冷却した。
その後、ブラック色の着色粒子製造例と同様に粉砕、分級を行い、体積平均径8.5μmのイエロー色の着色粒子を得た。
水 600部 Pigment Red 57 含水ケーキ(固形分50%) 1200部をフラッシャーでよく撹拌した。ここに、エポキシポリオール樹脂(Mn;3800、Mw/Mn;3.9、Tg;59℃)1200部を加え、150℃で30分混練後、キシレン1000部を加え、さらに1時間混練し、水とキシレンを除去後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、さらに3本ロールミルで2パスし、マスターバッチ顔料を得た。
上記エポキシポリオール樹脂 100部 上記マスターバッチ 8部 帯電制御剤(オリエント化学社製、ボントロン E−84) 2部上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで溶融混練し、混練物を圧延冷却した。
その後、ブラック色の「着色粒子の製造」と同様に粉砕、分級を行い、体積平均径8.5μmマゼンタ色の着色粒子を得た。
水 600部 Pigment Blue 15:3 含水ケーキ(固形分50%) 1200部をフラッシャーでよく撹拌した。ここに、エポキシポリオール樹脂(Mn;3800、Mw/Mn;3.9、Tg;59℃)1200部を加え、150℃で30分混練後、キシレン1000部を加え、さらに1時間混練し、水とキシレンを除去後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、さらに3本ロールミルで2パスし、マスターバッチ顔料を得た。
上記エポキシポリオール樹脂 100部 上記マスターバッチ 8部 帯電制御剤(オリエント化学社製、ボントロン E−84) 2部上記材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後、ブラック色の「着色粒子の製造」と同様に粉砕、分級を行い、体積平均径8.5μmのシアン色の着色粒子を得た。
〔外添剤との混合と得られたトナーの評価〕
得られた4色の着色粒子100部と「外添剤の製造」で得られた外添剤1.0部をヘンシェルミキサーにより混合し、目開き50μmの篩を通過させることにより、凝集物を取り除くことによって電子写真用トナーを得た。2成分系現像剤で画像評価する場合は、シリコーン樹脂により、0.3μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、キャリア100部に対し、各色トナー5部を容器が転動して、攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し、帯電させて、現像剤を製造した。
得られたトナーは、4色の現像部が2成分系現像剤を1つのドラム状感光体に各色現像し、中間転写体に順次転写し、転写紙紙等に4色を一括転写する方式のフルカラーレーザー複写機 イマジオカラー 2800を改造した装置(評価機A)を用いて評価した。この評価機は、感光体上の静電潜像の極性と非磁性一成分現像剤の極性とが同一である反転現像方式である。
実施例2
実施例1において、流動化剤のクロロホルム処理残存成分に少なくともオルガノポリシロキサン構造を有する化合物〔一般式(1)〕を含むように疎水化処理剤の混合条件、熱処理条件等を調整した以外は、実施例1と同様にして評価した。
実施例3
実施例1において、流動化剤のクロロホルム処理残存成分の熱分解成分中に、少なくとも環状シロキサン構造を有する化合物〔一般式(2);ただし3≦n〕を含むように疎水化処理剤の種類、混合条件、熱処理条件等を調整する以外は実施例1と同様にして評価した。流動化剤のクロロホルム処理残存成分のPy−GCMSクロマトグラムを図1に示す。
実施例4
実施例1において、流動化剤のクロロホルム処理残存成分の熱分解成分中に、少なくとも環状シロキサン構造を有する化合物〔一般式(2);ただし4≦n〕を含むように疎水化処理剤の種類、混合条件、熱処理条件等を調整した以外は、実施例1と同様にして評価した。流動化剤のクロロホルム処理残存成分のPy−GCMSクロマトグラムを図2に示す。
実施例5
実施例1において、無機微粒子に処理する疎水化処理剤をヘキサエチルジシラザンとした以外は、実施例1と同様にして評価した。
実施例6
実施例1において、無機微粒子に処理する疎水化処理剤をシリコーンワニスとした以外は、実施例1と同様にして評価した。
実施例7
実施例1において、無機微粒子に処理するポリジメチルシロキサンを1.0部として、処理後の加熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして評価した。
実施例8
実施例1において、母体外添剤である無機微粒子を酸化チタンTAF110A(富士チタン工業社製;一次粒子の平均粒径50nm)とした以外は、実施例1と同様にして評価した。
実施例9
実施例1において、母体外添剤である無機微粒子をアルミナAl oxide−C(日本アエロジル社製;一次粒子の平均粒径13nm)とした以外は、実施例1と同様にして評価した。
実施例10
実施例1において、外添剤としてヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したシリカOX−50(日本アエロジル社製;一次粒子の平均粒径40nm)1.0部と着色粒子100部、粘度100csのポリジメチルシロキサン(信越化学社製)0.2部をヘンシェルミキサーで、トナーのクロロホルム処理残存成分の熱分解成分中に環状シロキサンを含むような前処理を含む条件で混合してトナーを製造した以外は、実施例1と同様にして評価した。トナーのクロロホルム処理残存成分のPy−GCMSクロマトグラムを図3に示す。
実施例11
実施例1において、外添剤として疎水性シリカH2000(クラリアントジャパン;一次粒子の平均粒径10nm)0.2部を併用してトナーに混合して現像剤として用いた以外は実施例1と同様にして評価した。
実施例12
実施例1において、外添剤として疎水性シリカH2000(クラリアントジャパン;一次粒子の平均粒径10nm)0.2部と酸化チタンSMT−150AI(テイカ;一次粒子の平均粒径15nm)0.3部を併用してトナーに混合して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。
実施例13
実施例1において、外添剤としてアクリル樹脂微粒子MP−1000(平均粒径400nm、総研化学社製)を0.5部を併用してトナーに混合して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。
実施例14実施例1において、外添剤として疎水性シリカH2000(クラリアントジャパン;一次粒子の平均粒径10nm)0.5部とアクリル樹脂微粒子MP−1000(平均粒径400nm、総研化学社製)を0.5部を併用してトナーに混合して用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。
実施例15
実施例1において、用いた評価機が、4色の現像部が非磁性一成分系現像剤を1つのベルト感光体に各色順次現像し、中間転写体に順次転写し、紙等に4色を一括転写する方式のフルカラーレーザープリンター イプシオ 5000(リコー社製、評価機Bと呼ぶ)により評価した以外は、実施例1と同様にして評価した。評価機Bの現像部は、弾性体からなる現像ローラーと層厚規制のステンレスブレードからなる非磁性一成分現像ユニットを搭載している。また、感光体上の静電潜像の極性と非磁性一成分現像剤の極性とが同一である反転現像方式である。
実施例16
実施例1において、用いた評価機が、4色用の非磁性一成分系の現像部と4色用の感光体を有し、紙等に順次転写するタンデム方式のフルカラーLEDプリンター GL8300(富士通社製、評価機Cと呼ぶ)により評価した以外は、実施例1と同様にして評価した。評価機Cの現像部は弾性体からなる現像ローラーと層厚規制のステンレスブレードからなる非磁性一成分現像ユニットを搭載している。また、感光体上の静電潜像の極性と非磁性一成分現像剤の極性とが同一である反転現像方式である。
比較例1
実施例1において、一次粒子の平均粒径が、150nmである外添剤母体の無機微粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。
比較例2
実施例1において、疎水化処理剤の残存率が35%なるように疎水化処理剤、混合条件、熱処理条件を調整する以外は、実施例1と同様にして評価した。
比較例3
実施例1において、疎水化処理剤の残存率が99%なるように疎水化処理剤、混合条件、熱処理条件を調整する以外は、実施例1と同様にして評価した。
比較例4
実施例1において、流動化剤のクロロホルム処理残存成分にオルガノポリシロキサン構造を有する化合物〔一般式(1)〕を含まないような疎水化処理剤、混合条件、熱処理条件を調整する以外は、実施例1と同様にして評価した。
比較例5
実施例1において、流動化剤のクロロホルム処理残存成分の熱分解成分中に環状シロキサン構造を有する化合物〔一般式(2)〕を含まないよう疎水化処理剤、混合条件、熱処理条件を調整する以外は実施例1と同様にして評価した。得られた流動化剤のクロロホルム処理残存成分のPy−GCMSクロマトグラムを図4に示す。
比較例6
実施例1において、流動化剤のクロロホルム処理残存成分の熱分解成分中に環状シロキサン構造を有する化合物〔一般式(2)〕を含まないよう疎水化処理剤、混合条件、熱処理条件を調整する以外は、実施例1と同様にして評価した。得られた流動化剤のクロロホルム処理残存成分のPy−GCMSクロマトグラムを図5に示す。
比較例7
実施例1において、トナーのクロロホルム処理残存成分の熱分解成分中に環状シロキサン構造を有する化合物〔一般式(2)〕を含まないよう疎水化処理剤、混合条件、熱処理条件を調整する以外は、実施例1と同様にして評価した。得られたトナーのクロロホルム処理残存成分のPy−GCMSクロマトグラムを図6に示す。
〔評価項目〕
いずれの項目も、7%画像面積の画像チャートを92,000枚ランニング出力した後に、以下の評価を行った。
(1)画像濃度ベタ画像をリコー社製6000ペーパーに画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定した。これを4色単独に行い平均を求めた。この値が、1.2未満の場合は×、1.2以上1.4未満の場合は△、1.4以上1.8未満の場合は○、1.8以上2.2未満の場合は◎とした。
(2)地肌汚れ白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定した。画像濃度の差が少ない方が地肌汚れは少なく、×、△、○、◎の順にランクが上るものとした。
(3)ハーフトーン再現性1ドット(フルドット)書き込みと、1ドットの空白からなる連続したハーフトーン画像を非常にラフな普通紙(JAwer社製Sabre−X80ペーパー)に4色重ねて出力させ、ドットの再現度合いを段階見本と比較した。×、△、○、◎の順にランクが良くなる。
(4)文字画像内部の白抜け文字部画像を190g/cm2の厚紙に4色重ねて出力させ、文字部の線画像内部が抜けるトナー未転写頻度を段階見本と比較した。×、△、○、◎の順にランクが上るものとした。
評価結果を表1に示す。
Figure 2008158544
実施例3における流動化剤のクロロホルム処理残存成分のPy−GCMSクロマトグラムである。 実施例4における流動化剤のクロロホルム処理残存成分のPy−GCMSクロマトグラムである。 実施例10におけるトナーのクロロホルム処理残存成分のPy−GCMSクロマトグラムである。 比較例5における流動化剤のクロロホルム処理残存成分のPy−GCMSクロマトグラムである。 比較例6における流動化剤のクロロホルム処理残存成分のPy−GCMSクロマトグラムである。 比較例7におけるトナーのクロロホルム処理残存成分のPy−GCMSクロマトグラムである。

Claims (8)

  1. 疎水化処理された一次粒子の平均粒径が100nm以下の無機微粒子からなるものであり、該疎水化処理剤の残存率が重量基準で40〜98.5%であって、かつ該疎水化処理された無機微粒子の溶媒処理残存成分中に、少なくとも下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する化合物を含むことを特徴とする電子写真トナー用外添剤。
    Figure 2008158544

    〔式(1)中、R、R′、R″は炭素数1〜3のアルキル基を示す。n,mは、1≦(n+m)である。〕
  2. 疎水化処理された一次粒子の平均粒径が100nm以下の無機微粒子からなるものであり、該疎水化処理剤の残存率が重量基準で40〜98.5であって、かつ該疎水化処理された無機微粒子の溶媒処理残存成分の熱分解成分中に、少なくとも環状シロキサン構造を有する化合物を含むことを特徴とする電子写真トナー用外添剤。
  3. 該環状シロキサン構造を有する化合物が、下記一般式(2)で表されるものである請求項2に記載の電子写真トナー用外添剤。
    Figure 2008158544
    〔式(2)中、R、R′は炭素数1〜3のアルキル基を示す。nは、3〜4≦nである。〕
  4. 該疎水化処理剤が、シリコーンオイル又はシリコーンワニスである請求項1〜3のいずれか1に記載の電子写真トナー用外添剤。
  5. 該疎水化処理が、疎水化処理剤と共に加熱処理するものである請求項1〜4のいずれか1に記載の電子写真トナー用外添剤。
  6. 該無機微粒子が、シリカ、酸化チタン又はアルミナである請求項1〜5のいずれか1に記載の電子写真トナー用外添剤。
  7. 疎水化処理剤を無機微粒子に付着させながら加熱処理することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の電子写真トナー用外添剤の製造方法。
  8. 疎水化処理剤を無機微粒子に付着させた後、加熱処理することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の電子写真トナー用外添剤の製造方法。
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