JP2008149497A - 製本装置及びこれを備えた画像形成システム - Google Patents

製本装置及びこれを備えた画像形成システム Download PDF

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Abstract

【課題】シート束に表紙シートをくるみ綴じ製本する際に、背表紙の肩部から接着剤漏れ或いは接着不足を引き起こすことを解決する。
【解決手段】集積手段からのシート束に順次製本処理を施す製本経路と、上記製本経路に配置されシート束を糊塗布位置、表紙綴じ位置の順に移送する束搬送手段と、シート束の背部に表接着剤を塗布する糊塗布手段と、表紙綴じ位置に表紙シートを給送する表紙給送経路と、上記表紙綴じ位置に配置され糊塗布されたシート束と表紙シートとを綴じ合わせる表紙綴じ手段と、この表紙綴じ手段を制御する綴じ処理制御手段とを備える。そして上記表紙綴じ手段は、背折プレス部材と背当プレート部材とで構成し、上記背当プレート部材はシート束の背部との間に表紙シートを挟んで少許の間隙を形成するように背当プレート部材の下流側に配置し、シート束背部と上記背当プレート部材との間の間隙は大小調節自在に構成する。
【選択図】図6B

Description

本発明は画像形成装置などで画像形成されたシートを部揃えし、このシート束の背部に接着剤を塗布して表紙シートに綴じ合わせて装丁する製本装置に係わり、背部に糊付けしたシート束を表紙シートの中央部に接合してこの表紙シートを背折りしてくるみ綴じ製本する製本装置に関する。
一般にこの種の製本装置は、プリンタ、印刷機などの画像形成システムの端末装置として、画像形成されたシートをページ順に積重ねて束状に部揃えした後、その端面を糊付けして表紙シートに綴じ合せる自動整本システム、或いは給紙口から供給された印刷シートを部揃えして表紙シートと綴じ合わせる製本装置として広く使用されている。特に最近電子出版などのオンデマンド印刷として、所定の文書類の印刷と同時に、これを自動的に綴じ合わせて表装して冊子状に仕上げる印刷と製本処理を同時に実行するシステムが知られている。
このようなシステムとして例えば特許文献1には、画像形成システムから出力されたシートを自動的に製本仕上げする装置構成が開示されている。同文献には、画像形成システムから出力されたシートを、その排紙口から受取ってシート搬入経路に導き、この経路の下流に設けた載置トレイに集積し、このトレイに集積された水平姿勢のシート束を90度旋回させて垂直姿勢で糊付け装置に導いて塗布処理する。そしてこの糊付けされたシート束を画像形成システム或いはインサータ装置から供給した表紙シートと一緒に折り畳んで綴じ合わせるシステム装置が開示されている。
従来このような製本システムにおける製本方法は、背部に糊付けしたシート束をこれと直交する方向から搬入された表紙シートの中央に接合し、この表紙シートを折り合わせて冊子状シートを形成するくるみ綴じ製本が知られている。この場合、中央にシート束を接合した表紙シートを左右一対の背折ブロックでプレス成形して背部を形成している。従って左右一対の背折ブロックはプレス型形状に形成され、中央の背折位置を基準に左右距離を隔てた待機位置から互いに接近して中央の背折位置で表紙シートの背部を折り合わせる構造を採用している。
そして、特許文献2には接着剤を塗布したシート束に表紙シートを綴じ合わせた後、この接着剤を冷却して固化する冷却時間をシート束の厚さに応じて調整することが開示されている。そして同公報には製本綴じ工程から後続する裁断処理工程までの時間を接着剤の冷却時間としてこの時間を調整している。
特開2004−209869号公報 特開2005−104063号公報
上述のようにシート束の背部に熱溶融性の接着剤を塗布して表紙シートに逆T字状に接合し、この状態でプレス部材によって表紙シートの背部を背折り成型すると次の問題が起きる。接着剤層が必要以上に厚いと背折りプレス時に背表紙の両肩部(図13のk1、k2)から裏表紙側に余剰の接着剤が漏れ出すことがある。この状態を図13(a)に示すが表紙シートの表表紙の内側が中綴じシート(印刷シート)の冒頭ページに、裏表紙の内側が中綴じシートの巻末ページにそれぞれ添着され表装ミスを招くことがある。また接着剤層を必要以上に薄くすると同図(b)に示すように背折り肩部(k1、k2)で表紙シートと中綴じシートとが接着されない状態で表装品位が劣り、或いは落丁の問題がある。
このような問題に対し従来は、束状の中綴じシートに適正な接着剤層を形成するように糊塗布手段を例えばシート束の厚さに応じて塗布する接着剤量を調整している。このような接着剤層の厚さ調整にも拘わらず背折り肩部の接着剤漏れ或いは接着剤不足が生ずることがある。特に接着剤漏れが多いときには背表紙部に皺或いは背折り縁が歪曲するため表装品位が悪くなり、肩部の接着不足は落丁などの重要な問題をもたらす。
そこで本発明者は背折り肩部の接着剤の漏出と接着不足を型押し成形する背折プレス部材と表紙シートをバックアップ支持する背当プレート部材との関係で、表紙シートが厚いときには肩部から接着剤の漏れ出しが多く、また表紙シートが薄いときには肩部の接着不足が多いことを究明するに至った。
本発明は、束状に部揃えしたシート束に表紙シートをくるみ綴じ製本する際に、背表紙の肩部から接着剤漏れ或いは接着不足を引き起こすことがなく製本品位に優れた製本装置の提供をその課題としている。
更に、本発明は表紙シートを背折り成形する際に背表紙の領部折り目が歪曲し、或いは皺が生ずることのない製本装置及びこれを備えた画像形成システムの提供をその課題としている。
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を採用する。順次給送されるシートを束状に集積する集積手段22と、上記集積手段22からのシート束に順次製本処理を施す製本経路P5と、上記製本経路P5に配置され上記シート束を糊塗布位置X、表紙綴じ位置Kの順に移送する束搬送手段30と、上記糊塗布位置Xに配置されシート束の背部に接着剤を塗布する糊塗布手段51と上記製本経路P5と交差し、上記表紙綴じ位置Kに表紙シートを給送する表紙給送経路P4と、上記表紙綴じ位置Kに配置され上記糊塗布されたシート束と表紙シートとを綴じ合わせる表紙綴じ手段65と、この表紙綴じ手段65を制御する表紙綴じ制御手段80とを備える。
そして上記表紙綴じ手段65は、上記表紙綴じ位置Kでシート束の背部に表紙シートを背折り表装する背折プレス部材65a、65bと、表紙シートをバックアップ支持する背当プレート部材64とで構成し、上記背当プレート部材64はシート束の背部との間に表紙シートを挟んで少許の間隙Gbを形成するように上記背折プレス部材の下流側に配置し、上記表紙綴じ位置Kにおけるシート束背部と上記背当プレート部材との間の間隙Gbは大小調節自在に構成し、上記表紙綴じ制御手段80は上記背折プレス部材65a、65bで上記表紙シートを背折りする際に、上記背当プレート部材64と上記シート束背部との間の間隙Gbを表紙シートの厚さに応じて調節する。
上記表紙綴じ制御手段80は、上記表紙綴じ位置Kにおける背当プレート部材64とシート束背部との間の間隙Gbを調節する際に、(1)上記束搬送手段30で上記表紙綴じ位置Kにシート束を移送する搬送量を大小調節するか、又は(2)上記背当プレート部材64の位置を上下移動する。
上記表紙給送経路P4には表紙シートの厚さを検出する表紙厚さ検出手段th1を配置し、上記表紙綴じ制御手段80は表紙厚さ検出手段th1からの検出情報に基づいて背当プレート部材64と上記シート束背部との間の間隙Gbを調整する。
上記表紙綴じ制御手段80は表紙シートの厚さを入力する入力手段83を備え、この入力手段83から入力された表紙厚さ情報に基づいて背当プレート部材64とシート束背部との間の間隙Gbを調整する。
上記表紙綴じ制御手段80は、背当プレート部材64とシート束背部との間の間隙Gbを表紙シートの厚さが厚いときには大きく、薄いときには小さく設定する。
上記集積手段22又は上記束搬送手段30にはシート束の厚さを検出する束厚さ検出手段が備えられ、上記糊塗布手段51は上記束厚さ検出手段からのシート束厚さに応じてシート束の背部に塗布する接着剤量を大小調節する。
上記背当プレート部材64には接着剤を冷却固化する冷却手段が備えられ、上記表紙綴じ制御手段は、背当プレート部材64を表紙シートから離間した非接触状態で背折プレス部材65a、65bを制御して背折り処理し、この背折り処理後に上記表紙折りされた表紙シートを背当プレート部材64に当接して接着剤を冷却固化する。
順次シート上に画像形成する画像形成手段を有する画像形成装置と、上記画像形成手段からのシートを束状に部揃えして接着剤を塗布し、表紙シートで表装する製本装置とを備え、上記製本装置は上述の構成を備える。
本発明は接着剤を塗布した中綴じシート束を表紙シートでくるみ製本するために、背折プレス部材で表紙シートを背折りプレス成形する際に、中綴じシート束の背部端面と表紙シートをバックアップ支持する背当プレート部材との間の間隔を表紙シートの厚さに応じて大小調節するようにしたものであるから、表紙シートと中綴じシート束の背部との間には紙厚さに関係なく所定厚さの接着剤層を形成することが出来る。つまり表紙シートが厚いときには中綴じシート束の背部端面と背当プレート部材との間隔を大きく、逆に表紙シートが薄いときには間隔を小さく設定することにより背当プレート部材でバックアップ支持される表紙シートと中綴じシートの背部端面との間には所定の間隙が形成され均一な接着剤層が形成される。
又、表紙シートの厚さを表紙給送経路で超音波センサ、ホトセンサなどで自動検出するか、或いは入力パネルから使用者が紙厚さ情報を入力することによって比較的簡単な構造で常に仕上がり品位に富んだ製本処理が可能となるなど本発明は顕著な効果を奏する。
以下図示の実施の好適な態様に基づいて本発明を詳述する。図1は本発明に係わる製本装置を備えた画像形成システムの全体構成を示す説明図であり、図2はその要部を拡大した要部説明図である。
本発明の製本装置Bは、例えば図1に示すような画像形成システムAに連結され、この画像形成システムAから画像形成されたシートを束状に部揃えし、このシート束の端面に糊などの接着剤を塗布し、これに表紙シートを接合して背折プレス成形して製本綴じする。この表紙シートはシート束の搬送経路と交差する方向から画像形成システム或いはインサータ装置から供給する。図1はこのような画像形成システムを示し、以下画像形成システムA、製本装置Bの順に説明する。
図示の画像形成システムAについて説明すると、この画像形成システムAはコンピュータ、ワードプロセッサなどのシステムに組込まれ、一連の文書をシート上に印刷して排紙口9から搬出する。この印刷手段としてはレーザ、インクジェット、オフセット印刷などの手段が採用可能である。図示のものは、静電ドラムなどの印刷ドラム10と、この印刷ドラム10にシートを供給する給紙カセット2と、印刷ドラム10に画像を形成するレーザなどの印刷ヘッド8と、現像器4と定着器5とから構成されている。給紙カセット2から所定サイズのシートを給紙経路3に供給し、この給紙経路3には印刷ドラム10が配置されている。この印刷ドラム10に印刷ヘッド8で静電潜像を形成し、この潜像に現像器4でトナーインクを付着する。この印刷ドラム10上に形成されたトナー像をシート上に転写した後、定着器5で定着して排紙口9から排出する。
図示6は反転経路で片面に画像印刷されたシートを表裏反転して再び印刷ドラム10に導きシートの裏面側に印刷するデュープレックスパスである。図示11は画像読取装置であり、原稿シートをセットするプラテンと、このプラテンに沿って往復動するスキャニングキャリッジと、このキャリッジで走査した原稿画像を光電変換するCCDなどの光電変換素子で構成されている。また図示12は原稿供給送置であり、上記プラテンに原稿を自動的に供給するため、原稿をセットするトレイと、このトレイから原稿を上記プラテンに案内する搬送経路と、排紙トレイとを備えている。上記画像読取装置11で読み取った原稿データは上記印刷ヘッド8のデータ記憶部に転送される。一方、このデータ記憶部はコンピュータ、ワードプロセッサなどの外部機器に接続され、この外部機器から原稿データの供給を受ける。
そこで本発明に係わる製本装置Bは、前記画像形成システムAの排紙口9から順次搬出されるシートをページ順に上下に積重ねて束状に部揃えする「シート集積手段C」と、このシート集積手段Cからシート束を製本経路P5に沿って移送する「束搬送ユニットD」と、製本経路P5の糊塗布位置Xに配置され上記シート束の一端背部に接着剤を塗布する「接着剤塗布手段E」と、上記糊塗布位置Xの下流側に配置された表紙綴じ位置Kに表紙シートを給送セットする「表紙シート搬送手段F」と、上記表紙綴じ位置Kに配置され表紙シートとシート束とを接合する「綴合せユニットG」と、製本仕上げされたシート束を収納する「収納スタックユニットH」とから構成されている。各構成について以下説明する。
「シート集積手段」
図1に示すように前述の画像形成システムAの排紙口9にはシート搬入経路P1が連結され、このシート搬入経路P1は略々水平方向に配置され、装置中央を横断するパスで構成されている。上記シート搬入経路P1には、表紙シートを給送するインサータ装置J(後述)の給紙経路P2と、上記画像形成システムAからのシートを搬送する中綴じシート搬送経路P3が連接してある。そしてこれらの経路分岐部には経路切換フラッパ15が設けられている。上記中綴じシート搬送経路P3は装置中央に配置されたシート搬入経路P1からシートを装置上方に案内するように配置され、その排紙口20には排紙ローラ(シート搬送手段)21、シートセンサSeが設けられている。
上記中綴じシート搬送経路P3の下流側には集積トレイ(集積手段;以下同様)22が排紙口20の下方に段差を形成して配置されている。この集積トレイ22にはシートガイド25と整合ローラ24と、シート後端を位置規制する後端規制部材23が配置されている。シートガイド25は排紙口20からシートを集積トレイ22上に案内するガイド部材で構成され、整合ローラ24はシートガイド25に沿ってトレイ上に進入したシートを排紙方向(図2左方向)に移送し、シート後端がトレイ上に進入した後は、逆方向(図2右方向)にシートをスイッチバックさせてその後端を後端規制部材23に突き当て整合する。このため整合ローラ24は正逆転可能な駆動モータM2に連結されている。また上記シートガイド25は集積トレイ22上のシートをスイッチバックさせて後端規制部材23に整合する際は排紙口20からトレイ上に移動してシートをガイドするように揺動自在に構成され図示しない作動ソレノイドなどの駆動手段が連結してある。
また上記集積トレイ22には図示しないがシートの幅方向姿勢を幅寄せ整合する整合手段が備えられている。この整合手段はシートを片側基準若しくはセンタ基準で幅寄せするように例えば左右一対の整合板をトレイ上に幅方向に移動自在に配置し、少なくともいずれか一方の整合板を駆動モータなどで往復移動させるように構成する。上述の積載トレイ22は装置フレームに固定して装備しても良いが図示のものは図1上下方向に積載位置と搬出位置との間で昇降可能に装置フレームに取り付けてある。そして集積トレイ22側に設けたラック歯車28をトレイ昇降モータM4に連結したピニオン27に歯合し、トレイ昇降モータM4の正逆転で集積トレイ22を積載位置(図1実線)と搬出位置(図1破線)との間で昇降移動するようになっている。従って集積トレイ22上に集積されたシートは積載位置から矢印a方向に降下移動し、次いで矢印b方向に移送して後続する束搬送手段30に転送されることとなる。
上述の積載トレイ22には積載されたシート束の厚さを検知するシート束の束厚さ検出手段Stが配置されている。この検知手段Stは例えばスライダックセンサで、集積トレイ上のシートを把持するグリッパの位置を検出し、例えば抵抗値からシート束の厚さを検出する。この束厚さ検出手段Stは前記集積トレイ22で集積されたシート束の厚さを検出して、後述する(1)接着剤塗布ロールとシート束とのギャップをシート束の厚さに応じて設定する。また(2)表紙シートのセット位置とその送り量をシート束の厚さに応じて調整してシート束が表紙シートのセンタと一致するようにする。また(3)後述する背折プレス手段の起動位置(待機位置)をシート束の厚さに応じて調節する。など後続する処理動作に使用する。従ってこの束厚さ検出手段Stは例えば排紙口20のシートセンサSeでシート枚数をカウントし、平均的なシートの紙厚を乗算することで構成するなど種々の厚さ検知方法が採用可能である。
「束搬送ユニット」
上記集積トレイ22からのシート束を下流側の糊塗布位置Xに搬送する束搬送ユニットDは図3に示すような束搬送手段30で構成されている。この束搬送手段30は図1上下方向に製本装置Bを縦断するように配置された製本経路P5に配置され、上述の集積トレイ22から略々水平姿勢で受取ったシート束を90度旋廻させて鉛直姿勢に偏向し、下流側の糊塗布位置Xに移送する。この為、束搬送手段30はシート束を把持する一対のクランパ33a、33bと、この両クランパ33a、33bを備えたユニットフレーム32から構成されている。そしてこのユニットフレーム32は装置フレームに軸31で回転自在に支持され、装置フレーム側に設けた旋回モータM5で軸31に設けた扇形ギア35を回転駆動動することによってユニットフレーム32は図3時計方向及び反時計方向に旋回動する。
このように装置フレームに回動自在に軸承されたユニットフレーム32に設けられたガイドレール36a(図3にその一部を示す)に可動フレーム36が上下方向に移動自在に嵌合支持されている。そしてユニットフレーム32側に設けた昇降モータM7に連結したピニオン41と可動フレーム36側に設けたラック歯車42とが歯合している。この可動フレーム36に一対のクランパ33a、33bが次のように取り付けられている。固定側のクランパ33bはシートを把持する幅サイズで可動フレーム36を構成する左右の側枠に固定され、可動側のクランパ33aにはロッド38が設けられ、このロッド38は可動フレーム36に設けた軸受37に嵌合支持されている。そしてロッド38に一体形成されたラック歯車39にグリップモータM6のピニオンが歯合連結してある。
従って、クランパ33a、33bはシート束を把持するグリップ動作を上記グリップモータM6によって実行し、グリップしたシート束を上記旋回モータM5によって水平姿勢から鉛直姿勢に偏向し、次いでこの鉛直姿勢のシート束を上記昇降モータM7によって製本経路P5に沿って下流側の糊塗布位置Xに移送することとなる。図示Sgはグリップエンドセンサであり、上記可動側のクランパ33aに配置されシート束が所定圧力で確実に把持されたか否かを検出する。上記グリップモータM6で可動側のクランパ33aを、シート束を把持する方向に移動すると固定側のクランパ33bに接近してシート束と係合する。
この係合でグリップエンドセンサSgがONし、その信号から所定量グリップモータM6を駆動する。すると可動側のクランパ33aはシート束を挟んだ状態で図示しない蓄勢スプリングに蓄力しながら固定側のクランパ33bに更に接近して停止することによって所定圧力でシート束を把持することが可能となる。この状態で昇降モータM7を駆動すると束搬送手段30は図2下方向にシート束を把持した状態で移動し、下流側の糊塗布位置Xにシート束を移送する。
「接着剤塗布手段」
接着剤塗布手段Eは、糊などの接着剤を収容する糊容器50と、この容器内に回転自在に取り付けられた塗布ロール(糊塗布手段;以下同様)51と、この塗布ロール51を回転駆動する駆動モータM8と、上記糊容器50をシート束に沿って往復駆動する駆動モータM9とから構成される。図4にその概念図を示すが、シート束の下端縁(製本時の背表紙部)S1に対し糊容器50は短い長さ(寸法)に形成してあり、これに内蔵した塗布ロール51と伴にシート束の下端縁S1に沿って移動するように装置フレームのガイドレール52(図4参照)に支持されている。そしてこの糊容器50は装置フレームに取り付けられたタイミングベルト53に連結され、このタイミングベルト53には駆動モータM9が連結してある。
上述のように糊容器50自体がシート束に沿って移動する構成を示したが、これは糊容器50をシート束の長さより長いトレイ形状に構成し、塗布ロール51のみが同図左右方向に移動するようにしても良い。尚図示の塗布ロール51は耐熱性の多孔質材やシリコンゴムで構成され、糊を含侵してロール周囲に糊の層が盛り上がるように構成されている。
そこで糊容器50はホームポジションHPと、シート束に沿って復動作を開始するリターン位置RPと、接着剤を補充する補充位置EPとの間で前記駆動モータM9によって往復動する。そして各位置は図4に示す位置関係に設定され、リターン位置RPはシート幅のサイズ情報によって設定される。また、装置電源投入時(イニシャル時)にはホームポジションHPに設定され、先行する例えば前記束搬送手段30のグリップエンドセンサSgのシートグリップ信号から所定時間後(シート束が糊塗布位置に到達する見込み時間)にホームポジションHPからリターン位置RPに向けて移動する。この移動と同時に塗布ロール51は駆動モータM8で回転を開始する。尚図示S7は上記糊容器50のホームポジションセンサである。
上記駆動モータM9の回転で、糊容器50はガイドレール52に沿って図4右側から左側に移動を開始する。この往路では塗布ロール51はシート束に圧接してシート端部をバラけさせ(図5(a)、(c)参照)、リターン位置RPからホームポジションHPに戻る復路ではシート端と所定のギャップGaを形成して接着剤を塗布する(図5(b)、(d)参照)ように、前述の束搬送手段30の送り量を前記昇降モータM7で調整する。このシート束の送り量による塗布量調整は前述の束厚さ検出手段Stからの束厚さ情報に基づいて束厚さが厚いときにはギャップGaを大きくして塗布量を多く設定し、束厚さが薄いときにはギャップGaを小さくして塗布量を少なく設定している。このように前記束搬送手段30の昇降モータM7の制御でシート束の送り量を大小調整する代わりに上記塗布ロール51の位置を上下調整するロール位置調整手段を設けても良い。また駆動モータM9は待避指示信号でシート束に接着剤を塗布する作動位置から距離を隔てて待避した待避位置EPに移動し、この待避位置EPに配置された接着剤タンク54から接着剤の補給を受けるようになっている。
「インサータ装置」
次に上記接着剤塗布手段Eで糊付けされたシート束は表紙シートと綴合わせることとなるが、この表紙シートの給送について説明する。画像形成システムAの排紙口9には順次画像形成済みのシートが搬出され、通常はこの排紙口9に排紙スタッカが準備される。本発明はこの排紙口9に後述する製本装置Bとしてのシート搬入経路P1が連結され、このシート搬入経路P1にインサータ装置Jが取り付けられる。インサータ装置Jはシートをスタックする1段若しくは複数段、図示のものは2段のスタックトレイ16と、このスタックトレイ16上のシートを1枚ずつ分離するピックアップ手段17と、このピックアップ手段17からのシートをシート搬入経路P1に案内する給紙経路P2とから構成される。
そしてスタックトレイ16上にセットされたシートは画像形成システムAの排紙口9から順次搬出されるシートの間にシート搬入経路P1に供給される。つまり画像形成システムAから一連のシートが画像形成されて搬出された後、この最終シートの後にスタックトレイ16からシートが供給される。従ってスタックトレイ16には表紙シートとして厚紙或いはコーティング紙などの特殊シートが準備され、後述する製本装置Bからの制御信号でスタックトレイ16上のシートはシート搬入経路P1に搬入される。またスタックトレイ16を2段設けたのは、種類の異なる表紙シートを予めスタッカに準備出来るようにしたものであり、選択された1つのスタッカから表紙シートが供給される。
「表紙シート搬送手段」
図1のシステムにおいて、シート搬入経路P1にはインサータ装置Jの給紙経路P2が連結され、この給紙経路P2からの表紙シートは経路切換フラッパ15を介して表紙給送経路P4に導かれるようになっている。この表紙給送経路P4は前述の製本経路P5と直交するように交わり、交差部(以下表紙綴じ位置Kという)で製本経路P5からのシート束と表紙シートとを逆T字状に接合して綴じ合わせるようになっている。上記表紙給送経路P4は上下に所定間隔で対向する上部搬送ガイド63a、63bと下部搬送ガイド63dで構成され、上部搬送ガイド63a、63bは製本経路P5との交差部(表紙綴じ位置K)を境に右側の第1上部搬送ガイド63aと左側の第2上部搬送ガイド63bに区割され左右の搬送ガイド63a、63bが個別に開閉動するようになっている。
そして上記表紙給送経路P4には、表紙シートを搬送方向と搬送直交方向でそれぞれ位置合わせするレジスト手段と、このレジスト手段で位置合わせした表紙シートを表紙綴じ位置Kに移送する表紙シート搬送手段Fが配置されている。この表紙シート搬送手段Fは表紙給送経路P4に配置された搬送ローラ対で構成され、下部搬送ガイド63dに取り付けられた駆動ローラ63eと上部搬送ガイド63a、63bに取り付けられた従動ローラ63cとから構成されている。駆動ローラ63eには駆動モータM10が連結してある。一方上部搬送ガイド63a、63bと従動ローラ63cとは、駆動ローラ63eに圧接する位置と上方に浮上して離間する位置との間で移動可能にカムレバーなどで装置フレームに取り付けられている。
従って、上部搬送ガイド63a、63bと従動ローラ63cとは図示しないカムレバーの駆動モータによって表紙給送経路中の表紙シートと圧接してこれを図2左側に移送する作動位置と、表紙シートから離間して浮上した退避位置との間で移動可能に構成されている。このように表紙シートは表紙給送経路P4と前記製本経路P5との交点である表紙綴じ位置Kに搬送され所定位置にセットされる。この表紙綴じ位置Kの上部搬送ガイド63a、63bは開閉ガイド板で構成され、製本経路P5を遮り、表紙シートの上部を案内する位置と、この製本経路P5から退避した退避位置との間で移動自在に構成されている。そしてこの第2上部搬送ガイド63bは図2に示すように表紙シートを案内した後は、製本経路P5を開放するように上方に退避する。
「表紙綴じ手段の構成」
上述のように製本経路P5では束搬送手段30に把持されたシート束に接着剤塗布手段Eでシート束の下端縁S1に糊付けが施され、糊容器50は経路外のホームポジションHPに退避する。そして束搬送手段30はシート束を糊塗布位置Xから表紙綴じ位置Kに製本経路P5に沿って移送する。これと同時に表紙給送経路P4では表紙綴じ位置Kに表紙シートが給送され静止セットされている。そこで表紙綴じ位置Kには、表紙綴じ手段65が設けられている。この表紙綴じ手段65は製本経路P5からのシート束と表紙給送経路P4からの表紙シートとを逆T字状に接合し、その背部(背表紙部)をプレス成形する。このため製本経路P5には表紙シートをバックアップ支持する背当プレート部材64が設けられ、これに表紙シートを支持した状態でシート束の背部(糊塗布端)を逆T字状に接合する。そしてこの状態で表紙シートを背折り成型する背折プレス部材65a、65bが設けられる。この背当プレート部材64と背折プレス部材65a、65bで表紙綴じ手段65が構成される。以下背当プレート部材64、背折プレス部材65a、65bの順に説明する。
[背当プレート部材の構成]
図6Aに示すように表紙綴じ位置Kには製本経路P5を遮蔽するシャッタ羽根状の背当プレート部材64が配置されている。この背当プレート部材64は製本経路P5の表紙綴じ位置Kに背折プレス部材65a、65bの直下(下流側)に配置され後述する背折プレス部材65a、65bと協働して表紙シートを背折りプレス成形する。そしてこの背当プレート部材64はシート束の背部端面(接着面)との間に所定の間隙Gb(以下「型押し間隙」という)を形成する板状部材で構成されている。つまりこの型押し間隙Gbが「0」ゼロのときにはシート束の接着面に塗布された接着剤はその全てが脇側に漏れ出すこととなる(図13(a)の状態)。またこの型押し間隙Gbが必要以上に大きいときには背表紙とシート束との間に空隙が形成され皺、不完全接着を引き起こす(図13(b)の状態)。
そこで上記型押し間隙Gbを最適な状態に設定する必要がある。この型押し間隙Gbは理論的にはGb=[(接着剤層の厚さ)+(表紙シート厚さ)−(最適接着厚さ)]であり、この最適接着厚さはシート束を表紙シートでくるみ綴じした状態で確実に両者が接着されること、背表紙に皺、凹凸が発生しないこと、背折り肩部から接着剤が漏れ出さないこと、などの表装品位から実験的に求めることが好適である。本発明はこの場合に表紙シート厚さに応じて上記型押し間隙Gbを大小調整することを特徴としている。
従って、後述する表紙綴じ制御手段(制御CPU)80は(1)前記束搬送手段30で前記表紙綴じ位置Kにシート束を移送する搬送量を調節するか、又は(2)上記背当プレート64の位置を上下移動するように構成されている。上記(1)のギャップ調整機構は前記糊塗布位置Xから表紙綴じ位置Kに搬送するシート束の移送量を調整する。これは後述する制御CPU80で前記束搬送手段30の昇降モータM7の搬送量を調整することによって構成する。図示のものは昇降モータM7がステッピングモータである関係でこのモータに供給する電源パルス数を表紙シートの厚さに応じて変更するようになっている。このようにシート束の移送量を変更する場合を図6B(a)に示す。後述の制御CPU80は糊塗布位置Xから表紙綴じ位置Kにシート束を搬送する際に表紙シートの厚さ情報(その取得方法は後述する)に基づいて厚紙のときは搬送量Lx1で型押し間隙Gb1を形成し、標準厚さのときには搬送量Lx2で型押し間隙Gb2を形成し、薄紙のときには搬送量Lx3で型押し間隙Gb3を形成する。これによって表紙シートとシート束の接着面との間隔gy(以下「接着間隙」という)は表紙シートの厚さに拘わらず一定となる。従って後述する背折プレス部材65a、65bでプレス成形したときに接着剤漏れ、接着不足を招くことがない。
上記(2)の背当プレート部材64の上下位置を調整する機構は図6B(b)に示すように背当プレート部材64を装置フレームに製本経路P5に沿って上下動自在に配置する。そしてこの背当プレート部材64を偏心カム64xなどで上下昇降自在に構成する。これによって背当プレート部材64を表紙シートの紙厚さに応じて上下動させることとなり表紙シートとシート束の接着面との接着間隙gyを一定にする。
上述の背当プレート部材64は製本経路P5に位置する作動位置と、この経路から退避した退避位置に移動自在に配置され、図示しない駆動手段(電磁ソレノイドなど)で進退自在に構成されている。また、この背当プレート部材64は熱伝導率が高く放熱効果の大きい金属板で形成してあり、シート束に塗布した接着剤(図示のものは熱溶融性接着剤)を冷却するようになっている。
[表紙厚さ検出手段の構成]
前述の型押し間隙Gbを一定に形成するため表紙シートの紙厚さを検出する必要が生ずる。この紙厚さは(1)表紙シートの搬送経路中で表紙厚さ検出手段th1によって検知するか、又は(2)コントロールパネルなどの入力手段からの入力情報によって検知する。上記(1)の機構は、図2に示す表紙給送経路P4に検知センサを設ける。このセンサは超音波センサ、又はホトセンサで構成し、表紙給送経路P4を通過する表紙シートの厚さを検出する。例えば超音波センサの場合はシートを通過する超音波の減衰量で厚さを検出し、ホトセンサの場合は表紙給送経路P4に表紙シートと係合するアクチュエータを設け、このアクチュエータの移動量から紙厚を検知する。
また、上記(2)の機構は後述する制御手段79にコントロールパネル81を設け、このパネルから構成される入力手段83から表紙シートの厚さを使用者(オペレータ)が入力するように構成する。この場合は入力を容易にするために「厚紙シート」「標準シート」「薄紙シート」など段階的に入力することが好ましい。またこれに基づく前述のシート束の表紙綴じ位置Kへの送り量は大中小予め段階的に定めておく。
[背当プレート部材の位置移動]
このように構成された背当プレート部材64の上流側には上記背当プレート部材64と少許の間隙Gbを形成して逆T字状に接合されたシート束と表紙シートとを背折りする背折プレス部材65a、65bが配置されている。このプレス部材は図6A、図7に示すように左右一対のプレス部材65a、65bで構成され、この各プレス部材65a、65bには背折位置(図6Aの状態)と待機位置(図7の状態)の間で往復動するシフト手段66が設けられている。上記右プレス部材65aと左プレス部材65bとは装置フレーム(図示せず)に摺動自在に支持され、その先端部にプレス片65cが設けられ、左右のプレス片65cで表紙シートの背部を折り曲げる。
この為左右一対の背折プレス部材65a、65bにはラック歯車66aが一体に設けられ、このラック歯車66aにシフトモータM3aとM3bに連結されたピニオン66bが歯合されている。このシフトモータM3a、M3bはステッピングモータで構成されている。図示Sb1及びSb2はホームポジションセンサであり、背折プレス部材65a、65bに設けたフラグを検出する。従ってシフト手段66は上記シフトモータM3a、M3bと、その伝動手段(上記ピニオン66bとラック歯車66a)とで構成されている。
尚、上記背折プレス部材65a、65bには前記表紙給送経路P4で搬送された表紙シートを案内するガイド面(前述の下部搬送ガイド;以下同様)63dが設けられている。このように背折プレス部材65a、65bは先端部にプレス片65cを備えているのと同時に表紙給送経路P4に臨む上面に表紙シートを案内するガイド面63dが備えられている。このガイド面63dにはピンチローラ(前述の駆動ローラ;以下同様)63eが設けられ、このピンチローラ63eは背折プレス部材65a、65bが背折位置で製本経路P5を閉じているときにはこの経路を横断する表紙シートをガイド面63dとピンチローラ63eとで案内し、経路外の待機位置に退避するときにはピンチローラ63eは図7の状態にガイド面63dから下側に埋没する。このため常時突出するように付勢バネ(図示せず)で付勢されたピンチローラ63eには作動レバー67が上記付勢バネに抗してローラをガイド面63dから埋没させるように係合配置され、この作動レバー67は上記付勢バネより強いバネ68で懸引され図示反時計方向に回動するようになっている。そして装置フレームには背折位置で上記作動レバー67を時計方向に回転させる突き当てストッパ69が設けられている。
これによって背折プレス部材65a、65bが背折位置(図6Aの状態)のときにはピンチローラ63eは付勢バネでガイド面63dから上方に突出し、背折位置から待機位置側に離れたときにはバネ68でガイド面63dから下方に埋没するようになっている。このようにピンチローラ63eをガイド面63dから出没させたのは表紙シートを搬送する背折位置ではピンチローラ63eが突出してシートの移動を円滑に案内し、この表紙シートを背折りするために背折プレス部材65a、65bを待機位置に移動するときには表紙綴じ位置にセットされた表紙シートをみだりに移動させないようにガイド面63dから下側に埋没させるためである。
[背折プレス部材の制御]
上述のように構成された背折プレス部材65a、65bは次のように制御される。この背折プレス部材65a、65bは、前記表紙給送経路P4から表紙シートを表紙綴じ位置Kに給送する際は背折位置(図8(a))に位置し、製本経路P5からのシート束と表紙シートを接合する際は製本経路P5から退避したホームポジション位置(同図(b))に位置するように制御される。次いで背折プレス部材65a、65bはホームポジション位置から待機位置に移動し、両シートの接合動作が完了するのを待つ(図8(c)、図9(d))。そして上記両シートが接合された状態で背折プレス部材65a、65bは待機位置から背折位置に移動し(図9(e)及び(f)参照)、その過程でシート束の背部をプレス成形するように制御される。表紙綴じ制御手段(後述の制御CPU)80は上記背折プレス部材65a、65bをシート束の厚さに応じて(1)上記背折プレス部材の待機位置を異ならせる手段、(2)待機位置から背折位置に移動する動作開始タイミングを異ならせる手段、(3)待機位置から背折位置に移動する移動速度を異ならせる手段、の少なくとも1つを備えている。
上記(1)の制御手段について説明すると、図8(b)に示すように前記左右一対の背折プレス部材65a、65bはホームポジションHP1(HP2)から待機位置WP1(WP2)次いで背折位置PP1(PP2)の間で往復動する。そして製本経路P5を送られるシート束は前記束搬送手段30を構成する固定側のクランパ33bを基準に可動側のクランパ33aは束厚さによって異なる位置姿勢で表紙綴じ位置Kに送られる。従って左背折プレス部材65bはその待機位置WP2と背折位置PP2の間隔L2はシート束の厚さに拘わらず一定となるように構成されている。
一方、右背折プレス部材65aはシート束の厚さに応じて待機位置WP1は異なる位置に設定されている。そして待機位置WP1と背折位置PP1との間隔L1は上記間隔L2と実質的に等しい距離に設定されている。後述する表紙綴じ制御手段(制御CPU)80は前述の接着剤塗布工程で例えば塗布ロール51がリターン位置RPに到達したタイミング信号で上記左右一対の背折プレス部材65a、65bをホームポジションHP1、HP2から待機位置WP1、WP2に移動する。このとき表紙綴じ制御手段(制御CPU)80は右背折プレス部材65aを移動する際に前述の束厚さ検出手段Stからの厚さ情報に基づいて前記シフトモータM3aの駆動ステップ数を異ならせ待機位置WP1を背折位置PP1との間隔(L1)が一定となるように設定する。
このように背折プレス部材65aの待機位置WP1をシート束の厚さに応じて異ならせることにより、束の厚さが異なっても一定の作動時間で背折り動作を実行することが出来る。従って背折プレス部材65a、65bの待機位置を一定に設定するとシート束が厚いときには動作時間が短く薄いときには長くなり、接着剤が固化する状態がシート束の厚さによって異なるが上記制御手段ではこのようなことがない。
上述のシフトモータM3a、M3bを制御する表紙綴じ制御手段(制御CPU)80は更に次のように構成されている。上述の表紙綴じ制御手段(制御CPU)80は待機位置WP1(WP2)から背折位置PP1(PP2)に背折プレス部材65a、65bを移動制御し、この動作で表紙シートを背折りした後、待機位置WP1(WP2)に復帰する。このとき、表紙綴じ制御手段(制御CPU)80は上記背折プレス部材65a、65bが表紙シートを背折りした状態(背折位置)で所定の保持時間(以下プレス時間という)プレス状態を維持する。そしてこの設定されたプレス時間が経過した後背折プレス部材65a、65bを待機位置WP1(WP2)に復帰させる。
このとき表紙綴じ制御手段(制御CPU)80は上記表紙シートの坪量、材質及び/又は上記シート束の厚さに応じて上記プレス時間を長短調節する。後述するように表紙綴じ制御手段(制御CPU)80にはコントロールパネル81が備えられ、このコントロールパネル81の入力手段83で表紙シートの坪量、材質などの情報が入力され、この入力情報で設定されたプレス時間に基づいて制御CPU80は上記背折り動作を実行する。また上記プレス時間はシート束の厚さに応じて上記プレス時間を変更するようになっている。この場合上記プレス時間は、表紙シートの坪量が大きいほど長く、また剛性に富んだ材質ほど長く、シート束の厚さが厚いほど長く設定する。
そこで表紙綴じ制御手段(制御CPU)80の構成について図11のブロック図に従って説明する。図1に示すような画像形成システムAと製本装置Bとを連結したシステムでは、例えば画像形成システムAの制御部(制御CPU)79にコントロールパネル81と、モード設定手段82を設ける。そして画像形成システムAの制御CPU79はコントロールパネル81で設定された例えば「印刷処理モード」「製本処理モード」に従って製本装置Bの製本動作を実行する。印刷処理モードでは製本装置Bは経路切換フラッパ15でシート搬入経路P1に搬入された印刷シートを図2に示す表紙給送経路P4及び排紙経路P6から後処理装置Iに搬送し、この後処理装置Iに設けられたスタッカに収納する。従って印刷シートは製本装置Bを通過するのみである。
また製本処理モードが選択されると製本装置Bはシート搬入経路P1から中綴じシート搬送経路P3に印刷シートを導き、シート集積処理、糊塗布処理、表紙シート綴合せ処理を経て収納スタックユニットHに製本済みシートを収納する。このように製本モードが選択されると画像形成システムAの制御手段(制御CPU)79は製本モードの指示信号と、これと同時に印刷シートのサイズ情報を製本装置Bに伝達する。このとき入力手段83から表紙シートの坪量などの厚さ情報と、材質例えば剛い紙質であるか柔らかい紙質であるかなどの材質情報を入力し、製本装置Bの表紙綴じ制御手段(以下制御CPUという)80に伝達する。これと共に部数情報例えばnページの印刷処理の時、最後のnページの印刷が終了したときジョブ終了信号を製本装置Bの制御CPU80に転送する。
上記制御CPU80は、製本綴じ制御部と、インサータ制御部とで構成され、この制御CPU80にはシート搬入経路P1の搬送ローラの駆動モータと中綴じシート搬送経路P3の排紙ローラ21の駆動モータM1と、表紙給送経路P4の駆動ローラ63eの駆動モータM10など搬送系ドライバ回路が接続されている。同様に前記集積トレイ22を昇降するトレイ昇降モータM4、束搬送手段30のグリップモータM6及び昇降モータM7の駆動回路に接続されている。また、前記塗布ロール51の駆動モータM8と糊容器50を往復動する駆動モータM9及び背折プレス部材65a、65bのシフトモータM3a、M3bも制御CPU80に接続されている。上記グリップモータM6及び昇降モータM7、シフトモータM3a、M3bはいずれもステッピングモータで構成され、制御CPU80からのコマンド信号で歩進ステップ数、速度などが指示される。つまり各モータの電源パルス発生器にパルス電源のパルス数、デューティ、駆動開始タイミング及び駆動終了タイミングなどのコマンド信号を制御CPU80から発するように結線されている。
一方制御CPU80には前記束厚さ検出手段Stからの検知信号、前記グリップエンドセンサSg、糊容器50のホームポジションセンサS7、背折プレス部材65a、65bのホームポジションセンサSb1、Sb2の検知信号並びに前記経路P1〜P6に配置したシート検知センサの検出信号が伝達されるように結線されている。そして制御CPU80には、「前記集積トレイ22に中綴じシートを集積する動作」、「前記束搬送手段30でシート束を上記集積トレイ22から糊塗布位置X及び表紙綴じ位置Kに移送する動作」、「糊塗布位置Xで接着剤を塗布する動作」、「表紙綴じ位置Kでシート束と表紙シートとを接合する動作」、「接合後に表紙シートを折り曲げる背折プレス動作」、「背折り後のシート束を搬出する動作」をそれぞれ実行する制御プログラムの記憶手段(ROM)84を備えている。これと同時に制御CPU80には前記背折プレス部材65a、65bを駆動するシフトモータM3a、M3bの速度情報、起動タイミング(タイマテーブル)などの制御データの記憶手段(RAM)85を備えている。
そこで上記制御CPU80は、図12のフローチャートに示す手順で製本処理を実行する。前記集積トレイ22に所定の印刷シートが部揃えされる(St10)と画像形成システムAからのジョブ終了信号で制御CPU80はシート束の束厚さ検出手段Stからの信号でシート束の厚さを認識する(St11)。このシート束の厚さ情報は後続する処理動作に於ける(1)塗布ロール51の接着剤塗布量調整(2)背折プレス部材65a、65bのプレス時間設定(3)背当プレート64の冷却時間設定にそれぞれ使用される。次に制御CPU80は前記トレイ昇降モータM4を駆動して集積トレイ22を搬出位置(図1破線位置)に降下させシート束を束搬送手段30に引き渡す。束搬送手段30ではシート束を水平姿勢から垂直姿勢に旋回モータM5で姿勢偏向する(St12)。
そして制御CPU80は束搬送手段30の昇降モータM7を起動してシートを糊塗布位置Xに移送する(St13)。このとき制御CPU80はシート束の厚さ情報に基づいてシート束の搬送量を異ならせ前述のギャップGaを塗布ロール51の間に形成する。この制御は昇降モータM7の歩進ステップ数を電源パルス数によって増減し、シート束が厚いときはギャップGaを大きく、薄いときは小さく設定する。これと前後して制御CPU80は表紙シートを画像形成装置A又はインサータ装置Jから給送し、表紙綴じ位置Kに給送する。この過程で表紙シートの紙厚さを表紙厚さ検出手段th1で検出する。
上記昇降モータM7が所定の歩進ステップ移動した段階で制御CPU80は糊容器50をホームポジションHPからリターン位置RPに往路移動し、次いでリターン位置RPからホームポジションHPに復路移動させる。この糊容器50の往復動の過程で塗布ロール51はシート束の下端縁S1に接着剤を塗布する(St14)。糊容器50がホームポジションHPに復帰した信号(前記ホームポジションセンサS7からの信号)(St15)で制御CPU80は表紙綴じ位置Kにシート束を移送する(St16)。
この制御は前記昇降モータM7を歩進制御することによって実行する。このとき制御CPU80はシート束の下端縁S1と前記背当プレート64との間に所定の間隙Gbを形成するように昇降モータM7を制御する。このとき制御CPU80は前述の表紙厚さ検出手段th1で検出した表紙厚さ又はコントロールパネル81から入力された表紙厚さに応じてシート束の搬送量を設定し、前記型押し間隙Gbを調整して接着間隙gyが予め設定された間隔となるようにする。従って、表紙シートの厚さに拘わらず背当プレート部材64とシート束の接着面との間隙(前述の接着間隙)は一定となるため、この背当プレート部材64に規制された状態で表紙シートは背折りされる。これにより接着剤が背表紙部の左右両肩脇から漏れ出すことがなく、また接着剤が両肩部に届かず接着不良を起こすことがない。
一方、上記シート束を表紙綴じ位置Kに移送する動作に先立って制御CPU80は、前述した背折プレス部材65a、65bを図8(a)の背折位置、同図(b)のホームポジション、同図(c)及び図9(d)の待機位置に移動し、前記表紙給送経路P4に表紙シートを給送セットする動作を完了している。
そこで制御CPU80は表紙綴じ処理を実行する(St17)。図9(e)にシート束が厚い場合を、同図(f)にシート束が薄い場合を示すが、前記背折プレス部材65a、65bを待機位置WP1(WP2)から背折位置PP1(PP2)に移動する。このとき背当プレート部材64とシート束の下端縁S1との間には型押し間隔Gbが形成されている。この背折り動作時にはシート束の下端縁S1に塗布された接着剤は冷却固化することなく背表紙は平坦でシャープな直線で折り曲げられる。
次に制御CPU80は、シート束の厚さに応じて所定のプレス時間は図9(e)、(f)の状態で維持される。同図(e)のシート束が厚いときはプレス時間を長く、同図(f)の薄いときはプレス時間を短く設定し、このプレス時間の終了後、前記シフトモータM3a、M3bを起動して背折プレス部材65a、65bを退避位置(ホームポジション)に移動する。
この背折プレス部材65a、65bの退避動作と同時に制御CPU80は前記束搬送手段30のグリップモータM6を逆回転させてグリップ解除する(St18)。このグリップ解除動作でシート束は図10(g)の状態に自重落下してその背表紙部分が背当プレート部材64に当接する(St20)。この背表紙が背当プレート部材64に当接した状態で背表紙は、プレート平面上で平坦な面に形成される。これと同時に背表紙とシート束との間の接着剤はプレートで強制的に冷却される。そこで制御CPU80は前記束厚さ検出手段Stからの信号と前記制御データ記憶手段(RAM)85のタイマテーブルから上記冷却時間を設定する(St19)。
制御CPU80は上記タイマテーブルで設定された時間の経過(St22)と並行して前記束搬送手段30の昇降モータM7を起動してクランパ33a、33bがシート束の後端側を把持するようにクランパ33a、33bを図10(g)の状態から同図(h)の状態に上昇させる(St21)。その後グリップモータM6を起動してシート束を把持する(St23)。
次いで所定の冷却時間が経過した後、制御CPU80は図示しない駆動手段で上記背当プレート部材64を製本経路P5の外部に退避させ、上記昇降モータM7を起動してシート束を下流側の折ロール70に移送する(St24)。図示の折ロール70は対向する一対のロールで構成され図10(i)に示すように一方のロール70aはシート束の厚さに応じてニップ位置と離間位置との間で移動自在に構成されソレノイドなどの作動手段で制御されるようになっている。そして制御CPU80は図示センサS8でシート束の下端を検出した信号で上記折ロール70aをニップ位置に移動してシート束をニップ保持する。
この折ロール70でシート束をニップした後制御CPU80は前記束搬送手段30のグリップモータM6を解除し、次いで図示しない駆動モータで折ロール70を回転駆動する(St25)。この折ロール70の下方にはシート束を収納するスタッカが準備され、製本処理の完了したシート束が収納される(St26)。
本発明の製本装置を備えた画像形成システムの全体構成図。 図1の装置に於ける製本装置部の拡大説明図。 図1の装置に於ける束搬送手段の構成を示す説明図。 図1の装置に於ける接着剤塗布手段の全体説明図。 図4の接着剤塗布手段における接着剤を塗布する状態の説明図であり、(a)は往路の容器の移動状態を、(b)は復路の容器の移動状態を示し、(c)は(a)の断面図であり、(d)は(b)の断面図。 図1の装置に於ける表紙綴じ手段の説明図であり、製本経路を閉じた状態を示す。 図1の装置に於ける表示綴じ手段の背当てプレート部材とシート束との間隙(型押し間隙)の説明図であり、(a)はシート束を表紙シートの紙厚さに応じて位置調整する場合を、(b)は背当てプレート部材を表紙シートの紙厚さに応じて位置調整する場合を示す。 図1の装置に於ける表紙綴じ手段の説明図であり、製本経路を開いた状態を示す。 図2の装置に於ける表紙綴じ手順の動作説明図であり、(a)、(b)、(c)は背折プレス部材がホームポジションから待機位置に移動する状態を示す。 図2の装置に於ける表紙綴じ手段の動作説明図であり、(d)乃至(f)は背折プレス部材が待機位置から背折位置に移動する状態を示す。 図2の装置に於ける表紙綴じ手段の動作説明図であり、(g)乃至(i)は背折プレス部材が背折位置に移動した後の状態を示す。 図2の装置に於ける表紙綴じ制御手段の構成を示すブロック図。 図2の装置に於ける表紙綴じ制御手段の動作手順を示すフローチャート。 従来の製本仕上がり状態の説明図であり、(a)は接着剤が肩部から脇側に漏れ出した状態を、(b)は肩部が不完全接着した状態をそれぞれ示す。
符号の説明
10 印刷ドラム(画像形成手段)
22 集積トレイ(集積手段)
30 束
33a クランパ(可動側)
33b クランパ(固定側)
51 塗布ロール(糊塗布手段)
64 背当プレート部材
64x 偏心カム
65 表紙綴じ手段
65a 右背折プレス部材
65b 左背折プレス部材
65c プレス片
70 折ロール(搬出ローラ手段)
80 制御CPU(表紙綴じ制御手段)
83 入力手段
84 ROM
85 RAM
A 画像形成システム
B 製本装置
I 後処理装置
J インサータ装置
K 表紙綴じ位置
X 糊塗布位置
Ga ギャップ(糊塗布)
Gb 型押し間隔
gy 接着間隔
M3a、M3b シフトモータ
M4 トレイ昇降モータ
M5 旋回モータ
M6 グリップモータ
M7 昇降モータ
P4 表紙給送経路
P5 製本経路
th1 表紙厚さ検出手段
St 束厚さ検出手段

Claims (8)

  1. 順次給送されるシートを束状に集積する集積手段と、
    上記集積手段からのシート束に順次製本処理を施す製本経路と、
    上記製本経路に配置され上記シート束を糊塗布位置、表紙綴じ位置の順に移送する束搬送手段と、
    上記糊塗布位置に配置されシート束の背部に表接着剤を塗布する糊塗布手段と
    上記製本経路と交差し、上記表紙綴じ位置に表紙シートを給送する表紙給送経路と、
    上記表紙綴じ位置に配置され上記糊塗布されたシート束と表紙シートとを綴じ合わせる表紙綴じ手段と、
    この表紙綴じ手段を制御する綴じ処理制御手段と、を備え、
    上記表紙綴じ手段は、上記表紙綴じ位置でシート束の背部に表紙シートを背折り表装する背折プレス部材と、表紙シートをバックアップ支持する背当プレート部材とで構成され、
    上記背当プレート部材はシート束の背部との間に表紙シートを挟んで少許の間隙を形成するように上記背折プレス部材の下流側に配置され、
    上記表紙綴じ位置におけるシート束背部と上記背当プレート部材との間の間隙は大小調節自在に構成され、
    上記表紙綴じ制御手段は上記背折プレス部材で上記表紙シートを背折りする際に、上記背当プレート部材と上記シート束背部との間の間隙を表紙シートの厚さに応じて調節することを特徴とする製本装置。
  2. 前記表紙綴じ制御手段は、前記表紙綴じ位置における背当プレート部材とシート束背部との間の間隙を調節する際に、(1)前記束搬送手段で前記表紙綴じ位置にシート束を移送する搬送量を大小調節するか、又は(2)前記背当プレートの位置を上下移動することを特徴とする請求項1に記載の製本装置。
  3. 前記表紙給送経路には表紙シートの厚さを検出する表紙厚さ検出手段が配置され、
    前記表紙綴じ制御手段は上記表紙厚さ検出手段からの検出情報に基づいて前記背当プレート部材と前記シート束背部との間の間隙を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の製本装置。
  4. 前記表紙綴じ制御手段は表紙シートの厚さを入力する入力手段を備え、この入力手段から入力された表紙厚さ情報に基づいて前記背当プレート部材と前記シート束背部との間の間隙を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の製本装置。
  5. 前記表紙綴じ制御手段は、前記背当プレート部材と前記シート束背部との間の間隙を表紙シートの厚さが厚いときには大きく、薄いときには小さく設定することを特徴とする請求項1乃至4の何れかの項に記載の製本装置。
  6. 前記集積手段又は前記束搬送手段にはシート束の厚さを検出する束厚さ検出手段が備えられ、
    前記糊塗布手段は上記束厚さ検出手段からのシート束厚さに応じてシート束の背部に塗布する接着剤量を大小調節することを特徴とする請求項1乃至5の何れかの項に記載の製本装置。
  7. 前記背当プレート部材には接着剤を冷却固化する冷却手段が備えられ、
    前記表紙綴じ制御手段は、上記背当プレート部材を表紙シートから離間した非接触状態で前記背折プレス部材を制御して背折り処理し、この背折り処理後に上記表紙折りされた表シートを背当プレート部材に当接して接着剤を冷却固化することを特徴とする請求項1乃至6の何れかの項に記載の製本装置。
  8. 順次シート上に画像形成する画像形成手段を有する画像形成装置と、
    上記画像形成手段からのシートを束状に部揃えして接着剤を塗布し、表紙シートで表装する製本装置と、を備え、
    上記製本装置は請求項1乃至7の何れかの項に記載の構成を備えていることを特徴とする画像形成システム。
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