JP2008143326A - 車両用自動変速機のシフトレバーロック装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シフトレバーのロック解除時には、ソレノイド17への通電により、第1可動鉄心18の係止部18cと第2可動鉄心24とが当接する位置から吸着したまま回動するため、ロック解除時、第1可動鉄心18と第2可動鉄心24とが当たることがなく打音の発生がない。ソレノイド17は、ロックプレート7およびリンクプレート8とともに回動せずに済み円滑な回動となり、ロックプレート7とリンクプレート8とは、ソレノイド17の存する回転軸14から離れた支軸6に設けたため、ロックプレート7やリンクプレート8をシフトレバーに対して多方向から対応させ得る。
【選択図】図2
Description
パーキングロックでは、シフトレバーがパーキングレンジに位置する際、シフトロックによりシフトレバーの操作をパーキングレンジに規制する。フットブレーキの踏込み操作に伴い、シフトレバーのロックが解除され、シフトレバーのシフト操作を可能にする。この後、車両の発進を可能にし、パーキングレンジからの不用意なシフト操作で車両が急発進しないようにしている。
シフトレバーのロック解除時、ソレノイドに通電することで、ソレノイドとブラケット部とを一緒に回動させている。これにより、カムリンクとストッパリンクとが連動して回動するため、シフトレバーがストッパリンクのストッパ面に当接することなく通過し、ドライブレンジへのシフト操作が可能となる。
特許文献2では、押圧ピンをカムリンクの傾斜部に押付けた時、押圧ピンの押付け方向と垂直となる平面内でカムリンクを回動させる構成のため、カムリンクの円滑な回動が妨げられる虞がある。また、カムリンク、ストッパリンクやソレノイドが支軸により懸垂状態に取付けられた不安定な支持構造となり、シフトレバーに対するシフトロック装置の取付けの自由度が限られたものとなる。
ソレノイドは、ケーシング内に配置されている。第1可動鉄心は、ソレノイドのコイルの中心部に配設された回転軸に自由回動可能に取付けられ、ソレノイドへの通電により磁化される。環状リンクは、ソレノイドの周りに回転軸と同芯的で回動可能に配置され、回動により第1可動鉄心に対する接離方向の変位が可能となる第2可動鉄心を固定している。支軸は、回転軸と離れた位置で並列状態に設けられている。
ロックプレートおよびリンクプレートは、各一端部が支軸にロック位置と解除位置との間で回動可能に設けられ、各他端部がケーシングの開口部を介して外部に延出され、互いに重なり合って常には付勢部材によりロック位置に付勢されている。第1リンク機構は、リンクプレートの一端部と第1可動鉄心とを連結し、第2リンク機構は、ロックプレートの一端部と環状リンクとを連結する。
ソレノイドの無通電時、ロックプレートをロック位置に配置したままリンクプレートの解除位置への回動変位を許してシフトレバーをロックする。ソレノイドの通電時、第1可動鉄心が第2可動鉄心を吸着することにより、第1リンク機構、第1可動鉄心、第2可動鉄心、環状リンクおよび第2リンク機構を介して、リンクプレートとともにロックプレートの解除位置への回動変位を許してシフトレバーのロックを解除する。
ロックプレートとリンクプレートとは、ソレノイドと別個で、共通の支軸で回動可能に設けられているため、ソレノイドコイルがロックプレートやリンクプレートとともに回動せずに済み、慣性が小さくロックプレートやリンクプレートの円滑で素早い回動動作が可能になる。
リンクプレートは先端部に傾斜部を有し、ロックプレートは先端部に平坦部を備えている。シフトレバーのロック時、セレクトボタンの操作に連動して変位するディテントピンが傾斜部を押圧して平坦部に当接し、ディテントピンの押圧変位がロック位置で規制されるようになっている。このため、リンクプレートおよびロックプレートに傾斜部および平坦部を形成する簡単な構成であるので、コスト的に安価に済む。
ケーシングの内壁部には、環状リンクの外周部を回動摺接させる環状の窪み部を設けている。このため、環状リンクに回動構造を別途設ける必要がなくなり、環状リンクの回動構造が簡素でコスト的に有利となる。
第1リンク機構は、第1可動鉄心に取付けられて第1長孔部を有する第1リンクと、リンクプレートの一端部に取付けられて第1長孔部に遊嵌された第1突起部からなる。第2リンク機構は、環状リンクに取付けられて第2長孔部を有する第2リンクと、ロックプレートの一端部に取付けられて第2長孔部に遊嵌された第2突起部からなる。
このため、第1リンクと第1突起部との連結が確実かつ円滑となるとともに、第1リンクと第1突起部との連結が確実かつ円滑となり、第1リンク機構および第2リンク機構が堅牢かつ簡素な構造になりコスト的に有利となる。
環状リンクの左右の外周縁部に周方向に形成されたリブ部間を凹面部とし、凹面部とケーシングの内壁部との間を塵埃などの異物を収容する貯留部としている。
このため、車両用自動変速機のシフトレバーロック装置を車両に搭載した際、外部から侵入する塵埃などの異物が貯留部に収容される。この結果、異物が電気系統室内に進出することを防ぎ、異物に起因する故障をなくすことができる。
また、ケーシングの内壁部に対するリブ部の摺動面積が小さくなり、環状リンクの摺動動作が円滑で迅速になり、ロック解除操作に対する応答性が向上する。
第2可動鉄心は、環状リンクに設けられた管状部内で、第1可動鉄心に向けて揺動可能かつ抜止め状態に設けられている。
この場合、組付け時に第1可動鉄心が位置ずれしてしまっても、第2可動鉄心が第1可動鉄心に沿うように変位して位置合わせするようになる。この結果、第1可動鉄心に対する第2可動鉄心の良好な磁気吸着が損なわれることがない。
第1リンク機構と第2リンク機構との長さ関係は、シフトレバーのロック解除時、リンクプレートの小さな回動角度で、ロックプレートを大きく回動させることが可能な寸法関係に設定されている。このため、リンクプレートの回動を不必要に大きくすることが避けられ、他の近隣部品に対する干渉などをなくすことができる。
この支軸6は、細長片状に形成された合成樹脂製のロックプレート7およびリンクプレート8が回動する中心部分となっている。ロックプレート7およびリンクプレート8は、支軸6の位置で互いに重り合う円筒部7a、8aを有している(図2、3参照)。
この場合、ケーシング5の上面部には、ロックプレート7およびリンクプレート8を外部に延出案内させる開口部5bが形成されており、ロックプレート7およびリンクプレート8の各側面部7d、8dを開口部5bの左側内周縁部5cにストッパとして当接させている。
回転軸14の両端には、横長部18aと折曲部18bからなり、断面略L字状に形成された一対の第1可動鉄心18がコイル16を覆うように設けられている。ソレノイド17は、一対の突子15a(図3に一方のみ図示)によりケーシング5の内壁部に固定され、第1可動鉄心18が回転軸14と一緒に左右方向に往復回動できるようになっている。
これに伴い、駆動リンク8gにより第1リンク19が回転軸14と一緒に矢印Cの方向に回動するため、第1可動鉄心18の係止部18cと第2可動鉄心24とが一緒になって回るため、環状リンク20が窪み部5a内で同方向に回動する。
この時、ロックプレート7およびリンクプレート8が第1捩りコイルスプリング12および第2捩りコイルスプリング13の付勢力により矢印A方向に復帰回動する。この結果、図2の(a)に示すように、第1可動鉄心18の係止部18cが第2可動鉄心24に当接した元の位置に戻る。
これとは逆に、長さS1をS2よりも小さく(S1<S2)し、長さL1をL2よりも大きく(L1>L2)設定してもよい。この場合、シフトレバー1Cのロック解除時、リンクプレート8を大きく回動させても、ロックプレート7の回動角度を小に留めることができる。
このため、延長線Mと軸線Qとの交差角度(θ)が45度、90度、120度あるいは135度といったように所望に設定することができるようになる。
この結果、ロックプレート7の平坦部7cやリンクプレート8の傾斜部8cをシフトレバー1Cのディテントピン2に対して無方向から対応させることができ、シフトレバー1Cに対する設計や取付けの自由度が高くなる。
この場合でも、延長線Mと軸線Qとの交差角度(θ)を調整して設計することにより、ディテントピン2をロックプレート7(平坦部7c)やリンクプレート8(傾斜部8c)に対向させることができる。この観点から、シフトレバー1Cに対する設計や取付けの自由度を大幅に向上させることができる。
これにより、第2可動鉄心24は、管状部22を中心にして第1可動鉄心18の係止部18cに接離方向{図5の(b)に示す矢印U参照}およびそれに垂直な方向{図5の(b)に示す矢印V参照}に僅かな許容幅内で揺動可能になる。
すなわち、ロックプレート7に近接側の第1可動鉄心18の横長部18aには、係止部18cおよび環状リンク20に代わって、磁性体製の駆動ディスク25を第1可動鉄心18の延長部として固定している。プラスチック製の第2リンク26は、一端部に形成した第2長孔部26aに従動リンク7fのピンP1を遊嵌させている。第2リンク26の他端部には、磁性体製の従動ディスク27を駆動ディスク25に当接させた第2可動鉄心として固定している。
ソレノイド17の通電時、第1可動鉄心18の駆動ディスク25と従動ディスク27とが磁気回路を形成するため、磁気力により駆動ディスク25は従動ディスク27に吸着して一体となる。
実施例3では、ソレノイド17の通電・無通電に伴って、駆動ディスク25が従動ディスク27に吸着して一体になったり摺動して変位したりするので、駆動ディスク25は従動ディスク27に対してクラッチとして機能する。ソレノイド17の通電時、ロックプレート7がリンクプレート8と一緒にロック解除位置に回動するので、実施例3でも実施例1と同様な効果が得られる。
(a)なお、上記実施例では、第1付勢部材として第1捩りコイルスプリング12を用い、第2付勢部材として第2捩りコイルスプリング13を用いたが、これに限らずスリップリングや板ばねといった付勢手段を用いてもよい。
(b)リンクプレート8とロックプレート7とは、互いに前後となるように配置したが、逆にロックプレート7を前部に設けてリンクプレート8を後部に配置してもよい。
(d)第1可動鉄心18の折曲部18bは、第1リンク19と一体的に形成してリンク機能を兼ねるようにしてもよい。また、第2可動鉄心24からは、一体的に延出させたリンクを形成し、従動リンク7fにピンP1を介して連結するようにしてもよい。
1B セレクトボタン
1C シフトレバー
1E ロック機構部
2 ディテントピン
3 ディテントプレート
4 ディテント溝
5 ケーシング
5a 窪み部
5b 開口部
5d ケーシングの内壁部
5e 貯留部
6 支軸
7 ロックプレート
7c 平坦部
7f 従動リンク(第2リンク機構)
8 リンクプレート
8c 傾斜部
8g 駆動リンク(第1リンク機構)
12 第1捩りコイルスプリング(付勢部材)
13 第2捩りコイルスプリング(付勢部材)
14 回転軸
15 ボビン
16 コイル
17 ソレノイド
18 第1可動鉄心
18c 係止部
19 第1リンク(第1リンク機構)
19a 第1長孔部(第1リンク機構)
20 環状リンク
20a、20b リブ部
20c 凹面部
21 第2リンク(第2リンク機構)
21a 第2長孔部(第2リンク機構)
22 管状部
24 第2可動鉄心
25 駆動ディスク(第1可動鉄心)
26 第2リンク(第2リンク機構)
26a 第2長孔部(第2リンク機構)
27 従動ディスク(第2可動鉄心)
1F 電気系統室
1G 機械系統室
P1 ピン(第2突起部、第2リンク機構)
P2 ピン(第1突起部、第1リンク機構)
M 回転軸と支軸とを結ぶ延長線
Q ロックプレートおよびリンクプレートの軸線
θ 延長線と軸線とがなす交差角度
Claims (7)
- ケーシング内に配置されてコイルを有するソレノイドと、
前記ソレノイドの前記コイルの中心部に配設された回転軸に自由回動可能に取付けられ、前記ソレノイドへの通電により磁化される第1可動鉄心と、
前記ソレノイドの周りに前記回転軸と同芯的で回動可能に配置され、回動により前記第1可動鉄心に対する接離方向の変位が可能となる第2可動鉄心を固定した環状リンクと、 前記回転軸と離れた位置で並列状態に設けられた支軸と、
各一端部が前記支軸にロック位置と解除位置との間で回動可能に設けられ、各他端部が前記ケーシングの開口部を介して外部に延出され、互いに重なり合って常には付勢部材により前記ロック位置に付勢されたロックプレートおよびリンクプレートと、
前記リンクプレートの前記一端部と前記第1可動鉄心とを連結する第1リンク機構と、 前記ロックプレートの前記一端部と前記環状リンクとを連結する第2リンク機構とを備え、
前記ソレノイドの無通電時、前記ロックプレートを前記ロック位置に配置したまま前記リンクプレートの前記解除位置への回動変位を許してシフトレバーをロックし、
前記ソレノイドの通電時、前記第1可動鉄心が前記第2可動鉄心を吸着することにより、前記第1リンク機構、前記第1可動鉄心、前記第2可動鉄心、前記環状リンクおよび前記第2リンク機構を介して、前記リンクプレートとともに前記ロックプレートの前記解除位置への回動変位を許して前記シフトレバーのロックを解除するようにしたことを特徴とする車両用自動変速機のシフトレバーロック装置。 - 前記リンクプレートは先端部に傾斜部を有し、前記ロックプレートは先端部に平坦部を備え、前記シフトレバーのロック時、セレクトボタンの操作に連動するディテントピンが前記傾斜部を押圧して前記平坦部に当接し、前記ディテントピンの押圧変位が前記ロック位置で規制されることを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機のシフトレバーロック装置。
- 前記ケーシングの内壁部には、前記環状リンクの外周部を回動摺接させる環状の窪み部を設けていることを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機のシフトレバーロック装置。
- 前記第1リンク機構は、前記第1可動鉄心に取付けられて第1長孔部を有する第1リンクと、前記リンクプレートの前記一端部に取付けられて前記第1長孔部に遊嵌された第1突起部からなり、
前記第2リンク機構は、前記環状リンクに取付けられて第2長孔部を有する第2リンクと、前記ロックプレートの前記一端部に取付けられて前記第2長孔部に遊嵌された第2突起部からなることを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機のシフトレバーロック装置。 - 前記環状リンクの左右の外周縁部に周方向に形成されたリブ部間を凹面部とし、前記凹面部と前記ケーシングの内壁部との間を塵埃などの異物を収容する貯留部としたことを特徴とする請求項3に記載の車両用自動変速機のシフトレバーロック装置。
- 前記第2可動鉄心は、前記環状リンクに設けられた管状部内で、前記第1可動鉄心に向けて揺動可能かつ抜止め状態に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機のシフトレバーロック装置。
- 前記第1リンク機構と前記第2リンク機構との長さ関係は、シフトレバーのロック解除時、前記リンクプレートの小さな回動角度で、前記ロックプレートを大きく回動させることが可能な寸法関係に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機のシフトレバーロック装置。
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JP2002192976A (ja) * | 2000-12-28 | 2002-07-10 | Nissan Motor Co Ltd | シフトロック機構 |
JP2005145435A (ja) * | 2003-10-24 | 2005-06-09 | Hamanako Denso Co Ltd | 車両用自動変速機のシフトレバーロック装置 |
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