JP2008153444A - 表面処理用ステージ構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステージ本体20Xに第1、第2の吸着孔56,66を設ける。ステージ本体20Xの表側面にカバー部材23を被せ、第1吸着孔56を塞ぐ。この第1吸着孔56に真空吸引力を導入し、カバー部材23をステージ本体20Xに吸着する。カバー部材23には、第2吸着孔66に連なる第3吸着孔67を設けておく。被処理物Wをカバー部材23上に設置し、第2吸着孔66ひいては第3吸着孔67に真空吸引力を導入することにより、被処理物Wをカバー部材23に吸着する。
【選択図】図1
Description
被処理物は、例えばステージ上に配置されている。ステージが金属で構成され、接地電極を兼ねる場合もある。ステージには吸着孔が形成されている。この吸着孔に真空吸引力を導入することにより、吸着孔を介して被処理物をステージに吸着するようになっている。
ステージ本体と、
前記ステージ本体の表側面上に分離可能に被さり、その上に被処理物が配置されるべきカバー部材と、
を備え、
前記ステージ本体には、真空吸引力が導入されるべき第1、第2の吸着孔が表側面に開口するように形成され、
前記カバー部材には、第3吸着孔が厚さ方向に貫通するように形成され、
前記第1吸着孔が前記カバー部材にて塞がれ、前記第2吸着孔が前記第3吸着孔に連なることを特徴とする。
これによって、第1吸着孔を介してカバー部材をステージ本体に真空吸着でき、第2吸着孔及び第3吸着孔を介して被処理物をカバー部材ひいてはステージ本体に真空吸着することができる。
前記カバー部材は、ステージ本体より十分に薄いことが好ましく、数mm程度の薄板状であることがより好ましい。前記カバー部材は、例えば処理ムラを防止するための金属等からなる板部材でもよく、プラズマ処理において安定放電を得るための固体誘電体板でもよい。
これによって、カバー部材の真空吸着と被処理物の真空吸着を別個に行なうことができる。
これによって、前記カバー部材を、例えばプラズマ処理装置の電極として用い、被処理物をその固体誘電体層として用いることができる。別途、専用の固体誘電体層を設ける必要がなく、被処理物の大型化に容易に対応することができる。
前記ステージ本体は、金属を主成分としていてもよく、絶縁体を主成分としていてもよい。前記ステージ本体の表側面のほぼ全体が、固体誘電体層で被覆されていない金属にて構成されていてもよい。
これによって、前記カバー部材を確実に電気的に接地することができ、例えばプラズマ処理装置の接地電極として用いることができる。前記付勢手段は、ばね、ゴム等の弾性部材、流体圧シリンダなど、付勢力を発揮できるものであればよい。
これによって、被処理物のサイズに応じて主ステージに継ぎ足しステージを着脱することにより、ステージ全体としての被処理物設置面積を拡縮することができる。
前記カバー部材が、前記主ステージと継ぎ足しステージとに跨るようにして、これらステージの表側面上に被さるようになっていてもよい。
これによって、主ステージと継ぎ足しステージとの継ぎ目をカバー部材にて覆うことができ、継ぎ目に対応する箇所についても他の箇所と同様の処理状態にすることができ、処理ムラが出来るのを防止することができる。
図1は、本発明の第1実施形態を示したものである。この実施形態では、例えばフラットパネルディスプレイ用のガラス(誘電体)を主成分とする基板からなる被処理物Wの表面処理を行う。図1及び図2に示すように、ガラス基板Wのサイズは、大小さまざまである。ここでは、大小2つのサイズの基板Wを処理するものとする。これら基板Wを互いに区別する際は、相対的に大きいガラス基板W(図1)には符号にLを添え、相対的に小さいガラス基板W(図2)には符号にSを添えることにする。
ヘッド10は、高圧電極11と、この高圧電極11を保持するホルダ12を有している。電極11は、図1の紙面と直交する前後方向に延びる長尺状をなしている。電極11の長さは、ガラス基板Wの前後方向の寸法より若干大きい。電極11の下面にはセラミックの板や溶射膜等からなる固体誘電体層13が設けられている。固体誘電体層13は、大気圧グロー放電を安定化させるためのものである。
また、ヘッド10には、処理ガス源を含む処理ガス供給系(図示省略)が接続されている。この処理ガス供給系から処理目的に応じた処理ガスが所定の流量でヘッド10の下側に供給されるようになっている。例えば、エッチング処理や撥水化処理では、処理ガスとしてCF4等のフッ化炭素化合物と窒素が用いられる。
さらに、ヘッド10にはスキャン機構(図示省略)が接続されている。このスキャン機構によってヘッド10が左右方向にスライドされるようになっている。ヘッド10が固定され、ステージ構造20がスキャン機構によってスキャンされるようになっていてもよい。
主ステージ21は、アルミやステンレス等の金属からなる平面視四角形の盤状をなしている。主ステージ21の上面21a(表側面)は、該ステージ21を構成する金属の露出面になっており、大気圧グロー放電を安定化させるための固体誘電体層で被覆されていない。主ステージ21は、アース線e1を介して電気的に接地されており、上記ヘッド10の高圧電極11に対する接地電極を構成している。
図2に示すように、主ステージ21の前後方向(図の紙面直交方向)及び左右方向の寸法は、小サイズの基板WSに合わせてあり、基板WSの前後、左右の寸法よりそれぞれ若干小さい。したがって、主ステージ21上に基板WSを載置すれば、上面21aの全体が基板WSで覆われ、基板WSの外端部が主ステージ21から外側に突出することになる。
図1に示すように、カバー部材23は、アルミやステンレス等の金属からなる薄い板にて構成されている。カバー部材23の厚さは、例えば0.1〜2mm程度が好ましく、1mm程度がより好ましい。カバー部材23の大きさは、主ステージ21と継ぎ足しステージ22とを合わせたステージ本体20Xの上面の大きさと略等しくなっており、例えば約1m角になっている。カバー部材23は、主ステージ21及び継ぎ足しステージ22とは別体であり、これらステージ21,22から分離可能になっている。ステージ22が継ぎ足し位置のとき、カバー部材23は、主ステージ21と継ぎ足しステージ22とに跨るようにして、ステージ本体20Xの上面に被さるようになっている。このカバー部材23の上に基板Wが載置される。したがって、カバー部材23は、基板Wとステージ本体20Xとに挟まれることになる。
図2に示すように、継ぎ足しステージ22が退避位置のとき、カバー部材23は、ステージ21,22上から撤去されるようになっている。
第1吸着ライン50は、吸引手段40に連なる第1吸引路51と、主ステージ21に形成された第1吸着路52とを含んでいる。第1吸引路51には、開閉弁53が設けられている。
第1吸着路52は、第1ポート54と、第1幹路55と、複数の第1吸着孔56とを含んでいる。第1ポート54は、主ステージ21の外側面に配置されている。第1ポート54は、ステージ22の継ぎ足しやカバー部材23の設置の邪魔にならない位置に配置されていればよい。この第1ポート54に第1吸引路51が連なっている。
カバー部材23をステージ21,22上にセットした状態において、第1吸着孔56がカバー部材23によって塞がれるようになっている。
第2吸着路62は、第2ポート64と、第2幹路65と、複数の第2吸着孔66とを含んでいる。第2ポート64は、主ステージ21の外側面に配置されている。第2ポート64は、ステージ22の継ぎ足しやカバー部材23の設置の邪魔にならない位置に配置されていればよい。この第2ポート64に第2吸引路61が連なっている。
図1に示すように、大きいサイズの基板WLを処理する際は、継ぎ足しステージ22を進退機構24にて継ぎ足し位置に位置させる。さらに、カバー部材23をステージ21,22からなるステージ本体20X上に設置する。カバー部材23は、2つのステージ21,22に跨り、これらステージ21,22の全体を覆う。
カバー部材23は、ステージ21,22と接することにより、ステージ21,22及びアース線e1,e2を介してアースされる。さらに、アース端子30がばね31の付勢によってカバー部材23に押し当てられる。これにより、たとえカバー部材23とステージ21,22との接触が不十分であっても、カバー部材23をアース端子30及びアース線e3を介して確実にアースすることができる。
次に、開閉弁53を開き、吸引手段40を駆動する。これによって、吸引手段40による真空吸引力が、第1吸着ライン50の吸引路51,ポート54,幹路55を順次経て、吸着孔56に導入される。これにより、カバー部材23を、第1吸着ライン50を介して吸引し、ステージ本体20Xに吸着することができる。
次いで、開閉弁63を開く。これによって、吸引手段40による真空吸引力が、第2吸着ライン60の吸引路61,ポート64,幹路65を順次経て、第2吸着孔66に導入され、ひいては第3吸着孔67に導入される。これにより、基板WLを、第2吸着ライン60を介して吸引し、カバー部材23に吸着することができる。
2つの吸着ライン50,60が別系統になっており、真空吸引力を互いに独立して導入可能であるので、カバー部材23の真空吸着と基板Wの真空吸着を別個に行なうことができる。
併行して、図示しない処理ガス供給系からヘッド10と基板WLとの間に処理ガスが導入される。これにより、ヘッド10と基板WLとの間において処理ガスがプラズマ化され、このプラズマ化された処理ガスが基板WLの表面に接触して反応が起きる。これによって、基板WLを表面処理することができる。
図1に示すように、上記のスキャン行程において、高圧電極11が主ステージ21と継ぎ足しステージ22との継ぎ目に対応する位置に配置される期間が存在する。一方、これらステージ21,22にはカバー部材23が跨るように被さっている。したがって、接地電極23としては、継ぎ目の無い状態になっている。よって、ステージ21,22どうしの継ぎ目によって高圧電極11と接地電極23との間の放電状態が影響を受けることはなく、上記継ぎ目に対応する箇所でもそれ以外の箇所と同様の放電状態を得ることができる。この結果、基板WLの表面上の上記継ぎ目に対応する箇所に処理ムラが形成されるのを防止することができる。
例えば、互いに幅寸法が異なる複数の継ぎ足しステージ22を用意しておき、被処理物Wの大きさに応じて、主ステージ21に継ぎ足すべき継ぎ足しステージ22を選択することにしてもよい。これによって、3つ以上のサイズの被処理物Wに対応することができる。
継ぎ足しステージ22を、主ステージ21の互いに対辺をなす2つの側部(例えば左右両側)に設けてもよく、3つの側部に設けてもよく、4つすべての側部に設けてもよい。
主ステージ21は、四角形に限られず、円形をなしていてもよい。継ぎ足しステージ22の形状は、主ステージ21の輪郭に合わせるとよい。
継ぎ足しステージ進退機構24は、継ぎ足しステージ22を水平方向に進退させるようになっていてもよく、斜めに進退させるようになっていてもよい。
ステージ本体20Xのさらに外側に、固体誘電体で被覆された接地された金属部材を進退可能に設け、この金属部材上で助走的な放電を生成したうえで、ステージ本体20X上で正規の放電を生成し、基板Wを処理することにしてもよい。この金属部材と継ぎ足しステージ22が一体になっていてもよい。
ピン状アース端子30の付勢手段31としては、ばねの他、ゴム等の弾性部材を用いてもよく、流体圧シリンダを用いてもよい。
アース端子30を省略してもよく、その場合でも、カバー部材23,23Sを主ステージ21又は継ぎ足しステージ22を介してアースすることができる。
小サイズ用のカバー部材23Sの大きさは、主ステージ21の上面21aとちょうど一致していなくてもよく、主ステージ21の上面21aより少し小さくてもよく大きくてもよい。
カバー部材23が、安定放電に寄与する固体誘電体層で被覆されていてもよく、安定放電には寄与し得ない樹脂フィルムやコーティングや絶縁薄膜等で被覆されていてもよい。
ステージ本体20Xのほぼ全体が、金属以外の材料からなり、その表側面に金属膜などが設けられていてもよい。さらには、カバー部材23,23Sが金属で構成されていれば、少なくとも該カバー部材23,23Sを接地電極として用いることができるので、ステージ本体20Xは、必ずしも金属で構成されている必要はない。
ステージ本体20Xが、金属で構成されて電極を兼ねる一方、カバー部材23,23Sが、誘電体で構成され、上記電極としてのステージ本体20Xに被覆されるべき固体誘電体層であってもよい。この場合、被処理物Wは、ガラス等の誘電体を主成分とする必要はなく、半導体で構成されていてもよく、金属膜などが設けられていてもよい。
電極兼ステージの表面の固体誘電体層を兼ねる被処理物Wは、誘電体を主成分として含んでいればよく、100%誘電体で出来ている必要はない。被処理物Wの表面に若干金属が配置されていてもよく、内部に金属が埋め込まれていてもよい。この金属が外部に露出しないようになっているのであればほとんど問題ない。そのような被処理物Wとして、具体的には、液晶ディスプレイを構成する液晶パネルや液晶モジュールまたはプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイおよび電界放出ディスプレイを構成するパネルやモジュールが挙げられる。
継ぎ足しステージ21にも第1吸着孔56や第2吸着孔66が形成されていてもよい。
第1吸着ライン50用の吸引手段40と、第2吸着ライン60用の吸引手段40とが、互いに別個に設けられていてもよい。
さらに、継ぎ足し構造のステージは、プラズマ処理に限られず、種々の表面処理に適用でき、特に、ステージの継ぎ目の上に直接被処理物を置くと、該継ぎ目に対応する箇所の処理状態が他の箇所と異なる可能性のある表面処理に好適である。例えば、CVDにおいてステージが加熱ヒータを兼ねる場合、継ぎ目での温度が他の箇所と異なったとしてもカバー部材によって温度を均すことができ、処理ムラが出来るのを防止することができる。
被処理物は、ガラス基板に限られず、半導体基板等にも適用できる。
WS 小さいサイズのガラス基板(被処理物)
M プラズマ表面処理装置
10 ヘッド
11 高圧電極
20 ステージ構造
20X ステージ本体
21 主ステージ
21a 主ステージの上面(表側面)
22 継ぎ足しステージ
22a 継ぎ足しステージの上面(表側面)
23 カバー部材
23S カバー部材
24 継ぎ足しステージ進退機構
30 アース端子
31 ばね(付勢手段)
40 吸引手段
50 第1吸着ライン
52 第1吸着路
56 第1吸着孔
60 第2吸着ライン
62 第2吸着路
66 第2吸着孔
67 第3吸着孔
Claims (4)
- 被処理物を表面処理する装置における前記被処理物を設置するためのステージ構造であって、
ステージ本体と、
前記ステージ本体の表側面上に分離可能に被さり、その上に被処理物が配置されるべきカバー部材と、
を備え、
前記ステージ本体には、真空吸引力が導入されるべき第1、第2の吸着孔が表側面に開口するように形成され、
前記カバー部材には、第3吸着孔が厚さ方向に貫通するように形成され、
前記第1吸着孔が前記カバー部材にて塞がれ、前記第2吸着孔が前記第3吸着孔に連なることを特徴とする表面処理用ステージ構造。 - 前記第1吸着孔と第2吸着孔には、真空吸引力が互いに独立して導入可能であることを特徴とする請求項1に記載のステージ構造。
- 前記被処理物が、誘電体を主成分とし、
前記カバー部材が、金属を主成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のステージ構造。 - 前記ステージ本体には、その表側面から出没可能なピン状のアース端子と、このアース端子を突出方向に付勢する付勢手段とが設けられていることを特徴とする請求項3に記載のステージ構造。
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JP2006340026A JP2008153444A (ja) | 2006-12-18 | 2006-12-18 | 表面処理用ステージ構造 |
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- 2006-12-18 JP JP2006340026A patent/JP2008153444A/ja not_active Ceased
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