JP2008157551A - 給湯システム - Google Patents

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【課題】給湯システムにおいて、即湯によって発生した中温湯を効率良く出湯することを可能にする。
【解決手段】給湯システム1は、給水を貯留する貯湯タンク2と、貯湯タンク2の水を加熱する加熱源3と、加熱された湯を貯湯タンク2の頂部又は中層部に送湯する配管51b、51c、51dと、貯湯タンク2の高温湯を出湯する高温湯出湯配管52aと、高温湯出湯配管52aから分岐し、高温湯出湯配管52aの湯を貯湯タンク2の中層部に戻す戻し配管53と、貯湯タンク2の中層部から中温湯を出湯する中温湯出湯配管52bを備え、中温湯出湯配管52bを、戻し配管53とは別個に、貯湯タンク2の中層部に設けている。戻し配管53から低温の湯が貯湯タンク2に戻っても、一旦、該タンクに入り、中温湯出湯配管52bから直接に低温の湯が出湯されることがなくなるので、即湯によって発生した中温湯を加熱して効率良く出湯することが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高温湯及び中温湯を適宜に出湯することができる給湯システムに関する。
従来から、ヒートポンプにより水を沸かし、貯湯タンクに溜めた湯をカランや食洗機等の湯使用端末に供給する給湯システムがある。貯湯タンクは、ヒートポンプと共に屋外に設置されることが多く、タンクから湯の使用端末までの距離が長く、湯の使用開始時に配管内に残留している湯が置換されるまで待たねばならない(この待ち時間を「湯待ち時間」という)。湯待ち時間なしに、湯を使用することができるようにするために(湯待ち時間なしに湯を使用できるようにすることを「即湯」という)、ホテル等の大規模給湯設備では、配管内の温水を常に循環する方式がとられている。比較的小規模の施設や家庭用途では、即湯ユニットと称する小型の貯湯タンク付ヒータを出湯端の近傍に設置するなどの方法がとられる場合がある。また、業務用途では、食器洗浄用に80〜90℃の高温が必要なため、ブースターと称する電気又はガスを熱源とする給湯加熱装置を備えている。しかし、これらの加熱手段は、ヒートポンプ式給湯に比してエネルギーコストが高くなる。
また、貯湯タンク内の湯の温度は、頂部で最も高く、中層部ではそれよりも低くなり、底部では最も低くなっており、貯湯タンクの湯を頂部領域から取り出して給水管からの低温水と混合して所定温度にして湯使用端末へ供給するようにしている。また、貯湯タンクの頂部から出湯が行なわれると、貯湯タンクの底部からその使用分だけ市水(低温水)が供給される。このような構成のタンクにおいては、例えば貯湯時間が長く、タンク内の湯温が低下してしまった場合や、床暖房等に使用する熱交換器が、タンク内に内蔵されているものにおいては、タンク内の湯が30〜70℃程度の湯となる場合がある。
給湯器において湯を沸き上げる際の、(加熱量)/(消費電力)で示される値は、COP(成績係数)といわれ、エネルギー効率を表す指標となり、例えば電気ヒータのCOPは1であるが、ヒートポンプでは3〜4にもなる。しかし、ヒートポンプは、その入り口水温が低いほどCOPが高くなるという特性を有するため、入り口水温が30〜70℃に上昇すると、COPが1〜2に低下するので、タンク内の30〜70℃の湯や、即湯のために配管を循環させて戻った中温湯を再加熱すると、エネルギー効率が低下する。そのエネルギー効率の低下を避けるために、入り口水温が上昇したときにヒートポンプの運転を停止すると、高温出湯にて80℃以上の高温水が欲しいにも拘わらず、中温湯が出湯されてしまう。
また、ヒートポンプは湯の沸上温度が高くなるほど、図5に示すように、効率が低下するという特性も持つ。従って、中温湯の出湯の場合に、高温で沸き上げられた湯を水で希釈して出湯すると、総合的なエネルギー効率が低い状態で運転していることとなる。
エネルギー効率を高めるために、貯湯タンクの中層部から中温湯を出湯すると共に、
沸上温度を高温と中温とにし、高温湯を貯湯タンクの頂部に、中温湯を貯湯タンクの中層部に貯湯する給湯システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1に示されるような給湯システムにおいては、貯湯タンクの中層部に送湯する送湯配管と、中層部から出湯する出湯配管が同一であるので、即湯のために配管中を循環させた低温の戻り湯を送湯配管によって中層部に送湯すると、中温湯の出湯時に低温の湯がそのまま出湯されてしまう。
また、従来の高温湯と共に中温湯を給湯可能な給湯システムにおいて、貯湯タンクを増設した場合の構成を図6を参照して説明する。この給湯システム101は、貯湯タンク121に増設された複数の増設タンク122、123を備え、貯湯タンク121の底部と隣の増設タンク122の頂部とが接続され、さらにこの増設タンク122の底部と次の増設タンク123の頂部とが接続されている。この構成において、加熱源130により加熱された高温湯が貯湯タンク121の頂部から入れられると、中温湯の領域が隣の増設タンク122、さらには、次の増設タンク123へと順次移動する。このように、中温湯の領域が移動するので、貯湯タンク121に中温湯の取り出し口を設けたとしても、中温湯を有効に活用することができないことが生じる。
特開昭60−269号公報
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、即湯によって発生した中温湯を効率良く出湯することができる給湯システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、給水管が底部に連結され、給水と加熱された湯とを貯留する貯湯タンクと、前記貯湯タンクの底部から送出された水を加熱する加熱源と、前記加熱源と前記貯湯タンクを接続し、加熱された湯を前記貯湯タンクの頂部又は中層部に送湯する送湯配管と、前記貯湯タンクの頂部から該頂部に貯留された高温湯を出湯する高温湯出湯配管と、前記高温湯出湯配管から分岐し、送湯ポンプにより該高温湯出湯配管の湯を貯湯タンクの中層部に戻す戻し配管と、を備えた給湯システムにおいて、前記貯湯タンクの中層部から該中層部に貯湯された中温湯を出湯する中温湯出湯配管を備え、前記中温湯出湯配管は、前記貯湯タンクの中層部に前記戻し配管とは別個に設けたものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の給湯システムにおいて、増設タンクと、前記加熱源により加熱された湯の送湯先を前記貯湯タンクと前記増設タンクとに切り替える切り替え手段と、前記貯湯タンクの底部と前記増設タンクの底部とを繋ぐ配管と、をさらに備えたものである。
請求項1の発明によれば、戻し配管から低温の湯が貯湯タンクに戻っても、一旦、該タンクに入るため、中温湯出湯配管から直接に低温の湯が出湯されることがなくなるので、即湯によって発生した中温湯を加熱して、効率良く出湯することができる。
請求項2の発明によれば、高温に加熱された湯の送湯先のタンクを適宜に切り替えることにより、常に、中温湯の領域を中温湯出湯配管を中層部に有する貯湯タンクの中層部に確保することができるので、中温湯の出湯配管を増設タンクに設ける必要がなくなる。
本発明の一実施形態に係る給湯システムについて図1を参照して説明する。図1は、給湯システムの構成を示す。給湯システム1は、給水と加熱された湯を貯湯する貯湯タンク2及び増設タンク21a、21bと、給水を加熱するヒートポンプである加熱源3と給湯システム1全体を制御する制御部4とを備えている。貯湯タンク2は、底部において給水管5と繋がり、給水を受けて水を貯留する。加熱源3は貯湯タンク2の底部と配管51aによって繋がっており、内蔵する送湯ポンプによって、貯湯タンク2の底部の水を吸引して加熱する。加熱源3の湯取り出し口は配管51bにより、切り替え弁6aに繋がっている。切り替え弁6aは、加熱源3からの湯の送湯先を貯湯タンク2の中層部に繋がる配管51cと、高温湯出湯配管52aに繋がる配管51dに切り替える。高温湯出湯配管52aの一端は切り替え弁6bに繋がり、切り替え弁6bは高温湯出湯配管52aからの湯の送湯先を貯湯タンク2の頂部と、増設タンク21aの頂部とに切り替える。そして、増設タンク21aの底部と増設タンク21bの頂部とは、配管51fによって繋がっており、増設タンク21bの底部は、配管51g、51aを介して、加熱源3と繋がっている。
高温湯出湯配管52aの他端は、高温出湯口に繋がると共に、途中において戻し配管53と繋がっている。戻し配管53は、配管中に送湯ポンプ7と止水弁6cとを有しており、配管51cを介して貯湯タンク2の中層部に繋がっている。貯湯タンク2の中層部には中温湯出湯配管52bが接続されており、中温湯出湯配管52bは切り替え弁6dに繋がっている。切り替え弁6dは、高温湯出湯配管52aから分岐した配管51hとも繋がっており、貯湯タンク2の頂部からの高温湯と、中層部からの中温湯とを切り替えて混合弁6eに送湯する。混合弁6eは、切り替え弁6dからの配管と、給水管5から分岐した配管51とに繋がっており、切り替え弁6dからの湯と配管51からの給水とを混合して中温出湯口へ送湯する。
次に、上記のように構成された本実施形態に係る給湯システム1の動作ついて図面を参照して説明する。図2は、湯の沸上げ時の動作を示す。制御部4は、貯湯タンク2の水を高温に沸上げるときは、切り替え弁6aを貯湯タンク2の頂部側(配管51d)に切り替え、切り替え弁6bを貯湯タンク2側に切り替える。制御部4は、加熱源3の送湯ポンプを駆動させ、貯湯タンク2の底部の水を加熱源3に吸引し、加熱した湯を配管51bにより切り替え弁6aへ送る。送られた湯は、切り替え弁6aを介して配管51dに流れ、高温湯出湯配管52aを通り、切り替え弁6bを介して貯湯タンク2の頂部へ送られる(矢印A、B、C)。
増設タンク21a、21bの水を高温に沸上げるときは、制御部4は、切り替え弁6aを貯湯タンク2の頂部側(配管51d側)に切り替え、切り替え弁6bを増設タンク21a側(配管51e)に切り替える。制御部4は、加熱源3の送湯ポンプを駆動させ、増設タンク21bの底部の水を加熱源3に吸引し、加熱した湯を配管51bにより切り替え弁6aへ送る。送られた湯は、切り替え弁6aを介して配管51dに流れ、高温湯出湯配管52aを通り、切り替え弁6bを介して配管51eを通り、増設タンク21aの頂部へ送られ、増設タンク21a、21bに送湯される(矢印G、B、E、F)。
高温に沸上げた湯を貯湯タンク2と増設タンク21a、21bのいずれかに適宜切り替えて送湯することにより、常に、中温湯の領域を中温湯出湯配管52bを中層部に有する貯湯タンク2の中層部に確保することができるので、中温湯の出湯配管を増設タンク21a、21bに設ける必要がなくなる。
貯湯タンク2の水を中温に沸上げるときは、制御部4は、切り替え弁6aを貯湯タンク2の中層部側(配管51c側)に切り替える。制御部4は、加熱した湯を切り替え弁6aを介して、配管51cへ流し、貯湯タンク2の中層部に送湯する(矢印A、D)。中温湯を高温水と給水とを混合して作るのでなく、中温に沸上げるので、エネルギー効率を高めることができる。
図3は、出湯時の動作を示す。貯湯タンク2の高温湯を出湯するときは、制御部4は、切り替え弁6bを貯湯タンク2側に切り替える。高温出湯口が開かれると、給水圧により、給水が給水管5から貯湯タンク2の底部に入り、貯湯タンク2の頂部の高温湯が、切り替え弁6bを介して高温湯出湯配管52aを通り、高温出湯口へ送湯される(矢印H、I、J)。増設タンク21a、21bの高温湯を出湯するときは、制御部4は、切り替え弁6bを増設タンク21a側に切り替える。高温出湯口が開栓されると、給水圧により、給水が給水管5から貯湯タンク2の底部に入り、配管51a、51gを通って増設タンク21bの底部に入る。増設タンク21bの頂部と増設タンク21aの底部が配管51fによって連結されているので、給水圧によって増設タンク21aの頂部の高温湯が配管51eを通り、切り替え弁6bを介して高温湯出湯配管52aを通って高温出湯口へ送られる(矢印H、K、L、M、J)。
中温湯を出湯するときは、制御部4は、貯湯タンク2に中温湯がある場合には、切り替え弁6dを中温湯出湯配管52b側に切り替える。また、制御部4は、切り替え弁6bを増設タンク21a側に切り替えて、貯湯タンク2の頂部からの出湯を止める。中温出湯口が開栓されると、給水圧により、給水が給水管5から貯湯タンク2の底部に入り、貯湯タンク2の中層部の中温湯が中温湯出湯配管52bへ送られ、切り替え弁6dを介して混合弁6eへ送られる。制御部4は、中温湯出湯配管52bからの中温湯と、給水管5から分岐した配管51からの給水とを混合弁6eによって混合し、中温出湯口へ送湯する(矢印H、N、O。P、O)。
制御部4は、貯湯タンク2に中温湯がない場合には、貯湯タンク2又は増設タンク21aの高温湯と給水とを混合弁6eにおいて混合して出湯する。貯湯タンク2の高温湯と給水とを混合する場合は、制御部4は、切り替え弁6dを配管51h側に切り替え、切り替え弁6bを貯湯タンク2に切り替える。中温出湯口が開栓されると、給水圧により、貯湯タンク2の頂部の高温湯が、切り替え弁6bを介して高温湯出湯配管52a、配管51hへ送られ、切り替え弁6dを介して混合弁6eへ送られ、混合弁6eによって給水と混合されて中温出湯口へ送湯される(矢印H、I、J、Q、O。P、O)。増設タンク21aの高温湯と給水とを混合する場合は、制御部4は、切り替え弁6dを配管51h側に切り替え、切り替え弁6bを増設タンク21a側に切り替えて、出湯する(矢印H、K、L、M、J、Q、O。P、O)。
図4は、即湯のための湯の循環動作を示す。制御部4は、貯湯タンク2の湯を循環する場合は、切り替え弁6bを貯湯タンク2側に切り替え、即湯弁6cを開き、送湯ポンプ7を駆動する。貯湯タンク2の頂部の高温湯が切り替え弁6bを介して高温湯出湯配管52aへ送られ、戻し配管53及び配管51cを通って貯湯タンク2の中層部へ送られる(矢印R、S、T)。
制御部4は、増設タンク21a、21bの湯によって循環する場合は、切り替え弁6bを増設タンク21a側に切り替え、即湯弁6cを開き、送湯ポンプ7を駆動する。増設タンク21a、21bの高温湯が切り替え弁6bを介して高温湯出湯配管52aへ送られ、戻し配管53及び配管51cを通って貯湯タンク2の中層部へ送られる(矢印U、V、W、S、T)。温度の低下した配管中の湯が貯湯タンク2に戻っても、一旦、貯湯タンク2に入るため、中温湯出湯配管52bから直接に低温の湯が出湯されることがなくなり、即湯によって発生した中温湯を加熱して、効率良く出湯することができる。
なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、加熱源3はヒートポンプに限らずに、燃焼式の湯沸器でもよい。また、タンク頂部とは、タンクの頂点部分だけでなく、タンクの上部全体を含み、タンク底部とは、タンクの底面部分だけでなく、タンクの下部全体を含む。
本発明の一実施形態に係る給湯システムの構成図。 同給湯システムの沸上げ動作の説明図。 同給湯システムの出湯動作の説明図。 同給湯システムの即湯動作の説明図。 給湯システムのヒートポンプの沸上温度とCOPの関係を示す図。 従来の給湯システムの構成図。
符号の説明
2 貯湯タンク
21a、21b 増設タンク
3 加熱源
5 給水管
51b、51c、51d 配管(送湯配管)
52a 高温湯出湯配管
52b 中温湯出湯配管
53 戻し配管
6b 切り替え弁(切り替え手段)
7 送湯ポンプ

Claims (2)

  1. 給水管が底部に連結され、給水と加熱された湯とを貯留する貯湯タンクと、
    前記貯湯タンクの底部から送出された水を加熱する加熱源と、
    前記加熱源と前記貯湯タンクを接続し、加熱された湯を前記貯湯タンクの頂部又は中層部に送湯する送湯配管と、
    前記貯湯タンクの頂部から該頂部に貯留された高温湯を出湯する高温湯出湯配管と、
    前記高温湯出湯配管から分岐し、送湯ポンプにより該高温湯出湯配管の湯を貯湯タンクの中層部に戻す戻し配管と、を備えた給湯システムにおいて、
    前記貯湯タンクの中層部から該中層部に貯湯された中温湯を出湯する中温湯出湯配管を備え、
    前記中温湯出湯配管は、前記貯湯タンクの中層部に前記戻し配管とは別個に設けられていることを特徴とする給湯システム。
  2. 増設タンクと、
    前記加熱源により加熱された湯の送湯先を前記貯湯タンクと前記増設タンクとに切り替える切り替え手段と、
    前記貯湯タンクの底部と前記増設タンクの底部とを繋ぐ配管と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の給湯システム。
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