JP2002226758A - 水性バインダー、水性インキ組成物及びそのラミネート加工物 - Google Patents

水性バインダー、水性インキ組成物及びそのラミネート加工物

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JP2002226758A
JP2002226758A JP2001025010A JP2001025010A JP2002226758A JP 2002226758 A JP2002226758 A JP 2002226758A JP 2001025010 A JP2001025010 A JP 2001025010A JP 2001025010 A JP2001025010 A JP 2001025010A JP 2002226758 A JP2002226758 A JP 2002226758A
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aqueous
water
resin
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JP2001025010A
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English (en)
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Takaharu Takahashi
敬治 高橋
Koji Otani
浩二 大谷
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好なラミネート適性を有する水性インキ組成
物を得ること。 【解決手段】少なくとも水性ポリウレタン(A) と、変性
ポリプロピレン系樹脂エマルジョン(B) と、水性アクリ
ル樹脂(C) とを混合した水性バインダーであって、水性
バインダーの全固形分における(A) の固形分が30〜80重
量%、(B) の固形分が10〜60重量%、(C) の固形分が 5
〜50重量%であることを特徴とする水性バインダー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性バインダー、水
性インキ組成物及びそのラミネート加工物に関する。詳
しくは各種プラスチックフィルム、特にポリオレフィン
系フィルムに対する接着性、ラミネート適性、特に溶融
ポリプロピレンのダイレクトラミネート適性に優れた水
性インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりグラビア及びフレキソ印刷用イ
ンキとして各種有機溶剤型インキが使用されているが、
製造工程における火災発生の危険を避けるため水性タイ
プの印刷インキの要望が高まっている。特にラミネート
用インキには食品包装用途もあるため水性タイプが強く
望まれている。
【0003】ここでラミネートとは、印刷したフィルム
等を貼り合わせる加工のことであり、一般に接着剤を使
用してプラスチックフィルムを貼り合わせるドライラミ
ネート加工、アンカーコート剤を使用して溶融ポリエチ
レンを貼り合わせるエクストルージョンラミネート加工
(押出ラミネート加工)、直接溶融ポリプロピレンを貼
り合わせるダイレクトラミネート加工等が挙げられる。
【0004】ラミネート加工に適した水性ラミネート用
インキとして、例えば水性ポリウレタン樹脂を使用した
水性印刷インキ、水性ポリウレタン樹脂にエチレン/ア
クリル酸系エマルジョンを併用した水性印刷インキ、或
いは変性ポリウレタン樹脂を使用した水性印刷インキ等
が開示されている。
【0005】しかしながら、現在知られている水性ラミ
ネート用インキは、必ずしも各種プラスチックフィル
ム、とりわけポリオレフィン系フィルムに対する接着性
やラミネート適性は十分ではなく、特に溶融ポリプロピ
レンを貼り合わせるダイレクトラミネート適性において
は不十分であった。
【0006】従来のバインダーとして、ポリプロピレン
又は塩素化ポリプロピレンをマレイン酸等で変性し、乳
化剤を用いて水分散させた変性ポリプロピレン系樹脂エ
マルジョン、或いは水性ポリウレタン樹脂、水性アクリ
ル系樹脂、エチレン/アクリル酸系樹脂と併用したもの
を用い、ポリオレフィン系フィルムに対する接着性やラ
ミネート適性を付与した水性インキが開示されている
が、接着性、ラミネート適性が向上する反面、耐ブロッ
キング性、耐水性等の諸物性の低下、或いは濃度、光
沢、レベリング性等の印刷効果、乾燥性や版洗浄性等の
印刷適性との両立が難しく、未だ実用性に十分でないの
が現状であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的と
しては、各種プラスチックフィルム、特にポリオレフィ
ン系フィルムに対する接着性、各種ラミネート適性、な
かでも溶融ポリプロピレンのダイレクトラミネート適性
に優れ、印刷効果、印刷適性、印刷作業性の良好な水性
インキ組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、上記問題を
解決すべく鋭意検討した結果、水性ポリウレタンに、接
着性付与手段として変性ポリプロピレン系樹脂エマルジ
ョンをブレンドした樹脂系に、アクリル樹脂を配合した
水性バインダーを用いて得られるインキ組成物を印刷し
た乾燥後のインキ皮膜の凝集力がコントロール可能なこ
とに着目し、上記3成分の樹脂の比率を規定することに
よりポリオレフィンフィルムへの接着性、ラミネート適
性に優れた水性インキバインダー及びインキ組成物が得
られることを見出し、本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明の第1の発明は、少なく
とも水性ポリウレタン(A) と、変性ポリプロピレン系樹
脂エマルジョン(B) と、水性アクリル樹脂(C) とを混合
した水性バインダーであって、水性バインダーの全固形
分における(A) の固形分が30〜80重量%、(B) の固形分
が10〜60重量%、(C) の固形分が 5〜50重量%であるこ
とを特徴とする水性バインダーである。
【0010】第2の発明は、変性ポリプロピレン系樹脂
エマルジョン(B) が、ポリプロピレン又は塩素化ポリプ
ロピレンのいずれか1種以上を共役二重結合を有する二
塩基酸で変性した変性ポリプロピレン系樹脂を、乳化剤
の存在下で水中に分散せしめて得られることを特徴とす
る第1の発明に記載の水性バインダーである。
【0011】第3の発明は、水性アクリル樹脂(C) が、
アクリル系共重合体又はスチレン/アクリル系共重合体
からなるアルカリ可溶型水溶性樹脂又は水性エマルジョ
ンのいずれかであって、重量平均分子量 10000〜10000
0、ガラス転移点が10℃以上であることを特徴とする第
1又は第2の発明に記載の水性バインダーである。
【0012】第4の発明は、第1〜第3の発明いずれか
記載の水性バインダーを含有することを特徴とする水性
インキ組成物である。
【0013】第5の発明は、第4の発明に記載の水性イ
ンキ組成物をプラスチックフィルムに印刷し、ラミネー
ト加工して成るラミネート加工物である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の水性バインダーに用いら
れる水性ポリウレタン(A) とは、有機ポリイソシアネー
ト化合物、ポリオキシエチレン単位を有する化合物、イ
オン性官能基を有する化合物を反応して得られる。
【0015】有機ポリイソシアネート化合物としては、
従来公知のものを用いることができ、例えばトリレンジ
イソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、水添4,4-ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、
ビス−クロルメチル−ジフェニルメタン−ジイソシアネ
ート、2,6-ジイソシアネート−ベンゼンクロライド等の
ジイソシアネート類、或いはこれらとグリコール類又は
ジアミン類との両末端イソシアネートアダクト化合物、
或いはこれらの混合物等が挙げられる。トリフェニルメ
タントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイ
ソシアネート等の3官能以上のポリイソシアネート類も
これらに混合して用いることができる。更にモノイソシ
アネート類を分子量調整剤として用いてもよい。これら
の他、デスモジュールシリーズ(商品名、バイエル社
製)等の市販のポリイソシアネートアダクト化合物を用
いることもできる。これらは1種又は2種以上の組み合
わせで用いることができる。
【0016】ポリオキシエチレン単位を有する化合物と
しては、従来公知のポリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール−ポリプロピレングリコール共重合化合
物、特開昭63-305119 号公報に開示される側鎖にポリオ
キシエチレン単位を含有する化合物等を挙げることがで
きる。これらは1種又は2種以上の組み合わせで用いる
ことができる。
【0017】水性ポリウレタン(A) におけるポリオキシ
エチレン単位を有する化合物の含有量は、水性ポリウレ
タン樹脂(A) の水分散性又は水溶性、及び水性インキ組
成物の貯蔵安定性と耐水性のバランスの観点から20重量
%以下であることが好ましく、特に10重量%以下が好ま
しい。また、樹脂の水溶化の観点から0.1重量%以上
が好ましい。
【0018】イオン性官能基を有する化合物で用いられ
るイオン性官能基としては第4級アンモニウム基、第3
級アミノ基、カルボキシレート基、カルボキシル基、ス
ルホネート基、スルホン酸基、ホスホニウム基、ホスフ
ィン酸基、硫酸エステル基等が挙げられる。これらのう
ちカルボキシル基、第3アミノ基等のイオン前駆体基
は、アンモニアや3級アミン或いは酢酸や塩酸等による
中和又は4級化反応によりイオン基に容易に転化し得
る。
【0019】上記に示すようなイオン性官能基を用いて
なる化合物の具体例としては、ジメチロールプロピオン
酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸等のジメチ
ロールアルカン酸、アミノ酸やアミノスルホン酸ならび
にそれらのオキシアルキル化生成物及びポリエステル化
生成物、ジアミノカルボン酸、ジアミノベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、グリセリンモノ燐酸エステル2ナトリ
ウム塩、ヒドロキシエチルホスフォン酸ナトリウム、N-
メチルエタノールアミン、5-スルホイソフタル酸ナトリ
ウム単位を有するポリエステルポリオール、低分子量グ
リコールと脂肪族或いは芳香族多塩基酸無水物との付加
・縮合反応によって得られるカルボキシル基含有ポリエ
ステルポリオール、ジメチロールアルカン酸を開始剤と
してラクトンを付加開環重合させたカルボキシル基含有
ポリオール等が挙げられる。これらは1種又は2種以上
の組み合わせで用いることができる。
【0020】水性ポリウレタン(A) におけるイオン性官
能基を有する化合物の含有量は、水性ポリウレタン(A)
の水分散性又は水溶性、及び水性インキ組成物の貯蔵安
定性と耐水性のバランスの観点から、水性ポリウレタン
(A) 樹脂100g当たり10〜120ミリ当量、特に20〜100 ミ
リ当量の範囲が望ましい。
【0021】更に、水性ポリウレタン(A) には、ポリウ
レタンの製造に一般的に用いられるヒドロキシ化合物、
アミン化合物等の活性水素化合物を用いることができ
る。
【0022】ヒドロキシ化合物としては低分子量ポリオ
ール類、低分子量グリコール類、高分子量ジオール類等
が挙げられる。これらの他、ビスフェノールAやビスフ
ェノールF等のビスフェノール類、ビスフェノールAや
ビスフェノールFにエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたグリコ
ール類等も用いることができる。
【0023】低分子量ポリオール類としてはトリメチロ
ールプロパン、グリセリン等のトリオール類、ペンタエ
リスリトール等のテトラオール類等が挙げられる。
【0024】低分子量グリコール類としてはエチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ブタンジオール、プロパンジオール、1,6-ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン
ジメタノール、アセチレングリコール、3,9-ビス(1,1-
ジメチル-2- ヒドロキシエチル)-2,2,8,10- テトラオキ
ソスピロ[5,5] ウンデカン等が挙げられる。
【0025】高分子量ジオールとしては、ポリエーテル
ジオール類やポリエステルジオーA類が挙げられる。ポ
リエーテルジオール類としては、例えば、テトラヒドロ
フン、或いはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド好のアルキレンオキサイドの重
合体、共重合体又はグラフト重合体、又はヘキサせジオ
ール、メチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オ
クタンジオール或剤はこれらの混合物の縮合によるポリ
エーテルグリコール類、プロポキシル化又きエトキシル
化されたポリエーテルグリコール類等が挙げられる。
【0026】ポリエステルジオール類としてはエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオー
ル、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘ
キサンジオール、メチル-1,5- ペンタンジオール、オク
タンジオール、シクロヘキサンジオール、2-エチル-1,3
- ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール等の飽和或い
は不飽和の低分子量グリコールと脂肪族或いは芳香族二
塩基酸又は芳香族二塩基酸エステルとから縮合反応によ
り得られるポリエステルポリオールやε- ポリカプロラ
クタン等の環状エステル化合物の開環重合により得られ
るポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオー
ル、シリコンポリオール等があり、これらとジイソシア
ネートとの反応によって得られる末端水酸基の反応生成
物も用いることができる。
【0027】アミン化合物としてはエチレンジアミン、
トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペン
タメチレンジアミン、1,7-ジアミノヘプタン、,18-ジア
ミノオクタン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、キ
シリレンジアミン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、イソ
ホロンジアミン、フェニレンジアミン、4,4'- ジアミノ
-3,3'-ジメチルジシクロヘキシルメタン等のジアミン
類、トリアミノプロパン等のトリアミン類、これらと有
機ポリイソシアネート化合物又はポリエポキシ化合物と
の反応によって得られる末端アミノ基又は水酸基の反応
生成物を用いることができる。
【0028】更に、水性ポリウレタン(A) には、必要に
応じてモノアミン化合物を分子量調整剤として用いても
よい。モノアミン化合物としてはジ-n- ブチルアミン等
のジアルキルアミン類等の他、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、2-アミノ-2- メチル-1- プロパノ
ール、トリ( ヒドロキシメチル) アミノメタン、2-アミ
ノ-2- エチル-1,3- プロパンジオール等の水酸基を有す
るアミン類、モノメチルヒドラジン、1,1-ジメチルヒド
ラジン、ベンジルヒドラジン等のアルキルヒドラジン
類、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、ラウリン酸
ヒドラジド等のヒドラジド類等を用いることができる。
【0029】ポリウレタンの製造は、上記の成分を従来
公知の方法に従って室温〜140 ℃、好ましくは40〜100
℃で反応させる。すなわち、配合材料を一括仕込みで反
応させるワンショット法や、末端イソシアネートプレポ
リマーを生成した後に鎖延長剤及び/又は末端停止剤で
高分子量化・分子量調節するプレポリマー法が利用でき
る。特に好ましいのは後者の方法であり、例えば上記の
成分をイソシアネート基過剰で反応させて得られる末端
イソシアネートプレポリマーを、鎖延長剤・末端停止剤
として例えば上記記載の活性水素化合物や水難溶性のポ
リヒドラジン化合物等を用いて高分子量化・分子量調節
する方法が挙げられる。
【0030】プレポリマー化反応における、末端イソシ
アネートプレポリマー調整時のイソシアネート基と活性
水素の当量比は、約1.01〜3.00対1 、好ましくは1.03〜
2.50対1 の範囲である。また必要に応じて従来公知のウ
レタン化触媒、例えばジラウリン酸ジブチル錫、オクチ
ル酸錫、トリエチルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミ
ン、水酸化ナトリウム、ジエチル亜鉛テトラ(n- ブトキ
シ) チタン等を用いることができる。
【0031】更に、前記プレポリマーの調整は無溶剤下
でも行ないうるが、反応の均一化や粘度調整のためにイ
ソシアネート基に対して不活性な有機溶剤を使用するこ
ともできる。具体的には、アセトン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチル、ジオキサン、アセトニトリル、テトラ
ヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリ
ドン等が挙げられ、これらの単独或いは混合系が用いら
れる。
【0032】また、水性ポリウレタン(A) には、必要に
応じて特開平8-253724号公報に開示される水難溶性のポ
リヒドラジン化合物を用いることができる。具体例とし
ては、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラ
ジド、ヘキサデカン酸ジヒドラジド、エイコサン二酸ジ
ヒドラジド等のような分子中に2個以上のヒドラジノ基
を有する化合物等が挙げられる。水難溶性のポリヒドラ
ジン化合物を含むことにより、ポリオレフィンフィルム
に対する接着性が向上する。
【0033】このようにして得られたポリウレタンの水
溶化、すなわち樹脂骨格中のイオン性官能基、例えばカ
ルボキシル基のイオン (塩) 基への転化は、ポリウレタ
ンを水に添加する前、又は添加と同時、又は添加後に行
なってもよい。カルボキシル基の中和に使用する塩基性
化合物としては、アンモニア、モノエチルアミン、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、メチル
ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチル
エタノールアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、
2-アミノ-2- エチル-1- プロパノール等の有機アミン、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類
等が挙げられ、1種又は2種以上の組み合わせで用いる
ことができる。
【0034】水に分散もしくは溶解されたポリウレタン
樹脂は、そのまま使用することもできるが、製造過程で
各種有機溶剤を併用した場合、加熱、減圧操作等によ
り、水とともに共沸除去するのが一般的であり、残留溶
剤による臭気、内容物への影響の面でも有機溶剤は除去
したほうが好ましい。
【0035】上記のごとくして得られた水性ポリウレタ
ン(A) の重量平均分子量は、インキ皮膜の耐水性を良好
にする観点から7000以上、再溶解性の低下を防ぐ観点か
ら200000以下であることが好ましい。
【0036】本発明の水性バインダー全固形分における
水性ポリウレタン(A) 固形分の量は、印刷時の流動性を
良好にして印刷効果を高める観点から30重量%以上、イ
ンキ組成物のポリオレフィンフィルムへの接着性やラミ
ネート適性を良好にする観点から90重量%以下であるこ
とが必要である。
【0037】次に、本発明の水性バインダーに用いられ
る変性ポリプロピレン系樹脂エマルジョン(B) について
説明する。変性ポリプロピレン系樹脂エマルジョン(B)
とは、ポリプロピレン又は塩素化ポリプロピレンのいず
れか1種以上を、マレイン酸等の共役二重結合を有する
二塩基酸で変性した変性ポリプロピレン系樹脂を、水中
に分散せしめて得られるエマルジョンである。ポリプロ
ピレン又は塩素化ポリプロピレンの重量平均分子量とし
ては、水性インキ組成物のプラスチックフィルムに対す
る接着性やダイレクトラミネート適性、耐ブロッキング
性の低下を防ぐ観点から2000以上、インキ組成物の経時
安定性の観点から200000以下が好ましい。また、塩素化
ポリプロピレンの塩素含有率としては、15〜45% の比較
的低い含有率であると接着性やダイレクトラミネート適
性の点で好ましい。
【0038】共役二重結合を有する二塩基酸としては、
例えばマレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水
ケイヒ酸等が挙げられるが、ポリプロピレン変性時の安
定性、コスト面の点で無水マレイン酸の使用が好まし
い。更にこれらの二塩基酸のアルキルエステル等も使用
することができる。具体的には、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マ
レイン酸イソブチル等のマレイン酸ハーフエステル類、
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸
ジブチル等のマレイン酸ジエステル等が挙げられる。
【0039】変性方法については、従来公知の方法を用
いることができる。例えば、高分子量のポリプロピレン
を熱分解して得られる、二重結合を有するポリプロピレ
ンに無水マレイン酸系モノマーをラジカル重合する方
法、特開昭54-15098号公報に開示される、触媒を用いて
ポリプロピレンのα−オレフィン鎖を異性化させて無水
マレイン酸を付加反応する方法等が挙げられる。
【0040】更に変性したポリプロピレンを、塩基性化
合物、例えばアンモニア、モノエチルアミン、トリエチ
ルアミン、トリエタノールアミン、等の有機アミン、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類等
で中和し、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の乳化剤の
存在下、水中に分散せしめて、変性ポリプロピレン系樹
脂エマルジョン(B) を得ることができる。
【0041】本発明の水性バインダー全固形分における
変性ポリプロピレン系樹脂エマルジョン(B) 固形分の量
は、ポリオレフィンフィルムとインキ組成物との接着性
を良好にする観点から10重量%以上、印刷時の流動性や
再溶解性の低下を抑制し、印刷効果を良好にする観点か
ら60重量%以下の範囲であることが必要である。
【0042】次に、本発明の水性バインダーに用いられ
る水性アクリル樹脂(C) について説明する。アクリル樹
脂の持つ優れた顔料分散性により、インキ濃度、光沢、
乾燥性や版洗浄性等の印刷作業性が良好な水性インキ組
成物を得ることが出来る。
【0043】水性アクリル樹脂(C) としては、アクリル
系共重合体又はスチレン/アクリル系共重合体からなる
アルカリ可溶型水溶性樹脂又は水性エマルジョンであ
り、用いられるモノマーに特に制限はなく、通常の芳香
族ビニル化合物、エチレン性不飽和カルボン酸エステル
類、エチレン性不飽和カルボン酸アミド類、エチレン性
不飽和カルボン酸等のラジカル重合可能なビニルモノマ
ーであり、従来公知の重合方法により得ることができ
る。
【0044】芳香族ビニル化合物としてはスチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン類が挙
げられ、これらは1種又は2種以上の混合物として使用
できる。
【0045】エチレン性不飽和カルボン酸エステル類と
しては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸のアルキル(好ましくは炭素数 1〜
22のアルキル)エステル類、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト等の水酸基含有エチレン性不飽和化合物、グリシジル
(メタ)アクリレート,メチルグリシジル(メタ)アク
リレート等のエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物等
が挙げられる。
【0046】エチレン性不飽和カルボン酸アミド類及び
その誘導体としては、N-メチロール(メタ)アクリルア
ミド、N-ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブト
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル(メタ)ア
クリルアミド等が挙げられる。
【0047】水性アクリル樹脂(C) がアルカリ可溶型水
溶性樹脂の場合、水性化のために一般的には樹脂骨格内
にエチレン性不飽和カルボン酸類等のイオン性官能基を
含有している。具体的には(メタ)アクリル酸、マレイ
ン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸やこれらの無
水物類が挙げられ、これらは1種又は2種以上の混合物
として使用できる。更に、重合後得られた樹脂を前記塩
基性化合物を用いて中和を行い、水溶化させる。このと
き必要に応じて、重合過程で使用した各種有機溶剤の共
沸除去を行なう。残留溶剤による臭気の面においても有
機溶剤は除去したほうが好ましい。
【0048】また、アクリル樹脂(C) が水性エマルジョ
ンの場合、アニオン系活性剤、ノニオン系活性剤或いは
ポリマー粒子の分散保護能を有するアルカリ可溶型水溶
性樹脂のような高分子活性剤等、乳化重合に用いられる
界面活性剤の存在下、上記モノマーを乳化重合すること
により得ることができるが、水性インキに使用する場
合、顔料分散性、流動性、再溶解性の点から、アルカリ
可溶型水溶性樹脂を乳化重合時用いたエマルジョンが好
ましく、重合安定性、エマルジョンの粒径調整として、
必要最小限のノニオン活性剤、具体的には、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシ
プロピレンブロックポリマーを使用するのがより好まし
い。
【0049】重合開始剤としては通常のラジカル重合開
始剤、例えば過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類、過酸
化t−ブチル等の有機過酸化物等を用いることができ
る。使用量は、モノマー総重量成分100 重量部あたり0.
1 〜5 重量部が適当である。
【0050】水性アクリル樹脂(C) の重量平均分子量
は、水性インキ皮膜の凝集力を高めてフィルムに対する
接着性、ダイレクトラミネート適性を良好にする観点か
ら10000 以上、水に対する溶解性を保ち必要な樹脂固形
分を確保する観点から100000以下が好ましく、より好ま
しくは20000 〜50000 の範囲である。
【0051】また、水性アクリル樹脂(C) のガラス転移
点は、水性インキ皮膜の凝集力と印刷後の耐ブロッキン
グ性を充分に発現させる観点から10℃以上であることが
好ましく、酸価は、充分な顔料分散性や再溶解性を得る
観点から5 以上、良好なインキの安定性、乾燥性、耐水
性を得る観点から300 以下が好ましい。
【0052】尚、本発明でいう重量平均分子量とは、G
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置
を用いて分子量分布を測定して算出した値であり、ガラ
ス転移点とは、示差走査熱量計を用いて昇温温度10℃
/分で測定したときのガラス転移温度近傍の吸熱曲線の
接線とベースラインとの接点の値をいい、酸価とは、樹
脂1g中に含有するカルボキシル基を中和するのに必要
とする水酸化カリウムのmg数で、JIS K070に
従い行った値である。
【0053】本発明の水性バインダー全固形分における
水性アクリル樹脂(C) の量は、インキ皮膜の凝集力向上
効果を高めてフィルムへの接着性やラミネート適性を良
好にする観点から5 重量%以上、ポリオレフィンフィル
ムへの接着性を良好にする観点から50重量%以下で用い
ることが必要である。また、アクリル樹脂の特性を十分
に生かすためには、インキ製造時や顔料分散工程での使
用が好ましい。
【0054】本発明の水性バインダーは、上記の(A)(B)
(C) を必須とする成分を混合することにより得られる。
【0055】本発明のインキ組成物は、上記水性バイン
ダーと必要に応じて着色顔料や顔料分散剤、消泡剤、界
面活性剤、増粘剤、レベリング剤、高沸点溶剤等の添加
剤や、(A) 、(B) 、(C) 以外の水性樹脂を用いて製造す
ることができる。または、水性バインダー各構成成分と
他の成分とをインキ組成物製造の際に混合してもよい。
着色顔料としては、水性インキに使用可能である一般的
な有機及び無機顔料であればいずれも使用することがで
き、水性インキ組成物の 1〜60重量%で配合される。
【0056】上記の成分を所定量配合し、サンドミル、
アトライター等の分散機を使用して分散を行った後、粘
度調整、pH調整を行い本発明の水性インキ組成物が製造
される。
【0057】次いで、水性インキ組成物は、グラビア又
はフレキソ印刷方式等でプラスチックフィルムに印刷さ
れ、本発明の印刷物が得られる。更に、この印刷物の印
刷面にイミン系、イソシアネート系、ポリブタジエン
系、チタン系等の各種アンカーコート剤を介して、溶融
ポリエチレン樹脂を積層する通常のエクストルージョン
ラミネート(押し出しラミネート)法、印刷面にウレタ
ン系等の接着剤を塗工し、プラスチックフィルムを積層
するドライラミネート法、印刷面に直接溶融ポリプロピ
レンを圧着して積層するダイレクトラミネート法等によ
り、本発明のラミネート加工物が得られる。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以
下、実施例及び表中における部は重量部を、%は重量%
をそれぞれ表す。
【0059】〔水性ポリウレタン(A) の合成例 1〕4
つ口フラスコに、平均分子量4000のポリ (3-メチル-1,5
- ペンタンアジペート) ジオール 170.7部、平均分子量
3000のポリエチレングリコール 3.0部、2,2-ジメチロー
ルプロピオン酸25.1部、メチルエチルケトン 200部を仕
込み、窒素を導入しながら50℃まで昇温し、内容物を溶
解した。続いて、イソホロンジイソシアネート82.1部を
加えた後加温して内温を80〜90℃に保ち、5 時間反応し
た。その後冷却し、100 部のメチルエチルケトンで希釈
しプレポリマーを得た。セバチン酸ジヒドラジド19.1
部、酢酸エチル 220部の混合物を30℃に保ち、先に得ら
れたプレポリマー 580.9部を滴下し、内温を65〜75℃に
保ち、24時間反応することによりポリウレタン樹脂溶液
を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液に、28% アンモ
ニア水11.4部を含む脱イオン水 700部を加えて中和し、
脱溶剤( メチルエチルケトン、酢酸エチル) を行い、水
及び28% アンモニア水で固形分、pHを調整し、最終的に
樹脂固形分30.0%、分子量 35000、pH7.3 の水性ポリウ
レタン(1) を得た。
【0060】〔水性ポリウレタン(A) の合成例 2〕4
つ口フラスコに、平均分子量2000のポリカーボネートジ
オール 150.7部、平均分子量2000のポリエチレングリコ
ール 3.0部、2,2-ジメチロールプロピオン酸25.1部、メ
チルエチルケトン 200部を仕込み、窒素を導入しながら
50℃まで昇温し、内容物を溶解した。続いて、イソホロ
ンジイソシアネート93.9部を加えた後加温して内温を80
〜90℃に保ち、5 時間反応した。その後冷却し、100 部
のメチルエチルケトンで希釈しプレポリマーを得た。セ
バチン酸ジヒドラジド21.9部、酢酸エチル220 部の混合
物を30℃に保ち、先に得られたプレポリマー 572.7部を
滴下し、内温を65〜75℃に保ち、24時間反応することに
よりポリウレタン樹脂溶液を得た。得られたポリウレタ
ン樹脂溶液に、28% アンモニア水11.4部を含む脱イオン
水 700部を加えて中和し、脱溶剤( メチルエチルケト
ン、酢酸エチル) を行い、水及び28% アンモニア水で固
形分、pHを調整し、最終的に樹脂固形分30.0%、分子量
43000、pH7.1 の水性ポリウレタン(2) を得た。
【0061】〔水性ポリウレタン(A) の合成例 3〕4
つ口フラスコに、平均分子量2000のポリカプロラクトン
ジオール 149.8部、平均分子量2000のポリエチレングリ
コール 3.0部、2,2-ジメチロールプロピオン酸25.1部、
メチルエチルケトン 200部を仕込み、窒素を導入しなが
ら50℃まで昇温し、内容物を溶解した。続いて、イソホ
ロンジイソシアネート93.7部を加えた後加温して内温を
80〜90℃に保ち、5 時間反応した。その後冷却し、100
部のメチルエチルケトンで希釈しプレポリマーを得た。
イソホロンジアミン28.4部、メチルエチルケトン 200
部、水50部の混合物を30℃に保ち、先に得られたプレポ
リマー 571.6部を滴下し、内温を45〜55℃に保ち、 3時
間反応することによりポリウレタン樹脂溶液を得た。得
られたポリウレタン樹脂溶液に、28% アンモニア水11.4
部を含む脱イオン水 650部を加えて中和し、脱溶剤( メ
チルエチルケトン)を行い、水及び28% アンモニア水で
固形分、pHを調整し、最終的に樹脂固形分30.0%、分子
量 38000、pH7.1 の水性ポリウレタン(3) を得た。
【0062】〔水性アクリル樹脂(C) の合成例 1〕4
つ口フラスコに、イソプロパノール(IPA) 450部を
仕込み、内温を81〜84℃に保ち、スチレン45.2部、メタ
クリル酸ブチル 157部、メタクリル酸69.4部、アゾビス
イソブチロニトリル 6部の混合物を滴下ロートを用いて
2時間かけて滴下した。滴下終了後更に内温を81〜84℃
に保ち、3 時間反応することによりスチレン/アクリル
樹脂溶液を得た。得られたスチレン/アクリル樹脂溶液
に、 28%アンモニア水36.3部を含む脱イオン水 760部を
加えて中和し、加熱してIPA共沸留去し、水及び 28%
アンモニア水で固形分、pHを調整し、最終的に樹脂固形
分30.0%、分子量 18000、ガラス転移点92℃、酸価150
、pH7.3 の水性アクリル樹脂(1) を得た。
【0063】〔水性アクリル樹脂(C) の合成例 2〕4
つ口フラスコに、IPA 450部を仕込み、内温を81〜84
℃に保ち、メタクリル酸メチル96.5部、メタクリル酸ブ
チル 105.5部、メタクリル酸69.4部、アゾビスイソブチ
ロニトリル 6部の混合物を滴下ロートを用いて 2時間か
けて滴下した。滴下終了後更に内温を81〜84℃に保ち、
3 時間反応することによりアクリル樹脂溶液を得た。得
られたアクリル樹脂溶液に、 28%アンモニア水36.3部を
含む脱イオン水 760部を加えて中和し、加熱してIPA
を共沸留去し、水及び 28%アンモニア水で固形分、pHを
調整し、最終的に樹脂固形分30.0%、分子量 23000、ガ
ラス転移点110 ℃、酸価150 、pH7.3 の水性アクリル樹
脂(2) を得た。
【0064】〔水性アクリル樹脂(C) の合成例 3〕4
つ口フラスコに、イオン交換水 135部、水溶性アクリル
樹脂溶液(上記水性アクリル樹脂(C) の合成例1で得た
樹脂) 293部を仕込み、80℃に昇温した。過硫酸アンモ
ニウムの10%水溶液を20部添加し、スチレン 250部、ア
クリル酸n-ブチル50部、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル12部の混合物を2時間かけて滴下した。更
に80℃にて3時間反応を行い、水及び28% アンモニア水
で固形分、pHを調整し、最終的に樹脂固形分50.2%、分
子量350000、ガラス転移点68℃、酸価 33 、平均粒径0.
15μm の水性アクリル樹脂(3) を得た。
【0065】〔実施例1〜10及び比較例1〜5〕表1
に示す処方のバインダーと顔料、溶剤を配合し、ペイン
トコンデショナーにて分散し、実施例1〜10及び比較
例1〜5の水性インキ組成物を得た。尚、顔料はフタロ
シアニンブルー(LIONOL BLUE FG-7350、東洋インキ製造
(株)製)、変性ポリプロピレン系樹脂エマルジョンは
市販の製品 (固形分30%、分子量 5000 、酸価 1.1) を
使用した。
【0066】得られた水性インキ組成物を、ザーンカッ
プ#3(離合社(株)製)で18秒(25℃)になるように
水/イソプロパノール=1/1 の混合溶剤で希釈し、コロ
ナ放電処理OPPフィルム(東洋紡績(株)製「パイレ
ンP2161」厚さ20μm)の処理面に、版深25μmの
グラビア版を用いて、乾燥温度60℃、印刷速度80m/分で
グラビア印刷し、印刷物を得た。
【0067】得られたOPPフィルム印刷物の印刷面に
エチレンイミン系アンカーコート剤(東洋モートン
(株)製「EL−420」)を塗布し、印刷面を低密度
ポリエチレンにてエクストルージョンラミネート加工
(押し出しラミネート加工)を行ったラミネート物と、
ポリプロピレンにてダイレクトラミネート加工を行った
ラミネート物の2種類をそれぞれ得た。これらのラミネ
ート物を40℃で2日間エージングした。
【0068】上記により得られた水性インキ組成物につ
いては再溶解性、印刷(加工)物については顔料分散性
の良否を示す発色性と接着性を評価し、2種類のラミネ
ート加工物についてはラミネート強度を測定した。物性
の評価方法及び判定基準は以下の通りである。結果は表
1に示した。
【0069】発色性 :印刷物の外観を濃度、光沢、
透明性の観点から総合的に目視判定した。 5:非常に優れている。 4:優れている。 3:普通。 2:劣っている。 1:非常に劣っている。 実用上は4以上である。
【0070】再溶解性 :水性インキ組成物を、上記印
刷物製造時と同じ条件で1分間印刷した後、印刷機を停
止して1分間放置した。その後再印刷を行い、印刷物の
印刷効果が停止前と同じ状態になるまでのシリンダーの
回転数(印刷ピッチ)から再溶解性を評価した。 5:5回転未満で同じ状態に戻る。 4:5〜10回転以内で同じ状態に戻る。 3:11〜20回転以内で同じ状態に戻る。 2:21〜50回転以内で同じ状態に戻る。 1:50回転を超えても同じ状態に戻らない。 実用上は4以上である。
【0071】接着性 :印刷物を1日間放置後、印刷
面にセロハンテープ(ニチバン社製)を貼り付け、これ
を急速に剥がした時の印刷皮膜の外観状態を目視にて判
定した。 5:印刷皮膜が全く剥がれない。 4:印刷皮膜の80%以上がフィルムに残っている。 3:印刷皮膜の60〜80%未満がフィルムに残ってい
る。 2:印刷皮膜の40〜60%未満がフィルムに残ってい
る。 1:印刷皮膜の40%未満がフィルムに残っている。
【0072】ラミネート強度:2種類のラミネート加工
物をそれぞれ幅15mmに切断してT型剥離強度(g/15mm)
を測定した。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】本発明の水性バインダーは、少なくとも
水性ポリウレタン(A) と、変性ポリプロピレン系樹脂エ
マルジョン(B) と、水性アクリル樹脂(C) とを特定範囲
の配合量で混合して成るので、ポリオレフィンフィルム
への接着性に優れる。
【0075】更に、ポリプロピレン又は塩素化ポリプロ
ピレンのいずれか1種以上を共役二重結合を有する二塩
基酸で変性した変性ポリプロピレン系樹脂を、乳化剤の
存在下で水中に分散せしめた変性ポリプロピレン系樹脂
エマルジョン(B) や、アクリル系共重合体又はスチレン
/アクリル系共重合体からなるアルカリ可溶型水溶性樹
脂又は水性エマルジョンのいずれかであって、重量平均
分子量 10000〜100000、ガラス転移点が10℃以上である
水性アクリル樹脂(C) を用いることにより、より優れた
物性の水性バインダーが得られる。
【0076】上記いずれか記載の水性バインダーを含有
した水性インキ組成物は、プラスチックフィルムへの接
着性、ラミネート適性、特にポリプロピレンのダイレク
トラミネート適性や印刷効果、印刷適性、印刷作業性等
に優れているので、これをプラスチックフィルムに印刷
しラミネート加工して成るラミネート加工物は、印刷面
の発色性やラミネート強度等において優れた物性を得る
ことが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 75/04 C08L 75/04 Fターム(参考) 4F070 AA15 AA32 AA53 AA74 CA02 CB03 CB11 4J002 BC07Y BG03Y BG07Y BH01X CK02W HA04 4J039 AD01 AD02 AD03 AD09 AD10 AD12 AD14 AE04 AF07 BE01 BE22 BE23 BE28 CA03 CA06 DA02 EA43 EA48 FA02 GA03 GA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも水性ポリウレタン(A) と、変性
    ポリプロピレン系樹脂エマルジョン(B) と、水性アクリ
    ル樹脂(C) とを混合した水性バインダーであって、水性
    バインダーの全固形分における(A) の固形分が30〜80重
    量%、(B) の固形分が10〜60重量%、(C) の固形分が 5
    〜50重量%であることを特徴とする水性バインダー。
  2. 【請求項2】変性ポリプロピレン系樹脂エマルジョン
    (B) が、ポリプロピレン又は塩素化ポリプロピレンのい
    ずれか1種以上を共役二重結合を有する二塩基酸で変性
    した変性ポリプロピレン系樹脂を、乳化剤の存在下で水
    中に分散せしめて得られることを特徴とする請求項1記
    載の水性バインダー。
  3. 【請求項3】水性アクリル樹脂(C) が、アクリル系共重
    合体又はスチレン/アクリル系共重合体からなるアルカ
    リ可溶型水溶性樹脂又は水性エマルジョンのいずれかで
    あって、重量平均分子量 10000〜100000、ガラス転移点
    が10℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の水性バインダー。
  4. 【請求項4】請求項1〜3いずれか記載の水性バインダ
    ーを含有することを特徴とする水性インキ組成物。
  5. 【請求項5】請求項4記載の水性インキ組成物をプラス
    チックフィルムに印刷し、ラミネート加工して成るラミ
    ネート加工物。
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