JP2008136537A - 島設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】 上部タンクから球落下部に落下した球を下部タンクに誘導し、下部タンクの底部を球揚送装置側に下り傾斜させ、球揚送装置により下部タンク内の球を上部タンクに揚送する遊技島において、下部タンクを深くしたり、または、長手方向に短尺にしたりする必要をなくす。
【解決手段】 下部タンク31には、底部34の上方に球貯留空間を空けた状態で一側壁から突出して底部34と傾斜方向が同方向の第1樋部(バイパス用側部樋65)と、底部の上方に球貯留空間を空けた状態で他側壁から突出して底部34と傾斜方向が反対の第2樋部(均し用側部樋66)とを設け、球落下部36aに落下した球を第2樋部を介して下部タンク31に誘導するとともに、下部タンク31内の球を第1樋部によりバイパスさせて球揚送装置33に送る構成とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、複数の遊技機(例えば、パチンコ機など)が設置された遊技場の遊技機設置島(場合により、設置島、遊技島又は島という。)に関する。
従来の遊技機設置島、例えばパチンコ遊技機を設置した設置島においては、内部下方に下部タンクを設置島の長手方向に沿って配設し、この下部タンクの底部にパチンコ遊技機から排出された球を回収する回収樋が形成され、回収樋の下り傾斜の下流側に球揚送装置を設置し、設置島の上部には、球揚送装置により研磨しながら揚送した球を貯留する上部タンクを設けるとともに、この上部タンクから各パチンコ遊技機に球を補給する球補給樋を設置島の長手方向に沿って設けてある。
このような設置島の中には、特許文献1に開示されているように球補給樋に球が充満すると上部タンクに揚送された球が流れ込む溢れ球樋(均し板に相当)が、下部タンクの長手方向の両側に設けられ、溢れ球樋によって下部タンクに均等に球が貯留されるようになっている。また、溢れ球樋の下方スペースにバイパス誘導路を積層させて下部タンク内の球をバイパスさせて球揚送装置に送っている。
特開平9−24152号公報
ところで、上記従来の設置島の下部タンクは、傾斜方向が反対の溢れ球樋とバイパス誘導路が上下に重なっているため、双方の傾斜を確保するのに、下部タンクを深くしたり、または、長手方向に短尺にしたりする必要があって、実用的でないといった問題がある。
そこで本発明は、上述した設置島において下部タンクを深くしたり、または、長手方向に短尺にしたりする必要をなくすことを目的とする。
本願請求項1に記載の島設備は、上部タンクから球落下部に落下した球を下部タンクに誘導し、該下部タンクの底部を球揚送装置側に下り傾斜させ、該球揚送装置により下部タンク内の球を前記上部タンクに揚送する球循環機構を有する島設備において、
前記下部タンクは、底部の上方に球貯留空間を空けた状態で一側壁から突出して底部と傾斜方向が同方向の第1樋部と、底部の上方に球貯留空間を空けた状態で他側壁から突出して底部と傾斜方向が反対の第2樋部と、を設け、
前記球落下部は、前記第2樋部側に設けられ、
前記球落下部に落下した球を前記第2樋部を介して下部タンクに誘導するとともに、下部タンク内の球を前記第1樋部によりバイパスさせて球揚送装置に送るようにしたことを特徴とする。
ここで、「バイパスさせて球揚送装置に送る」とは、下部タンクの底部を経由するメイン流路を迂回させて遊技球を球揚送装置に送ることを意味する。
本願請求項2に記載の島設備は、遊技機を前記下部タンクの底部の傾斜方向に沿って両側に配設し、
前記球循環機構は、遊技機から排出される球を前記第1樋部または第2樋部を跨がせて前記下部タンクの底部に落下させる第3樋部を有することを特徴とする。
本願請求項3に記載の島設備は、前記第2樋部側の遊技機から排出される球が転動する第3樋部は、排出口を中央より前記第1樋部側に寄せて設けたことを特徴とする。
本願請求項4に記載の島設備は、前記第2樋部に、傾斜方向に沿って流下する球を屈折させて前記第1樋部側に向けて落下させる方向変換部材を設けたことを特徴とする。
本願請求項1に記載の島設備によれば、第1樋部と第2樋部とが下部タンクにおいて互いに反対側の側壁に設けられているので(即ち、上下に重なって配置されていないので)、双方の傾斜を確保するのに、下部タンクを深くしたり、または、長手方向に短尺にしたりする必要がなく実用的である。
また、請求項2に記載の島設備によれば、下部タンクの底部に遊技球が山積み状態に貯留されているような多量球貯留状態において、遊技機から排出された球が、山積み状態の球で形成された斜面により第1樋部に誘導される。このため、前記多量球貯留状態において遊技機から排出された球をスムーズにバイパスさせて球揚送装置に誘導できる。
また、請求項3又は4に記載の島設備によれば、下部タンクの底部から山積み状態に貯留された球の頂部を第1樋部側に寄せることができ、よりスムーズに遊技機から排出された球を球揚送装置にバイパスさせて誘導できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
A.遊技場の設備全体の概略構成
まず、遊技場の設備全体の概略構成について説明する。図1は、後述する遊技島10cの内部構造(正面を覆う板や遊技機を取り外した状態)を示す正面図である。
本例の設備は、複数の島よりなるグループが複数設置されて構成される。例えば、三つの島10a,10b,10c(島10cのみを図1に示す、他は図示省略)が並列状態に設置されてグループ1が形成されている。そして、このグループ1の隣りには、同一島配列又は異なる島配列の他のグループ(図示省略)が配置されていて、グループ間の遊技球の移動(交流)が行われる。例えば、グループ1と全く同一構成のグループが隣接して配置され、端に位置する子島同士(グループ1では例えば島10c)を介して交流が行われる。なお、各遊技島をそれぞれ構成する設備が、本発明の島設備に相当する。
各遊技島には、その筐体内に、遊技球を使用して遊技が行われるパチンコ機等の遊技機(図示省略)が長手方向に並べて設置してある。そして、特定の遊技島(例えば、両端の島10aと島10c)の一端又は両端には、計数器12が設置されている。計数器12は、払い出された遊技球(即ち、景品球)を受入れてその数量を計数し、その数量の情報等を所定の媒体(レシート、カードなど)に記録して出力する周知の機械であり、各計数器12から受入れた遊技球は各計数器12が設置された遊技島内に直接回収される構成となっている。
なお、遊技島の配列や配列数、或いは計数器の配置等は、上述の態様に限られないことはいうまでもない。
各遊技島の中央上面側には、揚送された内部の遊技球が島内循環或いは島間循環のために一時的に貯留される上部タンク13が設けられており、この上部タンク13は、上部主タンク13aと、上部補助タンク13bとよりなる。このうち、上部補助タンク13bには、隣接する遊技島間を連絡する島間樋(図示省略)が接続されている。
ここで、島間樋は、遊技球を流下させる方向において斜め下に傾斜した状態に設けられており、遊技球を自重により流下させることによって、或る遊技島から隣接する遊技島(同グループ内又は他グループ内の他の島)に移動させる樋である。
なお、図1における符号14や15は、上部補助タンク13bにおける島間樋の接続口を示し、このうち符号14は他島から自島へ向かう島間樋の接続口、符号15は自島から他島へ向かう島間樋の接続口を示す。
そして、上部タンク13における島間樋の傾斜下端側の遊技球入口(図1では接続口14)には、この入口を開閉する上部シャッター(図示省略する)が設けられている。
また各島には、島制御装置(図示省略)が設けられ、上記上部シャッターを含む各島内の機器の制御は、それぞれこれらの島制御装置により行われる。各島の島制御装置は、相互に接続されている。
B.遊技島の概略構成
次に、各遊技島の概略構成及び遊技球の流れの概要について説明する。
各遊技島は、図1に示す如く、前述の上部タンク13に加えて、島内の比較的下側に配置されて遊技球を貯留する下部タンク31と、島の長手方向(遊技機が並ぶ左右方向)の略中央に配置される球揚送装置33と、この球揚送装置33を中心として両側に伸びるように各遊技機の下方に配設された遊技球回収樋34と、上部タンク13の下部両側に接続されて上部タンク13の遊技球を各遊技機に補給する遊技球補給樋35と、上部タンク13内の遊技球を自島内の下部タンク31に向けて流下させる降下流路(図1に示す移送球流路36や図示省略したオーバーフロー流路)と、下部タンク31の底部であって球揚送装置33の近傍(遊技球回収樋34の下流側)に設けられた下部シャッター37とを備える。なお、球揚送装置33による揚送経路以外の遊技球の移動経路(各樋及び流路)は、全て遊技球がその自重により移動するものである。また、上述した上部タンク13、下部タンク31、球揚送装置33、及び降下流路等は、本発明の球循環機構を構成する。また、遊技球回収樋34は、下部タンク31の底部を構成する。
ここで、下部タンク31は、遊技球回収樋34の上方の空きスペースを、その設置空間とするタンクである。この下部タンク31(以下、場合により単にタンク31という)や遊技球回収樋34や下部シャッター37は、球揚送装置33の左右両側に1個ずつ設けられている。
また移送球流路36は、上部補助タンク13bに上端が接続されて下方に伸びる管状の流路であり、島間樋から流入した遊技球を左右の下部タンク31に向けて流下させるものである。この移送球流路36の下端は、後述する図3の均し樋61の始端部(後述する球落下部36a)に向けて配置され、この均し樋61の始端部に上部タンク13からの球を落下させる。
またオーバーフロー流路は、上部タンク13に接続されて、左右何れかの下部タンク31内に遊技球を流下させるものである。
また下部シャッター37は、前記島制御装置によって制御され、例えば自島の球貯留量(下部タンク31内の球貯留量)が少ないときに、下部タンク31内から球揚送装置33の入口に向かう遊技球の流路を遮断して、他島への遊技球の供給を停止するためのものである。このように球揚送装置33の入口への遊技球の流入を適宜停止することによって、球揚送装置33の負荷が減る利点がある。
なお、下部タンク31やその周辺構成の詳細については、後述する。
そして遊技球は、概略次のように島内を循環する構成となっている。
即ち、各遊技機から排出される遊技球(アウト球等)は、まず島の下部(各遊技機の下側)の左右方向に傾斜した状態に設けられた遊技球回収樋34(或いは、後述する均し樋61やバイパス用側部樋65)により回収されて、下部シャッター37によって開閉される流路を経由して島の略中央底部の位置に集められる。この位置には、球揚送装置33の下端側の入口が配置されており、この位置に集められた遊技球は図示省略した整列装置により、整然と球揚送装置33に入り、この球揚送装置33で研磨されつつ揚送され、球揚送装置33の上端側の出口から前述の上部タンク13における上部主タンク13a内の上部に排出される。
なお、計数器12が受入れた遊技球も、計数器12の裏面側(島の側壁の内側)に突出する排出口12a(図3に示す)より、遊技球回収樋34の始端部に流れ落ちるようになっており、遊技機から排出された遊技球と同様に回収され、球揚送装置33に送られる。
次に、球揚送装置33から上部主タンク13a内の上部に排出された遊技球は、例えば、島間樋、遊技球補給樋35、オーバーフロー流路の順に優先して供給される。即ち、まず他島へ球を送る島間樋に供給され、この島間樋の入口が遊技球により満杯となっていると遊技球補給樋35に供給され、遊技球補給樋35の入口が遊技球により満杯となっているとオーバーフロー流路に供給される。
なお、遊技球補給樋35に流入した遊技球は、島の上部(各遊技機の上側)の左右方向に傾斜した状態に設けられた各遊技球補給樋35により各遊技機に供給される。遊技球補給樋35には、各遊技機に対応する複数箇所にシュートと呼ばれる遊技球の分配器(図示省略)が設けられており、この分配器の動作により適宜補給が必要な遊技機や遊技機に付設された球貸機に上記遊技球補給樋35から遊技球が補給される。
また、島間樋から流入した遊技球(他島から供給された遊技球)は、移送球流路36に供給される。なお、前述した上部シャッターが閉じると、この島間樋からの遊技球の流入が止まる。前述した島制御装置は、例えば自島の遊技球貯留量が他島に比較して多いときに、上部シャッターを閉じる。
なお、符号を付しての詳細説明を省略するが、球揚送装置33は、例えば、上下方向に配されて周回する搬送ベルトと、この搬送ベルトの片面側に対向配置される研磨布と、遊技球の外径に対応した断面半円状の溝が上下方向に形成され、前記研磨布の裏面側を保持した状態に配置される案内部材と、前記搬送ベルトを駆動するモータ等の駆動機構とを備えるもので、前記搬送ベルトと研磨布の間に遊技球を挟み込んだ状態で、遊技球を整列させたまま上向きに転動させることにより、遊技球を研磨しつつ整然と揚送する装置である。この球揚送装置33は、基本的に常時駆動される。
C.下部タンク等の構成
次に、計数器12が設置された島10cにおける下部タンク31とその周辺構成について、図2〜図10により説明する。
ここで図2は、右側の下部タンク31や後述するアウトタンク51,52等を示す斜視図(球揚送装置33の側から斜めに見た図)である。また図3は、図2においてアウトタンク51,52等を取り除いた状態を示す斜視図である。また図4は、右側の下部タンク31等(アウトタンク51,52等を含まない)を示す斜視図(島端側から斜めに見た図)である。また図5は、右側の下部タンク31等(アウトタンク51,52等を含む)を示す縦断面図である。また図6は、後述する方向変換部材81の取り付け作業を説明するための斜視図である。
図3において符号41で示すのは、島の筐体の側壁である。遊技球回収樋34の島端側の端壁(図示省略)は、この側壁41の内面に接合した状態に配置されている。この側壁41には、後述する排出口12aを挿入するための開口部41aが形成されている。
また図3に示すように、上記側壁41の外面側には、計数器設置台42が配置され、この計数器設置台42の上に計数器12が載置される。
そして、計数器12の背面に設けられた球の排出口12aは、上記開口部41aに挿入されて、側壁41より内面側(遊技球回収樋34の始端部上方)に突出し、計数器12で投入された遊技球は、その排出口12aから島の遊技球回収樋34の始端部(詳しくは、後述する蓋部材49の上面)に落下する構成となっている。
また、図3において符号43で示すのは、島の筐体の底部を構成する底部構成部材である。この底部構成部材43は、図3や図5に示すように、遊技球回収樋34の正面と後面と下面を覆うように床面上に設置される概略断面U字状の部材である。この底部構成部材43の正面側と後面側の上端部は、それぞれ前方又は後方にL字状に曲がって伸びていて、この前方又は後方に伸びる平板状部分がいわゆる膳板43a,43b(遊技機の下方に位置し、遊技者が出球を入れた箱を載せておく棚板)を構成し、この平板状部分の回収樋側に遊技機設置部が構成されている。なお、遊技球回収樋34の前面壁34bと後面壁34c(図3等に示す)は、この底部構成部材43の内面に接合している(図5参照)。
なお本例では便宜上、図5における左側を島の正面側、図5における右側を島の裏面側としている。
そして、図3に示すように、遊技球回収樋34の始端部(排出口12aの下方)には、遊技球回収樋34における球の貯留状態を検出する第1検出部44が設けられている。
この第1検出部44は、遊技球が遊技球回収樋34の始端側(側壁41の付近)に所定量以上滞留したことを検出して検出信号を出力する第1検出器45と、この第1検出器45を取り付けた壁状部材46と、この壁状部材46の両縁部を上方から挿通する溝部(図示省略)と、この溝部に挿通された壁状部材46を上方から覆う蓋部材49と、から構成されている。
ここで、第1検出器45が出力する前記検出信号は、例えば次のように利用される。即ち、この信号を受けた当該遊技島の島制御装置は、当該遊技島の下部シャッター37を開くと共に、隣接する他の島の島制御装置に、当該遊技島の遊技球回収樋34の始端側に遊技球が所定量以上滞留していることを示す信号を送信する。そして、この信号を受けた隣接する島は、上部シャッターを開いて遊技球を受け入れ、当該遊技島において遊技球が過剰となることを阻止する。
なお、壁状部材46は単に前記溝部に両端を挿通することで組み付けられ、また蓋部材49は、壁状部材46の上面側に設けられた載置部(図示省略)に単に載せた状態で組み付けられており、これら蓋部材49や壁状部材46は容易に取り外し可能となっている。このため、第1検出器45のメンテナンスが簡単にできる。
そして蓋部材49は、上面側と下面側に衝撃吸収性材を備え、上面に計数器12からの計数球が衝接する衝接部を形成し、計数器12からの遊技球を遊技球回収樋34へ静かに落下させる構成となっている。
次に、図2や図5において符号51,52で示すのは、各遊技機の下部にそれぞれ設けられて、各遊技機から排出された遊技球を検出するセンサ(図示省略)を備えたアウトタンクである。なお、アウトタンク51は正面側の遊技機の下部に配置されたものであり、アウトタンク52は裏面側の遊技機の下部に配置されたものである。
これらアウトタンク51,52の底部には、遊技機から排出された遊技球を後述する第1樋部(バイパス用側部樋65)または第2樋部(均し用側部樋66)を跨がせて下部タンク31の底部に落下させる排出樋部53,54,55(本発明の第3樋部に相当)が形成されている。このうち、排出樋部53は、正面側のアウトタンク51に設けられたもので、その排出口53a(図5に示す)は後述する第1樋部(バイパス用側部樋65)よりも前後方向内側(即ち、図5に示す中央位置Cに近い位置)に位置しており、この第1樋部を跨がせて下部タンク31の底部に遊技球を落下させるものである。また排出樋部54は、この場合図2に示すように、裏面側のアウトタンク52のうち左右方向両端(球揚送装置33に隣接する位置と島端の位置)に位置するものに設けられたもので、その排出開口(符号省略)は、やはり第1樋部(バイパス用側部樋65)よりも前後方向内側(即ち、図5に示す中央位置Cに近い位置)に位置しており、この第1樋部の位置よりも内側において下部タンク31内(例えば、均し樋61上)に遊技球を流下させるものである。また排出樋部55は、この場合図2に示すように、裏面側のアウトタンク52のうち左右方向中央側の3個に設けられたもので、その排出口55a(図5に示す)の前後方向位置は後述する第2樋部(均し用側部樋66)よりも第1樋部(バイパス用側部樋65)に近い位置(この場合、前後方向中央位置Cよりも正面側にずれた位置)に設定されており、第2樋部(均し用側部樋66)を大きく跨がせて遊技球を下部タンク31の底部に落下させるものである。
このような構成により、各遊技機において遊技者の操作により発射されて遊技盤の遊技領域に有効に打ち込まれた全ての有効発射球(ファウル球除くもの)は、遊技領域の入賞口又はアウト口を経て対応するアウトタンク(アウトタンク51又は52)内に排出され、1個ずつ検出されるとともに、排出樋部53,54,55のうちの何れかを経由して下部タンク31内に落下する。
なお、このアウトタンク51,52において排出球を検出するセンサは、例えば、排出樋部53,54,55の終端位置などに設けられる。
また図2や図5に示すように、遊技球回収樋34の前面壁34bと後面壁34cの上端には、アウトタンク載置台56,57がそれぞれ固定され、これらアウトタンク載置台56,57の上にアウトタンク51,52がそれぞれ固定されている。なお図5に示すように、アウトタンク載置台56は、前面壁34bの上端から膳板43aの後方に延びるように設けられており、この上にアウトタンク51が載置されて固定されている。また、アウトタンク載置台57は、後面壁34cの上端から膳板43bの前方に延びるように設けられており、この上にアウトタンク52が載置されて固定されている。
次に、図3等において符号61で示すのは、均し樋である。均し樋61は、遊技球回収樋34の上方(即ち、下部タンク31の上部)に遊技球回収樋34の上面側を一部覆うように配置された帯板状部材よりなる樋であり、後述する均し用側部樋66の部分においては、下部タンク31の底部の上方に球貯留空間を空けた状態で下部タンク31の他側壁(即ち、後面壁34c)から前方に突出する。この均し樋61は、球揚送装置33の近傍位置から島端に向けて延びるように球揚送装置33の両側にそれぞれ設けられており、遊技球回収樋34とは逆向きに傾斜している。即ち、遊技球回収樋34が、島の中央側(球揚送装置33の近傍位置)から島端に向かって上り傾斜しているのに対して、均し樋61は、島の中央から島端に向かって下り傾斜している(図1参照)。いいかえると、遊技球回収樋34の始端(遊技球の流れ方向の上流側の端)は島端側に位置するのに対して、均し樋61の始端は島の中央(遊技球回収樋34の終端側)に位置する。このため、均し樋61上の遊技球は、遊技球回収樋34とは逆に、基本的に島の中央から島端に向かって流れる。そして図1に示すように、均し樋61の始端が遊技球回収樋34の底面よりも上方に大きく離れているのに対して、均し樋61の終端は、遊技球回収樋34の底面から僅かな距離しか離れていない。
なお、この均し樋61の終端は、遊技球回収樋34の始端位置(第1検出部44)よりも少し手前の位置(島の中央側)に位置している。これにより、均し樋61上をその終端まで流れた遊技球は、遊技球回収樋34の始端位置に円滑に流れ落ち、遊技球が充満していない限り、今度は逆に遊技球回収樋34の底面上を島中央側に向かって流れる構成となっている。
また図3に示すように、均し樋61には、その終端から始端に向けて延びるように長方形状の切り欠き62(上下に開口する部分)が形成されている。これにより、均し樋61上を流れる遊技球は、場合によっては、均し樋61の終端(即ち、後述する均し用側部樋66の終端)に到達する前に、この切り欠き62(例えば、この切り欠き62の上流側端縁や後述する間隙68a)を介して遊技球回収樋34の底面(即ち、下部タンク31の底部)に向けて流れ落ちる構成となっている。なお図4等に示すように、均し樋61の始端部付近には、切り欠き62は形成されておらず、この部分で遊技球が均し樋61から下方に落下することはない。また図4に示すように切り欠き62は、この場合正面側に偏って設けられており、島の裏面側にのみ幅の狭い帯板状部分(後述する均し用側部樋66)を残すような寸法形状とされている。
また図3に示すように、均し樋61の始端部の若干上方位置には、移送球流路36の下端開口が下向きに配置され、この均し樋61の始端部(移送球流路36の下端開口が対向する部分)が、移送球流路36からの遊技球が落下する球落下部36aとなっている。この球落下部36aに落下した遊技球は、島の左右に配置された均し樋61の何れか一方に流れる。そして、まず均し樋61の始端部から切り欠き62のある終端側(島端側)に向かって均し樋61の上を流れる構成となっている。
次に、下部タンク31内における島の正面側には、本発明の第1樋部に相当するバイパス用側部樋65が設けられている。このバイパス用側部樋65は、下部タンク31の底部の上方に球貯留空間を空けた状態で下部タンク31の一側壁(即ち、前面壁34b)から後方に突出し、遊技球回収樋34(下部タンク31の底部)と同方向に傾斜して、遊技球回収樋34と同方向に遊技球を下部タンク31の側壁(前面壁34b)に沿って転動させる帯状の部分である。このバイパス用側部樋65には、図4等に示すように、下部タンク31の側壁からの突出先端側に球落下防止のための球落下防止壁67が、バイパス用側部樋65の全長にわたって形成されている。また、このバイパス用側部樋65の基端は、図3に示すように前述の蓋部材49に接続され、蓋部材49上に落下した遊技球が場合によってはこのバイパス用側部樋65に流れる構成となっている。
次に、均し樋61において、前記切り欠き62が形成されることによってこの切り欠き62の幅方向片側(この場合遊技島の裏面側)に形成された幅の狭い帯板状部分は、均し用側部樋66を構成する。均し用側部樋66は、下部タンク31の底部の上方に球貯留空間を空けた状態で下部タンク31の他側壁(即ち、後面壁34c)から前方に突出し、遊技球回収樋34(下部タンク31の底部)と反対方向に傾斜して、遊技球回収樋34と反対方向に遊技球を下部タンク31の側壁(後面壁34c)に沿って転動させる部分である。なお、この均し用側部樋66が、本発明の第2樋部に相当する。
上記均し用側部樋66には、図3等に示すように、下部タンク31の側壁からの突出先端側に球落下防止のための球落下防止壁68が、間隔を空けて複数形成されている。なお、各球落下防止壁68の間隔に相当する部分(本例では3箇所)には、球が落下可能な間隙68aが形成されている。
なお、前述の球落下部36aは、図3等に示すように、この均し用側部樋66の側(即ちこの場合、島の裏面側)に配置されている。このため、球落下部36aに落下した遊技球は、下部タンク31内に遊技球が充満していない限り、基本的にこの均し用側部樋66上に流れて何れかの間隙68aを経由して下部タンク31の底部に向けて落下して、下部タンク31内になるべく均等に誘導される。
そして、均し用側部樋66には図6に示す方向変換部材81が、複数位置において容易に脱着可能となっている。またそのために、遊技球回収樋34の後面壁34cの複数箇所(前記間隙68aに対応する箇所)には係合部83が形成されている。
方向変換部材81は、均し用側部樋66に沿って流下する球を屈曲させて、この均し用側部樋66の突出先端側(即ち、何れかの間隙68a)からバイパス用側部樋65の側に向けて落下させるように誘導する部材である。なお、方向変換部材81は、例えば金属性の薄板をプレス加工してなるものである。
方向変換部材81は、図6に示すように、取り付け状態において均し用側部樋66上に略直角に起立する誘導板部81aと、この誘導板部81aの一側(後面壁34cから離れた側)の端縁から延びる断面L字状の一側係合部81bと、この一側係合部81bの下端から均し用側部樋66に沿って延びる下面側板部81cと、前記誘導板部81aの下端縁から均し用側部樋66に沿って延びる上面側板部81dと、前記誘導板部81aの他側(後面壁34cに近い側)の端縁から均し用側部樋66の下流側に向かって略直角に延びる側板部81eとを有する。
ここで誘導板部81aは、取り付け状態において、上面から見て一側(後面壁34cから離れた側)に向かって均し用側部樋66の下流側に傾斜する板状部であり、均し用側部樋66上を流下する遊技球に当接することによって、この遊技球を均し用側部樋66の突出先端側(即ち間隙68a)から下部タンク31の底部へ落下させるように誘導する部分である。また一側係合部81bは、取り付け状態において、球落下防止壁68の傾斜上流側の端面と側面に接合するように、球落下防止壁68に対して傾斜上流側から係合する部分である。また下面側板部81cは、取り付け状態において、球落下防止壁68の傾斜上流側の下面に接合するように、球落下防止壁68に対して傾斜上流側から係合する部分であり、この下面側板部81cが球落下防止壁68の下面に当接することによって、方向変換部材81の一側の浮き上がりが防止される。また上面側板部81dは、取り付け時に均し用側部樋66の上面に接合し、方向変換部材81の取り付け作業を容易にする。また側板部81eは、取り付け状態において、係合部83内に挿入された状態に係合し、方向変換部材81を所定位置に保持する部分である。
また係合部83は、図6に示す係合部構成部材83aを後面壁34cの所定位置に取り付けることによって形成される。係合部構成部材83aは、例えば金属性の薄板をプレス加工してなるものであり、上下両端に、後面壁34cに接合した状態でビス止めされる取付板部83b,83cを有する。またこの係合部構成部材83aは、上下の取付板部83b,83cの間に、断面コ字状の係合板部83dを有しており、この係合板部83dと後面壁34cの間の隙間として係合部83を形成している。そして、この係合部構成部材83aよりなる係合部83は、図3や図6に示すように、後面壁34cにおいて、球落下防止壁68の上流側の端部に対応する位置(本例では2箇所)に夫々設けられている。即ち、方向変換部材81の一側係合部81bが球落下防止壁68の上流側端部に上流側から係合した取り付け状態では、当該方向変換部材81の側板部81eが対応する係合部83(係合板部83dと後面壁34cの間の隙間)に上流側から挿入され、これによって当該方向変換部材81が所定位置に取り付けられて保持される構成となっている。
このような構成であるから、方向変換部材81は、図6に示すように、球落下防止壁68の上流側端部やこれに対応する係合部83に対して上流側からスライドさせて係合させるだけで、極めて容易に取り付け可能であり、また逆に上流側にスライドさせることで、極めて容易に取外し可能である。そしてこのように脱着することで、方向変換部材81の取り付け位置を、極めて容易に変更可能である。本例の場合、上流側の位置又は下流側の位置の何れかに取付可能であり、2箇所の位置の何れかに容易に取り付け位置を変更できる。
次に、図1や図4等において符号70で示すものは、下部タンク31の島中央側の端壁である。この端壁70は、遊技球回収樋34の上方空間を仕切るように遊技球回収樋34の上面に縦に配置されたもので、その下端部には、遊技球を少しずつ島中央側(球揚送装置33)に送るための底部開口71が形成されている。また、端壁70の上端部の正面側の位置(バイパス用側部樋65の終端に連通する位置)には、上部開口72が形成されている。
これにより、下部タンク31内の遊技球は、これら底部開口71又は上部開口72を通過して前述した下部シャッター37によって開閉される流路に流れ、さらにこの流路を経由して球揚送装置33の入口へと流れる構成となっている。詳しく説明すると、下部タンク31内の遊技球の貯留量が少ない通常状態では、球落下部36aに落下して下部タンク31内に流れた遊技球や各アウトタンク51,52から落下した遊技球は、主に底部開口71を経由するメイン流路を経て底部に位置する遊技球から順に球揚送装置33の入口に流れる。ところが、下部タンク31内の遊技球の貯留量が多くなり、均し樋61付近の高さに遊技球が山積になっているような多量球貯留状態になると、球落下部36aに落下した遊技球や各アウトタンク51,52から落下した遊技球の多くは、バイパス用側部樋65と上部開口72を経由するバイパス流路(上記メイン流路を迂回する流路)を経て球揚送装置33の入口に短絡的に流れる。
なお、図3において符号73,74で示すものは、夫々第2検出器と第3検出器である。これら第2検出器73と第3検出器74は、下部タンク31内の球貯留量を段階的に検知するためのセンサである。
なお以上の説明では、図3等によって正面から見て右側の下部タンク31やその周辺構成について説明したが、本例の場合、計数器12に関係する構成を除いて、島の左側にも同様の構成の下部タンク31等が略左右対称の位置関係で設けられている。
以上説明した島設備によれば、次のような効果が奏される。
即ち、第1樋部(下部タンク31内に流下する球をバイパスさせて球揚送装置33に送るためのバイパス用側部樋65)と第2樋部(球落下部36aに落下した球を下部タンク31に均等に誘導するための均し用側部樋66)とが、下部タンク31において互いに反対側の側壁に設けられているので(即ち上下に重なって配置されていないので)、双方の傾斜を確保するのに、下部タンク31を深くしたり、または、長手方向に短尺にしたりする必要がなく実用的である。
また本例では、遊技機から排出される球を第1樋部(バイパス用側部樋65)または第2樋部(均し用側部樋66)を跨がせて下部タンク31の底部に落下させる第3樋部(排出樋部53,54,55)を備える。このため、前述した多量球貯留状態のような場合には、遊技機から排出された球が、下部タンク31の底部から山積み状態に貯留された球で形成された斜面により第1樋部(バイパス用側部樋65)に誘導される。したがって、前述した多量球貯留状態のような場合には、遊技機から排出された球をスムーズにバイパスさせて球揚送装置33に誘導できる。なお、前述した多量球貯留状態のような場合に、遊技機から排出された球がバイパスされて球揚送装置33に誘導されないと、遊技球が第3樋部(排出樋部53,54,55)から排出されずにアウトタンクにおいて滞留し、遊技機の稼動に支障が生じる恐れがある。しかし、上述した本例の構成であれば、このようなトラブルの発生可能性は格段に少なくなる。
特に本例では、第2樋部側の遊技機から排出される球が転動する第3樋部(排出樋部55)は、排出口55aを中央より第1樋部側に寄せて設けてある。また第2樋部には、傾斜方向に沿って流下する球を屈折させて第1樋部側に向けて落下させる方向変換部材81が設けられている。このため、下部タンク31の底部から山積み状態に貯留された球の頂部を第1樋部側に寄せることができ、よりスムーズに遊技機から排出された球を球揚送装置33にバイパスさせて誘導できる。
なお、本発明は上述した形態例に限られず、各種の変形や応用があり得る。
例えば、オーバーフロー流路から落下する球を、本発明の球落下部に落下した球として第2樋部によって下部タンク内に誘導する構成としてもよい。また例えば前記形態例において、均し樋61の上流に、球落下部から流下する球を均し用側部樋66に積極的に誘導する部材を設けてもよい。また、均し用側部樋66における間隙68aを3箇所以上設けてもよい。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
遊技島の内部構造を示す正面図である。 下部タンクやアウトタンク等を示す斜視図であり、島中央側から斜めに見た図である。 図2においてアウトタンク等を取り除いた状態を示す斜視図である。 下部タンク等を示す斜視図であり、島端側から斜めに見た図である。 下部タンク等を示す縦断面図である。 方向変換部材の取り付け作業を説明するための斜視図である。
符号の説明
10c 島(遊技島)
12 計数器
13 上部タンク
31 下部タンク
33 球揚送装置
34 遊技球回収樋(下部タンクの底部)
36a 球落下部
51,52 アウトタンク
53,54,55 排出樋部(第3樋部)
61 均し樋
62 切り欠き(均し樋の切り欠き)
65 バイパス用側部樋(第1樋部)
66 均し用側部樋(第2樋部)
67,68 球落下防止壁
68a 間隙(球落下防止壁の間隔)
81 方向変換部材

Claims (4)

  1. 上部タンクから球落下部に落下した球を下部タンクに誘導し、該下部タンクの底部を球揚送装置側に下り傾斜させ、該球揚送装置により下部タンク内の球を前記上部タンクに揚送する球循環機構を有する島設備において、
    前記下部タンクは、底部の上方に球貯留空間を空けた状態で一側壁から突出して底部と傾斜方向が同方向の第1樋部と、底部の上方に球貯留空間を空けた状態で他側壁から突出して底部と傾斜方向が反対の第2樋部と、を設け、
    前記球落下部は、前記第2樋部側に設けられ、
    前記球落下部に落下した球を前記第2樋部を介して下部タンクに誘導するとともに、下部タンク内の球を前記第1樋部によりバイパスさせて球揚送装置に送るようにしたことを特徴とする島設備。
  2. 遊技機を前記下部タンクの底部の傾斜方向に沿って両側に配設し、
    前記球循環機構は、遊技機から排出される球を前記第1樋部または第2樋部を跨がせて前記下部タンクの底部に落下させる第3樋部を有することを特徴とする請求項1に記載の島設備。
  3. 前記第2樋部側の遊技機から排出される球が転動する第3樋部は、排出口を中央より前記第1樋部側に寄せて設けたことを特徴とする請求項2に記載の島設備。
  4. 前記第2樋部に、傾斜方向に沿って流下する球を屈折させて前記第1樋部側に向けて落下させる方向変換部材を設けたことを特徴とする請求項2〜3のいずれかに記載の島設備。
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