JP2003217593A - 負極活物質及びその製造方法、並びに電池及びその製造方法 - Google Patents

負極活物質及びその製造方法、並びに電池及びその製造方法

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JP2003217593A JP2002007947A JP2002007947A JP2003217593A JP 2003217593 A JP2003217593 A JP 2003217593A JP 2002007947 A JP2002007947 A JP 2002007947A JP 2002007947 A JP2002007947 A JP 2002007947A JP 2003217593 A JP2003217593 A JP 2003217593A
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lithium
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Akira Yamamoto
鑑 山本
Hidetoshi Ito
秀俊 伊東
Yoshiaki Naruse
義明 成瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池容量特性、サイクル特性、エネルギー密
度特性の劣化を防ぐ。 【解決手段】 正極2と負極3とセパレータ4と電解液
とを備え、負極3の負極活物質が二種類以上の溶液を混
合することによって生成されたリチウム化合物を負極担
体の表面に担持させた負極担持体からなり、リチウム化
合物が負極の劣化を防止することから、電池容量特性、
サイクル特性、エネルギー密度特性の劣化を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池の負極に用い
られる負極活物質及びその製造方法、並びに正極と負極
と非水電解質とを有する電池及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年においては、例えば、ノート型携帯
用コンピューター、携帯電話、カメラ一体型VTR(vi
deo tape recorder)等の携帯用電子機器の電源として
軽量で高エネルギー密度な二次電池の開発が進められて
いる。この高いエネルギー密度を有する二次電池として
は、リチウムやリチウム合金もしくはリチウムイオンを
ドープ/脱ドープすることが可能な材料等を負極活物質
として用いたリチウムイオン二次電池等が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したリチウムイオ
ン二次電池では、充放電を繰り返すことにより徐々に電
池容量が低下してしまう。これは、充放電を繰り返すこ
とによる例えば正極活物質、導電材、結着剤、電解質等
の劣化が原因として挙げられるが、中でも負極活物質の
劣化が大きく影響している。
【0004】具体的に、リチウムイオン二次電池では、
負極が充電状態になると強還元剤となることから、負極
と電解質とが反応して皮膜が形成され、係る反応により
負極が自己放電し、負極と正極とに充電深度のずれが生
じてしまう。リチウムイオン二次電池では、充電深度の
ずれを戻すために電池内の負極及び正極のうちどちらか
一方だけを充電もしくは放電させることができないこと
から、負極と正極との充電深度のずれが容量低下となっ
てしまう。また、リチウムイオン二次電池では、負極と
電解質とが反応する際に、例えば負極活物質の変性や、
負極活物質の結晶構造の崩壊等が生じて失活し、容量低
下してしまうこともある。したがって、リチウムイオン
二次電池では、充放電を繰り返すことにより、負極と正
極との充電深度のずれや、負極活物質の結晶構造の崩壊
が進行して徐々に電池容量が低下してしまう。
【0005】この負極と電解質との反応は、電解質が還
元分解されて負極表面に不働体被膜が形成されることに
より抑制される。そして、この不働体被膜を負極に形成
するために、特開平5−135802号公報や、特開平
7−235297号公報において、負極活物質としてリ
チウム化合物を混合して焼成することや、特開2000
−173583号公報において、負極の表面をフッ素化
させる表面処理を施すといった不働体皮膜を形成する手
段が提案されている。
【0006】しかしながら、このような手段を用いた場
合、負極活物質の表面を覆うはずのリチウム化合物が、
混合して焼成する際にリチウム化合物同士で凝集してし
まい、一部の負極活物質の表面しか覆えないことがあっ
た。
【0007】負極の表面をフッ素化させた場合は、電池
を初充電すると負極表面のフッ素と正極活物質内のリチ
ウムによってフッ化リチウムが生成することから、フッ
化リチウムの生成に使われてしまう正極活物質を余分に
多くしてリチウム二次電池を作製しなければならなかっ
た。このため、表面をフッ素化させた負極を用いたリチ
ウムイオン二次電池では、電池反応に寄与しない正極活
物質が必要となり、エネルギー密度の低下や、材料コス
トが高くなるといった問題があった。
【0008】また、負極の表面をフッ素化させた場合
は、負極の表面をフッ素化させるために用いるフッ素ガ
スの反応性が高く、希ガスを除く殆ど全ての元素と反応
してしまうことから、フッ素ガスの取り扱いや、負極の
表面をフッ素化させる際の制御が非常に難しかった。こ
のため、表面をフッ素化させた負極を用いたリチウムイ
オン二次電池では、負極の表面をフッ素化させる際の工
程が煩雑となり製造歩留まりの低下や、製造コストが高
くなるといった問題があった。
【0009】そこで、本発明は、このような従来の実情
に鑑みて提案されたものであり、電池容量が大きく、エ
ネルギー密度が高く、優れた充放電サイクル特性を有す
る負極活物質及びその製造方法、並びに電池及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の負極活物質は、
電池の負極に用いられる負極活物質であって、負極担体
の表面に、少なくともリチウムを含有する化合物溶液を
含む二種類以上の溶液を混合することによって生成され
たリチウム化合物が担持されている負極担持体からなる
ことを特徴としている。
【0011】この負極活物質では、二種類以上の溶液を
混合することで生成されたリチウム化合物が負極担体の
表面に担持された負極担持体を構成しており、担持され
たリチウム化合物が、電池に用いられて充電状態となっ
た負極の自己放電や、電池反応による結晶構造の崩壊を
抑制することから、高容量でサイクル特性に優れる良好
な負極性能が得られる。
【0012】本発明の負極活物質の製造方法は、電池の
負極に用いられる負極活物質の製造方法であって、少な
くともリチウムを含有する溶液を含む二種類以上の溶液
のうち、何れか一種又は複数種の溶液に、負極担体を懸
濁させる懸濁工程と、負極担体を含有している溶液に残
りの溶液を混合させることによって得られたリチウム化
合物を、負極担体の表面に担持させて負極担持体を生成
する担持工程とを有していることを特徴としている。
【0013】この負極活物質の製造方法では、二種類以
上の溶液を混合することで得られるリチウム化合物を負
極担体の表面に担持させることにより、適切な量のリチ
ウム化合物を担持させた負極担持体を生成することが容
易であり、このようにして負極担体に担持されたリチウ
ム化合物が、電池に用いられて充電状態となった負極の
自己放電や、電池反応による結晶構造の崩壊を抑制する
ことから、電池容量を大きくすると共にサイクル特性が
優れた負極活物質が得られる。本発明の電池は、正極活
物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水
電解質と有し、負極活物質が、その基体となる負極担体
の表面に、少なくともリチウムを含有する化合物溶液を
含む二種類以上の溶液を混合することによって生成され
たリチウム化合物を担持させた負極担持体からなること
を特徴としている。
【0014】この電池では、負極活物質が、二種類以上
の溶液を混合することで生成されたリチウム化合物を基
体となる負極担体の表面に担持させた負極担持体により
構成されており、担持されたリチウム化合物が、充電状
態の負極の自己放電や、負極と非水電解質との反応によ
る負極活物質の結晶構造の崩壊を抑制することから、電
池容量、エネルギー密度及びサイクル特性を向上させ
る。
【0015】本発明の電池の製造方法は、正極活物質を
有する正極を作製する正極工程と、負極活物質を有する
負極を作製する負極工程と、正極と、負極と、非水電解
質とを電池外装材に一括して封入する封入工程とを有
し、負極工程においては、少なくともリチウムを含有す
る化合物溶液を含む二種類以上の溶液のうち、何れか一
種又は複数種の溶液に、負極活物質の基体となる負極担
体を懸濁させる懸濁工程と、負極担体を含有している溶
液に残りの溶液を混合させることによって得られたリチ
ウム化合物を、負極担体の表面に担持させて負極担持体
を生成する担持工程とを経ることによって負極活物質を
作成することを特徴としている。
【0016】この電池の製造方法では、負極活物質を二
種類以上の溶液を混合することで得られたるリチウム化
合物を負極担体の表面に担持させた負極担持体が負極活
物質として生成されていることから、負極担体の表面に
適切な量のリチウム化合物を容易に担持させることが可
能であり、担持されたリチウム化合物が、充電状態の負
極の自己放電や、負極と非水電解質との反応による負極
活物質の結晶構造の崩壊を抑制して電池容量、エネルギ
ー密度及びサイクル特性を向上させた電池が製造され
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した負極活物
質及びその製造方法、この負極活物質を用いたリチウム
イオン二次電池(以下、電池と記す。)及びその製造方
法について説明する。
【0018】本発明の負極活物質は、少なくともリチウ
ムを含有する化合物溶液を含む二種類以上の溶液を混合
することによって生成されたリチウム化合物が、負極担
体の表面に担持されて負極担持体を形成している。負極
担体の表面に担持されるリチウム化合物としては、例え
ばフッ化リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、酸
化リチウムのうち何れか一種又は複数種の混合物等が挙
げられる。
【0019】ここでの負極担体とは、電池の充放電に大
きく寄与する例えば炭素材料等からなる負極粉体であ
り、例えば有機材料を500℃〜2000℃の範囲の温
度で焼成させて炭素化して生成される炭素材料等が挙げ
られる。具体的に、この負極担体としては、例えば黒鉛
類、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズカーボ
ンファイバーといった炭素繊維、熱分解炭素類、コーク
ス類(ビッチコークス、ニードルコークス、石油コーク
ス)、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェ
ノール樹脂、フラン樹脂等を炭素化したもの)、及び活
性炭等が挙げられる。なお、負極担体としては、以上の
ような炭素材料に限定されることはなく、例えば電池に
用いられる公知の負極材料を用いることも可能である。
【0020】この負極活物質では、電池に用いられた際
に、負極担持体の表面に担持されているリチウム化合物
が、充放電での負極と電解液との反応により、充電状態
の負極が自己放電してしまうことや、結晶構造が崩壊し
て負極が劣化してしまうことを防止することから、電池
容量、エネルギー密度及びサイクル特性の劣化を抑制す
ることが可能となる。
【0021】この負極活物質では、電池に用いられた際
に、負極担持体の表面に担持されているリチウム化合物
が、充電状態の負極によって例えば電解液や正極活物質
等が分解されて負極の表面に不働体被膜として生成され
ることを抑制し、電解液や正極活物質が電池反応以外に
用いられることを防止することから、電池容量に劣化の
ない優れた電池特性を提供することが可能である。
【0022】また、この負極活物質においては、リチウ
ム化合物の担持量が負極担持体全体に対して0.01重
量%〜20重量%しているが、より好ましくは0.1重
量%〜10重量%である。
【0023】リチウム化合物の担持量が負極担持体全体
に対して0.01重量%より少ない場合、負極担持体全
体に対するリチウム化合物の担持量が少なすぎることか
ら、この負極活物質が電池に用いられた際に、充放電に
よって負極と電解液が反応し、充電状態の負極の自己放
電や、負極活物質の結晶構造の崩壊が生じて電池容量や
サイクル特性が劣化してしまう。リチウム化合物の担持
量が負極担持体全体に対して20重量%より多い場合、
負極担持体全体に対するリチウム化合物の担持量が多す
ぎることから、この負極活物質が電池に用いられた際
に、担持されたリチウム化合物が、負極活物質に対する
リチウムイオンのドープ/脱ドープを妨げて電池容量を
低下させることや、負極活物質の導電性を低下させて電
池内部抵抗が大きくなり電池特性を劣化させてしまう。
【0024】このため、負極活物質においては、リチウ
ム化合物の担持量が負極担持体全体に対して0.01重
量%〜20重量%にすることにより、電池容量及びサイ
クル特性といった電池特性が優れた電池を提供できる。
【0025】さらに、負極活物質においては、リチウム
化合物の担持量を負極担持体全体に対して0.1重量%
以上にした場合、電池に用いられた際に、充電状態の負
極の自己放電や、負極と電解液との反応による結晶構造
の崩壊を更に抑制させることから、電池容量特性及びサ
イクル特性が更に優れた電池を提供できる。負極活物質
においては、リチウム化合物の担持量を負極担持体全体
に対して10重量%以下にした場合、電池に用いられた
際に、負極担持体の表面に担持されたリチウム化合物に
よって負極の導電性が低下することなく電池内部抵抗の
増大を更に抑制して優れた電池特性が図られる。
【0026】次に、負極担体の表面にリチウム化合物が
担持された負極担持体からなる負極活物質の製造方法に
ついて説明する。この負極活物質を製造する際は、先
ず、電池の充放電に大きく寄与する例えば炭素材料等か
らなる負極担体を作成する。この負極担体は、例えば有
機材料を500℃〜2000℃の範囲の温度で焼成させ
て炭素化して炭素材料を生成し、この炭素材料を粉砕、
分級することで作成される。このようにして、負極担体
としては、例えば黒鉛類、メソカーボンマイクロビー
ズ、メソフェーズカーボンファイバーといった炭素繊
維、熱分解炭素類、コークス類(ビッチコークス、ニー
ドルコークス、石油コークス)、ガラス状炭素類、有機
高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を
炭素化したもの)、及び活性炭等を得ることができる。
なお、負極担体としては、以上のような炭素材料に限定
されることはなく、例えば電池に用いられる公知の負極
材料を用いることも可能である。
【0027】次に、以上のように得られた負極担体の表
面に、リチウム化合物を担持させる。リチウム化合物を
負極担体の表面に担持させる際は、リチウム塩等を含有
する第1の溶液と、リチウム以外のアルカリ金属、アル
カリ金属化合物等を含有する第2の溶液とを用意する。
第1の溶液には、リチウム塩の代わりに例えばリチウム
有機化合物等、リチウムを有する全ての化合物を含有さ
せることも可能である。ここでは、第1の溶液にLiP
水溶液を用い、第2の溶液にフッ化カリウム水溶液
を用いた場合について説明する。
【0028】次に、これら第1の溶液に負極担体を適量
加えて撹拌し、この負極担体を第1の溶液中で懸濁させ
る。次に、負極担体が懸濁している第1の溶液に第2の
溶液を加えて、混合させる。次に、混合させた溶液中の
負極担体を分離濾過する。これにより、二つの溶液を混
合させることで生成されたフッ化リチウムが負極担体の
表面に担持されて負極担持体となる。このとき、第1の
溶液及び第2の溶液の濃度、負極担持体を分離濾過する
までの時間等を制御することにより、負極担体の表面に
担持されるリチウム化合物の量を調節させる。
【0029】ここでは、二種類の溶液を混合させてリチ
ウム化合物を負極担体の表面に担持させているが、この
ことに限定されることはなく、例えば第3の溶液として
炭酸カリウム水溶液等も加えても良い。この場合、負極
担体の表面には、フッ化リチウム、炭酸リチウムのうち
何れか一種又は二種類のリチウム化合物が担持されるこ
とになる。
【0030】次に、負極担持体の表面に担持されている
フッ化リチウムが空気中の酸素によって酸化されないよ
うに、負極担持体を例えば減圧雰囲気中、不活性気体雰
囲気中等で焼成処理を施す。このようにして、リチウム
化合物としてフッ化リチウムが負極担持体の表面に担持
された負極活物質が製造される。
【0031】以上のような負極活物質の製造方法では、
二種類以上の溶液を混合することで生成されるリチウム
化合物を負極担体の表面に担持量を制御しながら容易に
担持させることが可能である。
【0032】この負極活物質の製造方法では、リチウム
化合物を負極担体の表面に担持させた負極担持体を生成
することによって、担持されたリチウム化合物が、電池
反応により充電された負極が自己放電してしまうこと
や、負極と電解液との反応により結晶構造が崩壊してし
まうことを抑制することから、電池容量を大きくすると
共にサイクル特性の優れた負極活物質が得られる。
【0033】この負極活物質の製造方法では、従来のよ
うに、激しい反応性を有し、取り扱いが難しいとされる
フッ素ガス等を用いることなく、二種類以上の溶液を混
合して容易に生成されるリチウム化合物を負極担体の表
面に担持させた負極担持体からなる負極活物質を製造さ
せることにより低コスト化が図れる。
【0034】上述した負極活物質の製造方法において
は、リチウム化合物が担時された負極担持体に焼成処理
を施す際の焼成温度を200℃以上、担持されたリチウ
ム化合物の融点に対して100℃加えた温度以下の範囲
としているが、より好ましい焼成温度範囲は300℃以
上、600℃以下である。
【0035】負極担持体に焼成処理を施す際の焼成温度
が200℃より低い場合、負極活物質では、リチウム化
合物に結晶粒子の成長や、結晶粒子の凝集が生じて、負
極担体全体にリチウム化合物を担持させることが困難に
なる。負極担持体に焼成処理を施す際の焼成温度が、担
持された上記リチウム化合物の融点に対して100℃加
えた温度より高い場合、負極活物質では、焼成によって
負極担持体の表面に担持されたリチウム化合物が分解さ
れてしまい、負極担体の表面にリチウム化合物を担持さ
せることが困難になる。
【0036】負極活物質においては、負極担持体に焼成
処理を施す際の焼成温度を300℃以上にすることで、
リチウム化合物の結晶粒子の成成長や、凝集を更に抑制
することが可能となり、リチウム化合物を負極担体全体
に均一に担持させることができる。負極活物質において
は、負極担持体に焼成処理を施す際の焼成温度を600
℃以下にすることで、リチウム化合物の結晶粒子の分解
が更に抑制されて負極担体の表面にリチウム化合物を適
切に担持させることができる。
【0037】また、負極活物質においては、負極担体の
表面にリチウム有機化合物が担持された場合、焼成処理
によって例えば有機塩や有機酸等が除去されて目的のリ
チウム化合物が負極担体の表面に担持されることにな
る。この場合も、焼成温度としては、200℃以上、担
持されるリチウム化合物の融点に対して100℃加えた
温度以下の範囲としており、より好ましくは300℃以
上、600℃以下の範囲である。
【0038】以上、二種類以上の溶液を混合することで
生成されるリチウム化合物を負極担体の表面に担持させ
る負極活物質の製造方法について説明したが、この負極
活物質を製造させる際は、次に説明する第2の製造方法
のように、二種類以上の溶液の溶媒に、水と有機溶剤と
界面活性剤とを混合した混合溶媒を用いることによっ
て、負極担体の表面にリチウム化合物を担持させた負極
担持体を生成しても良い。
【0039】ここで、第2の負極活物質の製造方法につ
いて説明する。なお、以下では、上述した負極活物質の
製造方法のことを第1の負極活物質の製造方法として説
明する。
【0040】第2の負極活物質の製造方法によって負極
活物質を製造する際は、先ず、電池の充放電に大きく寄
与する例えば炭素材料等からなる負極担体を作製する。
この負極担体は、上述した第1の負極活物質の製造方法
と同様にして得ることができる。
【0041】次に、以上のように得られた負極担体の表
面に、リチウム化合物を担持させる。リチウム化合物を
負極担体の表面に担持させる際は、水と非水溶剤と界面
活性剤とを混合した混合溶媒を用意する。この混合溶媒
は、非水溶剤中に界面活性剤によって水がコロイド状に
分散、いわゆる非水溶剤中に水のミセルが分散している
逆ミセル溶媒である。
【0042】この逆ミセル溶媒に含有される非水溶剤と
しては、例えばシクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、イソオクタン、ベンゼン、ヘプタン、トルエン等が
挙げられ、これらのうち何れか一種又は複数種を混合さ
せて用いる。界面活性剤としては、特に制限はなく非イ
オン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活
性剤等を用いる。具体的には、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ラウリン酸マグネシウム、カプ
リン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ナトリウムフェニルス
テアレート、アルミニウムジカプリレート、テトライソ
アルミアンモニウムチオシアネート、n−オクタデシル
トリn−ブチルアンモニウム蟻酸塩、n−アミルトリn
−ブチルアンモニウムヨウ化物、ビス(2−エチルヘキ
シル)琥珀酸塩ナトリウム、ナトリウムジノニルナフタ
レンスルホネート、カルシウムセチルサルフェート、ド
デシルアミンオレイン酸塩、ドデシルアミンプロピオン
酸塩、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ステア
リルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアン
モニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウム
ブロミド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミ
ド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オク
タデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジドデシ
ルジメチルアンモニウムブロミド、ジテトラデシルジメ
チルアンモニウムブロミド、ジドデシルジメチルアンモ
ニウムクロライド、ジテトラデシルジメチルアンモニウ
ムクロライド、(2−オクチル−1−オクチルオキシメ
チル)ポリオキシエチレンエチルエーテル等のうち何れ
か一種又は複数種を混合して用い、特にポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ビス(2−エチルヘキ
シル)琥珀酸塩ナトリウムが好ましい。
【0043】次に、リチウム塩等を逆ミセル溶媒に含有
させた第1の溶液と、リチウム以外のアルカリ金属、ア
ルカリ金属化合物等を逆ミセル溶媒に含有させた第2の
溶液とを用意する。第1の溶液には、リチウム塩の代わ
りに例えばリチウム有機化合物等、リチウムを含有する
全ての化合物を用いることも可能である。ここでは、第
1の溶液に含有されるリチウム塩にLiPFを用い、
第2の溶液に含有される化合物としてフッ化カリウムを
用いた。また、これらの溶液の逆ミセル溶媒としては、
非水溶剤であるn−ヘプタンに、水が3モルに対して界
面活性剤であるポリオキシエチレン−5−ノニルフェニ
ルエーテルが1モルの割合で混合されたものを用いた。
【0044】次に、これら第1の溶液に負極担体を適量
加えて撹拌し、この負極担体を第1の溶液中で懸濁させ
る。次に、負極担体が懸濁している第1の溶液に第2の
溶液を加えて、混合させる。これにより、負極担体に
は、非水溶媒中のミセルが微小な反応場となり、その表
面にリチウム化合物としてフッ化リチウムが担持されて
負極担持体を構成することになる。このとき、リチウム
化合物は、水と界面活性剤との混合比を制御することに
よって、粒径や担持量等が調節される。
【0045】以上では、二種類の溶液を混合させてリチ
ウム化合物を負極担体の表面に担持させているが、この
ことに限定されることはなく、例えば炭酸カリウムを逆
ミセル溶媒に含有させた第3の溶液等を加えても良い。
この場合、負極担体の表面には、フッ化リチウム、炭酸
リチウムのうち何れか一種又は二種類のリチウム化合物
が担持されることになる。
【0046】次に、溶液中の負極担持体を分離濾過す
る。次に、負極担持体の表面に担持されたフッ化リチウ
ムが空気中の酸素によって酸化されないように、負極担
持体を例えば減圧雰囲気中、不活性気体雰囲気中等で焼
成処理を施す。このようにして、リチウム化合物として
フッ化リチウムが負極担体の表面に担持された負極担持
体からなる負極活物質が製造される。なお、焼成処理の
際の焼成温度は、第1の負極活物質の製造方法と同様
に、200℃以上、その表面に担持された上記リチウム
化合物の融点に対して100℃加えた温度以下の範囲に
する。
【0047】以上のような第2の負極活物質の製造方法
では、水と非水溶剤と界面活性剤とを混合した逆ミセル
溶媒を用いた二種類以上の溶液を混合することにより、
非水溶剤中のミセルを反応場として負極担体の表面に適
切な量のリチウム化合物が担持された負極担持体からな
る負極活物質を容易に製造することが可能である。ま
た、この第2の負極活物質の製造方法では、負極担持体
の表面にリチウム有機化合物が担持された場合、焼成処
理によって例えば有機塩や有機酸等が除去されて目的の
リチウム化合物が負極担持体の表面に担持されている負
極活物質が製造される。
【0048】以上、逆ミセル溶媒を用いた二種類以上の
溶液を混合することによってリチウム化合物が負極担持
体の表面に担持されている負極活物質の製造方法につい
て説明したが、このことに限定されることなく、次に説
明する第3の製造方法のように、二種類以上の溶液のう
ち少なくとも一つの溶液に沈殿剤を含有させると共に、
二種類以上の溶液の溶媒に逆ミセル溶媒を用いることに
よって、負極担体の表面にリチウム化合物を担持させた
負極担持体を生成しても良い。
【0049】ここで、第3の負極活物質の製造方法につ
いて説明する。第3の負極活物質の製造方法によって負
極活物質を製造する際は、先ず、電池の充放電に大きく
寄与する例えば炭素材料等からなる負極担体を作製す
る。この負極担体は、上述した第1の負極活物質の製造
方法と同様にして得ることができる。
【0050】次に、以上のように得られた負極担体の表
面にリチウム化合物を担持させる。リチウム化合物を負
極担体の表面に担持させる際は、逆ミセル溶媒を用意す
る。この混合溶媒は、上述した第2の負極の製造方法に
て用いた同様の材料及び手段によって得られる。
【0051】次に、リチウム化合物等を逆ミセル溶媒に
含有させた第1の溶液と、沈殿剤を逆ミセル溶媒に含有
させた第2の溶液とを用意する。第1の溶液には、リチ
ウム化合物の代わりに例えばリチウム有機化合物等、リ
チウムを有する全ての化合物を含有させることも可能で
ある。第2の溶液に含有される沈殿剤には、例えば希土
類硝酸塩等、金属塩から水酸化物等の状態で懸濁液を生
成することが可能な公知のものを使用することができ、
具体的にはアンモニウム水、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド等が挙げられる。ここでは、第1の溶液に
含有されるリチウム化合物に水酸化リチウムを用い、第
2の溶液に含有される沈殿剤としてテトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシドを用いた。また、これらの溶液の逆
ミセル溶媒としては、非水溶剤であるn−ヘプタンに、
水が3モルに対して界面活性剤であるポリオキシエチレ
ン−5−ノニルフェニルエーテルが1モルの割合で混合
されたものを用いた。
【0052】次に、これら第1の溶液に負極担体を適量
加えて撹拌し、この負極担体を第1の溶液中で懸濁させ
る。次に、負極担体が懸濁している第1の溶液に第2の
溶液を加えて、混合させる。これにより、負極担体に
は、非水溶媒中のミセルが微小な反応場となり、表面に
リチウム化合物として水酸化リチウムが担持されて負極
担持体を構成することになる。このとき、リチウム化合
物は、水と界面活性剤との混合比を制御することによっ
て、粒径や担持量等が調節される。
【0053】以上では、二種類の溶液を混合させてリチ
ウム化合物を負極担体の表面に担持させているが、この
ことに限定されることはなく、他のリチウム化合物を混
合溶媒に含有させた第3の溶液等を加えても良い。この
場合、負極担体の表面には、二種類以上のリチウム化合
物のうち何れか一種又は二種類以上が担持されることに
なる。
【0054】次に、混合させた溶液中の負極担持体を分
離濾過する。次に、負極担持体の表面に担持されている
水酸化リチウムが空気中の酸素によって酸化されないよ
うに、負極担持体を例えば減圧雰囲気中、不活性気体雰
囲気中等で焼成処理を施す。このようにして、リチウム
化合物として水酸化リチウムが、負極担体の表面に担持
された負極担持体からなる負極活物質が製造される。な
お、焼成処理の際の焼成温度は、第1の負極活物質の製
造方法と同様に、200℃以上、負極担持体の表面に担
持された上記リチウム化合物の融点に対して100℃加
えた温度以下の範囲にする。
【0055】以上のような第3の負極活物質の製造方法
では、二種類以上の溶液のうち少なくとも一つの溶液に
沈殿剤を含有させると共に、二種類以上の溶液の溶媒に
逆ミセル溶媒を用い、これら二種類以上の溶液を混合す
ることにより、非水溶剤中のミセルを反応場として負極
担体の表面に適切な量のリチウム化合物が担持された負
極担持体からなる負極活物質を容易に製造することが可
能である。また、この第3の負極活物質の製造方法で
は、負極担持体の表面にリチウム有機化合物が担持され
た場合、焼成処理によって例えば有機塩や有機酸等が除
去されて目的のリチウム化合物が負極担持体の表面に担
持されている負極活物質が製造される。
【0056】次に、以上のようにして得られた負極活物
質を用いた電池について図を参照にして説明する。図1
に示す電池1は、帯状の正極2と、帯状の負極3とが、
セパレータ4を介して密着状態で巻回された電池素子5
が、電解液と一緒に電池缶6内部に装填された構造を有
している。
【0057】正極2は、正極活物質と結着剤とを含有す
る正極合剤層を正極集電体上に塗布、乾燥することによ
り作製される。正極集電体には例えばアルミニウム箔等
の金属箔が用いられる。正極活物質には、例えば金属酸
化物、金属硫化物、特定の高分子化合物等を用いる。正
極活物質には、リチウムの溶解/析出を利用した電池系
の場合、例えば、TiS、MoS、NbSe、V
等のリチウムを含有しない金属硫化物又は金属酸
化物や、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子化合
物を用いる。正極活物質には、リチウムイオンのドープ
/脱ドープを利用した電池系の場合、例えば、Li
(式中Mは一種類以上の遷移金属を示し、xは電池
の充放電状態によって異なり、通常0.05以上、1.
10以下である。)を主体とするリチウム複合酸化物を
使用することが好ましく、LiCoO、LiNi
、LiNiCo1−y(式中yは0より大き
く、1より小である。)、LiMnO、LiMPO
(式中MはFe等、一種以上の遷移金属を示す。)等を
用いる。これらのリチウム複合酸化物は、電池1におい
て高電圧を発生し、エネルギー密度を高くすることが可
能な優れた正極活物質となる。
【0058】また、正極活物質は、以上に挙げた材料の
うち何れか一種又は複数種を混合して用いられる。な
お、正極合剤層には、通常、電池の正極合剤層に用いら
れている公知の結着剤を用いることができるほか、導電
剤等、公知の添加剤を添加することができる。
【0059】負極3は、負極活物質と結着剤とを含有す
る負極合剤層を負極集電体上に塗布、乾燥することによ
り作製される。負極活物質には、上述した負極担体の表
面に、二種類以上の溶液を混合することで生成されたリ
チウム化合物が担持された負極担持体を用いる。負極活
物質には、二種類以上の溶液を混合することで生成され
たリチウム化合物が負極担体の表面に担持されていれ
ば、電池の負極に用いられる公知の電池材料を用いるこ
とができる。負極担体の表面に担持されるリチウム化合
物としては、例えばフッ化リチウム、炭酸リチウム、水
酸化リチウム、酸化リチウムのうち何れか一種又は複数
種の混合物等が挙げられる。負極集電体には、例えば銅
箔等の金属箔が用いられる。なお、負極合剤層には、通
常、電池等の負極合剤層に用いられている公知の結着剤
を用いることができるほか、公知の添加剤等を添加する
ことができる。
【0060】セパレータ4には、通常、電池に用いられ
る例えば微孔性ポリプロピレンフィルムや、不織布等を
用いる。
【0061】電解液は、電解質を非水溶媒に溶解して調
製される。電解質としては、通常、電池の電解液に用い
られている公知の電解質を使用することができる。電解
質としては、例えばLiPF、LiBF、LiAs
、LiClO、LiCFSO、LiN(SO
CF、LiN(CSO、LiC
(SOCF、LiAlCl、LiSiF
の塩を挙げることができ、これらのうち何れか一種類又
は複数種を混合して用いる。その中でも特にLiP
、LiBFが酸化安定性の点から望ましい。
【0062】また、非水溶媒としては、従来より非水電
解液に使用されている種々の非水溶媒を使用することが
できる。非水溶媒としては、例えばプロピレンカーボネ
ート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジ
プロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、
エチルプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、
ブチルメチルカーボネート、ブチルエチルカーボネー
ト、ブチルプロピルカーボネート、及びこれらの炭酸エ
ステル類の水素原子をハロゲン原子に置換した溶媒、γ
−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフ
ラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキ
ソラン、4−メチル1,3−ジオキソラン、ジエチルエ
ーテル、スルホラン、メチルスルホラン、酪酸メチルス
ルホラン、アセトニトリル、プロピオンニトリル、プロ
ピオン酸メチル等が挙げることができ、これらのうち何
れか一種類又は複数種を混合して用いる。
【0063】そして、以上のような電池1は、次のよう
にして製造される。正極2は、正極活物質と、導電剤
と、結着剤とを含有する正極合剤塗液を、例えばアルミ
ニウムの金属箔等からなる正極集電体上に均一に塗布
し、乾燥することで正極合剤層を形成することにより作
製される。正極合剤層には、公知の導電剤及び結着剤を
用いることができる他、公知の添加剤等を添加すること
ができる。
【0064】負極3は、二種類以上の溶液を混合するこ
とで生成されたリチウム化合物が負極担体の表面に担持
された負極担持体からなる負極活物質と、結着剤とを含
有する負極合剤塗液を、例えば銅の金属箔等からなる負
極集電体上に均一に塗布し、乾燥することで負極合剤層
を形成することにより作製される。負極合剤層には、公
知の結着剤と用いることができる他、公知の添加剤等を
添加することができる。
【0065】このようにして得られた正極2と負極3と
を、例えば微孔性ポリプロピレンフィルムからなるセパ
レータ4を介して積層し、渦巻状に多数回捲回すること
により電池素子5を形成する。
【0066】次に、その内側にニッケルメッキを施した
鉄製の電池缶6の底部に絶縁板7と挿入し、さらに電池
素子5を収納する。そして、負極3の集電をとるため
に、例えばニッケルからなる負極端子8の一端を負極集
電体に接合し、他端を電池缶6に溶接する。これによ
り、電池缶6は、負極3と導通することとなり、電池1
の外部負極となる。また、正極2の集電をとるために、
例えばアルミニウムからなる正極端子9の一端を正極2
に接合し、他端を電流遮断用薄板10に溶接することで
この電流遮断用薄板10を介して電池蓋11と電気的に
接続する。この電流遮断用薄板10は、電池内圧に応じ
て電流を遮断するものである。これにより、電池蓋11
は、正極2と導通することになり、電池1の外部正極と
なる。
【0067】次に、この電池缶6の中に非水電解液を注
入する。この非水電解液は、電解質を非水溶媒に溶解さ
せて調製される。次に、アスファルトと塗布した絶縁封
口ガスケット12を介して電池缶6をかしめることによ
り電池蓋11が固定されて円筒形の電池1が作製され
る。なお、この電池1においては、負極端子8及び正極
端子9に接続するセンターピン13が設けられていると
ともに、電池内部の圧力が所定値よりも高くなったとき
に内部の気体を抜くための安全弁14及び電池内部の温
度上昇を防止するためのPTC(positive temperature
coefficient)素子15が設けられている。
【0068】以上のように製造される電池1では、負極
活物質が二種類以上の溶液を混合することで生成された
リチウム化合物を基体となる負極担体の表面に担持させ
た負極担持体からなり、担持されたリチウム化合物が、
充電状態の負極3が電解液と反応して自己放電してしま
うことや、負極3と電解液との反応により負極活物質の
結晶構造が崩壊してしまうことを抑制することから、電
池容量、エネルギー密度及びサイクル特性の低下を防止
する。
【0069】この電池1では、負極担持体の表面に担持
されているリチウム化合物が、充電状態の負極3によっ
て例えば電解液や電解質等が分解されて負極3の表面に
不働体被膜として生成されることを抑制し、電解液や電
解質等が電池反応以外に用いられることを防止すること
から、電池容量に劣化のない優れた電池特性が得られ
る。
【0070】この電池1では、二種類以上の溶液を混合
することで生成されたリチウム化合物を負極担体の表面
に担持させた負極担持体を負極活物質に用いており、従
来のフッ素ガスと電池内のリチウムとを反応させてフッ
化リチウムを負極表面に生成させる場合のフッ化リチウ
ムを生成させるための余分な正極活物質が必要でないこ
とから、電池容量及びエネルギー密度を向上させると共
に、材料コストを低減させることが可能である。
【0071】この電池1では、従来の反応性が激しく取
り扱いが難しいとされたフッ素ガスを用いることなく、
二種類以上の溶液を混合することで生成されるリチウム
化合物を負極担体の表面に担持させた負極担持体を負極
活物質として容易に得ることが可能であり、煩雑な工程
を経ることなく電池特性を向上させる負極活物質が作成
されることから、製造歩留まりが向上して低コスト化が
図られる。
【0072】本発明は、上述した実施の形態において非
水溶媒に電解質塩を溶解させた電解液を用いた電池1を
例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、図2に示すように、電解液を用いない構造の
固体電解質電池20についても適用可能である。なお、
固体電解質電池20については、上述した電池1と同等
な構成、部位についての説明を省略するとともに、図面
において同じ符号を付するものとする。
【0073】この固体電解質電池20は、電解質とし
て、有機高分子に電解質塩を含有させた高分子固体電解
質や、高分子マトリックスに電解質塩と共に非水溶媒も
含浸させたゲル状電解質といった高分子電解質21を、
板状に形成された正極2と負極3と挟持することによっ
て発電要素となる電池素子22を構成し、この電池素子
22が外装材23に封入されている構造となっている。
【0074】高分子電解質21としては、リチウムイオ
ン導電性を有する材料であれば無機固体電解質、高分子
固体電解質いずれも用いることができる。無機固体電解
質としては、例えば窒化リチウム、ヨウ化リチウム等が
挙げられる。一方、高分子固体電解質は、上述した電解
質塩とそれを溶解する有機高分子とによって構成されて
いる。この有機高分子としては、例えばポリ(エチレン
オキサイト)や同架橋体等のエーテル系高分子、ポリ
(メタクリレート)エステル系高分子、アクリレート系
高分子等を単独又は分子中に供重合、混合して用いるこ
とができる。
【0075】ゲル状電解質の場合、高分子マトリックス
としては、上述した非水電解液を吸収してゲル化するも
のであれば種々の高分子が利用できる。例えば、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン
オキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリメタクリルニ
トリル等が挙げられ、これらのうち何れか一種又は複数
種を混合して用いる。
【0076】外装材23は、金属層と絶縁層とが二層以
上に積層されて、例えばラミネート加工等により貼り合
わされており、電池内面が絶縁層となるようになされて
いる。金属層としては、例えば箔状、板状等に成形され
ているアルミニウム、ステンレス、ニッケル、鉄等を用
いられる。絶縁層としては、正極端子24及び負極端子
25に対して接着性を示すものであれば材料は特に限定
されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリ
エチレン、変性ポリプロピレン及びこれらの共重合体
等、ポリオレフィン樹脂からなるものが用いられる。
【0077】このような構成の固体電解質電池20で
は、上述した電池1と同様に、二種類以上の溶液を混合
させることで生成されるリチウム化合物が負極担体の表
面に担持された負極担持体を負極活物質として用いてお
り、担持されたリチウム化合物が、充電状態の負極3の
自己放電や、負極3と電解質との反応による負極活物質
の結晶構造の崩壊を抑制することから、電池容量、エネ
ルギー密度及びサイクル特性の劣化を防止できる。
【0078】本発明を適用した電池は、角型、コイン
型、ボタン型等、その形状については特に限定されるこ
とはなく、また、薄型、大型等の種々の大きさにするこ
とも可能である。
【0079】
【実施例】以下、本発明を適用したリチウムイオン二次
電池を実際に製造した実施例について説明する。また、
これら実施例と比較するために製造した比較例について
説明する。
【0080】<実施例1>実施例1では、リチウムイオ
ン二次電池を製造するのに、先ず、正極を作製した。正
極を作製する際は、正極活物質としてコバルト酸リチウ
ム(LiCoO)を92重量%と、結着剤としてポリ
フッ化ビニリデン樹脂(以下、PVdFと記す。)を3
重量%と、導電材として黒鉛を5重量%と、溶剤にN−
メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す。)とを
加えて、プラネタリーミキサーによって混練して分散を
行い、正極合剤塗液を作製した。次に、塗工装置として
ダイコータを用いて正極集電体となる厚み20μmの帯
状のアルミニウム箔の両面に均一に塗布して、100
℃、減圧状態で24時間乾燥させた後に、ロールプレス
機で圧縮成形し、幅50mm、長さ300mmに裁断し
た。以上のようにして、正極を作製した。
【0081】次に、負極を作製した。負極を作製する際
は、負極活物質を製造した。先ず、第1の溶液として6
重量%のLiPF水溶液と、第2の溶液として40重
量%のフッ化カリウム水溶液を用意した。次に、第1の
溶液5000cmに、電池の充放電に寄与する負極担
体として人造黒鉛499.95gを加えて懸濁させた。
次に、人造黒鉛が懸濁している第1の溶液に対し、第2
の溶液を0.125cm滴下して混合させることで生
成したフッ化リチウムを人造黒鉛の表面に担持させて負
極担持体を生成した。次に、負極担持体を分離濾過し、
濾過された負極担持体をアルゴンガス雰囲気中、フッ化
リチウムの融点842℃に対して焼成温度を300℃に
して2時間焼成した。このようにして、人造黒鉛の表面
にフッ化リチウムが担持された負極担持体からなる負極
活物質が製造された。このとき、負極活物質は、フッ化
リチウムの担持量が負極担持体の全体量に対して0.0
1重量%であった。
【0082】次に、以上のようにして製造された負極活
物質を91重量%と、結着剤としてPVdFを9重量%
と、溶剤にNMPとを加えて、プラネタリーミキサーに
よって混練して分散を行い、負極合剤塗液を作製した。
次に、塗工装置としてダイコータを用いて負極集電体と
なる厚み20μmの帯状の銅箔の両面に均一に塗布し
て、120℃、減圧状態で24時間乾燥させた後に、ロ
ールプレス機で圧縮成形し、幅52mm、長さ320m
mに裁断した。以上のようにして、負極を作製した。
【0083】次に、以上のように作製された正極及び負
極の主面に電解質層をそれぞれ形成した。電解質層を形
成する際は、エチレンカーボネートを60重量%とプロ
ピレンカーボネートを40重量%とを混合させた溶媒に
溶媒重量に対してLiPFを0.9mol/kg溶解
させた電解液を調製した。次に、この電解液と、ヘキサ
フルオロプロピレンを7.7%未満含有するポリフッ化
ビニリデンと、ジメチルカーボネートとを混合撹拌して
ゾル状態のゲル状電解質溶液を作製した。次に、このゲ
ル状電解質溶液を正極及び負極の主面上にそれぞれ塗布
し、ジメチルカーボネートを揮発させた。このようにし
て正極及び負極の主面上にゲル状電解質からなる電解質
層をそれぞれ形成させた。
【0084】次に、以上のように電解質層が主面上に形
成された正極及び負極を電解質層が対向するように貼り
合わせ、正極の長尺方向に扁平捲回して電池素子を作製
した。この際には、正極の任意の位置にアルミニウムか
らなる短冊状の正極端子を取り付け、負極の任意の位置
にニッケルからなる短冊状の負極端子を取り付けた。
【0085】次に、この電池素子に備わる正極端子と負
極端子とを外部に導出しつつ、厚み50μmのアルミニ
ウム箔が厚み30μmのポリオレフィンフィルムで挟ん
だ三層構造の外装材の内部に収納した。このとき、電池
素子は、正極端子及び負極端子と外装材との間に接着性
を示すプロピレン樹脂片をあてがうようにして、外装材
に収納された。これにより、電池素子は、正極端子と負
極端子とが外装材のアルミニウム箔と介して短絡するこ
とや、気密性が劣化すること等が防止される。次に、電
池素子を内部に収納した外装材の周縁部を張り合わせる
ことにより、電池素子を外装材に封入した。以上のよう
にして、ゲル状電解質を用いたリチウムイオン二次電池
を製造した。なお、以下の説明では、便宜上、リチウム
二次電池のことを単に電池と称する。
【0086】<実施例2>実施例2では、負極活物質を
製造する際に、第1の溶液に人造黒鉛を499.5g加
えて懸濁させ、人造黒鉛が懸濁している第1の溶液に対
して第2の溶液を1.25cm滴下することによって
フッ化リチウムの担持量を負極担持体の全体量に対して
0.1重量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして
負極活物質を製造した。そして、この負極活物質を用い
たこと以外は、実施例1と同様にして電池を製造した。
【0087】<実施例3>実施例3では、負極活物質を
製造する際に、第1の溶液に人造黒鉛を450g加えて
懸濁させ、人造黒鉛が懸濁している第1の溶液に対して
第2の溶液を125cm滴下することによってフッ化
リチウムの担持量を負極担持体の全体量に対して10重
量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物
質を製造した。そして、この負極活物質を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして電池を製造した。
【0088】<実施例4>実施例4では、負極活物質を
製造する際に、第1の溶液に人造黒鉛を400g加えて
懸濁させ、人造黒鉛が懸濁している第1の溶液に対して
第2の溶液を250cm滴下することによってフッ化
リチウムの担持量を負極担持体の全体量に対して20重
量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物
質を製造した。そして、この負極活物質を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして電池を製造した。
【0089】<実施例5>実施例5では、負極活物質を
製造する際に、フッ化リチウムの融点842℃に対して
焼成温度を200℃にしたこと以外は、実施例2と同様
にして負極活物質を製造した。そして、この負極活物質
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製造
した。
【0090】<実施例6>実施例6では、負極活物質を
製造する際に、フッ化リチウムの融点842℃に対して
焼成温度を600℃にしたこと以外は、実施例2と同様
にして負極活物質を製造した。そして、この負極活物質
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製造
した。
【0091】<実施例7>実施例7では、負極活物質を
製造する際に、フッ化リチウムの融点842℃に対して
焼成温度を800℃にしたこと以外は、実施例2と同様
にして負極活物質を製造した。そして、この負極活物質
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製造
した。
【0092】<実施例8>実施例8では、負極活物質を
製造する際に、先ず、第1の溶液及び第2の溶液の溶媒
に水を450cmと、界面活性剤であるポリオキシエ
チレン−5−ノニルフェニルエーテル(以下、NP−5
と記す。)を10molと、有機溶剤としてn−ヘプタ
ン15000cmとを混合させて逆ミセル溶媒を調製
し、この逆ミセル溶媒2500cmにLiPFを3
0mmol溶解させた第1の溶液と、逆ミセル溶媒10
00cmに炭酸カリウムを0.135mmolを溶解
させて第2の溶液とを作製した。次に、第1の溶液に負
極担体として人造黒鉛を49.995g加えて懸濁さ
せ、人造黒鉛が懸濁している第1の溶液に対して第2の
溶液を混合することによって炭酸リチウムを人造黒鉛の
表面に担持させた負極担持体を生成した。次に、負極担
持体を分離濾過し、濾過された負極担持体をアルゴンガ
ス雰囲気中、炭酸リチウムの融点618℃に対して焼成
温度を300℃にして2時間焼成した。このようにし
て、炭酸リチウムの担持量が負極担持体の全体量に対し
て0.01重量%である負極活物質を製造した。そし
て、この負極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同
様にして電池を製造した。
【0093】<実施例9>実施例9では、負極活物質を
製造する際に、人造黒鉛を49.95g加えて懸濁させ
た第1の溶液と、炭酸カリウムを1.35mmol溶解
させた第2の溶液とを混合させることによって炭酸リチ
ウムの担持量を負極担持体の全体量に対して0.1重量
%にしたこと以外は、実施例8と同様にして負極活物質
を製造した。そして、この負極活物質を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして電池を製造した。
【0094】<実施例10>実施例10では、負極活物
質を製造する際に、人造黒鉛を45g加えて懸濁させた
第1の溶液と、炭酸カリウムを135mmol溶解させ
た第2の溶液とを混合させることによって炭酸リチウム
の担持量を負極担持体の全体量に対して10重量%にし
たこと以外は、実施例8と同様にして負極活物質を製造
した。そして、この負極活物質を用いたこと以外は、実
施例1と同様にして電池を製造した。
【0095】<実施例11>実施例11では、負極活物
質を製造する際に、人造黒鉛を40g加えて懸濁させた
第1の溶液と、炭酸カリウムを270mmol溶解させ
た第2の溶液とを混合させることによって炭酸リチウム
の担持量を負極担持体の全体量に対して20重量%にし
たこと以外は、実施例8と同様にして負極活物質を製造
した。そして、この負極活物質を用いたこと以外は、実
施例1と同様にして電池を製造した。
【0096】<実施例12>実施例12では、負極活物
質を製造する際に、炭酸リチウムの融点618℃に対し
て焼成温度を200℃にしたこと以外は、実施例9と同
様にして負極活物質を製造した。そして、この負極活物
質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製
造した。
【0097】<実施例13>実施例13では、負極活物
質を製造する際に、炭酸リチウムの融点618℃に対し
て焼成温度を600℃にしたこと以外は、実施例9と同
様にして負極活物質を製造した。そして、この負極活物
質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製
造した。
【0098】<実施例14>実施例14では、負極活物
質を製造する際に、炭酸リチウムの融点618℃に対し
て焼成温度を700℃にしたこと以外は、実施例9と同
様にして負極活物質を製造した。そして、この負極活物
質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製
造した。
【0099】<実施例15>実施例15では、負極活物
質を製造する際に、先ず、第1の溶液及び第2の溶液の
溶媒に水を450cmと、界面活性剤であるビス(2
−エチルヘキシル)琥珀酸塩ナトリウム(以下、AOT
と記す。)を10molと、有機溶剤としてn−ヘプタ
ン15000cmとを混合させて逆ミセル溶媒を調製
し、この逆ミセル溶媒2500cmに水酸化リチウム
を0.418mmol溶解させた第1の溶液と、逆ミセ
ル溶媒1000cm3に沈殿剤としてテトラメチルアン
モニウムヒドロキシドを0.5mmolを溶解させて第
2の溶液とを作製した。次に、第1の溶液に負極担体と
して人造黒鉛を49.995g加えて懸濁させ、人造黒
鉛が懸濁している第1の溶液に対して第2の溶液を混合
することによって水酸化リチウムを人造黒鉛の表面に担
持させた負極担持体を生成した。次に、負極担持体を分
離濾過し、濾過された負極担持体をアルゴンガス雰囲気
中、水酸化リチウムの融点445℃に対して焼成温度を
300℃にして2時間焼成した。このようにして、水酸
化リチウムの担持量が負極担持体の全体量に対して0.
01重量%である負極活物質を製造した。そして、この
負極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして
電池を製造した。
【0100】<実施例16>実施例16では、負極活物
質を製造する際に、人造黒鉛を49.95g加えて懸濁
させた第1の溶液と、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシドを4.18mmol溶解させた第2の溶液とを混
合させることによって水酸化リチウムの担持量を負極担
持体の全体量に対して0.1重量%にしたこと以外は、
実施例15と同様にして負極活物質を製造した。そし
て、この負極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同
様にして電池を製造した。
【0101】<実施例17>実施例17では、負極活物
質を製造する際に、人造黒鉛を45g加えて懸濁させた
第1の溶液と、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
を418mmol溶解させた第2の溶液とを混合させる
ことによって水酸化リチウムの担持量を負極担持体の全
体量に対して10重量%にしたこと以外は、実施例15
と同様にして負極活物質を製造した。そして、この負極
活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池
を製造した。
【0102】<実施例18>実施例18では、負極活物
質を製造する際に、人造黒鉛を40g加えて懸濁させた
第1の溶液と、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
を836mmol溶解させた第2の溶液とを混合させる
ことによって水酸化リチウムの担持量を負極担持体の全
体量に対して20重量%にしたこと以外は、実施例15
と同様にして負極活物質を製造した。そして、この負極
活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池
を製造した。
【0103】<実施例19>実施例19では、負極活物
質を製造する際に、水酸化リチウムの融点445℃に対
して焼成温度を200℃にしたこと以外は、実施例16
と同様にして負極活物質を製造した。そして、この負極
活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池
を製造した。
【0104】<実施例20>実施例20では、負極活物
質を製造する際に、水酸化リチウムの融点445℃に対
して焼成温度を400℃にしたこと以外は、実施例16
と同様にして負極活物質を製造した。そして、この負極
活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池
を製造した。
【0105】<比較例1>比較例1では、その表面にリ
チウム化合物を担持させずに人造黒鉛を300℃で焼成
した負極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様に
して電池を製造した。
【0106】<比較例2>比較例2では、負極活物質を
製造する際に、第1の溶液に人造黒鉛を350g加えて
懸濁させ、人造黒鉛が懸濁している第1の溶液に対して
第2の溶液を375cm滴下することによってフッ化
リチウムの担持量を負極担持体の全体量に対して30重
量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物
質を製造した。そして、この負極活物質を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして電池を製造した。
【0107】<比較例3>比較例3では、負極活物質を
製造する際に、人造黒鉛を35g加えて懸濁させた第1
の溶液と、炭酸カリウムを405mmol溶解させた第
2の溶液とを混合させることによって炭酸リチウムの担
持量を負極担持体の全体量に対して30重量%にしたこ
と以外は、実施例9と同様にして負極活物質を製造し
た。そして、この負極活物質を用いたこと以外は、実施
例1と同様にして電池を製造した。
【0108】<比較例4>比較例4では、負極活物質を
製造する際に、人造黒鉛を35g加えて懸濁させた第1
の溶液と、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを
1.254mol溶解させた第2の溶液とを混合させる
ことによって水酸化リチウムの担持量を負極担持体の全
体量に対して30重量%にしたこと以外は、実施例17
と同様にして負極活物質を製造した。そして、この負極
活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池
を製造した。
【0109】<比較例5>比較例5では、負極活物質を
製造する際に、フッ化リチウムの融点842℃に対して
焼成温度を100℃にしたこと以外は、実施例2と同様
にして負極活物質を製造した。そして、この負極活物質
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製造
した。
【0110】<比較例6>比較例6では、負極活物質を
製造する際に、炭酸リチウムの融点618℃に対して焼
成温度を100℃にしたこと以外は、実施例10と同様
にして負極活物質を製造した。そして、この負極活物質
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製造
した。
【0111】<比較例7>比較例7では、負極活物質を
製造する際に、水酸化リチウムの融点445℃に対して
焼成温度を100℃にしたこと以外は、実施例18と同
様にして負極活物質を製造した。そして、この負極活物
質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製
造した。
【0112】<比較例8>比較例8では、負極活物質を
製造する際に、フッ化リチウムの融点842℃に対して
焼成温度を950℃にしたこと以外は、実施例2と同様
にして負極活物質を製造した。そして、この負極活物質
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製造
した。
【0113】<比較例9>比較例9では、負極活物質を
製造する際に、炭酸リチウムの融点618℃に対して焼
成温度を750℃にしたこと以外は、実施例10と同様
にして負極活物質を製造した。そして、この負極活物質
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を製造
した。
【0114】<比較例10>比較例10では、負極活物
質を製造する際に、水酸化リチウムの融点445℃に対
して焼成温度を550℃にしたこと以外は、実施例18
と同様にして負極活物質を製造した。そして、この負極
活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池
を製造した。
【0115】次に、以上のように作製した実施例1〜実
施例20、及び比較例1〜比較例10の電池について、
初回充放電における初回充放電効率を測定し、評価し
た。そして、以下に、これらの電池における初回充放電
効率を測定した評価結果を表1に示す。
【0116】
【表1】
【0117】なお、表1において、初回充放電効率は、
電流値500mA、終了電流値5mA、電圧値4.25
Vとする定電流定電圧充電と、充電後、1時間静置した
後に電流値100mA、電圧値3.0Vとする定電流放
電といった充放電条件によって初回の充放電を行った際
の充電容量に対する放電容量の比率を示している。
【0118】表1に示す評価結果から、人造黒鉛の表面
にリチウム化合物を担持させた負極担持体からなる負極
活物質を用いた実施例1〜実施例20では、人造黒鉛の
表面にリチウム化合物を担持していない負極活物質を用
いた比較例1に比べて初回充放電効率が大きいことがわ
かる。
【0119】比較例1では、人造黒鉛の表面にリチウム
化合物が担持されていない負極活物質を用いており、充
電状態となった負極とゲル状電解質とが反応することに
よって生じる、充電状態の負極の自己放電や、負極活物
質の結晶構造の崩壊を抑制することが困難であることか
ら、放電容量が低下して初回充放電効率が小さくなって
しまう。
【0120】これに対し、実施例1〜実施例20では、
人造黒鉛の表面に担持されたリチウム化合物が、充放電
した際の負極とゲル状電解質との反応により、充電状態
の負極が自己放電したり、負極活物質の結晶構造が崩壊
したりすることを防止することから、放電容量の劣化が
抑制されて初回充放電効率が低下することが防止され
る。
【0121】また、表1に示す評価結果から、担持され
ているリチウム化合物の担持量が負極担持体の全体量に
対して20%以下である実施例1〜実施例20では、担
持されているリチウム化合物の担持量が負極担持体の全
体量に対して30%である比較例2〜比較例4に比べて
初回充放電効率が大きいことがわかる。
【0122】比較例2〜比較例4では、担持されている
リチウム化合物の担持量が負極担持体の全体量に対して
30%であり、人造黒鉛に対して担持されるリチウム化
合物の量が多いことから、充電により負極にドープされ
たリチウムイオンを放電、すなわちリチウムイオンを脱
ドープする際にリチウム化合物がリチウムイオンの脱ド
ープを妨げてしまい、電池容量が低下して初回充放電効
率が小さくなってしまう。
【0123】これに対し、実施例1〜実施例20では、
担持されているリチウム化合物の担持量が負極担持体の
全体量に対して20%以下であり、人造黒鉛に対して担
持されるリチウム化合物の量が適切であることから、充
電によりドープされたリチウムイオンを脱ドープする際
にリチウム化合物が妨げとなることなく、円滑に放電さ
せて放電容量が小さくなることを抑え、初回充放電効率
の低下を防止する。
【0124】さらに、表1に示す評価結果から、負極担
持体を焼成する際の焼成温度を200℃以上とする実施
例1〜実施例20では、リチウム化合物を担持した人造
黒鉛を焼成する際の焼成温度を100℃とする比較例5
〜比較例7に比べて初回充放電効率が大きいことがわか
る。
【0125】比較例5〜比較例7では、負極担持体を焼
成する際の焼成温度が100℃であり、焼成温度が低す
ぎることから、リチウム化合物の結晶粒子に凝集が生じ
て人造黒鉛の表面にリチウム化合物を均一に担持させる
ことが困難となる。これにより、比較例5〜比較例7で
は、人造黒鉛の表面にリチウム化合物が担持されていな
い領域で充電状態となった負極とゲル状電解質とが反応
し、この反応により充電状態の負極が自己放電したり、
負極活物質の結晶構造が崩壊したりして放電容量が低下
して初回充放電効率が小さくなってしまう。
【0126】これに対し、実施例1〜実施例20では、
負極担持体を焼成する際の焼成温度が200℃以上であ
り、焼成温度が適切であることから、リチウム化合物の
結晶粒子が凝集することなく人造黒鉛全体にリチウム化
合物を担持させることができる。これにより、実施例1
〜実施例20では、人造黒鉛全体に均一にリチウム化合
物を担持している負極担持体からなる負極活物質が、充
放電した際の負極とゲル状電解質との反応により、充電
状態の負極が自己放電したり、負極活物質の結晶構造が
崩壊したりしてしまうことを防止することから、放電容
量の劣化が抑制されて初回充放電効率の低下を防ぐ。
【0127】さらにまた、表1に示す評価結果から、負
極担持体を焼成する際の焼成温度を担持されたリチウム
化合物の融点に対して100℃加えた温度以下とする実
施例1〜実施例20では、負極担持体を焼成する際の焼
成温度を担持されたリチウム化合物の融点に対して10
0℃以上高くされた比較例8〜比較例10に比べて初回
充放電効率が大きいことがわかる。
【0128】比較例8〜比較例10では、負極担持体を
焼成する際の焼成温度が担持されたリチウム化合物の融
点に対して100℃以上高くされており、焼成温度が高
すぎることから、焼成によって担持されたリチウム化合
物が分解されてしまい人造黒鉛の表面にリチウム化合物
を担持させることが困難となる。これにより、比較例8
〜比較例10では、焼成処理によって人造黒鉛の表面に
担持されたリチウム化合物が分解されて殆ど無くなって
しまうことから、充電状態となった負極とゲル状電解質
とが反応し、この反応により充電状態の負極が自己放電
したり、負極活物質の結晶構造が崩壊したりして放電容
量が低下して初回充放電効率が小さくなってしまう。
【0129】これに対し、実施例1〜実施例20では、
負極担持体を焼成する際の焼成温度が担持されたリチウ
ム化合物の融点に対して100℃加えた温度以下にされ
ており、焼成温度が適切であることから、リチウム化合
物が分解されてしまうことがなく人造黒鉛全体にリチウ
ム化合物を均一に担持させることができる。これによ
り、実施例1〜実施例20では、焼成によって分解され
ることなく人造黒鉛全体に均一に担持されているリチウ
ム化合物が、充放電する際の負極とゲル状電解質との反
応により、充電状態の負極が自己放電することや、負極
活物質の結晶構造が崩壊してしまうことを防止すること
から、放電容量の劣化が抑制されて初回充放電効率の低
下を防ぐ。
【0130】以上のことから、電池を製造するに際し
て、人造黒鉛の表面にリチウム化合物を担持させて負極
担持体を負極活物質として負極に用いることは、初回充
放電効率に優れた電池を製造する上で大変有効である。
【0131】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、二種類以上の溶液を混合することで生成され
たリチウム化合物が負極担体の表面に担持された負極担
持体からなる負極活物質を用いており、リチウム化合物
が、充電状態の負極の自己放電や、電池反応による負極
活物質の結晶構造の崩壊を抑制することから、電池容量
特性、エネルギー密度特性、サイクル特性に優れた負極
活物質及び電池を得ることができる。
【0132】本発明によれば、二種類以上の溶液を混合
することでリチウム化合物が生成され、このリチウム化
合物を複雑な手段を用いることなく容易に負極担体の表
面に担持させた負極担持体からなる負極活物質が得られ
ることから、電池特性を向上させる負極活物質を簡単に
得ることが可能であり、この負極活物質を用いた電池の
製造歩留まりを向上させると共に電池の製造コストを低
減させることできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリチウムイオン二次電池の縦断面
図である。
【図2】同固体電解質電池を示しており、同図(a)は
縦断面図であり、同図(b)は透視平面図である。
【符号の説明】
1 リチウムイオン二次電池、2 正極、3 負極、4
セパレータ、5 電池素子、6 電池缶、20 固体
電解質電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成瀬 義明 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ05 AJ14 AK02 AK03 AK05 AL06 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ02 CJ08 CJ13 CJ23 CJ28 DJ08 DJ16 EJ05 EJ07 HJ01 HJ14 5H050 AA07 AA08 AA19 BA17 CA02 CA07 CA11 CA22 CA23 CB07 DA03 DA09 EA11 EA12 FA04 FA17 FA18 GA02 GA10 GA13 GA23 GA27 HA01 HA14

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池の負極に用いられる負極活物質にお
    いて、 負極担体の表面に、少なくともリチウムを含有する化合
    物溶液を含む二種類以上の溶液を混合することによって
    生成されたリチウム化合物が担持されている負極担持体
    からなることを特徴とする負極活物質。
  2. 【請求項2】 上記リチウム化合物が、フッ化リチウ
    ム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウムのう
    ち、何れか一種又は複数種の混合物であることを特徴と
    する請求項1記載の負極活物質。
  3. 【請求項3】 上記リチウム化合物が、上記負極担持体
    全体に対して0.01重量%〜20重量%の範囲で上記
    負極担体に担持されていることを特徴とする請求項1記
    載の負極活物質。
  4. 【請求項4】 上記負極担持体が、減圧雰囲気中又は不
    活性気体雰囲気中で焼成されていることを特徴とする請
    求項1記載の負極活物質。
  5. 【請求項5】 電池の負極に用いられる負極活物質の製
    造方法において、 少なくともリチウムを含有する化合物溶液を含む二種類
    以上の溶液のうち、何れか一種又は複数種の溶液に、負
    極担体を懸濁させる懸濁工程と、 上記負極担体を含有している溶液に残りの溶液を混合さ
    せることによって得られたリチウム化合物を、上記負極
    担体の表面に担持させて負極担持体を生成する担持工程
    とを有することを特徴とする負極活物質の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記懸濁工程においては、上記二種類以
    上の溶液として、リチウムを含有する化合物溶液以外
    に、リチウム以外のアルカリ金属、アルカリ金属化合物
    のうち何れか一種又は複数種を含有する溶液を用いるこ
    とを特徴とする請求項5記載の負極活物質の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記懸濁工程においては、上記二種類以
    上の溶液に水と、有機溶剤と、界面活性剤とによる混合
    溶媒を用いることを特徴とする請求項5記載の負極活物
    質の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記界面活性剤には、非イオン界面活性
    剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤のうち何
    れか一種又は複数種を混合して用いることを特徴とする
    請求項7記載の負極活物質の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記懸濁工程においては、上記二種類以
    上の溶液として、リチウムを含有する化合物溶液以外
    に、沈殿剤を含有する溶液を用いることを特徴とする請
    求項5記載の負極活物質の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記沈殿剤には、テトラメチルアンモ
    ニウムヒドロキシドを用いることを特徴とする請求項9
    記載の負極活物質の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記二種類以上の溶液には、水と、有
    機溶剤と、界面活性剤とを含有する混合溶媒を用いるこ
    とを特徴とする請求項9記載の負極活物質の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記担持工程においては、上記負極担
    体の表面に上記リチウム化合物としてフッ化リチウム、
    炭酸リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウムのうち何
    れか一種又は複数種の混合物を担持させることを特徴と
    する請求項5記載の負極活物質の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記担持工程においては、上記リチウ
    ム化合物を上記負極担持体全体に対して0.01重量%
    〜20重量%の範囲で上記負極担体に担持させることを
    特徴とする請求項5記載の負極活物質の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記担持工程の後に、更に上記負極担
    持体を、減圧雰囲気中又は不活性気体雰囲気中、所定の
    焼成温度で焼成させる焼成工程を有することを特徴とす
    る請求項5記載の負極活物質の製造方法。
  15. 【請求項15】 上記焼成工程においては、上記焼成温
    度を200℃以上、担持された上記リチウム化合物の融
    点に対して100℃加えた温度以下の範囲にすることを
    特徴とする請求項14記載の負極活物質の製造方法。
  16. 【請求項16】 正極活物質を有する正極と、負極活物
    質を有する負極と、非水電解質とを備え、 上記負極活物質が、その基体となる負極担体の表面に、
    少なくともリチウムを含有する化合物溶液を含む二種類
    以上の溶液を混合することによって生成されたリチウム
    化合物を担持させた負極担持体からなることを特徴とす
    る電池。
  17. 【請求項17】 上記負極活物質においては、上記負極
    担体の表面に担持される上記リチウム化合物がフッ化リ
    チウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウム
    のうち、何れか一種又は複数種の混合物であることを特
    徴とする請求項16記載の電池。
  18. 【請求項18】 上記負極活物質においては、上記負極
    担体の表面に担持される上記リチウム化合物が上記負極
    担持体全体に対して0.01重量%〜20重量%の範囲
    で担持されていることを特徴とする請求項16記載の電
    池。
  19. 【請求項19】 上記負極担持体が、減圧雰囲気中又は
    不活性気体雰囲気中で焼成されていることを特徴とする
    請求項16記載の電池。
  20. 【請求項20】 正極活物質を有する正極を作製する正
    極工程と、 負極活物質を有する負極を作製する負極工程と、 上記正極と、上記負極と、非水電解質とを電池外装材に
    一括して封入する封入工程とを有し、 上記負極工程においては、 少なくともリチウムを含有する化合物溶液を含む二種類
    以上の溶液のうち、何れか一種又は複数種の溶液に、上
    記負極活物質の基体となる負極担体を懸濁させる懸濁工
    程と、 上記負極担体を含有している溶液に残りの溶液を混合さ
    せることによって得られたリチウム化合物を、上記負極
    担体の表面に担持させた負極担持体を生成する担持工程
    とを経ることによって上記負極活物質を作成することを
    特徴とする電池の製造方法。
  21. 【請求項21】 上記懸濁工程においては、上記二種類
    以上の溶液として、リチウムを含有する化合物溶液以外
    に、リチウム以外のアルカリ金属、アルカリ金属化合物
    のうち何れか一種又は複数種を含有する溶液を用いるこ
    とを特徴とする請求項20記載の電池の製造方法。
  22. 【請求項22】 上記懸濁工程においては、上記二種類
    以上の溶液に水と、有機溶剤と、界面活性剤とによる混
    合溶媒を用いることを特徴とする請求項20記載の電池
    の製造方法。
  23. 【請求項23】 上記界面活性剤には、非イオン界面活
    性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤のうち
    何れか一種又は複数種を混合して用いることを特徴とす
    る請求項22記載の電池の製造方法。
  24. 【請求項24】 上記懸濁工程においては、上記二種類
    以上の溶液として、リチウムを含有する化合物溶液以外
    に、沈殿剤を含有する溶液を用いることを特徴とする請
    求項20記載の電池の製造方法。
  25. 【請求項25】 上記沈殿剤には、テトラメチルアンモ
    ニウムヒドロキシドを用いることを特徴とする請求項2
    4記載の電池の製造方法。
  26. 【請求項26】 上記二種類以上の溶液には、水と、有
    機溶剤と、界面活性剤とを含有する混合溶媒を用いるこ
    とを特徴とする請求項24記載の電池の製造方法。
  27. 【請求項27】 上記担持工程においては、上記負極担
    体の表面に、上記リチウム化合物としてフッ化リチウ
    ム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウムのう
    ち何れか一種又は複数種の混合物を担持させることを特
    徴とする請求項20記載の電池の製造方法。
  28. 【請求項28】 上記担持工程においては、上記負極担
    体の表面に、上記リチウム化合物を上記負極担持体全体
    に対して0.01重量%〜20重量%の範囲で担持させ
    ることを特徴とする請求項20記載の電池の製造方法。
  29. 【請求項29】 上記負極工程においては、担持工程の
    後に、更に上記負極担持体を、減圧雰囲気中又は不活性
    気体雰囲気中、所定の焼成温度で焼成させる焼成工程を
    有することを特徴とする請求項20記載の電池の製造方
    法。
  30. 【請求項30】 上記焼成工程においては、上記焼成温
    度を200℃以上、担持された上記リチウム化合物の融
    点に対して100℃加えた温度以下の範囲にすることを
    特徴とする請求項29記載の電池の製造方法。
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