JP2008139749A - 転写ベルト装置、画像形成装置 - Google Patents

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隆 程島
Toshiyuki Ando
俊幸 安藤
Seiji Hoshino
誠治 星野
Tatsuhiko Oikawa
達彦 及川
Takashi Hashimoto
崇 橋本
Eigo Noguchi
野口英剛
Hiromichi Matsuda
裕道 松田
Makoto Komatsu
真 小松
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Abstract

【課題】厚紙通紙に起因する負荷変動による中間転写ベルトの速度変動を防止することにより、画像品質を向上すると共に、中間転写ベルト張架ローラに生じさせる負荷を効率的に働かせることにより、消費エネルギーの低減、耐久寿命の向上、環境負荷の低減を図る。
【解決手段】複数のローラに張架され、感光体1Y,1C,1M,1Kからの画像が転写されるシート部材を搬送する中間転写ベルト6と、中間転写ベルト6を張架する2次転写ローラ9に対向して配置され中間転写ベルト6との間に転写紙20を搬送しながら画像を転写する2次転写対向ローラ10とを備えた転写ベルト装置において、中間転写ベルト6の内側に負荷付与ローラ13を外側に負荷対向ローラ14を設け中間転写ベルト6を挟持して、設け中間転写ベルト6の搬送に対する負荷を付与する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式により画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の転写ベルト装置及び画像形成装置に係り、特に複数のローラに張架され、感光体からの画像が転写されるシート部材を搬送する無端ベルト部材と、無端ベルト部材を張架するローラの1本のローラに対向して前記無端ベルト部材の外側に設けられ、ベルト部材との間にシート部材を搬送しながら画像を転写する転写手段とを備えた転写ベルト装置及び画像形成装置に関する。
従来フルカラー画像形成装置として以下のものがある。図5は従来の画像形装置の要部を示す概略断面図である。この例の画像形成装置では、4つの感光体ユニットでシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせることにより、カラー画像を形成している。
各感光体ユニットの感光体1Y,1C,1M,1Kは、帯電装置2Y,2C,2M,2Kにより表面が一様な電位となるように帯電され、露光部からの光3Y,3C,3M,3Kにより画像情報に基づき画像部/非画像部とを分けて書き込み露光が行われることで、表面に静電潜像が形成される。感光体表面上の静電潜像の画像部には、現像装置4Y,4C,4M,4Kによりトナーが付着され、トナー像(顕像)が形成される。トナー像はその後、1次転写部で、1次転写ローラ5Y,5C,5M,5Kに印加したバイアスの作用により、中間転写ベルト6の表面に転写される。
各感光体ユニットは、中間転写ベルト6の経路上に、中間転写ベルト6に接して並んでおり、各感光体1Y,1C,1M,1Kに形成されたトナー像は、各1次転写部で順番に位置を合わせるようにして、中間転写ベルト6の外側表面に転写される。中間転写ベルト6はベルト駆動ローラ7を含む複数のローラに張架されて、一定速度で駆動されている。ベルト駆動ローラ7はモータ等の駆動源により回転駆動されている。
中間転写ベルト6上に形成されたフルカラーのトナー像は、2次転写部で転写紙20上に転写される。転写紙20は、画像形成装置の給紙部より搬送経路21を搬送されてきて、レジストローラ対8で先端位置を調整されて、2次転写部へ送られる。2次転写部では、中間転写ベルト6の内側に配置された2次転写ローラ9と、中間転写ベルト6の外側に配置された2次転写対向ローラ10との間に電界を形成し、転写紙20にトナー像を転写する。2次転写対向ローラ10は、中間転写ベルト6方向に加圧され、中間転写ベルト6に接しながら、また転写紙への転写時には転写紙に接触しながら連れ回っている。
トナー像を転写された転写紙20は、定着装置11を通過し、加熱、加圧により、トナー像が転写紙20上に定着される。
このような画像形成装置の画像形成工程においては、感光体、中間転写ベルトの表面が一定の速度で動いていることが重要となる。感光体の表面に速度差があると、画像が伸び縮みすることになり、速度差が微小であっても一定の画像濃度であるべき部分に濃淡が生じたりする。感光体表面速度が一定に維持されていても、中間転写ベルト表面の速度に変動がある場合には、1次転写部分で、感光体との速度差が生じることから、同様に、画像の伸び縮み、濃淡が生じてしまう。
中間転写ベルトにおいて、速度変動が生じる要因としては、モータなど駆動源の回転変動、駆動伝達系において生じる変動、ベルトを張架する駆動ローラ、従動ローラの偏心、ベルトの厚み偏差、などによるものの他、稼動中に突発的に生じる変動も挙げられる。突発的な変動が生じる例としては、厚紙を通紙した場合がある。
図6は2次転写部に用紙の先端が突入した状態を示す図であり、(a)は転写紙の突入時、(b)は転写紙の通過時を示す拡大断面図である。通常の印刷用紙より厚い転写紙20が2次転写部において2次転写ローラ9と2次転写対向ローラ10のニップ部分に進入する際において、転写紙20の先端がニップ内に入り込むとき(図6(a))、2次転写対向ローラ10の負荷が増加し、ベルト速度が1時的に遅くなる。それが中間転写ベルト6全体の速度変動となり、その際に、1次転写部で転写が行われていると、中間転写ベルト6上の画像にムラが生じてしまう。
図7は2次転写部に用紙の後端が抜け出す状態を示す図であり、(a)は転写紙の通過時、(b)は転写紙の抜け出し時を示す拡大断面図である。2次転写部分を転写紙20が通過し終わり、図7(b)に示すように、転写紙20の後端が2次転写ローラ9、2次転写対向ローラ10間のニップを抜けるときには、2次転写対向ローラ10の負荷が軽くなるため速度が1時的に速くなる。これによっても1次転写部で感光体、中間転写ベルト6に速度差が生じることから画像にムラが発生してしまう。
このような、2次転写部を転写紙が通過することによる負荷変動の場合、厚紙の場合には負荷変動が生じるが、一般の複写、プリント用途に使われる程度の厚さの紙の場合には、画像に影響を与えるような負荷変動が生じることはない。なお、2次転写部の構成・条件によっても異なるが、概ね、紙の連量が100Kgを超える辺りから影響が出てくる。
2次転写部を厚紙が通過する際に生じる負荷変動、速度変動を低減するためには、中間転写ベルトを張架するローラの少なくとも1本に対して、回転負荷を与えておくという手法がある。ベルトを張架するローラに予め回転負荷を与えておくことにより、厚紙通過時に限らず、負荷変動の影響を少なくすることができる。
上述のような画像形成装置として、特許文献1に記載のものがある。この画像形成装置は、像形成体と、像形成体上にトナー像を形成する手段と、像形成体上のトナー像を転写して表面に担持すると共に、転写材を搬送する無端ベルト状の中間転写体と、像形成体上のトナー像を中間転写体に転写する第1の転写手段と、像形成体上のトナー像を前記転写材の表面に転写する第2の転写手段と、中間転写体上のトナー像を転写材の裏面に転写する第3の転写手段と、第3の転写手段により中間転写体上のトナー像を転写後、中間転写体に当接及び当接解除し、中間転写体上の転写残トナー像をクリーニングする中間転写体クリーニング手段と、転写材上のトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置において、中間転写体を緊張して張るために、前記中間転写体を張架するローラ部材のうち、従動回転するローラ部材の1つ或いは複数に回動負荷を与える張力負荷手段を設けるものである。
また、感光体ユニットに形成したトナー像を直接用紙に転写するタイプの画像形成装置がある。図8は従来の他の画像形成装置の要部を示す概略断面図である。この例では、転写紙が搬送ベルト上を搬送され、複数の感光体1Y,1C,1M,1K上のトナー像が、複数の1次転写ローラ5Y、5C、5M、5Kに印加されたバイアスによって順次転写紙に転写され、転写紙上にカラートナー像が形成される。その後定着装置を通過して最終画像を得るものである。
このようなタイプの画像形成装置にあっても、上述した中間転写ベルトを用いた画像形成装置と同様の問題がある。即ち、転写紙が第1の転写ニップ部に進入した際に、搬送ベルトに負荷トルクが生じ、速度変動が生じる。その影響が下流における感光体と搬送ベルトとの速度差を生じさせるので、画像の伸び縮み、濃淡が生じてしまうのである。
特許第3697906号公報
ところで、電子写真方式の画像形成装置では、感光体の表面を一様な電位となるように帯電し、形成する画像情報に基づき画像部、非画像部とを分けて、露光装置により感光体表面を露光することにより、静電潜像を形成する。感光体表面上の静電潜像の画像部には、現像装置によりトナーを付着させることでトナー像(顕像)を形成する。トナー像はその後、転写部で、用紙に転写され、用紙が定着部を通過することにより、トナーが溶融され、用紙上に定着される。このような工程により用紙に画像が形成される。
また、フルカラーの複写機、プリンタでは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色でカラー画像を形成しており、各色のトナー像を形成するための4本の感光体ドラムを画像形成路上に並べる方式(以下、タンデム方式)が主流となっている。タンデムカラー方式では、4本の感光体ドラムに接して、中間転写ベルトを配置しており、中間転写ベルトの搬送方向で、上流に配置されたドラムから順次、ドラム上に形成されているトナー像を中間転写ベルト上に転写していき(1次転写)、ベルト上にカラー画像を形成し、最後に、用紙トレイから送られてきた転写紙が、中間転写ベルトに接する部分で、転写紙にトナー像を転写する(2次転写)。
上述したように、このような画像形成装置においては、感光体、中間転写ベルトの表面が一定の速度で動いていることが重要である。感光体の表面に速度差があると、画像が伸び縮みすることになり、速度差が微小であっても一定の画像濃度であるべき部分に濃淡が生じたりする。感光体表面速度が一定に維持されていても、中間転写ベルト表面の速度に変動がある場合には、1次転写部分で、感光体との速度差が生じることから、同様に、画像の伸び縮み、濃淡が生じてしまう。このために、感光体、中間転写ベルトを一定速度で駆動するための考案が数多くなされている。
速度の変動について、ある程度の長さの時間周期で増減する変動に関しては、制御技術等により補正可能であるが、突発的に発生する変動に関しては、対応が困難となっている。中間転写ベルトにおいて、突発的に速度変動が生じる要因としては、上述したように厚紙を通紙した場合がある。厚みのある紙が、2次転写部で2次転写ローラと2次転写対向ローラのニップ部分に進入する際、厚紙の先端をニップ内に入り込ませるのに、2次転写対向ローラの負荷が増加し、速度が1時的に遅くなる。それが中間転写ベルト全体の速度変動となり、同時に、1次転写部で転写が行われている場合に、1次転写後の中間転写ベルト上の画像にムラが生じるのである。
また、2次転写部分を厚紙が通過し終わり、厚紙の後端が2次転写ローラ、2次転写対向ローラ間のニップを抜けるときには、2次転写対向ローラの負荷が軽くなるため速度が1時的に速くなる。これによっても1次転写部で感光体、中間転写ベルトに速度差が生じることから画像にムラが発生してしまう。
特許文献1に記載の技術では、中間転写体クリーニングブレードを中間転写体に当接及び当接解除し、中間転写体上の転写残トナー像をクリーニングする際に、複数のローラ部材により張架される中間転写体の速度が変動し、トナー像の乱れを生じる、という問題に対して、中間転写ベルトを張架するローラ部材の少なくとも1本に対して、負荷を発生する手段を設けることにより、クリーニングブレードの接離に伴う、駆動トルクの変動を防止し、駆動トルク変動による中間転写ベルトの速度ムラにより生ずるトナー像の乱れを防止している。
しかしながら、上述したような、2次転写部を転写紙が通過することによる負荷変動の場合、厚紙の場合には負荷変動が生じるが、一般の複写、プリント用途に使われる程度の厚さの紙の場合には、画像に影響を与えるような負荷変動が生じることはなく、そのような場合でもベルト張架ローラに負荷を与えていることは、中間転写ベルトを駆動するモータに無用な負荷を掛けていることになり、消費電力が多くなることから経済的でなく、中間転写ベルト駆動装置を構成する部材の耐久寿命も短くすることになってしまう。
また、2次転写部を厚紙が通過する際に生じる負荷変動に関しては、以下のような現象もある。即ち、カラー画像形成装置の使用に関しては、カラー画像が必要でない場合も多いことから、ブラック単色で画像を形成するモノクロモードを設けているが、モノクロモードの場合には、ブラック以外の感光体周り部材の消耗を抑えるために、ブラック以外の色については、1次転写手段又は感光体を中間転写ベルトから離間させている。この場合、他の3色の感光体と1次転写手段による、中間転写ベルト搬送への負荷が無くなるために、上述の、2次転写部を厚紙が通過する場合の負荷変動による中間転写ベルトの速度変動が生じやすくなり、モノクロモードで画像ムラが生じやすい易いという現象である。
そこで本発明は、厚紙通紙に起因する負荷変動による中間転写ベルトの速度変動を防止することにより、画像品質を向上すると共に、中間転写ベルト張架ローラに生じさせる負荷を効率的に働かせることにより、消費エネルギーの低減、耐久寿命の向上、環境負荷の低減を図ることを目的とする。
請求項1の発明は、複数のローラに張架され、表面に画像を担持する無端ベルト部材と、前記無端ベルト部材を張架するローラのうち1本のローラに対向して前記無端ベルト部材の外側に設けられ、ベルト部材との間にシート部材を搬送しながら画像を転写する転写手段とを備えた転写ベルト装置において、前記無端ベルト部材の内側及び外側から前記無端ベルト部材を挟持して、前記無端ベルト部材の搬送に対する負荷を付与するベルト負荷付与手段を備えたことを特徴とする転写ベルト装置である。
請求項2の発明は、シート部材を搬送する無端ベルト部材を備えた転写ベルト装置において、前記無端ベルト部材の内側及び外側から前記無端ベルト部材を挟持して、前記無端ベルト部材の搬送に対する負荷を付与するベルト負荷付与手段を備えたことを特徴とする転写ベルト装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の転写ベルト装置において、前記ベルト負荷付与手段は、前記無端ベルト部材を内外から挟持する2つのローラからなるローラ対を備え、前記ローラ対には前記2つのローラを前記無端ベルト部材に圧接すると共に2つのローラ対のうち少なくとも一方のローラに回転負荷を付与するベルト負荷付与手段とを備えたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか記載の転写ベルト装置において、前記ベルト負荷付与手段は、前記ローラが前記無端ベルト部材から離間した状態と、前記ローラが前記無端ベルト部材に圧接して挟持する状態とを切替可能に構成されると共に、搬送されるシート部材の厚さに応じて外部から回転負荷を設定する回転負荷調整手段を備えることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか記載の転写ベルト装置において、前記ベルト負荷付与手段は、前記ローラが前記無端ベルト部材から離間した状態と、前記ローラが前記無端ベルト部材に圧接して挟持する状態とを切替可能に構成されると共に、シート部材の厚さを検出するシート厚検出手段と、検出したシート部材の厚さが所定厚さよりも大きい場合に、前記回転負荷調整手段を駆動制御してローラ対をベルトに圧接して挟持する状態としてベルトの搬送に対する負荷を発生させる回転負荷設定手段を備えることを特徴とする。
請求項6の発明は、前記請求項1乃至5のいずれか記載の転写ベルト装置を備え、前記転写ベルト装置の無端ベルト部材は、駆動ローラを含む複数のローラに張架されると共に、前記感光体に接する部分で感光体上のトナー像がその外側面に転写される中間転写ベルトであり、前記転写手段は、中間転写ベルトの外側であって、前記中間転写ベルトとの間で前記シート部材を挟持搬送し前記シート部材に中間転写ベルト外側面上のトナー像を転写する2次転写手段であることを特徴とする画像形成装置である。
請求項7の発明は、請求項6記載の画像形成装置において、前記中間転写ベルトの内側で前記中間転写ベルトを張架すると共に、前記2次転写手段に対向する部分に配置され、前記2次転写手段と共に前記中間転写ベルトを挟持搬送する2次転写対向ローラを備え、前記ベルト負荷付与手段は、前記中間転写ベルトの搬送方向であって2次転写対向ローラより下流側であり、かつ、感光体よりも上流側の領域に配置されたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項6又は7記載の画像形成装置において、前記感光体は複数であり、それぞれの感光体には色の異なるトナー像が形成され、前記中間転写ベルトは、前記複数の感光体に接する部分で、各感光体上のトナー像が表面に順次転写され、前記中間転写ベルトの内側であって、前記各感光体に対向する部分で各感光体との間に中間転写ベルトを挟持すると共に静電作用により前記各感光体上のトナー像を前記中間転写ベルト上に転写する複数の1次転写手段を備え、前記ベルト負荷制御手段は、前記ベルト負荷付与手段を制御して、前記中間転写ベルトに全部の色のトナーを用いて画像形成する場合には、ベルト負荷付与手段を中間転写ベルトから離間し、複数ある感光体のうち所定数の感光体又は感光体に対向する1次転写手段を中間転写ベルトから離間して画像形成する場合には、ベルト負荷付与手段で中間転写ベルトを挟持してベルトの搬送に対する負荷を付与することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項6乃至8いずれか記載の画像形成装置において、前記感光体は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナー各々に対応して、表面にトナー像が形成するものであり、ベルト負荷付与手段は、中間転写ベルト搬送方向で、ブラックの画像形成を行う感光体の上流に配置され、前記ベルト負荷制御手段は、ベルト負荷付与手段を駆動制御して、ブラック単色の画像形成を行う場合にはベルト負荷付与手段で中間転写ベルトを挟持して中間転写ベルトに回転負荷を付与し、ブラック単色の画像形成以外の場合には、ベルト負荷付与手段を中間転写ベルトから離間しベルトへの負荷を解除する。
本発明によれば、無端ベルト部材に速度変動を生じるような場合に、ベルト負荷付与手段が無端ベルト部材の搬送に負荷を生じさせるから、無端ベルト部材の速度変動が低減され、画像形成時に生じる濃淡ムラを防止し、画像品質を維持向上させることができる。
以下本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図面に基づいて説明する。
以下本発明に係る画像形成装置の実施例について説明する。図1は実施例に係る画像形装置の要部を示す概略断面図である。この画像形成装置は、従来例として示したものと同様に、4つの感光体ユニットでシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせることにより、カラー画像を形成している。
各感光体ユニットの感光体1Y,1C,1M,1Kは、帯電装置2Y,2C,2M,2Kにより表面が一様な電位となるように帯電され、露光部からの光3Y,3C,3M,3Kにより画像情報に基づき画像部/非画像部とを分けて書き込み露光が行われることで、表面に静電潜像が形成される。感光体表面上の静電潜像の画像部には、現像装置4Y,4C,4M,4Kによりトナーが付着され、トナー像(顕像)が形成される。トナー像はその後、1次転写部で、1次転写ローラ5Y,5C,5M,5Kに印加したバイアスの作用により、中間転写ベルト6の表面に転写される。
各感光体ユニットは、中間転写ベルト6の経路上に、中間転写ベルト6に接して並んでおり、各感光体1Y,1C,1M,1Kに形成されたトナー像は、各1次転写部で、順番に位置を合わせるようにして、中間転写ベルト6の外側表面に転写される。中間転写ベルト6はベルト駆動ローラ7を含む複数のローラに張架されて、一定速度で駆動されている。ベルト駆動ローラ7はモータ等の駆動源により回転駆動されている。
中間転写ベルト6上に形成されたフルカラーのトナー像は、2次転写部で転写紙20上に転写される。転写紙20は、画像形成装置の給紙部より搬送経路21に沿って搬送されてきて、レジストローラ対8で先端位置を調整されて、2次転写部へ送られる。2次転写部では、中間転写ベルト6の外側に配置された2次転写ローラ9と、中間転写ベルト6の内側に配置された2次転写対向ローラ10との間に電界を形成し、転写紙20にトナー像を転写する。2次転写対向ローラ10は、中間転写ベルト6方向に加圧され、中間転写ベルト6に接しながら、また転写紙への転写時には転写紙に接触しながら連れ回っている。
トナー像を転写された転写紙20は、定着装置11を通過し、加熱、加圧により、トナー像が用紙上に定着される。
本実施例では、ベルト搬送負荷付与手段として、ローラ対である負荷付与ローラ13と負荷対向ローラ14とを配置している。そして、負荷付与ローラ13に予め回転負荷を与えておくことにより、負荷変動の影響を少なくするものとしている。なお、中間転写ベルト6を張架するために設けられているローラとして、駆動やバイアス印加など元来目的とした機能を持っているために、さらに負荷を付与する構成を追加するにはレイアウト上の制約がある。また、それらのローラに張架された中間転写ベルトの位置によっては、負荷を付与する効果の大きい場所とそうでない場所がある。本例では、ベルトが平面搬送されている部分において、負荷付与ローラ13、負荷対向ローラ14を配置することとした。このため、負荷変動抑制効果が高い部分で負荷を付与することができる他レイアウトの自由度を高いものとすることができる。
本例では、ベルトの搬送方向(図中矢印で示した)において2次転写ローラ9の直後に負荷付与ローラ13、負荷対向ローラ14を配置している。この負荷付与ローラ13、負荷対向ローラ14が、中間転写ベルト6を介して圧接し合い、中間転写ベルトを挟持して、中間転写ベルトの搬送に伴って回動され、中間転写ベルト6に負荷を与える。
なお、中間転写ベルト6の経路上であって、感光体(1次転写)から2次転写までの領域では、中間転写ベルト表面にトナー像が形成されているため、ベルト負荷付与手段は設けることができない。そのため、本例では、ベルト負荷付与手段を2次転写から感光体(1次転写)までの領域に設けている。また、厚紙通過に伴う負荷変動が発生する2次転写対向ローラ近傍や、1次転写への影響を抑える意味ではベルト負荷付与手段は感光体の上流に配置することが効果的である。
次に本発明に係る画像形成装置の第2の実施例について説明する。図2は第2の実施例に係る画像形成装置の要部を示す概略断面図である。本例に係る画像形成装置では、ブラックトナーで画像形成する感光体の直ぐ上流にベルト搬送負荷付与手段である負荷付与ローラ13、負荷対向ローラ14を設けている。そして、本例ではモノクロモードで、黒以外の感光体や1次転写手段が作動しない場合に、ベルト搬送負荷を発生し、それ以外のカラーモードでは、ベルト搬送負荷を与えないようにしている。これにより、モノクロモードにおいても、フルカラーモードの場合と同様に、中間転写ベルト速度変動が抑制でき、画像不具合を防止することが可能となっている。
このような構成を採用したのは、次の理由による。カラー画像形成装置では、実使用上、白黒画像の出力を行う場合が多く、黒トナーの感光体部分だけを用いて画像を形成するモノクロモードを設けている。モノクロモードの際には、シアン、マゼンタ、イエローの感光体の駆動を停止し、対応する1次転写手段を中間転写ベルトから離間させることが好ましい。この場合に、黒以外の感光体と1次転写手段によるベルト搬送負荷が無くなるために、フルカラー画像形成の場合には問題のない紙厚であっても、中間転写ベルトの速度変動が生じ、画像不具合の生じる場合があるからである。
次に上記第1及び第2の実施例で使用するローラ対について詳細に説明する。両実施例では、ローラ対として負荷付与ローラ13と負荷対向ローラ14とを配置している。実施例1と、実施例2とでは、負荷対向ローラ14と負荷付与ローラ13との配置状態が異なるが、両実施例においてローラ対の基本的構成は同一であるので、以下、実施例2に使用しているローラ対の構成を説明する。なお、実施例1のローラ対は、図3に示したローラ対の方向を変更したものに相当する。
図3は実施例に係るローラ対の構成を示す図であり、(a)は離間状態、(b)は挟持状態を示す正面図である。負荷付与ローラ13及び負荷対向ローラ14は軸13a、14aで回動可能に配置され、この軸13a、14aは、互いにバネ13b、14bで中間転写ベルト6方向に加圧されている。このため、負荷付与ローラ13及び負荷対向ローラ14は中間転写ベルト6を挟んで互いに近接する方向に付勢されている。
また、負荷付与ローラ13及び負荷対向ローラ14は長円形の接離カム16を設けて、離間状態(図3(a))と、圧接挟持状態(図3(b))とに切替可能としている。実施例では、負荷付与ローラ13が中間転写ベルト6方向に移動した際に、摺接部材15に対する食込量が大きくなることで、負荷付与ローラ13の回転負荷が増し、ベルト搬送負荷を与える構成としている。前記接離カム16は駆動用モータで駆動され、この駆動用モータは図示していない回転負荷設定手段で制御される。
また、負荷付与ローラ13には摺接部材15を摺接させ回転負荷を付与している。なお、回転負荷の付与方法については、電磁式のブレーキなどを使用することができるが、負荷発生手段自体の回転ムラ、速度変動があることは好ましくなく、その点ではローラに摺接部材を当接させて、摩擦力により回転負荷を発生させるほうが望ましい。
また、本例では、転写紙20がレジストローラ対8に達する手前に、紙の厚みを検知する紙厚検出センサ12を設けている。さらに、本例では紙厚検出センサ12には回転負荷設定手段が接続され、回転負荷設定手段は紙厚検出センサ12が所定厚さ以上の厚紙を検知したとき接離カム16を回転駆動して負荷付与ローラ13及び負荷対向ローラ14を当接状態とする一方、それ以外のときは負荷付与ローラ13及び負荷対向ローラ14を離間状態とする。
一般的には、画像に影響を与えるような負荷変動を生じさせる厚さの紙を用いる機会のほうが少ない。画像に影響しない程度の厚さの転写紙を用いる場合に、ベルト搬送負荷を与えていることは、中間転写ベルトを駆動するモータに無用な負荷を掛けていることになり、消費エネルギーが多くなることから経済的でなく、中間転写ベルト駆動装置を構成する部材の耐久寿命も短くすることになってしまう。紙厚検出センサ12により、紙圧が所定値以上である場合に、回転負荷を生じさせるようにすることで、厚紙のときには画像品質を維持し、厚紙でないときは、回転負荷を与えないのでエネルギーの無駄な消費を防ぐことができる。
なお、画像に濃淡が生じる紙厚の限界値は、加圧力等の2次転写部の条件や、中間転写ベルトを張架する構成により異なるので、回転負荷を発生させるか否かの紙厚の基準値は、画像形成装置の構成に応じて決めることが望ましい。
紙厚検出センサ12の設置位置は、回転負荷発生のタイミングが画像形成開始前であれば、2次転写部に転写紙が到達する前のどこでも良いが、中間転写ベルト駆動中に負荷を変えることは、そのこと自体が速度変動発生の原因となるので、1次転写動作や書き込み動作の始まる前には負荷を発生させ、画像形成動作中は負荷を変えないことが望ましい。
なお、紙厚検出センサを設けるのではなく、使用者が自ら使用する紙の厚みを認識して、厚紙を使用する場合に回転負荷調整装置である操作部を操作して機械的に接離カム16を回転駆動することで、厚紙専用のモードに設定して回転負荷を発生させるようにしても良い。
次に第3の実施例について説明する。本例は、直接転写タイプの画像形成装置に本発明を適用した例である。図4は第3の実施例に係る画像形成装置の要部構成を示す概略断面図である。
本例に係る画像形成装置では、ベルト負荷付与手段として負荷付与ローラ13、負荷対向ローラ14を配置するに際して最上流ステーションより上流の位置(例えば図4中A)とし、できるだけ、負荷変動発生部分である第1ステーションの転写ニップ部に近くに配置している。このような場合転写ニップ部に近いほうが速度変動を抑えるのに有効である。
また、本例では、YCMのカラー用感光体が搬送ベルトから離間するモノクロモードのときにベルトに負荷を付与することができ、この場合には負荷付与ローラ13、負荷対向ローラ14は黒用感光体1Kの上流(例えば図4中B)とすることが好ましい。
実施例に係る画像形装置の要部を示す概略断面図である。 第2の実施例に係る画像形成装置の要部を示す概略断面図である。 実施例に係るローラ対の構成を示す図であり、(a)は離間状態、(b)は挟持状態を示す正面図である。 第3の実施例に係る画像形成装置の要部構成を示す概略断面図である。 従来の画像形装置の要部を示す概略断面図である。 2次転写部に用紙の先端が突入した状態を示す図であり、(a)は転写紙の突入時、(b)は転写紙の通過時を示す拡大断面図である。 2次転写部に用紙の後端が抜け出す状態を示す図であり、(a)は転写紙の通過時、(b)は転写紙の抜け出し時を示す拡大断面図である。 従来の他の画像形成装置の要部を示す概略断面図である。
符号の説明
1Y,1C,1M,1K 感光体
2Y,2C,2M,2K 帯電装置
3Y,3C,3M,3K 光
4Y,4C,4M,4K 現像装置
5Y,5C,5M,5K 1次転写ローラ
6 中間転写ベルト
7 ベルト駆動ローラ
8 レジストローラ対
9 2次転写ローラ
10 2次転写対向ローラ
11 定着装置
12 紙厚検出センサ
13 負荷付与ローラ
13a、14a 軸
13b、14b バネ
14 負荷対向ローラ
15 摺接部材
16 接離カム
20 転写紙

Claims (9)

  1. 複数のローラに張架され、表面に画像を担持する無端ベルト部材と、
    前記無端ベルト部材を張架するローラのうち1本のローラに対向して前記無端ベルト部材の外側に設けられ、ベルト部材との間にシート部材を搬送しながら画像を転写する転写手段とを備えた転写ベルト装置において、
    前記無端ベルト部材の内側及び外側から前記無端ベルト部材を挟持して、前記無端ベルト部材の搬送に対する負荷を付与するベルト負荷付与手段を備えたことを特徴とする転写ベルト装置。
  2. シート部材を搬送する無端ベルト部材を備えた転写ベルト装置において、
    前記無端ベルト部材の内側及び外側から前記無端ベルト部材を挟持して、前記無端ベルト部材の搬送に対する負荷を付与するベルト負荷付与手段を備えたことを特徴とする転写ベルト装置。
  3. 前記ベルト負荷付与手段は、前記無端ベルト部材を内外から挟持する2つのローラからなるローラ対を備え、前記ローラ対には前記2つのローラを前記無端ベルト部材に圧接すると共に2つのローラ対のうち少なくとも一方のローラに回転負荷を付与するベルト負荷付与手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の転写ベルト装置。
  4. 前記ベルト負荷付与手段は、前記ローラが前記無端ベルト部材から離間した状態と、前記ローラが前記無端ベルト部材に圧接して挟持する状態とを切替可能に構成されると共に、
    搬送されるシート部材の厚さに応じて外部から回転負荷を設定する回転負荷調整手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の転写ベルト装置。
  5. 前記ベルト負荷付与手段は、前記ローラが前記無端ベルト部材から離間した状態と、前記ローラが前記無端ベルト部材に圧接して挟持する状態とを切替可能に構成されると共に、
    シート部材の厚さを検出するシート厚検出手段と、
    検出したシート部材の厚さが所定厚さよりも大きい場合に、前記回転負荷調整手段を駆動制御してローラ対をベルトに圧接して挟持する状態としてベルトの搬送に対する負荷を発生させる回転負荷設定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の転写ベルト装置。
  6. 前記請求項1乃至5のいずれか記載の転写ベルト装置を備え、
    前記転写ベルト装置の無端ベルト部材は、駆動ローラを含む複数のローラに張架されると共に、前記感光体に接する部分で感光体上のトナー像がその外側面に転写される中間転写ベルトであり、
    前記転写手段は、中間転写ベルトの外側であって、前記中間転写ベルトとの間で前記シート部材を挟持搬送し前記シート部材に中間転写ベルト外側面上のトナー像を転写する2次転写手段であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記中間転写ベルトの内側で前記中間転写ベルトを張架すると共に、前記2次転写手段に対向する部分に配置され、前記2次転写手段と共に前記中間転写ベルトを挟持搬送する2次転写対向ローラを備え、
    前記ベルト負荷付与手段は、前記中間転写ベルトの搬送方向であって2次転写対向ローラより下流側であり、かつ、感光体よりも上流側の領域に配置されたことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  8. 前記感光体は複数であり、それぞれの感光体には色の異なるトナー像が形成され、
    前記中間転写ベルトは、前記複数の感光体に接する部分で、各感光体上のトナー像が表面に順次転写され、
    前記中間転写ベルトの内側であって、前記各感光体に対向する部分で各感光体との間に中間転写ベルトを挟持すると共に静電作用により前記各感光体上のトナー像を前記中間転写ベルト上に転写する複数の1次転写手段を備え、
    前記ベルト負荷制御手段は、前記ベルト負荷付与手段を制御して、
    前記中間転写ベルトに全部の色のトナーを用いて画像形成する場合には、ベルト負荷付与手段を中間転写ベルトから離間し、
    複数ある感光体のうち所定数の感光体又は感光体に対向する1次転写手段を中間転写ベルトから離間して画像形成する場合には、ベルト負荷付与手段で中間転写ベルトを挟持してベルトの搬送に対する負荷を付与することを特徴とする請求項6又は7記載の画像形成装置。
  9. 前記感光体は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナー各々に対応して、表面にトナー像が形成するものであり、
    ベルト負荷付与手段は、中間転写ベルト搬送方向で、ブラックの画像形成を行う感光体の上流に配置され、
    前記ベルト負荷制御手段は、ベルト負荷付与手段を駆動制御して、ブラック単色の画像形成を行う場合にはベルト負荷付与手段で中間転写ベルトを挟持して中間転写ベルトに回転負荷を付与し、
    ブラック単色の画像形成以外の場合には、ベルト負荷付与手段を中間転写ベルトから離間しベルトへの負荷を解除することを特徴とする請求項6乃至8いずれか記載の画像形成装置。
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