JP2008144031A - 熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法及びこの製造方法によって得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱可塑性ポリウレタン樹脂の成形性及び物理的特性を向上すること。
【解決手段】 分子量が500−5000で官能基数が2.01−2.9の少なくもと1種のポリエステルポリオール(PP)と、分子量が62−380の少なくとも1種のグリコール(G)と、少なくとも1種の芳香族又は脂肪族ジイソシアネート(D)とを重合反応して得られた固形物をペレット化して熱可塑性ポリウレタン樹脂が製造される。この熱可塑性ポリウレタン樹脂は、流動開始温度及び成形温度が高く、成形性を向上することができ、また耐摩耗性、伸縮性、圧縮永久歪等の物理的特性が向上する。
【選択図】 なし
【解決手段】 分子量が500−5000で官能基数が2.01−2.9の少なくもと1種のポリエステルポリオール(PP)と、分子量が62−380の少なくとも1種のグリコール(G)と、少なくとも1種の芳香族又は脂肪族ジイソシアネート(D)とを重合反応して得られた固形物をペレット化して熱可塑性ポリウレタン樹脂が製造される。この熱可塑性ポリウレタン樹脂は、流動開始温度及び成形温度が高く、成形性を向上することができ、また耐摩耗性、伸縮性、圧縮永久歪等の物理的特性が向上する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法の改良に関し、特に種々の成形条件に適合して樹脂成形品を得るのに好適な熱可塑性ポリウレタン及びその製造方法に関するものである。
熱可塑性ポリウレタン樹脂は、熱成形が容易である上に、高いゴム弾性を有し、しかも、ゴムに比べて、物理的強度が高く、特に、強靱性や伸びや耐摩耗性の優れているため、種々の分野で大量に使用されている。
従来技術の熱可塑性ポリウレタン樹脂は、二官能ポリオールとジイソシアネートとグリコールとの主として3つの成分を80−120℃の加熱雰囲気中で混合反応させて、短時間に固化させて得られたブロックをペレット化して得られていた。
しかし、この熱可塑性ポリウレタン樹脂は、直鎖状の分子構造であるために、特に、低硬度領域での流動開始温度(成形温度)が低いので、成形性が悪く、また、成形品の保形性が悪く、粘着性が顕著に高いため、低硬度での大量の利用を阻害していた。また、低硬度領域では、ペレットの粘着性が高いため、例えば、成形前の熱乾燥中や成形機のホッパー内でブロッキングを起こし、成形時にトラブルを発生し易い欠点があった。更に、例えば、ナイロン樹脂、ポリエステルエラストマー、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、その他のプラスチック樹脂との共成形に際して、低硬度及び高硬度のいずれの領域でも流動開始温度(成形温度)が低いため、成形不能や接着性不良等のトラブルを発生し易い欠点があった。
本発明が解決しようとする1つの課題は、流動開始温度(成形温度)が高く、成形性を向上することができる熱可塑性ポリウレタン樹脂及びその製造方法を提供することにある。
本発明が解決しようとする他の課題は、耐熱性、耐摩耗性、透明性等の物理的特性を向上することができる熱可塑性ポリウレタン樹脂及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の課題解決手段は、分子量が500−5000で官能基数が2.01−2.9の少なくもと1種のポリエステルポリオール(PP)と、分子量が62−380の少なくとも1種のグリコール(G)と、少なくとも1種の芳香族又は脂肪族ジイソシアネート(D)とを重合反応して得られた固形物をペレット化することを特徴とする熱可塑性ポリウレタン樹脂を提供することにある。
本発明の第2の課題解決手段は、分子量が500−5000で官能基数が2.0の少なくとも1種のポリオール(P)と、分子量が500−5000で官能基数が2.01−2.9の少なくもと1種のポリエステルポリオール(PP)と、分子量が62−380の少なくとも1種のグリコール(G)と、少なくとも1種の芳香族又は脂肪族ジイソシアネート(D)とを重合反応して得られた固形物をペレット化することを特徴とする熱可塑性ポリウレタン樹脂を提供することにある。
本発明の第3の課題解決手段は、上記の第1又は第2の課題解決手段によって得られたことを特徴とする熱可塑性ポリウレタン樹脂を提供することにある。
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂は、従来の二官能ポリオールに代えて、2.01−2.9官能基を有するポリオールの一部又は全部を導入するので、従来の熱可塑性ポリウレタン樹脂のような直鎖状の分子構造ではなく、側鎖のウレタン結合、アロファネート結合等を含む一部網状構造を有するため、流動開始温度(成形温度)が従来技術の熱可塑性ポリウレタン樹脂に比べて遥かに高くなるので、成形性を向上することができ、また他の樹脂との共成形や多色成形が可能となる。
更に、ペレットの粘着性が低くなるので、成形前の熱乾燥中やホッパー内でブロッキングを生ずることがなく、また重合時の反応速度が従来の熱可塑性ポリウレタン樹脂に比べて緩慢であるため、均一な反応が行われ、フィルム化した場合にフィッシュアイ等の不良現象を生ずることがない。
また、熱軟化温度が高いため、耐熱性、熱変形温度が高く、広範囲の用途に適合することができる上に、耐摩耗性、伸縮性、圧縮永久歪、透明性等の物理的特性を向上することができる。特に、透明性は、樹脂の分子構造が網状となるために、非晶質化が生じることによって向上し、またフィルム状に成形すると、シリコーン状となって製品の風合いが良好となるので好ましい。
次に、本発明の実施の形態を詳細に述べると、本発明の第1の実施の形態では、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、分子量が500−5000で官能基数が2.01−2.9の少なくもと1種のポリエステルポリオール(PP)と、分子量が62−380の少なくとも1種のグリコール(G)と、少なくとも1種の芳香族又は脂肪族ジイソシアネート(D)とを重合反応して得られた固形物をペレット化して製造される。
また、本発明の第2の実施の形態では、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、分子量が500−5000で官能基数が2.0の少なくとも1種のポリオール(P)と、分子量が500−5000で官能基数が2.01−2.9の少なくもと1種のポリエステルポリオール(PP)と、分子量が62−380の少なくとも1種のグリコール(G)と、少なくとも1種の芳香族又は脂肪族ジイソシアネート(D)とを重合反応して得られた固形物をペレット化して製造される。
以下にこれらの実施の形態による熱可塑性ポリウレタン樹脂の合成に用いられる成分の例を掲げる。
第2の実施の形態で用いられる官能基数が2.0の少なくとも1種のポリオール(P)の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1.4ブタンジオール、1.6ヘキサンジオール等の1種以上のグリコールから得られるポリアジピン酸エステル、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリテトラヒドロフラン、ポリテトラメチレングリコール、又はこれらの組み合わせがある。
第1及び第2の実施の形態で用いられる官能基数が2.01−2.9の少なくもと1種のポリエステルポリオール(PP)は、上記の二官能ポリオール成分と下記の三官能ポリオール成分とをアジピン酸等で重縮合して得ることができる。
(三官能ポリオール成分の例)
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール
(三官能ポリオール成分の例)
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール
分子量が62−380の少なくとも1種のグリコール(G)としては、エチレングリコール、1.4ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、ペタンジオール、シエチレングリコール、ヘキサンジオール等が用いられる。
芳香族又は脂肪族ジイソシアネート(D)としては、次のような成分を使用することができる。
・ 芳香族ジイソシアネートの例
4.4ジフェニルメタンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートまたはこれらの誘導体
・ 脂肪族ジイソシアネート
ヘキサンメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
・ 芳香族ジイソシアネートの例
4.4ジフェニルメタンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートまたはこれらの誘導体
・ 脂肪族ジイソシアネート
ヘキサンメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
次に、本発明の2つの実施例と2つの比較例を以下に詳細に述べる。
(実施例1)
5Lの反応容器に、官能基数が2.1のポリエステルポリオール成分(PP)として、分子量が1955の1.6へキサンジオールとトリメチロールプロパンとアジピン酸との重縮合物1000部を投入し、次いで、グリコール成分(G)として1.4ブタンジオール92部を加え、これらの撹拌しながら100℃に加熱した。容器内の温度が一定になった後、芳香族ジイソシアネート(D)として4.4’ジフェニルメタンジイソシアネート384部を投入して強力に攪拌し、反応重合物が120℃まで上昇した段階でこの重合物をバットに流して板状とし、これを100℃のオーブンで約10時間加熱固化し、この固形物を粉砕機でフレーク状に粉砕し、その後、押出機でペッレト化して熱可塑性ポリウレタン樹脂ペレットを製造した。
このペレット状の熱可塑性ポリウレタン樹脂を220℃−230℃の成形温度で射出成形して厚さが2mmのシートを成形し、このシートを100℃、24時間、オーブンでアニーリングした後、シートの種々の物性を測定した。
5Lの反応容器に、官能基数が2.1のポリエステルポリオール成分(PP)として、分子量が1955の1.6へキサンジオールとトリメチロールプロパンとアジピン酸との重縮合物1000部を投入し、次いで、グリコール成分(G)として1.4ブタンジオール92部を加え、これらの撹拌しながら100℃に加熱した。容器内の温度が一定になった後、芳香族ジイソシアネート(D)として4.4’ジフェニルメタンジイソシアネート384部を投入して強力に攪拌し、反応重合物が120℃まで上昇した段階でこの重合物をバットに流して板状とし、これを100℃のオーブンで約10時間加熱固化し、この固形物を粉砕機でフレーク状に粉砕し、その後、押出機でペッレト化して熱可塑性ポリウレタン樹脂ペレットを製造した。
このペレット状の熱可塑性ポリウレタン樹脂を220℃−230℃の成形温度で射出成形して厚さが2mmのシートを成形し、このシートを100℃、24時間、オーブンでアニーリングした後、シートの種々の物性を測定した。
(実施例2)
5Lの反応容器に、官能基数が2.0のポリオール成分(P)として分子量2000のポリテトラメチレングリコール800部と、官能基数が2.3のポリエステルポリオール成分(PP)として分子量が1955の1.6へキサンジオールとトリメチロールプロパンとアジピン酸との重縮合物1000部とを投入し、次いで、グリコール成分(G)として1.4ブタンジオール45部を加え、これらの撹拌しながら100℃に加熱した。容器内の温度が一定になった後、芳香族ジイソシアネート(D)として4.4’ジフェニルメタンジイソシアネート225部を投入して強力に攪拌し、反応重合物が120℃まで上昇した段階でこの重合物をバットに流して板状とし、これを100℃のオーブンで約10時間加熱固化し、この固形物を粉砕機でフレーク状に粉砕し、その後、押出機でペッレト化して熱可塑性ポリウレタン樹脂ペレットを製造した。
このペレット状の熱可塑性ポリウレタン樹脂を220℃−230℃の成形温度で射出成形して厚さが2mmのシートを成形し、常温で1日経過後、このシートの種々の物性を測定した。
5Lの反応容器に、官能基数が2.0のポリオール成分(P)として分子量2000のポリテトラメチレングリコール800部と、官能基数が2.3のポリエステルポリオール成分(PP)として分子量が1955の1.6へキサンジオールとトリメチロールプロパンとアジピン酸との重縮合物1000部とを投入し、次いで、グリコール成分(G)として1.4ブタンジオール45部を加え、これらの撹拌しながら100℃に加熱した。容器内の温度が一定になった後、芳香族ジイソシアネート(D)として4.4’ジフェニルメタンジイソシアネート225部を投入して強力に攪拌し、反応重合物が120℃まで上昇した段階でこの重合物をバットに流して板状とし、これを100℃のオーブンで約10時間加熱固化し、この固形物を粉砕機でフレーク状に粉砕し、その後、押出機でペッレト化して熱可塑性ポリウレタン樹脂ペレットを製造した。
このペレット状の熱可塑性ポリウレタン樹脂を220℃−230℃の成形温度で射出成形して厚さが2mmのシートを成形し、常温で1日経過後、このシートの種々の物性を測定した。
(比較例1)
実施例1の官能基数2.1のポリオール成分に代えて、分子量2000の1.6ヘキサンジオールとアジピン酸との重縮合物である官能基数が2.0のポリオールを使用し、このポリオール1000部に、1.4ブタンジオール90部、4.4ジフェニルメタンジイソシアネート375部を配合したことを除いて実施例1と同じ条件で熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造し、これを実施例1と同じようにしてシートを形成し、その種々の物性を測定した。
実施例1の官能基数2.1のポリオール成分に代えて、分子量2000の1.6ヘキサンジオールとアジピン酸との重縮合物である官能基数が2.0のポリオールを使用し、このポリオール1000部に、1.4ブタンジオール90部、4.4ジフェニルメタンジイソシアネート375部を配合したことを除いて実施例1と同じ条件で熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造し、これを実施例1と同じようにしてシートを形成し、その種々の物性を測定した。
(比較例2)
実施例2の官能基数2.3のポリオール成分を使用することなく、官能基数2.0のポリオールとして分子量が2000のポリテトラメチレングリコール1000部に、1.4ブタンジオール45部、4.4ジフェニルメタンジイソシアネート225部を配合したことを除いて実施例2と同じ条件で熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造し、これを実施例2と同じようにしてシートを形成し、その種々の物性を測定した。
実施例2の官能基数2.3のポリオール成分を使用することなく、官能基数2.0のポリオールとして分子量が2000のポリテトラメチレングリコール1000部に、1.4ブタンジオール45部、4.4ジフェニルメタンジイソシアネート225部を配合したことを除いて実施例2と同じ条件で熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造し、これを実施例2と同じようにしてシートを形成し、その種々の物性を測定した。
実施例1及び2によって得られたポリウレタンシートと比較例1及び2によって得られたポリウレタンシートとの物性及び成形性を比較した結果を表1に示す。
この表1の測定結果から、実施例1及び2によって得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂が比較例1及び2のそれに比べて物性及び成形性において次のように優れているのが解かる。
(1)実施例1及び2によって得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の流動開始温度及び成形温度は、比較例1及び2によって得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の流動開始温度及び成形温度に比べて、著しく上昇し、従って実施例1及び2の熱可塑性ポリウレタン樹脂の成形性を向上することができた。
(2)実施例1及び2の成形品の軟化温度が比較例1及び2のそれに比べて著しく高いため、耐熱性、熱変形温度が高かった。これは、実施例の製品を広範囲の用途に資することができることを意味する。
(3)実施例1及び2の製品は、比較例1及び2のそれに比べて、耐摩耗性、伸縮性、圧縮永久歪等の物理的特性を向上することができた。
(4)実施例1及び2の樹脂から成るフィルムは、比較例1及び2のそれに発生するようなフィッシュアイを発生することがなかった。これは、重合時の反応速度が従来の熱可塑性ポリウレタン樹脂に比べて緩慢であるため、均一な反応が行われたことによる。
(5)実施例1及び2の成形中および成形後のブロッキング性が比較例1及び2のそれに比べて良好であった。これは、ペレットの粘着性が低くなったことによる。
なお、表には示されていないが、実施例1及び2の製品の透明性が比較例1及び2に比べて著しく向上したが、これは、実施例1及び2の樹脂の分子構造が網状となっていて材料の非晶質化が生じたためである。
(1)実施例1及び2によって得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の流動開始温度及び成形温度は、比較例1及び2によって得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂の流動開始温度及び成形温度に比べて、著しく上昇し、従って実施例1及び2の熱可塑性ポリウレタン樹脂の成形性を向上することができた。
(2)実施例1及び2の成形品の軟化温度が比較例1及び2のそれに比べて著しく高いため、耐熱性、熱変形温度が高かった。これは、実施例の製品を広範囲の用途に資することができることを意味する。
(3)実施例1及び2の製品は、比較例1及び2のそれに比べて、耐摩耗性、伸縮性、圧縮永久歪等の物理的特性を向上することができた。
(4)実施例1及び2の樹脂から成るフィルムは、比較例1及び2のそれに発生するようなフィッシュアイを発生することがなかった。これは、重合時の反応速度が従来の熱可塑性ポリウレタン樹脂に比べて緩慢であるため、均一な反応が行われたことによる。
(5)実施例1及び2の成形中および成形後のブロッキング性が比較例1及び2のそれに比べて良好であった。これは、ペレットの粘着性が低くなったことによる。
なお、表には示されていないが、実施例1及び2の製品の透明性が比較例1及び2に比べて著しく向上したが、これは、実施例1及び2の樹脂の分子構造が網状となっていて材料の非晶質化が生じたためである。
このように、本発明によるポリウレタン樹脂は、熱可塑性樹脂でありながら、熱硬化性樹脂に近い特性を有し、従って、従来の熱可塑性ポリウレタン樹脂と熱硬化性ポリウレタン樹脂(注型ウレタン)との中間的性質を有することが解る。
本発明によれば、上記のように、熱可塑性でありながら、流動開始温度及び成形温度を高くして成形性を向上し、また耐熱性、耐摩耗性、透明性等の諸物性を向上することができ、高い産業上の利用可能性を有する。
Claims (3)
- 分子量が500−5000で官能基数が2.01−2.9の少なくもと1種のポリエステルポリオール(PP)と、分子量が62−380の少なくとも1種のグリコール(G)と、少なくとも1種の芳香族又は脂肪族ジイソシアネート(D)とを重合反応して得られた固形物をペレット化することを特徴とする熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法。
- 分子量が500−5000で官能基数が2.0の少なくとも1種のポリオール(P)と、分子量が500−5000で官能基数が2.01−2.9の少なくもと1種のポリエステルポリオール(PP)と、分子量が62−380の少なくとも1種のグリコール(G)と、少なくとも1種の芳香族又は脂肪族ジイソシアネート(D)とを重合反応して得られた固形物をペレット化することを特徴とする熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法。
- 請求項1又は2によって得られたことを特徴とする熱可塑性ポリウレタン樹脂。
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JP2012017166A (ja) * | 2010-07-07 | 2012-01-26 | Mitsubishi Electric Corp | エレベータ用ロープ |
JP2012503051A (ja) * | 2008-09-18 | 2012-02-02 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 改善された晶出挙動を有するポリエステルジオール系ポリウレタン |
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JP2000017041A (ja) * | 1998-07-06 | 2000-01-18 | Kuraray Co Ltd | 熱可塑性ポリウレタン、それからなるポリウレタン弾性繊維およびその製造方法 |
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