JP2008140993A - 圧電素子 - Google Patents

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【課題】 変位に対する電界依存性を低くすることができる圧電素子を提供する。
【解決手段】 圧電素子1は、圧電体3を介して内部電極4A,4Bを交互に積層してなる構造を有している。圧電体3は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電磁器で形成されている。圧電磁器(PZT)には、P及びKが含有されている。圧電磁器中におけるPの含有量は、Pに換算して、0<P≦250ppmである。圧電磁器中におけるKの含有量は、KOに換算して、30ppm≦KO≦250ppmである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電アクチュエータ等として使用される圧電素子に関するものである。
圧電アクチュエータ等として使用される圧電素子としては、例えば特許文献1に記載されているように、Pb、Zr及びTiを主成分とする圧電磁器組成物により圧電体を形成したものが広く知られている。
特開平10−7461号公報
ところで、近年、ディーゼルエンジン等の内燃機関における燃料噴射制御用の圧電アクチュエータの開発が盛んに行われている。この種の圧電アクチュエータでは、十分な変位を得るために、通常の圧電アクチュエータに比べて大きな電界を加える必要がある。しかし、上記従来技術の圧電磁器組成物により圧電体を形成した場合には、圧電アクチュエータを大電界で駆動させようとしても、所望の変位が得られず、圧電特性が劣化するという問題があった。
本発明の目的は、変位に対する電界依存性を低くすることができる圧電素子を提供することである。
本発明者らは、圧電素子の変位に対する電界依存性について鋭意研究を重ねた結果、Pb、Zr及びTiを主成分とする圧電磁器にP及びKを適切な量だけ含有させると、圧電磁器の粒子径が大きくなり、その結果、圧電素子を大電界で駆動しても圧電特性が殆ど劣化しないことを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、Pb、Zr及びTiを主成分とする圧電磁器により形成された圧電体を備えた圧電素子であって、圧電磁器は、P及びKを含み、圧電磁器中におけるPの含有量は、Pに換算して、0<P≦250ppmであり、圧電磁器中におけるKの含有量は、KOに換算して、30ppm≦KO≦250ppmであることを特徴とするものである。
このように圧電体を形成する圧電磁器は、主成分となるPb、Zr及びTiに加えて、P及びKを含んでいる。このとき、圧電磁器中におけるPの含有量が必要以上に多いと、圧電素子の製造工程において素子を焼成した際に、圧電磁器の粒界にPが析出して粒成長を阻害するため、圧電磁器の粒子径が小さくなり、圧電磁器における単位厚み当たりの粒界の数が多くなる。このため、圧電素子に大きな電界を印加すると、圧電磁器の粒界で熱ロスが発生するため、所望の変位が得られなくなると推測される。そこで、圧電磁器中におけるPの含有量を、Pに換算して250ppm以下と制限している。また、圧電磁器中におけるP及びKの含有量の割合バランスが悪い場合には、素子の焼成時に、圧電磁器の粒界にP及びKが析出しやすくなるため、圧電素子に大きな電界をかけたときに、上記のように圧電磁器の粒界で生じる熱ロスによって所望の変位が得られなくなることがあり得る。そこで、圧電磁器中におけるKの含有量を、KOに換算して30ppm≦KO≦250ppmとしている。このKの含有量は、Pの含有量に対して割合バランスが良好になる数値範囲として、本発明者らによる検討及び評価等によって導き出されたものである。
このように本発明では、圧電磁器中におけるP及びKの含有量を上記のように規定することにより、素子の焼成時に、圧電磁器の粒界にP及びKが析出しにくくなり、圧電磁器の粒成長が促進されるため、圧電磁器の粒子径が大きくなり、圧電磁器における単位厚み当たりの粒界の数が少なくなる。このため、圧電素子に大きな電界を印加した時に圧電磁器に生じる熱ロスが抑えられると考えられる。これにより、圧電素子が大きな電界で駆動されても、所望の変位を得ることができる。
好ましくは、圧電磁器の平均粒子径が2.5μm以上である。これにより、圧電磁器における単位厚み当たりの粒界の数が十分少なくなるため、圧電素子を大きな電界で駆動しても、所望の変位を確実に得ることができる。
また、好ましくは、圧電磁器は、Znを更に含む。この場合には、Znを圧電磁器に含有させない場合に比べて低温で焼成することが可能となる。ところで、焼成温度が低い条件(例えば1000℃以下)では、焼成のエネルギーが低いため、上述したように圧電磁器中におけるPの含有量が多い場合に、圧電磁器の粒成長を妨げやすくなる。従って、圧電磁器にZnが含有されているような場合に、P及びKを上記範囲内の量だけ圧電磁器に含有させることが特に効果的となる。
本発明によれば、圧電素子の変位に対する電界依存性を低くすることができる。これにより、高性能の圧電素子を提供することが可能となる。
以下、本発明に係わる圧電素子の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる圧電素子の一実施形態を示す正面図である。同図において、本実施形態の圧電素子1は、例えば自動車に搭載される内燃機関の燃料噴射装置に圧電アクチュエータとして適用される積層型圧電素子である。
圧電素子1は、直方体状の積層体2を備えている。積層体2は、圧電体3を介して内部電極4A,4Bを交互に積層してなる活性層5と、この活性層5を上下から挟み込むように配置され、複数の圧電体3を積層してなる上蓋層6及び下蓋層7とを有している。
圧電体3は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とするペロブスカイト構造を有する圧電磁器で形成されている。この圧電磁器としては、例えば下記の組成のものが挙げられる。
(Pb0.97 Sr0.02)[(Zn1/3 Nb2/3)0.1 Ti0.435 Zr0.465]O3
圧電磁器(PZT)には、P及びKが含有されている。圧電磁器中におけるPの含有量は、Pに換算して、0<P≦250ppm、好ましくは0<P≦200ppmである。Pは、原料中からの混入を完全に防ぐことができないため、0より大きい値となる。圧電磁器中におけるKの含有量は、KOに換算して、30ppm≦KO≦250ppm、好ましくは30ppm≦KO≦200ppmである。
また、圧電磁器には、ZnがZnOに換算して0.4〜1.7重量%含有されていることが好ましい。これにより、PZTの特性を劣化させること無く、圧電磁器を1000℃以下という低い温度で焼成することができる。このとき、Me(Nb、Sb、Ta)をZn=1に対してMe=2の割合で含んでいることが更に好ましい。さらに、圧電特性の改善のために、圧電磁器にはW、Ni、Fe、Co、Cu等が含まれていても良い。
圧電体3を形成する圧電磁器の平均粒子径は、2.5μm以上であることが好ましく、2.8μm以上であることが特に好ましい。なお、圧電磁器に含まれる粒子の形状は、円形または楕円形に限られず様々である。よって、ここでいう粒子径は、粒子を取り囲み且つ粒子の少なくとも一部に接するように仮想した円(粒子仮想円)の外径とする。
内部電極4A,4Bは、PZTを用いた素子に好適な電極材として、Ag及びPdを主成分とする導電材料で形成されている。
積層体2は、互いに対向する側面2a,2bを有している。内部電極4Aは、積層体2の側面2bよりも内側から側面2aに露出するように形成され、内部電極4Bは、積層体2の側面2aよりも内側から側面2bに露出するように形成されている。これにより、積層体2の側面2a,2側端部を除いた領域において、内部電極4A,4B同士が積層体2の積層方向に対して互いに重なり合うこととなる。そして、圧電体3における内部電極4A,4Bに挟まれる部分は、内部電極4A,4Bに電圧を印加(後述)した時に積層体2の積層方向に伸縮動作(変位)する圧電活性部となる。
積層体2は、例えば縦10mm×横10mm×厚み85μm程度の圧電体3を300層積層した構造を呈している。また、内部電極4A,4Bの厚みは、例えば2μm程度である。
積層体2の側面2aには、各内部電極4Aと電気的に接続された外部電極8Aが設けられ、積層体2の側面2bには、各内部電極4Bと電気的に接続された外部電極8Bが設けられている。外部電極8A,8Bは、積層体2の積層方向に延びている。また、外部電極8A,8Bは、例えばAg、Au及びCuのいずれかを主成分とする導電材料で形成されている。
次に、このような圧電素子1を製造する方法について説明する。まず圧電磁器の出発原料としてPbO、TiO、ZrO、ZnO、Nb及びSrCOの粉体を用意し、これらの出発原料を上記組成となるように秤量する。そして、圧電磁器中におけるP及びKの含有量が上記範囲内となるように、P及びKCOを出発原料に添加し、ボールミルにより湿式混合を行う。
なお、TiO中にP,Kを予め含有させておいたり、ZrO中にPを予め含有させておいても良い。TiO中にPを含有させることで、TiOの結晶構造は、低温焼成可能で且つ安価なアナターゼ型に安定化するようになる。
続いて、混合粉体を空気中で仮焼成する。このとき、混合粉体にはKが所定量含有されているので、900℃という低い温度で混合粉体を仮焼成することができる。そして、仮焼成した混合粉体をボールミルで湿式粉砕することにより、PZTを主成分とする圧電磁器粉体が得られる。
続いて、圧電磁器粉体に有機バインダ及び有機溶剤等を混合した圧電磁器ペーストを作製する。そして、ドクターブレード法によって圧電磁器ペーストをPETフィルム上に塗布して、所定の厚みでシート成形することにより、上記の圧電体3となるグリーンシートを得る。
続いて、Ag:Pd=85:15の比率で構成された金属材と有機バインダ及び有機溶剤等とを混合した導電ペーストを作製し、スクリーン印刷法によってグリーンシート上に導電ペーストを印刷することにより、上記の内部電極4A,4Bとなる電極パターンを形成する。
続いて、電極パターンが形成されたグリーンシートと電極パターンが形成されていないグリーンシートとを所定の枚数だけ所定の順序で積層する。そして、積層後の各グリーンシートに対して60℃程度の熱を加えながら、各層のグリーンシートを100MPaの圧力でプレス(圧着)することにより、グリーン積層体を得る。
その後、グリーン積層体をセッターに載せ、大気雰囲気中においてグリーン積層体の脱脂(脱バインダ)を400℃程度の温度で10時間程度行う。そして、グリーン積層体をセッターと共に密閉こう鉢内に入れ、グリーン積層体の焼成(本焼成)を950℃〜1000℃程度の温度で2時間程度行う。これにより、焼結体としての上記積層体2が得られる。
続いて、焼成後の積層体2を所定の寸法に切断加工する。そして、焼付等により積層体2の側面2a,2bに外部電極8A,8Bをそれぞれ形成する。最後に、例えば温度120℃の環境下で、電界強度が2〜3kV/mmとなるように所定の電圧を3分間程度印加することにより、分極処理を行う。以上により、圧電アクチュエータとして機能する積層型圧電素子1が完成する。
このような圧電素子1において、外部電極8A,8B間に電圧が印加されると、外部電極8A,8Bと接続された各内部電極4A,4B間に電圧が印加され、両者間に電界が生じ、活性層5が積層体2の積層方向(縦方向)に変位するようになる。
ところで、そのような素子の変位量は、各内部電極4A,4B間に印加される電界が高くなるに従って大きくなっていくのが望ましい。しかし、製造コスト等の観点から内部電極4A,4B中のPdの含有量を低減するために、本実施形態のように低温で焼結可能な圧電材料により圧電体3を形成した場合には、例えば図2の破線に示すように、1kV/mmの駆動電界では所望の変位が得られても、2kV/mmの駆動電界では所望の変位が得られなくなる現象が生じることがある。特に圧電素子が燃料噴射制御用の圧電アクチュエータとして使用される場合には、大きな変位量を発生させる必要があるため、上記の現象は大きな問題となる。
駆動電界が高くなると所望の変位が得られなくなる原因としては、以下のことが考えられる。即ち、PZTを主成分とする圧電磁器中に含まれるPの量が多いと、上述したグリーン積層体の焼成時に、圧電磁器の粒界にPが析出してしまう。また、圧電磁器中に含まれるP,Kの量の割合によっては、グリーン積層体の焼成時に、圧電磁器の粒界にKが析出することもある。
ここで、圧電磁器の焼成温度が高い(例えば1200℃)場合には、焼成のエネルギーが粒界成分を維持するためのエネルギーよりも高くなるため、圧電磁器の粒成長(結晶成長)を妨げることは殆ど無い。しかし、圧電磁器の焼成温度が1000℃以下の条件では、焼成のエネルギーが粒界成分を維持するためのエネルギーよりも低くなるため、圧電磁器の粒成長が阻害される。このため、焼結された後の圧電体3の粒子径が小さくなり、圧電体3における単位厚み当たりの粒界の数が多くなる。その結果、完成した圧電素子1において各内部電極4A,4B間に比較的大きな電界(電圧)を印加すると、圧電体3の粒界が発熱して熱ロスが発生し、この熱ロスにより所望の変位が得られなくなる。つまり、圧電素子1の変位に対する電界(電圧)依存性が悪化してしまう。
これに対し本実施形態では、圧電磁器中におけるPの含有量を、Pに換算して0<P≦250ppmとし、圧電磁器中におけるKの含有量を、KOに換算して30ppm≦KO≦250ppmとしてある。つまり、圧電磁器中に含まれるPの量が必要最小限に抑えられると共に、圧電磁器中に含まれるKの量が少量のPに対して適正なものとなる。
これにより、上述したようにグリーン積層体を1000℃以下の温度で焼成しても、圧電磁器の粒界にP及びKが析出しにくくなり、圧電磁器の粒成長が促進されるため、焼結された後の圧電体3の粒子径が大きくなり、圧電体3における単位厚み当たりの粒界の数が少なくなる。その結果、完成した圧電素子1において各内部電極4A,4B間に比較的大きな電界(電圧)を印加したときに、圧電体3の粒界での発熱により生じる熱ロスが抑制されるため、所望の変位が得られるようになる。従って、変位に対する電界(電圧)依存性の小さい圧電素子1が得られる。
また、圧電素子1の変位時には、応力集中によって積層体2にクラックが発生することがあるが、このクラックの進行方向は圧電体3の粒界の状態に影響される。このとき、圧電体3における単位厚み当たりの粒界の数が多くなると、クラックがランダムな方向に延びやすくなるため、積層体2の積層方向(縦方向)に延びるクラックが生じやすくなる。このような縦方向のクラックが発生すると、異極の内部電極4A,4B間がショートして、圧電素子1の絶縁破壊を引き起こす可能性がある。
本実施形態では、焼成後に圧電体3の粒子径が大きくなることで、圧電体3における単位厚み当たりの粒界の数が少なくなるので、圧電体3の粒界に沿ったクラックの進行が抑えられ、縦方向に延びるクラックが生じにくくなる。これにより、内部電極4A,4B間のショートが防止され、圧電素子1の絶縁破壊を回避することができる。
以上のように本実施形態の圧電素子1によれば、大きな電界で駆動されても、圧電特性が殆ど劣化せず、十分な変位量を確保することができると共に、縦方向に延びるクラックによる絶縁破壊を防止することができる。これにより、信頼性の高い圧電素子1を得ることが可能となる。
実際に、上述した実施形態と同様の圧電磁器を用いて評価用圧電素子を作製し、評価を行った。
具体的には、まず上記のPbO、TiO、ZrO、ZnO、Nb、SrCO、P及びKCOから、PZTを主成分としP及びKを含む圧電磁器粉体を作製した。そして、この圧電磁器粉体にポリビニールアルコール系のバインダーを加えて造粒を行い、これを約196MPaの圧力でプレスして所定の大きさに成形した。
次いで、その成形体を大気雰囲気中において1000℃の温度で焼成した。この焼成は、大気中より酸素分圧の高い雰囲気中や純酸素中でも可能である。こうして得られた焼結体を厚さ2mm、直径15mmとなるような円板状に加工し、この焼結体の両面に銀を蒸着して電極を施した。そして、この素子を120℃の絶縁油中に入れ、電界強度3kV/mm、電圧印加時間30分間という条件で分極処理を行い、評価用圧電素子を得た。
このとき、圧電磁器中におけるP及びKの含有量が異なる複数種類(10種類)の評価用圧電素子を作製した。
表1は、各種類の評価用圧電素子について、圧電体におけるP(P)及びK(KO)の含有量と、圧電体の平均粒子径と、圧電歪定数d33とを表したものである。
Figure 2008140993
このとき、完成した評価用圧電素子の研磨・エッチング処理を行った後、走査電子顕微鏡で粒子の観察を行い、画像処理により粒子仮想円(前述)の粒子径を求めて、平均粒子径の算出を行った。また、完成した評価用圧電素子に2kV/mmの電界を印加し、レーザードップラー振動計を用いて素子の変位量を求め、この変位量と電界より圧電歪定数d33を算出した。
表1にまとめたように、圧電磁器中におけるPの含有量を0<P≦250ppmとし、圧電磁器中におけるKの含有量を30ppm≦KO≦250ppmとした試料1〜4,7〜9については、圧電体の平均粒子径が2.5μm以上となり、圧電歪定数d33が750pm/V以上となっている。しかし、圧電磁器中におけるP及びKの含有量が上記範囲内に無い試料5,6,10については、圧電体の平均粒子径が2.5μmよりも小さく、また750pm/V以上の圧電歪定数d33が得られていないことが分かる。
図2は、試料6,7について、電界強度と圧電歪定数d33との関係を表したグラフである。なお、グラフ中の実線が試料7の特性を表し、グラフ中の破線が試料6の特性を表している。
図2から分かるように、圧電磁器中におけるP及びKの含有量が上記範囲内に無い試料6(比較例)では、電界強度が高くなるに従って所望の変位量(圧電歪定数d33)が得られなくなるが、圧電磁器中におけるP及びKの含有量が上記範囲内にある試料7(実施例)では、電界強度が高くなっても所望の変位量(圧電歪定数d33)が確保される。
以上の評価結果から、PZTを主成分としP及びKを含む圧電磁器において、Pの含有量を0<P≦250ppmとし、Kの含有量を30ppm≦KO≦250ppmとすることにより、変位量の電界(電圧)依存性が良好になるという本発明の有効性を実証することができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、素子の低温焼成を行うべく、圧電体を形成する圧電磁器にZnが含有されているが、圧電磁器の組成については、PZTを主成分とするものであれば、特にZnを含有したものには限られない。
本発明に係わる圧電素子の一実施形態を示す正面図である。 任意に選んだ評価用圧電素子における電界強度と圧電歪定数d33との関係を表したグラフである。
符号の説明
1…圧電素子、2…圧電体。

Claims (3)

  1. Pb、Zr及びTiを主成分とする圧電磁器により形成された圧電体を備えた圧電素子であって、
    前記圧電磁器は、P及びKを含み、
    前記圧電磁器中におけるPの含有量は、Pに換算して、0<P≦250ppmであり、
    前記圧電磁器中におけるKの含有量は、KOに換算して、30ppm≦KO≦250ppmであることを特徴とする圧電素子。
  2. 前記圧電磁器の平均粒子径が2.5μm以上であることを特徴とする請求項1記載の圧電素子。
  3. 前記圧電磁器は、Znを更に含むことを特徴とする請求項1または2記載の圧電素子。

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