JP2008137331A - 液滴吐出ヘッド及びそれを備えた液滴吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多ノズル化した液滴吐出ヘッドにおいて、液滴吐出用アクチュエータの駆動回路の時定数を小さくして、液滴吐出動作の遅れを低減する。
【解決手段】液滴を吐出する複数のノズル孔16が形成されたノズル基板5と、底壁が振動板11を形成し、液滴をノズル孔16から吐出させる吐出室12となる複数の凹部が形成されたキャビティ基板3と、電極を構成している複数の振動板11にギャップを隔てて対向し、各振動板11を駆動する複数の個別電極7が形成された電極基板2とを備え、電極基板2には、複数の個別電極7を駆動させるためのドライバIC20と、電極基板2の外部からドライバIC20へ個別電極7の駆動信号を入力する入力配線25が設けられ、個別電極7がITOから形成され、入力配線25が金属材料から形成されている液滴吐出ヘッド。
【選択図】図1

Description

本発明は、液滴を吐出するノズルが多ノズルの構成となっている液滴吐出ヘッド、及びその液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置に関する。
昨今の静電駆動方式のインクジェットプリンタでは、高解像度画像の高速印刷及び多色印刷のために、インクジェットヘッドの多ノズル化及び多列化が進んでいる。
このような状況の下、インクを吐出させるアクチュエータを駆動するためのドライバICを、インクジェットヘッド内に埋め込む構造により、ノズル等を多列化、高密度化したインクジェットヘッドが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2006−224564号公報
しかしながら、上記のように多ノズル化したヘッドでは、同時に複数のノズルを駆動するため、駆動ノズル数の増加に応じてアクチュエータの駆動回路の時定数が大きくなり、アクチュエータの動作遅れ、すなわち液滴吐出動作の遅れが生じやすくなる。特に、アクチュエータを構成している個別電極と、駆動信号を外部からドライバICへ供給する入力配線とを、ITO(Indium Tin Oxide)から形成している場合にはそれが生じやすい。
本発明は、上記課題に対応したもので、同時に複数のノズルを駆動する多ノズル化した液滴吐出ヘッドにおいて、アクチュエータの駆動回路の時定数を小さくして、液滴吐出動作の遅れをできるだけ低減した液滴吐出ヘッド、及びその液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を得ることを目的とする。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出する複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、底壁が振動板を形成し、前記液滴を前記ノズル孔から吐出させる吐出室となる複数の凹部が形成されたキャビティ基板と、電極を構成している前記複数の振動板にギャップを隔てて対向し、各振動板を駆動する複数の個別電極が形成された電極基板とを備え、前記電極基板には、前記複数の個別電極を駆動させるためのドライバICと、前記電極基板の外部から前記ドライバICへ前記個別電極の駆動信号(駆動電力)を入力する入力配線が設けられ、前記個別電極がITOから形成され、前記入力配線が金属材料から形成されていることを特徴とする。
これにより、電極基板の外部から個別電極へ供給される駆動信号(駆動電力)の供給回路の抵抗が、従来のように入力配線を個別電極と同じITOから形成する場合に比べて小さくなる。従って、振動板と個別電極から構成されるアクチュエータの駆動回路の時定数を小さくでき、同時に駆動されるアクチュエータの数が多くても、液滴吐出動作の遅れを低減することができる。また、ITOから形成された個別電極は、耐久性の点で優れた効果を発揮する。なお、前記ドライバICの出力端子は、前記個別電極の端部に直接接続するようにするのが好ましい。これにより、個別電極へ供給される駆動信号(駆動電力)の供給回路の抵抗がさらに小さくなるからである。
また、前記吐出室に液滴を供給する共通液滴室(リザーバ)となる凹部と、前記共通液滴室から前記吐出室へ液滴を移送するための貫通孔と、前記吐出室から前記ノズル孔へ液滴を移送するノズル連通孔とを有するリザーバ基板を、前記ノズル基板と前記キャビティ基板との間に備えていても良い。
多ノズルヘッドの場合、共通液滴室が狭いと駆動した吐出室で生じた圧力変化が、共通液滴室を介して非駆動状態の吐出室へ及びやすくなるが、リザーバ基板を設けることで共通液滴室を広くでき、それにより吐出室で生じた圧力変化を非駆動状態の吐出室へ及びにくくすることが可能となる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、前記入力配線がクロムの層、クロムと金の積層、またはITOとクロムと金の積層から形成されていることを特徴とする。クロムや金は、ITOより電気抵抗が小さく、またクロムはガラス製の電極基板との密着性も良いため、液滴吐出動作の遅れを低減することができるとともに、耐久性にも優れている。
また、前記入力配線は、チタンと金の積層、あるいはアルミニウムの層から形成されても良い。これらによっても、ITOで形成された入力配線と比べて、電極基板の外部から個別電極へ供給される駆動信号の供給回路の低抵抗化が図れるからである。
本発明に係る液滴吐出装置は、その液滴吐出部に上記いずれかの液滴吐出ヘッドが備えられているものである。これにより、上記液滴吐出ヘッドの性能が確保され、液滴吐出動作の応答性及び耐久性に優れた液滴吐出装置を得ることができる。
実施形態1.
図1は、本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの分解斜視図であり、液滴吐出ヘッドに駆動信号を供給するためのFPC(Flexible Printed Circuit)の端子部(以下、FPC30と称す)一部を含めて示している。また図2は、図1に示す液滴吐出ヘッドが組み立てられた状態の縦断面図であり、図1におけるA−A断面を示している。以下、図1及び図2を用いて実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの構造及び動作について説明する。
図1に示すように、本実施形態1に係る液滴吐出ヘッド1は、電極基板2、キャビティ基板3、リザーバ基板4、ノズル基板5の4つの基板から構成されている。リザーバ基板4の一方の面にはノズル基板5が接合されており、リザーバ基板4の他方の面にはキャビティ基板3が接合されている。またキャビティ基板3のリザーバ基板4が接合された面の反対面には、電極基板2が接合されている。即ち、液滴吐出ヘッド1は、電極基板2、キャビティ基板3、リザーバ基板4、ノズル基板5の順で接合されている。
電極基板2は、例えばホウ珪酸ガラス等のガラスから形成されている。なお本実施形態1では、電極基板2がホウ珪酸ガラスからなるものとするが、単結晶シリコンから形成することもできる。
電極基板2には凹部6が例えば深さ0.3μmで形成されている。この凹部6の内部には個別電極7が、一定の間隔を有して後述の振動板11と対向するように、例えばITO(Indium Tin Oxide)を0.1μmの厚さでスパッタすることにより形成されている。なおこの場合、電極基板2とキャビティ基板3を接合した後の個別電極7と振動板11のギャップは約0.2μmとなる。
左右の凹部6の中間部はドライバIC20を電極基板2上に装着できるようにパターンが形成されており、この部分にドライバIC20が設置されている。ここで、ドライバIC20の入力端子が入力配線25(FPC実装部25a、リード部25b及びドライバIC入力端子実装部25cを含む)に接続され、ドライバIC20の出力端子が個別電極7の端部に接続されている。なお、ドライバIC20の入力端子は入力配線25と直接接続し、出力端子は個別電極7の端部と直接接続するのが、回路抵抗を小さくする観点から望ましい。
入力配線25は、複数の個別電極7を駆動するための駆動信号(駆動電力)を電極基板2の外部から取り入れるための金属材料からなる配線である。入力配線25から取り込まれた駆動信号はドライバIC20によって制御されて、ドライバIC20から所定の個別電極7へパルス電圧として供給される。すなわち、電極基板2の外部からドライバIC20への入力信号は、FPC30→入力配線25のFPC実装部25a→入力配線25のリード部25b→入力配線25のドライバIC入力端子実装部25c→ドライバIC20と入力される。そして、ドライバIC20からは出力信号が、ノズル孔16に対応した各個別電極7に対して、個別電極7のドライバIC出力端子実装部→個別電極7のリード部→個別電極7の振動板11と対向する部分へと出力される。これよって、個別電極7と振動板11で形成される液滴吐出用のアクチュエータが駆動される。
図3は上記アクチュエータを含む駆動回路の等価回路を示す模式図である。図3の中の記号は以下の通りである。
・PL(駆動信号)
すなわち、駆動電力である。
・R0(回路共通部抵抗)
すなわち、入力配線25のFPC実装部25a→入力配線25のリード部25b→入力配線25のドライバIC入力端子実装部25cの間の抵抗の等価抵抗である。ここでは、入力配線25のリード部25bの抵抗が最も大きく作用する。
・R1(回路個別部抵抗)
すなわち、ドライバIC20の内部抵抗、及び個別電極7の出力端子実装部→個別電極7のリード部→振動板11と対向する部分の個別電極7の間の抵抗の等価抵抗である。
・C1(アクチュエータの静電容量)
すなわち、個別電極7と振動板11で構成されるアクチュエータ(静電アクチュエータ)の静電容量
・n(駆動アクチュエータの個数)
すなわち、駆動ノズルの数
以上の条件の下、図3の回路における時定数τは、
τ=(C1×n)×(R0+R1/n)
となり、時定数τは駆動ノズルの数nの関数として表現できる。
図4は多ノズルインクジェットの同時駆動ノズル数nとアクチュエータの駆動回路の時定数τと入力配線25の材料との関係を示す相関図である。図4に示すように、同時駆動ノズル数nを増やすと、アクチュエータの駆動回路の時定数τは増大する。この傾向は、入力配線25がITOから形成されている場合は特に顕著となっているのに対して、入力配線25がクロム(Cr)や金(Au)から形成されている場合には、時定数τの増加は極めて小さい。これにより、入力配線25をクロムや金から形成すれば、多ノズルヘッドの同時駆動ノズル数nを増やしても、アクチュエータの駆動回路の時定数τの増大が小さくて済み、液滴吐出の動作遅れを回避して応答性をよくすることができることが分かる。
加工プロセスを考慮すると、入力配線25は、ITOからなる個別電極7の形成時に、ITOで同時に形成する方が簡単である。しかし、ITOは抵抗値が大きいため、多数のノズルを同時駆動させる場合、対応するアクチュエータの時定数が大きくなり、応答性が悪くなる。
そこで、本例では、入力配線25をITOに比べて抵抗値が小さい金属材料から形成する。特に、入力配線25をクロムの層、クロムと金の積層、またはITOとクロムと金の積層から形成するのが好ましい。クロムはITOに比べて抵抗値が小さく、ガラス製の電極基板との密着性も良いからである。また、金はクロムよりも抵抗値が小さいため、クロムと金の積層、あるいはITOとクロムと金の積層により入力配線を形成しても、入力配線全体として抵抗値が小さくなる。また、入力配線25を、チタンと金の積層あるいはアルミニウムの層から形成しても、ITOに比べて配線全体として抵抗値を小さくできる。したがって、このような金属材料により入力配線25を形成することで、アクチュエータを同時に多数駆動させる場合にも、その動作の応答遅れを低減することが可能となる。
個別電極7に関しては、複数の個別電極7が長辺及び短辺を有する長方形状に形成されており、この個別電極7が、互いの長辺が平行になるように配置され、個別電極7の短辺方向に伸びる電極列を2列形成している。
また、ドライバIC20が2つの電極列(個別電極列)の間に形成され、両方の電極列に接続されている。これにより、ドライバIC20から2つの電極列に駆動信号を供給することが可能となり、電極列の多列化が容易となる。また、ドライバIC20の個数が少なくなるため、コストを削減することができ、液滴吐出ヘッド1の小型化も可能となる。
また、電極基板2には、吐出液を溜めておくリザーバ(リザーバ基板の共通液滴室13)へ連通する液滴供給孔10aが形成されており、この液滴供給孔10aは電極基板2を貫通している。
キャビティ基板3は、例えば単結晶シリコンからなり、底壁が振動板11である吐出室12となる凹部12aが形成されている。なお、凹部12aは複数形成されており、個別電極7に対応して2列に形成されている。また、キャビティ基板3には、左右の吐出室12の列の中間部にキャビティ基板3を貫通する第1の穴部21が形成され、さらに、各振動板11に電圧を印加するための共通電極22も備える。この共通電極22はFPC30と接続されている。
本実施形態1では、キャビティ基板3は単結晶シリコンからなり、その全面にプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によって、TEOS(TetraEthylOrthoSilicate)からなる絶縁膜(図示せず)を0.1μm形成している。これは、振動板11の駆動時における絶縁破壊及びショートを防止するためと、インク等の液滴によるキャビティ基板3のエッチングを防止するためである。また、キャビティ基板3には、共通液滴室13に連通する液滴供給孔10bが形成されている。
振動板11は、高濃度のボロンドープ層から形成するのが好ましい。シリコン基板の振動板11となる部分を高濃度のボロンドープ層としておけば、アルカリ溶液による異方性エッチングによって吐出室12となる凹部12aを形成する際に、ボロンドープ層が露出してエッチングレートが極端に小さくなる、いわゆるエッチングストップ技術を用いることにより、振動板11を所望の厚さに形成することができるからである。
電極基板2とキャビティ基板3とが接合されることにより、個別電極7と振動板11の間には振動板11の振動領域となるギャップが形成される。このギャップは静電力を生じさせるための重要な空間であり、内部に異物が入らないように、空間の開口端部に封止材17が塗布される(図2参照)。
リザーバ基板4は、例えば単結晶シリコンからなり、吐出室12に吐出液を供給するための液貯蔵室である共通液滴室13となる凹部13aが左右に2つ形成されている。凹部13aの底面には、共通液滴室13から吐出室12へ液滴を移送するための貫通孔14と、凹部13aの底面を貫通する液滴供給孔10cが形成されている。また、リザーバ基板4には、各々の吐出室12に連通し、吐出室12から後述するノズル孔16に液滴を移送するためのノズル連通孔15が形成されている。さらに、リザーバ基板4の左右の共通液滴室13の間には、リザーバ基板4を貫通する第2の穴部23が形成されている。
図2に示すように、リザーバ基板4に形成された液滴供給孔10cと、キャビティ基板3に形成された液滴供給孔10b及び電極基板2に形成された液滴供給孔10aは、リザーバ基板4、キャビティ基板3及び電極基板2が接合された状態において互いに繋がって、外部から共通液滴室13に液滴を供給するための液滴供給孔10を形成する。
また、キャビティ基板3に形成された第1の穴部21と、リザーバ基板4に形成された第2の穴部23は連通して、ドライバIC20の収容部24を形成する。
ノズル基板5は、例えば厚さ100μmのシリコン基板からなり、各々のノズル連通孔15と連通する複数のノズル孔16が形成されている。本実施形態1では、ノズル孔16を2段に形成して液滴を吐出する際の直進性を向上させている。
電極基板2、キャビティ基板3、リザーバ基板4及びノズル基板5の接合は、例えば、シリコンからなる基板とホウ珪酸ガラスからなる基板を接合する場合は陽極接合により、シリコンからなる基板同士は接着剤等を用いて行うことができる。
液滴吐出ヘッド1では、ドライバIC20が収容部24の内部に収容されており、収容部24がノズル基板5、キャビティ基板3、リザーバ基板4及び電極基板2によって閉塞されている。即ち、ノズル基板5が収容部24の上面を、電極基板2が収容部24の下面を、キャビティ基板3及びリザーバ基板4が収容部24の側面を形成することにより、収容部24が閉塞されるようになっている。
次に、液滴吐出ヘッド1の動作について説明する。共通液滴室13には外部から液滴供給孔10を介してインク等の液滴が供給されている。また、吐出室12には共通液滴室13から貫通孔14を介して液滴が供給されている。ドライバIC20には、FPC30のIC用配線31及び電極基板2に設けられた入力配線25(25a,25b,25c)を介して、液滴吐出装置の制御部(図示せず)から駆動信号が供給されている。液滴をノズル孔16から吐出させるには、ドライバIC20から個別電極7に0Vから40V程度のパルス電圧を印加し個別電極7を例えばプラスに帯電させ、対応する振動板11を共通電極用配線32を介して液滴吐出装置の制御部(図示せず)から駆動信号を供給してマイナスに帯電させる。このとき振動板11は静電気力によって個別電極7側に吸引されて撓む。次にパルス電圧をオフにすると、振動板11にかけられた静電気力がなくなり振動板11は復元する。このとき吐出室12の内部の圧力が急激に上昇し、吐出室12内の液滴がノズル連通孔15を通過してノズル孔16から吐出されることとなる。その後、液滴が共通液滴室13から貫通孔14を通じて吐出室12内に補給され、初期状態に戻る。
液滴吐出ヘッド1の共通液滴室13への液滴の供給は、例えば液滴供給孔10に接続された液滴供給管(図示せず)により行われる。また、本実施形態1ではFPC30が、FPC30の長手方向が電極列を形成する個別電極7の短辺方向と平行となるようにドライバIC20と接続されている。しかし、個別電極7の短辺が長辺に対して斜めになっていて、個別電極7が細長い平行四辺形状になっているような場合には、個別電極7の長辺と直角方向にFPC30を接続するのがよい。これにより、複数の電極列を有する液滴吐出ヘッド1とFPC30をコンパクトに接続することが可能となる。
図5は、液滴吐出ヘッド1が搭載された液滴吐出装置の制御系を示す概略ブロック図である。なお、この液滴吐出装置は、一般的なインクジェットプリンタであるとする。なお、液滴吐出ヘッド1が搭載された液滴吐出装置の制御系は図5に示すものに限られない。
液滴吐出ヘッド1が搭載された液滴吐出装置は、液滴吐出ヘッド1を駆動制御するための液滴吐出ヘッド駆動制御装置41を有しており、この液滴吐出ヘッド駆動制御装置41は、CPU42aを中心に構成された制御部(波線で囲まれた部分)42を備えている。CPU42aにはパーソナル・コンピュータ等の外部装置43からバス43aを介して印刷情報が供給され、また内部バス42bを介してROM44a、RAM44b及びキャラクタジェネレータ44cが接続されている。
制御部42では、RAM44b内の記憶領域を作業領域として用いて、ROM44a内に格納されている制御プログラムを実行し、キャラクタジェネレータ44cから発生するキャラクタ情報に基づき、液滴吐出ヘッド1を駆動するための制御信号を生成する。制御信号は論理ゲートアレイ45及び駆動パルス発生回路46を介して、印刷情報に対応した駆動制御信号となって、コネクタ47を経由して液滴吐出ヘッド1に内蔵されたドライバIC20に供給されるほか、COM発生回路46aに供給される。またドライバIC20には、印字用の駆動パルス信号V3、制御信号LP、極性反転制御信号REV等も供給される。なおCOM発生回路46aは、例えば駆動パルスを発生するための共通電極IC(図示せず)から構成されている。
COM発生回路46aでは、供給された上記の各信号に基づき、液滴吐出ヘッド1の共通電極22、即ち各振動板11に印加すべき駆動信号(駆動電圧パルス)をその共通出力端子COM(図示せず)から出力する。またドライバIC20では、供給された上記の各信号及び電源回路50から供給される駆動電圧Vpに基づき、各個別電極7に印加すべき駆動信号(駆動電圧パルス)を、各個別電極7に対応した個数の個別出力端子SEGから出力する。共通出力端子COMの出力と個別出力端子SEGの出力との電位差が、各振動板11とそれに対向する個別電極7の間に印加される。振動板11の駆動時(液滴の吐出時)には指定された向きの駆動電位差波形を与え、非駆動時には駆動電位差を与えないようになっている。
図6は、ドライバIC20及びCOM発生回路46aの内部構成の1例を示す概略ブロック図である。なお、図6に示すドライバIC20及びCOM発生回路46aは、1組で64個の個別電極7及び振動板11に駆動信号を供給するものとする。
ドライバIC20は電源回路50から高電圧系の駆動電圧Vp及び論理回路系の駆動電圧Vccが供給されて動作するCMOSの64ビット出力の高耐圧ドライバである。ドライバIC20は、供給された駆動制御信号に応じて、駆動電圧パルスとGND電位の一方を、個別電極7に印加する。
ドライバIC20は64ビットのシフトレジスタ61を有し、シフトレジスタ61はシリアルデータとして論理ゲートアレイ45より送信された64ビット長のDI信号入力を、DI信号に同期する基本クロックパルスであるXSCLパルス信号入力によりデータをシフトアップし、シフトレジスタ61内のレジスタに格納するスタティクシフトレジスタとなっている。DI信号は64個の個別電極7のそれぞれを選択するための選択情報をオン/オフにより示す制御信号であり、この信号がシリアルデータとして送信される。
またドライバIC20は64ビットのラッチ回路62を有し、ラッチ回路62はシフトレジスタ61内に格納された64ビットデータを制御信号(ラッチパルス)LPによりラッチしてデータを格納し、格納されたデータを64ビット反転回路63に信号出力するスタティクラッチである。ラッチ回路62では、シリアルデータのDI信号が各振動板11の駆動を行うための64セグメント出力を行うための64ビットのパラレル信号へと変換される。反転回路63では、ラッチ回路62から入力される信号と、REV信号との排他的論理和をレベルシフタ64へ出力する。レベルシフタ64は、反転回路63からの信号の電圧レベルをロジック系の電圧レベル(5Vレベル又は3.3Vレベル)からヘッド駆動系の電圧レベル(0〜45Vレベル)に変換するレベルインターフェイス回路である。
SEGドライバ65は、64チャンネルのトランスミッションゲート出力となっていて、レベルシフタ64の入力によりSEG1〜SEG64のセグメント出力に対して、駆動電圧パルス入力か又はGND入力のいずれかを出力する。COM発生回路46aに内蔵されたCOMドライバ66は、REV入力に対して駆動電圧パルスか又はGND入力のいずれかをCOMへ出力する。
XSCL、DI、LP及びREVの各信号は、ロジック系の電圧レベルの信号であり、論理ゲートアレイ45よりドライバIC20に送信される信号である。このようにドライバIC20及びCOM発生回路46aを構成することにより、駆動するセグメント数(振動板11の数)が増加した場合においても容易に液滴吐出ヘッド1の振動板11の駆動する駆動電圧パルスとGNDとを切り替えることが可能となる。
上記のように構成した実施形態1の液滴吐出ヘッド1は、キャビティ基板3に第1の穴部21を設け、リザーバ基板4に第2の穴部23を設けて第1の穴部21と第2の穴部23によって収容部24を形成し、この収容部24にドライバIC20を収容するため、液滴吐出ヘッド1のサイズを小さくすることができる。
また、個別電極7が平行に並んで複数の電極列を形成し、ドライバIC20が2つの電極列に接続されるため、ドライバIC20から2つの電極列に駆動信号を供給することが可能となり、電極列の多列化が容易となる。またドライバIC20の個数が少なくなるため、コストを削減することができ、液滴吐出ヘッドの小型化も可能となる。
加えて、電極基板2のドライバIC20への入力配線25が金属材料から形成されているため、全ノズルに共通な入力配線の低抵抗化が可能となり、同時に駆動するノズルの数が多くても、個別電極7と振動板11からなるアクチュエータの駆動回路の時定数を小さくできる。これにより、動作遅れが低減されるため、応答性に優れた吐出性能の液滴吐出ヘッドが得られる。なお、上記回路の時定数は、例えば駆動パルスの立ち上がり時間の1/4以下とするように構成すると、多ノズルを同時に駆動した場合においても、アクチュエータの動作遅れを感じさせることがなく、安定した印字品質を得ることができる。
実施形態2.
図7は、本発明の実施形態2に係る液滴吐出ヘッドの分解模式図(a)及び組み立て模式図(b)である。実施形態2に係る液滴吐出ヘッド1は、個別電極7等から構成される電極列が6列であり、それに対応して吐出室12となる凹部12a等も6列形成されている。また、ドライバIC20は、2つの電極列ごとに2つずつ設置されており、ドライバIC20の両側に形成された電極列に駆動信号を供給するようになっている。
その他の構造及び動作については、実施形態1の図1及び図2に示す液滴吐出ヘッド1と同様であり、説明を省略する。なお、実施形態1に係る液滴吐出ヘッド1と同一の構成要素には、同一符号を付している。
本実施形態2では電極列を6列形成しているため、例えば電極列(吐出室7の列)ごとに色の異なるインクを吐出するようにすれば、容易に多色化することが可能となる。その他の効果については、実施形態1に係る液滴吐出ヘッド1と同様である。
実施形態3.
図8は、本発明の実施形態3に係る液滴吐出ヘッドが組み立てられた状態の縦断面図である。実施形態3に係る液滴吐出ヘッド1は、リザーバ基板4に第2の穴部23が形成されておらず、キャビティ基板3に第1の穴部21に相当する穴部26が形成されており、この穴部26の内部にドライバIC20が収容されている。穴部26は、リザーバ基板4が穴部26の上面を、電極基板2が穴部26の下面を、キャビティ基板3が穴部26の側面を形成することにより、穴部26が閉塞されるようになっている。
その他の構造及び動作については、実施形態1の図1及び図2に示す液滴吐出ヘッド1と同様であり、効果についても実施形態1に係る液滴吐出ヘッド1とほぼ同様である。
実施形態4.
図9は、本発明の実施形態4に係る液滴吐出ヘッドが組み立てられた状態の縦断面図である。実施形態4に係る液滴吐出ヘッド1は、リザーバ基板4がなく、電極基板2、キャビティ基板3及びノズル基板5の3つの基板から構成されている。ここでは、共通液滴室13はキャビティ基板3に形成されており、共通液滴室13と吐出室12は貫通穴14の代わりに、ノズル基板5に形成されたオリフィス27によって連通するようになっている。なお、オリフィス27はキャビティ基板3に設けるようにしてもよい。本実施形態4に係る液滴吐出ヘッド1は、個別電極7からなる2列の電極列を有しており、キャビティ基板3には実施形態3に係る液滴吐出ヘッド1と同様に穴部26が形成され、その穴部26の内部にドライバIC20が収容されている。なお個別電極7の電極列は、実施形態2に係る液滴吐出ヘッド1と同様に3列以上にしてもよい。また穴部26は、ノズル基板5が穴部26の上面を、電極基板2が穴部26の下面を、キャビティ基板3が穴部26の側面を形成することにより、閉塞されるようになっている。
その他の構造及び動作については、実施形態1の図1及び図2に示す液滴吐出ヘッド1と同様であり、説明を省略する。なお、効果についても実施形態1に係る液滴吐出ヘッド1とほぼ同様である。
実施形態5.
図10は、これまでの実施形態で示したような液滴吐出ヘッドを、その液滴吐出部に搭載した液滴吐出装置の一例として示すインクジェットプリンタの斜視図である。本発明の液滴吐出ヘッド1は上記のようにサイズが小さく耐久性に優れており、また多ノズルを同時に駆動させても応答性に優れているという長所を有しているため、それを搭載した液滴吐出装置でも同様の効果が得られる。
なお、各実施形態で説明してきた液滴吐出ヘッド1は、図10に示したようなプリンタとしての利用の他に、吐出する液滴を種々変更することで、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造装置、有機EL表示装置の発光部分の形成装置、生体液体の吐出装置等、様々な用途に適用することができる。
本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドの分解斜視図。 図1に示す液滴吐出ヘッドが組み立てられた状態の縦断面図。 アクチュエータの駆動回路の等価回路を示す模式図。 多ノズルインクジェットの同時駆動ノズル数とアクチュエータの駆動回路の時定数と入力配線の材料との関係を示す相関図。 図1及び図2に示す液滴吐出ヘッドが搭載された液滴吐出装置の制御系を示す概略ブロック図。 ドライバIC及びCOM発生回路の内部構成の一例を示す概略ブロック図。 本発明の実施形態2に係る液滴吐出ヘッドの分解模式図及び組み立て模式図。 本発明の実施形態3に係る液滴吐出ヘッドの液滴吐出ヘッドが組み立てられた状態の縦断面図。 本発明の実施形態4に係る液滴吐出ヘッドの液滴吐出ヘッドが組み立てられた状態の縦断面図。 本発明の液滴吐出ヘッドを搭載した実施形態5に係る液滴吐出装置の一例を示す斜視図。
符号の説明
1 液滴吐出ヘッド、2 電極基板、3 キャビティ基板、4 リザーバ基板、5 ノズル基板、6 凹部、7 個別電極、10,10a,10b,10c 液滴供給孔、11 振動板、12 吐出室、12a 凹部、13 共通液滴室、13a 凹部、14 貫通孔、15 ノズル連通孔、16 ノズル孔、17 封止材、20 ドライバIC、21 第1の穴部、22 共通電極、23 第2の穴部 24 収容部、25 入力配線、25a 入力配線のFPC実装部、25b 入力配線のリード部、25c 入力配線のドライバIC入力端子実装部、30 FPC、31 FPC内のIC用配線、32 FPC内の共通電極用配線、100 液滴吐出装置。

Claims (7)

  1. 液滴を吐出する複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、
    底壁が振動板を形成し、前記液滴を前記ノズル孔から吐出させる吐出室となる複数の凹部が形成されたキャビティ基板と、
    電極を構成している前記複数の振動板にギャップを隔てて対向し、各振動板を駆動する複数の個別電極が形成された電極基板とを備え、
    前記電極基板には、前記複数の個別電極を駆動させるためのドライバICと、前記電極基板の外部から前記ドライバICへ前記個別電極の駆動信号を入力する入力配線が設けられ、
    前記個別電極がITOから形成され、前記入力配線が金属材料から形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記ドライバICの出力端子が前記個別電極の端部に直接接続されていることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記吐出室に液滴を供給する共通液滴室となる凹部と、前記共通液滴室から前記吐出室へ液滴を移送するための貫通孔と、前記吐出室から前記ノズル孔へ液滴を移送するノズル連通孔とを有するリザーバ基板を、前記ノズル基板と前記キャビティ基板との間に備えていることを特徴とする請求項1または2記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記入力配線がクロムの層、クロムと金の積層、またはITOとクロムと金の積層から形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 前記入力配線がチタンと金の積層から形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 前記入力配線がアルミニウムの層から形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102343718A (zh) * 2010-07-27 2012-02-08 佳能株式会社 液体喷射头及其制备方法

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