JP5360746B2 - ステータ、モータ及び記録媒体駆動装置 - Google Patents
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Description
このモータは、コイル線が巻回されるティースを有するステータコアから構成されるステータ(固定子)と、永久磁石を備えたロータ(回転子)とから構成されており、小型で大きな出力を得ることができる点、保守部品がなく寿命が長い点、ロータを高速で回転できる点等の利点を有している。そのため、特に各種の記録媒体を駆動する小型のモータとして好適に使用されている。
このモータによれば、閉スロットタイプのステータコアを備えているので、開スロットタイプ(即ち、隣り合うティース先端の間に開口部が存在するタイプ)に比べてコギングトルクを低減することができる。しかも、連結部には、複数の溝が周方向に非等間隔で形成されているので、各スロットにおいて発生するコギングトルクを分散することができ、ステータ全体のコギングトルクを低減することができる。
第1に、各ティース先端が連結部によって連結されている連結構造であるため、連結部を介して隣のティースに磁束が流れ込んでしまう。そのため、ティース先端間に開口部(隙間)がある場合に形成される磁気回路と比較して、ティース巻線部に流れる磁束の量が減少してしまい、出力トルクが低下してしまうものであった。
また、一旦分割してしまうと、分割していないステータコアに比べて、接続部における磁束のロスが生じてしまい、結果的にモータの磁気効率の低下を招いてしまうものであった。
更には、このステータを有するモータ及びこのモータを有する記録媒体駆動装置を提供することである。
本発明に係るステータは、軸線回りに回転する永久磁石に対して対向配置され、複数枚のステータコアが軸線方向に積層されたステータであって、複数の前記ステータコアは、前記軸線を中心として円環状に形成された環状部と、周方向に間隔をあけて複数配列され、基端が環状部に固定された状態で半径方向内方に延出して選択的にコイルが巻回される歯極部と、該歯極部の先端に形成され、前記永久磁石の周面に対向すると共に周方向に延在した先端部と、をそれぞれ有し、複数の前記ステータコアのうち互いに重ね合わされるステータコア同士は、それぞれの前記歯極部が周方向に並んだ関係となるように所定角度ずれた状態で積層され、複数の前記ステータコアは、平面視された際、各ステータコアの前記歯極部の前記先端部が周方向に沿って隙間なく連続的に並んで閉ループを形成するように積層され、周方向に隣り合った前記歯極部同士は、前記基端から前記先端に向かう途中が前記軸線方向に互いに逆向きに折れ曲がるように形成されることで、前記先端部同士が周方向から見て空間を有するように前記軸線方向に離間して非接触とされていることを特徴とする。
特に、積層されている複数のステータコアのうち、互いに重ね合わされているステータコア同士は、周方向に所定角度ずれて積層されており、それぞれの歯極部が周方向に並んだ状態となっている。しかも、複数のステータコアの全体を平面視した際に、複数の歯極部の先端部は、周方向に隙間なく連続的に並んで閉ループを形成した状態となっている。つまり、隣り合う歯極部の先端部間に、隙間である開口部が存在しないように設計されている。従って、開スロットタイプに比べてコギングトルクを低下させることができる。
つまり、出力トルクを低下させることなく、コギングトルクの特性を向上させることができる。
また、各ステータコアの歯極部にコイルを巻回する際には、他のステータコアとは切り離して作業できるので、巻線器(巻線ノズル)を比較的自由に動かすことができる。従って、歯極部に対して巻線をできるだけ多く、綺麗に巻きつけてコイルにすることができる。その結果、巻線の占積率が高く、高品質なコイルを得ることができるので、高出力、高制御可能なステータとすることができる。
また、各歯極部の先端が変形し易い連結部によって連結されていた従来の閉スロットタイプとは違い、本発明のステータでは連結部を備えていない。よって、コイルの巻回が終了した複数のステータコアを組み合わせた際、複数の歯極部の先端部で形成される内径は、非常に真円度に優れた径となる。従って、滑らかに永久磁石を回転させることができ、モータ性能のばらつき防止に繋げることができる。
更に、ステータを製造するにあたって、成形型によるプレス成形でステータコアを作製したとしても、従来の閉スロットタイプとは違い変形し易い薄肉の連結部を考慮する必要がないので、高精度の型精度が不要である。従って、製造の容易化を図ることができる。
また、本発明に係るモータ及び記録媒体駆動装置によれば、振動や騒音を抑えて高品質化を図ることができると共に低コスト化も図ることができる。
以下、本発明に係る第1実施形態を、図1から図7を参照して説明する。
本実施形態の記録媒体駆動装置1は、図1に示すように、各種情報を記録可能なハードディスク(記録媒体)Dを軸線L回りに回転駆動するスピンドルモータ(モータ)2と、該スピンドルモータ2の後述するハブ(軸体)4に設けられ、上記ハードディスクDを嵌合保持する嵌合部(保持部)4cと、ハブ4を軸線L回りに回転可能に支持する流体動圧軸受部(軸受部)3とを備えている。
永久磁石5は、半径方向に沿った断面積が矩形状になるように形成されており、その外周面が軸線Lに平行な方向な面となっている。この永久磁石5は、フランジ部4bによって保持されている。
なお、本実施形態では、ステータ6の一例として、9個のティース10bを有する2枚のステータコア10から構成された18スロットのステータ6を例に挙げて説明する。
まず、コイル11に三相交流電流を流して複数のティース10bを適宜励磁させ、磁界を発生させる。この磁界により、永久磁石5及びハブ4を吸引・反発させて軸線L回りに回転させることができる。その結果、図1に示すようにハードディスクDを回転させることができる。
この際、複数のティース10bは、それぞれ永久磁石5の外周面に対向する先端部10cを有しているので、永久磁石5との間の磁束の受け渡しが密になる。従って、ハブ4及び永久磁石5を効率良く回転させることができる。また、ハブ4の回転に伴って、オイルWがスラスト動圧発生溝及びスラスト動圧発生溝に沿って流れるので圧力が高まる。これにより、ハブ4は、流体動圧軸受部3によってスラスト方向及びラジアル方向の力が支持されるので、滑らかに回転する。
つまり、本実施形態のステータ6によれば、出力トルクを低下させることなく、コギングトルクの特性を向上させることができる。
なお、各ティース10bの先端部10cが非接触状態であっても、コアバック10aを介して両ステータコア10は接触している。そのため、ステータ6全体の磁気効率が低下する恐れはない。
また、各ティース10bの先端が変形し易い連結部によって連結されていた従来の閉スロットタイプとは違い、本実施形態のステータ6では連結部を備えていない。よって、コイル11の巻回が終了した複数のステータコア10を組み合わせた際、複数のティース10bの先端部10cで形成される内径は、非常に真円度に優れた径となる。従って、滑らかに永久磁石5を回転させることができ、モータ性能のばらつき防止に繋げることができる。
また、本実施形態のスピンドルモータ2は、上述したステータ6を備えているので、振動や騒音を抑えることができると共に、高出力、高制御可能な高品質なモータとすることができる。また、製造し易く、組み立て時の作業性にも優れたステータ6でもあるので、スピンドルモータ2自体の低コスト化も図ることができる。
また、本実施形態の記録媒体駆動装置1は、上述したスピンドルモータ2を備えているので、同様に装置自体の振動や騒音を抑えて高品質化を図ることができると共に、装置自体の低コスト化も図ることができる。
次に、本発明に係る第2実施形態を、図8から図12を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、両ステータコア10のティース10bが途中で逆向きに折れ曲がることで、先端部10c同士が離間して非接触とされていたが、第2実施形態では、先端部10cの形状の工夫によって先端部10c同士が非接触とされている点である。
但し、この第2実施形態で示すステータ20は、本発明に係る参考例である。
両ステータコア10のティース10bの先端部10cは、両端の上下面が斜めにカットされており、側端面が外方に向けて突出した三角状の突起となるように形成されている。
そのため、図9に示すように、各ティース10bの先端部10cは、周方向に隣接する他のティース10bの先端部10cから離間しており、やはり非接触状態となっている。しかも、この場合であっても、周方向に隣り合うティース10bの先端部10cは、三角状に突起した側端面の頂点が軸線L方向に一致した関係となっている。そのため、両ステータコア10を平面視した場合に、複数のティース10bの先端部10cが周方向に沿って隙間なく連続的に並んで閉ループを形成するようになっている。
従って、本実施形態のステータ20であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、先端部10cの形状は、上述した形状以外であっても良く、非接触にできる点、閉ループを形成できる点を達成できれば、自由に設計して構わない。
また、ステータを構成する複数のティース10bの全てにコイル11が巻回されていなくても良い。つまり、選択した任意のティース10bのみにコイル11を巻回しても構わない。また、ティース10bの幅は、全て同じ幅であっても良いし、異なっていても構わない。
更に、スロット数を18とした場合を例に挙げて説明したが、スロット本数は、自由に設計して良く、永久磁石5の極数との関係で決定すれば良い。例えば、9スロットや12スロットでも構わない。また、同じスロット数であってもステータコア10の枚数を変えても構わない。
このように、ステータコア10の枚数、コイル11の巻回、ティース10bの幅、スロット数等に関しては、特に制限されるものではなく、自由に設計して構わない。
図13に示すように、この場合の記録媒体駆動装置30は、ステータ6の周囲を囲むように配置された永久磁石5と、永久磁石5の内側で、該永久磁石5に対して対向配置されたステータ6と、を備えており、ステータ6の外側で永久磁石5が軸線L回りに回転するように構成されている。
永久磁石5は、ステータ6を越えて該ステータ6の外側まで伸びたハブ4のフランジ部4bによって保持されている。なお、これ以外のハブ4の構成及び流体動圧軸受部3の構成は、第1実施形態と同様である。
L…軸線
1、30…記録媒体駆動装置
2…スピンドルモータ(モータ)
3…流体動圧軸受部(軸受部)
4…ハブ(軸体)
4c…嵌合部(保持部)
5…永久磁石
6、20…ステータ
10…ステータコア
10a…コアバック(環状部)
10b…ティース(歯極部)
10c…先端部
11…コイル
Claims (3)
- 軸線回りに回転する永久磁石に対して対向配置され、複数枚のステータコアが軸線方向に積層されたステータであって、
複数の前記ステータコアは、前記軸線を中心として円環状に形成された環状部と、周方向に間隔をあけて複数配列され、基端が環状部に固定された状態で半径方向内方に延出して選択的にコイルが巻回される歯極部と、該歯極部の先端に形成され、前記永久磁石の周面に対向すると共に周方向に延在した先端部と、をそれぞれ有し、
複数の前記ステータコアのうち互いに重ね合わされるステータコア同士は、それぞれの前記歯極部が周方向に並んだ関係となるように所定角度ずれた状態で積層され、
複数の前記ステータコアは、平面視された際、各ステータコアの前記歯極部の前記先端部が周方向に沿って隙間なく連続的に並んで閉ループを形成するように積層され、
周方向に隣り合った前記歯極部同士は、前記基端から前記先端に向かう途中が前記軸線方向に互いに逆向きに折れ曲がるように形成されることで、前記先端部同士が周方向から見て空間を有するように前記軸線方向に離間して非接触とされていることを特徴とするステータ。 - 請求項1に記載のステータと、
前記永久磁石を保持した状態で前記軸線回りに回転可能に支持された軸体と、を備えていることを特徴とするモータ。 - 請求項2に記載のモータと、
前記軸体に設けられ、各種情報を記録可能な記録媒体を保持する保持部と、
前記軸体を前記軸線回りに回転可能に支持する軸受部と、を備えていることを特徴とする記録媒体駆動装置。
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