JP2010217424A - 転写装置、および、これを備えた画像形成装置。 - Google Patents

転写装置、および、これを備えた画像形成装置。 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、用紙の厚みに応じて無端ベルトの挟持力を予め調整しておくことで用紙を挟み込んだときの上記圧接力の変動の影響を相対的に小さなものとし、無端ベルトの位置ずれを防止することができる転写装置、および、これを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写ベルトユニット60は、中間転写ベルト61、中間転写ローラ64及び感光体ドラム22から成る4つのローラ対、制御部50を備える。シアン、マゼンダ、イエローのトナー像を中間転写ベルト61に転写する3つの中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を挟み込む第1所定位置及び離間する第2所定位置に変位可能に支持される。制御部50は、給紙部40が送り出す用紙の厚みに応じて上記3つの中間転写ローラ64を第1または第2所定位置に変位させる。
【選択図】図2

Description

この発明は、用紙にトナー像を転写する転写装置、およびこれを備えた画像形成装置に関する。
用紙にトナー像を転写する転写装置では、給紙部から給紙される用紙が転写領域を通過するときに無端ベルトと転写手段との間に用紙を挟み込み、無端ベルトの表面のトナー像を用紙に転写させているものがある。
このような転写装置では、用紙を挟み込むときに用紙の厚みによって無端ベルト及び転写手段の間に作用する圧接力が増加する。圧接力が増加すると無端ベルトが回転方向の上流側または下流側に位置ずれを起こす場合がある。このように無端ベルトが位置ずれを起こすとトナー像が所定の転写位置からずれて用紙に転写されてしまうおそれがある。
従来の転写装置には、無端ベルトの表面に所定間隔で目盛りを設け、センサが目盛りを検知するタイミングを基にして無端ベルトの回転速度を計測して回転速度を補正することで無端ベルトの位置ずれを抑制するものもある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−372011号公報
しかし、上記特許文献1に示す転写装置では、無端ベルト及び転写手段の間に用紙が挟み込まれるときに作用する圧接力については何ら考慮されていない。このため、無端ベルト及び転写手段の間に用紙が挟み込まれるときに用紙の厚みによって増加する圧接力によって無端ベルトが回転方向の上流側または下流側に位置ずれを起こし、用紙に転写されるトナー像の位置がずれるおそれがあった。
そこで、本発明は、用紙の厚みに応じて無端ベルトに作用する挟持力を予め調整しておくことで用紙を挟み込んだときの上記圧接力の変動の影響を相対的に小さなものとし、無端ベルトの位置ずれを防止することができる転写装置、および、これを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
この発明の転写装置は、無端ベルト、第1ローラ対、第2ローラ対、制御部を備えている。無端ベルトは、給紙部が送り出す用紙が転写領域を通過するときに転写手段との間で用紙を挟み込む。第1ローラ対は、第1感光体ドラムと第1ローラとから成る。第1感光体ドラムは、無端ベルトの外周に沿って配置されている。第1ローラは、第1感光体ドラムとの間に無端ベルトを挟み込む。第2ローラ対は、第2感光体ドラムと、第2ローラとから成る。第2感光体ドラムは、無端ベルトの外周に沿って配置されている。第2ローラは、第2感光体ドラムとの間に無端ベルトを挟んで向き合うように配置されている。第2ローラ対は、無端ベルトを挟み込む第1所定位置と無端ベルトと離間する第2所定位置のいずれか一方に変位可能に支持されている。制御部は、第1ローラ対のみを用いて用紙への転写処理を実行する場合において給紙部が送り出す用紙が転写領域を通過するまでに給紙部が送り出す用紙の厚みに応じて第2ローラ対を第1所定位置または第2所定位置のいずれか一方に変位させる。
この構成では、給紙部が送り出す用紙の厚みに応じて第2ローラ対を第1所定位置または第2所定位置のいずれかに変位させる。
これにより、用紙が転写領域を通過する前に用紙の厚みに応じて無端ベルトを挟み込むローラ対の数を増加させて無端ベルトに作用するローラ対の挟持力を増加させることができる。
このため、用紙を挟み込んだときに無端ベルトが位置ずれを起こさないように無端ベルトに作用する挟持力を増加させることができる。
この構成において、第2ローラ対を複数備え、制御部は第2ローラ対のうち第1所定位置に変位させるべきローラ対の個数と給紙部が送り出す用紙の厚みとの対応関係を予め記憶したテーブルを有し、給紙部が送り出す用紙の厚みに応じて複数の第2ローラ対を第1所定位置または第2所定位置のいずれか一方に変位させるものとすることが好ましい。
この構成では、給紙部が送り出す用紙の厚みに応じて複数の第2ローラ対を第1所定位置または第2所定位置のいずれかにそれぞれ変位させる。
これにより、用紙が転写領域を通過する前に用紙の厚みに応じて無端ベルトを挟み込む第2ローラ対の数を変化させて無端ベルトに作用する挟持力を調整する。
この構成において、制御部は、第1所定位置に変位させた時間長さを複数の第2ローラ対それぞれについて積算し、積算した時間長さを均すように複数の第2ローラ対をそれぞれ第1所定位置または第2所定位置に変位させるものとすることが好ましい。
この構成では、第1所定位置に位置した時間の長さを平均化するように各第2ローラ対を変位させる。
これにより、各第2感光体ドラムの無端ベルトと接触する時間が同程度となるように各第2ローラ対をそれぞれ変位させることができる。
この発明によれば、無端ベルトに作用する挟持力を用紙の厚みに応じて変化させ、用紙が転写領域を通過するときに無端ベルトの位置ずれを抑制することができる。
この発明の一実施施形態に係る画像形成装置の正面視における全体の構成を示す図である。 中間転写ベルトユニットの構成を示すとともに制御部の機能を示すブロックを一部に含む概略図である。 (A)第1所定位置に中間転写ローラを変位させたときの駆動機構の構成を示す図である。(B)第2所定位置に中間転写ローラを変位させたときの駆動機構の構成を示す図である。 記憶部に記憶されている用紙の厚みと第1所定位置に変位させる感光体ドラムの個数の対応関係を示す図である。 第1所定位置または第2所定位置のいずれかに感光体ドラムを変位させる位置制御の流れを示すフローチャートである。 シアンのトナー像が表面に形成される感光体ドラムだけを第1所定位置に変位させた場合における中間転写ベルトユニットの構成を示す概略図である。 シアン及びマゼンダのトナー像が表面に形成される感光体ドラムをそれぞれ第1所定位置に変位させた場合における中間転写ベルトユニットの構成を示す概略図である。 補助ローラ対を設けた場合における中間転写ベルトユニットの構成を示す概略図である。
この発明の第1実施形態に係る画像形成装置10について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、画像形成装置10の全体構成を模式的に示す図である。
画像形成装置10は、画像形成部11、自動原稿搬送装置12、読取部90、制御部50、操作パネル(操作部)51を備え、画像データに応じて用紙に多色及び単色の画像形成処理を行なう複合機である。
自動原稿搬送装置12は、画像形成部11の上部に配置された読取部90に原稿を逐次搬送する。
読取部90は、透明ガラスからなる原稿台93を端部に有し、逐次搬送される原稿が原稿台93を通過するときに原稿から画像データを読み取る。なお、読取部90は、原稿台93に隣接して設けられた原稿載置台92に操作によって載置された原稿の読み取りも行う。
画像形成部11は、露光ユニット14、中間転写ベルトユニット(転写装置)60、定着ユニット70、4つの画像形成ステーション20、給紙部40、排紙トレイ17、2次転写ユニット(転写手段)30を有している。画像形成部11は、用紙に画像形成処理を行なう。
画像形成ステーション20は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のカラー画像に応じてそれぞれ配置され、同一の構成を備えている。各画像形成ステーション20では、各色に応じた4種類の静電潜像を形成する。なお、本実施形態では、4つの画像形成ステーション20を備える例を挙げて説明しているが、画像形成装置10の仕様に応じたカラーの静電潜像を形成するものとすれば良い。なお、図1では、イエロー(Y)のカラー画像を形成する画像形成ステーション20のみ符号を付して示している。
ここで、イエロー(Y)のカラー画像を形成する画像形成ステーション20についてのみ説明する。
画像形成ステーション20は、現像器21、感光体ドラム22、クリーナユニット23、帯電器24を有し、イエロー(Y)のカラー画像に応じた潜像を形成する。
現像器21は、感光体ドラム22にイエロー(Y)のトナーを供給し、感光体ドラム22上に形成された静電潜像にトナーを吸着されて顕像化する。
クリーナユニット23は、感光体ドラム22周面に残留したトナーを回収し、導管を経由して排出する。帯電器24は、感光体ドラム22の表面を所定の電位に均一に帯電させるチャージャ型の帯電器である。
露光ユニット14は、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)である。露光ユニット14は、帯電された感光体ドラム22を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。
中間転写ベルトユニット60は、感光体ドラム22の上方に配置され、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、複数の中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65、テンションローラ66を有している。
中間転写ベルト61は、中間転写ベルト従動ローラ63、各画像ステーション20、中間転写ベルト駆動ローラ62をこの順に経由する方向へ回転するように張架されている。中間転写ベルト61は、低収縮率の樹脂材料から成る無端ベルトである。具体的には、中間転写ベルト61は、ポリアミドイミド等の樹脂部材により形成するものであれば良い。
中間転写ベルト61は、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63に中間転写ベルト61の回転方向と直交する方向の位置が所定範囲に収まるように内接されている。これにより、中間転写ベルト61の回転方向の位置ずれを抑制している。
テンションローラ66は、中間転写ベルト駆動ローラ62及び中間転写ベルト従動ローラ63の中間に位置し、中間転写ベルト61に所定の張力を付与している。なお、テンションローラ66は、その周面が中間転写ベルト61の軸方向における中央部分を当接するように配置されている。
中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。各中間転写ローラ64には、それぞれ約数百ボルト程度のプラス極性の転写バイアスが印加されている。一方、感光体ドラム22に担持されるトナー像は、マイナス極性に帯電している。これにより、中間転写ベルト61にトナー像を担持させている。なお、図中では、簡単の為、イエロー(Y)の潜像を形成する画像形成ステーション20に対応して配置された中間転写ローラ64にのみ符号を付している。
中間転写ベルトクリーニングユニット65は、残留トナーを拭き取るクリーニングブレード65Aを有し、各中間転写ベルト61に付着している残留トナーを回収する。
給紙部40は、手差しトレイ16、給紙カセット15、レジストローラ対33、繰り出し機構41等を備えている。
給紙カセット15は、画像形成処理に使用する用紙が積層されており、露光ユニット14の下側に設けられている。手差しトレイ16は、側面側に設けられており給紙カセット15と同様に給紙すべき用紙が載置される。排紙トレイ17は、画像形成部11の上方に設けられており画像形成部11で画像形成処理を行なった用紙を集積する。
定着ユニット70は、転写領域を通過した用紙を挟み込んで加熱処理及び圧着処理を施すローラ対を有している。これにより、用紙の表面に形成されているトナー像を定着させる。定着ユニット70を通過した用紙は、排紙トレイ17へ排出される。
繰り出し機構41は、給紙カセット15の端部に設けられており、給紙カセット15に収納されている用紙を一枚ずつ搬送経路の下流側へ繰り出す。なお、手差しトレイ16の端部にも繰り出し機構41と同様の機能を有する繰り出し機構が設けられている。
ローラ対42は、繰り出し機構41が繰り出した用紙をレジストローラ対33へ挟持搬送する。また、手差しトレイ16から繰り出される用紙も同様にしてレジストローラ対33へ挟持搬送される。
レジストローラ対33は、搬送経路の上流側から繰り出される用紙を一旦保持する。そして、中間転写ベルト61に担持されているトナー像の先端を用紙の印刷位置の先端に合わせるタイミングで用紙を上流側の各中間転写ベルト61および2次転写ユニット30の間の転写領域へ搬送する。これにより、トナー像を用紙に転写することができる。
2次転写ユニット30は、複数のローラによって張架された2次転写ベルト32と、中間転写ベルト駆動ローラ62との間に2次転写ベルト32及び中間転写ベルト61を挟み込むようにして圧接する圧接ローラ31を有している。圧接ローラ31は、発泡樹脂等の軟質部材から成る部材である。なお、2次転写ユニット30の代わりに中間転写ベルト駆動ローラ62との間に用紙を挟み込む圧接ローラを用いるものとしても良い。
操作パネル51は、装置本体の前面側に設けられており、各種の入力操作を受け付ける。操作パネル51では、例えば、給紙カセット15に収納されている用紙の種類や、印刷モードの設定を行う。
制御部50は、操作パネル51を介して受け付けた入力操作に基づいて画像形成部11にモノクロ印刷モードまたはカラー印刷モードのいずれかで画像形成処理を実行させる。また、制御部50は、各感光体ドラム22の回転数をそれぞれ積算し、記憶部52に記憶させている。
図2は、中間転写ベルトユニット60の周辺構成を説明する図である。各感光体ドラム22に、「K」、「C」、「M」、「Y」の符号をそれぞれ付して対応するトナー像のカラーを示している。
中間転写ベルトユニット60は、3つの駆動機構67を有している。各駆動機構67は、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の静電潜像を形成する感光体ドラム22と中間転写ベルト61を挟んで対向配置された中間転写ローラ64をそれぞれ変位させるための駆動機構である。
各駆動機構67は、同一の構成を備えている。ここで、イエロー(Y)のトナー像を形成する感光体ドラム22に対向配置された中間転写ローラ64を変位させる駆動機構67を例に挙げて説明する。なお、本実施形態では、駆動機構67を3つの中間転写ローラ64に対応して設けているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、駆動機構67は、1つまたは2つの中間転写ローラ64にのみ設けるものとしても良い。また、装置の仕様によって駆動機構67を4つ以上の中間転写ローラ64にそれぞれ設けるものとしても良い。
なお、本実施形態では、4つの感光体ドラム22を備える例を挙げているが、2つ以上の感光体ドラム22を備える画像形成装置に本発明を適用することができる。一例として、2つの感光体ドラム22を備える場合には、いずれか一方の感光体ドラム22に駆動機構67を設けることにより本発明係る中間転写ベルトユニット60と同様の効果を得ることができる。
図3は、駆動機構67の具体的な構成を説明する概略図である。図3(A)は、中間転写ローラ64を中間転写ベルト61に当接させたときの駆動機構67を示している。図3(B)は、中間転写ローラ64を中間転写ベルト61と離間させたときの駆動機構67を示している。
駆動機構67は、カム68、アーム69を有している。アーム69は、L字状を呈し、X‐Y面内で回転可能に軸支された支持部材である。アーム69は、図示しないばね部材によってカム68に当接する方向へ付勢されている。
カム68は、アーム69を第1駆動位置または第2駆動位置のいずれかにアーム69の付勢力に抗して変位させる。ここで、第1駆動位置は、中間転写ローラ64を感光体ドラム22との間に中間転写ベルト61を挟み込む第1所定位置に変位させる位置である。これにより、感光体ドラム22に形成されるトナー像を中間転写ベルト61に転写させることができる。
第2駆動位置は、中間転写ローラ64を中間転写ベルト61と離間する第2所定位置に変位させる位置である。これにより、感光体ドラム22及び中間転写ローラ64を離間させ、感光体ドラム22の磨耗を低減することができる。
なお、本実施形態では、第2所定位置を中間転写ベルト61と離間する位置に設けるものとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、感光体ドラム22と接触しない位置まで中間転写ベルト61を変位させることができるのであれば、中間転写ローラ64と中間転写ベルト61は完全に離間していなくとも良い。この場合にも感光体ドラム22及び中間転写ベルト61の磨耗を抑制することができる。
また、本実施形態では、駆動機構67を用いて中間転写ローラ64を第1所定位置または第2所定位置に変位させる例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1所定位置または第2所定位置に中間転写ローラ64を変位させるモータ等を駆動機構67の代わりに用いるものとしても良い。
制御部50は、モノクロ印刷モードで画像形成処理を実行するときには、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)のトナー像を形成する感光体ドラム22とそれぞれ中間転写ベルト61を挟んで面する位置に配置された3つの中間転写ローラ64を用紙の厚みに応じて第1所定位置に変位させる。
ここで、制御部50における上記3つの中間転写ローラ64の第1所定位置への変位制御について説明する。
記憶部52には、給紙カセット15及び手差しトレイ16に載置可能な全種類の用紙の単位面積当たりの重さが記憶されている。
制御部50は、モノクロ印刷モードが操作パネル51で選択されると、記憶部52を参照して操作パネル51で選択された用紙の重さを読み出し、テーブル52Aを参照して第1所定位置に変位させる中間転写ローラ64の個数を判別する。
図4は、記憶部52に記憶されているテーブル52Aを示す図である。テーブル52Aは、用紙の厚みtと第1所定位置に変位させるべき中間転写ローラ64の個数の対応関係が記録されたテーブルである。用紙の厚みt1〜t3は、この順番で用紙の厚みが増すことを示している。
本実施形態では、厚みt1は、用紙の重さが106(g/平方m)以上120(g/平方m)未満の範囲に設定されている。厚みt2は、用紙の重さが120(g/平方m)以上160(g/平方m)未満の範囲に設定されている。厚みt3は、用紙の重さが160(g/平方m)以上に設定されている。そして、厚みt1のときに第1所定位置に変位させるべき中間転写ローラ64の個数が1個に設定されている。厚みt2のときに第1所定位置に変位させるべき中間転写ローラ64の個数が2個に設定されている。厚みt3のときに第1所定位置に変位させるべき中間転写ローラ64の個数が3個に設定されている。
なお、本実施形態では、制御部50は用紙の重さから用紙の厚みを割り出す例を挙げているが、用紙の厚みを検出するセンサを別途も設けるものとしても良い。
制御部50は、用紙の厚みを判別すると、3つの感光体ドラム22のうち最も積算回転数の少ない感光体ドラム22に対向配置されている中間転写ローラ64から順に第1所定位置に変位させる。この際、制御部50は、テーブル52Aを参照して第1所定位置に変位させるべき中間転写ローラ64の個数を判別する。
これにより、各カラーに対応する感光体ドラム22が第1所定位置で中間転写ベルト61に接触する時間を均して平均化している。このため、例えば、シアン(C)に対応する感光体ドラム22だけ早期に消耗するのを防止することができる。
また、用紙の厚みが増加するのに伴って、第1所定位置に変位させる中間転写ローラ64の個数を増加させることにより、中間転写ベルト61に作用する挟持力を用紙の厚みに応じて増加させることもできる。
このように、転写領域を用紙が通過するときに中間転写ベルト61に作用する圧接力が増加しても中間転写ベルト61に位置ずれしないように予め挟持力が付与されている。
図5は、制御部50が中間転写ローラ64の位置を第1所定位置または第2所定位置のいずれかに変位させる位置制御の流れを説明するフローチャートである。
制御部50は、操作パネル51を介してモノクロ印刷モードが設定されると、操作パネル51で設定された用紙の種類に基づいて用紙の厚みを判別する(S1、S2)。
制御部50は、用紙の厚みに対応して第1所定位置に変位させるべき中間転写ローラ64の個数を判別する。制御部50は、判別した個数の中間転写ローラ64を第1所定位置に変位させ、他の中間転写ローラ64を第2所定位置に変位させる。ここで、制御部50は、積算した回転数が少ない感光体ドラム22に対向配置された中間転写ローラ64から順に第1所定位置へ変位させる(S3)。
ここで、図6を用いて各中間転写ローラ64の位置制御について説明すると以下の通りである。例えば、制御部50は、用紙の厚みが厚みt1の範囲にあると判別した場合には、3つの感光体ドラム22のうち1個の感光体ドラム22に対向配置された中間転写ローラ64を第1所定位置に変位させる。一方、他の2つの感光体ドラム22にそれぞれ対向配置された中間転写ローラ64を第2所定位置に変位させる。なお、図6では、上記3つの感光体ドラム22のうちシアン(C)のトナー像が形成される感光体ドラム22の積算回転数が最も少ない例を示している。
図7では、制御部50が用紙の厚みが厚みt2の範囲にあると判別し、2個の中間転写ローラ64を第1所定位置に変位させる例を示している。なお、図7では、シアン(C)、マゼンダ(M)のトナー像を形成する感光体ドラム22の積算回転数がイエロー(Y)のトナー像を形成する感光体ドラム22よりも少ない例を示している。
なお、制御部50は、各感光体ドラム22の第1所定位置または第2所定位置への変位が完了すると給紙カセット15から用紙の繰り出しを開始させる(S4)。
上記実施形態では、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)のトナー像を形成する感光体ドラム22との間で中間転写ベルト61を挟み込む3つの中間転写ローラ64を第1所定位置または第2所定位置に変位させる例を挙げている。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、図8に示すように補助ローラ対28を設けるものとしても良い。この場合には、補助ローラ対28によって中間転写ベルト61に挟持力を付与する。そして、補助ローラ対28の付与する挟持力よりも大きな挟持力が必要となる場合にだけ上記実施形態に係る中間転写ベルトユニット60と同様に中間転写ローラ64を第1所定位置に変位させるものとしても良い。これにより、感光体ドラム22が第1所定位置に変位する回数をより低減させることができる。
なお、補助ローラ対28についても第1所定位置及び第2所定位置の間で変位可能に支持する駆動機構67を設けるものとしても良い。また、補助ローラ対28を設ける位置は、設置スペースや付与すべき挟持力の大きさ等を勘案して適宜設定すれば良い。
上記実施形態では、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)のトナー像を形成する各感光体ドラム22が第1所定位置に変位する回転数を平均化するように制御部50が各駆動機構67を駆動する例を挙げている。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、他のカラーよりも用紙に転写したときの視覚的な影響の出にくいイエローのトナー像を形成する感光体ドラム22を第1所定位置に優先的に変位させるものとしても良い。この場合には、結果的に他のカラーのトナー像を形成する感光体ドラム22が第1所定位置に変位する時間を減少させて感光体ドラム22の磨耗を抑制することができる。また、例えば、各感光体ドラム22の材質や仕様を勘案して、第1所定位置に変位させる回転数が予め設定した比率となるように位置制御を行うものとしても良い。
上記実施形態では、駆動機構67を用いて中間転写ローラ64を第1所定位置に変位させる例を挙げて説明している。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、中間転写ローラ64を感光体ドラム22側へ変位させる代わりに各画像形成ステーション20を中間転写ローラ64側に変位させるものとしても良い。この場合には、画像形成ステーション20を感光体ドラム22が中間転写ローラ64との間に中間転写ベルト61を挟み込む位置と中間転写ベルト61と離間する位置とに変位することで上記実施形態に係る中間転写ベルトユニット60と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態では、制御部50は、用紙の厚みを3段階に分類して第1所定位置に変位させるべき感光体ドラム22の個数を設定する例を挙げている。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。中間転写ベルト61の位置ずれを十分に抑制することができるのであれば、例えば、用紙の厚みを2段階に分類するものとしても良い。
例えば、厚みt1を用紙の重さが106(g/平方m)以上210(g/平方m)未満の範囲に設定し、厚みt2を用紙の重さが210(g/平方m)以上256(g/平方m)未満の範囲に設定する。この際、厚みt1では第1所定位置に変位させるべき中間転写ローラ64を2個とし、厚みt2では第1所定位置に変位させるべき中間転写ローラ64を3個とすることも考えられる。
また、中間転写ベルト61の回転速度がより高速である場合等には、用紙の厚みを4段階以上に細分化するものとしても良い。これにより、転写領域を用紙が通過するときに中間転写ベルト61に作用する圧接力の変化量が大きくなる場合にも中間転写ベルト61に付与する挟持力を調整し位置ずれを防止することができる。
上記実施形態では、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)のトナー像がそれぞれ形成される3つの感光体ドラム22に対向する中間転写ローラ64のうちいずれか1つを第1所定位置に必ず変位させる例を挙げて説明している。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、用紙の厚みが所定の厚み以上となるときにだけ中間転写ベルト61が位置ずれし易くなる場合には、用紙の厚みが所定の厚み以上となるときにだけ中間転写ローラ64を変位させるものとしても良い。
より具体的には、制御部50は、用紙の厚みが所定の厚みよりも薄い場合には上記3つの中間転写ローラ64の全てを第2所定位置に変位させる。一方、用紙の厚みが所定の厚み以上となる場合には上記実施形態に係る中間転写ベルトユニット60と同様に用紙の厚みに応じて各中間転写ローラ64を第1所定位置または第2所定位置に変位させるものとしても良い。この場合にも上記実施形態に係る中間転写ベルトユニット60と同様の効果を得ることができる。
また、例えば、用紙の厚みが薄い場合には全ての中間転写ローラ64を第2所定位置に変位させ、用紙の厚みが厚い場合には全ての中間転写ローラ64を第1所定位置に変位させるものとしても良い。
上記実施形態では、ステップS3の処理において積算した回転数が最も少ない感光体ドラムから順に第1所定位置に変位させる例を挙げている。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)のトナー像が形成される3つの感光体ドラム22にそれぞれ対向配置された中間転写ローラ64が第1所定位置に変位した回数が同じ回数となるように位置制御を行うものとしても良い。
上記実施形態では、制御部50がモノクロ印刷モードを実行するときにシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)それぞれに対応する3つの感光体ドラム22に対向配置された各中間転写ローラ64を第1所定位置または第2所定位置に選択的に変位させる例を挙げて説明している。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。第1所定位置または第2所定位置に変位させる中間転写ローラ64と離接可能に設けられた感光体ドラム22に形成されるトナー像のカラーは、装置の仕様に応じて適宜設定すれば良い。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。
10 画像形成装置
22 感光体ドラム
30 2次転写ユニット(転写手段)
40 給紙部
50 制御部
60 中間転写ベルトユニット(転写装置)
61 中間転写ベルト(無端ベルト)
64 中間転写ローラ
52 記憶部
52A テーブル

Claims (7)

  1. 給紙部が送り出す用紙が転写領域を通過するときに転写手段との間で用紙を挟み込む無端ベルトと、
    前記無端ベルトの外周に沿って配置された第1感光体ドラムと、前記第1感光体ドラムとの間に前記無端ベルトを挟みこむ第1ローラとから成る第1ローラ対と、
    前記無端ベルトの外周に沿って配置された第2感光体ドラムと、前記第2感光体ドラムとの間に前記無端ベルトを挟んで向き合うように配置された第2ローラとから成るローラ対であって、前記無端ベルトを挟み込む第1所定位置または前記無端ベルトと離間する第2所定位置のいずれか一方に変位可能に支持された第2ローラ対と、
    前記第1ローラ対のみを用いて用紙への転写処理を実行する場合において、前記給紙部が送り出す用紙が前記転写領域を通過するまでに前記給紙部が送り出す用紙の厚みに応じて前記第2ローラ対を前記第1所定位置または前記第2所定位置のいずれか一方に変位させる制御部と、
    を備えている転写装置。
  2. 前記第2ローラ対を複数備え、
    前記制御部は、前記第2ローラ対のうち前記第1所定位置に変位させるべきローラ対の個数と前記給紙部が送り出す用紙の厚みとの対応関係を予め記憶したテーブルを有し、前記給紙部が送り出す用紙の厚みに応じて複数の前記第2ローラ対を前記第1所定位置または前記第2所定位置のいずれか一方に変位させる、
    請求項1に記載の転写装置。
  3. 前記制御部は、前記第1所定位置に変位させた時間長さを複数の前記第2ローラ対それぞれについて積算し、積算した前記時間長さを均すように複数の前記第2ローラ対をそれぞれ前記第1所定位置または前記第2所定位置に変位させる、
    請求項2に記載の転写装置。
  4. 前記無端ベルトを挟み込む挟持ローラ対をさらに備えた請求項2または3に記載の転写装置。
  5. 前記第1所定位置または前記第2所定位置に複数の前記第2ローラをそれぞれ変位させるための支持機構をさらに備えている、
    請求項2から4のいずれか1項に記載の転写装置。
  6. 前記第1ローラ対は、ブラックのトナー像を前記無端ベルトに転写するローラ対であり、
    複数の前記第2ローラ対は、シアン、マゼンダ、イエローのトナー像を前記無端ベルトにそれぞれ転写する3つのローラ対であり、
    前記制御部は、イエローのトナー像を前記無端ベルトに転写する前記ローラ対が前記第1所定位置に位置する時間がシアン及びマゼンダのトナー像をそれぞれ前記無端ベルトに転写する前記ローラ対が前記第1所定位置に位置する時間よりも長くなるように複数の前記第2ローラ対を変位させる、
    請求項2から5のいずれか1項に記載の転写装置。
  7. 給紙すべき用紙を収容する給紙部と、
    前記給紙部に収容されている用紙の種類を入力する操作を受け付ける操作部と、
    前記給紙部が送り出す用紙にトナー像を転写する請求項1から6のいずれか1項に記載の転写装置と、
    前記転写装置との間に用紙を挟み込む転写手段と、
    を備え、
    前記制御部は、前記操作部で入力された用紙の種類に基づいて用紙の厚みを判別する、
    画像形成装置。
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