JP2008136337A - ステータ、モータ及び記録媒体駆動装置並びにステータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベース基板10と、ベース基板の一方の面上にパターニングされた複数コイルパターン13と、環状に形成された環状部11aと、該環状部に基端が固定された複数の歯極部11bと、該複数の歯極部の先端にそれぞれ形成された先端部11cとを有し、コイルパターンと歯極部とがそれぞれ対向するようにベース基板上に重ね合わされるステータコア11と、複数の歯極部にそれぞれ被嵌された状態でベース基板に接合されて各歯極部の周囲を覆う基材15と、該基材の内面にパターニングされてコイルパターンに対して電気的接続される導体パターン16と、を有するカバー部12と、を備えているステータ6を提供する。
【選択図】図4
Description
ここで、一般的なモータを有するディスク駆動装置について、図27から図29を参照して簡単に説明する。このディスク駆動装置40は、図27に示すように、コイル41及びステータコア42を有するステータ部43と、永久磁石44及びハブ45を有するロータ部46とを備えている。ハブ45は、スリーブ47によって軸線L回りに回転可能に支持されており、ディスクDの中心孔に嵌合する嵌合部45aが上端に形成されている。これによりハードディスクDは、ハブ45に固定されている。また、ハブ45の外周には、ステータコア42に所定距離を空けて対向するように永久磁石44が固定されている。
このディスク駆動装置50は、図30及び図31に示すように、モータの鉄心と巻線の機能及びIC等の部品を搭載する配線基板の機能を有するメタルコア基板51を備えている。このメタルコア基板51は、ステータを構成するものであり、図示しないティース連結部、ティースコイル形成部51a、ティース先端部51b、配線51c及びスルーホール51dから構成されている。
即ち、ティースコイル形成部51aと配線51cとの間には絶縁樹脂53が介在しているので、コイル線を巻きつける場合に比べて、全長が長くなってしまっていた。また、スルーホール51dは、機械加工やレーザー加工により穴開けを行っているので、配線51cとの位置ずれが発生し易かった。そのため、スルーホール51dを狭い間隔で配置することが困難であり、さらに全長が長くなってしまっていた。これらの結果、電気抵抗が大きくなってしまい、起磁力の効率が悪く消費電力が増えてしまう不都合があった。
また、配線51cの一部及びティースコイル形成部51aは、絶縁樹脂53の内部に埋め込まれてしまう構造であるので、通電により発生した熱が外部に放出されず、内部に篭ってしまう恐れがあった。そのため、熱による部品の剥がれが発生し易く、動力性能の低下及び信頼性の低下に繋がるものであった。
このように、薄型化は達成できたとしても、それに代わる新たな不都合が生じてしまうものであった。
本発明に係るステータは、軸線回りに回転する永久磁石に対して対向配置されるステータであって、絶縁性のベース基板と、前記軸線を中心とする所定角度毎に前記ベース基板の一方の面上にパターニングされた複数の導電性のコイルパターンと、前記軸線を中心として環状に形成された環状部と、該環状部に基端が固定されると共に前記所定角度毎に前記永久磁石に向かう半径方向に延出するように形成された複数の歯極部と、該複数の歯極部の先端にそれぞれ形成されて前記永久磁石の周面に対向する先端部とを有し、前記コイルパターンと前記歯極部とがそれぞれ対向するように前記ベース基板上に重ね合わされる磁性体のステータコアと、該ステータコアの外表面に被膜された絶縁膜と、前記ベース基板上に重ね合わされた前記複数の歯極部にそれぞれ被嵌された状態でベース基板に接合されて各歯極部の周囲を覆う絶縁性の基材と、該基材の内面にパターニングされて前記コイルパターンに対して電気的接続される導体パターンと、を有するカバー部と、を備えていることを特徴とするものである。
このベース基板加工工程と同じタイミング、或いは、前後のタイミングで、ステータコアを形成するステータコア形成工程を行う。つまり、珪素鋼板等の磁性体の平板を加工して、環状部と複数の歯極部と先端部とからなるステータコアを形成する。この際、複数の歯極部を、上述したコイルパターンの形成角度と同じ角度毎にコイルパターンと同じ数だけ形成する。そして、ステータコアを形成した後、被膜工程を行って、ステータコアの外表面に絶縁膜をコーティング(被膜)する。
この固定工程が終了した後、ベース基板上に重ね合わされた複数の歯極部に対して、カバー部をそれぞれ被嵌させる。即ち、カバー部を歯極部に被せるように嵌め込む。この際、カバー部の内面には導体パターンがパターニングされているので、該導体パターンが歯極部に接した状態になる。そして、カバー部を被嵌させた後、該カバー部をベース基板に接合しながら、導体パターンとコイルパターンとを電気的接続する。この電気的接続によって、コイルパターン及び導体パターンは、歯極部の周囲を螺旋状に巻回して該歯極部を励磁するコイルとして機能する。
しかも、コイルパターン及び導体パターンは、絶縁膜を介して歯極部に接した状態となっている。そのため、コイルパターン及び導体パターンと歯極部との間に、無駄な隙間を空けてしまうことがない。よって、コイルパターン及び導体パターンと歯極部との絶縁を確保したうえで、コイルパターン及び導体パターンの長さを必要最小長さにすることができ、電気抵抗をできるだけ抑えることができる。従って、信頼性を低減させることなく、起磁力を効率良く発生させることができ、無駄な消費電力をなくすことができる。
また、巻線機を利用する必要がないので、隣接する先端部間の隙間をできるだけ小さくすることができる。よって、歯極部に流れる磁力線の一部を、先端部を介して隣接する歯極部に流すことができ、永久磁石と先端部とが互いに引き付け合う磁力を減少させることができる。その結果、コギングトルクを小さくすることができ、高性能化を図ることができる。
また、他方のパターンを、電気的に独立した1本の配線が永久磁石に向かう半径方向に向かって一定間隔で並列に並ぶようにパターニングすることで形成する。この際、上述した一方のパターンのときとは異なって、複数の配線を半径方向に対して直交させた状態で他方のパターンをパターニングする。
このカバー部固定工程後、ステータコアをベース基板との間に挟み込むように、フレキシブル基板をステータコアに重ね合わせる。この際、フレキシブル基板の各連結部には、カバー部が固定されているので、複数の歯極部に対して複数のカバー部を効率良く次々に被嵌させることができる。つまり、各カバー部を1つ1つ被嵌させる必要がないので、より効率良くカバー部を被嵌させることができ、短時間でベース基板とカバー部とを接合することができる。従って、製造し易くなり製造時間の短縮化を図ることができる。
そして、接合工程の際に、ステータコアをベース基板との間に挟み込むように、フレキシブル基板をステータコアに重ね合わせる。この際、フレキシブル基板の各連結部には、カバー部が一体的に形成されているので、複数の歯極部に対して複数のカバー部を効率良く次々に被嵌させることができる。つまり、各カバー部を1つ1つ被嵌させる必要がないので、より効率良くカバー部を被嵌させることができ、短時間でベース基板とカバー部とを接合することができる。従って、製造し易くなり製造時間の短縮化を図ることができる。
特に、1枚の絶縁性の基材から、フレキシブル基板とカバー部とを一体的に形成するので、連結部とカバー部との位置ずれが生じず、歯極部に対してカバー部をより高精度に被嵌させることができる。また、製造時間をより短縮することができる。
このように、各フレキシブル基板をそれぞれU相、V相、W相の専用の基板にすることができるので、各フレキシブル基板に対する配線取り回し等がより容易になる。
このように、各フレキシブル基板をそれぞれU相、V相、W相の専用の基板にすることができるので、各フレキシブル基板に対する配線取り回し等がより容易になる。
よって、カバー部をベース基板に押し付けるという簡単な方法で接合を行ったとしても、押し付け力をカバー部に確実に伝えることができ、カバー部を均等に加圧することができる。その結果、導体パターンとコイルパターンと確実に接合することができ、接合の信頼性をさらに高めて高品質化を図ることができる。
また、本発明に係るモータ及び記録媒体駆動装置によれば、薄型化を図ることができると共に、消費電力を抑えて品質を向上することができる。また、耐久性を向上することができる。
以下、本発明に係るステータ、モータ及び記録媒体駆動装置、並びに、ステータの製造方法の第1実施形態を、図1から図13を参照して説明する。
本実施形態の記録媒体駆動装置1は、図1に示すように、各種情報を記録可能なハードディスク(記録媒体)Dを軸線L回りに回転駆動するスピンドルモータ(モータ)2と、該スピンドルモータ2の後述するハブ(軸体)4に設けられ、上記ハードディスクDを嵌合保持する嵌合部(保持部)4cと、ハブ4を軸線L回りに回転可能に支持する流体動圧軸受部(軸受部)3とを備えている。
ハブ4は、軸線Lを中心として略円柱状に形成されたシャフト部4aと、該シャフト部4aの外周面から半径方向外方に延びて形成され、後述するスリーブ3aの鍔部3bを上下から挟み込むように形成されたフランジ部4bとを備えている。また、ハブ4の上端は、ハードディスクDの中心孔に挿通されて、該ハードディスクDを嵌合保持する上記嵌合部4cとなっている。また、永久磁石5は、半径方向に沿った断面積が矩形状になるように形成されており、その外周面が軸線Lに平行な方向な面となっている。この永久磁石5は、フランジ部4bによって保持されている。
動圧発生溝が複数形成されている。また、スリーブ3aの外周面に対向するシャフト部4aの外表面にも同様に、図示しないへリングボーン溝と呼ばれるラジアル動圧発生溝が複数形成されている。これにより、ハブ4が回転したときに、オイルWがこれらスラスト動圧発生溝及びラジアル動圧発生溝に沿って流れて圧力が高まり、ハブ4が安定して回転するようになっている。
即ち、これらスラスト動圧発生溝及びラジアル動圧発生溝は、流体動圧軸受部3を構成する一部である。
上記ベース基板10は、絶縁性のプリント基板であり、図5に示すように、中心に永久磁石5が挿通される貫通孔10aが形成されている。また、本実施形態のベース基板10には、後述する外部接続端子15a、15b、15c、15dが形成される突出部10bが外周の一部から外方に突出した状態で設けられている。また、ベース基板10の表面(一方の面)上には、貫通孔10aを囲む周方向に向かって、軸線Lを中心とする所定角度毎にコイルパターン13が形成されている。本実施形態では、軸線L回りに20度毎に18個のコイルパターン13が形成されている場合を例にしている。
このように構成されたステータコア11は、図9に示すように、ベース基板10上にパターニングされたコイルパターン13に対して、ティース11bが対向した状態でベース基板10上に重ね合わされている。この際、ステータコア11は、コアバック11a、ティース11b及び先端部11cの全てがベース基板10上に面接触した状態で重なっている。
基材15は、ポリイミド等の絶縁性のシートであり、図12に示すように、ティース11bの断面形状(幅、厚み)を考慮して金型等でプレス成形されたものである。これにより、ティース11bに対して被せるように嵌め合わせて被嵌できるようになっている。
これにより、導体パターン16の各配線16aは、カバー部12をティース11bに被嵌させた際にコイルパターン13の配線13aのうち、図6に示すように隣り合う配線13aの一端P1と他端P2とにそれぞれ両端が接した状態となる。
従って、コイルパターン13及び導体パターン16は、互いに電気的接続されることで、ティース11bの周囲を螺旋状に巻回して該ティース11bを励磁するコイルとして機能するようになっている。
本実施形態の製造方法は、ベース基板加工工程と、ステータコア形成工程と、被膜工程と、基材加工工程と、固定工程と、接合工程とを適宜行って製造する方法である。
まず、図5から図9に示すように、ベース基板10に貫通孔10aを形成すると共に、この貫通孔10aを囲む周方向に向かって軸線Lを中心とする20度毎に18個のコイルパターン13をパターニングするベース基板加工工程を行う。またこの際、ベース基板10の突出部10b上に4つの外部接続端子15a、15b、15c、15dを形成すると共に、ベース基板10の表面及び裏面に連絡配線14をパターニングする。具体的には、スルーホールを形成したベース基板10の両面に導電性材料を成膜した後、フォトリソ技術を利用して、外部接続端子15a、15b、15c、15d、コイルパターン13及び連絡配線14を一度にパターニングする。
その結果、図4に示すベース基板10を得ることができる。なお、ベース基板10の裏面にパターニングされた連絡配線14上に絶縁膜をコーティングしておく。
そして、カバー部12をベース基板10に対して、半田、熱圧着、超音波接合や溶接等により接合しながら、導体パターン16とコイルパターン13とを電気的接続する。この電気的接続によって、ティース11bの周囲をコイルパターン13及び導体パターン16で螺旋状に巻回することができ、ティース11bを励磁するコイルとして機能させることができる。
以上により、図2及び図3に示すステータ6を製造することができる。
まず、共通グランド端子である外部接続端子15aをグランドに接続すると共に、残り3つの外部接続端子15b、15c、15dを三相交流電源に接続した後、連絡配線14を介して各コイルパターン13及び導体パターン16に三相交流電流を供給する。すると、コイルパターン13及び導体パターン16は、ティース11bを螺旋状に巻回したコイル(U相、V相、W相)として機能しているので、ティース11bが励磁されて磁界が発生する。この磁界により、永久磁石5及びハブ4を軸線L回りに回転させて、ハードディスクDを回転させることができる。
またこの際、ステータコア11は、永久磁石5の外周面に対向する先端部11cをティース11bの先端に有しているので、該ステータコア11と永久磁石5との間の磁束の受け渡しが密になる。従って、ハブ4を効率良く回転させることができる。また、ハブ4の回転に伴って、オイルWがスラスト動圧発生溝及びラジアル動圧発生溝に沿って流れるので圧力が高まる。これによりハブ4は、流体動圧軸受部3によってスラスト方向及びラジアル方向の力が支持されるので、滑らかに回転する。
また、巻線機を利用する必要がないので、図3に示すように、隣接する先端部11c間の隙間T3をできるだけ小さくすることができる。よって、ティース11bに流れる磁力線の一部を、先端部11cを介して隣接するティース11bに流すことができ、永久磁石5と先端部11cとが互いに引き付け合う磁力を減少させることができる。その結果、コギングトルクを小さくすることができ、高性能化を図ることができる。
また、本実施形態のスピンドルモータ2によれば、上述したステータ6を備えているので、薄型化を図ることができる。また、起磁力の効率性及び放熱性が優れ、高性能化したステータ6でもあるので、消費電力を抑えることができると共に高品質化を図ることができる。また、スピンドルモータ2自体の耐久性を向上させることができる。
このようにヒータHを利用して接合を行うことで、導体パターン16とコイルパターン13との接続をより確実なものにすることができるうえ、接合に費やす時間を短縮できるので、より好ましい。
このように、連絡配線14の有無によって生じた段差が原因で、押し付け力が伝わる箇所と伝わり難い箇所とが発生してしまい、ベース基板10を均等に加圧することができない場合があった。そのため、接合にムラが生じる可能性があった。
即ち、ベース基板10の裏面に連絡配線14をパターニングする際に、カバー部12を間にして、導体パターン16とコイルパターン13とが重なる範囲にできるだけ対向するように連絡配線14をパターニングすると良い。こうすることで、ヒータHを押し付けた際に、ベース基板10をできるだけ均等に加圧できるので、接合がより確実になり信頼性が向上する。
更に、この場合において、連絡配線14の幅をコイルパターン13の幅よりもできるだけ広く形成することが好ましい。こうすることで、連絡配線14を、カバー部12の導体パターン16とコイルパターン13とが重なる範囲により対向させ易くなる。
このダミーパターン19は、例えば絶縁膜や導電性膜であり、図16に示すようにベース基板10の裏面の略全面に亘って形成されている。この際、図17に示すように、ダミーパターン19は、連絡配線14との間に若干の隙間を空けた状態で該連絡配線14の周囲の空いたスペースを埋めるように形成されている。よって、導電性膜でダミーパターン19を形成したとしても、連絡配線14とダミーパターン19とが導通する恐れはない。なお、ダミーパターン19は、連絡配線14と略同じ膜厚となるように形成されている。
従って、ヒータHをカバー部12に押し付けた際に、必ず連絡配線14或いはダミーパターン19を介して押し付け力が水平台に伝わるので、カバー部12を均等に加圧することができる、その結果、カバー部12の各導体パターン16をコイルパターン13に同じ条件で確実に接合することができ、接合の信頼性をさらに高めて高品質化を図ることができる。
次に、本発明に係るステータの第2実施形態を、図22及び図23を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、18個のカバー部12が1つ1つばらばらであったが、第2実施形態では、18個のカバー部12が3枚のフレキシブル基板22、23、24から構成されるフレキシブル基板21に予め固定されている点である。
このフレキシブル基板21は、上述したように3枚の基板、即ち、第1のフレキシブル基板22、第2のフレキシブル基板23及び第3のフレキシブル基板24から構成されており、それぞれがステータコア11に対して重ね合わせ可能に配置されている。この際、本実施形態では、図22に示すポイントP3を互いに一致させるように重ね合わせするものとして説明する。
なおこれら3枚のフレキシブル基板21は、基本的構成は同じである。そのため、第1のフレキシブル基板22について詳細に説明する。また、18個のカバー部12は、3枚のフレキシブル基板21にそれぞれ6個ずつ固定されている。
そして貫通孔25a内には、18個のティース11bの先端部11cに重なるように形成されたリング部26が形成されている。このリング部26は、該リング部26と基板本体部25とにそれぞれ両端が接続された連結部27によって基板本体部25に接続されている。そして、これら基板本体部25、リング部26及び連結部27は、柔軟性のある基材(例えば、ポリイミドや液晶ポリマー等のフィルム等)によって一体的に形成されている。
上記連結部27は、18個のティース11bのうち2つ間を空けてティース11bに重なるように6つ形成されている。そしてカバー部12は、この連結部27の下面に固定されている。
まず、ベース基板加工工程を行ってベース基板10を用意すると共に、ステータコア形成工程及び被膜工程を行ってステータコア11を用意する。但し、このステータコア11形成工程の際に、ティース11bを3の倍数である18個形成する。
まず初めに、ステータコア11をベース基板10との間に挟み込むように、第1のフレキシブル基板22をステータコア11に重ね合わせる。この際、第1のフレキシブル基板22の連結部27には、6個のカバー部12が固定されているので、6個のティース11bに対して効率良く次々に被嵌させることができる。つまり、第1実施形態の場合と異なり、各カバー部12を1つ1つ被嵌させる必要がないので、より効率良くカバー部12を被嵌させることができ、時間の短縮化を図ることができる。
続いて、第3のフレキシブル基板24を第2のフレキシブル基板23に重ね合わせる。そして、第3のフレキシブル基板24の連結部27に固定されているカバー部12を、同様にティース11bに対して被嵌させる。
なお、最後にまとめてカバー部12を接合するのではなく、各フレキシブル基板22、23、24を重ね合わせた際に、各フレキシブル基板22、23、24に固定されているカバー部12だけを別々に接合しても構わない。
即ち、ティース11bの数(スロット数)が18個のように多い場合、若しくは、それ以上の数にしたい場合には、それに応じて連結部27及びカバー部12の数も多くなってしまう。そのため、1枚のフレキシブル基板で対応しようとすると、隣り合う連結部27の間隔が狭くなってしまい、カバー部12を折曲成形する前の状態(展開した形状)において、カバー部12同士が重なり合ってしまう不都合が生じてしまう。
この点、フレキシブル基板を3枚構成とした場合には、連結部27間の間隔を空けることができるので、上述した問題を心配する必要がない。このようなことから、3枚のフレキシブル基板22、23、24で構成することがより好ましい。なお、この問題はスロット数が多くなるにつれて顕著となる。
しかもこの場合には、連絡配線14をパターニングする際に他の相を考慮せずに容易にパターニングすることができる。つまり、1枚のフレキシブル基板にU相、V相、W相の連絡配線14をパターニングした場合には、互いに電気的に接触しないようにパターニングする必要があるので、配線が複雑となったり、配線同士が重なり合って断線やショートしたりする恐れがあった。しかしながら、3枚のフレキシブル基板22、23、24に分かれているので、このような不具合の可能性もなく、連絡配線14を各相毎に容易且つ確実にパターニングすることができる。
続いて、基材加工工程によって、カバー部12が一体的に形成された第1のフレキシブル基板22を用意する。具体的には、まず、絶縁性の基材から基板本体部25とリング部26と連結部27とから構成されるフレキシブル基板22を形成する。この際、基板本体部25及びリング部26との連結箇所を除く部分の幅が、カバー部12を折曲成形する前の幅(展開した状態の幅)となるように、連結部27のサイズを調整しておく。つまり、連結部27の一部をカバー部12の基材15として兼用する。
それに加えこの製造方法によれば、カバー部12を後から固定する必要がないので、連結部27とカバー部12との位置ずれが生じることがない。そのため、ティース11bに対してカバー部12をより高精度に被嵌させることができ、さらなる高品質化を図ることができる。また、カバー部固定工程を省くことができるので、製造時間を短縮することができ、より効率良く製造を行うことができる。
但し、コイルパターン13及び導体パターン16の各配線パターンは、コイルパターン13と導体パターン16とを組み合わせた際にティース11bの周囲を螺旋状に巻回できれば、上記パターンに限定されず自由に設計して構わない。
図25に示すように、この場合の記録媒体駆動装置30は、ステータ6の周囲を囲むように配置された永久磁石5と、永久磁石5の内側で、該永久磁石5に対して対向配置されたステータ6と、を備えており、ステータ6の外側で永久磁石5が軸線L回りに回転するように構成されている。
ステータ6は、第1実施形態と同様に、ベース基板10と、ステータコア11と、カバー部12とが組み合わさって構成されたものであり、ベース7上に載置された状態で固定されている。但し本実施形態のベース基板10には、図26に示すように、中心にスリーブ3aが挿通される貫通孔10aが形成されている。これにより、ステータ6は、図25に示すように、スリーブ3aの周囲を囲むように永久磁石5の内側に配置されている。
なお、図26では、ベース基板10上に形成された連絡配線14の図示を一部省略している。
なお、第1実施形態のスピンドルモータ2をアウターロータータイプに適用した場合を例に挙げて説明したが、その他の実施形態のスピンドルモータ2であっても、アウターロータータイプに適用することは可能である。
L 軸線
1、30 記録媒体駆動装置
2 スピンドルモータ(モータ)
3 流体動圧軸受部(軸受部)
4 ハブ(軸体)
4c 嵌合部(保持部)
5 永久磁石
6、20 ステータ
10 ベース基板
10a ベース基板の貫通孔
11 ステータコア
11a コアバック(環状部)
11b ティース(歯極部)
11c 先端部
12 カバー部
13 コイルパターン
13a コイルパターンの配線
14 連絡配線
15 基材
16 導体パターン
19 ダミーパターン
16a 導体パターンの配線
21 フレキシブル基板
22 第1のフレキシブル基板
23 第2のフレキシブル基板
24 第3のフレキシブル基板
25 基板本体部
25a 基板本体部の貫通孔
26 リング部
27 連結部
Claims (17)
- 軸線回りに回転する永久磁石に対して対向配置されるステータであって、
絶縁性のベース基板と、
前記軸線を中心とする所定角度毎に前記ベース基板の一方の面上にパターニングされた複数の導電性のコイルパターンと、
前記軸線を中心として環状に形成された環状部と、該環状部に基端が固定されると共に前記所定角度毎に前記永久磁石に向かう半径方向に延出するように形成された複数の歯極部と、該複数の歯極部の先端にそれぞれ形成されて前記永久磁石の周面に対向する先端部とを有し、前記コイルパターンと前記歯極部とがそれぞれ対向するように前記ベース基板上に重ね合わされる磁性体のステータコアと、
該ステータコアの外表面に被膜された絶縁膜と、
前記ベース基板上に重ね合わされた前記複数の歯極部にそれぞれ被嵌された状態でベース基板に接合されて各歯極部の周囲を覆う絶縁性の基材と、該基材の内面にパターニングされて前記コイルパターンに対して電気的接続される導体パターンと、を有するカバー部と、を備えていることを特徴とするステータ。 - 請求項1に記載のステータにおいて、
前記コイルパターン又は前記導体パターンのうち一方のパターンは、それぞれ電気的に独立した1本の配線が前記永久磁石に向かう半径方向に対して斜めになった状態で該半径方向に向かって一定間隔で並列に並ぶようにパターニングされたものであり、
他方のパターンは、それぞれ電気的に独立した1本の配線が前記永久磁石に向かう半径方向に対して直交した状態で該半径方向に向かって一定間隔で並列に並ぶようにパターニングされたものであり、
前記他方のパターンの各配線は、前記一方のパターンの配線のうち隣り合う配線の一端と他端とにそれぞれ両端が電気的接続されることを特徴とするステータ。 - 請求項1又は2に記載のステータにおいて、
前記環状部の内径と略同じ径の貫通孔が形成された基板本体部と、前記複数の歯極部の先端部に重なるように形成されたリング部と、前記基板本体部及び前記リング部に両端が接続され、前記複数の歯極部に重なるように形成された複数の連結部とを有し、前記ステータコアを前記ベース基板との間に挟み込む絶縁性のフレキシブル基板を備え、
前記カバー部が、前記連結部に固定されていることを特徴とするステータ。 - 請求項1又は2に記載のステータにおいて、
前記環状部の内径と略同じ径の貫通孔が形成された基板本体部と、前記複数の歯極部の先端部に重なるように形成されたリング部と、前記基板本体部及び前記リング部に両端が接続され、前記複数の歯極部に重なるように形成された複数の連結部とを有し、前記ステータコアを前記ベース基板との間に挟み込む絶縁性のフレキシブル基板を備え、
前記カバー部が、前記連結部と一体的に形成されていることを特徴とするステータ。 - 請求項3又は4に記載のステータにおいて、
前記歯極部が3の倍数の数だけ形成されていると共に、前記フレキシブル基板が第1のフレキシブル基板、第2のフレキシブル基板及び第3のフレキシブル基板からなる3枚の基板から構成されており、
前記第1のフレキシブル基板は、前記複数の歯極部のうち、2つ間を空けて歯極部に重なるように前記連結部を有し、
前記第2のフレキシブル基板は、前記複数の歯極部のうち、前記第1のフレキシブル基板の連結部に重なる歯極部から1つ分だけ位相がずれた位置の歯極部に対して重なるように前記連結部を有し、
前記第3のフレキシブル基板は、前記複数の歯極部のうち、前記第2のフレキシブル基板の連結部に重なる歯極部から1つ分だけ位相がずれた位置の歯極部に対して重なるように前記連結部を有していることを特徴とするステータ。 - 請求項1に記載のステータにおいて、
前記ベース基板の他方の面上には、複数の前記コイルパターンのうち所定のコイルパターン同士を電気的に接続する連絡配線が形成されていることを特徴とするステータ。 - 請求項6に記載のステータにおいて、
前記ベース基板の他方の面上には、前記連絡配線と略同一の膜厚のダミーパターンが連絡配線間のスペースを埋めるように略全面に亘って形成されていることを特徴とするステータ。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載のステータと、
前記永久磁石を保持した状態で前記軸線回りに回転可能に支持された軸体と、を備えていることを特徴とするモータ。 - 請求項8に記載のモータと、
前記軸体に設けられ、各種情報を記録可能な記録媒体を保持する保持部と、
前記軸体を前記軸線回りに回転可能に支持する軸受部と、を備えていることを特徴とする記録媒体駆動装置。 - 軸線回りに回転する永久磁石に対して対向配置されるステータを製造する方法であって、
絶縁性のベース基板の一方の面上に前記軸線を中心とする所定角度毎に複数のコイルパターンを導電性材料によりパターニングするベース基板加工工程と、
磁性体の平板を加工して、前記軸線を中心として環状に形成された環状部と、該環状部に基端が固定されると共に前記所定角度毎に前記永久磁石に向かう半径方向に延出するように形成された複数の歯極部と、該複数の歯極部の先端にそれぞれ形成されて前記永久磁石の周面に対向する先端部とを有するステータコアを形成するステータコア形成工程と、
前記ステータコアの外表面に絶縁膜を被膜させる被膜工程と、
絶縁性の基材上に、前記コイルパターンに対して電気的接続される導体パターンを導電性材料によりパターニングすると共に、導体パターンを内面にした状態で基材を折曲成形して、前記歯極部に被嵌させたときに歯極部の周囲を覆うカバー部を成形する基材加工工程と、
前記複数のコイルパターンと前記複数の歯極部とが対向するように、前記ベース基板と前記ステータコアとを重ね合わせた状態で固定する固定工程と、
前記カバー部を前記歯極部に対して被嵌させると共に、カバー部を前記ベース基板に接合しながら前記コイルパターンと前記導体パターンとを電気的接続する接合工程と、を備えていることを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項10に記載のステータの製造方法において、
前記ベース基板加工工程及び前記基材加工工程の際に、前記コイルパターン及び前記導体パターンのうちどちらか一方のパターンを、それぞれ電気的に独立した1本の配線を前記永久磁石に向かう半径方向に対して斜めにした状態で該半径方向に向かって一定間隔で並列に並ぶようにパターニングすることで形成し、
他方のパターンを、それぞれ電気的に独立した1本の配線を前記永久磁石に向かう半径方向に対して直交した状態で該半径方向に向かって一定間隔で並列に並ぶようにパターニングすることで形成し、
前記接合工程時に、前記他方のパターンの各配線の両端を、前記一方のパターンの配線のうち隣り合う配線の一端と他端とにそれぞれ電気的接続させることを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項10又は11に記載のステータの製造方法において、
前記基材加工工程後、前記環状部の内径と略同じ径の貫通孔が形成された基板本体部と、前記複数の歯極部の先端部に重なるように形成されたリング部と、前記基板本体部及び前記リング部に両端が接続され、前記複数の歯極部に重なるように形成された複数の連結部とを有する絶縁性のフレキシブル基板を用意すると共に、前記カバー部を前記連結部に固定するカバー部固定工程を備え、
前記接合工程の際に、前記ステータコアを前記ベース基板との間に挟み込むように、前記フレキシブル基板をステータコアに重ね合わせた状態で、前記カバー部を前記ベース基板に接合することを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項10又は11に記載のステータの製造方法において、
前記基材加工工程の際に、前記絶縁性の基材から、前記環状部の内径と略同じ径の貫通孔が形成された基板本体部と、前記複数の歯極部の先端部に重なるように形成されたリング部と、前記基板本体部及び前記リング部に両端が接続され、前記複数の歯極部に重なるように形成された複数の連結部とを有するフレキシブル基板を形成した後、前記連結部に前記導体パターンをパターニングすると共に前記折曲成形を行って、連結部と前記カバー部とを一体的に形成し、
前記接合工程の際に、前記ステータコアを前記ベース基板との間に挟み込むように、前記フレキシブル基板をステータコアに重ね合わせた状態で、前記カバー部を前記ベース基板に接合することを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項12に記載のステータの製造方法において、
前記ステータコア形成工程の際に、前記歯極部を3の倍数の数だけ形成し、
前記カバー部固定工程の際に、前記フレキシブル基板として、複数の前記歯極部のうち、2つ間を空けて歯極部に重なる前記連結部を有する第1のフレキシブル基板と、前記複数の歯極部のうち、前記第1のフレキシブル基板の連結部に重なる歯極部から1つ分だけ位相がずれた位置の歯極部に対して重なる前記連結部を有する第2のフレキシブル基板と、前記複数の歯極部のうち、前記第2のフレキシブル基板の連結部に重なる歯極部から1つ分だけ位相がずれた位置の歯極部に対して重なる前記連結部を有する第3のフレキシブル基板と、からなる3枚の基板を用意すると共に、各フレキシブル基板の連結部に前記カバー部を固定し、
前記接合工程の際に、前記第1のフレキシブル基板から順に前記ステータコアに重ね合わせた後、前記カバー部を前記ベース基板に接合することを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項13に記載のステータの製造方法において、
前記ステータコア形成工程の際に、前記歯極部を3の倍数の数だけ形成し、
前記基材加工工程の際に、前記フレキシブル基板として、複数の前記歯極部のうち、2つ間を空けて歯極部に重なる前記連結部を有する第1のフレキシブル基板と、前記複数の歯極部のうち、前記第1のフレキシブル基板の連結部に重なる歯極部から1つ分だけ位相がずれた位置の歯極部に対して重なる前記連結部を有する第2のフレキシブル基板と、前記複数の歯極部のうち、前記第2のフレキシブル基板の連結部に重なる歯極部から1つ分だけ位相がずれた位置の歯極部に対して重なる前記連結部を有する第3のフレキシブル基板と、からなる3枚の基板を形成すると共に、各フレキシブル基板の連結部と前記カバー部とを一体的に形成し、
前記接合工程の際に、前記第1のフレキシブル基板から順に前記ステータコアに重ね合わせた後、前記カバー部を前記ベース基板に接合することを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項10に記載のステータの製造方法において、
前記ベース基板形成工程の際に、複数の前記コイルパターンのうち所定のコイルパターン同士を電気的に接続する連絡配線を、前記ベース基板の他方の面上に形成することを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項16に記載のステータの製造方法において、
前記ベース基板形成工程の際に、前記連絡配線と略同一の膜厚のダミーパターンを、連絡配線間のスペースを埋めるように前記他方の面上の略全面に亘って形成することを特徴とするステータの製造方法。
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