JP4799188B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シートに関する。
化粧シートは、木質板等の被着材の表面保護、装飾等を目的とする装飾材料であり、一般に基材シート、着色隠蔽層、絵柄模様層、接着剤層、透明樹脂層等を積層させてなる。化粧シートは、被着材の表面に貼着して化粧板として使用される。そして、この化粧板は、各種の建材、家具等に使用されている。
化粧シートにおいて、従来、着色隠蔽層、絵柄模様層、接着剤層等は、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の脂肪族溶剤などを含む溶剤系塗工剤から形成されていた。
芳香族溶剤、脂肪族溶剤等は、有機性揮発物質(VOC)であり、特にトルエン、キシレン等の芳香族溶剤は化学物質排出把握管理促進法の指定化学物質及び室内空気中化学物質の指針値策定物質となっている。また、化粧シート製造時における溶剤系塗工剤に含まれるVOCの揮発による作業環境の問題、化粧シート使用時における残存VOCが一般の生活空間に拡散される環境安全性の問題が指摘されている。そのため、VOC使用量を低減した水系塗工剤からなる化粧シートが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、水系塗工剤を用いた化粧シートは、下記の欠点を有する。即ち、溶剤系塗工剤を用いた化粧シートに比べて、日光、蛍光灯等によって放出される紫外線等による影響が大きい。具体的には、化粧シートを構成する層のうち、装飾層(着色隠蔽層及び絵柄模様層)が劣化しやすく、耐候退色しやすい。また、装飾層の密着性が低下しやすい。
更に、基材シートに装飾層を形成した印刷原反の段階で一旦巻き取りをして保管すると、装飾層が重なったシートの裏面に接着・移行し、巻き取りシートにブロッキングが生じる場合がある。
特開2001−38849号公報
本発明は、装飾層を形成した段階で一旦巻き取りを行った場合でもブロッキングが抑制されており、装飾層の耐候密着性及び耐候退色性が良好な化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、装飾層を着色隠蔽層及び絵柄模様層から構成し、前記各層に含まれる樹脂成分として特定の樹脂を用いる場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シートに関する。
1.基材シート上に少なくとも着色隠蔽層と絵柄模様層とを順に積層してなる化粧シートであって、
(1)基材シート、着色隠蔽層及び絵柄模様層は、当該順に隣接しており、
(2)着色隠蔽層は、樹脂成分としてエーテル系ウレタン樹脂を含有し、
(3)絵柄模様層は、樹脂成分としてカーボネート系ウレタン樹脂及びエステル系ウレタン樹脂の少なくとも1種を含有し、
(4)前記エーテル系ウレタン樹脂は、ポリイソシアネートと、ポリエーテルグリコールと、ヒドラゾン又は活性水素原子を有するヒドラゾン誘導体との反応により得られ、
(5)前記カーボネート系ウレタン樹脂は、ポリイソシアネートと、ポリカーボネートジオールと、ヒドラゾン又は活性水素原子を有するヒドラゾン誘導体との反応により得られ、
(6)前記エステル系ウレタン樹脂は、ポリイソシアネートと、ポリエステルジオールと、ヒドラゾン又は活性水素原子を有するヒドラゾン誘導体との反応により得られる、
ことを特徴とする化粧シート。
.絵柄模様層の上に、接着剤層を介して透明性樹脂層が形成されている、上記項1に記載の化粧シート。
.樹脂を含有する層の少なくとも一層は、水性組成物から形成されている、上記項1又は2に記載の化粧シート。
.上記項1〜のいずれかに記載の化粧シートと被着材とを積層してなる化粧板。

以下、本発明の化粧シートについて詳細に説明する。
本発明の化粧シートは、基材シート上に少なくとも着色隠蔽層と絵柄模様層とを順に積層してなる化粧シートであって、
(1)基材シート、着色隠蔽層及び絵柄模様層は、当該順に隣接しており、
(2)着色隠蔽層は、樹脂成分としてエーテル系ウレタン樹脂を含有し、
(3)絵柄模様層は、樹脂成分としてエーテル系ウレタン樹脂以外の樹脂を含有する、
ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の化粧シートは、装飾層が着色隠蔽層(所謂ベタインキ層)と絵柄模様層とからなり、前記各層は特定の樹脂成分を含有するため、装飾層の耐候密着性及び耐候退色性が良好である。また、装飾層を形成した印刷原反の段階で一旦巻き取り保管した場合でも、印刷原反のブロッキングは抑制されている。かかる効果は、装飾層を水性塗工剤(水性組成物)から形成する場合でも良好である。
本発明の化粧シートは、樹脂含有層を溶剤系塗工剤で形成する場合又は水系塗工剤(水性組成物)で形成する場合のいずれも適用できる。特に樹脂含有層の少なくとも1層を水性組成物により形成する場合には、化粧シートのVOC使用量を低減する点で環境面でも有利である。
以下、本発明の化粧シートを各層ごとに分けて説明する。
基材シート
基材シートのおもて面には、装飾層(着色隠蔽層及び絵柄模様層)が順次積層される。
基材シートとしては、熱可塑性樹脂により形成されたものが好適である。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等である。
基材シートは着色剤(顔料又は染料)によって着色されていてもよい。着色剤としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料のほか、各種染料も使用できる。着色剤は、単独又は2種以上で使用できる。着色剤の添加量は所望の色合い等に応じて適宜設定すればよい。
基材シートは、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤を含んでもよい。
基材シートの厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般には20〜300μm程度が好ましい。
基材シートは、装飾層の密着力を高めるために、おもて面にコロナ放電処理を行ってもよい。コロナ放電処理の方法・条件は、常法に従えばよい。必要に応じて、基材シートの裏面にもコロナ放電処理を施せる。
装飾層(着色隠蔽層及び絵柄模様層)
装飾層は、基材シートに対して、着色隠蔽層、絵柄模様層の順に設けられる。
着色隠蔽層は、所謂ベタインキ層であり、塗工液を基材シートの全面に塗布・乾燥することにより形成される。絵柄模様層は、化粧シートに木目、節目等の天然素材が有する柄又は模様のほか、文字、図形等の意匠性を付与する。
装飾層は、着色剤及び樹脂を含む印刷インキを用いて、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等により形成できる。
着色剤は特に限定されず、公知の着色剤を使用することができる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニンリンブラック等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用できる。
印刷インキとしては、溶剤系インキでもよいが、水系インキ(水性組成物)を用いる場合には環境面から好ましい。水性組成物としては、樹脂成分が水又は水系溶媒に溶解又は分散されてなる組成物(樹脂溶液又は樹脂エマルジョンを含む。)であればよい。水性組成物としては、樹脂エマルジョン(水性樹脂エマルジョン)が好適である。
溶媒である水は、例えば、公知の水系塗工剤等に使用されているグレードの工業用水が使用できる。
また、水系溶媒としては、水と有機溶媒とからなる混合溶媒を使用することもできる。有機溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等の低級アルコールのほか、グリコール類、グリコールエステル類等の水溶性有機溶剤を好適に用いることができる。なお、水溶性有機溶剤は、水性組成物の流動性改良、被塗工体である基材シートへの濡れ性の向上、乾燥性の調整等の目的で使用されるものであり、その目的に応じてその種類、使用量等が決定される。混合溶媒の場合、水及び有機溶媒の割合は一般に水:有機溶媒20:80〜100:0(重量比)の範囲内で適宜調整することができる。水性組成物中における水又は水系溶媒の使用量は、水性組成物中の固形分含有量が20〜80重量%となるような範囲内から適宜決定すればよい。
本発明では、着色隠蔽層(を形成する印刷インキ)は、樹脂成分としてエーテル系ウレタン樹脂を含有する。
エーテル系ウレタン樹脂としては限定的ではないが、ポリイソシアネートと、活性水素原子を有する多官能性化合物と、ヒドラゾン又は活性水素原子を有するヒドラゾン誘導体(以下、活性水素原子を有するヒドラゾン誘導体は「ヒドラゾン類」と記載する。)との反応により得られるものが好適である。
以下、これらの成分について説明する。
≪ポリイソシアネート≫
ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネート(LDI)等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート(HXDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−クロロ−2,4−フェニレンジシソシアネート等のフェニレンジイソシアネート(PDI)、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルジイソシアネート等のジフェニルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のナフタレンジイソシアネート(NDI)などが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、その他、上記ポリイソシアネートと多価アルコール(トリメチロールプロパン等)又はポリアミン類との付加体、ビューレット反応生成物、イソシアヌレート環等を有するポリメリックポリイソシアネートなどが挙げられる。
ポリイソシアネートは、単独又は二種以上で使用できる。ポリイソシアネートには、ジイソシアネート(脂肪族ジイソシアネート,脂環族ジイソシアネート,芳香族ジイソシアネート)が含まれる。ジイソシアネートはポリイソシアネートとして好ましい。
≪多官能性化合物≫
多官能性化合物としては、活性水素原子を有する種々の化合物、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基等の活性水素原子含有官能基から選ばれた少なくとも一種の官能基を分子中に2個以上有する化合物を用いる。好適な多官能性化合物としては、ヒドロキシル基及びアミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有するポリエーテルポリオール類、ポリアミン類、ヒドラジンや2以上のヒドラジノ基を有するヒドラジン類等が挙げられる。
本発明で用いる多官能性化合物の分子量は特に制限されず、高分子量(例えば、数平均分子量400〜100,000、好ましくは500〜50,000、さらに好ましくは500〜10,000程度)であってもよく、低分子量(例えば、分子量400以下、好ましくは30〜400程度)であってもよい。なお、本明細書において、低分子量の多官能性化合物を鎖伸長剤と称する場合がある。
多官能性化合物としては、上記の中でも、ポリエーテルポリオール類を必須で用いる。ポリエーテルポリオール類は、単独又はそれと他のポリオール(低分子量ポリオール及び/又は高分子量ポリオール)との混合物で使用できる。また、多官能性化合物としては、ポリエーテルポリオールに加えて、ポリアミン類、ヒドラジン類等も使用できる。
ポリエーテルポリオール類としては、例えば、アルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,4−及び2,3−ブチレンオキサイドなどのC2−4 アルキレンオキサイドなど)の単独又は共重合体、これらのアルキレンオキサイドと、前記ジオール、ポリオール、第3級アミノ基含有ジオール及び後述するポリアミン類から選ばれた少なくとも一種の化合物との付加体などが含まれる。前記アルキレンオキサイドは単独又は二種以上を組み合わせて使用できる。
上記アルキレンオキサイドのうち、少なくともエチレンオキサイドを用いる場合が多い。アルキレンオキサイドの共重合体において、アルキレンオキサイドの付加形式はランダム又はブロック付加のいずれでもよい。ポリエーテルポリオール類としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。ポリエーテルポリオール類のうち、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが好ましい。
ポリエーテルポリオールと組み合わせられる低分子量ポリオールは限定的ではないが、ジオール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのC2−10アルキレングリコール;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン(水添ビスフェノールA)、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物(例えば、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドが1〜5モル程度付加した付加体)、水添ダイマージオールなど)、ポリオール(例えば、グリセリン、トリメチルロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなど)、第3級アミノ基含有ジオール(例えば、N−メチル−ジエタノールアミン、N−エチル−ジエタノールアミン、N−メチル−ジイソプロパノールアミン、N−エチル−ジイソプロパノールアミンなど)等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールと組み合わせられる高分子量ポリオールは限定的ではないが、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエンジオール等が挙げられる。この中でも、ポリエステルポリオール類としては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸又はその誘導体との反応により生成するポリエステルポリオール、環状エステルであるラクトン類(ε−カプロラクトン、ブチロラクトンなど)の開環重合により生成するポリエステルポリオール、前記低分子量ポリオール、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとラクトン類との反応により生成するポリエステルポリオールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールを形成するための多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドなど)付加体などが挙げられる。多価カルボン酸又はその誘導体には、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
上記ポリエステルポリオールとしては、ポリエステルジオールが好ましい。そのため、多価アルコールとしてジオール(例えは、脂肪族ジオール)、多価カルボン酸又はその誘導体としてジカルボン酸(例えば、脂肪族ジカルボン酸)を用いる場合が多い。
ポリアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンなどノ脂肪族ポリアミン(特にジアミン)、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン(IPDA)、水素添加キシリレンジアミン(HXDA)、水素添加ジフェニルメタンジアミン(H12MDA)など脂環族ポリアミン(特にジアミン)、キシリレンジアミン(XDA)、フェニレンジアミンなどの芳香族ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアミンなどが挙げられる。これらのポリアミン類は単独で又は二種以上混合して使用できる。ポリアミン類としては、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミンなどのジアミン類を用いる場合が多い。
ヒドラジンやヒドラジン類としては、例えば、ヒドラジン、モノ置換ヒドラジン[例えば、アルキル置換ヒドラジン(メチルヒドラジン、エチルヒドラジンなどのC1−6アルキルヒドラジンなど)、ヒドロキシアルキル置換ヒドラジン(2−ヒドロキシエチルヒドラジン、2−ヒドロキシプロピルヒドラジン、3−ヒドロキシプロピルヒドラジンなどのヒドロキシC1−6アルキルヒドラジンなど)]、下記式(1a)
NHN−R−NHNH (1a)
(式中、Rはアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基を示す)で表されるジヒドラジン類、下記式(1b)
NHNOC−R−CONHNH (1b)
(式中、Rは前記に同じ)で表されるジヒドラジド類、下記式(1c)
NHN−CONH−R−NHCO−NHNH (1c)
(式中、Rは前記に同じ)で表されるジセミカルバジド類や対応するジチオセミカルバジド類などが含まれる。
前記アルキレンジヒドラジン類(1a)には、例えば、メチレンジヒドラジン、エチレンジヒドラジン、プロピレンジヒドラジン、ブチレンジヒドラジンなどC1−10アルキレンジヒドラジン類(例えば、C1−6アルキレンジヒドラジン類)などが含まれる。
ジヒドラジド類(1b)には、多価カルボン酸又はその誘導体(C1−4低級アルキルエステル、酸ハライドや酸無水物)とヒドラジン又は前記アルキレンジヒドラジン類との反応により生成するポリヒドラジド、例えば、シュラ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジドなどの脂肪族C2−18ジカルボン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジドなどの不飽和脂肪族ジカルボン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジドなどの芳香族ジカルボン酸ジドラジドなどが含まれる。ジヒドラジド類には、炭酸とヒドラジンとの反応により生成するカーボジヒドラジドなども含まれる。
ジセミカルバジド類(1c)やジチオセミカルバジド類には、前記ポリイソシアネート成分やポリイソチオシアネート成分(特にジイソシアネート成分)とヒドラジンとの反応により生成する化合物が含まれる。ヒドラジンやヒドラジン類としては、前記ヒドラジン、アルキレンジヒドラジン類(例えば、C1−6アルキレンジヒドラジン類など)、ジカルボン酸ジヒドラジド(例えば、C1−12ジカルボン酸ジヒドラジドなど)が良く用いられる。
前記多官能性化合物は、鎖伸長剤と組み合わせて用いてもよい。鎖伸長剤としては、2官能性の低分子量化合物、例えば、低分子量ポリオール(特に低分子量ジオール)、ポリアミン類(特にジアミン類)、ヒドラジンやヒドラジン類(特にモノ置換ヒドラジン類)、ジヒドラジド類の他、水などが挙げられる。
水溶性又は水分散性を付与するためには、イオン性基又はノニオン性基を有する多官能性化合物を併用し、イオン性基及び/又はノニオン性基をエーテル系ウレタン樹脂に導入するのが有用である。イオン性基には、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性基を塩基で中和することにより生成する陰イオン性基(カルボキシレート基−COO、スルホネート基−SO )、置換基を有していてもよいアミノ基などの塩基性基を酸で中和することにより生成する陽イオン性基が含まれる。ノニオン性基としてはオキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のポリオキシエチレン単位などが挙げられる。陰イオン性基、陽イオン性基、ポリオキシエチレン単位のノニオン性基は、単独又は2種以上で使用できる。
陰イオン性基によりエーテル系ウレタン樹脂に水溶性又は水分散性を付与するための多官能性化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸などのカルボキシル基含有ジオール;リジン、アルギニン、オルニチン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ジアミノプロピオン酸、ジアミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸などのカルボキシル基又はスルホン酸基含有ジアミン、ジヒドロキシエチルホスフォン酸、ジメチロールホスフィン酸などのカルボキシル基又はスルホン酸基含有ジオール;前記カルボキシル基含有ジオールとラクトンとの付加開環重合により生成するカルボキシル基の含有ポリエーテルジオール;前記ジオールと、3以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸又はその誘導体(例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、ビロメリット酸など)と、必要に応じて脂肪族又は芳香族ジカルボン酸もしくはその誘導体との反応により生成するカルボキシル基含有ポリエーテルジオール;スルホイソフタル酸を多価カルボン酸成分として用いたスルホイソフタル酸単位を含有するポリエーテルジオールなどが例示できる。
陰イオン性基によりエーテル系ウレタン樹脂に水溶性又は水分散性を付与するための多官能性化合物には、第3級アミノ基含有ジオール、例えば、前記N−メチルジエタノールアミンなどのアミノ基含有ジオールとアルキレンオキサイドとの反応により生成する第3級アミノ基含有ポリエーテルポリオールなどが含まれる。ノニオン性基を有する多官能性化合物には、オキシエチレン単位を有するポリオキシアルキレングリコール(例えば、分子量300以上のポリオキシエチレングリコール)、多価アルコール(特にジオール)やポリアミン(特にジアミン)とアルキレンオキサイドとの付加物などが含まれる。
水溶性又は水分散性を付与するための好ましい多官能性化合物には、分子量のいかんに拘らず、カルボキシル基含有ジオール、スルホン酸基含有ジオール、ポリオキシエチレン単位含有ジオールが含まれる。イオン性基又はノニオン性基を有する多官能性化合物は、その分子量や反応性基の種類に応じて、高分子量ジオール及び鎖伸長剤(例えば、低分子量ジオール)のうち少なくとも1つの成分として利用できる。
イオン性基又はノニオン性基を有する多官能性化合物の使用量は、エーテル系ウレタン樹脂に水溶性又は水分散性を付与でき、樹脂の特性を損なわない範囲で選択できる。カルボキシル基含有ジオール、スルホン酸基含有ジオールの使用量は、例えば、エーテル系ウレタン樹脂の酸価が5〜100KOHmg/g、好ましくは10〜80KOHmg/g(例えば、15〜60KOHmg/g)程度となる量である。また、第3級アミノ基含有ジオールの使用量は、例えば、エーテル系ウレタン樹脂のアミン価が5〜50、好ましくは10〜50程度となる量である。さらにオキシエチレン単位を有するジオールの使用量は、エーテル系ウレタン樹脂全体の5〜50重量%、好ましくは10〜50重量%程度の範囲から選択できる。
水溶性又は水分散性エーテル系ウレタン樹脂において、前記イオン性基は中和されている。陰イオン性基(カルボキシル基やスルホン酸基)を中和するための塩基としては、例えば、無機塩基(アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物)、有機塩基(ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミンなどの脂肪族アミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジイソプロピルエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、イソプロピルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン、モルホリンなどの環状アミンなど)が使用できる。これらの塩基のうち、被膜の耐水性を高めるためには、揮発性塩基(例えば、アンモニアやトリメチルアミン、トリエチルアミンなどの有機塩基)を用いるのが有利である。
陽イオン性基(第3級アミノ基など)を中和するための酸としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など)が使用できる。
≪ヒドラゾン又はヒドラゾン類≫
ヒドラゾン又は活性水素原子を有するヒドラゾン誘導体には、ヒドラジノ基−NHNHとカルボニル化合物との反応により生成する下記式(2)
−NH−N=CR (2)
(式中、RおよびRは、同一又は異なって水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、複素環基を示す)で表される基を有する化合物が含まれる。前記カルボニル化合物には、ケトン類およびアルデヒド類が含まれ、ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジプロピルケトン(ブチロン)、ジイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルt−ブチルケトン、メチルビニルケトンなどの飽和又は不飽和C1−6アルキル−C1−6アルキルケトン類、アセトフェノン、プロピオフェノン、ブチロフェノン、バレロフェノン、ベンゾフェノン、ベンジリデンアセトフェノンなどの芳香族ケトン類、ベンジルアセトフェノン、ジベンジルケトンなどのアラルキルアルデヒド、アセトチエノン、2−アセトフロンなどの複素環式ケトンが含まれる。アルデヒド類には、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、カプロンアルデヒド、オクタアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、プロピオールアルデヒドなどの飽和又は不飽和脂肪族C1−12アルデヒド、ベンズアルデヒド、アミノベンズアルデヒド、ベンズアルデヒドスルホン酸、トルアルデヒド、シンナムアルデヒド、サリチルアルデヒド、アニスアルデヒド、バニリンなどの芳香族アルデヒド、チオフェンアルデヒド、フルフラールなどの複素環式アルデヒドが含まれる。ヒドラゾン又はその誘導体としては、アルデヒド類との反応により生成するアルデヒドヒドラゾン、ケトン類との反応により生成するケトンヒドラゾンのいずれでもよいが、ケトンヒドラゾンを用いる場合が多い。
およびRで表されるアルキル基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル,t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどの炭素数1〜10程度のアルキル基が含まれ、シクロアルキル基には、例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基などのC3−10シクロアルキル基などが含まれる。アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル基などが挙げられ、アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ベンズヒトリル基などが例示できる。複素環基には、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環基(例えば、フラン、オキサゾールなどの5員環基、ピランなどの6員環基、ベンゾフラン、キサンテン、クロマン、イソクロマンなどの縮合環基)、ヘテロ原子として硫黄原子を含む複素環基(例えば、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾールなどの5員環基など)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環基(例えば、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、ピロール、ピラゾール、イミダゾールなどの5員環基、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジンなどの6員環基、インドール、インドレン、イソインドール、インダゾール、インドリン、イソインドリン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、プリン、カルバゾール、アクリジン、フェナントロジン、フェナントロリンなどの縮合環基)などが含まれる。ヒドラゾン誘導体の活性水素原子は、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基などで構成することができる。好ましい活性水素原子を有するヒドラゾン誘導体には、例えば、ヒドラジン、モノ置換ヒドラジン類やアルキレンジヒドラジン類とカルボニル化合物との反応により生成し、活性水素原子としてヒドラゾノ基、モノ置換ヒドラゾノ基=N−NHR(R:アルキル基、ヒドロキシアルキル基)やヒドラジノ基を有するヒドラゾン化合物(2a)(2b)(2c)、ヒドラジド類とカルボニル化合物との反応により生成し、活性水素原子としてヒドラジド基−CONHNHを有するヒドラゾン化合物(2d)、セミカルバジド類とカルボニル化合物との反応により生成し、活性水素原子としてセミカルバジド基−NHCO−NHNHを有するヒドラゾン化合物(2e)などが含まれる。
NH=CR (2a)
−HN−N=CR (2b)
NHN−R−NHN=CR (2c)
NHNCO−R−CONHN=CR (2d)
NHN−COHN−R−NHCO−NHN=CR (2e)
(式中、R,R ,R およびR は前記に同じ)
で表されるアルキル基には前記RおよびRで表されるアルキル基と同様のC1−10アルキル基などが含まれ、C1−6アルキル基である場合が多い。ヒドロキシアルキル基には、例えば、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒトロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル基などのヒドロキシC1−10アルキル基などが含まれ、ヒドロキシC1−6アルキル基の場合が多い。
より具体的には、活性水素原子としてヒドラジノ基−NHNHを有するヒドラゾン化合物(2a)(2b)(2c)には、アセトンヒドラゾン、メチルエチルケトンヒドラゾン、メチルイソブチルケトンヒドラゾンなどのC3−8脂肪族ケトン−ヒドラゾン、アセトフェノンヒドラゾン、ベンゾフェノンヒドラゾンなどの芳香族ケトンヒドラゾン、ホルムアルデヒドヒドラゾン、アセトアルデヒドヒドラゾンなどのC2−6脂肪族アルデヒド−ヒドラゾン、ベンズアルデヒドヒドラゾンなどの芳香族アルデヒドヒドラゾン、C1−6アルキルヒドラジン、ヒドロキシアルキルヒドラジン(2−ヒドロキシエチルヒドラジン,2−ヒドロキシプロピルヒドラジン,3−ヒドロキシプロピルヒドラジンなどのヒドロキシC1−6アルキルヒドラジンなど)、C1−6アルキレンジヒドラジン類と上記ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのC3−8脂肪族ケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノンなどの芳香族ケトンなど)又はアルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド、ベンズアルデヒドなどの芳香族アルデヒドなど)との反応により生成するモノヒドラゾン類などが含まれる。
活性水素原子としてヒドラジド基−CONHNHを有するヒドラゾン化合物(2d)には、前記ジヒドラジド類(例えば、脂肪族C2−18ジカルボン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジドなどの不飽和脂肪族ジカルボン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジドなどの芳香族ジカルボン酸ジドラジド、カーボジヒドラジドなど)と、前記ケトン又はアルデヒドとの反応により生成するモノヒドラゾン類などが含まれる。活性水素原子としてセミカルバジド基−NHCO−NHNHを有するヒドラゾン化合物(2e)には、前記ジセミカルバジド類又はジチオセミカルバジド類と、前記ケトン又はアルデヒドとの反応により生成するモノヒドラゾン類などが含まれる。
好ましいヒドラゾン又はその誘導体には、ヒドラゾン(例えば、脂肪族ケトンヒドラゾン、特にC1−4アルキル−C1−4アルキルケトン−ヒドラゾンや、芳香族ケトンヒドラゾン)、脂肪族ジカルボン酸ジヒドラジドと脂肪族ケトン(C1−4アルキル−C1−4アルキル−ケトンなど)や芳香族ケトン(特に脂肪族ケトン)との反応により生成するヒドラゾンなどが含まれる。
ヒドラゾン又はヒドラゾン誘導体は、慣用の方法で生成させることができ、例えば、前記ケトン又はアルデヒド1モルに対して、ヒドラジン又はヒドラジン類、ヒドラジド類やその塩もしくは水和物0.6〜5モル(好ましくは0.8〜3モル、特に約1モル)を反応させることにより得ることができる。反応は、必要に応じて、水、不活性溶媒(例えば、アルコール類、炭化水素類、エーテル類など)中、室温又は加温下で行うことができる。なお、ヒドラゾン又はヒドラゾン誘導体の生成反応において、反応条件によっては、ヒドラジン又はヒドラジン類の全てのヒドラジノ基−NHNHがケトン又はアルデヒドと反応した副生物が生成する場合がある。このような副生物の副生を抑制するためには、ケトン又はアルデヒド1モルに対してヒドラジン又はヒドラジン類を過剰(例えば、1.3〜20モル、好ましくは1.5〜10モル、さらに好ましくは2〜5モル程度)を用いて反応させるのが有利である。この方法で生成した目的化合物は、蒸留、精留、抽出、吸着などの分離方法により分離して使用できる。また、過剰の未反応化合物(ヒドラジン又はヒドラジン類)は、反応生成物から除去することなく、鎖伸長剤として反応に供してもよい。なお、ヒドラゾン又は活性水素原子を有するヒドラゾン誘導体において、分子中に2以上の活性水素を有するヒドラゾン誘導体は、鎖伸長剤として利用する場合が多く、分子中に1個の活性水素を有するヒドラゾン又はヒドラゾン誘導体は、反応停止剤として利用できる。ヒドラゾン又はヒドラゾン誘導体は末端に1個の−NHNHを有し、反応停止剤として利用する場合が多い。
エーテル系ウレタン樹脂に対するヒドラゾノ基を有する化合物(ヒドラゾン又はヒドラゾン誘導体)の割合は、密着性や耐ブロッキング性などを損なわない範囲で選択でき、例えば、ポリウレタン樹脂1g当たり、ヒドラゾノ基として0.03〜2.0ミリ当量、好ましくは0.05〜1ミリ当量、さらに好ましくは0.1〜0.5ミリ当量程度である。
≪その他の成分≫
エーテル系ウレタン樹脂は、前記成分に加えて、必要に応じてさらに他の反応停止剤を反応させたものであってもよい。反応停止剤としては、単官能性化合物、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミンなどのアミン類、N,N−ジメチルアミノエタノールなどのアルカノールアミン類などが挙げられる。なお、反応停止剤としてカルボキシル基などのイオン解離性基を有する化合物を用いると、ポリウレタン樹脂の水溶性または水分散性を高めることができ、ヒドラジノ基を有する化合物を用いると、基材に対する密着性を向上できる場合がある。
本発明のエーテル系ウレタン樹脂の分子量は、例えば、重量平均分子量2000〜500000、好ましくは10000〜200000、さらに好ましくは20000〜150000程度である。
≪エーテル系ウレタン樹脂の製造方法≫
当該エーテル系ウレタン樹脂は、ポリイソシアネートと前記多官能性化合物とヒドラゾン又は活性水素原子を有するヒドラゾン誘導体とを反応させることにより得ることができる。反応において、各成分は反応系内で混合して同時に反応させてもよいが、ポリウレタン樹脂を再現性よく得るとともに反応を円滑に行うためには、ポリイソシアネートと前記多官能性化合物との反応によりイソシアネート基含有プレポリマーを調製し、ヒドラゾン又は活性水素原子を有するヒドラゾン誘導体をイソシアネート基含有プレポリマーと反応させるのが有利である。なお、プレポリマーとの反応に際しては、ヒドラゾン又はヒドラゾン誘導体とともに鎖伸長剤(ジオール、ヒドラジン、ヒドラジン類、ジヒドラジドやジアミン、水など)を併用してもよい。なお、水溶性又は水分散性ポリウレタン樹脂は、鎖伸長剤の成分として、前記イオン性基及び/又はノニオン性基を有する多官能性化合物(好ましくはジオール又はジアミン)を用いることにより調製できる。前記イオン性基及び/又はノニオン性基を有する多官能性化合物の使用量は、前記の通りである。
イソシアネート基含有プレポリマーの調製において、ポリイソシアネートと多官能性化合物との割合は、イソシアネート基と、多官能性化合物の活性水素を含む官能基(ヒドロキシル基やアミノ基など)との当量比が1.1/1〜3/1、好ましくは1.15/1〜2.0/1、さらに好ましくは1.25/1〜1.8/1程度となる範囲から選択できる。ポリイソシアネート(特にイソシアネート基含有プレポリマー)とヒドラゾン又はヒドラゾン誘導体との割合は、イソシアネート基1当量に対して、ヒドラゾン又はヒドラゾン誘導体の活性水素を含む官能基(−NHNH基など)0.01〜1当量(例えば、0.05〜0.7当量)、0.1〜0.5当量、好ましくは0.1〜0.3当量程度である。
反応は、例えば、溶媒の存在下または非存在下、0〜100℃程度の温度で行うことができる。なお、イソシアネートとポリエーテルポリオールとの反応は、例えば、25〜100℃程度で行う場合が多い。
均一に反応させるためには反応に不活性な溶媒を用いるのが有利である。反応に不活性な溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒、及びこれらの混合溶媒などが使用できる。反応には、慣用の触媒、例えば、トリエチルアミンなどの第3級アミン、ジラウリン酸ジブチルスズなどのスズ化合物、テトラブトキシチタンなどのチタン化合物などを用いてもよい。
前記の反応により生成したエーテル系ウレタン樹脂は、慣用の方法で水性化し、水性媒体に溶解又は分散させる。例えば、陰イオン性基(カルボキシル基やスルホン酸基)を有するエーテル系ウレタン樹脂は、前記塩基で中和することにより水性化でき、陽イオン性基(アミノ基など)を有するエーテル系ウレタン樹脂は、前記酸で中和することにより水性化できる。また、ノニオン性基が導入されたエーテル系ウレタン樹脂は、そのまま水性媒体に溶解または分散させることができる。好ましいエーテル系ウレタン樹脂では、カルボキシル基又はアミノ基、特にカルボキシル基が中和されている。なお、界面活性剤を用いることにより、前記イオン性基やノニオン性基を有しないエーテル系ウレタン樹脂を水性媒体に溶解または分散させてもよい。また、有機溶媒、特に水に対して非混和性の溶媒を前記反応系で用いる場合、非混和性溶媒は、水性媒体に溶解または分散する前に除去してもよく、水性媒体に溶解または分散した後、蒸留などにより除去したり水などの水性溶媒と置換してもよい。
本発明では、絵柄模様層を形成する印刷インキは、樹脂成分としてエーテル系ウレタン樹脂以外の樹脂を含有する。即ち、着色隠蔽層を形成する印刷インキとの関係では、エーテル系ウレタン樹脂を含有するか否かの観点により異なる。
エーテル系ウレタン樹脂以外の樹脂としては限定的ではなく、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、カーボネート系ウレタン樹脂、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂なども併用できる。より具体的には、例えば、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水溶性天然高分子;等も使用することができる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂変性ないし混合樹脂、その他の樹脂を使用することもできる。上記のような樹脂は一種または二種以上使用される。また、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリルニトリル等のニトリル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド系モノマー;それらのアミド系モノマーのN−アルコキシ置換体やN−メチロール置換体;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系モノマー;ジアリルフタレート、アリルグリジジルエーテル、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系モノマー;酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン等の重合性二重結合を有するモノマー;等の一種又は二種以上と、カルボキシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸の一種ないしそれ以上との共重合体からなるアルカリ溶液可溶性(メタ)アクリル系共重合体を使用することもできる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
本発明では、エーテル系ウレタン樹脂以外の樹脂としては、上記の中でもカーボネート系ウレタン樹脂が好ましい。即ち、着色隠蔽層が樹脂成分としてエーテル系ウレタン樹脂を含有し、絵柄模様層が樹脂成分としてカーボネート系ウレタン樹脂を含有する場合には、両樹脂の組み合わせにより、ブロッキング抑制及び層間剥離抑制に関して良好な効果を発揮する。
カーボネート系ウレタン樹脂としては限定的ではないが、例えば、ポリイソシアネートと、活性水素元素を有する多官能性化合物との反応により得られるものが好ましい。ポリイソシアネートとしては、前記したものが使用できる。多官能性化合物としては、ポリカーボネートポリオール類を用いる。
ポリカーボネートポリオール類は、例えば、ポリオールのホスゲン化、ジフェニルカーボネートによるエステル交換法、2塩基酸とグリコール類の縮合重合法等から合成できる。
ポリカーボネートポリオール類としては、具体的には、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール等を、ジアリールカーボネート(例えば、ジフェニルカーボネート、ホスゲン等)と反応させることにより得られる生成物が挙げられる。2塩基酸とグリコール類の縮合重合法により得られるポリカーボネートポリオール類としては、例えば、2塩基酸の2価フェノールに、グリコール類の環状ジオール(炭酸グリコール等)を縮合重合させた生成物が挙げられる。
装飾層の厚さは限定的ではなく、着色隠蔽層の厚さは0.1〜20μm程度が好ましく、1〜10μm程度がより好ましい。絵柄模様層の厚さは0.1〜15μm程度が好ましく、1〜10μm程度がより好ましい。
基材シートに上記着色隠蔽層及び絵柄模様層を形成した場合には、装飾層を形成した印刷原反の段階で一旦巻き取りを行っても、装飾層と基材シートとの密着性及び装飾層の耐久性が良好であり、ブロッキングの発生が抑制されている。
化粧シートの具体的構成
化粧シートの具体的構成は限定的ではない。例えば、基材シート上に装飾層、透明性接着剤層及び透明性樹脂層を積層した化粧シートが挙げられる。また、透明性樹脂層の上に透明性保護層を更に設けた化粧シートも挙げられる。
接着剤層、透明性樹脂層及び透明性保護層の形成方法は限定されず、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、転写印刷等の印刷;スプレー、ローラー、刷毛等の塗布;シート状物等の成形体を積層等のいずれも採用することができる。これらの方法の中から、各層の特性、原料等に応じて適宜組み合わせて選択すれば良い。樹脂を含有する層の少なくとも一層は、成形体の積層又は水性組成物による塗膜によって形成されていることが環境面から望ましい。
以下、基材シート上に装飾層を有し、その上に透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性保護層を順に積層してなる化粧シートを例に挙げて具体的構成を説明する。
≪透明性接着剤層≫
本発明では、装飾層と透明性樹脂層との間に透明性接着剤層が介在する。接着剤層で使用する接着剤は、絵柄層又は透明性樹脂層を構成する成分等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂等を含む各種接着剤を使用できる。また、反応硬化タイプのほか、ホットメルトタイプ、電離放射線硬化タイプ、紫外線硬化タイプ等の接着剤でもよい。
なお、本発明では、熱圧着できる接着剤を使用し、熱圧着によって絵柄層と透明性樹脂層とを積層することもできる。
接着剤層は、絵柄層が認識できる限り、透明でも半透明でもよい。
接着剤層は、化粧シートのVOCを低減できる点で水性組成物により形成されることが望ましい。水性組成物としては、水性バインダーを含む組成物を使用することができる。上記水性バインダーは、樹脂水溶液、水性樹脂エマルジョン等のいずれの形態であっても良い。これらに使用される樹脂は、前記の絵柄層の形成に使用される水性組成物の水性バインダーと同様のものを使用することができる。
なお、本発明では、必要に応じ、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を接着面に施すこともできる。
接着剤層の厚みは、透明性保護層、使用する接着剤の種類等によって異なるが、一般的には0.1〜30μm程度とすれば良い。
≪透明性樹脂層≫
透明性樹脂層は、透明である限り、着色されていても良い。また、装飾層が視認できる範囲内で半透明であっても良い。
上記樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等を挙げることができる。透明性樹脂層は、特に、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。より好ましくは、立体規則性を有するポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂を用いる場合は、溶融させたポリオレフィン系樹脂を押し出し法により透明性樹脂層を形成することが望ましい。
透明性樹脂層には、必要に応じて充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていても良い。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、一般的には10〜200μm程度である。
≪透明性保護層≫
透明性保護層は、透明である限り、着色されていても良い。また、装飾層が視認できる範囲内であれば半透明であっても良い。透明性保護層の形成により、化粧シート表面の傷のつきやすさをカバーし、耐擦傷性を向上させることができる。
透明性保護層に用いられる材料としては特に限定されず、公知の化粧シートと同様のものを使用することができるが、本発明では2液硬化型のウレタン系樹脂を使用することが望ましい。2液硬化型のウレタン系樹脂は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするものであれば特に限定されず、市販品を使用することもできる。ポリオール及びイソシアネートとしては、前記の接着剤層で列記したものを好ましく使用することができる。
本発明では、透明性保護層は、VOC低減等の効果がより高められるという点で、水性組成物により形成されることが望ましい。水性組成物としては、水性バインダーを含む組成物を使用することができる。上記水性バインダーは、樹脂水溶液、水性樹脂エマルジョン等のいずれの形態であっても良い。これらに使用される樹脂は、前記の装飾層の形成に使用される水性組成物の水性バインダーと同様のものを使用することができる。
また、本発明では、透明性保護層として電離放射線硬化型樹脂を用いることもできる。電離放射線硬化型樹脂を使用する場合には、耐擦傷性、耐候性等が特に良好である。
電離放射性硬化型樹脂は、公知のもの又は市販品を使用することができる。具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基をもつプレポリマー、オリゴマー及び単量体の少なくとも1種を含む組成物を用いる。
前記のプレポリマー又はオリゴマーとしては、例えば、ポリエステルメタアクリレート、ポリエーテルメタアクリレート、ポリオールメタアクリレート、メラミンメタアクリレート等のメタアクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類等がある。
単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸エトキシメチル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸ラウリル等メタアクリル酸エステル類がある。
不飽和酸の置換アミノアルコールエステルとしては、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、メタアクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等がある。
その他にも、アクリルアミド、メタアクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオベンジルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等の多官能性物、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基をもつポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピオレート、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコール等がある。また、3官能基以上のアクリレート系単量体には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート等がある。
電離放射線硬化型樹脂による透明性保護層の形成方法は限定的ではないが、例えば、電離放射線硬化型樹脂を含む組成物(塗料)の塗膜に電離放射線を照射することにより形成できる。電離放射線は、塗料に含まれる電離放射線硬化型樹脂、添加剤である光ラジカル重合開始剤・増感剤に作用してラジカル重合反応を開始できるエネルギーを有するものであればよく、紫外線、X線、γ線等の電磁波が挙げられる。この中でも、塗膜の硬化能力、照射装置の簡便性からは電子線が最も実用性が高い。電子線照射する場合には、例えば、175keV及び5Mrad(50kGy)の条件で電子線照射することにより皮膜を架橋硬化させればよい。なお、透明性保護層を電離放射線硬化型樹脂により形成する場合は、予め下地としてプライマー層(特にウレタン系樹脂によるプライマー層)を透明性樹脂層上に設けることが望ましい。
透明性保護層の厚みは限定されないが、通常は0.1〜50μm、特に1〜20μmとすることが望ましい。
透明性保護層(化粧シートの最表面)には、エンボス加工により凹凸模様が付与されていてもよい。より好ましくは、前記エンボス凹部にインキを充填するワイピング加工を施し、その表面を2液硬化型ウレタン系樹脂で被覆(オーバーコート処理)した構造とする。
エンボス加工は、化粧シートに木材板表面等所望のテクスチァーを付与するために行われる。例えば、加熱ドラム上で透明性保護層を加熱軟化させた後、さらに赤外線輻射ヒーターで140〜170℃に加熱し、所望の形の凹凸模様を設けたエンボス板で加圧、賦形し、冷却固定して形成する。これは、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機を使用すれば良い。凹凸模様としては、例えば木目導管溝、浮造模様(浮出した年輪の凹凸模様)、ヘアライン、砂目、梨地等が挙げられ、これらの中から所望の模様を適宜選択することができる。
ワイピング加工とは、エンボス加工で設けた凹部にドクターブレードで表面をかきながらインキを充填する加工をいう。ワイピングインキとしては、通常は2液硬化型のウレタン樹脂をバインダーとするインキを用いることができる。ワイピング加工では、特に木目導管溝凹凸に対して行うことによって、より実際の木目に近い意匠を表現することにより商品価値を高めることができる。
本発明では、透明性保護層中に他の成分が含まれていても良い。例えば、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、光安定剤、ツヤ調整剤、ブロッキング防止剤、滑剤等の添加剤を配合することもできる。
化粧板
本発明の化粧板は、本発明の化粧シートが基材(被着材)上に積層されたものである。より具体的には、化粧シートの透明性保護層が最表面層となるように当該シートが基材上に積層されている。
≪基材≫
本発明化粧シートが適用される基材は、限定的でなく、公知の化粧シートと同様のものを用いることができる。例えば、木質材料、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。特に、本発明化粧シートは、木質材に好適に使用することができる。木質材料としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
≪基材への積層≫
化粧シートの基材への積層は、公知の化粧シートの積層と同様にすることができる。例えば、接着剤を用いて化粧シートを基材上に貼着によって好適に積層することが可能である。
使用できる接着剤としては、例えば熱可塑性樹脂系、熱硬化性樹脂系、ゴム系等のいずれのタイプの接着剤も使用することができる。これは、公知のもの又は市販品を使用することができる。
熱可塑性樹脂系接着剤としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー等が例示される。
熱硬化性樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等が例示される。
ゴム(エラストマー)接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スフチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS,SIS,SEBS等)等が例示される。
本発明の化粧シートは、装飾層が着色隠蔽層(所謂ベタインキ層)と絵柄模様層とからなり、前記各層は特定の樹脂成分を含有するため、装飾層の耐候密着性及び耐候退色性が良好である。また、装飾層を形成した印刷原反の段階で一旦巻き取り保管した場合でも、印刷原反のブロッキングは抑制されている。かかる効果は、装飾層を水性塗工剤(水性組成物)から形成する場合でも良好である。
本発明の化粧シートは、樹脂含有層を溶剤系塗工剤で形成する場合又は水系塗工剤(水性組成物)で形成する場合のいずれも適用できる。特に樹脂含有層の少なくとも1層を水性組成物により形成する場合には、化粧シートのVOC使用量を低減する点で環境面でも有利である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1〜2及び比較例1〜3
コロナ放電処理を施した基材シート(厚さ60μmの着色ポリプロピレン樹脂層)に、着色隠蔽層(3μm)と絵柄模様層(1μm)とをグラビア印刷法により順に形成した。
着色隠蔽層は、下記表1に示す水性ポリウレタン樹脂15重量部に対して酸化チタン白色顔料30重量部を含有する白色印刷インキにより形成した。絵柄模様層は、下記表1に示す水性ポリウレタン樹脂15重量部に対して黄色顔料(PY213)5重量部を含有する黄色印刷インキにより形成した。
着色隠蔽層及び絵柄模様層に含まれる樹脂成分を下記表1に示す。
Figure 0004799188
表1に記載の各樹脂の調製方法は、次の通りである。
≪エーテル系ウレタン樹脂≫
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量:Mn=1000)1000重量部、ジメチロールプロピオン酸113重量部及び酢酸エチル403重量部の混合液に、水素添加キシリレンジイソシアネート(HXDI)500重量部を加えた。混合物の温度を徐々に上げて70℃で反応させた。
反応生成物のアミン当量が理論値(1373)に達した後、60℃に冷却した。反応混合物1000重量部を、水1876.6重量部、トリイソプロパノールアミン79.9重量部及びメチルエチルケトンヒドラゾン組成物70.5重量部の混合液に撹拌しながら加えて反応させた。次いで、水605重量部を加えて、加熱下で酢酸エチルと水を合わせて605重量部を系外に留去し、水性エーテル系ウレタン樹脂を得た。
なお、メチルエチルケトンヒドラゾン組成物は、水258重量部及びヒドラジンヒドラート100重量部の混合液にメチルエチルケトン72重量部を撹拌下で徐々に添加し、反応させることにより調製した(メチルエチルケトンヒドラゾン含有量20重量%)。
≪カーボネート系ウレタン樹脂≫
ポリテトラメチレンエーテルグリコールをポリヘキサメチレンカーボネートジオールに変えた以外は、上記エーテル系ウレタン樹脂の調製方法と同様にして、カーボネート系ウレタン樹脂を調製した。
≪エステル系ウレタン樹脂≫
ポリテトラメチレンエーテルグリコールを、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール及びアジピン酸を用いたポリエステルジオールに変えた以外は、上記エーテル系ウレタン樹脂の調製方法と同様にして、エステル系ウレタン樹脂を調製した。
試験例1
基材シートに装飾層(着色隠蔽層及び絵柄模様層)を形成した状態のシート(原反)のブロッキング性を調べた。また、原反の装飾層の耐候密着性を調べた。各試験方法は、下記の通りとした。
≪耐ブロッキング性≫
各実施例及び比較例で作製した原反の試験片を2つずつ用意し、一方のおもて面に他の裏面を重ね合わせた。温度50℃、湿度80%RH、圧力5kg/cmの条件下で24時間放置後、重ね合わせ部分を剥離し、装飾層の転移の程度及び剥離の手応えを確認した。
試験結果の評価基準を下記に示す。
○:インキの転移はない。原反どうしの密着は認められない(剥離手応えなし)
△:インキの転移はない。原反どうしの密着が認められる(剥離手応えあり)
×:インキの転移はある。原反どうしの密着が顕著に認められる(剥離手応えあり)
≪耐候密着性≫
各実施例及び比較例で作製した原反のおもて面に、透明性樹脂層として透明ポリプロピレン系フィルム(厚さ80μm)を重ねて装飾層に直接水が接触しないようにした。
透明ポリプロピレン系フィルムを積層した各サンプルを、超促進耐候試験機(「アイスーパーUVテスター」、岩崎電気株式会社製)(以下「S−UV」と記載する)を用いて、温度63℃、湿度50%RHの状況下においた。当該状況下で、照度が60mW/cm(365nm)の光を20時間サンプルに照射し、次いで4時間結露の状態にするというサイクルを200時間繰り返して、超促進耐候試験を行った。試験中、照射と結露の切り替わり時にサンプルに対して、純水を30秒間直接シャワーした。
試験後、透明ポリプロピレン系フィルムを外した原反のおもて面に2mm角で碁盤目状のカッター傷を100マス付与し、セロテープ(登録商標)(ニチバン株式会社製:24mm)をサンプルおもて面に貼着し、垂直上方に勢いよく剥がした。耐候密着性は装飾層の剥離程度により評価し、具体的には、装飾層のインキ取られ程度により評価した。参考のため、サイクルを200時間経過後に加えて、サイクル50時間経過後及び100時間経過後の評価も行った。
装飾層のインキ取られは、100/100をインキ取られ0%とし、0/100をインキ取られ100%とし、より詳細に次のように評価した。
○:各評価時において10マス以下のインキ取られが認められた
△:各評価時において50マス以下のインキ取られが認められた
×:1つの評価時において50マス以上のインキ取られが認められた
≪耐候退色性≫
各実施例及び比較例で作製した原反のおもて面に、水性ウレタン樹脂含有接着剤100重量部(東洋紡績(株)製 バイロナールMD1480)、イソシアネート架橋剤(日華化学(株)製 NKアシストIS−100N)10重量部及び水10重量部を混合してなる水系塗工剤をグラビア印刷法にて塗布・乾燥し、透明性接着剤層(3μm)を形成した。
透明性接着剤層に、厚み80μmの透明ポリプロピレン系フィルムをドライラミネート方式で積層して透明性樹脂層を形成し、化粧シートを作製した。
作製した化粧シートの耐候退色性調べた。試験方法は以下の通りとした。
S−UVを使用し、前記耐候密着性試験と同じ条件で試験実施した。化粧シートの色差(ΔE)を日本平版機材(株)製「X−RAITE938」を用いて測定した。
耐候退色性は色差により評価した。評価基準を次に示す。
○:ΔEが2以下(グレースケール4級以上)
△:ΔEが2を超えて6以下(グレースケール4〜2級)
×:ΔEが6を超える(グレースケール2級以下)
上記試験結果を下記表2に示す。
Figure 0004799188

Claims (4)

  1. 基材シート上に少なくとも着色隠蔽層と絵柄模様層とを順に積層してなる化粧シートであって、
    (1)基材シート、着色隠蔽層及び絵柄模様層は、当該順に隣接しており、
    (2)着色隠蔽層は、樹脂成分としてエーテル系ウレタン樹脂を含有し、
    (3)絵柄模様層は、樹脂成分としてカーボネート系ウレタン樹脂及びエステル系ウレタン樹脂の少なくとも1種を含有し、
    (4)前記エーテル系ウレタン樹脂は、ポリイソシアネートと、ポリエーテルグリコールと、ヒドラゾン又は活性水素原子を有するヒドラゾン誘導体との反応により得られ、
    (5)前記カーボネート系ウレタン樹脂は、ポリイソシアネートと、ポリカーボネートジオールと、ヒドラゾン又は活性水素原子を有するヒドラゾン誘導体との反応により得られ、
    (6)前記エステル系ウレタン樹脂は、ポリイソシアネートと、ポリエステルジオールと、ヒドラゾン又は活性水素原子を有するヒドラゾン誘導体との反応により得られる、
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 絵柄模様層の上に、接着剤層を介して透明性樹脂層が形成されている、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 樹脂を含有する層の少なくとも一層は、水性組成物から形成されている、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の化粧シートと被着材とを積層してなる化粧板。
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