JP2008153177A - リチウム二次電池用の負極及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用の負極及びリチウム二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2008153177A
JP2008153177A JP2006342896A JP2006342896A JP2008153177A JP 2008153177 A JP2008153177 A JP 2008153177A JP 2006342896 A JP2006342896 A JP 2006342896A JP 2006342896 A JP2006342896 A JP 2006342896A JP 2008153177 A JP2008153177 A JP 2008153177A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
lithium secondary
secondary battery
lithium
active material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006342896A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5042611B2 (ja
Inventor
Tetsuo Tokita
哲生 戸北
Hideaki Maeda
英明 前田
Naoya Kobayashi
直哉 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Samsung SDI Co Ltd
Original Assignee
Samsung SDI Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Samsung SDI Co Ltd filed Critical Samsung SDI Co Ltd
Priority to JP2006342896A priority Critical patent/JP5042611B2/ja
Priority to KR1020070122155A priority patent/KR100995072B1/ko
Priority to US12/004,102 priority patent/US7927745B2/en
Priority to CN200710305038XA priority patent/CN101226996B/zh
Priority to DE602007012650T priority patent/DE602007012650D1/de
Priority to EP07123875A priority patent/EP1936720B1/en
Publication of JP2008153177A publication Critical patent/JP2008153177A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5042611B2 publication Critical patent/JP5042611B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/48Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides
    • H01M4/485Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides of mixed oxides or hydroxides for inserting or intercalating light metals, e.g. LiTi2O4 or LiTi2OxFy
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • H01M10/0525Rocking-chair batteries, i.e. batteries with lithium insertion or intercalation in both electrodes; Lithium-ion batteries
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/42Methods or arrangements for servicing or maintenance of secondary cells or secondary half-cells
    • H01M10/4235Safety or regulating additives or arrangements in electrodes, separators or electrolyte
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/13Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
    • H01M4/131Electrodes based on mixed oxides or hydroxides, or on mixtures of oxides or hydroxides, e.g. LiCoOx
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

【課題】充放電時の結晶構造の不可逆的な変化を抑制し、かつ電解液を分解しにくく、サイクル特性に優れたリチウム二次電池用の負極及びその負極を備えたリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】リチウムバナジウム複合酸化物からなる負極活物質と、前記負極活物質の結晶構造の劣化を抑制する結晶劣化抑制剤とが含有されていることを特徴とするリチウム二次電池用の負極を採用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム二次電池用の負極及びリチウム二次電池に関するものであり、特に、リチウムバナジウム複合酸化物を主体とする負極活物質を備えたリチウム二次電池に関するものである。
リチウム二次電池は、一般的にLiCoOを正極活物質とし、黒鉛を負極活物質とし、更に非水溶液を電解液とする電池であり、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ノートパソコン等の電源として広く普及している。
このリチウム二次電池の負極活物質としては、リチウムの挿入/脱離が可能な人造黒鉛、天然黒鉛、ハードカーボンを含んだ様々な形態の炭素系材料が適用されてきた。
上記炭素系材料のうち黒鉛は、リチウム対比放電電位が−0.2Vと低い。このように、リチウム対比放電電位が低い材料を負極に使用したリチウム二次電池は、放電電位が3.6Vと高く、またエネルギー密度面で優れた特性を有する。また、このような黒鉛からなる負極活物質は優れた可逆性を有するため、リチウム二次電池の長寿命化といった観点からも、現在では最も広く用いられている。
しかし、黒鉛はその密度(理論密度2.2g/cc)が低いため、黒鉛を負極活物質に用いた負極電極のエネルギー密度は単位体積当りにすると小さく、その容量が小さくなるという問題点があった。更に、黒鉛は高い放電電圧では有機電解液との副反応が起こりやすく、電池の誤動作及び過充電などによる発火あるいは爆発の危険性がある、という問題点があった。
このような問題を解決するために、最近では酸化物を用いた負極が開発されている。例えば、負極活物質として、LiaMgbVOc(0.05≦a≦3、0.12≦b≦2、2≦(2c−a−2b)≦5)なる組成の負極活物質が、下記特許文献1に開示されている。
また、下記特許文献2には、リチウムバナジウム複合酸化物からなるリチウム二次電池用の負極活物質が開示されている。この特許文献2によれば、リチウムバナジウム複合酸化物は対Liの放電電位が極めて低いので、エネルギー密度が高いリチウム二次電池を実現できるとされている。
特開2002−216753号公報 特開2003−68305号公報
しかし、特許文献2に記載のリチウムバナジウム複合酸化物は、充放電時に結晶構造が不可逆的に変化しやすく、また、この不可逆的な変化に伴って電解液が分解されやすいので、リチウムバナジウム複合酸化物を負極活物質として備えたリチウム二次電池は、サイクル特性が十分に満足できるものではなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、充放電時の結晶構造の不可逆的な変化を抑制し、かつ電解液を分解しにくく、サイクル特性に優れたリチウム二次電池用の負極及びその負極を備えたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明のリチウム二次電池用の負極は、リチウムバナジウム複合酸化物からなる負極活物質と、前記負極活物質の結晶構造の劣化を抑制する結晶劣化抑制剤とが含有されていることを特徴とする。
また、本発明のリチウム二次電池用の負極においては、前記結晶劣化抑制剤が、セリウムジルコニウム複合酸化物、鉄複合酸化物、銅複合酸化物の何れかであることが好ましい。
更に、本発明のリチウム二次電池用の負極においては、前記負極活物質が、Li2+d(但し、組成比を示すx、y、z、dは、0.1≦x≦2.5,0≦y≦0.5,0.5≦z≦1.5,0≦d≦0.5であり、Mは、Al、Cr、Mo、Ti、W及びZrからなる群より選択される少なくとも一つの元素である。)で示されるリチウムバナジウム複合酸化物であることが好ましい。
更にまた、本発明のリチウム二次電池用の負極においては、前記結晶劣化抑制剤の配合率が20質量%以下であることが好ましい。
また、本発明のリチウム二次電池用の負極においては、前記負極活物質の表面に、前記結晶劣化抑制剤が付着されていることが好ましい。
次に、本発明のリチウム二次電池は、先の何れかに記載のリチウム二次電池用の負極と、正極と、非水電解質とを少なくとも具備してなることを特徴とする。
本発明のリチウム二次電池用の負極によれば、充放電の繰り返しに伴って起こる負極活物質の結晶構造の劣化を、結晶劣化抑制剤によって抑制することが可能になり、また、負極活物質の劣化の抑制に伴って非水電解質の分解反応も抑制することが可能になり、これによりリチウム二次電池のサイクル特性を向上できる。
また、本発明のリチウム二次電池によれば、負極活物質の結晶構造の劣化を抑制する結晶劣化抑制剤が備えられているので、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のリチウム二次電池は、正極と負極と非水電解質とを具備して構成されている。
負極には、リチウムバナジウム複合酸化物からなる負極活物質と、負極活物質の結晶構造の劣化を抑制する結晶劣化抑制剤とが含有されている。このような負極を備えることによって、リチウム二次電池のサイクル特性を向上させることが可能になる。
以下、本発明のリチウム二次電池を構成する正極、負極及び非水電解質について順次説明する。
(正極)
本発明に係るリチウム二次電池では、正極として、リチウムの挿入、脱離が可能な正極活物質と導電助材と結着剤とが含有されてなる正極合材と、正極合材に接合される正極集電体とからなるシート状の電極を用いることができる。また、正極として、上記の正極合材を円板状に成形させてなるペレット型若しくはシート状の正極も用いることができる。
正極活物質としては、Liを含んだ化合物、酸化物、硫化物を挙げることができ、含まれる金属としては、例えば、Mn、Co、Ni、Fe、Al等、少なくとも一種類以上含む物質を例示できる。更に具体的にはLiMn、LiCoO、LiNiO、LiFeO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.8Co0.2等を例示できる。
また結着剤としてはポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン等を例示できる。
更に導電助材としては、カーボンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素化物を例示できる。更に正極集電体としては、アルミニウム、ステンレス等からなる金属箔または金属網を例示できる。
(負極)
次に、負極としては、リチウムの挿入、脱離が可能な負極活物質と、負極活物質の結晶構造の劣化を抑制する結晶劣化抑制剤と、結着剤及び必要に応じて導電助材とが含有されてなる負極合材と、この負極合材に接合される負極集電体とからなるシート状の電極を用いることができる。また、負極として、上記の負極合材を円板状に成形させてなるペレット型若しくはシート状の電極も用いることができる。
負極の結着剤は、有機質または無機質のいずれでも良く、負極活物質と共に溶媒に分散あるいは溶解し、更に溶媒を除去することにより負極活物質を結着させるものであればどのようなものでもよい。また、負極活物質と共に混合し、加圧成形等の固化成形を行うことにより負極活物質を結着させるものでもよい。このような結着剤として例えば、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、フェノール樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが使用でき、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンラバー、等の樹脂を例示できる。
また、負極活物質及び結着剤の他に、導電助材としてカーボンブラック、黒鉛粉末、炭素繊維、金属粉末、金属繊維等を添加しても良い。更に負極集電体としては、銅からなる金属箔または金属網を例示できる。
負極活物質としては、Li2+dで示されるリチウムバナジウム複合酸化物を用いることができる。
Li2+dは、組成比を示すx、y、z及びdがそれぞれ、1≦x≦2.5、0≦y≦0.5、0.5≦z≦1.5、0≦d≦0.5であり、M元素が、Al、Cr、Mo、Ti、W及びZrからなる群より選択される少なくとも一つの元素からなるリチウムバナジウム複合酸化物である。このLi2+dは、従来から主に正極活物質として用いられていたLiCoOのCo(コバルト)を、Liと異なる遷移金属元素である、V(バナジウム)と、他の金属元素Al、Mo、W、Ti、CrまたはZrとに置換して合成されたものであり、黒鉛にほぼ近い放電電位及び寿命特性を提供することができる。上記組成式に示したリチウムバナジウム複合酸化物を用いた場合、1000mAh/cc以上の単位体積当り容量を得ることが可能になる。
Li2+dは、Liと酸素、遷移金属元素と酸素が各々交互に層状の形態をなしたR−3M構造を具備してなるものである。つまり、LiVO構造において、遷移金属(V)の一部を、Liに置換してLiを豊富にし、更に他の第3の遷移金属(例えば、Ti、Mo、Cr、Alなど)に置換することによって、可逆的なリチウムの挿入/脱離反応を可能にしたものである。
つまり、LiVOの構造は、六角形のクローズドパッキング(hexagonal closed packing)をしている酸素イオンの間の酸素イオンの八面体(octahedral)サイトにV金属イオン層(Liと第3の金属とに置換された)が存在し、Liイオンはその下層にある八面体サイトに存在する。ここにリチウムが挿入されてLiVOとなれば、その構造は、まずV金属イオン層(Liと第3の金属とに置換された)が存在し、その次の層に酸素イオン層が存在し、Li層が複層をなして位置し、その次の層に酸素イオン層が存在し、その次の層は再びV金属イオン層(Liと第3の金属とに置換された)が存在する構造に変わる。
Li2+dは、低電位でもリチウムが円滑に挿入/脱離されるように、V金属イオン層の一部を他の第3の金属とLiに置換して格子定数、すなわちa軸間距離を増加させたものである。これによりリチウム層が広くなり、リチウムが挿入される結晶構造におけるリチウムの挿入/脱離が容易になる。このようにリチウムの挿入/脱離が容易であると、充放電時のリチウム拡散速度が増加するので、電池の寿命及び充放電時の効率が向上する。
本実施形態では、前述した格子構造の変化を利用して、低電位でのリチウムの円滑な挿入/脱離を可能とするための最適な組成を有する上記Li2+dなる組成のリチウムバナジウム複合酸化物を用いる。
Li2+dは、バナジウム(V)の平均酸化数が+1価〜+4価の範囲であり、より好ましくは+1価〜+3価の範囲である。すなわち、このリチウムバナジウム複合酸化物のバナジウム(V)は酸化還元反応が+1価〜+4価の範囲で起こり、このリチウムバナジウム複合酸化物を正極活物質に用いた際の酸化還元電位はリチウム金属対比1V以下となる。これに対し、従来から正極活物質として用いられてきたバナジウム酸化物の酸化還元反応カップルは主に+3価〜+4価、+4価〜+5価であり、初期酸化還元電位はリチウム金属対比2V以上である。これと比較すると、上記リチウムバナジウム複合酸化物の酸化還元電位が1V以下であるということは、Li2+dは非常に低い電位で酸化還元反応が可能であるということである。すなわち、Li2+dなる組成の酸化物を負極活物質として用いた場合、電池の放電電圧は高い値を示すと予想される。
Li2+dの組成比を示すx、y、z及びdが前述した範囲を超えると、リチウム金属対比平均電位は2.5V以上と高くなり、その結果遷移放電電圧が低くなってしまうため、x、y、z及びdは前述した範囲内であることが望ましい。
また、上記のLi2+dは、リチウム挿入前の結晶軸間の距離比(c/a軸比)が2.5〜6.5であり、より好ましくは3.0〜6.2である。リチウム挿入前の結晶軸間の距離比(c/a軸比)が上述した範囲を超えると、リチウムの挿入及び脱離が構造的に難しくなり、リチウムの挿入/脱離電位も0.6V以上に増加してしまい、陰イオンである酸素の反応寄与による挿入と脱離の間の電位差が大きくなるヒステリス(hysteris)現象が発生するので、好ましくない。
また、上記のLi2+dは、リチウム挿入後の結晶軸間の距離比(c/a軸比)は3.5〜7.0であり、好ましくは4.0〜7.0である。上記範囲より小さい場合は挿入されたLiによる格子の変化が少なくて格子内へのLiの拡散が難しく、上記範囲より大きい場合には結晶構造を維持するのが難しくなる。
また、上記のLi2+dは、単位体積当りの理論密度が4.2g/ccであり、実際に極板として製造した際の単位体積当りの密度は大略3.0g/cc以上の値を示す。また、容量が300mAh/gの際の、単位体積当りの理論容量は1200mAh/cc以上であり、実測値としては900mAh/cc以上の単位体積当り容量を得ることができる。これは、従来の負極活物質である黒鉛の、単位体積当り理論密度2.0g/cc、実際に負極として用いた場合の密度1.6g/cc、容量360mAh/gの際の単位体積当りの実測値容量570mAg/ccと比較すると、エネルギー密度が約2倍に向上されたことになる。
次に、負極活物質の結晶構造の劣化を抑制する結晶劣化抑制剤としては、酸素の吸収・放出能を有するものが好ましく、具体的にはセリウムジルコニウム複合酸化物、鉄複合酸化物、銅複合酸化物の何れかであることが好ましい。セリウムジルコニウム複合酸化物としては、CeZr2−a(x+y+z=1、0<a<1、Mは、Ti、W、Ni、Cu、Fe、Al、Si、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Bi、Y、Co、Mn、Nb、Mo、Sn、Ce以外の希土類元素のうち1種類以上)を例示できる。また、鉄複合酸化物としては、LaSrFeO3−x、CaTi0.8Fe0.23−x、SrFeCo0.54−x(xは、微小値)を例示できる。更に、銅複合酸化物としては、CuO2−x(xは、微小値)を例示できる。
また、結晶劣化抑制剤は、負極活物質の表面の少なくとも一部を被覆するように負極活物質に付着されていてもよく、負極活物質の近傍に存在していてもよい。特に、結晶劣化抑制剤が、負極活物質の表面の少なくとも一部を被覆することが、負極活物質の結晶劣化を効果的に防止できる点で好ましい。
結晶劣化抑制剤が負極活物質の結晶構造の劣化を抑制するメカニズムは、Li1.10.9なる組成の負極活物質を例にすると、例えば以下のようなメカニズムが考えられる。
Li1.10.9なる組成のリチウムバナジウム複合酸化物を充放電させると、すなわちリチウムバナジウム複合酸化物に対してリチウムイオンを挿入/脱離させると、その組成はLi1.10.9(放電状態)からLi2.10.9(充電状態)の間で可逆的に変化する。Li1.10.9及びLi2.10.9は、通常は六方晶の構造を有しており、Li1.10.9の空間群は、R3(−)mで、Li2.10.9の空間群は、P3m1である。なお、前記の“3(−)”なる表記は本来、“3”の上にバー(−)を付した表記である。
リチウムバナジウム複合酸化物からなる負極活物質に対して、充放電を繰り返したり、高率放電を行ったりすると、リチウムバナジウム複合酸化物の一部が、リチウムイオン脱離時に酸素まで脱離させてしまい、これにより、放電状態の酸化物が、R3(−)mの空間群であるLi1.10.9ではなく、P3m1のLi1.10.92−xに変化する。このP3m1の空間群からなるLi1.10.92−xに変化すると、充放電反応に寄与しなくなり、また、脱離した酸素が非水電解質を酸化分解するため、充放電容量の劣化が生じるおそれがあると考えられている。
本発明では、酸素吸収・放出能を有する結晶劣化抑制剤をリチウムバナジウム酸化物の表面及び/または近傍に配する構成とした。これにより、酸素が欠損された空間群P3m1のLi1.10.92−xに対して酸素が供給されて、酸素欠損の無い空間群R3(−)mからなるLi1.10.9に結晶構造が修復されることで充放電容量が回復し、また、酸素を欠損した空間群P3m1のLi1.10.92−xを生じる時に発生する酸素が結晶劣化抑制剤に吸収されることで非水電解質の酸化分解が抑制されるものと考えられる。
負極合材中の結晶劣化抑制剤の配合率は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。また、結晶劣化抑制剤は少量でも含有されていれば所望の効果が得られるが、好ましくは1質量%以上がよい。結晶劣化抑制剤が未添加では、負極活物質の結晶構造の劣化を防止できないので好ましくない。また、結晶劣化抑制剤が20質量%以下であれば、結晶劣化抑制剤による負極の内部抵抗の増加が抑制され、エネルギー密度の低下を防止できる。また、結晶劣化抑制剤が10質量%以下であれば、リチウム二次電池のサイクル寿命を伸ばすことができる。更に、結晶劣化抑制剤が5質量%以下であれば、高率放電特性を高めることができる。
以上のように、Li2+dの表面及び/または近傍に結晶劣化抑制剤が存在することによって、Li2+dの結晶の劣化が抑制されるとともに、非水電解質の分解が抑制され、サイクル特性が向上される。
上記の負極は、例えば、次の2通りの方法で製造される。
第1の方法としては、Li2+dのなる組成のリチウムバナジウム複合酸化物と、結晶劣化抑制剤と、結着剤及び必要に応じて導電助材とを用意し、これらを混合して混合物とし、この混合物を、結着剤が溶解可能な有機溶剤に投入してスラリーとし、このスラリーを例えば銅箔等の集電体に塗布し、その後、有機溶剤を加熱して除去することにより、シート状の負極合剤が集電体に積層されてなる負極が製造される。このようにして製造された負極においては、リチウムバナジウム複合酸化物の近傍に、結晶劣化抑制剤が存在するものと考えられる。
第2の方法としては、Li2+dのなる組成のリチウムバナジウム複合酸化物と結晶劣化抑制剤とを混合してから、例えば窒素雰囲気中で800℃、3時間の条件で焼成する。この焼成物に、結着剤及び必要に応じて導電助材を添加して混合し、得られた混合物を、結着剤が溶解可能な有機溶剤に投入してスラリーとし、このスラリーを例えば銅箔等の集電体に塗布し、その後、有機溶剤を加熱して除去することにより、シート状の負極合剤が集電体に積層されてなる負極が製造される。このようにして製造された負極においては、リチウムバナジウム複合酸化物の表面に、結晶劣化抑制剤の少なくとも一部が付着しているものと考えられる。
(非水電解質)
次に、非水電解質としては、例えば、非プロトン性溶媒にリチウム塩が溶解されてなる非水電解質を例示できる。
非プロトン性溶媒は、環状カーボネート単独あるいは鎖状カーボネートと混合使用されるのが一般だが、混合する場合、次の組合せ例を挙げることができる。
エチレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネート。
環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合割合(環状カーボネート:鎖状カーボネート)は、重量比で表して、好ましくは1:99〜99:1、より好ましくは5:95〜70:30、さらに好ましくは10:90〜60:40である。この混合割合はリチウム二次電池の充放電特性を損なわない非水電解質の良好な電気伝導性をもって適宜決定される。
一方、リチウム塩には、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiPF{C(2k+1)(6−n)(n=1〜5の整数、k=1〜8の整数)などのリチウム塩が挙げられる。また、次の一般式で示されるリチウム塩も使用することができる。LiC(SO5)(SO6)(SO7)、LiN(SOOR8)(SOOR9)、LiN(SO10)(SOOR11)、LiN(SO12)(SO13)。ここで、R5〜R13は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、炭素数1〜8のパ−フルオロアルキル基である。これらのリチウム塩は単独で使用してもよいし、また2種類以上を混合して使用してもよい。
また非水電解質として、PEO、PVA等のポリマーに上記記載のリチウム塩のいずれかを混合させたものや、膨潤性の高いポリマーに、上記の非プロトン性溶媒及びリチウム塩を含浸させたもの等、いわゆるポリマー電解質を用いることもできる。
更に、本発明のリチウム二次電池は、正極、負極、非水電解質のみに限られず、必要に応じて他の部材等を備えていても良く、例えば正極と負極を隔離するセパレータを具備しても良い。セパレータは、非水電解質がポリマー電解質でない場合には必須であり、多孔質のポリプロピレンフィルム、多孔質のポリエチレンフィルム等、公知のセパレータを適宜使用できる。
以上説明したように、上記のリチウム二次電池用の負極によれば、充放電の繰り返しに伴って起こる負極活物質の結晶構造の劣化を、結晶劣化抑制剤によって抑制することが可能になり、また、負極活物質の劣化の抑制に伴って非水電解質の分解反応も抑制することが可能になり、これによりリチウム二次電池のサイクル特性を向上できる。
また、上記のリチウム二次電池によれば、負極活物質の結晶構造の劣化を抑制する結晶劣化抑制剤が備えられているので、サイクル特性を向上できる。
「実験例1」
(実施例1)
まず、Vの粉末と、LiCOの粉末とを混合して混合粉末を調製した。混合粉末におけるリチウムとバナジウムのモル比はLi:V=1.1:0.9とした。次に、この混合粉末を、窒素雰囲気下で1100℃で5時間焼成することにより、Li1.10.9なる組成のリチウムバナジウム複合酸化物(負極活物質)を製造した。
次に、CeOの粉末と、ZrOの粉末とを混合して混合粉末を調製した。混合粉末におけるセリウムとジルコニウムのモル比はCe:Zr=7:3とした。次に、この混合粉末を、大気中800℃で3時間焼成することにより、Ce0.7Zr0.32−x(x=0.1)なる組成のセリウムジルコニウム複合酸化物(結晶劣化抑制剤)を製造した。
次に、リチウムバナジウム複合酸化物45質量部と、結晶劣化抑制剤3質量部と、黒鉛粉末42質量部と、ポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合し、この混合物をNメリルピロリドンに溶解してスラリーを調製し、このスラリーをCu箔に塗布して乾燥し、更に適当な大きさに裁断することにより、リチウム二次電池用の負極を製造した。
次に、LiCoO粉末91質量部と、アセチレンブラック3質量部と、ポリフッ化ビニリデン6質量部とを混合し、この混合物をNメリルピロリドンに溶解してスラリーを調製し、このスラリーをAl箔に塗布して乾燥し、更に適当な大きさに裁断することにより、リチウム二次電池用の正極を製造した。
正極及び負極の間にポリプロピレン製セパレータを挟んでから正極、負極及びセパレータを重ねたまま捲回して電極群とし、この電極群を円筒型の電池容器に挿入し、端子溶接等を行った。次いで、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)が容量比でEC:DMC=3:7の割合で混合されてなる混合溶媒に1.0MのLiPFが溶解されてなる電解液を電池容器に注液し、その後、電池容器を封口することにより、実施例1のリチウム二次電池を製造した。
(実施例2)
実施例1と同様にして、Li1.10.9なる組成のリチウムバナジウム複合酸化物(負極活物質)と、Ce0.7Zr0.32−x(x=0.1)なる組成のセリウムジルコニウム複合酸化物(結晶劣化抑制剤)とを製造した。
次に、負極活物質と結晶劣化抑制剤とが質量比で、負極活物質:結晶劣化抑制剤=15:1となるように配合し、乳鉢で1時間混合した。そしてこの混合物を、大気中800℃で3時間焼成した。
得られた焼成物48質量部と、黒鉛粉末42質量部と、ポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合し、この混合物をNメリルピロリドンに溶解してスラリーを調製し、このスラリーをCu箔に塗布して乾燥し、更に適当な大きさに裁断することにより、リチウム二次電池用の負極を製造した。
次に、実施例1と同様にして、リチウム二次電池用の正極を製造した。
そして、実施例1と同様にして、正極、負極及びセパレータからなる電極群を作成し、電極群を円筒型の電池容器に挿入し、EC:DMC=3:7の混合溶媒に1.0MのLiPFが溶解されてなる電解液を電池容器に注液し、その後、電池容器を封口することにより、実施例2のリチウム二次電池を製造した。
(比較例1)
次に、リチウムバナジウム複合酸化物48質量部と、黒鉛粉末42質量部と、ポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極を製造したこと以外は実施例1と同様にして、比較例1のリチウム二次電池を製造した。
(評価)
実施例1〜2及び比較例1のリチウム二次電池について、まず初回充放電として、0.5Cの充電電流で充電終止電圧4.2Vになるまで定電流定電圧充電を行ない、その後、0.2Cまたは2Cの放電電流で放電終止電圧2.75Vまで定電圧放電を行なった。このときの初回放電時の放電容量を測定した。
次に、初充電後の各電池について、0.5Cの充電電流で充電終止電圧4.2Vになるまで定電流定電圧充電を行ない、その後、2Cの放電電流で放電終止電圧2.75Vまで定電圧放電を行なう充放電サイクルを30回繰り返した。そして、30回目の放電容量を測定した。
次に、初充電後の電池を別途用意し、これらのリチウム二次電池について、0.5Cの充電電流で充電終止電圧4.2Vになるまで定電流定電圧充電を行ない、その後、0.5Cの放電電流で放電終止電圧2.75Vまで定電圧放電を行なう充放電サイクルを200回繰り返した。そして、200回目の放電容量を測定した。
実施例1〜2及び比較例1のリチウム二次電池についてそれぞれ、30回目の2C放電容量と、初回の0.2C放電容量との容量比(2C/0.2C)を求めた。そして、比較例1のリチウム二次電池の容量比(2C/0.2C)を100とした場合の、実施例1〜2のリチウム二次電池の容量比(2C/0.2C)を求めた。結果を表1に示す。
また、比較例1のリチウム二次電池の200回目の0.5C放電容量を100とした場合の、実施例1〜2のリチウム二次電池の200回目の0.5C放電容量を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2008153177
表1に示すように、実施例1及び2のリチウム二次電池は、比較例1のリチウム二次電池に比べて、2C/0.2Cの容量比が高くなっていることが分かる。これは、実施例1及び2のリチウム二次電池の高率放電特性が優れていることを示している。特に、実施例2の2C/0.2Cの容量比が実施例1よりも高くなっている。これは、実施例2では負極活物質と結晶劣化抑制剤とを予め焼成しているので、負極活物質の表面に結晶劣化抑制剤が付着した状態になり、結晶劣化抑制剤による負極活物質の酸素欠陥の修復効果が効率良く発現されたためと考えられる。
同様にして、表1に示すように、実施例1及び2のリチウム二次電池は、比較例1のリチウム二次電池に比べて、200回目の放電容量が高くなっていることが分かる。これは、実施例1及び2のリチウム二次電池のサイクル特性が優れていることを示している。特に、実施例2の放電容量が実施例1よりも高くなっている。これは、容量比の場合と同様に、実施例2では負極活物質の表面に結晶劣化抑制剤が付着した状態になり、結晶劣化抑制剤による負極活物質の酸素欠陥の修復効果が効率良く発現されたためと考えられる。
「実験例2」
負極における結晶劣化抑制剤の配合率を0質量%、1質量%、3質量%、5質量%、10質量%、20質量%、30質量%、としたこと以外は上記の実施例1と同様にして、各種のリチウム二次電池を製造した。
得られた各種のリチウム二次電池について、実験例1と同様にして初回充放電を行い、初回放電時の0.2C放電容量を測定した。次に、初充電後の各電池について、実験例1と同様にして30回の充放電を行い、30回目の0.2C放電容量を測定した。
また、初充電後の電池を別途用意し、これらのリチウム二次電池について、実験例1と同様にして、200回目の0.5C放電容量を測定した。
各種のリチウム二次電池についてそれぞれ、30回目の2C放電容量と、初回の0.2C放電容量との容量比(2C/0.2C)を求めた。そして、結晶劣化抑制剤の配合率が0質量%のリチウム二次電池の容量比(2C/0.2C)を100とした場合の、他のリチウム二次電池の容量比(2C/0.2C)を求めた。結果を図1に示す。
また、結晶劣化抑制剤の配合率が0質量%のリチウム二次電池の200回目の0.5C放電容量を100とした場合の、他のリチウム二次電池の200回目の0.5C放電容量を求めた。結果を図2に示す。
図1に示すように、容量比(2C/0.2C)は、結晶劣化抑制剤の配合比が5質量%の時に最大になる。また、結晶劣化抑制剤の配合率が0質量%超20質量%以下の範囲であれば、容量比(2C/0.2C)の向上が認められることが分かる。このように、高率放電特性を向上するには、結晶劣化抑制剤の配合率を0質量%超20質量%以下とするのが好ましく、0質量%超10質量%以下がより好ましく、0質量%超5質量%以下が更に好ましいことが分かる。
次に、図2に示すように、200回目の0.5C放電容量は、結晶劣化抑制剤の配合比が10質量%の時に最大になる。また、結晶劣化抑制剤の配合率が0質量%超20質量%以下の範囲であれば、200回目の0.5C放電容量の向上が認められることが分かる。このように、サイクル特性を向上するには、結晶劣化抑制剤の配合率を0質量%超20質量%以下とするのが好ましく、0質量%超10質量%以下がより好ましいことが分かる。
「実験例3」
負極における結晶劣化抑制剤の配合率を0質量%及び5質量%としたこと以外は上記の実施例1と同様にして、結晶劣化抑制剤の添加有りと添加無しのリチウム二次電池を製造した。
結晶劣化抑制剤の添加有りと無しの2種類のリチウム二次電池について、実験例1と同様にして初回充放電を行った。
その後、0.5Cの充電電流で充電終止電圧4.2Vになるまで定電流定電圧充電を行ない、その後、0.5Cの放電電流で放電終止電圧2.75Vまで定電圧放電を行なう充放電サイクルを30回繰り返した。
また、結晶劣化抑制剤の添加無しのリチウム二次電池については、更に300回まで充放電サイクルを繰り返した。
放電サイクル後のリチウム二次電池を分解して負極合材を取り出し、電解液を洗い流して乾燥することにより、X線回折用の試料を調製した。そして、各試料についてX線回折測定を行った。結果を図3に示す。
図3に示すように、結晶劣化抑制剤の添加有りのリチウム二次電池は、Li1.10.9の(003)面の回折ピークが18°付近に観察され、結晶構造の劣化がほとんど起きていないことが分かる。
一方、結晶劣化抑制剤の添加無しのリチウム二次電池は、Li1.10.9の(003)面の回折ピークが18°付近に観察されるものの、そのピーク強度は添加有りのものに比べて著しく低くなっている。
また、結晶劣化抑制剤の添加無しのリチウム二次電池では、Li1.10.9の(001)面のものと思われる回折ピークが17〜18°付近に観察されている。以上のことから、結晶劣化抑制剤の添加無しのリチウム二次電池では、負極活物質の結晶構造の劣化が起きており、しかも充放電サイクルの進行とともに劣化が進んでいることが分かる。
実験例2における、結晶劣化抑制剤の配合率と容量比(2C/0.2C)との関係を示すグラフである。 実験例2における、結晶劣化抑制剤の配合率と200サイクル後の0.5C放電の容量との関係を示すグラフである。 実験例3における、結晶劣化抑制剤の添加有りと添加無しのリチウム二次電池の負極合材のX線回折パターンを示す図である。

Claims (6)

  1. リチウムバナジウム複合酸化物からなる負極活物質と、前記負極活物質の結晶構造の劣化を抑制する結晶劣化抑制剤とが含有されていることを特徴とするリチウム二次電池用の負極。
  2. 前記結晶劣化抑制剤が、セリウムジルコニウム複合酸化物、鉄複合酸化物、銅複合酸化物の何れかであることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用の負極。
  3. 前記負極活物質が、Li2+d(但し、組成比を示すx、y、z、dは、0.1≦x≦2.5,0≦y≦0.5,0.5≦z≦1.5,0≦d≦0.5であり、Mは、Al、Cr、Mo、Ti、W及びZrからなる群より選択される少なくとも一つの元素である。)で示されるリチウムバナジウム複合酸化物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウム二次電池用の負極。
  4. 前記結晶劣化抑制剤の配合率が20質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のリチウム二次電池用の負極。
  5. 前記負極活物質の表面に、前記結晶劣化抑制剤が付着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のリチウム二次電池用の負極。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載のリチウム二次電池用の負極と、正極と、非水電解質とを少なくとも具備してなることを特徴とするリチウム二次電池。
JP2006342896A 2006-12-20 2006-12-20 リチウム二次電池用の負極及びリチウム二次電池 Expired - Fee Related JP5042611B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006342896A JP5042611B2 (ja) 2006-12-20 2006-12-20 リチウム二次電池用の負極及びリチウム二次電池
KR1020070122155A KR100995072B1 (ko) 2006-12-20 2007-11-28 리튬 이차전지용 음극 및 이를 포함하는 리튬 이차전지
US12/004,102 US7927745B2 (en) 2006-12-20 2007-12-20 Negative electrode for rechargeable lithium battery and rechargeable lithium battery including the same
CN200710305038XA CN101226996B (zh) 2006-12-20 2007-12-20 用于可再充电锂电池的负电极以及相应的可再充电锂电池
DE602007012650T DE602007012650D1 (de) 2006-12-20 2007-12-20 Negative Elektrode und wiederaufladbare Lithiumbatterie damit
EP07123875A EP1936720B1 (en) 2006-12-20 2007-12-20 Negative electrode and rechargeable lithium battery including the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006342896A JP5042611B2 (ja) 2006-12-20 2006-12-20 リチウム二次電池用の負極及びリチウム二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008153177A true JP2008153177A (ja) 2008-07-03
JP5042611B2 JP5042611B2 (ja) 2012-10-03

Family

ID=39655122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006342896A Expired - Fee Related JP5042611B2 (ja) 2006-12-20 2006-12-20 リチウム二次電池用の負極及びリチウム二次電池

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5042611B2 (ja)
KR (1) KR100995072B1 (ja)
CN (1) CN101226996B (ja)
DE (1) DE602007012650D1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9643842B2 (en) * 2011-03-14 2017-05-09 Imra America, Inc. Nanoarchitectured multi-component electrode materials and methods of making the same

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06150928A (ja) * 1992-11-10 1994-05-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池
JPH06302320A (ja) * 1993-04-14 1994-10-28 Seiko Instr Inc 非水電解質二次電池
JP2003217593A (ja) * 2002-01-16 2003-07-31 Sony Corp 負極活物質及びその製造方法、並びに電池及びその製造方法
JP2004063269A (ja) * 2002-07-29 2004-02-26 Sony Corp 非水電解質電池
JP2006128115A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 Samsung Sdi Co Ltd 非水系電解質二次電池用負極活物質、その製造方法及びそれを含む非水系電解質二次電池

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11144734A (ja) * 1997-11-04 1999-05-28 Hitachi Ltd リチウム二次電池及びリチウム二次電池の作製方法
KR100441524B1 (ko) * 2002-01-24 2004-07-23 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차 전지용 양극 활물질 슬러리 조성물
EP1511101B1 (en) * 2003-08-21 2015-05-27 Samsung SDI Co., Ltd. Negative active material for non-aqueous electrolyte battery, method of preparing same, and non-aqueous electrolyte battery comprising same
US7927745B2 (en) 2006-12-20 2011-04-19 Samsung Sdi Co., Ltd. Negative electrode for rechargeable lithium battery and rechargeable lithium battery including the same

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06150928A (ja) * 1992-11-10 1994-05-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池
JPH06302320A (ja) * 1993-04-14 1994-10-28 Seiko Instr Inc 非水電解質二次電池
JP2003217593A (ja) * 2002-01-16 2003-07-31 Sony Corp 負極活物質及びその製造方法、並びに電池及びその製造方法
JP2004063269A (ja) * 2002-07-29 2004-02-26 Sony Corp 非水電解質電池
JP2006128115A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 Samsung Sdi Co Ltd 非水系電解質二次電池用負極活物質、その製造方法及びそれを含む非水系電解質二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP5042611B2 (ja) 2012-10-03
CN101226996B (zh) 2012-09-05
KR100995072B1 (ko) 2010-11-19
DE602007012650D1 (de) 2011-04-07
CN101226996A (zh) 2008-07-23
KR20080058174A (ko) 2008-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4245532B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4249727B2 (ja) 非水電解質電池およびリチウムチタン複合酸化物
JP5095179B2 (ja) 非水電解質電池、リチウムチタン複合酸化物および電池パック
JP5511128B2 (ja) 非水二次電池用負極材料及び非水二次電池
JP2006173099A (ja) 非水電解質二次電池
JP2007522619A (ja) 導電性物質で被覆した電極添加剤、及びそれを含んでなるリチウム二次電池
JP2009140919A (ja) 非水電解質二次電池
JP7223980B2 (ja) 正極材料および二次電池
JP2002203553A (ja) 正極活物質及び非水電解質二次電池
EP1936720B1 (en) Negative electrode and rechargeable lithium battery including the same
JP2005267940A (ja) 非水電解質電池
JP7233011B2 (ja) 正極活物質および二次電池
JP2009217981A (ja) 非水電解質二次電池
JP2009245940A (ja) 非水電解質二次電池
JP2015170542A (ja) 非水電解質二次電池
JP4530822B2 (ja) 非水電解質二次電池及びその充電方法
JP2008135245A (ja) 非水電解質二次電池
JP2011086464A (ja) リチウム二次電池用負極活物質、それを用いたリチウム二次電池及びリチウム二次電池用負極活物質の製造方法
JP2008251212A (ja) 非水電解質二次電池
JP2008166118A (ja) リチウム二次電池用の負極活物質及びリチウム二次電池
JP5176317B2 (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および、これを用いた非水系電解質二次電池
JP5733550B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP4746846B2 (ja) リチウムイオン電池用負極活物質、その製造方法およびリチウムイオン電池
JP2007227322A (ja) 非水電解質電池用活物質、非水電解質電池および電池パック
JP5042611B2 (ja) リチウム二次電池用の負極及びリチウム二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120612

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5042611

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150720

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees