JP2008150676A - 硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法 - Google Patents

硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法 Download PDF

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【課題】母材を傷めることなく安価かつ容易に硬質皮膜コーティングを除去して硬質皮膜コーティング金属部材の再生を行うことができる硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法を提供する。
【解決手段】PVDやCVDによる硬質皮膜コーティングが施された金属部材を、ハロゲン系ガスが存在する雰囲気中において加熱保持し、表面の硬質皮膜コーティングをハロゲン化物とすることにより除去する工程を備えたことにより、従来の薬液処理に比べて大幅に短い時間で硬質皮膜コーティングを除去し、金属部品の再生を行うことができる。また、従来のようにプラズマ雰囲気ではなく、加熱雰囲気を利用するため、高価な設備が不要で極めて安価に再生処理を行うことができる。さらに、母材が超硬合金であっても従来の薬液処理のようにCo溶出による母材の損傷や粗れが生じないため、再生後の金属部品の耐磨耗性等に悪影響を及ぼさない。
【選択図】なし

Description

本発明は、切削工具や成形工具等のPVDやCVDによる硬質皮膜コーティングが施された金属部材の再生方法に関するものである。
近年、高速度工具鋼や超硬合金の表面に窒化チタンや炭化チタンなどTi系皮膜など、またはCrN,AlN,SiN,BN,TiAlN,TiCN,CrAlN,TiSiN,CrSiNなどの膜やTiN/TiCN/TiN,TiN/TiAlNなどの多層膜を硬質皮膜コーティングすることで、耐摩耗性を向上させた切削工具が多用されるようになっている。また、切削工具だけでなく、ダイス鋼の表面に同様の硬質皮膜コーティングを施し、ダイス、パンチ、金型等の成形工具も多く用いられるようになっている。
このような工具類は、使用するにしたがってコーティングが劣化したり摩滅したりするので、必要に応じてコーティングを除去して再研磨や再コーティングを行って再生し、新品と同様の状態にしてリサイクルして利用する方法が行われつつある。
このようなリサイクル利用におけるTi系皮膜などの除去は、例えば、下記の特許文献1に開示されているように、過酸化水素や水酸化アルカリを含む薬液に浸漬することにより除去することが行われている(例えば、下記の特許文献1)。また、このような薬液処理以外に、高濃度のフッ素系ガスを含むプラズマ中にコーティング工具類を晒すことにより窒化物コーティングを除去する方法も提案されている(例えば、下記の特許文献2)
特開2002−212764号 特許第2903607号
しかしながら、薬液への浸漬で硬質皮膜コーティングを除去するには、少なくとも12時間以上浸漬しておく必要があり、極めて時間効率が悪いという問題がある。しかも、母材が超硬合金からなる場合、薬液への浸漬によってCo等の溶出が起こり、母材を傷め表面粗れを引き起こすため、超硬合金製の工具類には実質的に薬液処理を適用することができなかった。一方、プラズマ雰囲気内に工具類を晒す方法では、高価なプラズマ処理設備が必要になるため、結果的に処理コストが跳ね上がってしまうという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、母材を傷めることなく安価かつ容易に硬質皮膜コーティングを除去して硬質皮膜コーティング金属部材の再生を行うことができる硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法の提供を目的とする。
すなわち、本発明の硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法は、PVDやCVDによる硬質皮膜コーティングが施された金属部材を、ハロゲン系ガスが存在する雰囲気中において加熱保持し、表面の硬質皮膜コーティングをハロゲン化物とすることにより除去する工程を備えたことを要旨とする。
すなわち、本発明の硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法は、PVDやCVDによる硬質皮膜コーティングが施された金属部材を、ハロゲン系ガスが存在する雰囲気中において加熱保持する。そして、表面の硬質皮膜コーティングをハロゲン化物とすることにより除去する。このため、従来の薬液処理に比べて大幅に短い時間で硬質皮膜コーティングを除去し、金属部品の再生を行うことができる。そして、硬質皮膜コーティングが除去された金属部材は、必要に応じて再研磨を行ったり再コーティングを行って再利用することができる。また、本発明の硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法は、従来のようにプラズマ雰囲気ではなく、加熱雰囲気を利用するため、高価な設備が不要で極めて安価に再生処理を行うことができる。さらに、母材が超硬合金であっても従来の薬液処理のようにCo溶出による母材の損傷や粗れが生じないため、再生後の金属部品の耐磨耗性等に悪影響を及ぼさない。
本発明において、上記加熱保持は金属部材をプラズマ中に晒さないで行う場合には、高価なプラズマ発生設備が不要で、極めて安価に再生処理を行うことができる。
本発明において、上記加熱保持の温度は100℃を超え500℃以下である場合には、硬質皮膜コーティングを十分に除去することができ、かつ不必要に高温保持することによる母材の軟化等を防止する。
本発明において、上記加熱保持の時間は15分以上である場合には、硬質皮膜コーティングを十分に除去することができる。
本発明において、上記加熱保持の際の圧力は大気圧近傍である場合には、大気圧の加熱炉内をハロゲン系ガスでパージして加熱保持すればよいことから、容易かつ安価に再生処理を行うことができる。
なお、本発明において「大気圧近傍」とは、−200PaG〜200PaGの範囲内の圧力をいう。
本発明において、上記ハロゲン系ガスがNF系ガスである場合には、反応性、取り扱い性等の面で優れており、実用的である。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法は、PVDやCVDによる硬質皮膜コーティングが施された金属部材を、ハロゲン系ガスが存在する雰囲気中において加熱保持し、表面の硬質皮膜コーティングをハロゲン化物とすることにより除去する工程を備えている。
本発明が対象とする金属部材としては、例えば、バイト、スローアウェイチップ、リーマ、ドリル、エンドミル等の切削工具や、熱間鍛造金型、冷間鍛造金型、射出成形金型、引き抜き用ダイス、押出し用ダイス、プレス用ダイス、プレス用パンチ等の成形工具等の工具類や、一部の機械部品等をあげることができるが、これらに限定するものではない。
本発明が対象とする硬質皮膜コーティングは、例えば、チタン、クロム、タングステン、ジルコニウム、アルミニウム等の窒化物、炭化物、炭窒化物、ほう化物、酸化物等をあげることができる。具体的には、TiC,TiN,Ti(CN),TiB,TiAlN,TiCrN,TiSiN,Al,AlN,TiB,CrAlN,CrSiN,WC,WC,SiC,SiN,Si,SiO,BN,C−BN,MoSi2等各種のコーティング物質を対象とすることができる。これらのなかでも、工具類等に耐摩耗性を付与するための耐磨耗コーティング物質として、TiC,TiN,Al,TiB,WC,WC,SiC等各種のコーティング物質を好適に対象とすることができる。
これらの硬質皮膜コーティングとしては、例えば真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の物理蒸着法(PVD法)、熱CVD、プラズマCVD等の気相成長法等、各種の気相コーティング法により形成されたものを対象とすることができる。
上記硬質皮膜コーティングが施される母材としては、例えば、切削用工具鋼、耐摩不変形用工具鋼、耐衝撃用工具鋼、熱間加工用工具鋼、高速度鋼等の各種工具鋼や、超硬合金等をあげることができる。特に、母材が超硬合金からなる場合には、Coの溶出による表面粗れのために薬液処理ができないので効果的である。
本発明に用いるハロゲン系ガスとしては、例えば、塩素系ガス、フッ素系ガス、臭素系ガス,ヨウ素系ガス等をあげることができる。
上記塩素系ガスとしては、例えば、BCl,Cl,CCl等の塩素化合物からなる主成分ガスをNガス等の希釈ガスで希釈して塩素系ガスとして使用することができる。また、上記主成分ガスは、希釈ガスで希釈しない状態で使用することも可能である。
上記フッ素系ガスとしては、例えば、NF,BF,CF、SF,CHF,C等のフッ素化合物からなる主成分ガスをNガス等の希釈ガスで希釈してフッ素系ガスとして使用することができる。また、上記主成分ガスは、希釈ガスで希釈しない状態で使用することも可能である。これらフッ素系ガスに用いられる主成分ガスのうち、反応性、取り扱い性等の面でNFが最も優れており、実用的である。
上記臭素系ガスとしては、例えば、HBr,Br,BBr,COBr,SBr等の臭素化合物からなる主成分ガスをNガス等の希釈ガスで希釈して臭素系ガスとして使用することができる。また、上記主成分ガスは、希釈ガスで希釈しない状態で使用することも可能である。
上記ヨウ素系ガスとしては、IF、IF、IF、ICl、ICl、IBr、IBr等のインターハロゲン化合物、CIF、CI、CIF、CI等の炭化物、SiI等のケイ化物、CHI、CHOI等のアルキル化合物やアルコキシ化合物、CFI、HI、そしてI等、室温領域で気体あるいは気化しやすい化合物等からなる主成分ガスをNガス等の希釈ガスで希釈してヨウ素系ガスとして使用することができる。また、上記主成分ガスは、希釈ガスで希釈しない状態で使用することも可能である。
上記塩素系ガス、フッ素系ガス、臭素系ガス等のハロゲン系ガスは、単独で用いることもできるし、2種類以上を混合して用いることもできる。
本発明では、上記硬質皮膜コーティングが施された金属部材を、ハロゲン系ガスが存在する雰囲気中において加熱保持する。この加熱保持により、表面の硬質皮膜コーティングをハロゲン化物とすることにより除去することが行われる。
上記加熱保持の際の圧力は大気圧近傍とすることができる。大気圧近傍で加熱保持するときは、所定温度に加熱した炉内に処理対象の金属部材を装入し、炉内圧力を大気圧近傍に保持しながら炉内にハロゲン系ガスを導入してパージし、さらに所定時間保持することが行われる。このとき炉内に導入されるハロゲン系ガスは、主成分ガスを希釈ガスで希釈したガスを導入することがおこなわれる。ここで、上記大気圧近傍の圧力とは、−200Pa〜200Paの範囲内の圧力をいう。
希釈ガスで希釈されたハロゲン系ガス中の主成分ガスの濃度は、2容量%以上20容量%以下程度が好ましい。2容量%未満では硬質皮膜コーティングを除去するのに時間を要してしまい、20容量%を超えてもそれほどの時間短縮や効率アップが望めないからである。
また、加熱保持の際の圧力は、減圧雰囲気とすることもできる。減圧雰囲気で加熱保持するときは、所定温度に加熱した炉内に処理対象の金属部材を装入し、炉内を真空ポンプで減圧したのち炉内にハロゲン系ガスを導入し、さらに所定時間保持することが行われる。このとき炉内に導入されるハロゲン系ガスは、主成分ガスを希釈ガスで希釈しないか、主成分ガスの濃度を2容量%以上としたガスを導入することがおこなわれる。ここで、上記減圧雰囲気の圧力は、上記大気圧近傍圧力未満で1kPaまでの範囲内の圧力である。
このように、上記加熱保持は、金属部材をプラズマ中に晒さないで行う。このため、プラズマ発生装置等の設備のない雰囲気炉により処理が可能となるため、設備の兼用や流用が容易であり、コストを大幅に節減することができる。
また、上記加熱保持の温度は100℃を超え500℃以下とするのが好ましい。100℃以下であると硬質皮膜コーティングを除去するのに時間を要し、500℃を超えてもそれほどの時間短縮や処理効率の向上を望めないうえ、高温保持による母材の軟化が生じるおそれがあるからである。
ハロゲン系ガスとして塩素系ガスを使用した場合は、上記加熱保持の温度を、100〜400℃℃とするのが好ましい。また、上記ハロゲン系ガスとして塩素系ガス以外のハロゲン系ガスを使用した場合は、上記加熱保持の温度を、150〜500℃とするのが好ましい。
上記加熱保持の時間は、15分以上とするのが好ましい。15分未満では、硬質皮膜コーティングの除去が十分行われないおそれがあるからである。加熱保持時間は長いほうが硬質皮膜コーティングの除去が進むのであるが、硬質皮膜コーティングが除去されているのに加熱し続けても意味がない。したがって加熱時間は、15分を下限とし、硬質皮膜コーティングの種類、厚み、ハロゲン系ガスの濃度、加熱温度等の諸条件に応じて適宜決定されるが、おおむね最大6時間程度まで、通常は2〜3時間程度までで終了する。
このように、硬質皮膜コーティングが施された金属部材をハロゲン系ガスが存在する雰囲気中で加熱保持し、表面の硬質皮膜コーティングをハロゲン化物とすることにより除去する。
一例をあげると、例えば、TiNコーティングをNFガス雰囲気中に加熱保持すると、下記の式(1)に示すようにTiFが生成する。TiFは蒸気圧が高いため、生成されるとほぼ同時に蒸発する。このようにして、母材表面からTiNコーティングが除去される。
6TiN+8NF→6TiF+7N…(1)
また、CrNコーティングをNFガス雰囲気中に加熱保持すると、下記の式(2)に示すようにCrFが生成する。CrFは脆くて弱いため、生成されるとパラパラと表面から剥離する。このようにして、母材表面からCrNコーティングが除去される。
CrN+NF→CrF+N…(2)
このように硬質皮膜コーティングを除去した後は、必要に応じて再研磨処理、再コーティング処理を行い、工具類や機械部品として再生する。
つぎに、実施例について説明する。
〔実施例1〕
<試験材1>:ダイス用超硬合金(WC;90重量%、Co;10重量%)JIS V30相当の金型表面にイオンプレーティング法により膜厚2μmのTiN皮膜を形成した。
この試験材1を、10容量%NF、90容量%N雰囲気の炉内において240℃×30分間処理し、超硬合金金型表面からTiN皮膜を剥離・除去した。
〔実施例2〕
<試験材2>:超硬合金(WC;71重量%、TiC;9重量%、TiN;0.5重量%、TaC;10重量%、Co;9.5重量%)JIS P30相当のスローアウェイチップ表面にCVD法により膜厚3μmのTiN−TiCN皮膜を形成した。
この試験材2を、5容量%NF、95容量%N雰囲気の炉内において300℃×60分間処理し、超硬合金金型表面からTiN−TiCN皮膜を剥離・除去した。
〔実施例3〕
<試験材3>:ダイス用超硬合金(WC;85重量%、Co;15重量%)JIS V50相当の金型表面にイオンプレーティング法により膜厚2μmのTiN−TiSiN皮膜を形成した。
この試験材3を、10容量%NF、90容量%N雰囲気の炉内において350℃×90分間処理し、超硬合金金型表面からTiN−TiSiN皮膜を剥離・除去した。
〔実施例4〕
<試験材4>:切削工具用超硬合金(WC;90重量%、Co;10重量%)JIS K20相当のリーマ表面にイオンプレーティング法により膜厚2μmのTiAlN皮膜を形成した。
この試験材4を、10容量%NF、90容量%N雰囲気の炉内において350℃×90分間処理し、超硬合金金型表面からTiAlN皮膜を剥離・除去した。
〔実施例5〕
上記試験材1の成膜試料を新品膜としてスクラッチ試験に供した。一方、上記試験材1の成膜試料を、10容量%NF、90容量%N雰囲気の炉内において240℃×30分間処理し、超硬合金金型表面からTiN皮膜を剥離・除去した。その後、全く同一の成膜条件でTiNを再コーティングし、スクラッチ試験に供した。
スクラッチ試験は、ナノテック社製CSEM REVETESTスクラッチ試験機を用いた。試験結果を図1に示す。図1からわかるように、膜剥離の臨界荷重Lc値の測定結果は両者とも75Nであり、除膜再コーティングの場合でも膜の密着性は新品と同様であることがわかった。
〔比較例1〕
上記試験材1,2,3について、35%溶液の過酸化水素水−ニトロ化合物−アンモニア水−アミン化合物で形成された市販の剥離液に、22℃で20時間浸漬した。
〔比較例2〕
上記試験材4について、剥離剤35%溶液の過酸化水素水−アンモニア水−アミン化合物で形成された市販の剥離液に、20℃で48時間浸漬した。
〔比較例3〕
上記試験材1について、剥離剤35%溶液の過酸化水素水−水酸化ナトリウム−EDTA等で形成された市販の剥離液に、20℃で14時間浸漬した。
上記各実施例および比較例について、硬質皮膜のコーティング前と皮膜除去後について表面粗さを測定した結果を下記の表1に示す。表1から明らかなように、比較例に比べて実施例については皮膜除去後の表面粗さが小さいレベルにあることがわかる。
Figure 2008150676
以上のように、本発明の硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法は、従来の薬液処理に比べて大幅に短い時間で硬質皮膜コーティングを除去し、金属部品の再生を行うことができる。そして、硬質皮膜コーティングが除去された金属部材は、必要に応じて再研磨を行ったり再コーティングを行って再利用することができる。また、本発明の硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法は、従来のようにプラズマ雰囲気ではなく、加熱雰囲気を利用するため、高価な設備が不要で極めて安価に再生処理を行うことができる。さらに、母材が超硬合金であっても従来の薬液処理のようにCo溶出による母材の損傷や粗れが生じないため、再生後の金属部品の耐磨耗性等に悪影響を及ぼさない。
また、上記加熱保持は金属部材をプラズマ中に晒さないで行う場合には、高価なプラズマ発生設備が不要で、極めて安価に再生処理を行うことができる。
また、上記加熱保持の温度は100℃を超え500℃以下である場合には、硬質皮膜コーティングを十分に除去することができ、かつ不必要に高温保持することによる母材の軟化等を防止する。
また、上記加熱保持の時間は15分以上である場合には、硬質皮膜コーティングを十分に除去することができる。
また、上記加熱保持の際の圧力は大気圧近傍である場合には、大気圧の加熱炉内をハロゲン系ガスでパージして加熱保持すればよいことから、容易かつ安価に再生処理を行うことができる。
また、上記ハロゲン系ガスがNF系ガスである場合には、反応性、取り扱い性等の面で優れており、実用的である。
実施例5のスクラッチ試験の試験結果である。

Claims (6)

  1. PVDやCVDによる硬質皮膜コーティングが施された金属部材を、ハロゲン系ガスが存在する雰囲気中において加熱保持し、表面の硬質皮膜コーティングをハロゲン化物とすることにより除去する工程を備えたことを特徴とする硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法。
  2. 上記加熱保持は金属部材をプラズマ中に晒さないで行う請求項1記載の硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法。
  3. 上記加熱保持の温度は100℃を超え500℃以下である請求項1または2記載の硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法。
  4. 上記加熱保持の時間は15分以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法。
  5. 上記加熱保持の際の圧力は大気圧近傍である請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法。
  6. 上記ハロゲン系ガスがNF系ガスである請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬質皮膜コーティング金属部材の再生方法。
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