JP2004231937A - 複合化樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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Masakazu Masui
昌和 増井
Hiroya Okumura
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Abstract

【課 題】 ポリウレタン−不飽和単量体共重合複合化樹脂の製造工程において脱溶剤を必要とすることなく、各種基材に対する高い密着性、耐温水性及びアルコール希釈安定性を備えた複合化樹脂及びその製造方法の提供。
【解決手段】(イ)ポリイソシアネート、(ロ)活性水素原子を有する多官能性化合物、(ハ)活性水素及び重合性不飽和基を有する化合物、及び(ニ)ヒドラゾン類の反応により生成する(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を、(ヘ)重合性不飽和単量体と共重合させることにより製造されることを特徴とする複合化樹脂。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン樹脂と重合性不飽和単量体との複合化樹脂及びその製造方法、特に、水性印刷インキ、塗料組成物などのバインダー樹脂、水性接着剤又はコーティング剤等として有用な複合化樹脂およびその製造方法に関する。
近年、食品包装用に各種プラスチックフィルムが使用されている。特に、機能性を高めるために、ウレタン系接着剤等を用いて複数種のフィルムをラミネートしたラミネートフィルムが多用されており、また、これらのフィルムには印刷インキによる各種の印刷が施されている。上記接着剤又は上記印刷インキには溶剤系のものが多用されており、その結果、作業環境又は大気汚染の問題だけでなく、火災の危険性の問題、さらに、危険物であるため、取り扱いおよび貯蔵上の問題が生じていた。これら問題を解決するため、水性樹脂を用いた水性印刷インキ又は水性接着剤が検討され、開発されてきた。
上記した環境等の問題、さらには、経済性を考慮したものとして、重合性不飽和単量体を希釈剤としてウレタン樹脂を合成し、該ウレタン樹脂不飽和単量体溶液を水性媒体中に分散した後、乳化重合を行う方法が検討されている(特許文献1及び2)。しかし、これらの方法で製造された水性樹脂では非極性材料に対する濡れ性又は接着性が十分ではない。
一方、これまでヒドラジン官能基を有する水性ポリウレタン樹脂を使用した一液硬化型被覆組成物がいくつか開示されている(特許文献3、4及び5)。ここでの水性ポリウレタン樹脂は、カルボニル基に対してヒドラジノ基が反応性を有していることを利用して製造されている。すなわち、上記水性ポリウレタン樹脂は、カルボニル基を有する水性ポリマーを含む樹脂組成物にヒドラジン化合物を添加し、ヒドラジノ基とカルボニル基との反応により常温で架橋することによって製造される。そのため、コロナ放電処理或いは火炎処理などが施されることによりカルボニル基が生成した非極性材料に対する、上記ヒドラジノ基を有する水性ポリウレタン樹脂を用いた材料の密着性等を高めることが可能だと考えられる。しかしながら、ポリオレフィンやポリスチレンに対する密着性を更に向上させることは困難である。
また、水性樹脂に対してポリヒドラジン化合物を添加することにより、非極性材料への密着性を向上させることも検討されている(特許文献6)が、水蒸気による熱処理で外観不良を発生する等の収縮性ポリスチレンへの印刷インキに対して不具合が生じる。
本発明者らは、すでに上記問題を解決するため、ポリオレフィンに基材に対して優れた接着性を示す樹脂としてヒドラゾンおよび/または活性水素を有するヒドラゾン誘導体を導入したポリウレタン樹脂を検討した(特許文献7)が、前記ポリウレタン樹脂を印刷インキとして使用した場合にアルコールに対する希釈安定性が必ずしも十分といえず、また、製造時の溶剤回収の問題も含んでいる。
このため、製造工程に脱溶剤を必要としない方法であって、非極性基材との密着性、水蒸気処理に対する耐性、及びアルコール希釈安定性を有する樹脂が待ち望まれていた。
特開昭59−138211号公報 (請求項1) 特公平7−25855号公報 (請求項1及び13) 特開平1−301761号公報 (請求項1) 特開平5−339542号公報 (請求項1) 特開平7−188353号公報 (請求項1) 特開平7−34008号公報 (請求項1) 特開平9−255751号公報 (請求項1及び実施例1)
本発明は、ポリウレタン−不飽和単量体共重合複合化樹脂の製造工程において脱溶剤を必要とすることなく、各種基材に対する高い密着性、耐温水性及びアルコール希釈安定性を備えた複合化樹脂及びその製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、水性印刷インキ、塗料組成物などのバインダー樹脂、水性接着剤又はコーティング剤等として有用な樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、ポリウレタン樹脂の製造方法につき種々の条件を変えて多数の実験を行ったが、アルコール等溶剤に対する希釈によって著しい増粘を示す場合が多いのに対し、不満足なポリウレタン樹脂が得られる場合が多かった。また、本発明者らは、ポリウレタン樹脂の構造を修飾することにより増粘性を克服できるかもしれないと着想し、さらに、種々の試験等を行い、検討を重ねた結果、(イ)ポリイソシアネート、(ロ)活性水素原子を有する多官能性化合物、(ハ)活性水素及び重合性不飽和基を有する化合物、及び(ニ)ヒドラゾン類の反応により生成する(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を、(ヘ)重合性不飽和単量体と共重合させることにより製造されることを特徴とする複合化樹脂の創製に成功した。さらに、本発明者らは、上記複合化樹脂が、各種プラスチックフィルムに対して高い密着性を有すること、耐温水性、及び経済性に優れていること、工業的有利に製造できること等を種々知見し、上記複合化樹脂が上記問題を一挙に解決できるものであることを見出した。特に、本発明者らは、従来の水性ポリウレタン樹脂のアルコール等溶剤に対する希釈で著しい増粘を示す場合が多いのに対し、上記複合化樹脂がその様な傾向のないこと等をも知見した。
本発明者らは、さらに検討を重ね、種々の知見を得た後、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1) (イ)ポリイソシアネート、(ロ)活性水素原子を有する多官能性化合物、(ハ)活性水素及び重合性不飽和基を有する化合物、及び(ニ)ヒドラゾン類の反応により生成する(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を、(ヘ)重合性不飽和単量体と共重合させることにより製造されることを特徴とする複合化樹脂、
(2) 水溶性又は水分散性を付与するためのイオン性基またはノニオン性基が導入されていることを特徴とする上記(1)記載の複合化樹脂、
(3) ポリイソシアネートがジイソシアネート、活性水素原子を有する多官能性化合物が高分子量ジオール又は所望により高分子量ジオールと鎖伸長剤との混合物であって、上記高分子量ジオール、上記鎖伸長剤及び重合性不飽和単量体から選ばれる1種又は2種以上が、カルボキシル基、スルホ基、置換されていてもよいアミノ基又はポリオキシエチレン単位を含み、水分散性を有することを特徴とする上記(1)記載の複合化樹脂、
に関する。
また、本発明は、
(4) カルボキシル基、スルホ基又は置換されていてもよいアミノ基が中和されていることを特徴とする上記(3)記載の複合化樹脂、
(5) ヒドラゾン類が、下記式
Figure 2004231937
(式中、Rは、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいシクロアルキレン基又は置換されていてもよいアリーレン基を示し、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、水酸基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよい複素環基又は置換されていてもよいカルボニル基含有不飽和単量体の残基を示す。Rは、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいヒドロキシアルキル基を示す。)
で表される化合物であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の複合化樹脂、
(6) (イ)ポリイソシアネート、(ロ)活性水素原子を有する多官能化合物、(ハ)活性水素原子及び重合性不飽和基を有する化合物、及び(ニ)ヒドラゾン類の反応により生成する(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を、(ヘ)重合性不飽和単量体と共重合させることを特徴とする複合化樹脂の製造方法、
に関する。
また、本発明は、
(7) (イ)ジイソシアネート、(ロ)高分子量ジオール、(ハ)活性水素及び重合性不飽和基を有する化合物の反応により生成した重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマーと、(ニ)ヒドラゾン類とを反応させて、(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を生成させ、これと(ヘ)重合性不飽和単量体とを反応させることを特徴とする上記(6)記載の複合化樹脂の製造方法、
(8) (イ)ジイソシアネート、(ロ)イオン性基又は/及びノニオン性基を導入した高分子量ジオール又は所望により高分子量ジオールと鎖伸長剤との混合物、及び(ハ)活性水素原子及び重合性不飽和基を有する化合物とを反応させて、重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマーを生成させ、これと(ニ)ヒドラゾン類とを反応させて(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を生成させ、これを(ヘ)重合性不飽和単量体と共に水性媒体に溶解又は分散させた後、この溶液又は分散体中の重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂と(ヘ)重合性不飽和単量体とを共重合させることを特徴とする上記(6)記載の複合化樹脂の製造方法、
(9) (イ)ジイソシアネート、(ロ)イオン性基又は/及びノニオン性基を導入した高分子量ジオール又は所望により高分子量ジオールと鎖伸長剤との混合物、及び(ハ)活性水素原子及び重合性不飽和基を有する化合物とを反応させて、重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマーを生成させ、これを(ヘ)重合性不飽和単量体と共に水性媒体に溶解又は分散させ、この溶液又は分散体中の重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマーと(ニ)ヒドラゾン類とを反応させて水分散体中に(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を生成させ、これを(ヘ)重合性不飽和単量体と共重合させることを特徴とする上記(6)記載の複合化樹脂の製造方法、
に関する。
また、本発明は、
(10) 上記溶解又は分散された重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂がイオン性基としてカルボキシル基又はスルホ基を含有し、カルボキシル基又はスルホ基が塩基で中和されていることを特徴とする上記(8)記載の複合化樹脂の製造方法、
(11) 上記溶解又は分散された重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマーがイオン性基としてカルボキシル基又はスルホ基を含有し、カルボキシル基又はスルホ基が塩基で中和されていることを特徴とする上記(9)記載の複合化樹脂の製造方法、
(12) (ロ)高分子量ジオールがカルボキシル基含有ジオールとカルボキシル基を含有しないジオールとの混合物であって、(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂がカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂であって、中和が、揮発性塩基を用いて行われていることを特徴とする上記(10)又は(11)に記載の複合化樹脂の製造方法、
に関する。
また、本発明は、
(13) 重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマーを、重合性不飽和単量体の存在下で生成させることを特徴とする上記(7)〜(12)のいずれかに記載の複合化樹脂の製造方法、
(14) 上記(3)記載の複合化樹脂を、さらに重合性不飽和単量体との乳化重合に付することを特徴とする複合化樹脂の製造方法、
(15) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の複合化樹脂を含むことを特徴とする樹脂組成物、
(16) 水性接着剤、水性コーティング剤、水性印刷インキ又は水性塗料であることを特徴とする上記(15)記載の樹脂組成物、
(17) 上記(15)記載の樹脂組成物で基材をコーティングすることを特徴とする被膜形成方法、
に関する。
水性複合化樹脂も含めて本発明の複合化樹脂は、ヒドラゾンまたはヒドラゾン誘導体を構成単位として含むため、各種基材に対して高い密着性を備えている。また、プラスチックフィルム、特に表面処理されたフィルムに対して高い密着性を示すと共に、水蒸気処理などの過酷な条件下でも高い性能を発現できる。更に水性複合化樹脂において希釈剤にアルコールを使用した場合でも優れた安定性を示し、有機溶剤を使用しない製造方法をとることができるため環境対応や経済性に優れている。
これらの特徴から本発明の複合化樹脂は水性印刷インキ、水性塗料、コーティング剤などの水性バインダー、ラミネート用接着剤などの各種の水性接着剤として有用である。
すなわち、本発明によって、ポリウレタン−不飽和単量体共重合複合化樹脂の製造工程において脱溶剤を必要とすることなく、各種基材に対する高い密着性、耐温水性及びアルコール希釈安定性を備えた複合化樹脂及びその製造方法を提供できる。さらに、本発明によって、水性印刷インキ、塗料組成物などのバインダー樹脂、水性接着剤又はコーティング剤等として有用な樹脂組成物を提供できる。
本発明は、(イ)ポリイソシアネート、(ロ)活性水素原子を有する多官能性化合物、(ハ)活性水素及び重合性不飽和基を有する化合物、及び(ニ)ヒドラゾン類の反応により生成する(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を、(ヘ)重合性不飽和単量体と共重合させることにより製造されることを特徴とする複合化樹脂である。
本発明で使用されるポリイソシアネートは、イソシアネート基を有する化合物であればどのようなものでもよい。公知のポリイソシアネートであってよく、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート若しくはリジンジイソシアネート(LDI)等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン(H6XDI)、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン若しくは4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)等の脂環族ポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート若しくは3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート若しくは1−クロロー2,4−フェニレンジイソシアネートなどのフェニレンジイソシアネート(PDI)、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルー4,4’−ジフェニルジイソシアネート若しくは3,3’−ジメトキシー4,4’―ジフェニルジイソシアネートなどのジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ポリイソシアネート、キシリレンジイシシアネート(XDI)若しくはテトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等の芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートと多価アルコール(例えばトリメチロールプロパン等)若しくはポリアミンとの付加体、これらのビウレット反応生成物、又はイソシアヌレート環などを有するポリメリックポリイソシアネート等が挙げられる。本発明においては、これらのポリイソシアネートを、単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。また、本発明においては、上記ポリイソシアネートが、ジイソシアネート(例えば脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート又は芳香族ジイソシアネート等)であることが好ましい。尚、分子中に3以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを、上記ジイソシアネートに代えて又はと共に使用してもよい。
本発明で使用される活性水素原子を有する多官能性化合物は、活性水素原子を有する化合物であって、官能基を少なくとも2個有する化合物であればどのようなものでもよい。例えば、活性水素を有する種々の化合物等が挙げられ、より具体的には、ヒドロキシル基及びアミノ基等の活性水素原子含有官能基から選ばれる1種又は2種以上の官能基を分子中に少なくとも2個有する化合物等が挙げられる。上記多官能化合物としては、例えば、ヒドロキシル基及びアミノ基から選ばれる1種又は2種以上の官能基を有するポリオール類、ポリアミン類、又はヒドラジン若しくは2以上のヒドラジノ基を有する化合物等のヒドラジン類などが挙げられる。上記多官能性化合物の分子量は、特に制限されず、高分子量(例えば、数平均分子量約400〜100,000、好ましくは数平均分子量約500〜50,000、より好ましくは数平均分子量約500〜10,000)であってよく、低分子量(例えば、数平均分子量約400以下、好ましくは数平均分子量約30〜400)であってもよい。尚、上記低分子量の多官能性化合物を鎖伸長剤と称して使用してもよい。
上記ポリオール類としては、例えば、低分子量ポリオール、高分子量ポリオール又はこれらの混合物等が挙げられる。上記低分子量ポリオールとしては、例えば、ジオール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−エチルー2−ブチルー1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのC2−10アルキレングリコール;2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン(水添ビスフェノールA)、1,4−シクロヘキサンジオール又はシクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(例えばエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが約1〜5モル付加した付加体等)、水添ダイマージオールなど)、ポリオール(例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン又はペンタエリスリトール等)、第3級アミノ基含有ジオール(例えばN−メチル−ジエタノールアミン、N−エチル−ジエタノールアミン、N−メチル−ジイソプロパノールアミン又はN−エチル−ジイソプロパノールアミン等)、又はこれらの混合物などが挙げられる。
上記高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類又はポリブタジエンジオールなどが挙げられる。上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、アルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、又は1,2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド又は2,3−ブチレンオキサイドなどのC2−4アルキレンオキサイドなど)の単独または共重合体、又は上記アルキレンオキサイドと、上記ジオール、上記ポリオール、上記第3級アミノ基含有ジオール及び下記ポリアミン類等から選ばれる1種又は2種以上の化合物との付加体等が挙げられる。本発明では、上記アルキレンオキサイドを単独でまたは二種以上組み合わせて使用してよい。本発明においては、上記アルキレンオキサイドが、エチレンオキサイド又はエチレンオキサイドであることが好ましい。上記アルキレンオキサイドの共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよいし、交互共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
上記ポリエーテルポリオール類としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール又はこれらの混合物などが挙げられる。本発明においては、上記ポリエーテルポリオール類がポリエーテルジオールであることが好ましい。
上記ポリエステルポリオール類としては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸又はその誘導体との反応により生成するポリエステルポリオール、環状エステルであるラクトン類(例えばε―カプロラクトン又はブチロラクトンなど)の開環重合により生成するポリエステルポリオール、上記低分子量ポリオール、ポリエーテルポリオール若しくはポリエステルポリオールと、ラクトン類との反応により生成するポリエステルポリオール等が挙げられる。上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール若しくはネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジオール若しくはシクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール、又はビスフェノールAのアルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド等)付加体などが挙げられる。上記多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ダイマー酸若しくは水添ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸又はナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。本発明においては、上記ポリエステルポリオールがポリエステルジオールであることが好ましく、上記多価カルボン酸又はその誘導体がジカルボン酸(例えば脂肪族ジカルボン酸等)であることが好ましい。
上記ポリアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン又はオクタメチレンジアミン等の脂肪族ポリアミン(好ましくはジアミン)、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン(IPDA)、水添キシリレンジアミン(H6XDA)若しくは水添ジフェニルメタンジアミン(H12MDA)等の脂環族ポリアミン(好ましくはジアミン)、キシリレンジアミン(XDA)若しくはフェニレンジアミン等の芳香族ジアミン、又はジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン若しくはテトラエチレンペンタミンなどのポリアミン等が挙げられる。本発明では、上記ポリアミン類を単独で使用してもよいし、二種以上混合して使用してもよい。本発明においては、上記ポリアミン類として、脂肪族ジアミン又は脂環族ジアミンなどのジアミン類を用いることが好ましい。
上記ヒドラジン類としては、例えば、ヒドラジン、モノ置換ヒドラジン{例えばアルキル置換ヒドラジン(例えばメチルヒドラジン又はエチルヒドラジン等のC1−6アルキルヒドラジンなど)、ヒドロキシアルキル置換ヒドラジン(例えば2−ヒドロキシエチルヒドラジン、2−ヒドロキシプロピルヒドラジン若しくは3−ヒドロキシプロピルヒドラジンなどのヒドロキシC1−6アルキルヒドラジン等)など}、式
〔化2〕
NHN−R−NHNH ・・・(3a)
(式中、Rは、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリレーン基等の二価の基を示す)
で表されるジヒドラジン類、式
〔化3〕
NHNOC−R−CONHNH ・・・(3b)
(式中、Rは上記した二価の基と同様である)
で表されるジヒドラジド類、式
〔化4〕
NHN−CONH−R−NHCO−NHNH ・・・(3c)
(式中、Rは上記した二価の基と同様である)
で表されるジセミカルバジド類、又は対応するジチオセミカルバジド類などが挙げられる。
上記アルキレンジヒドラジン類(3a)としては、例えば、メチレンジヒドラジン、エチレンジヒドラジン、プロピレンジヒドラジン又はブチレンジヒドラジン等のC1−10アルキレンジヒドラジン類(例えば、C1−6アルキレンジヒドラジン類等)などが挙げられる。
上記ジヒドラジド類(3b)としては、例えば、多価カルボン酸又はその誘導体(例えばC1−4低級アルキルエステル、酸ハライド又は酸無水物等)と、ヒドラジン又は上記アルキレンジヒドラジン類との反応により生成するポリヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド若しくはドデカン二酸ジヒドラジド等の脂肪族C2−18ジカルボン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド若しくはイタコン酸ジヒドラジド等の不飽和脂肪族ジカルボン酸ジヒドラジド、又はフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド若しくはテレフタル酸ジヒドラジド等の芳香族ジカルボン酸ジヒドラジドなどが挙げられ、炭酸とヒドラジンとの反応により生成するカーボジヒドラジドなどが挙げられる。
上記ジセミカルバジド類(3c)又は上記ジチオセミカルバジド類としては、例えば、上記ポリイソシアネート又はポリイソチオシアネート(好ましくはジイソシアネート)とヒドラジドとの反応により生成する化合物等が挙げられる。
本発明においては、上記ヒドラジン類が、ヒドラジン、アルキレンジヒドラジン類(例えば、C1−6アルキレンジヒドラジン類など)又はジカルボン酸ジヒドラジド(例えば、C1−12ジカルボン酸ジヒドラジドなど)であることが好ましい。
また、本発明においては、上記多官能性化合物を、単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。本発明では、上記多官能性化合物を二種以上組み合わせて用いることが好ましく、上記多官能性化合物が上記高分子量ジオールと鎖伸長剤とで構成されていることがより好ましい。上記鎖伸長剤としては、例えば、2官能性の低分子量化合物{例えば低分子量ポリオール(好ましくは低分子量ジオール)等}、ポリアミン類(好ましくはジアミン類)、ヒドラジン類(好ましくはモノ置換ヒドラジン類)、ジヒドラジド類、又は水等が挙げられる。これらは、上記したもの又は公知のものから選択されうる。
本発明においては、イオン性基又は/及びノニオン性基を上記重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂に導入し得るため、上記多官能性化合物がイオン性基又はノニオン性基を有する化合物であることが好ましい。上記イオン性基としては、例えば、カルボキシル基又はスルホ基などの酸性基を塩基で中和することにより生成する陰イオン性基(例えばカルボキシレート基 −COO 、スルホネート基 −SO 等)、又は置換されていてもよいアミノ基等の塩基性極性基を酸で中和することにより生成する陽イオン性基等が挙げられる。上記ノニオン性基としては、例えば、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のポリオキシエチレン単位などが挙げられる。上記において、置換されていてもよいアミノ基とは、同一又は異なる1以上の置換基を有していてもよいアミノ基を意味し、かかる「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素等)、例えば直鎖状又は分岐状のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基又はヘキシル基等)、ヒドロキシアルキル基(例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシイソプロピル基、1−ヒドロキシ−n−プロピル基、2−ヒドロキシ−n−ブチル基又は1−ヒドロキシ−イソブチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル等)、アルケニル基(例えばビニル、クロチル、2−ペンテニル又は3−ヘキセニル等)、アルキニル基(例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ペンチニル又は3−ヘキシニル等)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ又はブトキシ等)、カルボキシル基、アルカノイル基、スルファモイル基、アリール基(例えばフェニル又はナフチル等)、アミノ基、又はこれら置換基を化学的に許容される限り置換させた置換基等が挙げられる。
上記イオン性基又はノニオン性基を有する化合物は、重合性不飽和単量体中で用いられることにより、本発明の複合化樹脂に水分散性を付与し得る。本発明においては、上記イオン性基又はノニオン性基を有する化合物を、単独でまたは組み合わせて使用してよい。また、本発明においては、上記ウレタン樹脂中又は上記重合性不飽和単量体中のイオン性基および/又はノニオン性基の比率を、例えば上記多官能性化合物の種類等を設定するなどによって目的に応じて任意に調節し得る。
陰イオン性基により上記重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂に水溶性又は水分散性を付与し得る上記多官能性化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸若しくは2,2−ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基含有ジオール、リジン、アルギニン、オルニチン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ジアミノプロピオン酸、ジアミノ安息香酸若しくはジアミノベンゼンスルホン酸等のカルボキシル基又はスルホ基含有ジアミン、又はジヒドロキシエチルホスフォン酸若しくはジメチロールホスフィン酸等のカルボキシル基又はスルホ基含有ジオール、上記カルボキシル基含有ジオールとラクトンとの付加開環重合により生成するカルボキシル基含有ポリエステルジオール、上記ジオールと、3以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸又はその誘導体(例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物又はピロメリット酸等)と、必要に応じて脂肪族若しくは芳香族ジカルボン酸又はその誘導体との反応により生成するカルボキシル基含有ポリエステルジオール、又はスルホイソフタル酸を多価カルボン酸成分として用いたスルホイソフタル酸単位を含有するポリエステルジオールなどが挙げられる。
陽イオン性基により上記重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂に水溶性又は水分散性を付与し得る上記多官能性化合物としては、例えば、第三級アミノ基含有ジオール、例えば、上記N−メチルジエタノールアミンなどのアミノ基含有ジオールとアルキレンオキサイドとの反応により生成する第三級アミノ基含有ポリエーテルポリオールなどが挙げられる。
ノニオン性基により上記重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂に水溶性又は水分散性を付与し得る上記多官能性化合物としては、例えば、オキシエチレン単位を有するポリオキシアルキレングリコール(例えば分子量300以上のポリオキシエチレングリコール等)、又は多価アルコール(好ましくはジオール)若しくはポリアミン(好ましくはジアミン)とアルキレンオキサイドとの付加物などが挙げられる。
本発明において好ましい水溶性又は水分散性を付与するための上記多官能性化合物としては、分子量の如何に関わらず、カルボキシル基含有ジオール、スルホ基含有ジオール、ポリオキシエチレン単位含有ジオールが含まれる。本発明においては、上記イオン性基又はノニオン性基を有する多官能性化合物を、分子量又は反応性基の種類に応じて、高分子量ジオール又は/及び鎖伸長剤(例えば低分子量ジオール等)として用いてもよい。
イオン性基又はノニオン性基を有する上記多官能性化合物の使用量は、上記重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を製造することができさえすればどのような量であってもよい。本発明においては、上記使用量が、上記ポリウレタン樹脂に水溶性又は水分散性を付与でき、樹脂の特性を損なわない範囲で選択されることが好ましい。上記カルボキシル基含有ジオール又は上記スルホ基含有ジオールの使用量は、例えば、ポリウレタン樹脂の酸価が約5〜100KOHmg/gとなる量が挙げられ、好ましくは約10〜80KOHmg/gとなる量であり、より好ましくは15〜60KOHmg/gとなる量である。また、上記第三級アミノ基含有ジオールの使用量は、例えばポリウレタン樹脂のアミン価が約5〜50となる量等が挙げられ、好ましくはアミン価が約10〜50となる量である。上記ポリオキシエチレン単位含有ジオールの使用量は、例えば上記ポリウレタン樹脂全体の約5〜50質量%等が挙げられ、好ましくは上記ポリウレタン樹脂全体の約10〜50質量%である。
上記ポリウレタン樹脂が、イオン性基又は/及びノニオン性基が導入された水溶性又は水分散性ポリウレタン樹脂である場合、上記ポリウレタン樹脂のイオン性基が例えば塩基等によって中和されることが好ましい。本発明で上記ポリウレタン樹脂の陰イオン性基(例えばカルボキシル基又はスルホ基等)を中和するために用いられる塩基としては、例えば、無機塩基(例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物)、又は有機塩基(例えばジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン又はトリイソプロピルアミン等の脂肪族アミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジイソプロピルエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、イソプロピルジエタノールアミン、トリエタノールアミン又はトリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン、又はモルホリン等の環状アミン等)などが挙げられる。本発明においては、上記塩基が、揮発性塩基であることが好ましく、アンモニア、トリメチルアミン又はトリエチルアミンであることがより好ましい。
本発明で上記ポリウレタン樹脂の陽イオン性基(例えば第3級アミノ基等)を中和するために用いられる酸としては、例えば、無機酸(例えば塩酸又は硫酸等)、又は有機酸(例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸等)などが挙げられる。
本発明で使用される活性水素及び重合性不飽和基を有する化合物は、活性水素を有する化合物であって、重合性不飽和基を有する化合物であればどのような化合物であってよい。例えば、(メタ)アクリレート類{例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート若しくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン重付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのβ−メチル−δバレロラクトン重付加物、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、多官能性エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応物(例えばビスフェノールAと(メタ)アクリル酸との反応物等)又は多官能カルボン酸とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応物(例えばコハク酸とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応物等)など}、アリル化合物(例えばアリルアルコール、グリセリンモノアリルエーテル又はグリセリンジアリルエーテル等)、これらのアルキレンオキサイド付加物{例えばC2−4アルキレンオキサイド(付加モル数は通常0〜30モル)等}、又は不飽和カルボン酸{例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸又はイタコン酸等}などが挙げられる。本発明では、上記活性水素および重合性不飽和基を有する化合物の活性水素基とイソシアネート基とを反応させることでポリウレタン樹脂に重合性不飽和単量体と共重合するための共重合性二重結合を付与し得る。
本発明で使用されるヒドラゾン類としては、例えば、ヒドラジノ基(−NHNH)とカルボニル化合物との反応により生成する式
Figure 2004231937
(式中、RおよびRは同一又は異なって水素原子、水酸基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよい複素環基又は置換されていてもよいカルボニル基含有不飽和単量体の残基を示す。)
で表される基を有する化合物等が挙げられ、より具体的には、式
Figure 2004231937
(式中、Rは、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいシクロアルキレン基又は置換されていてもよいアリーレン基を示し、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、水酸基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよい複素環基又は置換されていてもよいカルボニル基含有不飽和単量体の残基を示す。Rは、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいヒドロキシアルキル基を示す。)
で表される化合物、又はこれらの誘導体等が挙げられる。
上記カルボニル化合物としては、例えばケトン類又はアルデヒド類等が挙げられ、ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジプロピルケトン(ブチロン)、ジイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−ブチルケトン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アルキルC1−7のビニルアルキルケトン(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン或いはビニルブチルケトン等)若しくはアセトアセトキシ(メタ)アクリレートなどの飽和又は不飽和C1−7アルキルケトン類、アセトフェノン、プロピオフェノン、ブチロフェノン、バレロフェノン、ベンゾフェノン若しくはベンジリデンアセトフェノン等の芳香族ケトン類、ベンジルアセトフェノン若しくはジベンジルケトンなどのアラルキルアルデヒド、又はアセトチエノン若しくは2−アセトフロンなどの複素環式ケトン等が挙げられる。要するに、カルボニル化合物は式
〔化7〕
X−CO−Y
で表わされ、X及びYは、同一又は異なって、飽和又は不飽和で炭素数1〜10のアルキル基、例えばフェニルなどの6〜12のアリール基又はN、SおよびOから選ばれるヘテロ原子を1〜3個含む5〜8員環の複素環基が好ましい。
上記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、カプロンアルデヒド、オクタアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド若しくはプロピオールアルデヒド等の飽和又は不飽和脂肪族C1−12アルデヒド、ベンズアルデヒド、アミノベンズアルデヒド、ベンズアルデヒドスルホン酸、トルアルデヒド、シンナムアルデヒド、サリチルアルデヒド、アニスアルデヒド若しくはバニリンなどの芳香族アルデヒド、又はチオフェンアルデヒド若しくはフルフラールなどの複素環式アルデヒド等が挙げられる。本発明においては、上記ヒドラゾン類が、上記アルデヒド類との反応により生成するアルデヒドヒドラゾン又は上記ケトン類との反応により生成するケトンヒドラゾンのいずれであってもよいが、好ましくはケトンヒドラゾンである。
上記Rで表される「置換されていてもよいアルキレン基」は、同一又は異なる1以上の上記した置換基を有していてもよいアルキレン基を意味し、前記「アルキレン基」としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基又はヘキサメチレン基等が挙げられる。
上記Rで表される「置換されていてもよいシクロアルキレン基」は、同一又は異なる1以上の上記した置換基を有していてもよいシクロアルキレン基を意味し、前記「シクロアルキレン基」としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基又はシクロヘキシレン基等が挙げられる。
上記Rで表される「置換されていてもよいアリーレン基」は、同一又は異なる1以上の上記した置換基を有していてもよいアリーレン基を意味し、前記「アリーレン基」としては、例えばフェニレン基、ナフチレン基又はアントリレン基などが挙げられる。
上記R及びRで表される「置換されていてもよいアルキル基」は、同一又は異なる1以上の上記した置換基を有していてもよいアルキル基を意味し、前記「アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル又はオクチルなどのC1−10程度のアルキル基等が挙げられる。
上記R及びRで表される「置換されていてもよいシクロアルキル基」は、同一又は異なる1以上の上記した置換基を有していてもよいシクロアルキル基を意味し、前記「シクロアルキル基」としては、例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチル基等のC3−10シクロアルキル基等が挙げられる。
上記R及びRで表される「置換されていてもよいアリール基」は、同一又は異なる1以上の上記した置換基を有していてもよいアリール基を意味し、前記「アリール基」としては、例えば、フェニル基又はナフチル基等が挙げられ、上記R及びRで表される「置換されていてもよいアラルキル基」は、同一又は異なる1以上の上記した置換基を有していてもよいアラルキル基を意味し、前記「アラルキル基」としては、例えば、ベンジル、フェネチル又はベンズヒトリル基等が挙げられる。
上記R及びRで表される「置換されていてもよい複素環基」は、同一又は異なる1以上の上記した置換基を有していてもよい複素環基を意味し、前記「複素環基」としては、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環基(例えば、フラン又はオキサゾール等の5員環基、ピラン等の6員環基、又はベンゾフラン、キサンテン、クロマン若しくはイソクロマンなどの縮合環基等)、ヘテロ原子として硫黄原子を含む複素環基(例えば、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール又はチアジアゾール等の5員環基など)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環基(例えば、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、ピロール、ピラゾール又はイミダゾールなどの5員環基、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン又はピラジンなどの6員環基、又はインドール、インドレン、イソインドール、インダゾール、インドリン、イソインドリン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、プリン、カルバゾール、アクリジン、フェナントロジン又はフェナントロリンなどの縮合環基等)などが挙げられる。
上記R及びRで表される「置換されていてもよいカルボニル基含有不飽和単量体の残基」は、同一又は異なる1以上の上記した置換基を有していてもよいカルボニル基含有不飽和単量体の残基を意味し、前記「カルボニル基含有不飽和単量体の残基」は、通常、ヒドラジノ基(−NHNH)をカルボニル基含有不飽和単量体の存在下に反応させることにより生成するヒドラゾン類における、不飽和単量体由来の残基である。この残基は、例えば式
〔化8〕
P−CO−Q
で表わされるカルボニル基含有不飽和単量体における不飽和結合を有するP又はQである。
上記カルボニル基含有不飽和単量体としては、例えばアクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルアルキルケトン(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン又はビニルブチルケトン等)、ジアセトンアクリレート、アセトニルアクリレート、ジアセトンメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、ブタンジオール−1、4−アクリレートアセチルアセテート又はジアセトンメタクリレートなどが挙げられる。
上記「カルボニル基含有不飽和単量体の残基」としては、具体的に例えば、置換されていてもよいアルケニル基又は置換されていてもよいアルキニル基などが挙げられる。
上記置換されていてもよいアルケニル基は、同一又は異なる1以上のアルケニル基を意味し、かかる置換基としては、上記と同意義である。上記「アルケニル基」としては、例えば、エテニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、ペンテニル基又はヘキセニル基などが挙げられる。
上記置換されていてもよいアルキニル基は、同一又は異なる1以上の上記した置換基を有していてもよいアルキニル基を意味し、前記「アルキニル基」としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基又はヘキシニル基などが挙げられる。
上記Rで表される「置換されていてもよいアルキル基」は上記した基と同様であり、好ましくはC1−6アルキル基である。上記Rで表される「置換基を有していてもよいヒドロキシアルキル基」は、同一又は異なる1以上の上記した置換基を有していてもよいヒドロキシアルキル基を意味し、前記「ヒドロキシアルキル基」としては、例えば、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基又は5−ヒドロキシペンチル基等のヒドロキシC1−10アルキル基等が挙げられ、好ましくはヒドロキシC1−6アルキル基である。
なお、上記した置換されていてもよい種々の基における置換基は上記したアミノ基の置換基と同一であってよい。
本発明においては上記ヒドラゾン類が活性水素を有していることが好ましく、かかる上記ヒドラゾン類の活性水素原子は、例えばヒドロキシル基又はアミノ基等で構成され得る。好ましい上記活性水素を有する上記ヒドラゾン類としては、例えば、ヒドラジン、モノ置換ヒドラジン類或いはアルキレンヒドラジン類とカルボニル化合物との反応により生成する化合物であって、活性水素原子を含むヒドラゾノ基、モノ置換ヒドラゾノ基(=N−NHR、Rは前記と同意義である。)若しくはヒドラジノ基を有するヒドラゾン化合物(1a)、(1b)、(1c)、ヒドラジド類とカルボニル化合物との反応により生成する化合物であって、活性水素原子を含むヒドラジド基(−CONHNH)を有するヒドラゾン化合物(1d)、又はセミカルバジド類とカルボニル化合物との反応により生成する化合物であって、活性水素原子を含むセミカルバジド基(−NHCO−NHNH)を有するヒドラゾン化合物(1e)などが挙げられる。
上記活性水素原子を含むヒドラジノ基(−NHNH)を有するヒドラゾン化合物(1a)(1b)(1c)としては、例えば、アセトンヒドラゾン、メチルエチルケトンヒドラゾン又はメチルイソブチルケトンヒドラゾン等のC3−8脂肪族ケトン−ヒドラゾン、アセトフェノンヒドラゾン又はベンゾフェノンヒドラゾンなどの芳香族ケトンヒドラゾン、ホルムアルデヒドヒドラゾン又はアセトアルデヒドヒドラゾンなどのC2−6脂肪族アルデヒド−ヒドラゾン、ベンズアルデヒドヒドラゾンなどの芳香族アルデヒドヒドラゾン、C1−6アルキルヒドラジン、ヒドロキシアルキルヒドラジン(例えば2−ヒドロキシエチルヒドラジン、2−ヒドロキシプロピルヒドラジン又は3−ヒドロキシプロピルヒドラジンなどのヒドロキシC1−6アルキルヒドラジン等)、C1−6アルキレンヒドラジン類と上記ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン若しくはメチルイソブチルケトン等のC3−8脂肪族ケトン、又はアセトフェノン若しくはベンゾフェノン等の芳香族ケトンなど)又はアルデヒド(例えばホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド、又はベンズアルデヒドなどの芳香族アルデヒド等)との反応により生成するモノヒドラゾン類などが挙げられる。
上記活性水素原子を含むヒドラジド基(−CONHNH)を有するヒドラゾン化合物(1d)としては、例えば、上記ジヒドラジド類(例えば、脂肪族C2−18ジカルボン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド若しくはフマル酸ジヒドラジドなどの不飽和脂肪族ジカルボン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド若しくはテレフタル酸ジヒドラジドなどの芳香族ジカルボン酸ジヒドラジド、又はカーボヒドラジドなど)と、上記ケトン類または上記アルデヒド類との反応により生成するモノヒドラゾン類などが挙げられる。上記活性水素原子を含むセミカルバジド基(−NHCO−NHNH)を有するヒドラゾン化合物(1e)としては、上記ジセミカルバジド類又はジチオセミカルバジド類と、上記ケトン類又は上記アルデヒド類などとの反応により生成するモノヒドラゾン類などが挙げられる。
本発明において好ましい上記ヒドラゾン類としては、例えば、ヒドラゾン(例えば脂肪族ケトンヒドラゾン等)が挙げられ、より好ましくは、C1−4アルキル−C1−4アルキルケトン−ヒドラゾン、芳香族ケトンヒドラゾン、カルボニル基含有不飽和単量体−ヒドラゾン、又は脂肪族ジカルボン酸ジヒドラジドと脂肪族ケトン(例えばC1−4アルキル−C1−4アルキルケトンなど)、芳香族ケトン、或いはカルボニル基含有不飽和単量体(好ましくは脂肪族ケトン)との反応により生成するヒドラゾンなどが挙げられる。
上記ヒドラゾン類は、公知の方法で製造され得る。かかる製造方法としては、例えば、上記ケトン類又は上記アルデヒド約1モルに対してヒドラジン類、ヒドラジド類、その塩、又はその水和物約0.2〜5モル(好ましくは0.5〜3モル)を反応させることにより上記ヒドラゾン類を製造する方法等が挙げられる。かかる反応としては、例えば、必要に応じて、水又は不活性溶媒(例えばアルコール類、炭化水素類又はエーテル類等)中、室温又は加温下で行う反応等が挙げられる。本発明では、上記反応で生成した目的化合物(上記ヒドラゾン類)を、蒸留、精留、抽出又は吸着などの公知の分離方法等により分離・精製し得る。
上記ヒドラゾン類の製造方法においては、上記ヒドラジン類の全てのヒドラジノ基(−NHNH)がケトン又はアルデヒド等と反応しなくてもよいし、水分散中(更に重合時高温下)で加水分解により活性水素を有するヒドラジン誘導体に変換され、残留イソシアネート基と反応することが可能であるため、全てのヒドラジノ基がケトン又はアルデヒド等と反応してもよい。また、前記全てのヒドラジノ基がケトン又はアルデヒド等と反応しない場合、過剰の未反応化合物(ヒドラジン類)は、反応生成物から除去する必要がなく、鎖伸長剤として反応に供してもよい。尚、本発明では、上記ヒドラゾン類を反応停止剤として利用し得る。本発明においては、反応停止剤として用いられる上記ヒドラゾン類が、末端に1個のヒドラジノ基(−NHNH)を有しているのが好ましい。
上記ポリウレタン樹脂に対するヒドラゾン類の割合は、上記ポリウレタン樹脂を製造できさえすればどのような割合であってもよい。本発明においては、上記樹脂の密着性又は耐ブロッキング性などを損なわない範囲で上記ヒドラゾン類の割合を選択することが好ましく、かかる上記ヒドラゾン類の使用量としては、例えば、上記ポリウレタン樹脂1gあたり、ヒドラゾノ基約0.03〜2.0ミリ当量となる割合等が挙げられ、好ましくはヒドラゾノ基約0.05〜1ミリ当量となる割合である。
本発明では、反応停止剤として、上記ヒドラゾン類に加えて、必要に応じて更に他の反応停止剤を用いてよい。上記他の反応停止剤としては、例えば単官能性化合物等が挙げられ、より具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はシクロヘキサノールなどのアルコール類、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン又はジイソプロピルアミンなどのアミン類、又はN,N−ジメチルアミノエタノール等のアルカノールアミン類などが挙げられる。なお、カルボキシル基などのイオン解離性基を有する化合物を反応停止剤として用いることにより、ポリウレタン樹脂の水溶性又は分散性を高め、ヒドラジノ基を有する化合物を反応停止剤として用いると基材に対する密着性を向上し得る。
本発明で使用される重合性不飽和単量体は、不飽和基含有ポリウレタン樹脂と共重合し得る不飽和化合物でありさえすればどのようなものでもよい。例えば、(メタ)アクリル酸誘導体、芳香族ビニル単量体、ビニルエステル単量体、ビニルエーテル単量体、ビニルハライド単量体、オレフィン系炭化水素単量体、カルボニル基含有不飽和単量体、又はこれらの混合物等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート若しくはn−ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキルはC1−20、好ましくはC1−12)、上記不飽和基含有ポリウレタン樹脂の製造に用いられる活性水素含有不飽和化合物の範囲に含まれる(メタ)アクリル酸誘導体、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、又は上記低分子量ジオールの(メタ)アクリル酸エステル等などが挙げられる。
上記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、αメチルスチレン、ビニルトルエン又はジビニルベンゼン等が挙げられる。上記ビニルエステル単量体としては、例えば、酢酸ビニル又はプロピオン酸ビニル等が挙げられる。上記ビニルエーテル単量体としては、例えば、メチルビニルエーテル又はイソブチルビニルエーテルなどが挙げられる。上記ビニルハライド単量体としては、例えば、塩化ビニル又は塩化ビニリデン等が挙げられる。上記オレフィン系炭化水素単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン又はイソプレン等が挙げられる。上記カルボニル基含有不飽和単量体としては、例えば、アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ホルミルスチロール、アルキルC4−7のビニルアルキルケトン(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン又はビニルブチルケトン等)又はアセトアセトキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、本発明においては、上記複合化樹脂に水分散性を付与するイオン性基および/又はノニオン性基を上記重合性不飽和単量体が有していてもよい。このような上記重合性不飽和単量体としては、例えば、カルボキシル基含有不飽和モノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸又はイタコン酸等)、スルホ基含有不飽和モノマー(例えばスチレンスルホン酸等)、第3級アミノ基含有不飽和モノマー{例えば(メタ)アクリルアミド又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(例えばジメチルアミノエチルメタクリレート等)など}、又はオキシエチレン単位を有する不飽和モノマー{例えば式
〔化9〕
CH=CR−COO−(CHCHO)−R
(式中、R及びRは、同一又は異なって水素又はC1−6のアルキル基を示し、nは1以上の自然数を示す。)
で表わされる化合物、式
〔化10〕
CH=CR−COO−(CHCHO)−H
(式中、Rは水素又はC1−6のアルキル基を示し、nは1以上の自然数を示す。)
で表わされる化合物、又は式
〔化11〕
CH=CH−CH−O−(CHCHO)
(式中、Rは水素またはC1−6のアルキル基を示し、nは1以上の自然数を示す。)
で表される化合物等}などが挙げられる。
また、上記重合性不飽和単量体は市販されているものも多くあり、かかる市販品を上記重合性不飽和単量体として用いてもよい。例えば、市販の反応性乳化剤等が挙げられる。上記反応性乳化剤は炭素−炭素二重結合を有していることが好ましく、このような炭素−炭素二重結合を有する反応性乳化剤としては、例えば、(メタ)アリル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ビニル基、イソプロペニル基及び(メタ)アクリロイル基等から選ばれる1種又は2種以上の官能基を有する化合物等が挙げられる。具体的には、前記官能基を分子中に少なくとも1個有するポリオキシエチレンアルキルエーテルのスルホコハク酸エステル塩、上記官能基を分子中に少なくとも1個有するポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩、上記官能基を分子中に少なくとも一個有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのスルホコハク酸エステル塩、上記官能基を分子中に少なくとも1個有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、又は上記官能基を分子中に少なくとも1個有する酸性燐酸(メタ)アクリルエステル系分散剤等が挙げられる。本発明においては、これら市販の反応性乳化剤を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、他の公知の単量体又は製造された上記重合性不飽和単量体等と併用して使用してもよい。
本発明においては、上記重合性不飽和単量体を用いることにより、ウレタン樹脂に重合性二重結合を付与し得る。また、本発明においては、上記重合性不飽和単量体として活性水素基含有不飽和単量体を使用する場合、目的とするウレタン化反応終了後にイソシアネート基が存在しない状態で添加することによって、上記重合性不飽和単量体を共重合用単量体として用い得る。この際、イオン性基は上記した中和処理を施すことで水溶性または水分散性を発現し得る。かかる中和は、共重合前に行われてもよく、共重合後に行われてもよい。
本発明で重合性不飽和基含有ウレタン樹脂と重合性不飽和単量体との共重合において用いられる重合開始剤は、公知のラジカル重合開始剤であってよい。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)p−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)p−ジイソプロピルヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン若しくはt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシエステル類、メチルエチルケトンパーオキサイド若しくはシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド若しくは1,1,3,3−テトラブチルハイドロパーオサイド等のハイドロパーオキサイド類、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレエート若しくは2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、過酸化ベンゾイル等のジアシルパーオキサイド類、又は2,2’−アゾビスイソブチロニトリル若しくは2,2’−アゾビス−2,4,4−トリメチルペンタン等のアゾ系重合開始剤等が挙げられる。また、本発明においては、上記重合開始剤を公知の還元剤(例えばメタ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、蟻酸又はアスコルビン酸等)などと併用してもよい。かかる還元剤を用いることによって、上記重合開始剤のラジカル分解温度を下げ得る。上記重合開始剤の使用量は、好ましくは重合性不飽和単量体に対して約0.005〜5質量%である。
本発明では、(イ)上記ポリイソシアネート、(ロ)上記活性水素原子を有する多官能化合物、(ハ)上記活性水素原子及び重合性不飽和基を有する化合物、及び(ニ)上記ヒドラゾン類の反応により生成する(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を、(ヘ)上記重合性不飽和単量体と共重合させることにより上記複合化樹脂を製造することができる。例えば、第一工程として(イ)上記ポリイソシアネートと、(ロ)上記多官能性化合物と、(ハ)上記活性水素および重合性不飽和基を有する化合物と、(ニ)上記ヒドラゾン類との反応により生成する(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を合成した後、第二工程として第一工程で製造されたポリウレタン樹脂を(ヘ)上記重合性不飽和単量体と共重合させて製造する方法等が挙げられる。
上記第一工程は、(イ)上記ポリイソシアネート、(ロ)上記活性水素原子を有する多官能化合物、(ハ)上記活性水素原子及び重合性不飽和基を有する化合物、及び(ニ)上記ヒドラゾン類から(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を製造できさえすればどのような工程であってよい。(イ)上記ポリイソシアネート、(ロ)上記活性水素原子を有する多官能化合物、(ハ)上記活性水素原子及び重合性不飽和基を有する化合物、及び(ニ)上記ヒドラゾン類を同時に反応させて(ホ)上記ポリウレタン樹脂を製造してもよいし、段階的に反応させて(ホ)上記ポリウレタン樹脂を製造してもよい。本発明においては、上記製造方法が段階的に反応させて(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を製造する方法であることが好ましい。上記第一工程で製造されるポリウレタン樹脂の分子量は、好ましくは重量平均分子量約2,000〜500,000であり、より好ましくは約10,000〜200,000である。
上記段階的に反応させて上記ポリウレタン樹脂を製造する方法としては、例えば、(イ)上記ポリイソシアネートと、(ロ)上記活性水素原子を有する多官能化合物と、(ハ)上記活性水素および重合性不飽和基を有する化合物との反応により重合性不飽和基およびイソシアネート基を含有するプレポリマーを調製し、(ニ)上記ヒドラゾン類を調製したイソシアネート基含有プレポリマーと反応させる方法等が挙げられる。上記重合性不飽和基およびイソシアネート基を含有するプレポリマーの合成方法としては、例えば、上記活性水素および重合性不飽和基を有する化合物と上記ポリイソシアネートと反応させた後、上記多官能性化合物と反応させて製造する方法、又は上記ポリイソシアネートと上記多官能性化合物との反応で得られたイソシアネート基含有プレポリマーに上記活性水素および重合性不飽和基を有する化合物を反応させて製造する方法等が挙げられる。
なお、上記重合性不飽和基およびイソシアネート基を含有するプレポリマーとの反応の際、上記ヒドラゾン類とともに鎖伸長剤(例えばジオール、ヒドラジン、ヒドラジン類、ジヒドラジド、ジアミン又は水等)などを併用してもよい。また、本発明では、上記水溶性または水分散性ポリウレタン樹脂を、上記高分子量ジオールおよび上記鎖伸長剤と、上記イオン性基及び/またはノニオン性基を有する多官能性化合物(好ましくはジオールまたはジアミン)とを用いることにより製造され得る。
上記重合性不飽和基およびイソシアネート基を含有するプレポリマーの調製において、ポリイソシアネートと多官能性化合物との割合は、イソシアネート基と、多官能性化合物の活性水素を含む官能基(好ましくはヒドロキシル基又はアミノ基)との当量比が通常約1.1/1〜3/1、好ましくは約1.15/1〜2.0/1、より好ましくは約1.25/1〜1.8/1となる範囲から選択される割合であってよい。また、上記ポリイソシアネートと、上記活性水素および重合性不飽和基を有する化合物との割合は、イソシアネート基と活性水素(ヒドロキシル基やカルボキシル基など)との当量比が好ましくは約1/0.7〜1/0.005の範囲、より好ましくは約1/0.5〜1/0.02となる範囲から選択される割合であってよい。上記ポリイソシアネート(好ましくは重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマー)と上記ヒドラゾン類との割合は、イソシアネート基1当量に対して上記ヒドラゾン類の活性水素を含む官能基(例えば−NHNH基など)約0.01〜0.5当量となる割合であることが好ましく、約0.1〜0.3当量となる割合であることがより好ましい。
上記反応条件は、慣用の反応条件であってよく、例えば、溶剤の存在下または非存在下、約0〜100℃の範囲内の温度等が挙げられる。より具体的には、例えば上記イソシアネートと上記ポリオール(特にジオール)との反応温度が約25〜100℃の範囲内であることが好ましく、また、例えば上記イソシアネートと上記ポリアミン(好ましくはジアミン)又は上記ヒドラゾン類との反応温度が約0〜60℃の範囲内であることが好ましい。
本発明では、上記反応に不活性な溶媒を用いることで、上記反応を均一にし得る。上記反応に不活性な溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン若しくはキシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル若しくは酢酸ブチル等のエステル類、ジエチルエーテル若しくはテトラヒドロフランなどのエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル若しくはジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒、又はこれらの混合溶剤等が挙げられる。しかし、本発明においては、上記ポリウレタン樹脂を後に乳化重合により上記重合性不飽和単量体と共重合させる場合、上記重合性不飽和単量体のうちイソシアネート基に対して不活性なものを希釈剤として使用することが、脱溶剤工程を簡略化できるため好ましい。上記反応において、公知の溶媒と上記重合性不飽和単量体とを併用してもよい。また、上記反応には、慣用の触媒等を適宜用いてよい。前記慣用の触媒としては、例えば、トリエチルアミン等の第3級アミン、ジラウリン酸ジブチル錫又はジオクチル酸錫等の錫化合物、又はテトラブトキシチタン等のチタン化合物などが挙げられる。
第二工程は、第一工程で製造される上記ポリウレタン樹脂及び上記重合性不飽和単量体から、上記複合化樹脂を製造できさえすればどのような工程であってよい。かかる上記複合化樹脂を製造する手段としては、例えばラジカル重合法等が挙げられ、より具体的には、溶液重合、乳化重合、懸濁重合又は塊状重合等が挙げられる。本発明においては、上記手段が溶液重合又は乳化重合であることが好ましい。
上記溶液重合法としては、例えば、上記重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂の有機溶剤溶液と上記重合性不飽和単量体との混合物に上記重合開始剤を添加して重合させる方法、重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂に上記重合性不飽和単量体と上記重合開始剤との混合物を連続添加して重合させる方法、又は有機溶剤中に上記重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂と重合性不飽和単量体と上記重合開始剤との混合物を連続添加して重合させる方法等が挙げられる。かかる手段を講じて得られた共重合体は水性媒体中に溶解または分散した後、脱溶剤を行うことで水性化樹脂を製造し得る。また、本発明においては、上記反応温度が約40〜140℃であることが好ましい。
上記乳化重合としては、例えば、第一工程により製造された上記ポリウレタン樹脂を慣用の方法で水性化し、水性媒体に溶解又は分散させ、上記重合開始剤を添加して重合させる方法等が挙げられる。より具体的には、陰イオン性基(例えばカルボキシル基又はスルホ基等)を有する上記第一工程で製造されたポリウレタン樹脂を上記塩基で中和することにより水系化し、水性媒体に溶解又は分散させ、上記重合開始剤を添加して重合させる方法、陽イオン系基(例えばアミノ基など)を有する上記ポリウレタン樹脂を上記酸で中和することにより水系化し、水性媒体に溶解又は分散させ、上記重合開始剤を添加して重合させる方法、又はノニオン性基が導入された該ポリウレタン樹脂をそのまま水性媒体に溶解または分散させ、上記重合開始剤を添加して重合させる方法等が挙げられる。
上記乳化重合においては、上記ポリウレタン樹脂がカルボキシル基又はアミノ基を有する場合、上記ポリウレタン樹脂のカルボキシル基またはアミノ基が中和されていることが好ましく、カルボキシル基が中和されていることがより好ましい。尚、慣用の界面活性剤又は乳化剤を用いることにより、上記イオン性基又はノニオン性基を有しない上記ポリウレタン樹脂を水性媒体に溶解又は分散させてもよい。また、反応に慣用の有機溶媒を使用した場合、特に水に対して非混和性の溶媒を上記反応系で用いる場合、非混和性溶媒を水性媒体に溶解又は分散する前に除去してもよく、水性媒体に溶解又は分散した後、蒸留などにより除去したり水などの水性媒体と置換したりしてもよい。また、水性媒体に溶解又は分散させ易くする目的で、分散直前若しくは分散中にアルコール系有機溶剤を添加してもよい。かかるアルコール系有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール又はイソプロピルアルコール等のC1−6のアルコール類、C1−6のアルキル基で置換されていてもよいセロソルブ類、又はC1−6のアルキル基で置換されていてもよいカルビトール類等が挙げられる。上記反応においては、上記重合性単量体を希釈剤として使用してもよい。上記重合性単量体を希釈剤として使用する場合、上記方法に従って水性媒体に溶解又は分散した後、そのまま重合開始剤を添加することで乳化重合させ得る。ここで上記ポリウレタン樹脂と上記重合性不飽和単量体との重量比率は、約5/95〜99/1であることが好ましく、20/80〜95/5であることがより好ましい。また、本発明においては、上記共重合に際し重合反応中又は重合反応後の複合化樹脂に対し、慣用の界面活性剤の存在下又は非存在下に上記重合性不飽和単量体の乳化重合を行うことでもって、ポリウレタン/アクリルの比率を所望の比率に設定し得る。本発明においては、上記複合化樹脂のポリウレタン/アクリルの重量比率が基材に対する接着性を損なわない範囲で選択される比率であることが好ましい。上記重合においては、連鎖移動剤(例えばα−メチルスチレンダイマー、2−エチルヘキシルチオグリコレート又はt−ドデシルメルカプタン等)を用いてよい。
本発明の好ましい上記複合化樹脂の製造方法としては、例えば、上記ポリイソシアネート(好ましくはジイソシアネート)、及び上記高分子量ジオール及び上記陰イオン性基又はノニオン性基含有ジオールから選択される1種又は2種以上の多官能性化合物と、上記活性水素及び重合性不飽和基を有する化合物との反応により上記重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマーを調製し、この調製されたプレポリマーと上記ヒドラゾン類とを、攪拌下、塩基を含む水性媒体に溶解又は分散して、上記ポリウレタン樹脂を製造し、製造された上記ポリウレタン樹脂と上記重合性不飽和単量体とを共重合させて、上記複合化樹脂を製造する方法等が挙げられる。本発明においては、上記好ましい複合化樹脂の製造に用いられる多官能性化合物が、更に上記低分子量ジオールを含んでいてもよい。また、本発明では、上記重合性不飽和単量体を、ウレタン化反応前、ウレタン化反応後、共重合開始前のいずれの段階でも添加し得る。より具体的な好ましい上記複合化樹脂の製造方法としては、例えば、上記重合性不飽和単量体の存在下に、ジイソシアネートと、高分子量ジオール及び陰イオン性基(好ましくはカルボキシル基又はスルホ基)含有ジオールを含むジオール成分、上記活性水素および重合性不飽和基を有する化合物との反応により、重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマー不飽和単量体溶液を調製し、溶液中のプレポリマーと上記ヒドラゾン類とを、揮発性塩基を含む水性媒体に溶解又は分散して反応させ、その後、前記反応により生成したポリウレタンと上記重合性不飽和単量体とを共重合させて上記複合化樹脂を製造する方法等が挙げられる。これらの反応において、水性媒体中の水は鎖伸長剤としても機能し得るため、例えばジアミン類、ヒドラジン類又はジヒドラジド類等を鎖伸長剤として同時に反応させてもよい。
上記水性媒体は、水が含まれていればどのような媒体であってもよい。例えば、水の単独溶媒又は水混和性有機溶剤等の混合溶媒等が挙げられ、より具体的には、水の単独溶媒としては、例えば、蒸留水(例えば脱イオン水又は純水等)等が挙げられ、水混和性有機溶剤としては、メタノール、エタノール若しくはイソプロパノールなどのアルコール類、ジオキサン若しくはテトラヒドロフランなどのエーテル類、セロソルブ類、又はカルビトール類などの水溶性有機溶媒等が挙げられる。本発明においては、上記水性媒体の含有量が、上記複合化樹脂に対して、約90〜50質量%であることが好ましく、約85〜60質量%であることがより好ましい。
上記製造方法によって製造される複合化樹脂は種々の基材に対して高い接着性を示し得る。上記基材としては、例えば、金属、プラスチック、木材又は紙などが挙げられる。上記複合化樹脂を一般的に接着が困難なプラスチックに好適に適用し得る。上記プラスチックは、非発泡体であってもよいし、発泡体であってもよい。立体形状体であってもよいし、例えばシート又はフィルムなどの平面形成体であってもよい。好ましい上記基材としては、例えばシート又はフィルム等が挙げられる。上記フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体若しくはアイオノマーなどのオレフィン系ポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム(好ましくはポリアルキレンテレフタレートフィルム)、ナイロンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリスチレン若しくはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などのスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、又は酢酸セルロースなどのセルロース系フィルムなどが挙げられる。また、上記フィルムが、ポリ塩化ビニリデン樹脂又はポリビニルアルコール樹脂でコートされたものであってもよく、シリカ又はアルミナなどで蒸着されたものであってもよい。本発明においては、上記フィルムが、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマーフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム又はナイロンフィルムであることが好ましい。本発明の複合化樹脂は特に表面処理されたフィルムに対して高い密着性を示し得る。上記表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理若しくはプラズマ処理などが挙げられる。本発明においては、上記表面処理がコロナ放電処理であることが工業的に有用であるため好ましい。
上記複合化樹脂は種々の樹脂組成物に適用され得る。かかる用途としては、例えば、接着剤、コーティング剤、印刷インキ又は塗料組成物のバインダーとしての用途などが挙げられ、より具体的には、水性接着剤又は水性ラミネート用接着剤等の接着剤、水性コーティング剤等のコーティング剤、水性印刷インキ等の印刷インキ、又は水性塗料等の塗料組成物としての用途などが挙げられる。
上記樹脂組成物を、例えばボールペン、万年筆又はマーカー等のインキ(好ましくは水性インキ)のバインダーとして使用してもよく、フィルムの印刷インキ(好ましくは水性印刷インキ)のバインダーとして使用してもよい。フィルムの印刷インキのバインダーとして上記樹脂組成物を用いる場合、積層フィルムのラミネート強度を高く維持し得る。さらに、この場合、食品包装材料としてボイル処理又はレトルト処理などの殺菌又は滅菌処理に対して高い密着力を維持し得る。溶融ポリマー(例えばポリエチレン又はポリプロピレン等)が積層される共押し出しラミネートの接着剤又は印刷インキのバインダーとして上記樹脂組成物を使用すると、過酷な条件に耐え、高い密着力を維持し得る。
上記基材フィルムに上記複合化樹脂を含む印刷インキを印刷し、印刷面に接着剤や必要に応じてアンカーコート剤(例えばチタン系、イソシアネート系、イミン系又はポリブタジエン系アンカーコート剤など)を塗布し、ポリマーフィルム又は溶融ポリマーを積層することによりラミネート加工物を得てもよい。
本発明の樹脂組成物は、用途に応じて種々の添加物{例えば、他の樹脂(例えばセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂又はロジン等の粘着付与剤など)、有機顔料、無機顔料、染料などの着色剤、体質顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤、充填剤、分散剤、粘度調製剤、滑剤、ワックス、ブロッキング防止剤、消泡剤、溶媒(例えば水、アルコール類、炭化水素類、ケトン類、エステル類、セロソルブ類又はカルビトール類等)など}を含んでいてもよい。更に、エポキシ化合物、多官能性カルボジイミド、多官能性オキサゾリン、シランカップリング剤又は多官能性ポリイソシアネートなどを添加すると、上記樹脂組成物の耐熱性が向上し得る。また、既知の技術により重合性不飽和単量体の一部にカルボニル基含有不飽和単量体を使用し、上記ヒドラジン類を架橋剤として添加することでも上記樹脂組成物の耐熱性が向上し得る。
上記複合化樹脂を含む印刷インキを用いて、例えば、グラビア印刷又はフレキソ印刷などの印刷方式で印刷し得る。上記接着剤、上記コーティング剤又は上記塗料組成物を用いて、例えば、スプレーコーティング、ディップコーティング、フローコーティング、ロールコーティング又はグラビアコーティングなどの種々の方法で基材等に塗布し得る。
本発明の樹脂組成物(例えばコーティング剤、印刷インキ又は塗料組成物など)を、基材に適用し、密着性の高い被膜を形成し得る。好ましい基材としては、上記したコロナ放電などの酸化処理された上記プラスチック成型品等が挙げられる。上記塗膜の厚みは、特に制限されず、用途に応じて、例えば、約0.1〜100μm程度の範囲から選択され得る。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
エチルアクリレート327.6質量部、メチルメタクリレート84.0質量部、イソホロンジイソシアネート480.9質量部及びヒドロキシエチルメタクリレート56.3質量部の混合物を80℃で反応させ、イソシアネート基含量が17.2%になった時点でジメチロールブタン酸121.1質量部及びポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量2000)1021.7質量部を加えた。イソシアネート基含量が2.5質量%になるまで反応を継続し、40℃以下に冷却して重合性不飽和基及びイソシアネート基を有するプレポリマーを得た。この反応混合物にトリエチルアミン82.6質量部、脱イオン水4863質量部を添加して水分散し、10質量%ヒドラジン水溶液262質量部にアセトンを35.7質量部添加することで調製したアセトンヒドラゾン水溶液を滴下し、30℃で鎖伸長反応を行った。その後、メタクリル酸8.4質量部加え、70℃迄昇温し、アゾイソブチロニトリル(AIBN)6質量部を添加して3時間重合反応を行い、重合物を減圧濃縮することにより固形分調製して固形分40質量%、pH7.8、粘度(25℃)41mPa・sの複合化樹脂を得た。
(実施例2)
実施例1と同様のプレポリマーを合成し、10質量%ヒドラジン水溶液262質量部にアセトンを121.4質量部添加することで調製したアセトンヒドラゾン水溶液を滴下し鎖伸長反応を行い、実施例1と同様に重合して固形分40質量%、pH7.6、粘度(25℃)790mPa・sの複合化樹脂を得た。
(実施例3)
エチルアクリレート411.6質量部、イソホロンジイソシアネート480.8質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート56.3質量部、ジメチロールブタン酸121.1質量部、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量2000)1022質量部及び10質量%ヒドラジン水溶液262質量部にアセトンを35.7質量部添加して調製したアセトンヒドラゾン水溶液、メタクリル酸8.4質量部及び2−エチルヘキシルチオグリコレート21質量部に実施例1と同様の操作を行うことにより、固形分40質量%、pH7.6、粘度(25℃)68mPa・sの複合化樹脂を得た。
(実施例4)
エチルアクリレート411.6質量部、イソホロンジイソシアネート454.6質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート13.3質量部、ジメチロールブタン酸128.5質量部、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量2000)1084質量部、トリエチルアミン87.6質量部、脱イオン水4710質量部及び10質量%ヒドラジン水溶液249質量部にアセトンを115質量部添加して調製したアセトンヒドラゾン水溶液から実施例1と同様にして重合性不飽和基含有ウレタン樹脂水分散体を調製し、これに10質量%重炭酸アンモニウム水溶液225質量部、10質量%メタクリル酸水溶液245質量部及び2−エチルヘキシルチオグリコレート8.2質量部を添加し、実施例1と同様の操作を行った後、固形分調製して固形分40質量%、pH7.6、粘度(25℃)350mPa・sの複合化樹脂を得た。
(実施例5)
メチルメタクリレート440.0質量部、イソホロンジイソシアネート480.1質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート14.0質量部、ジメチロールブタン酸84.8質量部、ポリテトラメチレンエーテルエーテルグリコール(数平均分子量2000)1144.6質量部、ジエチレングリコール36.4質量部及び10質量%ヒドラジン水溶液255.8質量部にダイアセトンアクリルアミド43.1質量部、アセトン14.79質量部添加して調整したヒドラゾン水溶液から実施例1と同様にして重合性不飽和基含有ウレタン樹脂水分散体を調製し、これに2−エチルヘキシルチオグリコレート4.2質量部を添加し、実施例1と同様の操作を行うことにより、固形分35質量%、pH7.8、粘度(25℃)1320mPa・sの複合化樹脂を得た。
(比較例1)
実施例1と同様のプレポリマーを合成し、10質量%ヒドラジン水溶液262質量部で鎖伸長反応を行い、重合して固形分40質量%、pH7.5、粘度(25℃)114mPa・sの複合化樹脂を得た。
(比較例2)
アセトニトリル2850質量部、イソホロンジイソシアネート1685質量部、ジメチロールプロピオン酸289.2質量部、及びポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量2000)4338質量部からイソシアネート基含量2.0%のウレタンプレポリマーを調製した。このプレポリマー9000質量部に対しトリエチルアミン175質量部、及び脱イオン水14700質量部で中和・分散し、10質量%ヒドラジン水溶液897質量部にアセトン104質量部で調製したアセトンヒドラゾン水溶液で鎖伸長反応を行った。その後、脱溶剤を行い、固形分調製をして固形分40質量%、pH8.0、粘度(25℃)97mPa・sのウレタン樹脂を得た。
(接着性試験)
上記実施例1〜5及び上記比較例1及び2で得られた水性分散体100質量部をエタノール/脱イオン水=80/20の混合液30質量部で希釈し、プラスチックフィルム{未処理のシュリンクラベル用ポリスチレンフィルム(以下、PSともいう)、東セロ株式会社製の製品名「U−1」のコロナ放電処理した延伸ポリプロピレンフィルム(フィルム厚20μm、以下、OPPともいう)、東レ合成株式会社製の製品名「93K」のコロナ放電処理した未延伸ポリプロピレンフィルム(フィルム厚60μm、以下、CPPともいう)、東レ株式会社製の製品名「P−60」のコロナ放電処理した延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(フィルム厚12μm、以下、PETともいう)、ユニチカ株式会社製の製品名「RT」のコロナ放電処理したナイロンフィルム(フィルム厚15μm、以下、NYともいう)}に膜厚10μmで塗布した。その塗布サンプルを40℃で10分乾燥し、1日放置した後、下記セロハンテープテストにより密着性を評価した。
セロハンテープテスト:コーティング面にセロハンテープを張り合わせ、強く押さえて密着させ、セロハンテープを瞬時に剥離してインキの剥離状態を下記の基準で観察して評価した。その結果を表1に示す。
◎ :全く剥離しない。
○ :局所的にごく一部の剥離がある。
△ :かなり剥離があるが、セロハンテープをゆっくりはがすと剥離しない。
× :全て剥離する、セロハンテープをゆっくりはがしても剥離する。
(耐温水性試験)
上記接着性試験で得られたPSフィルムの塗布サンプルを80℃の温水に30秒浸漬し、皮膜の表面状態を目視で確認した。結果を表1に示す。
○ :異常なし
× :白化あり
(顔料分散試験)
実施例1〜5及び比較例1及び2で得られた水性分散体75質量部、脱イオン水25質量部、酸化チタン(石原産業 R830)60質量部、イソプロピルアルコール40質量部、硝子ビーズ300質量部をビーズミル分散器{株式会社カンペハピヨ製の卓上サンドミル(バッチ式メディア型分散機)}で2時間分散してインキ化し、40℃1ヶ月後の顔料の分散状態を目視で観察した。結果を表1に示す。
○ :分離無し
× :沈降物あり、もしくは分離
また、分散直後のインキ及び40℃で1ヶ月保存したインキの塗膜光沢値(60°鏡面光沢値)を光沢度計(日本電色工業株式会社製の製品名VGS−1D)でもって測定し、40℃1ヶ月後の光沢保持率(%)を求めた。結果を表1に示す。なお、表1中、分散直後のインキの塗膜光沢値が初期60°グロスである。
(アルコール希釈性試験)
実施例1〜5及び比較例1及び2得られた水性分散体に、メタノール/イソプロピルアルコール/水=6/2/2(容量比)の混合液を75質量%添加し、粘度(回転粘度)を東機産業株式会社製のR105型粘度計でもって測定し、粘度の減少率=希釈粘度/初期粘度を算出した。測定及び算出結果を表1に示す。
Figure 2004231937
本発明の複合化樹脂は、例えば水性印刷インキ、水性塗料、コーティング剤などの水性バインダー、ラミネート用接着剤などの各種の水性接着剤として利用され得る。

Claims (17)

  1. (イ)ポリイソシアネート、(ロ)活性水素原子を有する多官能性化合物、(ハ)活性水素及び重合性不飽和基を有する化合物、及び(ニ)ヒドラゾン類の反応により生成する(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を、(ヘ)重合性不飽和単量体と共重合させることにより製造されることを特徴とする複合化樹脂。
  2. 水溶性又は水分散性を付与するためのイオン性基またはノニオン性基が導入されていることを特徴とする請求項1記載の複合化樹脂。
  3. ポリイソシアネートがジイソシアネート、活性水素原子を有する多官能性化合物が高分子量ジオール又は所望により高分子量ジオールと鎖伸長剤との混合物であって、上記高分子量ジオール、上記鎖伸長剤及び重合性不飽和単量体から選ばれる1種又は2種以上が、カルボキシル基、スルホ基、置換されていてもよいアミノ基又はポリオキシエチレン単位を含み、水分散性を有することを特徴とする請求項1記載の複合化樹脂。
  4. カルボキシル基、スルホ基又は置換されていてもよいアミノ基が中和されていることを特徴とする請求項3記載の複合化樹脂。
  5. ヒドラゾン類が、下記式
    Figure 2004231937
    (式中、Rは、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいシクロアルキレン基又は置換されていてもよいアリーレン基を示し、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、水酸基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよい複素環基又は置換されていてもよいカルボニル基含有不飽和単量体の残基を示す。Rは、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいヒドロキシアルキル基を示す。)
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合化樹脂。
  6. (イ)ポリイソシアネート、(ロ)活性水素原子を有する多官能化合物、(ハ)活性水素原子及び重合性不飽和基を有する化合物、及び(ニ)ヒドラゾン類の反応により生成する(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を、(ヘ)重合性不飽和単量体と共重合させることを特徴とする複合化樹脂の製造方法。
  7. (イ)ジイソシアネート、(ロ)高分子量ジオール、(ハ)活性水素及び重合性不飽和基を有する化合物の反応により生成した重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマーと、(ニ)ヒドラゾン類とを反応させて、(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を生成させ、これと(ヘ)重合性不飽和単量体とを反応させることを特徴とする請求項6記載の複合化樹脂の製造方法。
  8. (イ)ジイソシアネート、(ロ)イオン性基又は/及びノニオン性基を導入した高分子量ジオール又は所望により高分子量ジオールと鎖伸長剤との混合物、及び(ハ)活性水素原子及び重合性不飽和基を有する化合物とを反応させて、重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマーを生成させ、これと(ニ)ヒドラゾン類とを反応させて(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を生成させ、これを(ヘ)重合性不飽和単量体と共に水性媒体に溶解又は分散させた後、この溶液又は分散体中の重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂と(ヘ)重合性不飽和単量体とを共重合させることを特徴とする請求項6記載の複合化樹脂の製造方法。
  9. (イ)ジイソシアネート、(ロ)イオン性基又は/及びノニオン性基を導入した高分子量ジオール又は所望により高分子量ジオールと鎖伸長剤との混合物、及び(ハ)活性水素原子及び重合性不飽和基を有する化合物とを反応させて、重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマーを生成させ、これを(ヘ)重合性不飽和単量体と共に水性媒体に溶解又は分散させ、この溶液又は分散体中の重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマーと(ニ)ヒドラゾン類とを反応させて水分散体中に(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を生成させ、これを(ヘ)重合性不飽和単量体と共重合させることを特徴とする請求項6記載の複合化樹脂の製造方法。
  10. 上記溶解又は分散された(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂がイオン性基としてカルボキシル基又はスルホ基を含有し、カルボキシル基又はスルホ基が塩基で中和されていることを特徴とする請求項8記載の複合化樹脂の製造方法。
  11. 上記溶解又は分散された重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマーがイオン性基としてカルボキシル基又はスルホ基を含有し、カルボキシル基又はスルホ基が塩基で中和されていることを特徴とする請求項9記載の複合化樹脂の製造方法。
  12. (ロ)高分子量ジオールがカルボキシル基含有ジオールとカルボキシル基を含有しないジオールとの混合物であって、(ホ)重合性不飽和基含有ポリウレタン樹脂がカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂であって、中和が、揮発性塩基を用いて行われていることを特徴とする請求項10又は11に記載の複合化樹脂の製造方法。
  13. 重合性不飽和基及びイソシアネート基含有プレポリマーを、重合性不飽和単量体の存在下で生成させることを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載の複合化樹脂の製造方法。
  14. 請求項3記載の複合化樹脂を、さらに(ヘ)重合性不飽和単量体との乳化重合に付することを特徴とする複合化樹脂の製造方法。
  15. 請求項1〜5のいずれかに記載の複合化樹脂を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  16. 水性接着剤、水性コーティング剤、水性印刷インキ又は水性塗料であることを特徴とする請求項15記載の樹脂組成物。
  17. 請求項15記載の樹脂組成物で基材をコーティングすることを特徴とする被膜形成方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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