JP2008155560A - 化粧シート並びにそれを形成するためのポリカーボネート系ポリウレタン樹脂及びその樹脂を含む水性インキ - Google Patents

化粧シート並びにそれを形成するためのポリカーボネート系ポリウレタン樹脂及びその樹脂を含む水性インキ Download PDF

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Abstract

【課題】絵柄模様層を形成した段階で一旦巻き取りを行った場合でもブロッキングが抑制されており、しかも絵柄模様層の色彩特性及び耐候安定性が良好である化粧シートを提供する。
【解決手段】基材シート上に少なくとも絵柄模様層が形成されている化粧シートであって、当該絵柄模様層は、20℃において液状であるポリカーボネートポリオールを含む多官能性化合物とポリイソシアネートとを含む原料混合物を反応させることにより得られるポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、を含有する水性インキによって形成されていることを特徴とする化粧シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、化粧シート並びにそれを形成するためのポリカーボネート系ポリウレタン樹脂及びその樹脂を含む水性インキに関する。
化粧シートは、木質板等の被着材の表面保護、装飾等を目的とする装飾材料であり、一般に基材シート、着色隠蔽層、絵柄模様層、接着剤層、透明樹脂層等を積層させてなる。化粧シートは、被着材の表面に貼着して化粧板として使用される。そして、この化粧板は、各種の建材、家具等に使用されている。
化粧シートにおいて、従来、着色隠蔽層、絵柄模様層、接着剤層等は、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の脂肪族溶剤などを含む溶剤系塗工剤から形成されていた。
芳香族溶剤、脂肪族溶剤等は、有機性揮発物質(VOC)であり、特にトルエン、キシレン等の芳香族溶剤は化学物質排出把握管理促進法の指定化学物質及び室内空気中化学物質の指針値策定物質となっている。また、化粧シート製造時における溶剤系塗工剤に含まれるVOCの揮発による作業環境の問題、化粧シート使用時における残存VOCが一般の生活空間に拡散される環境安全性の問題が指摘されている。そのため、VOC使用量を低減した水性塗工剤からなる化粧シートが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、水性塗工剤を用いた化粧シートは、下記の欠点を有する。即ち、溶剤系塗工剤を用いた化粧シートに比べて、日光、蛍光灯等によって放出される紫外線等による影響が大きい。具体的には、化粧シートを構成する層のうち、絵柄模様層が劣化しやすく、耐候退色しやすい。また、絵柄模様層の密着性が低下しやすい。
更に、基材シートに絵柄模様層を形成した印刷原反の段階で巻き取りをして保管すると、絵柄模様層とそれと接触する基材シートの裏面とがくっ付き合ってブロッキングが生じる場合がある。
特開2001−38849号公報
本発明は、絵柄模様層を形成した段階で一旦巻き取りを行った場合でもブロッキングが抑制されており、しかも絵柄模様層の色彩特性及び耐候安定性が良好である化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、絵柄模様層を形成するためのインキとして特定の樹脂成分を含有する水性インキを用いる場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シート、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂及び水性インキに関する。
1. 基材シート上に少なくとも絵柄模様層が形成されている化粧シートであって、当該絵柄模様層は、20℃において液状であるポリカーボネートポリオールを含む多官能性化合物とポリイソシアネートとを含む原料混合物を反応させることにより得られるポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、を含有する水性インキによって形成されていることを特徴とする化粧シート。
2. ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は、無機塩基及びアルカノールアミンからなる群から選択される少なくとも1種を用いて酸性基を中和することによって得られる陰イオン性基を有する、上記項1に記載の化粧シート。
3. 水性インキは、水を含有する分散媒にポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が分散している、上記項1又は2に記載の化粧シート。
4. ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は、酸性基及び/又はその酸性基を中和することによって得られる陰イオン性基を有しており、当該酸性基及び陰イオン性基の含有量がポリカーボネート系ポリウレタン樹脂の1質量%以上である、上記項2又は3に記載の化粧シート。
5. ポリイソシアネートは、無黄変型ポリイソシアネートである、上記項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
6. 基材シート上に、着色隠蔽層、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層が順に積層されている、上記項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
7. 上記項1〜6のいずれかに記載の化粧シートと被着材とを積層してなる化粧板。
8. 化粧シートの絵柄模様層を形成するために用いられる水性インキ用の結着剤樹脂であり、20℃において液状であるポリカーボネートポリオールを含む多官能性化合物とポリイソシアネートとを含む原料混合物を反応させることにより得られるポリカーボネート系ポリウレタン樹脂。
9. 上記項8に記載のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を含有する、化粧シートの絵柄模様層を形成するために用いる水性インキ。
本発明の化粧シートは、絵柄模様層を形成するインキとして特定のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を含有する水性インキを用いるため、絵柄模様層の耐候密着性及び耐候退色性が良好である。また、絵柄模様層を形成した印刷原反の段階で巻き取り保管した場合でも、印刷原反のブロッキングは抑制されている。
本発明の化粧シートは、樹脂含有層(絵柄模様層を除く)を溶剤系塗工剤で形成する場合又は水系塗工剤(水性組成物)で形成する場合のいずれにも適用できる。樹脂含有層の1層以上を水性組成物により形成する場合には、化粧シートのVOC使用量を低減でき、環境面から好ましい。
以下、本発明の化粧シートについて、絵柄模様層について説明後、化粧シートの具体的構成について例示的に説明する。
絵柄模様層
本発明における絵柄模様層は、20℃において液状であるポリカーボネートポリオールを含む多官能性化合物とポリイソシアネートとを含む原料混合物を反応させることにより得られるポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、を含有する水性インキにより形成する。
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は、その構造内にカーボネート基(−O−CO−O−)及びウレタン基(−NH−CO−O−)を有し、水性インキ中で結着剤樹脂としての役割を果たす。本発明では、特に「20℃において液状であるポリカーボネートポリオール」を含む多官能性化合物とポリイソシアネートとを含む原料混合物を反応させることにより得るため、絵柄模様層は水性インキにより形成されるにも関わらず、溶剤系インキを用いた場合と同程度又はそれ以上に色がくすみ難い。その結果、絵柄模様層の色鮮やかさや色彩の明瞭さが良好である。また耐候密着性も良好である。
上記ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は、20℃において液状であるポリカーボネートポリオールを含む多官能性化合物とポリイソシアネートとを含む原料混合物を反応させることにより得られる。
上記多官能性化合物は、イソシアネート基と反応し得る活性水素を2個以上有する化合物であり、20℃において液状であるポリカーボネートポリオールを必須成分として含む。多官能性化合物は、詳細は後述するが、更に「酸性基を導入し得る多官能性化合物」、「鎖伸長剤」などを含んでもよい。
多官能性化合物中のポリカーボネートポリオールの含有量は限定的ではないが、30〜80質量%程度が好ましい。なお、20℃において「液状」であるとは、20℃におけるB型粘度計(東京計器)での測定値が300〜400000mPa・sの範囲を言う。
20℃において液状であるポリカーボネートポリオールは、例えば、ポリオールのホスゲン化、ジフェニルカーボネートによるエステル交換法、ジアルキルカーボネートとジオール類との縮合重合法等によって合成できる。
20℃において液状であるポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリ[(1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール)カーボネート](1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=75/25〜25/75(モル比))、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール)カーボネート](3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90/10〜50/50(モル比))、ポリ[(1,9−ノナンジオール/2−メチル−1,8−オクタンジオール)カーボネート](1,9−ノナンジオール/2−メチル−1,8−オクタンジオール)カーボネート=90/10〜10/90(モル比))、ポリ[(1,4−シクロヘキサンジメタノール/1,6−ヘキサンジオール)カーボネート](1,4−シクロヘキサンジメタノール/1,5−ペンタンジオール=40/60〜60/40(モル比))、等が挙げられる。上記ではジオールを例示しているが、ポリオールには、トリオール又はそれ以上のOH基数を有するものも含まれる。これらのポリカーボネートポリオールは、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
なお、20℃において液状であるポリカーボネートポリオールの数平均分子量は500〜10000であることが好ましく、より好ましくは1000〜3000である。数平均分子量が500未満の場合には絵柄インキ層の密着性が低下しやすい傾向にあり、また、数平均分子量が10000を超えるとブロッキングが生じる可能性がある。
また、多官能性化合物としては、前記20℃において液状のポリカーボネートポリオールの他に、その他のポリオール成分として、従来公知のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、20℃において液状でないポリカーボネートポリオールを併用してもよい。
上記多官能性化合物と反応させるポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネート(LDI)等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート(HXDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−クロロ−2,4−フェニレンジシソシアネート等のフェニレンジイソシアネート(PDI)、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルジイソシアネート等のジフェニルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のナフタレンジイソシアネート(NDI)などが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、その他、上記ポリイソシアネートと多価アルコール(トリメチロールプロパン等)又はポリアミン類との付加体、ビューレット反応生成物、イソシアヌレート環等を有するポリメリックポリイソシアネートなどが挙げられる。
ポリイソシアネートは、単独又は二種以上で使用できる。ポリイソシアネートには、ジイソシアネート(脂肪族ジイソシアネート,脂環族ジイソシアネート,芳香族ジイソシアネート)が含まれる。上記ポリイソシアネートの中でも、無黄変型ポリイソシアネートが特に好ましい。具体的には、上記脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートが無黄変型に該当する。
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は、水溶性又は水分散性を有することが好ましい。当該特性を有するためには、例えば、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が親水性の陰イオン性基(カルボキシレート基−COO、スルホネート基−SO 等)を含有することが望ましい。このような陰イオン性基は、例えば、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂に酸性基(カルボキシル基、スルホン酸基等)を導入し、次いで酸性基を塩基により中和することによって導入できる。
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂に当該酸性基を導入するためには、例えば、上記多官能性化合物として、酸性基を導入し得る多官能性化合物を併用すればよい。このような多官能性化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸などのカルボキシル基含有ジオール;リジン、アルギニン、オルニチン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ジアミノプロピオン酸、ジアミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸などのカルボキシル基又はスルホン酸基含有ジアミン、ジヒドロキシエチルホスフォン酸、ジメチロールホスフィン酸などのカルボキシル基又はスルホン酸基含有ジオール;前記カルボキシル基含有ジオールとラクトンとの付加開環重合により生成するカルボキシル基の含有ポリエーテルジオール;前記ジオールと、3以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸又はその誘導体(例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、ビロメリット酸など)と、必要に応じて脂肪族又は芳香族ジカルボン酸もしくはその誘導体との反応により生成するカルボキシル基含有ポリエーテルジオール;スルホイソフタル酸を多価カルボン酸成分として用いたスルホイソフタル酸単位を含有するポリエーテルジオールなどが例示できる。
また、酸性基を中和する塩基としては、例えば、無機塩基(アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物)、有機塩基(ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミンなどの脂肪族アミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジイソプロピルエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、イソプロピルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン、モルホリンなどの環状アミンなど)が使用できる。この中でも、無機塩基としてはアルカリ金属水酸化物が好ましく、有機塩基としてはアルカノールアミンが好ましい。
更に、本発明においては、多官能性化合物として鎖伸長剤を併用してもよい。鎖伸長剤は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子量多価アルコール;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の低分子量ポリアミンを挙げることができる。
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は、酸性基及びその酸性基を中和することによって得られる陰イオン性基の含有量(酸性基と陰イオン性基の合計量)がポリカーボネート系ポリウレタン樹脂の1質量%以上であることが好ましく、2〜4質量%であることがより好ましい。この含有量が1質量%未満であると乳化性に問題が生じたり、インク特性が不十分になるおそれがある。また、含有量が4質量%を超えると、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂の耐水性が低下するおそれがある。このような酸性基と陰イオン性基の含有量については、例えば、酸性基の導入量や中和剤の使用量の増減によって調整する。
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は、例えば、ポリイソシアネート、20℃において液状であるポリカーボネートポリオール、その他のポリオール成分、酸性基を導入し得る多官能性化合物、及び必要に応じて鎖伸長剤を反応させてイソシアネート基末端プレポリマー中和物を調製し、次いで、水中で、水溶性ポリアミン、ヒドラジン又はその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて鎖延長反応したのち、あるいは鎖延長反応と同時に、末端イソシアネート基を封鎖することによって得られる。プレポリマー調製の反応温度は40〜150℃とするのが好ましく、公知の反応触媒やイソシアネート基と反応しない有機溶剤を適宜併用してもよい。このようにして得られるポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は、本発明のように水性インキの結着剤樹脂として使用できるほか、その耐熱性、耐候性、低臭性等を活かして、金属、プラスチック、繊維、紙用のコーティング剤としての用途にも使用できる。
水性インキは、上記ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を結着剤樹脂(バインダー)として含有する他は、公知の水性インキと同様でよい。結着剤樹脂としては、上記ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂のみで良いが、本発明の効果を妨げない範囲で公知の結着剤樹脂を混合できる。水性インキに含まれる着色剤、溶媒(水又は水系溶媒)等については、次の通りである。
着色剤は特に限定されず、公知の着色剤を使用することができる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニンリンブラック等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用できる。
溶媒である水は、例えば、公知の水系塗工剤等に使用されているグレードの工業用水が使用できる。
また、水系溶媒としては、水と有機溶媒とからなる混合溶媒を使用することもできる。有機溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等の低級アルコールのほか、グリコール類、グリコールエステル類等の水溶性有機溶剤を好適に用いることができる。なお、水溶性有機溶剤は、水性インキの流動性改良、被塗工体である基材シートへの濡れ性の向上、乾燥性の調整等の目的で使用されるものであり、その目的に応じてその種類、使用量等が決定される。混合溶媒の場合、水及び有機溶媒の割合は一般に水:有機溶媒20:80〜100:0(質量比)の範囲内で適宜調整することができる。水性インキ中における水又は水系溶媒の使用量は、水性インキ中の全固形分含有量5〜70質量%となるような範囲内から適宜決定すればよい。
本発明における水性インキとしては、水を含有する分散媒(水のみも含む)に上記ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が分散している状態(樹脂エマルション)が好ましい。
上記水性インキを用いた絵柄模様層の形成方法は限定的ではない。例えば、絵柄模様層を形成しようとする基材(例えば基材シート、着色隠蔽層)上にグラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等により形成できる。絵柄模様層は、化粧シートに木目、節目等の天然素材柄又は模様のほか、文字、図形等の意匠を付与する。
上記着色隠蔽層は、絵柄模様層と併せて装飾層と称される場合がある。着色隠蔽層は、基材シートと絵柄模様層との間に設けられるいわゆるベタインキ層である。着色隠蔽層の形成に用いるインキについては限定的ではないが、本発明における水性インキのほか、公知の印刷インキが使用できる。着色隠蔽層の形成方法についても、上記と同じである。
装飾層の厚さは限定的ではなく、着色隠蔽層の厚さは0.1〜20μm程度が好ましく、1〜10μm程度がより好ましい。絵柄模様層の厚さは0.1〜15μm程度が好ましく、1〜10μm程度がより好ましい。
基材シートに上記着色隠蔽層及び絵柄模様層を形成した場合には、装飾層を形成した印刷原反の段階で一旦巻き取りを行っても、装飾層と基材シートとの密着性及び装飾層の耐久性が良好であり、ブロッキングの発生が抑制されている。
化粧シートの具体的構成
化粧シートの具体的構成は限定的ではない。例えば、基材シート上に装飾層(着色隠蔽層及び絵柄模様層)、透明性接着剤層及び透明性樹脂層を積層した化粧シートが挙げられる。また、透明性樹脂層の上に透明性保護層を更に設けた化粧シートも挙げられる。
接着剤層、透明性樹脂層及び透明性保護層の形成方法は限定されず、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、転写印刷等の印刷;スプレー、ローラー、刷毛等の塗布;シート状物等の成形体を積層等のいずれも採用することができる。これらの方法の中から、各層の特性、原料等に応じて適宜組み合わせて選択すれば良い。樹脂を含有する層の少なくとも一層は、成形体の積層又は水性組成物による塗膜によって形成されていることが環境面から望ましい。
以下、基材シート上に装飾層(着色隠蔽層及び絵柄模様層)を有し、その上に透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性保護層を順に積層してなる化粧シートを例に挙げて、装飾層以外の層について説明する。
≪基材シート≫
基材シートのおもて面には、装飾層(着色隠蔽層及び絵柄模様層)が順次積層される。
基材シートとしては、熱可塑性樹脂により形成されたものが好適である。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等である。
基材シートは着色剤(顔料又は染料)によって着色されていてもよい。着色剤としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料のほか、各種染料も使用できる。着色剤は、単独又は2種以上で使用できる。着色剤の添加量は所望の色合い等に応じて適宜設定すればよい。
基材シートは、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤を含んでもよい。
基材シートの厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般には20〜300μm程度が好ましい。
基材シートは、装飾層の密着力を高めるために、おもて面にコロナ放電処理を行ってもよい。コロナ放電処理の方法・条件は、常法に従えばよい。必要に応じて、基材シートの裏面にもコロナ放電処理を施せる。
≪透明性接着剤層≫
本発明では、装飾層と透明性樹脂層との間に透明性接着剤層が介在する。接着剤層で使用する接着剤は、絵柄層又は透明性樹脂層を構成する成分等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂等を含む各種接着剤を使用できる。また、反応硬化タイプのほか、ホットメルトタイプ、電離放射線硬化タイプ、紫外線硬化タイプ等の接着剤でもよい。
なお、本発明では、熱圧着できる接着剤を使用し、熱圧着によって絵柄層と透明性樹脂層とを積層することもできる。
接着剤層は、絵柄層が認識できる限り、透明でも半透明でもよい。
接着剤層は、化粧シートのVOCを低減できる点で水性組成物により形成されることが望ましい。水性組成物としては、水性バインダーを含む組成物を使用することができる。上記水性バインダーは、樹脂水溶液、水性樹脂エマルジョン等のいずれの形態であっても良い。
なお、本発明では、必要に応じ、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を接着面に施すこともできる。
接着剤層の厚みは、透明性保護層、使用する接着剤の種類等によって異なるが、一般的には0.1〜30μm程度とすれば良い。
≪透明性樹脂層≫
透明性樹脂層は、透明である限り、着色されていても良い。また、装飾層が視認できる範囲内で半透明であっても良い。
上記樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等を挙げることができる。透明性樹脂層は、特に、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。より好ましくは、立体規則性を有するポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂を用いる場合は、溶融させたポリオレフィン系樹脂を押し出し法により透明性樹脂層を形成することが望ましい。
透明性樹脂層には、必要に応じて充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていても良い。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、一般的には10〜200μm程度である。
≪透明性保護層≫
透明性保護層は、透明である限り、着色されていても良い。また、装飾層が視認できる範囲内であれば半透明であっても良い。透明性保護層の形成により、化粧シート表面の傷のつきやすさをカバーし、耐擦傷性を向上させることができる。
透明性保護層に用いられる材料としては特に限定されず、公知の化粧シートと同様のものを使用することができるが、本発明では2液硬化型のウレタン系樹脂を使用することが望ましい。2液硬化型のウレタン系樹脂は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするものであれば特に限定されず、市販品を使用することもできる。ポリオール及びイソシアネートとしては、前記の接着剤層で列記したものを好ましく使用することができる。
本発明では、透明性保護層は、VOC低減等の効果がより高められるという点で、水性組成物により形成されることが望ましい。水性組成物としては、水性バインダーを含む組成物を使用することができる。上記水性バインダーは、樹脂水溶液、水性樹脂エマルジョン等のいずれの形態であっても良い。これらに使用される樹脂は、前記の装飾層の形成に使用される水性組成物の水性バインダーと同様のものを使用することができる。
また、本発明では、透明性保護層として電離放射線硬化型樹脂を用いることもできる。電離放射線硬化型樹脂を使用する場合には、耐擦傷性、耐候性等が特に良好である。
電離放射性硬化型樹脂は、公知のもの又は市販品を使用することができる。具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基をもつプレポリマー、オリゴマー及び単量体の少なくとも1種を含む組成物を用いる。
前記のプレポリマー又はオリゴマーとしては、例えば、ポリエステルメタアクリレート、ポリエーテルメタアクリレート、ポリオールメタアクリレート、メラミンメタアクリレート等のメタアクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類等がある。
単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸エトキシメチル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸ラウリル等メタアクリル酸エステル類がある。
不飽和酸の置換アミノアルコールエステルとしては、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、メタアクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等がある。
その他にも、アクリルアミド、メタアクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオベンジルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等の多官能性物、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基をもつポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピオレート、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコール等がある。また、3官能基以上のアクリレート系単量体には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート等がある。
電離放射線硬化型樹脂による透明性保護層の形成方法は限定的ではないが、例えば、電離放射線硬化型樹脂を含む組成物(塗料)の塗膜に電離放射線を照射することにより形成できる。電離放射線は、塗料に含まれる電離放射線硬化型樹脂、添加剤である光ラジカル重合開始剤・増感剤に作用してラジカル重合反応を開始できるエネルギーを有するものであればよく、紫外線、X線、γ線等の電磁波が挙げられる。この中でも、塗膜の硬化能力、照射装置の簡便性からは電子線が最も実用性が高い。電子線照射する場合には、例えば、175keV及び5Mrad(50kGy)の条件で電子線照射することにより皮膜を架橋硬化させればよい。なお、透明性保護層を電離放射線硬化型樹脂により形成する場合は、予め下地としてプライマー層(特にウレタン系樹脂によるプライマー層)を透明性樹脂層上に設けることが望ましい。
透明性保護層の厚みは限定されないが、通常は0.1〜50μm、特に1〜20μmとすることが望ましい。
透明性保護層(化粧シートの最表面)には、エンボス加工により凹凸模様が付与されていてもよい。より好ましくは、前記エンボス凹部にインキを充填するワイピング加工を施し、その表面を2液硬化型ウレタン系樹脂で被覆(オーバーコート処理)した構造とする。
エンボス加工は、化粧シートに木材板表面等所望のテクスチァーを付与するために行われる。例えば、加熱ドラム上で透明性保護層を加熱軟化させた後、さらに赤外線輻射ヒーターで140〜170℃に加熱し、所望の形の凹凸模様を設けたエンボス板で加圧、賦形し、冷却固定して形成する。これは、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機を使用すれば良い。凹凸模様としては、例えば木目導管溝、浮造模様(浮出した年輪の凹凸模様)、ヘアライン、砂目、梨地等が挙げられ、これらの中から所望の模様を適宜選択することができる。
ワイピング加工とは、エンボス加工で設けた凹部にドクターブレードで表面をかきながらインキを充填する加工をいう。ワイピングインキとしては、通常は2液硬化型のウレタン樹脂をバインダーとするインキを用いることができる。ワイピング加工では、特に木目導管溝凹凸に対して行うことによって、より実際の木目に近い意匠を表現することにより商品価値を高めることができる。
本発明では、透明性保護層中に他の成分が含まれていても良い。例えば、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、光安定剤、ツヤ調整剤、ブロッキング防止剤、滑剤等の添加剤を配合することもできる。
化粧板
本発明の化粧板は、本発明の化粧シートが基材(被着材)上に積層されたものである。より具体的には、化粧シートの透明性保護層が最表面層となるように当該シートが基材上に積層されている。
≪基材≫
本発明化粧シートが適用される基材は、限定的でなく、公知の化粧シートと同様のものを用いることができる。例えば、木質材料、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。特に、本発明化粧シートは、木質材に好適に使用することができる。木質材料としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
≪基材への積層≫
化粧シートの基材への積層は、公知の化粧シートの積層と同様にすることができる。例えば、接着剤を用いて化粧シートを基材上に貼着によって好適に積層することが可能である。
使用できる接着剤としては、例えば熱可塑性樹脂系、熱硬化性樹脂系、ゴム系等のいずれのタイプの接着剤も使用することができる。これは、公知のもの又は市販品を使用することができる。
熱可塑性樹脂系接着剤としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー等が例示される。
熱硬化性樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等が例示される。
ゴム(エラストマー)接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スフチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS,SIS,SEBS等)等が例示される。
以下に合成例、比較合成例、実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
なお、合成例及び比較合成例において、ポリカーボネートポリオールの粘度は次の測定方法によって測定した。即ち、20℃に調温したポリカーボネートポリオールを、東京計器製B型回転粘度計(形式:BH、7号ローター使用、回転数10rpmの条件)により測定した。
合成例1(20℃で液状のポリカーボネートジオール、COOH基及びCOO-基含有量:1.6質量%)
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール)カーボネート](平均分子量2,000、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90/10(モル比):粘度76000mPa・s)167.9g、2,2−ジメチロールブタン酸15.8g、ジブチル錫ジラウレート0.001およびメチルエチルケトン95gを加え、均一に混合したのち、シクロヘキシルメタンジイソシアネート100.0gを加え、80℃で所定時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量4.2質量%のプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、20%−水酸化ナトリウム水溶液21.4gを加えて中和したのち、水520gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にヘキサメチレンジアミン18.2gとジエチレントリアミン2.4gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を得た。
この水分散物におけるポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールブタン酸由来のカルボキシル基及びカルボキシレート基含有量は1.6質量%であった。
合成例2(20℃で液状のポリカーボネートポリオール、COOH基及びCOO-基含有量:2.0質量%)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール)カーボネート](平均分子量2,000、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90/10(モル比):粘度76000mPa・s)137.4g、2,2−ジメチロールブタン酸18.1g、ジブチル錫ジラウレート0.001およびメチルエチルケトン85gを加え、均一に混合したのち、シクロヘキシルメタンジイソシアネート100.0gを加え、80℃で所定時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量4.7質量%のプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、20%−水酸化ナトリウム水溶液24.4gを加えて中和したのち、水460gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にヘキサメチレンジアミン18.2gとジエチレントリアミン2.4gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を得た。
この水分散物におけるポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールブタン酸由来のカルボキシル基及びカルボキシレート基含有量は2質量%であった。
合成例3(20℃で液状のポリカーボネートポリオール、COOH基及びCOO-基含有量:2.4質量%)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール)カーボネート](平均分子量2,000、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90/10(モル比):粘度76,000mPa・s)114.5g、2,2−ジメチロールブタン酸19.8g、ジブチル錫ジラウレート0.001およびメチルエチルケトン100gを加え、均一に混合したのち、シクロヘキシルメタンジイソシアネート100.0gを加え、80℃で所定時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量4.8質量%のプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、20%−水酸化ナトリウム水溶液26.7gを加えて中和したのち、水430gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にヘキサメチレンジアミン18.2gとジエチレントリアミン2.4gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を得た。
この水分散物におけるポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールブタン酸由来のカルボキシル基及びカルボキシレート基含有量は2.4質量%であった。
合成例4(20℃で液状のポリカーボネートポリオール、分子量違い、COOH基及びCOO-基含有量:2.8質量%)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール)カーボネート](平均分子量1,000、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90/10(モル比):粘度16000mPa・s)64.9g、2,2−ジメチロールブタン酸18.6g、ジブチル錫ジラウレート0.001およびメチルエチルケトン61gを加え、均一に混合したのち、シクロヘキシルメタンジイソシアネート100.0gを加え、80℃で所定時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量6.6質量%のプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、20%−水酸化ナトリウム水溶液25.2gを加えて中和したのち、水350gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にヘキサメチレンジアミン18.2gとジエチレントリアミン2.4gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を得た。
この水分散物におけるポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールブタン酸由来のカルボキシル基及びカルボキシレート基含有量は2.8質量%であった。
合成例5(20℃で液状のポリカーボネートポリオール、分子量違い、COOH基及びCOO-基含有量:1.6質量%)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール)カーボネート](平均分子量3,000、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90/10(モル比):粘度210000mPa・s)206.1g、2,2−ジメチロールブタン酸18.1g、ジブチル錫ジラウレート0.001およびメチルエチルケトン139gを加え、均一に混合したのち、シクロヘキシルメタンジイソシアネート100.0gを加え、80℃で所定時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量3.5質量%のプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、20%−水酸化ナトリウム水溶液24.5gを加えて中和したのち、水580gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にヘキサメチレンジアミン18.2gとジエチレントリアミン2.4gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を得た。
この水分散物におけるポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールブタン酸由来のカルボキシル基及びカルボキシレート基含有量は1.6質量%であった。
合成例6(20℃で液状のポリカーボネートポリオール、種類違い、COOH基及びCOO-基含有量:2質量%)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリ[(1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール)カーボネート](平均分子量2,000、1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=50/50(モル比):粘度86000mPa・s)137.4g、2,2−ジメチロールブタン酸18.1g、ジブチル錫ジラウレート0.001及びメチルエチルケトン110gを加え、均一に混合したのち、シクロヘキシルメタンジイソシアネート100.0gを加え、80℃で所定時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量4.4質量%のプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、20%−水酸化ナトリウム水溶液24.5gを加えて中和したのち、水470gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にヘキサメチレンジアミン18.2gとジエチレントリアミン2.4gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を得た。
この水分散物におけるポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールブタン酸由来のカルボキシル基及びカルボキシレート基含有量は2質量%であった。
合成例7(20℃で液状のポリカーボネートポリオール、中和塩違い:アルカノールアミン、COOH基及びCOO-基含有量:2質量%)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール)カーボネート](平均分子量2,000、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90/10(モル比):粘度76000mPa・s)137.4g、2,2−ジメチロールブタン酸18.1g、ジブチル錫ジラウレート0.001およびメチルエチルケトン110gを加え、均一に混合したのち、シクロヘキシルメタンジイソシアネート100.0gを加え、80℃で所定時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量4.4質量%のプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、ジメチルアミノエタノール10.9gを加えて中和したのち、水470gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にヘキサメチレンジアミン18.2gとジエチレントリアミン2.4gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を得た。
この水分散物におけるポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールブタン酸由来のカルボキシル基及びカルボキシレート基含有量は2質量%であった。
合成例8(20℃で液状のポリカーボネートポリオール、イソシアネート違い:IPDI、COOH基及びCOO-基含有量:2質量%)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール)カーボネート](平均分子量2,000、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90/10(モル比):粘度76000mPa・s)175.7g、2,2−ジメチロールブタン酸20.3g、ジブチル錫ジラウレート0.001およびメチルエチルケトン127gを加え、均一に混合したのち、イソホロンジイソシアネート100.0gを加え、80℃で所定時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量4.5質量%のプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、20%−水酸化ナトリウム水溶液27.5gを加えて中和したのち、水520gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にヘキサメチレンジアミン21.4gとジエチレントリアミン2.8gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を得た。
この水分散物におけるポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールブタン酸由来のカルボキシル基及びカルボキシレート基含有量は2質量%であった。
合成例9(20℃で液状のポリカーボネートポリオール、イソシアネート違い:HDI、COOH基及びCOO-基含有量:2質量%)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール)カーボネート](平均分子量2,000、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90/10(モル比):粘度76000mPa・s)250.0g、2,2−ジメチロールブタン酸25.6g、ジブチル錫ジラウレート0.001およびメチルエチルケトン127gを加え、均一に混合したのち、ヘキサメチレンジイソシアネート100.0gを加え、80℃で所定時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量4.7質量%のプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、20%−水酸化ナトリウム水溶液34.5gを加えて中和したのち、水660gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にヘキサメチレンジアミン28.3gとジエチレントリアミン3.7gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を得た。
この水分散物におけるポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールブタン酸由来のカルボキシル基及びカルボキシレート基含有量は2質量%であった。
比較合成例1(20℃で固体のポリカーボネートポリオール、COOH基及びCOO-基含有量:2質量%)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリ(1,6−ヘキサメチレンジオールカーボネート)(平均分子量2000、20℃で固体)137.4g、2,2−ジメチロールブタン酸18.1g、ジブチル錫ジラウレート0.001およびメチルエチルケトン85gを加え、均一に混合したのち、シクロヘキシルメタンジイソシアネート100.0gを加え、80℃で所定時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量4.7質量%のプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、20%−水酸化ナトリウム水溶液24.4gを加えて中和したのち、水470gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にヘキサメチレンジアミン18.2gとジエチレントリアミン2.4gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を得た。
この水分散物におけるポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールブタン酸由来のカルボキシル基及びカルボキシレート基含有量は2質量%あった。
比較合成例2(ポリエステルポリオール、COOH基及びCOO-基含有量:2質量%)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリ(1,4−ブタンジオールアジペート)(平均分子量2,000)137.4g、2,2−ジメチロールブタン酸18.1g、ジブチル錫ジラウレート0.001及びメチルエチルケトン85gを加え、均一に混合したのち、シクロヘキシルメタンジイソシアネート100.0gを加え、80℃で所定時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量4.7質量%のプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、20%−水酸化ナトリウム水溶液24.4gを加えて中和したのち、水460gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にヘキサメチレンジアミン18.2gとジエチレントリアミン2.4gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35質量%のポリエステル系ポリウレタン樹脂水分散物を得た。
この水分散物におけるポリウレタン樹脂中、の2,2−ジメチロールブタン酸由来のカルボキシル基及びカルボキシレート基含有量は2質量%であった。
比較合成例3(ポリエーテルポリオール、COOH基及びCOO-基含有量:2質量%)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリプロピレングリコール(平均分子量2,000)137.4g、2,2−ジメチロールブタン酸18.1g、ジブチル錫ジラウレート0.001およびメチルエチルケトン85gを加え、均一に混合したのち、シクロヘキシルメタンジイソシアネート100.0gを加え、80℃で所定時間反応させ、不揮発分に対する遊離イソシアネート基含有量4.7質量%のプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を30℃まで冷却し、20%−水酸化ナトリウム水溶液24.4gを加えて中和したのち、水460gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にヘキサメチレンジアミン18.2gとジエチレントリアミン2.4gを添加して2時間撹拌した。減圧下に2時間かけて60℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、固形分約35質量%のポリエーテル系ポリウレタン樹脂水分散物を得た。
この水分散物におけるポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールブタン酸由来のカルボキシル基及びカルボキシレート基含有量は2質量%であった。
実施例1
(1)着色隠蔽層用の水系塗工剤Aの調製
水性ウレタン−アクリル共重合体系白色インキ(ザ・インクテック株式会社製、オーデKEX白)100質量部、水20質量部、イソプロピルアルコール20質量部を混合して、着色隠蔽層用の水系塗工剤Aを調製した。
(2)絵柄模様層用の水系塗工剤Bの調製
合成例1で得た固形分約35質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物40質量部、キノクサリンジオン誘導体(ピグメントNo.PY213)5質量部、水30質量部、イソプロピルアルコール25質量部からなる水性インキに、さらに水20質量部、イソプロピルアルコール20質量部を混合し、絵柄模様層用の水系塗工剤Bを調製した。
(3)透明性接着剤層用の水系塗工剤Cの調製
水性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂含有接着剤100重量部、水分散性イソシアネート架橋剤10重量部及び水10重量部を混合し、透明性接着剤層用の塗工剤Cを調製した。
(化粧シートの作製)
基材シートとして、ポリプロピレンを主成分とする60μmの着色シートを用い、その表裏両面にコロナ放電処理を施した。その後、着色隠蔽層用の水系塗工剤A、絵柄模様層用の水系塗工剤Bを順次グラビア印刷法にて表面全体に均一に塗布・乾燥し、着色隠蔽層(3μm)及び絵柄模様層(1μm)を順次形成した。
次いで、その上に、接着剤層用水系塗工剤Cをグラビア印刷法にて均一に塗布・乾燥し、透明性接着剤層(3μm)を形成させた。
その接着剤層上に、厚み80μmの透明なポリプロピレン系フィルムをドライラミネート方式で積層して透明性樹脂層を形成させた。
実施例2
絵柄模様層用の水系塗工剤の樹脂として、合成例1で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物に替えて合成例2で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を用いた以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
実施例3
絵柄模様層用の水系塗工剤の樹脂として、合成例1で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物に替えて合成例3で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を用いた以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
実施例4
絵柄模様層用の水系塗工剤の樹脂として、合成例1で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物に替えて合成例4で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を用いた以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
実施例5
絵柄模様層用の水系塗工剤の樹脂として、合成例1で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物に替えて合成例5で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を用いた以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
実施例6
絵柄模様層用の水系塗工剤の樹脂として、合成例1で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物に替えて合成例6で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を用いた以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
実施例7
絵柄模様層用の水系塗工剤の樹脂として、合成例1で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物に替えて合成例7で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を用いた以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
実施例8
絵柄模様層用の水系塗工剤の樹脂として、合成例1で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物に替えて合成例8で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を用いた以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
実施例9
絵柄模様層用の水系塗工剤の樹脂として、合成例1で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物に替えて合成例9で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を用いた以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
比較例1
絵柄模様層用の水系塗工剤の樹脂として、合成例1で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物に替えて比較合成例1でポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物を用いた以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
比較例2
絵柄模様層用の水系塗工剤の樹脂として、合成例1で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物に替えて比較合成例2で得たポリエステル系ポリウレタン樹脂水分散物を用いた以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
比較例3
絵柄模様層用の水系塗工剤の樹脂として、合成例1で得たポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散物に替えて比較合成例3で得たポリエーテル系ポリウレタン樹脂水分散物を用いた以外は実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
(試験方法)
1.耐ブロッキング性試験
基材シートに着色隠蔽層、絵柄模様層を順次積層した時点のシートを試験体とし、表面に、別に用意した裏面プライマーのみ積層された基材シートの、裏面プライマー側を重ね合わせたものを試験体とし、ブロッキングテスター(荷重5kg/cm、50℃、80%)にて24時間静置した。その後、テスターから外した試験体の重ね合わせた部分を剥がすことでブロッキング状態を評価した。
○:インキの転移なく、シート同士の密着もない
△:インキの転移なく、若干シート同士の密着手応えあり
×:インキが転移し、シート同士の密着手応えもある
2.密着性試験
基材シートに着色隠蔽層、絵柄模様層を順次積層した時点のシートを試験体とし、表面に、2mm角で碁盤目状のカッター傷を100マスつけ、セロテープ(登録商標)(ニチバン株式会社製24mm)を試験体表面に貼着し、垂直方面に勢い良く剥がした。化粧シートから絵柄模様層が剥離しているか否かを観察した。
◎:5マス以下のインキ取られ
○:6マス以上、10マス以下のインキ取られ
△:11マス以上、50マス以下のインキ取られ
×:51マス以上のインキ取られ
3.耐候密着性試験
基材シートに着色隠蔽層、絵柄模様層を順次積層した時点のシートを試験体とし、超促進耐候試験機(「アイスーパーUVテスター」、岩崎電気(株)製)を用いて温度63℃湿度50%RHの状況下においた。その後、照度60mW/cm(365nm)である光を20時間シートに照射し、次いで4時間結露の状態にするというサイクルを200時間繰り返して、超促進耐候性試験を行った。試験中、照射と結露の切り替り時に30秒間純水をシャワーした。試験後、試験体表面にある透明性樹脂層を取除き、試験体の密着性を、上記密着性と同様の方法にて評価した。
○:10マス以下のインキ取られ
△:11マス以上、50マス以下のインキ取られ
×:51マス以上のインキ取られ
4.耐候退色性試験
基材シートに着色隠蔽層、絵柄模様層、接着剤層、透明性樹脂層を順次積層したシートを試験体とし上記同様の超促進耐候性試験を200時間繰り返して、促進試験前後の試験体の色差変化(ΔE)をX−Rite938(X−Rite社製)にて測定した。
○:ΔEが2以下(グレースケール4級以上)
△:ΔEが2を超えて6以下(グレースケール4〜2級)
×:ΔEが6を超える(グレースケール2級以下)
5.ヘイズの評価
基材シートとして、厚さ75μmの透明PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、HS74)を用いた。その基材シート上に絵柄模様層用の水系塗工剤Bをグラビア印刷法にて均一に塗布、乾燥し、1g/m2の絵柄模様層(厚さ1μm)を形成させた。
得られた絵柄模様層形成シートのヘイズ値を直読ヘイズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機(株)製)により測定した。
○:ヘイズ値が40以下
×:ヘイズ値が40を超える
各評価結果を下記表1にまとめて示す。
Figure 2008155560

Claims (9)

  1. 基材シート上に少なくとも絵柄模様層が形成されている化粧シートであって、当該絵柄模様層は、20℃において液状であるポリカーボネートポリオールを含む多官能性化合物とポリイソシアネートとを含む原料混合物を反応させることにより得られるポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、を含有する水性インキによって形成されていることを特徴とする化粧シート。
  2. ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は、無機塩基及びアルカノールアミンからなる群から選択される少なくとも1種を用いて酸性基を中和することによって得られる陰イオン性基を有する、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 水性インキは、水を含有する分散媒にポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が分散している、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は、酸性基及び/又はその酸性基を中和することによって得られる陰イオン性基を有しており、当該酸性基及び陰イオン性基の含有量がポリカーボネート系ポリウレタン樹脂の1質量%以上である、請求項2又は3に記載の化粧シート。
  5. ポリイソシアネートは、無黄変型ポリイソシアネートである、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 基材シート上に、着色隠蔽層、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層が順に積層されている、請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シートと被着材とを積層してなる化粧板。
  8. 化粧シートの絵柄模様層を形成するために用いられる水性インキ用の結着剤樹脂であり、20℃において液状であるポリカーボネートポリオールを含む多官能性化合物とポリイソシアネートとを含む原料混合物を反応させることにより得られるポリカーボネート系ポリウレタン樹脂。
  9. 請求項8に記載のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を含有する、化粧シートの絵柄模様層を形成するために用いる水性インキ。
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