JP2006174651A - コア、電機子及びその製造方法、並びに電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】巻線抵抗値を小さくし、巻線端高さを低減するという集中巻の利点と、発生させる磁束の時間的及び空間的変化を緩やかにし、振動、騒音を低減し、巻線の利用率を向上するという分布巻の利点との双方を得る。
【解決手段】割コア70Uはヨーク要素72Uの中央に主部71cuを有している。主部71cuにはその図中左側及び右側から、それぞれ翼部71au,71buが設けられており、これら三者が相まって磁極面71muを呈している。主部71cu,71cv,71cw及び翼部71au,71bu,71av,71bv,71aw,71bwは、いずれもほぼ、周方向にほぼ60度で広がる円筒を呈している。従って磁極面71mu,71mv,71mwは周方向にほぼ180/n=180(度)で広がる円筒を呈している。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機及びこれを構成する電機子、電機子を構成するコアに関する。
家電機器、例えば空気調和機の圧縮機に用いられる永久磁石電動機は、従来の表面磁石型から埋込磁石型へと移行し、更に、固定子は、分布巻から集中巻へと移行しつつある。非特許文献1によれば、「埋込磁石形は、その構造からリラクタンストルクを利用できる特徴がある」(非特許文献1のp21左12〜14行目)ため、トルクを得るための電流が小さくてよく、銅損が低減できる。また固定子を製造する際に集中巻を採用することにより、「コイル端の長さが短縮でき、高効率化に効果がある」(同p20右34〜36行目)。しかしながら、空間高調波が多く、固定子鉄心を変形させる磁気吸引力も大きくなるため、「集中巻のモータは、(中略)埋込磁石形と組み合せることで、振動、騒音が大きくなる傾向にある」(同p21右32〜34行目)。
かかる問題を考慮した技術が例えば特許文献1や特許文献2に紹介されている。また特許文献3には、ヨーク部が軸方向に分割された固定子鉄心のそれぞれに巻線を巻回した後、分割された固定子鉄心を合体し、巻線端を結線する方法が紹介されている。
特開2003−153514 特開2003−250235 特開2003−250252 電気学会技術報告書第954号 小型モータの設計解析技術小型モータの設計解析技術調査専門委員会 2004年2月
上記課題を解決するために、例えば特許文献1においては、「固定子鉄心11のティースを外径側ティース13と内径側ティース14により形成し、3×P個の巻線が外径側ティース13に巻回されているとともに、残りの3×P個の巻線が、隣接する外径側ティース13から延設された隣接する内径側ティース14を跨設し、巻回した固定子10を具備した」(特許文献1の要約書)技術が紹介されている。かかる構成により、「内径側巻線の長さが短くなり、抵抗値が低減する」(同第0068段落)とともに、「固定子側の磁極と回転子による磁極との間に発生するアンバランスを抑制することが可能で、更に低振動、低騒音化されたブラシレスモータを得ることができる。」(同第0069段落)という効果が得られる。即ち、集中巻の巻線長が短くなるという利点と、固定子側の磁極と回転子による磁極との間に発生するアンバランスがないという分布巻の利点を併せ持つことにより、高効率と低振動、低騒音を両立できるというものである。
しかし、特許文献1に紹介された技術では、(1)固定子ティース部を途中で分岐、屈曲させるため、巻線スペースが減少し、巻線抵抗値が却って上昇してしまい、(2)各相の巻線は、回転子の120度(電気角)分の磁束しか集めることができず、巻線の利用率が低い、という欠点がある。
また、特許文献2には、エアギャップ部で隣接するティースと軸方向にオーバーラップさせる技術が開示されている。その要約書に示されているように「集中巻線の単相コンデンサ駆動モータにおいて、3次高調波、5次高調波を低減する」ことを課題としているために、(1)単相コンデンサ駆動モータ用であり、(2)ティース先端のはり角が高調波低減の目的により決まり、(3)広幅ティースと狭幅ティースの間には空隙があってそれぞれ独立にヨークから伸びているという特徴がある。よって多相の、例えば3相で駆動される電動機にかかる技術を直接に適用するには困難性を有する。
そこで本発明は、巻線抵抗値を小さくし、巻線端高さを低減するという集中巻の利点と、発生させる磁束の時間的及び空間的変化を緩やかにし、振動、騒音を低減し、巻線の利用率を向上するという分布巻の利点との双方を得ることを目的とする。
本件の請求項1にかかる発明は、透磁性のヨーク(72U,72V,72W;12;32;42;52;62U,62V,62W;92U,92V,92W)と、F・m・n個(m,nは正整数、Fは3以上の整数)の磁性体(71u,71v,71w;76u,74v,73w;11u1,11u2,11v1,11v2,11w1,11w2;31u1,31u2,31v1,31v2,31w1,31w2;35;41u1,41u2,41v1,41v2,41w1,41w2;51u1,51u2,51v1,51v2,51w1,51w2;61u1,61u2,61u3,61u4,63v1,63v2,63v3,63v4,61w1,61w2,61w3,61w4;91u,91v,91w;93u,93v,93w)とを備えるコア(70A;70B;10;30;40;50;60)である。前記磁性体のいずれもが同一の円筒に沿った磁極面を有し、前記磁性体は前記円筒の周方向に沿って前記円筒の中心軸(Z0)に対して相互に等角度で配置され、前記磁性体は、前記磁極面とは反対側から前記ヨークで相互に磁気的に接続され、前記周方向に沿って相互に隣接する前記磁極面同士は、前記中心軸に平行な軸方向(Z)に沿って少なくとも部分的に相互に隣接する。
本件の請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のコア(70A;70B;10;30;40;50)であって、前記Fは3である。前記磁性体(71u,71v,71w;76u,74v,73w;11u1,11u2,11v1,11v2,11w1,11w2;31u1,31u2,31v1,31v2,31w1,31w2;35;41u1,41u2,41v1,41v2,41w1,41w2;51u1,51u2,51v1,51v2,51w1,51w2;91u,91v,91w;93u,93v,93w)毎の前記磁極面の前記周方向の幅は前記中心軸(Z0)を中心として略(180/n)度で広がる。
本件の請求項3にかかる発明は、請求項1に記載のコア(60)であって、前記Fは3である。前記磁性体(41u1,41u2,41v1,41v2,41w1,41w2;51u1,51u2,51v1,51v2,51w1,51w2;61u1,61u2,61u3,61u4,63v1,63v2,63v3,63v4,61w1,61w2,61w3,61w4)の前記周方向の幅は前記中心軸(Z0)を中心として略(150/n)度で広がる。いずれの一の前記磁性体の前記磁極面も、周方向において直近に隣接する前記磁性体の前記磁極面とは略(90/n)度の範囲で前記軸方向に沿って隣接し、前記磁性体を一つ介して隣接する前記磁性体の前記磁極面とは略(30/n)度の範囲で軸方向Zに沿って並ぶ。
本件の請求項4にかかる発明は、請求項2及び請求項3のいずれか一つに記載のコア(10;30;50;60)であって、前記磁性体にはその磁極面において、前記中心軸を中心として周方向に略(180/(3・m・n))度置きで前記軸方向(Z)に沿った溝(14a,14b;34a,34b;36a;36b;54au2,54bu2;64a,64b,64e,64f,65a,65c)が設けられる。
本件の請求項5にかかる発明は、請求項2乃至請求項4のいずれか一つに記載のコア(70A;70B;10;30;40;50;60)であって、前記磁性体(71u,71v,71w;76u,74v,73w;11u1,11u2,11v1,11v2,11w1,11w2;31u1,31u2,31v1,31v2,31w1,31w2;35u2,35v2;41u1,41u2,41v1,41v2,41w1,41w2;51u1,51u2,51v1,51v2,51w1,51w2;61u1,61u2,61u3,61u4,63v1,63v2,63v3,63v4,61w1,61w2,61w3,61w4;91u,91v,91w;93u,93v,93w)の各々は、前記円筒の周方向に延在する主部(71cu,71cv,71cw;76cu,71cv,73cw;11cu1,11cu2,11cv1,11cv2,11cw1,11cw2;31cu1,31cu2,31cv1,31cv2,31cw1,31cw2;35cu2,35cv2;41cu2;51cu2;61c,63c)と、前記主部に対して前記円筒の周方向に延在する第1翼部(71au,71av,71aw;76au,71av,73aw;11au1,11bu2,11bv1,11av2,11aw1,11bw2;31au1,31bu2,31bv1,31av2,31aw1,31bw2;35bu2,35av2;41bu2;51bu2;61a,61e,63a,63e)と、前記主部に対して前記第1翼部とは反対側で前記周方向に延在する第2翼部(71bu,71bv,71bw;76bu,71bv,73bw;11bu1,11au2,11av1,11bv2,11bw1,11aw2;31bu1,31au2,31av1,31bv2,31bw1,31aw2;35au2,35bv2;41au2;51au2;61b,61f,63b,63f)とを有する。前記主部と前記第1翼部と前記第2翼部とが相まって前記磁極面を呈し、相互に隣接する前記磁性体の一方の前記第1翼部と、他方の前記第2翼部とが、前記軸方向において隣接する。
本件の請求項6にかかる発明は、請求項5に記載のコア(70A;10;30;40;50)であって、前記磁性体(71u,71v,71w;11;31;35;41u1,41u2,41v1,41v2,41w1,41w2;51u1,51u2,51v1,51v2,51w1,51w2;91u,91v,91w;93u1,93u2,93v1,93v2,93w1,93w2)は同型を呈する。
本件の請求項7にかかる発明は、請求項6に記載のコア(10;30;40;50)であって、前記nは偶数であり、各々の前記磁性体(11;31;35;41u2;51u2)において、前記第1翼部(11a;31a;35a;41au2;51au2)と前記第2翼部(11b;31b;35b;41bu2;51bu2)とは前記軸方向(Z)に対して同じ位置に配置される。
本件の請求項8にかかる発明は、請求項5乃至請求項7のいずれか一つに記載のコア(70A;70B;10;30;40;50;60)であって、前記磁性体の各々は、前記主部、前記第1翼部、前記第2翼部の少なくとも一つと前記ヨークとを接続する透磁性の支持部(71du,71dv,71dw;76du,71dv,73dw;11du1,11u2,11dv1,11v2,11dw1,11dw2;31du1,31du2,31dv1,31dv2,31dw1,31dw2;35du2,35dv2;41du2;51du2;61d,63d)を更に有する。
本件の請求項9にかかる発明は、請求項8に記載のコア(40;50)であって、前記磁性体の各々は、前記支持部を前記周方向に略三等分して軸方向(Z)に延在する溝(45au2,45bu2;55au2,55bu2)が設けられる。
本件の請求項10にかかる発明は、請求項9に記載のコア(40)であって、前記溝は前記磁極面に開口する。
本件の請求項11にかかる発明は、請求項8に記載のコア(10)であって、前記支持部(11d)は、前記主部(11c)、前記第1翼部(11a)、前記第2翼部(11b)が相まって前記軸方向(Z)に延在する長さ(Lt)以上の長さ(Ld)で前記軸方向に延在する。
本件の請求項12にかかる発明は、請求項8に記載のコア(30;40;50)であって、前記軸方向(Z)に沿った前記支持部(31d)の長さ(Ls2)は、前記軸方向に沿った前記翼部(31a,31b)の長さ(Ls1)以下である。
本件の請求項13にかかる発明は、請求項1乃至請求項12のいずれか一つに記載のコアであって、圧粉鉄心で形成されることを特徴とする。
本件の請求項14にかかる発明は、請求項8乃至請求項13のいずれか一つに記載のコアと、前記支持部(71du,71dv,71dw;76du,71dv,73dw;11du1,11u2,11dv1,11v2,11dw1,11dw2;31du1,31du2,31dv1,31dv2,31dw1,31dw2;35du2,35dv2;41du2;51du2;61d,63d)に集中巻で巻回された多相巻線とを備える電機子である。
本件の請求項15にかかる発明は、請求項14に記載の電機子と、前記磁極面と所定の間隔を空けて対向し、前記軸方向に沿った回転軸で前記電機子に対して相対的に回転し、界磁を与える磁極対数が前記nである他の電機子(80;10;20)とを備える電動機である。
本件の請求項16にかかる発明は、請求項15に記載の電動機であって、前記磁極面が相互に隣接する位置においては、前記所定の間隔の2倍以上の間隔(Lh,Lz)が設けられる。
本件の請求項17にかかる発明は、請求項15に記載の電動機であって、前記他の電機子は、コアと、前記コアに埋設されて前記界磁を与える磁石をその内部に埋め込んで有し、そのq軸インダクタンスがd軸インダクタンスよりも大きい。
本件の請求項18にかかる発明は、請求項14に記載の電機子を製造する、電機子の製造方法方法である。それぞれがF・m・n/K個の前記磁性体を前記周方向に等間隔で備えたK個のヨーク要素の各々に対し、(a)前記支持部に電機子巻線を巻回するステップと、(b)前記ステップ(a)の後に、前記ヨーク要素同士を前記軸方向に沿って合体するステップとを備え、前記KはFもしくはm・nに等しい。
本件の請求項19にかかる発明は、請求項14に記載の電機子を製造する、電機子の製造方法方法である。(a)前記支持部に電機子巻線を巻回するステップと、(b)前記ステップ(a)の後に、前記ヨークと前記磁性体とを結合するステップとを備える。
この発明の請求項1にかかるコアによれば、磁性体はF・m・n個設けられているので、周方向に相互に隣接する磁極面において相を相互に異ならせてF相の磁束を供給することができる。周方向に相互に隣接する磁極面において相互に異なる相の磁束を供給することで、当該磁極面同士が軸方向に沿って隣接する部分においては異なる相の磁束が混在する。磁性体の各々に対して集中巻にて電機子巻線を巻回することによって、周方向に相互に隣接する磁極面において相互に異なる相の磁束を供給しても、分布巻と同様の回転磁界を発生させることができる。従って巻線抵抗値を小さくし、巻線端高さを低減するという集中巻の利点と、発生させる磁束の時間的及び空間的変化を緩やかにし、振動、騒音を低減し、巻線の利用率を向上するという分布巻の利点との双方を得ることができる。
この発明の請求項2にかかるコアや、請求項3にかかるコアによれば、二個おきに同じ相の磁束を供給することで、三相の磁束を発生させる一の電機子として機能させることができる。磁性体の磁極面側に配置され、環状に配置されたn対の磁極を有する他の電機子の当該磁極の各々に対して、三相の磁束を鎖交させることができる。
この発明の請求項4にかかるコアによれば、当該コアを採用した電機子と他の電機子とが相対的に回転する際のコギングを軽減することができる。
この発明の請求項5にかかるコアによれば、周方向に沿って相互に隣接する磁極面同士について、軸方向に沿って第1の翼部と第2の翼部、あるいは第1の翼部同士、あるいは第2の翼部同士が相互に隣接する。
この発明の請求項6にかかるコアや請求項7にかかるコアによれば、製造が容易である。
この発明の請求項8にかかるコアによれば、磁性体の各々の支持部に集中巻にて電機子巻線を巻回し、電機子巻線に相電流を流すことにより、相互に異なる相の磁束を供給しても、分布巻と同様の回転磁界を発生させることができる。従って巻線抵抗値を小さくし、巻線端高さを低減するという集中巻の利点と、発生させる磁束の時間的及び空間的変化を緩やかにし、振動、騒音を低減し、巻線の利用率を向上するという分布巻の利点との双方を得ることができる。
この発明の請求項9にかかるコアによれば、周方向に相互に隣接する磁性体が軸方向に沿って相互に隣接する部分同士で磁束の漏洩が生じても、当該部分以外の磁性体に漏洩した磁束が流れにくくなり、他の電機子へ鎖交する磁束が減りにくくなる。
この発明の請求項10にかかるコアの溝は、請求項4における溝として機能する。
この発明の請求項11にかかるコアによれば、鋼板の積層によって形成することができる。
この発明の請求項12にかかるコアによれば、周方向における電機子巻線の厚さの自由度を高めることができる。
この発明の請求項13にかかるコアによれば、鉄損を低減することができる。
この発明の請求項14にかかる電機子によれば、周方向に相互に隣接する磁性体において相互に異なる相の磁束を供給しても、分布巻と同様の回転磁界を発生させることができる。従って巻線抵抗値を小さくし、巻線端高さを低減するという集中巻の利点と、発生させる磁束の時間的及び空間的変化を緩やかにし、振動、騒音を低減し、巻線の利用率を向上するという分布巻の利点との双方を得ることができる。
この発明の請求項15にかかる電動機によれば、巻線抵抗値が小さく、巻線端高さが低く、振動、騒音が低減される。
この発明の請求項16にかかる電動機によれば、回転子に対して磁束を有効に鎖交させることができる。
この発明の請求項17にかかる電動機によれば、磁石よりも請求項14に記載の電機子側で軸方向に磁束を流すことができる。よって界磁と、軸方向で並ぶ異なる相の磁極面との相互作用を容易にする。
この発明の請求項18にかかる電機子の製造方法や、請求項19にかかる電機子の製造方法によれば、請求項14に記載の電機子の製造が容易である。
以下では巻線を巻回した電機子を固定子とし、界磁を発生する電機子(ここでは永久磁石を界磁発生源とする場合を含む)を回転子として採用する場合について説明するが、固定子と回転子を入れ替えても本発明は同様に適用できる。また回転子が固定子の内側で回転する構成について説明するが、回転子が固定子の外側で回転する場合にも、本発明を適用することができる。また、界磁の発生する固定子/回転子としては永久磁石を埋め込んだ埋込磁石型を採用した場合について説明するが、表面磁石型を採用してもよく、あるいは界磁の発生に電磁石を採用してもよい。
発明の基本的な考え方.
実施の形態の詳細な説明の前に、本発明の発明の基本的な考え方を説明する。この基本的な考え方も本発明の範疇にある。
固定子は透磁性のヨークと、複数の磁性体とを有する。これら複数の磁性体のいずれもが、同一の円筒にほぼ沿った磁極面を有している。この磁極面は所定の間隔を介して回転子を囲む。この円筒の軸方向は回転子の回転軸と平行である。磁性体は円筒の周方向に沿って円筒の軸方向に対して相互に等角度で配置され、磁極面とは反対側からヨークで相互に磁気的に接続される。以下では特に断らない限り、当該円筒の中心軸を軸方向とする円筒座標系を用いて考察する。
従来は軸方向における位置に依らず、磁極面が発生する磁束の相は周方向(角度方向)に関して固定されていた。しかし、本発明では、磁極面が発生する磁束の相は、軸方向における位置に依存して、周方向に関して変動する。具体的には、周方向に沿って相互に隣接する磁極面同士は、軸方向に沿って少なくとも部分的に相互に隣接する。
このような構成により、固定子の全体に亘ってみると、第1相のみの磁束が提供される周方向、第1相及び第2相の磁束が提供される周方向、第2相の磁束が提供される周方向が、それぞれ隣接して存在する。よってそれぞれの磁性体に集中巻によって巻線を巻回しても、あたかも分布巻で巻回された巻線から発生したかのごとき磁束分布を得ることができる。
一般的には相数Fと、正整数mと、回転子の極対数n(nは正整数)とを導入して記せば、本発明において磁性体の個数はF・m・n個設けられる。よって周方向に相互に隣接する磁極面において相を相互に異ならせてF相の磁束を供給することができる。
第1の実施の形態.
本実施の形態ではF=3,m=3,n=1の場合が例示される。図1は本発明の第1の実施の形態にかかるコアの構造を例示する斜視図である。当該コアは3つの割コア70U,70V,70Wに分割されており、いずれも磁性材で形成されている。割コア70U,70V,70Wは、それぞれヨーク要素72U,72V,72Wを有しており、ヨーク要素72U,72V,72Wはいずれもほぼ、周方向に120度で広がる円筒を呈している。ヨーク要素72U,72V,72Wは割コア70U,70V,70Wを組み合わせることによって円筒を形成することになる。
割コア70U,70V,70Wは、それぞれヨーク要素72U,72V,72Wの中央に主部71cu,71cv,71cwを有している。主部71cuにはその図中左側及び右側から、それぞれ翼部71au,71buが設けられており、これら三者が相まって磁極面71muを呈している。同様にして主部71cvにはその図中左側及び右側から、それぞれ翼部71av,71bvが設けられており、これら三者が相まって磁極面71mvを呈している。また主部71cwにはその図中左側及び右側から、それぞれ翼部71aw,71bwが設けられており、これら三者が相まって磁極面71mwを呈している。
主部71cu,71cv,71cw及び翼部71au,71bu,71av,71bv,71aw,71bwは、いずれもほぼ、周方向にほぼ60度で広がる円筒を呈している。従って磁極面71mu,71mv,71mwは周方向にほぼ180/n=180(度)で広がる円筒を呈している。より正確には周方向において隣接する磁極面が接触しないように相互の間には空隙が設けられるので、一つの磁性体の磁極面の周方向における広がりは180度よりも若干狭くなる。
翼部71au,71av,71awは軸方向Zにおける位置がほぼ等しく、図中下側に位置している。翼部71bu,71bv,71bwは軸方向Zにおける位置がほぼ等しく、図中上側に位置している。翼部71au,71av,71awの下端は主部71cu,71cv,71cwの下端と軸方向Zにおける位置が一致し、翼部71bu,71bv,71bwの上端は主部71cu,71cv,71cwの上端と軸方向Zにおける位置が一致する。
よって磁極面71muは、主部71cuの上半分と翼部71buとが呈する上側面と、主部71cuの下半分と翼部71auとが呈する下側面との二段構造であると把握することもできる。同様にして、磁極面71mvは、主部71cvの上半分と翼部71bvとが呈する上側面と、主部71cvの下半分と翼部71avとが呈する下側面との二段構造であると把握し、磁極面71mwは、主部71cwの上半分と翼部71bwとが呈する上側面と、主部71cwの下半分と翼部71awとが呈する下側面との二段構造であると把握することもできる。
割コア70Uは支持部71duも有しており、これによってヨーク要素72Uと主部71cuとが連結されている。同様にして、割コア70Vは支持部71dvも有しており、これによってヨーク要素72Vと主部71cvとが連結されている。同様にして、割コア70Wは支持部71dwも有しており、これによってヨーク要素72Wと主部71cwとが連結されている。
主部71cuと翼部71au,71buと支持部71duとは磁性体71uを構成し、主部71cvと翼部71av,71bvと支持部71dvとは磁性体71vを構成し、主部71cwと翼部71aw,71bwと支持部71dwとは磁性体71wを構成する。
図2は割コア70U,70V,70Wを組み合わせ、軸方向Zに平行な方向から見た平面図である。支持部71du,71dv,71dwにはそれぞれ電機子巻線が巻回され、固定子70Aが構成されている。固定子70Aは軸方向Zに平行な中心軸Z0の周囲でほぼ回転対称となる。
固定子70Aにおいては周方向に沿って、主部71cuの磁極面は翼部71bvの磁極面及び翼部71awの磁極面と隣接し、主部71cvの磁極面は翼部71bwの磁極面及び翼部71auの磁極面と隣接し、主部71cwの磁極面は翼部71buの磁極面及び翼部71avの磁極面と隣接している。
一方、軸方向Zに沿っても、翼部71auの磁極面は翼部71bvの磁極面と隣接し、翼部71avの磁極面は翼部71bwの磁極面と隣接し、翼部71awの磁極面は翼部71buの磁極面と隣接している。
これら周方向、軸方向のいずれについても、相互に隣接する磁極面同士は所定の空隙を空けて配置される。よって支持部71du,71dv,71dwに電機子巻線を巻回して相互に異なる相の電流を流しても、それぞれの磁極面71mu,71mv,71mwからは相が異なる磁束が発生する。しかしながら、周方向の特定の位置、即ち磁極面が隣接する位置では、軸方向においても磁極面が隣接する。よってこの周方向の特定の位置では、隣接して巻回された電機子巻線に流される二つの相の電流に基づいてそれぞれ磁界が発生する。
図2及び以下の図では、電機子巻線に流れる電流の正の向きを、紙面奥へ向かう方向に採る位置は「×」を楕円で囲んだ記号で示し、手前側へと向かう方向に採る位置は「・」を楕円で囲んだ記号で示した。また、これらの二つの記号を結ぶ太い破線は、それが描かれた支持部の周囲で巻回されていることを示す。例えば支持部71du,71dv,71dwにそれぞれ巻回された電機子巻線にはそれぞれU相電流、V相電流、W相電流が供給される。これにより、翼部71auと翼部71bvとが隣接する周方向の位置ではU相の磁束とV相の磁束とが発生し、翼部71avと翼部71bwとが隣接する周方向の位置ではV相の磁束とW相の磁束とが発生し、翼部71awと翼部71buとが隣接する周方向の位置ではW相の磁束とU相の磁束とが発生する。また主部71cu,71cv,71cwが存在する周方向の位置では磁極面同士は隣接しないので、それぞれU相の磁束とV相の磁束とW相の磁束が発生する。
以上のようにして、支持部71du,71dv,71dwにそれぞれ集中巻にて電機子巻線を巻回して固定子を形成すれば、集中巻であるにも拘わらず、発生させる磁束の時間的及び空間的変化を緩やかにするという分布巻の利点を得ることができる。具体的には周方向に沿って60度の区間毎に、U相磁束、U相磁束とV相磁束の両方、V相磁束、V相磁束とW相磁束の両方、W相磁束、W相磁束とU相磁束の両方、が発生することになる。
このような巻回は通常の2極6スロットの集中巻の電動機と同様である。集中巻で巻回された電機子巻線は120度置きで配置されるが、固定子70Aから供給される磁束は6スロットの分布巻と同様になり、各相の巻線が回転子の磁束をほぼ180度(機械角)にわたって利用することができる。
図3は回転子80の構成を例示する斜視図である。回転子80は透磁性のコア81中に二つの永久磁石83を有しており、埋込磁石型の二極(即ち極対数n=1)の回転子として機能する。回転子80の界磁は永久磁石83によって与えられる。
コア81は例えば軸方向Zに積層された複数の電磁鋼板によって形成されており、締結孔84を貫通する締結具(図示省略)によって軸方向Zに沿って締結される。コア81の中心には回転軸が貫挿可能な貫挿孔85が軸方向Zに平行に開けられている。図3では軸方向Zに平行な回転軸Z6が示されており、これが図2の中心軸Z0と一致するように、回転子80が固定子70Aに囲まれて配置される。
コア81には軸方向Zに平行な埋設孔82が二つ開けられており、埋設孔82に永久磁石83が埋設される。コア81は、永久磁石83よりも外側(固定子の磁極面側)にコア81が部分81fを有している。部分81fにおいて磁束が移動することにより、必要に応じて永久磁石83の磁極面からでた磁束は、軸方向Zについての移動を可能とする。これにより、回転子80における界磁は、固定子において軸方向Zに沿って隣接する磁極面のいずれにも流れることができ、軸方向で並ぶ異なる相の磁極面と界磁との相互作用を容易にする。例えばいわゆるq軸インダクタンスLqがd軸インダクタンスよりも大きい。
よって上記の固定子70A及び回転子80を採用した電動機は、振動、騒音が低減されるという利点を招来し、巻線の利用率も向上する。もちろん、巻線抵抗値を小さくし、巻線端高さを低減するという集中巻の利点も得られる。
割コア70U,70V,70Wは同型に形成することができるが、本実施の形態において割コアを同型に形成することは必須ではない。図4は本実施の形態の変形を例示する斜視図であり、3つの割コア76U,74V,73Wが示されている。割コア76U,74V,73Wはいずれも磁性材で形成されている。割コア76U,74V,73Wは、割コア70U,70V,70Wと同様に、それぞれヨーク要素72U,72V,72Wを有しており、ヨーク要素72U,72V,72Wは割コア76U,74V,73Wを組み合わせることによって円筒を形成する。
割コア76U,74V,73Wは、それぞれヨーク要素72U,72V,72Wの中央に主部76cu,74cv,73cwを有している。主部76cuにはその図中左側及び右側から、それぞれ翼部76au,76buが設けられており、これら三者が相まって磁極面76muを呈している。同様にして主部74cvにはその図中左側及び右側から、それぞれ翼部74av,74bvが設けられており、これら三者が相まって磁極面74mvを呈している。また主部73cwにはその図中左側及び右側から、それぞれ翼部73aw,73bwが設けられており、これら三者が相まって磁極面73mwを呈している。
主部76cu,74cv,73cw及び翼部76au,76bu,74av,74bv,73aw,73bwは、いずれもほぼ、周方向に60度で広がる円筒を呈している。従って磁極面76mu,74mv,73mwも、磁極面71mu,71mv,71mwと同様に、周方向に180度で広がる円筒を呈している。
翼部76au,76bu,74avは軸方向Zにおける位置がほぼ等しく、図中下側に位置している。翼部74bv,73aw,73bwは軸方向Zにおける位置がほぼ等しく、図中上側に位置している。翼部76au,76bu,74avの下端は主部76cu,74cv,73cwの下端と軸方向Zにおける位置が一致し、翼部74bv,73aw,73bwの上端は主部76cu,74cv,73cwの上端と軸方向Zにおける位置が一致する。
よって磁極面76muは、主部76cuの上半分が呈する上側面と、主部76cuの下半分と翼部76au,76buとが呈する下側面との二段構造であると把握することもできる。同様にして、磁極面74mvは、主部74cvの上半分と翼部74bvとが呈する上側面と、主部74cvの下半分と翼部74avとが呈する下側面との二段構造であると把握し、磁極面73mwは、主部73cwの上半分と翼部73aw,73bwとが呈する上側面と、主部73cwの下半分が呈する下側面との二段構造であると把握することもできる。
割コア76Uは支持部76duも有しており、これによってヨーク要素72Uと主部76cuとが連結されている。同様にして、割コア74Vは支持部74dvも有しており、これによってヨーク要素72Vと主部74cvとが連結されている。同様にして、割コア73Wは支持部73dwも有しており、これによってヨーク要素72Wと主部73cwとが連結されている。
主部76cuと翼部76au,76buと支持部76duとは磁性体76uを構成し、主部74cvと翼部74av,74bvと支持部74dvとは磁性体74vを構成し、主部73cwと翼部73aw,73bwと支持部73dwとは磁性体73wを構成する。
図5は割コア76U,74V,73Wを組み合わせ、軸方向Zに平行な方向から見た平面図である。支持部76du,74dv,73dwにはそれぞれ電機子巻線が巻回され、固定子70Bが構成されている。固定子70Bも回転子70Aと同様に、軸方向Zに平行な中心軸Z0の周囲でほぼ回転対称となる。
固定子70Bにおいては周方向に沿って、主部76cuの磁極面は翼部74bvの磁極面及び翼部73awの磁極面と隣接し、主部74cvの磁極面は翼部73bwの磁極面及び翼部76auの磁極面と隣接し、主部73cwの磁極面は翼部76buの磁極面及び翼部74avの磁極面と隣接している。
一方、軸方向Zに沿っても、翼部76auの磁極面は翼部74bvの磁極面と隣接し、翼部74avの磁極面は翼部73bwの磁極面と隣接し、翼部73awの磁極面は翼部76buの磁極面と隣接している。
これら周方向、軸方向Zのいずれについても、相互に隣接する磁極面同士は所定の空隙を空けて配置される。よって支持部76du,74dv,73dwに電機子巻線を巻回して得られる固定子70Bは、固定子70Aと同様の効果を招来する。
固定子70A,70Bのいずれを形成する際においても、割コアのそれぞれに電機子巻線の巻回を行ってから割コアを組み合わせてもよいし、割コアを組み合わせてから電機子巻線の巻回を行ってもよい。
割コア70U,70V,70W,76U,74V,73Wのいずれも圧粉鉄心を用いて形成することができる。回転子70A,70Bには軸方向Zにも磁束が変化して流れるため、これらの材料として圧粉鉄心を採用することは、鉄損が低減できる観点で有利である。
第2の実施の形態.
第1の実施の形態では三個の磁性体71u,71v,71w(とりわけその支持部71du,71dv,71dw)あるいは三個の磁性体76u,74v,73w(とりわけその支持部76du,74dv,73dw)のそれぞれに電機子巻線が巻回され、三相電流が供給される場合を例示した。本実施の形態では六個の電機子巻線が巻回され、三相電流が供給される場合を例示する。つまり本実施の形態ではF=3,m=1,n=2の場合が例示される。
図6は本発明の第2の実施の形態にかかるコア10の構造を例示する斜視図である。コア10は、六個の磁性体11u1,11u2,11v1,11v2,11w1,11w2と、これらを相互に磁気的に接続するヨーク12とを備えている。ヨーク12は軸方向Zに対して垂直な面を境界として隣接するヨーク要素12A,12Bに分割されていてもよい。例えばヨーク要素12Aは磁性体11u2,11v1,11w2を相互に磁気的に接続し、ヨーク要素12Bは磁性体11u1,11v2,11w1を相互に磁気的に接続し、ヨーク要素12A,12Bは相互に磁気的に接続される。
図7は六個の磁性体11u1,11u2,11v1,11v2,11w1,11w2に共通して採用可能な磁性体11の構成を例示する斜視図である。
磁性体11は軸方向Zに平行に延在する主部11cと、主部11cの周方向の両側に設けられる翼部11a,11bと、ヨーク12と接続される支持部11dとを備えている。主部11c及び翼部11a,11bはそれぞれヨーク12とは反対側に円筒型の磁極面を有している。当該円筒の中心軸は固定子10の中心軸Z0と一致する。
主部11cと翼部11aとの間には補助溝14aが、主部11cと翼部11bとの間には補助溝14bが、それぞれ軸方向Zに平行に設けられている。補助溝14a,14bはコギングトルクを軽減する機能を果たすが、本発明はこれらの存在を必須とはしない。但しこのような補助溝を第1の実施の形態において採用することも可能である。
補助溝同士の周方向の間隔は中心軸Z0の回りの角度に換算すると、180度を磁性体数で除した値となる。ここでは磁性体数が6であるので、補助溝同士の間隔は30度となる。第1の実施の形態において補助溝を採用する場合も、主部と翼部との境界において設けることになり、磁性体数が3であるので、補助溝同士の間隔は60度となる。
翼部11a,11bは軸方向Zに対して同じ位置に配置される。このような翼部の配置の下で、六個の磁性体11u1,11u2,11v1,11v2,11w1,11w2が全て磁性体11と同型を呈してコア10を得ることができるのは、本実施の形態において極対数が偶数(n=2)であるからである。このように全ての磁性体が同型を呈することは、製造が容易である点で望ましい。
一方、第1の実施の形態のように、極対数が奇数(n=1)である場合に磁性体の全てを同型にするためには、図1に示された磁性体71u,71v,71wのように、主部に対して周方向において相互に反対側に設けられる翼部は軸方向Zにおいても相互に反対側に設けられなければならない。これに対して図4に示された磁性体76u,73wのように、軸方向Zに対して同じ位置に配置される翼部を有する磁性体のみでは本発明にかかるコアを構成することができない。
図6に戻り、三個の磁性体11u2,11v1,11w2はヨーク要素12A側でそれらの翼部が周方向に広がり、三個の磁性体11u1,11v2,11w1はヨーク要素12B側でそれらの翼部が周方向に広がる。これにより、周方向で隣接する磁性体の磁極面同士は、軸方向Zにおいても隣接する。
図8は、図6の位置VIII-VIIIにおける断面矢視図である。翼部11au2,11bu2及び主部11cu2が呈する磁極面と、翼部11bv2,11av2及び主部11cv2が呈する磁極面とは周方向において間隙13sを介して隣接する。また、これらの磁極面は、翼部11bu2,11bv2の位置で、間隙13zを介して隣接する。翼部11au2,11bu2及び主部11cu2が呈する磁極面と、翼部11aw1及び主部11cw1が呈する磁極面とは周方向において間隙13sを介して隣接する。また、これらの磁極面は、翼部11au2,11aw1の位置で、間隙13zを介して隣接する。同様に、翼部11av2,11bv2及び主部11cv2が呈する磁極面と、翼部11aw2及び主部11cw2が呈する磁極面とは周方向において間隙13sを介して隣接する。また、これらの磁極面は、翼部11aw2,11av2の位置で、間隙13zを介して隣接する。
図7で記号14a,14bを用いて示された補助溝は、図8においてはその属する磁性体の記号を末尾に追加して示されている(例えば磁性体11w2において主部11cw2と翼部11aw2との間に設けられる補助溝は記号14aw2を用いて示されている)。
図7に戻り、固定子10の中心軸Z0に対して、主部11cが呈する磁極面は角度θhで広がり、翼部11aの翼部11bと反対側の端から、翼部11bの翼部11aと反対側の端までは角度θkで広がる。概ね、θhは30度であり、θkはほぼ180/n=90(度)である。
但し、磁極面同士が接触して磁束の短絡した流れを回避するため、図6に示されるように隣接する磁性体同士の間には周方向に幅Lhの間隙13sが設けられている。よって幅Lhや上述の補助溝14bの太さにより、角度θkは90度よりも幾分小さく設定される。例えば間隙13sが固定子10の中心軸Z0に対して、角度θsで広がるとすれば、θk=(90−θs)(度)となる。
支持部11dの高さLdはヨーク12の軸方向Zに沿った長さと等しい。また主部11cの高さLtも、ここではヨーク12の軸方向Zに沿った長さと、即ち高さLdと等しい場合が例示されている。また支持部11dの周方向の広がりは、主部11cの広がりと一致している。
翼部11a,11bは軸方向Zに沿った高さLsを有している。磁極面同士が接触して磁束の短絡した流れを回避するため、図6に示されるように隣接する磁性体同士の間には軸方向Zに沿って幅Lzの間隙13zが設けられている。よって高さLsはほぼヨーク12の軸方向Zに沿った長さの半分であり、より正確にはこの値から幅Lzの半分を差し引いた値となる。即ちLs=(Ld−Lz)/2に設定されることが望ましい。
ここで、幅Lh,Lzはほぼ同一としてよい。磁束が、隣接する磁極面同士で漏洩せずに回転子へと流れるように、磁極面と回転子の外周面との間(固定子と回転子との間のいわゆる「エアギャップ」)の2倍以上あることが好ましい。
図9はコア10に対してU相電流を流す電機子巻線(以下「U相コイル」)、V相電流を流す電機子巻線(以下「V相コイル」)、W相電流を流す電機子巻線(以下「W相コイル」)を巻回する態様を示し、軸方向Zに平行な方向から見た平面図である。U相コイルは磁性体11u1,11u2の支持部に巻回された一対のコイルからなり、両者は配線19Uにより直列に接続されている。V相コイルは磁性体11v1,11v2の支持部に巻回された一対のコイルからなり、両者は配線19Vにより直列に接続されている。W相コイルは磁性体11w1,11w2の支持部に巻回された一対のコイルからなり、両者は配線19Wにより直列に接続されている。U相コイルの一端、V相コイルの一端、W相コイルの一端は配線19Qによって共通に接続されており、U相コイルの他端、V相コイルの他端、W相コイルの他端にはそれぞれ端子U,V,Wが接続される。従って、U相コイル、V相コイル、W相コイルはいわゆる三相スター結線の態様を呈し、端子U,V,Wの間には三相電圧が印加される。
このような電機子巻線の巻回は、通常の4極6スロットの集中巻の電動機と同様に施される。集中巻で巻回された電機子巻線は60度置きで配置されるのに対し、固定子から回転子へと与えられる磁束は12スロットの分布巻と同様になり、各相の巻線が回転子の磁束を90度(機械角)にわたって利用することができる。
以上のようにして、磁性体11u1,11v1,11w1,11u2,11v2,11w2の支持部にそれぞれ集中巻にて電機子巻線を巻回して固定子を形成すれば、集中巻であるにも拘わらず、発生させる磁束の時間的及び空間的変化を緩やかにするという分布巻の利点を得ることができる。具体的には周方向に沿って30度の区間毎に、U相磁束、U相磁束とV相磁束の両方、V相磁束、V相磁束とW相磁束の両方、W相磁束、W相磁束とU相磁束の両方、が発生することになる。
図10は回転子20の構成を例示する斜視図である。回転子20は透磁性のコア21中に四つの永久磁石23を有しており、埋込磁石型の四極(即ち極対数n=2)の回転子として機能する。回転子20の界磁はこの永久磁石23によって与えられる。
コア21は例えば軸方向Zに積層された複数の電磁鋼板によって形成されており、締結孔24を貫通する締結具(図示省略)によって軸方向Zに沿って締結される。コア21の中心には回転軸が貫挿可能な貫挿孔25が軸方向Zに平行に開けられている。但し回転子20には第1実施の形態と同様に、軸方向Zにおいても磁束が変化して流れるため、これらの材料として圧粉鉄心を採用することは、鉄損が低減できる観点で有利である。図10では回転軸Z7が示されており、これが中心軸Z0と一致するように、回転子20が固定子10に囲まれて配置される。
コア21には軸方向Zに平行な埋設孔22が四つ開けられており、埋設孔22に永久磁石23が埋設される。コア21は、永久磁石23よりも外側(固定子の磁極面側)にコア21が部分21fを有している。部分21fにおいて磁束が移動することにより、必要に応じて永久磁石23の磁極面からでた磁束は、軸方向Zについての移動を可能とする。これにより、回転子20における界磁は、固定子においてZ軸方向において隣接する磁極面のいずれにも流れることができ、軸方向で並ぶ異なる相の磁極面と界磁との相互作用を容易にする。例えばいわゆるq軸インダクタンスLqがd軸インダクタンスよりも大きい。
よって上記の固定子1及び回転子20を採用した電動機は、振動、騒音が低減されるという利点を招来し、巻線の利用率も向上する。もちろん、巻線抵抗値を小さくし、巻線端高さを低減するという集中巻の利点も得られる。
コア10は割コア70U,70V,70W,76U,74V,73Wと同様に、圧粉鉄心を用いて形成してもよい。その場合、ヨーク要素12Aと磁性体11u2,11v1,11w2とを一体に第1のコア要素として形成し、ヨーク要素12Bと磁性体11u1,11v2,11w1とを一体に第2のコア要素として形成してもよい。そして第1のコア要素及び第2のコア要素のそれぞれに対して電機子巻線を巻回してから、両者を軸方向Zに沿って合体させ、巻線の端を結線する方法を採用できる。
このように、磁性体に電機子巻線を巻回してからコア要素を合体する方法は、コア10に対してコイルを巻回するよりも容易である。このような結線、コア要素の合体の手法は、例えば特許文献3に例示されている。
このようなコア要素はK個設けることができる。但しK=F又はK=m・nである。上述の例では、K=m・n=2である。
コア10は軸方向Zに積層された複数の電磁鋼板によって形成することができる。図11はコア10の形成に供することができる電磁鋼板100の構造を例示する平面図である。電磁鋼板100は翼部11a,11b及び主部11cの平面視における形状と同型の凸部100a、主部11c及び支持部11dの平面視における形状と同型の凸部100b、ヨーク12の平面視における形状と同型の環状部100cを備えている。
電磁鋼板100をコア10の厚さの半分について積層した構造を一対形成し、それら一対を電磁鋼板100の中心軸周りに相互に60度ずらせて合体させることにより、コア10を形成することができる。
第3の実施の形態.
コア10では電機子巻線が巻回される支持部11dの高さLdをヨーク12の軸方向Zに沿った長さと等しくとっていた。しかし、より短くすることもできる。
図12は本発明の第3の実施の形態にかかるコア30の構造を例示する斜視図である。コア30は、六個の磁性体と、これらを相互に磁気的に接続するヨーク32とを備えている。構造を把握しやすくするため、磁性体を一つ省略し、5個の磁性体31u1,31u2,31v2,31w1,31w2を図示している。省略された磁性体は磁性体31v2と対向して配置される。文中ではこの省略された磁性体を便宜上、磁性体31v1として説明する。
ヨーク32は軸方向Zに対して垂直な面を境界として隣接するヨーク要素32A,32Bに分割されていてもよい。例えばヨーク要素32Aは磁性体31u2,31v1,31w2を相互に磁気的に接続し、ヨーク要素32Bは磁性体31u1,31v2,31w1を相互に磁気的に接続し、ヨーク要素12A,12Bは相互に磁気的に接続される。
コア30は割コア70U,70V,70W,76U,74V,73Wやコア10と同様に、圧粉鉄心を用いて形成してもよい。その場合、ヨーク要素32Aと磁性体31u2,31v1,31w2とを一体に第1のコア要素として形成し、ヨーク要素32Bと磁性体31u1,31v2,31w1とを一体に第2のコア要素として形成してもよい。そしてコア10と同様に、第1のコア要素及び第2のコア要素への電機子巻線の巻回、両者の合体を行って固定子を形成することができる。
図13は六個の磁性体31u1,31u2,31v1,31v2,31w1,31w2に共通して採用可能な磁性体31の構成を例示する斜視図である。磁性体31は軸方向Zに平行に延在する主部31cと、主部31cの周方向の両側に設けられる翼部31a,31bと、ヨーク32と接続される支持部31dとを備えている。主部31cと翼部31aとの間には補助溝34aが、主部31cと翼部31bとの間には補助溝34bが、それぞれ軸方向Zに平行に設けられているが、補助溝14a,14bと同様に、本発明はこれらの存在を必須とはしない。
磁性体31は支持部31dの軸方向Zに沿った高さLs2が、図7に示された磁性体11の支持部11dとは異なり、ヨーク32の厚さの半分よりも小さくなっている。翼部31a,31bの軸方向Zに沿った高さLs1は、図7に示された磁性体11の高さLsに相当し、同程度に設定される。主部31dの高さLtは主部11dの高さと同様にヨーク32の厚さと等しく設定される一方、支持部31dの高さが上述のように低いので、翼部31a,31bが設けられているのと反対側においては、主部31dと支持部31dとに段差が生じている。後述する理由により、高さLs2は高さLs1よりも低いことが望ましい。
他方、支持部31dの周方向の広がりは、支持部11dのような主部11cと同一の広がりにはとどまらず、翼部31a,31bよりもやや狭い程度にまで広がっている。
なお、翼部31a,31bのうち支持部31d側の面が屈曲している点で、翼部11a,11bとは異なっている。これは支持部31dでの電機子巻線の巻回を容易にする観点で有利である。
主部31c及び翼部31a,31bはそれぞれヨーク32とは反対側に円筒型の磁極面を有しており、当該円筒の中心軸は固定子30の中心軸Z0と一致する。
図12に戻り、第2の実施の形態と同様に、三個の磁性体31u2,31v1,31w2はヨーク要素32A側でそれらの翼部が周方向に広がり、三個の磁性体31u1,31v2,31w1はヨーク要素32B側でそれらの翼部が周方向に広がる。これにより、周方向で隣接する磁性体の磁極面同士は、軸方向Zにおいても隣接する。
図14は図12の位置XIV-XIVにおける断面矢視図である。翼部31au2,31bu2及び主部31cu2が呈する磁極面と、翼部31av2,31bv2及び主部31cv2が呈する磁極面とは周方向において間隙33sを介して隣接する。また、これらの磁極面は、翼部31au2,31aw1の位置で、間隙33zを介して隣接する。翼部31au2,31bu2及び主部31cu2が呈する磁極面と、翼部31aw1及び主部31cw1が呈する磁極面とは周方向において間隙33sを介して隣接する。また、これらの磁極面は、翼部31au2,31aw1の位置で、間隙33zを介して隣接する。同様に、翼部31av2,31bv2及び主部31cv2が呈する磁極面と、翼部31aw2及び主部31cw2が呈する磁極面とは周方向において間隙33sを介して隣接する。また、これらの磁極面は、翼部31aw2,31av2の位置で、間隙33zを介して隣接する。間隙33z,33sは、それぞれ間隙13z,13sと同様に、それらの幅が決定されることが望ましい。
図13で記号34a,34bを用いて示された補助溝は、図14においてはその属する磁性体の記号を末尾に追加して示されている(例えば磁性体31w2において主部31cw2と翼部31aw2との間に設けられる補助溝は記号34aw2を用いて示されている)。
上述のようなコア30に対しても、図9に示された態様と同様にして、U相コイル、V相コイル、W相コイルを巻回することができる。但し、支持部31du2,31dv1,31dw2はヨーク要素32A側にあり、支持部31du1,31dv2,31dw1はヨーク要素32B側にあるので、ヨーク要素32A側、あるいはヨーク要素32Bでみれば、電機子巻線は120度置きに巻回されていることになる。
図15は、磁性体31u2,31v2が隣接する位置の近傍での電機子巻線の巻回の様子を示す概念図である。見やすくするため、電機子巻線U2が巻回される支持部31du2と、電機子巻線V2が巻回される支持部31dv2とは、それらの形状を実線で示し、主部31cu2,31cv2及び翼部31au2,31bu2,31av2,31bv2の形状は破線で示し、電機子巻線U2,V2が巻回される位置を網掛にて示している。
支持部31dv2は、軸方向Zに沿った位置が支持部31du2にまで到達しないので、周方向に関しては、電機子巻線U2は厚く巻くことができる。一方、翼部31bu2,31bv2の間は軸方向Zに沿って間隙33zが存在する。よって電機子巻線U2は、その外周が翼部31bu2から間隙33zの幅の半分だけ太い位置に至るまで、巻回することができる。同様にして、電機子巻線V2は、その外周が翼部31bv2から間隙33zの幅の半分だけ太い位置に至るまで、巻回することができる。
上述のような巻回の態様においては、軸方向Zにおいて異なる電機子巻線が隣接しているため、電機子巻線を厚く巻くことについての制限が生じる。しかし支持部31du2,31dv2の高さLs2は翼部31au2,31bu2,31av2,31bv2の高さLs1以下にできるので、電機子巻線U2,V2の巻回された厚さは、間隙33zの幅の半分よりも厚くすることができる。更に支持部の周方向の幅が広いため、周方向については巻線の厚さの自由度が大きく、周方向の長さで巻回長さを稼ぐことができる。更にヨークにおける磁路を短くすることができるという利点もある。
コア30は軸方向Zに積層された複数の電磁鋼板によって形成することは困難である。しかし、磁性体31とヨーク32A,32B同士を溶接したり、接着鋼板を使用することで実現することは可能である。もちろん、磁性体31についても主部31cと翼部31a,31bと支持部31dとを溶接したりして形成してもよい。あるいは樹脂などを用いてモールドして各部を結合してもよい。この場合においても、ヨーク要素32Aと磁性体31u2,31v1,31w2とを一体に第1のコア要素として形成し、ヨーク要素32Bと磁性体31u1,31v2,31w1とを一体に第2のコア要素として形成してもよい。そしてコア10と同様に、第1のコア要素及び第2のコア要素への電機子巻線の巻回、両者の合体を行って固定子を形成することができる。
上述の例では支持部31dが軸方向Zにおける位置に関して翼部31a,31bとほぼ同じ位置に設けられる態様を示した。しかし軸方向Zにおける位置に関して翼部31a,31bと反対側で支持部31dを設けてもよい。図16は本実施の形態の変形にかかる磁性体35の構造を例示する斜視図である。主部35c、翼部35a,35b、補助溝36a,36bは、それぞれ主部31c、翼部31a,31b、補助溝34a,34bと同様に形成される。しかし支持部35dは、支持部31dとは異なり、翼部35a,35bが設けられていない位置で主部35cに設けられている。
図17は、図16に示された磁性体35を用いて構成される磁性体35u2,35v2が隣接する位置の近傍での電機子巻線の巻回の様子を示す概念図である。見やすくするため、電機子巻線U2が巻回される支持部35du2と、電機子巻線V2が巻回される支持部35dv2とは、それらの形状を実線で示し、主部35cu2,35cv2及び翼部35au2,35bu2,35av2,35bv2の形状は破線で示し、電機子巻線U2,V2が巻回される位置を網掛にて示している。
上述のような巻回の態様においては、周方向に関して異なる電機子巻線が隣接しているため、電機子巻線を厚く巻くことについての制限が生じる。具体的には支持部35du2,35dv2同士の間の空隙の半分の厚さまでしか、それぞれ電機子巻線U2,V2巻回することができない。よって磁性体11を用いた場合と同様に周方向の巻回の厚さの制限が存在する一方、支持体35dが支持体11dよりも軸方向Zの長さが短いために巻回長さは磁性体11を用いた場合よりも短くなる。
これに対して上述の磁性体31を用いた場合には、周方向の長さで巻回長さを稼ぐことができる。従って、巻線の収納率の観点からは磁性体31を用いる場合の方が、磁性体35を用いた当該変形よりも望ましいと言える。
第4の実施の形態.
図18は本発明の第4の実施の形態にかかるコア40の構造を例示する斜視図である。コア40は、六個の磁性体と、これらを相互に磁気的に接続するヨーク42とを備えている。構造を把握しやすくするため、磁性体を一つ省略し、5個の磁性体41u1,41u2,41v2,41w1,41w2を図示している。省略された磁性体は磁性体41v2と対向して配置される。文中ではこの省略された磁性体を便宜上、磁性体41v1として説明する。
第4の実施の形態で採用される磁性体41u1,41u2,41v1,41v2,41w1,41w2は、第3の実施の形態で採用された磁性体31u1,31u2,31v1,31v2,31w1,31w2に対して、軸方向Zに平行なスリットを施した点で異なっている。磁性体41u2を例に採って説明すると、主部41cu2と翼部41au2,41bu2との間には補助溝に替えて、スリット45au2,45bu2が設けられている。
スリット45au2,45bu2は主部41cu2及び翼部41au2,41bu2が形成する磁極面側からヨーク42近傍にまで径方向に延びており、支持部41du2を周方向について三等分する。より正確には、磁性体41u2に隣接する磁性体41v2の翼部41bv2の磁性体41u2側の端部の周方向における位置にスリット45bu2が当該磁極面に現れ、磁性体41u2に隣接する磁性体41w1の翼部41aw1の磁性体41u2側の端部の周方向における位置にスリット45au2が当該磁極面に現れる。
スリット45au2,45bu2は、軸方向Zにおいて隣接する翼部41bv2,41bu2の間で磁束が漏れた場合であっても、支持部41du2を介して主部41cu2や翼部41au2へと磁束が流れることを防止し、また軸方向Zにおいて隣接する翼部41aw1,41au2の間で磁束が漏れた場合であっても、支持部41du2を介して主部41cu2や翼部41bu2へと磁束が流れることを防止する。これにより、磁極面と対峙する回転子へと磁束が効率よく流れる。
上記効果を得るために、スリット45au2,45bu2は支持部41du2にまで伸びている。上記の磁束の流れを得るためには、電機子巻線の起磁力に反して磁束が通る必要があり、電機子巻線が巻回される範囲で磁路を分岐させる必要があるからである。
図19は本実施の形態の変形にかかるコア50の構造を例示する斜視図である。ヨーク52、磁性体51u1,51u2,51v2,51w1,51w2はそれぞれ図18のヨーク42、磁性体41u1,41u2,41v2,41w1,41w2に相当している。図19においても構造を把握しやすくするため、磁性体51v2と対向して配置される磁性体を一つ省略している。
当該変形ではスリット55au2,55bu2は補助溝54au2,54bu2と連通していない。磁極面近傍には電機子巻線が巻回されないため、スリットは必ずしも磁極面近傍にまで達している必要はないからである。このようにスリットが磁極面にまで到達しない構造を採用すれば、磁性体51u2の強度が向上する点で望ましい。
第5の実施の形態.
本実施の形態ではF=3,m=2,n=2の場合が例示される。図20、図21、図22は、それぞれ本発明の第5の実施の形態に採用されるコア要素60U,60V,60Wの構造を例示する斜視図である。このようなコア要素はK個設けることができる。但しK=F又はK=m・nであり、ここではK=F=3である。
図20を参照して、コア要素60Uは、4つの磁性体61u1,61u2,61u3,61u4と、これらを磁気的に接続するヨーク要素62Uを有している。図21を参照して、コア要素60Vは、4つの磁性体63v1,63v2,63v3,63v4と、これらを磁気的に接続するヨーク要素62Vを有している。図22を参照して、コア要素60Wは、4つの磁性体61w1,61w2,61w3,61w4と、これらを磁気的に接続するヨーク要素62Wを有している。これらの構成要素は中心軸Z1,Z2,Z3の回りでそれぞれ90度毎に設けられている。
図23は磁性体61u1,61u2,61u3,61u4,61w1,61w2,61w3,61w4に共通して採用可能な磁性体61の構成を例示する斜視図である。磁性体61は軸方向Zに平行に高さLdを有して延在する支持部61dと、支持部61dの端部において設けられる主部61cと、主部61cの周方向の一方側に広がる翼部61a,61eと、主部61cの周方向の他方側に広がる翼部61b,61fとを備えている。
主部61cと、翼部61e,61fとはその軸方向Zに沿って高さLs3を有し、この高さLs3は支持部61dの高さLdの1/3である。翼部61a,61bはその軸方向Zに沿って高さLs4を有し、この高さLs4は支持部61dの高さLdの1/2である。
支持部61dの端部において、主部61cと翼部61a,61b,61e,61fとはそれぞれの一端が軸方向Zに関して同じ位置にある。従って、翼部61a,61bの他端はいずれも、主部61cと翼部61e,61fのいずれの他端に対しても、Ld/6だけ突出している。
主部61cと、翼部61a,61e,61b,61fとは同一の円筒にほぼ沿った磁極面を呈し、当該円筒の中心軸はコア要素60U,60Wの中心軸Z1,Z3と一致する。主部61c及び翼部61a,61e,61b,61fは、いずれも当該中心軸Z0に対してほぼ15度で広がる。
主部61cと翼部61a,61bの間にはそれぞれ補助溝64a,64bが設けられ、翼部61a,61eの間には補助溝64eが設けられ、翼部61b,61fの間には補助溝64fが設けられる。これらの補助溝64a,64b,64e,64fは上述のようにコギングの低減を目的として設けられている。この補助溝の分、主部61c及び翼部61a,61e,61b,61fの中心軸に対する広がりが狭まる。
図24は磁性体63v1,63v2,63v3,63v4に共通して採用可能な磁性体63の構成を例示する斜視図である。磁性体63は軸方向Zに平行に高さLdを有して延在する支持部63dと、支持部63dの中央において設けられる主部63cと、主部63cの周方向の一方側に広がる翼部63a,63eと、主部63cの周方向の他方側に広がる翼部63b,63fとを備えている。
主部63cと、翼部63e,63fとはその軸方向Zに沿って上述の高さLs3を有し、翼部63a,63bはその軸方向Zに沿って上述の高さLs4を有する。
主部63cと、翼部63e,63fとはその軸方向Zに沿って同じ位置、即ち支持部61dの中央にある一方、翼部63aの一端63a1は支持部61dの一端63d1と、翼部63bの一端63b1は支持部63dの他端63d2と、それぞれ軸方向Zに関して同じ位置にある。従って、翼部63a,63bのいずれの他端63a2,63b2も、主部63c及び翼部63e,63fのいずれの軸方向Zに沿った両端からもLd/6だけ軸方向Zに沿ってずれている。このため、翼部63aの他端63a2側には主部63cと翼部63eとの間に溝65aが存在し、翼部63bの他端63b2側には主部63cと翼部63fとの間に溝65cが存在する。
溝65aは翼部63aが翼部63eや主部63cと隣接する位置にも延在するので、これらの位置において補助溝として機能することも可能である。同様に溝65cは翼部63bが翼部63fや主部63cと隣接する位置にも延在するので、これらの位置において補助溝として機能することも可能である。
上述のように補助溝同士の周方向の間隔は中心軸Z0の回りの角度に換算すると、180度を磁性体数で除した値となる。ここでは磁性体数が12であるので、上記の溝65a,65cも補助溝として把握して、補助溝同士の間隔は15度となる。
主部63cと、翼部63a,63e,63b,63fとは同一の円筒にほぼ沿った磁極面を呈し、当該円筒の中心軸はコア要素60vの中心軸Z2と一致する。主部63c及び翼部63a,63e,63b,63fは、いずれも当該中心軸に対してほぼ15度で広がる。この磁極面の広がりは(150/n)度で求めることができ、ここではn=2であるので、磁極面の広がりは75度となる。但し上述のように、溝65a,65cが翼部63a,63bの周方向の両隣において延在するので、その分で中心軸Z0に対する磁極面の広がりが狭まる。
図25はコア要素60U,60V,60Wを中心軸Z1,Z2,Z3を一致させて合体させる様子を例示する斜視図である。また図26は合体後に得られるコア60の構成を例示する斜視図である。合体したコア60では中心軸Z1,Z2,Z3が一致して中心軸Z0として示されている。
磁性体61u1,61u2,61u3,61u4はコア要素60Uにおいて周方向に90度毎に配置され、磁性体63v1,63v2,63v3,63v4はコア要素60Vにおいて周方向に90度毎に配置され、磁性体61w1,61w2,61w3,61w4はコア要素60Wにおいて周方向に90度毎に配置される。そして磁性体61u1,63v1,61w1は周方向に30度ずつ同じ方向へとずれて配置される。
従って、合体の際には、磁性体61u1の主部61cu1及び翼部61au1は、それぞれ磁性体63v1の翼部63fv1及び翼部63bv1と軸方向Zにおいて隣接する。同様にして、磁性体61w2の翼部61aw2,61fw2は、それぞれ磁性体63v2の翼部63av2及び磁性体63v1の翼部63fv1と、軸方向Zにおいて隣接する。
このように合体することにより、一つの磁性体の磁極面はその周方向に沿って両隣に隣接する二つの磁極面と軸方向Zに沿っても隣接するのみならず、磁性体を一つ介して周方向に沿って隣接する他の磁性体の磁極面とも軸方向Zに沿って並ぶ。例えば磁性体61w1の磁極面は磁性体63v1,61u4の磁極面と周方向に隣接するのみならず、軸方向Zに沿っても隣接する。更に磁性体61w1の磁極面は磁性体63v1を介して周方向に沿って隣接する磁性体61u1の磁極面とも軸方向Zに沿って隣接する。また更に磁性体61w1の磁極面は磁性体61u4を介して周方向に沿って隣接する磁性体63v4の磁極面とも軸方向Zに沿って隣接する。
より一般的に言えば、ある磁性体の磁極面は略(150/n)度で広がり、周方向で直近に隣接する磁性体の磁極面とは略(90/n)度の範囲で軸方向Zに沿って隣接し、磁性体を一つ介して隣接する磁性体の磁極面とは略(30/n)度の範囲で軸方向Zに沿って並ぶ。
ヨーク要素62U,62V,62Wは軸方向Zに沿って積層され、相互に磁気的に接続されてヨーク62を構成する。
図27はコア60に対して電機子巻線が巻回されて得られる固定子を軸方向Zに沿ってみた平面図である。磁性体61u1の支持部に巻回された電機子巻線の一端は端子Uに接続され、他端は配線69u1を介して、磁性体61u2の支持部に巻回された電機子巻線の一端に接続される。磁性体61u2の支持部に巻回された電機子巻線の他端は、配線69u2を介して、磁性体61u3の支持部に巻回された電機子巻線の一端に接続される。磁性体61u3の支持部に巻回された電機子巻線の他端は、配線69u3を介して、磁性体61u4の支持部に巻回された電機子巻線の一端に接続される。磁性体61u4の支持部に巻回された電機子巻線の他端は、配線69Qに接続される。このようにして端子Uと配線69Qとの間にU相コイルが、4つの電機子巻線の直列接続として設けられる。
同様にして、端子Vと配線69Qとの間にV相コイルが、配線69v1,69v2,69v3を介した4つの電機子巻線の直列接続として設けられる。また端子Wと配線69Qとの間にW相コイルが、配線69w1,69w2,69w3を介した4つの電機子巻線の直列接続として設けられる。
上述の巻回、配線により、U相コイル、V相コイル、W相コイルはいわゆる三相スター結線の態様を呈し、端子U,V,Wの間には三相電圧が印加される。そして12個の磁性体に集中巻の態様で電機子巻線を巻回しているにも関わらず、24スロットに分布巻を施した固定子のように磁束を発生させる。
以上のようにして、磁性体61u1,61u2,61u3,61u4,63v1,63v2,63v3,63v4,61w1,61w2,61w3,61w4の支持部にそれぞれ集中巻にて電機子巻線を巻回して固定子を形成すれば、集中巻であるにも拘わらず、発生させる磁束の時間的及び空間的変化を緩やかにするという分布巻の利点を得ることができる。具体的には周方向に沿って15度の区間毎に、U相磁束とV相磁束の両方、U相磁束とV相磁束とW相磁束の三者、V相磁束とW相磁束の両方、U相磁束とV相磁束とW相磁束の三者、W相磁束とU相磁束の両方、U相磁束とV相磁束とW相磁束の三者が発生することになる。
これは磁極面が機械角で見てほぼ75度にまで広げられており、集中巻に比べて多くの磁束を利用することが可能となっているからである。磁極面がほぼ90度まで広がっていた第2実施の形態乃至第4の実施の形態と比較すれば磁束の利用率は下がる。しかし第2の実施の形態乃至第4の実施の形態では固定子から回転子へと与えられる磁束は12スロットの分布巻と同様であったの対し、本実施の形態では当該磁束が24スロットの分布巻と同様になるので、コギングの低減という観点では本実施の形態の方が望ましい。
なお、固定子の形成においては、コア要素60U,60V,60Wの磁性体にそれぞれU相コイル、V相コイル、W相コイルを巻回してから、コア要素60U,60V,60Wを軸方向Zに沿って合体することができる。しかしながら、より正確には、コア要素60Vのように両側から他のコア要素60U,60Wに挟まれるコア要素の磁性体63v1,63v2,63v3,63v4に巻回された電機子巻線同士の配線69v1,69v2,69v3は、合体後に結線する必要がある。また、軸方向Zに沿ってみて端部に配置されるコア要素60Uの磁性体61u1,61u2,61u3,61u4に巻回された電機子巻線同士の配線の69u1,69u2,69u3と、コア要素60Wの磁性体61w1,6wu2,6wu3,6wu4に巻回された電機子巻線同士の配線の69w1,69w2,69w3とは、軸方向Zに沿って相互に反対側において設けられる必要がある。そして結合後の端子U,Wは互いに反対側に引き出されるため、一方を,いずれかのスロットを通して,他方と同じ側に引き出してくる必要がある。
このような配線の煩雑を避けるためには、予めヨーク要素62U,62V,62Wと磁性体61u1,61u2,61u3,61u4,63v1,63v2,63v3,63v4,61w1,61w2,61w3,61w4とを分離して設けておき、各磁性体に電機子巻線を巻回しておく。その後、各磁性体と各ヨーク要素(ヨーク要素62U,62V,62Wは予め合体してヨーク62を得ていてもよい)とを合体させることも、固定子の形成が容易であって望ましい。
この場合、磁性体はそれぞれ独立していて扱いが困難であるため、コア60の絶縁をモールドで行う際に併せて、ヨーク62の内径部にで磁性体を結合してもよい。このような形成方法は、第1乃至第4の実施の形態で示されたコアについても適用可能なことは明白である。
もちろん、各磁性体あるいは更にこれとヨーク要素とは、磁性体31と同様に、圧粉鉄心を用いて形成してもよいし、各部を溶接したり、接着鋼板を使用してもよい。また各部をモールドにて結合してもよい。
コア60に対して上述のように電機子巻線を巻回した固定子は、n=2に対応している。従って、図10に示すような4極の回転子20と共に電動機を構成することができる。
変形.
図28は本発明の変形を説明する斜視図であり、第1の実施の形態の変形として捉えることができる。図28において採用した符号は、その含む数字「9」を数字「7」に置換した構成要素(図1参照)に対応している。第1の実施の形態では磁性体71uについてみれば、主部71cと翼部71au,71buとは周方向から見ても軸方向Zから見ても階段状に配置されていた。しかしかかる段差は本発明に必須ではない。即ち、図28に示される磁性体91uに示されるように、主部91cuの周方向の両側に配置される翼部91au,91buの形状が、平面へと展開した場合に三角形となる形状を呈していてもよい。他の磁性体91v,91wについても同様である。このような磁性体91u,91v,91wを有する割コア90U,90V,90Wも、第1の実施の形態に示された割コア70U,70V,70Wと同様の効果を得ることができる。周方向に沿って隣接する翼部91av,91bvは軸方向Zに沿っても隣接するからである。
図29は本発明の変形を説明する斜視図であり、第2の実施の形態の変形として捉えることができる。図29において採用した符号は、その含む数字「93」を数字「11」に置換した構成要素(図6参照)に対応し、その含む数字「92」を数字「12」に置換した構成要素(図6参照)に対応している。
第2の実施の形態において翼部の形状は平面へと展開した場合に長方形となる形状を呈していたが、この変形では三角形となる形状を呈している。
このような翼部の形状の変形は第3乃至第4実施の形態についても適用可能なことは明白である。
但し、翼部の形状が、平面へと展開した場合に長方形となる形状を呈する場合は、必要な磁束を集め、鎖交磁束を最大とするための十分な幅が正確に確保できるので望ましい。他方、翼部の形状が、平面へと展開した場合に三角形となる形状を呈する場合は、鎖交磁束を最大とするための幅を有する部分が小さくなるが、音を低減する効果や、軸方向の急激な磁束の流れが発生しにくいことから、スラスト振動や渦電流を低減する効果がある。
本発明の第1の実施の形態にかかるコアの構造を例示する斜視図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる固定子の構造を例示する平面図である。 二極の回転子の構成を例示する斜視図である。 本発明の第1の実施の形態の変形にかかるコアの構造を例示する斜視図である。 本発明の第1の実施の形態の変形にかかるコアの構造を例示する平面図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるコアの構造を例示する斜視図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる磁性体の構成を例示する斜視図である。 図6の位置VIII-VIIIにおける断面矢視図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる固定子の構成を例示する平面図である。 四極の回転子の構成を例示する斜視図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるコアの形成に供することができる電磁鋼板の構造を例示する平面図である。 本発明の第3の実施の形態にかかるコアの構造を例示する斜視図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる磁性体の構成を例示する斜視図である。 図12の位置XIV-XIVにおける断面矢視図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる磁性体が隣接する位置の近傍での電機子巻線の巻回の様子を示す概念図である。 本発明の第3の実施の形態の変形にかかる磁性体の構造を例示する斜視図である。 本発明の第3の実施の形態の変形にかかる磁性体が隣接する位置の近傍での電機子巻線の巻回の様子を示す概念図である。 本発明の第4の実施の形態にかかるコアの構造を例示する斜視図である。 本発明の第4の実施の形態の変形にかかるコアの構造を例示する斜視図である。 本発明の第5の実施の形態に採用されるコア要素の構造を例示する斜視図である。 本発明の第5の実施の形態に採用されるコア要素の構造を例示する斜視図である。 本発明の第5の実施の形態に採用されるコア要素の構造を例示する斜視図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる磁性体の構造を例示する斜視図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる磁性体の構造を例示する斜視図である。 本発明の第5の実施の形態にかかるコア要素を合体させる様子を例示する斜視図である。 本発明の第5の実施の形態にかかるコアの構成を例示する斜視図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる固定子の構造を例示する平面図である。 本発明の変形にかかるコアの構造を例示する斜視図である。 本発明の変形にかかるコアの構造を例示する斜視図である。
符号の説明
72U,72V,72W;12;32;42;52;62U,62V,62W;92U,92V,92W)磁性体(71u,71v,71w;76u,74v,73w;11u1,11u2,11v1,11v2,11w1,11w2;31u1,31u2,31v1,31v2,31w1,31w2;35;41u1,41u2,41v1,41v2,41w1,41w2;51u1,51u2,51v1,51v2,51w1,51w2;61u1,61u2,61u3,61u4,63v1,63v2,63v3,63v4,61w1,61w2,61w3,61w4;91u,91v,91w;93u,93v,93w ヨーク
14a,14b;34a,34b;36a;36b;54au2,54bu2;64a,64b,64e,64f,65a,65c 補助溝
71cu,71cv,71cw;76cu,71cv,73cw;11cu1,11cu2,11cv1,11cv2,11cw1,11cw2;31cu1,31cu2,31cv1,31cv2,31cw1,31cw2;35cu2,35cv2;41cu2;51cu2;61c,63c 主部
71au,71av,71aw,71bu,71bv,71bw;76au,71av,73aw,76bu,71bv,73bw;11au1,11bu2,11bv1,11av2,11aw1,11bw2,11bu1,11au2,11av1,11bv2,11bw1,11aw2;31bu1,31au2,31av1,31bv2,31bw1,31aw23,1au1,31bu2,31bv1,31av2,31aw1,31bw2;35au2,35bv2,35bu2,35av2;41au2,41bu2;51bu2,51au2;61a,61b,61e,61f,63a,63b,63e,63f 翼部
71du,71dv,71dw;76du,71dv,73dw;11du1,11u2,11dv1,11v2,11dw1,11dw2;31du1,31du2,31dv1,31dv2,31dw1,31dw2;35du2,35dv2;41du2;51du2;61d,63d 支持部
45au2,45bu2;55au2,55bu2 溝
80;10;20 電機子
70A;70B;10;30;40;50;60 コア

Claims (19)

  1. 透磁性のヨーク(72U,72V,72W;12;32;42;52;62U,62V,62W;92U,92V,92W)と、
    F・m・n個(m,nは正整数、Fは3以上の整数)の磁性体(71u,71v,71w;76u,74v,73w;11u1,11u2,11v1,11v2,11w1,11w2;31u1,31u2,31v1,31v2,31w1,31w2;35;41u1,41u2,41v1,41v2,41w1,41w2;51u1,51u2,51v1,51v2,51w1,51w2;61u1,61u2,61u3,61u4,63v1,63v2,63v3,63v4,61w1,61w2,61w3,61w4;91u,91v,91w;93u,93v,93w)と
    を備え、
    前記磁性体のいずれもが同一の円筒に沿った磁極面を有し、
    前記磁性体は前記円筒の周方向に沿って前記円筒の中心軸(Z0)に対して相互に等角度で配置され、
    前記磁性体は、前記磁極面とは反対側から前記ヨークで相互に磁気的に接続され、
    前記周方向に沿って相互に隣接する前記磁極面同士は、前記中心軸に平行な軸方向(Z)に沿って少なくとも部分的に相互に隣接するコア(70A;70B;10;30;40;50;60)。
  2. 前記Fは3であり、
    前記磁性体(71u,71v,71w;76u,74v,73w;11u1,11u2,11v1,11v2,11w1,11w2;31u1,31u2,31v1,31v2,31w1,31w2;35;41u1,41u2,41v1,41v2,41w1,41w2;51u1,51u2,51v1,51v2,51w1,51w2;91u,91v,91w;93u,93v,93w)毎の前記磁極面の前記周方向の幅は前記中心軸(Z0)を中心として略(180/n)度で広がる、請求項1に記載のコア(70A;70B;10;30;40;50)。
  3. 前記Fは3であり、
    前記磁性体(41u1,41u2,41v1,41v2,41w1,41w2;51u1,51u2,51v1,51v2,51w1,51w2;61u1,61u2,61u3,61u4,63v1,63v2,63v3,63v4,61w1,61w2,61w3,61w4)の前記周方向の幅は前記中心軸(Z0)を中心として略(150/n)度で広がり、
    いずれの一の前記磁性体の前記磁極面も、周方向において直近に隣接する前記磁性体の前記磁極面とは略(90/n)度の範囲で前記軸方向に沿って隣接し、前記磁性体を一つ介して隣接する前記磁性体の前記磁極面とは略(30/n)度の範囲で軸方向Zに沿って並ぶ、請求項1に記載のコア(60)。
  4. 前記磁性体にはその磁極面において、前記中心軸を中心として周方向に略(180/(3・m・n))度置きで前記軸方向(Z)に沿った溝(14a,14b;34a,34b;36a;36b;54au2,54bu2;64a,64b,64e,64f,65a,65c)が設けられる、請求項2及び請求項3のいずれか一つに記載のコア(10;30;50;60)。
  5. 前記磁性体(71u,71v,71w;76u,74v,73w;11u1,11u2,11v1,11v2,11w1,11w2;31u1,31u2,31v1,31v2,31w1,31w2;35u2,35v2;41u1,41u2,41v1,41v2,41w1,41w2;51u1,51u2,51v1,51v2,51w1,51w2;61u1,61u2,61u3,61u4,63v1,63v2,63v3,63v4,61w1,61w2,61w3,61w4;91u,91v,91w;93u,93v,93w)の各々は、
    前記円筒の周方向に延在する主部(71cu,71cv,71cw;76cu,71cv,73cw;11cu1,11cu2,11cv1,11cv2,11cw1,11cw2;31cu1,31cu2,31cv1,31cv2,31cw1,31cw2;35cu2,35cv2;41cu2;51cu2;61c,63c)と、
    前記主部に対して前記円筒の周方向に延在する第1翼部(71au,71av,71aw;76au,71av,73aw;11au1,11bu2,11bv1,11av2,11aw1,11bw2;31au1,31bu2,31bv1,31av2,31aw1,31bw2;35bu2,35av2;41bu2;51bu2;61a,61e,63a,63e)と、
    前記主部に対して前記第1翼部とは反対側で前記周方向に延在する第2翼部(71bu,71bv,71bw;76bu,71bv,73bw;11bu1,11au2,11av1,11bv2,11bw1,11aw2;31bu1,31au2,31av1,31bv2,31bw1,31aw2;35au2,35bv2;41au2;51au2;61b,61f,63b,63f)と
    を有し、
    前記主部と前記第1翼部と前記第2翼部とが相まって前記磁極面を呈し、
    相互に隣接する前記磁性体の一方の前記第1翼部と、他方の前記第2翼部とが、前記軸方向において隣接する、請求項2乃至請求項4のいずれか一つに記載のコア(70A;70B;10;30;40;50;60)。
  6. 前記磁性体(71u,71v,71w;11;31;35;41u1,41u2,41v1,41v2,41w1,41w2;51u1,51u2,51v1,51v2,51w1,51w2;91u,91v,91w;93u1,93u2,93v1,93v2,93w1,93w2)は同型を呈する、請求項5に記載のコア(70A;10;30;40;50)。
  7. 前記nは偶数であり、
    各々の前記磁性体(11;31;35;41u2;51u2)において、前記第1翼部(11a;31a;35a;41au2;51au2)と前記第2翼部(11b;31b;35b;41bu2;51bu2)とは前記軸方向(Z)に対して同じ位置に配置される、請求項6に記載のコア(10;30;40;50)。
  8. 前記磁性体の各々は、前記主部、前記第1翼部、前記第2翼部の少なくとも一つと前記ヨークとを接続する透磁性の支持部(71du,71dv,71dw;76du,71dv,73dw;11du1,11u2,11dv1,11v2,11dw1,11dw2;31du1,31du2,31dv1,31dv2,31dw1,31dw2;35du2,35dv2;41du2;51du2;61d,63d)を更に有する、請求項5乃至請求項7のいずれか一つに記載のコア(70A;70B;10;30;40;50;60)。
  9. 前記磁性体の各々は、前記支持部を前記周方向に略三等分して軸方向(Z)に延在する溝(45au2,45bu2;55au2,55bu2)が設けられる、請求項8に記載のコア(40;50)。
  10. 前記溝は前記磁極面に開口する、請求項9に記載のコア(40)。
  11. 前記支持部(11d)は、前記主部(11c)、前記第1翼部(11a)、前記第2翼部(11b)が相まって前記軸方向(Z)に延在する長さ(Lt)以上の長さ(Ld)で前記軸方向に延在する、請求項8に記載のコア(10)。
  12. 前記軸方向(Z)に沿った前記支持部(31d)の長さ(Ls2)は、前記軸方向に沿った前記翼部(31a,31b)の長さ(Ls1)以下である、請求項8に記載のコア(30;40;50)。
  13. 圧粉鉄心で形成されることを特徴とした、請求項1乃至請求項12のいずれか一つに記載のコア。
  14. 請求項8乃至請求項13のいずれか一つに記載のコアと、
    前記支持部(71du,71dv,71dw;76du,71dv,73dw;11du1,11u2,11dv1,11v2,11dw1,11dw2;31du1,31du2,31dv1,31dv2,31dw1,31dw2;35du2,35dv2;41du2;51du2;61d,63d)に集中巻で巻回された多相巻線と
    を備える電機子。
  15. 請求項14に記載の電機子と、
    前記磁極面と所定の間隔を空けて対向し、前記軸方向に沿った回転軸で前記電機子に対して相対的に回転し、界磁を与える磁極対数が前記nである他の電機子(80;10;20)と
    を備える電動機。
  16. 前記磁極面が相互に隣接する位置においては、前記所定の間隔の2倍以上の間隔(Lh,Lz)が設けられる、請求項15に記載の電動機。
  17. 前記他の電機子は、
    コアと、前記コアに埋設されて前記界磁を与える磁石をその内部に埋め込んで有し、
    そのq軸インダクタンスがd軸インダクタンスよりも大きい、請求項15記載の電動機。
  18. 請求項14に記載の電機子を製造する方法であって、
    それぞれがF・m・n/K個の前記磁性体を前記周方向に等間隔で備えたK個のヨーク要素の各々に対し、
    (a)前記支持部に電機子巻線を巻回するステップと、
    (b)前記ステップ(a)の後に、前記ヨーク要素同士を前記軸方向に沿って合体するステップと
    を備え、前記KはFもしくはm・nに等しい、電機子の製造方法。
  19. 請求項14に記載の電機子を製造する方法であって、
    (a)前記支持部に電機子巻線を巻回するステップと、
    (b)前記ステップ(a)の後に、前記ヨークと前記磁性体とを結合するステップと
    を備える、電機子の製造方法。
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