JP2008133395A - ウレタン接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】被着体との接着性(被着性)に優れ、断熱性にも優れる複合材料を得ることができるウレタン接着剤組成物およびウレタン接着剤組成物の施工方法ならびに複合材料の提供。
【解決手段】ウレタンプレポリマー(A)を含有する基材成分と、
加熱硬化型潜在性硬化剤(B)を含有する硬化剤成分とからなり、
前記ウレタンプレポリマー(A)が、分子内の全てのイソシアネート基が第二級炭素または芳香環を含まない第三級炭素に結合した構造を有し、
前記基材成分および/または前記硬化剤成分に、未発泡の熱発泡性マイクロカプセル(C)を含有するウレタン接着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ウレタン接着剤組成物、ウレタン接着剤組成物の施工方法および複合材料に関する。
従来、建築材料、構造材料、断熱材料として発泡スチロール、発泡ポリエチレン等の各種発泡体が利用されている。
また、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコンエラストマー等の熱硬化性樹脂は、各種構造材料として使用されている。中でも、ポリウレタンは、機械特性が優れ、作業性が良好である等の理由から、塗料、成形材料、断熱材料などの多岐の分野に利用されている。特に、ポリウレタンの発泡体のうち硬質ウレタンフォームは、その優れた断熱性能により、省エネルギーのための断熱材として有用なものとして古くから使用されている。
更に、これらの熱硬化性樹脂は、軽量化、断熱付与、経済的理由により、しばしば発泡体との複合化が行われている(例えば、特許文献1〜3等参照。)。
具体的には、特許文献1には、「下記(1)、(2)、(3)を主成分とする複合材料。(1)粒径0.01〜5mm、発泡倍率3〜100倍のポリ塩化ビニリデン系多泡質発泡粒子10〜99体積%。(2)熱硬化性樹脂1〜90体積%。(3)(1)及び(2)の合計量100重量部に対して、1〜200重量部の補強材。」が記載され([請求項1])、「下記(1)、(2)、(3)を主成分とする原料を硬化時の反応熱及び、その反応熱と外部からの加熱により、硬化と同時に発泡させることを特長とする請求項1記載の複合材料の製造方法。
(1)粒径0.005〜2mmの、発泡剤を含むポリ塩化ビニリデン系未発泡ビーズ。
(2)熱硬化性樹脂原料。ただし、(1)/(2)=100/1〜1/30(重量比)
(3)(1)及び(2)の合計量100重量部に対して、1〜200重量部の補強材。」が記載されている([請求項2])。
また、特許文献2には、「少なくとも下記3成分を含み、粘度が25℃、50〜2000MPa・sであるポリオール組成物。(A)ポリオール化合物(B)低粘度化剤(C)未発泡の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子」が記載され、「そのポリオール組成物を有機イソシアネート化合物と混合して反応させ、その反応熱により発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡せしめてなる複合発泡体。」が記載されている。
一方、特許文献3には、「家屋の床、壁等を形成する断熱性建築用パネルの製造方法であって、枠材を矩形に接合した周囲枠を有する枠組の一面にこの一面を覆う面材が添設されることにより面材を底面とする浅底皿状の凹所が形成されたパネル基体を前記凹所を上に向けて搬送するとともに搬送の間に、搬送されるパネル基体の少なくとも前記凹所を予備加熱するプレヒート工程と、予備加熱された凹所内に断熱用の発泡性樹脂を未発泡状態で塗着させる塗布工程と、塗着された発泡性樹脂を発泡させ発泡断熱層を形成するキュア工程とを含む処理工程を施すことを特徴とする断熱性建築用パネルの製造方法。」が記載されている。
しかしながら、特許文献1および2に記載の複合材料や複合発泡体は、被着体への接着性が劣る問題があり、特許文献1および3に記載の製造方法では、断熱性に優れる材料が得られないという問題があった。
特開平6−155606号公報 特開2001−131256号公報 特開平7−148452号公報
そこで、本発明は、被着体との接着性(被着性)に優れ、断熱性にも優れる複合材料を得ることができるウレタン接着剤組成物およびウレタン接着剤組成物の施工方法ならびに複合材料を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、主剤および硬化剤のいずれか一方または両方に未発泡の熱発泡性マイクロカプセルを含有するウレタン接着剤組成物が被着体との接着性(被着性)に優れ、断熱性にも優れる複合材料を得ることができるウレタン接着剤組成物となることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記(1)〜(7)を提供する。
(1)ウレタンプレポリマー(A)を含有する基材成分と、
加熱硬化型潜在性硬化剤(B)を含有する硬化剤成分とからなり、
上記ウレタンプレポリマー(A)が、分子内の全てのイソシアネート基が第二級炭素または芳香環を含まない第三級炭素に結合した構造を有し、
上記基材成分および/または上記硬化剤成分に、未発泡の熱発泡性マイクロカプセル(C)を含有するウレタン接着剤組成物。
(2)更に、上記基材成分に、エポキシ樹脂(D)を含有する上記(1)に記載のウレタン接着剤組成物。
(3)更に、上記硬化剤成分に、接着付与剤(E)を含有する上記(1)または(2)に記載のウレタン接着剤組成物。
(4)上記接着付与剤(E)が、シランカップリング剤である上記(3)に記載のウレタン接着剤組成物。
(5)加熱前の体積と加熱により発泡させた後の体積との比(加熱後/加熱前)が、1超100以下である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のウレタン接着剤組成物。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のウレタン接着剤組成物の施工方法であって、
上記ウレタン接着剤組成物を被着体に塗布する塗布工程と、
上記塗布工程により塗布された上記ウレタン接着剤組成物を加熱する加熱工程とを具備する施工方法。
(7)上記(6)に記載のウレタン接着剤組成物の施工方法により得られる、被着体上に該被着体に接着した断熱材が形成された複合材料。
以下に示すように、本発明によれば、被着体との接着性(被着性)に優れ、断熱性にも優れる複合材料を得ることができるウレタン接着剤組成物およびウレタン接着剤組成物の施工方法ならびに複合材料を提供することができる。
また、本発明のウレタン接着剤組成物を用いれば、施工方法(複合材料の製造段階)において、接着剤および断熱材の容積を減少することができ、施工工程の簡略化および施工時間の短縮化も図ることできるため非常に有用である。
更に、本発明のウレタン接着剤組成物を用いれば、被着体上に断熱材を形成する際に特別な型も必要としないため、複雑な形状の被着体に対しても断熱材を形成することができるため非常に有用である。
本発明のウレタン接着剤組成物(以下、「本発明の接着剤組成物」ともいう。)は、ウレタンプレポリマー(A)を含有する基材成分と、加熱硬化型潜在性硬化剤(B)を含有する硬化剤成分とからなり、上記ウレタンプレポリマー(A)が、分子内の全てのイソシアネート基が第二級炭素または芳香環を含まない第三級炭素に結合した構造を有し、上記基材成分および/または上記硬化剤成分に、未発泡の熱発泡性マイクロカプセル(C)を含有するウレタン接着剤組成物である。
本発明の接着剤組成物は、上記基材成分に、被着体との接着性をより向上させる観点から、エポキシ樹脂(D)を含有するのが好ましい。
また、本発明の接着剤組成物は、上記硬化剤成分に、被着体との接着性をより向上させる観点から、接着付与剤(E)を含有するのが好ましい。
以下に、ウレタンプレポリマー(A)、加熱硬化型潜在性硬化剤(B)および熱発泡性マイクロカプセル(C)ならびに所望により含有するエポキシ樹脂(D)および接着付与剤(E)について詳述する。
<ウレタンプレポリマー(A)>
上記ウレタンプレポリマー(A)は、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物(即ち、水酸(OH)基に対して過剰のイソシアネート(NCO)基)を反応させて得られる反応生成物のうち、下記式(1)で表されるように、分子内の全てのNCO基が第二級炭素または芳香環を含まない第三級炭素に結合した構造を有するものである。
このような構造を有することにより、得られる本発明の接着剤組成物の貯蔵安定性が良好となる。
Figure 2008133395
上記式(1)中、pは2以上の整数を表し、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、O、NおよびSからなる群より選択される少なくとも1種のヘテロ原子を含んでいてもよい有機基であり、R2は水素原子であってもよい。また、複数のR1およびR2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。更に、R2が水素原子である場合においては、R1とR2の一部とが結合して環を形成していてもよい。
ここで、上記有機基としては、具体的には、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基などの炭化水素基;O、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する基(例えば、エーテル、カルボニル、アミド、尿素基(カルバミド基)、ウレタン結合など)を含む有機基等が挙げられる。これらのうち、R1およびR2で表される有機基は、アルキル基であることが好ましく、具体的には、メチル基であることが好ましい。
このようなウレタンプレポリマー(A)を生成するポリイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H12MDI(水添MDI)、H6TDI(水添TDI)等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
一方、このようなウレタンプレポリマー(A)を生成するポリオール化合物は、OH基を2個以上有する化合物であれば、その分子量および骨格などは特に限定されず、その具体例としては、低分子多価アルコール類、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、およびこれらの混合ポリオール等が挙げられる。
ここで、低分子多価アルコール類としては、具体的には、例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール、(1,3−または1,4−)ブタンジオール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,5−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどの低分子ポリオール;ソルビトールなどの糖類;等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、例えば、ポリオール化合物と、ジアルキルカーボネートとのエステル交換反応により得られる。
このポリオール化合物としては、具体的には、例えば、上記で例示した各種低分子多価アルコール類のうち、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等が好適に挙げられる。
また、このジアルキルカーボネートとしては、例えば、下記式(2)で表されるジアルキルカーボネートを使用することができる。
Figure 2008133395

(式中、R4およびR5は、それぞれ独立に、炭素数12以下のアルキル基である。)
上記式(2)で表されるジアルキルカーボネートとしては、具体的には、例えば、ジメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートが好適に挙げられる。
上記ポリオール化合物と、上記ジアルキルカーボネートとのエステル交換反応に適した触媒としては、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物;ナトリウムメチレート、カリウムメチレート、チタンテトライソプロピレート、ジルコニウムテトライソプロピレート等の金属アルコレート;等が挙げられる。これらのうち、チタンテトライソプロピレート、ジルコニウムテトライソプロピレートが好ましい。
次に、ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールとしては、上記低分子多価アルコール類から導かれるものを用いることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、上記低分子多価アルコール類および上記芳香族ジオール類として例示した化合物から選ばれる少なくとも1種に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド(テトラメチレンオキサイド)などのアルキレンオキサイドおよびスチレンオキサイド等から選ばれる少なくとも1種を付加させて得られるポリオール等が挙げられる。
このようなポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリプロピレントリオール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ソルビトール系ポリオール等が挙げられる。
また、ビスフェノール骨格を有するポリエーテルポリオールの具体例としては、ビスフェノールA(4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン)に、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加させて得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
同様に、ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記低分子多価アルコール類および/または芳香族ジオール類と、多塩基性カルボン酸との縮合物(縮合系ポリエステルポリオール);ラクトン系ポリオール;等が挙げられる。
上記縮合系ポリエステルポリオールを形成する多塩基性カルボン酸としては、具体的には、例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、他の低分子カルボン酸、オリゴマー酸、ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコールとの反応生成物等のヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
また、上記ラクトン系ポリオールとしては、具体的には、例えば、プロピオンラクトン、バレロラクトン等の開環重合体等が挙げられる。
また、ビスフェノール骨格を有するポリエステルポリオールとしては、上記低分子多価アルコール類に代えて、または低分子多価アルコール類とともに、ビスフェノール骨格を有するジオールを用いて得られる縮合系ポリエステルポリオールが挙げられる。具体的には、ビスフェノールAとヒマシ油とから得られるポリエステルポリオール、ビスフェノールAとヒマシ油とエチレングリコールとプロピレングリコールとから得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
その他のポリオールとしては、具体的には、例えば、アクリルポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオールなどの炭素−炭素結合を主鎖骨格に有するポリマーポリオール;等が挙げられる。
本発明においては、以上で例示した種々のポリオール化合物を1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記ウレタンプレポリマー(A)は、上述したように、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物を反応させることによって得られるもののうち、分子内の全てのNCO基が第二級炭素または芳香環を含まない第三級炭素に結合した構造を有するものであり、その具体例としては、上記で例示した各種ポリオール化合物と、各種ポリイソシアネート化合物との組み合わせによるものが挙げられる。
本発明においては、上記ウレタンプレポリマー(A)の製法は特に限定されず、その具体例としては、反応温度を30〜120℃、好ましくは50〜100℃程度とし、常圧下でポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させてウレタンプレポリマーを得る方法等が挙げられる。また、有機スズ化合物、有機ビスマス化合物のようなウレタン化触媒を用いることができる。
また、本発明においては、上記ウレタンプレポリマー(A)の製造において、ポリオール化合物のOH基に対するポリイソシアネート化合物のNCO基の当量比(NCO/OH)は、1.2〜5.0であるのが好ましく、1.5〜3.0であるのがより好ましい。NCO/OHがこの範囲にあると、本発明の接着剤組成物の被着体との接着性がより良好となる。
<加熱硬化型潜在性硬化剤(B)>
上記加熱硬化型潜在性硬化剤(B)は、加熱することにより上記ウレタンプレポリマー(A)を硬化する硬化剤であるが、本発明においては、公知のウレタンプレポリマー用の硬化剤のうち、融点が80℃以上の硬化剤であれば特に限定されない。なお、所望によりエポキシ樹脂(D)を含有する場合、上記加熱硬化型潜在性硬化剤(B)は、加熱することによりエポキシ樹脂(D)を硬化する硬化剤としても作用するものであってもよい。
具体的には、7,11−オクダデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジドなどのヒドラジン系化合物が好適に例示される。
これらの加熱硬化型潜在性硬化剤のうち、7,11−オクダデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジドであるのが、本発明の接着剤組成物の貯蔵安定性および硬化性が良好となる理由から好ましい。
このような加熱硬化型潜在性硬化剤(B)を硬化剤として用いることにより、得られる本発明の接着剤組成物の長期(6月程度)のポットライフを確保しつつ、得られる本発明の接着剤組成物の硬化制御、即ち、接着剤組成物が完全に硬化してしまう前に上記熱発泡性マイクロカプセル(C)を発泡させることが容易となる。
また、このような加熱硬化型潜在性硬化剤(B)を硬化剤として用いることにより、得られる本発明の接着剤組成物を用いて被着体上に形成される断熱材と該被着体との接着性が良好となる。
更に、このような加熱硬化型潜在性硬化剤(B)を硬化剤として用いることにより、現行の施工方法、即ち、被着体上に接着剤を塗布し、断熱材を圧着させる施工方法において使用する接着剤を用いる必要がなく、施工工程の簡略化および施工時間の短縮化も図ることできる。これは、上記ウレタンプレポリマー(A)および上記加熱硬化型潜在性硬化剤(B)とともに後述する未発泡の熱発泡性マイクロカプセル(C)を含有する本発明の接着剤組成物を被着体上に塗布し、加熱することにより、接着剤組成物そのものが被着体に接着した断熱材となるためである。
本発明においては、上記加熱硬化型潜在性硬化剤(B)の含有量は、上記ウレタンプレポリマー(A)のNCO基と上記加熱硬化型潜在性硬化剤(B)の活性水素基との当量比(NCO/活性水素)が0.5〜1.5となる量であるのが好ましく、0.8〜1.2となる量であるのがより好ましい。なお、所望によりエポキシ樹脂(D)を含有する場合、この当量比は、上記ウレタンプレポリマー(A)のNCO基およびエポキシ樹脂(D)のエポキシ基の合計と上記加熱硬化型潜在性硬化剤(B)の活性水素基との当量比である。
上記加熱硬化型潜在性硬化剤(B)の含有量がこの範囲であると、得られる本発明の接着剤組成物の硬化性およびこれを用いて被着体上に形成される断熱材と該被着体との接着性がより良好となる。
<熱発泡性マイクロカプセル(C)>
上記熱発泡性マイクロカプセル(C)は、加熱により発泡するマイクロカプセルであり、本発明においては、基材成分および硬化剤成分のいずれか一方または両方に、未発泡の状態で含有するものである。
上記熱発泡性マイクロカプセル(C)は、従来公知のものを用いることができ、その具体例としては、低沸点溶剤とそれを内包する熱可塑性ポリマー壁材とからなる熱発泡性マイクロカプセルが好適に挙げられる。
ここで、熱可塑性ポリマー壁材に用いられる熱可塑性ポリマーとしては、例えば、アクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル等の単独重合体または共重合体が挙げられる。また、これらに、架橋剤、例えば、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコール(ジ)メタアクリレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMP)、トリアクリルホルマール(TAF)を少量加えて用いることもできる。更に、これらは樹脂の種類、用途等に基づいて適宜選択することができる。
これらのうち、より低温で発泡する観点から、塩化ビニリデンの重合体であるのが好ましい。
次に、内包される低沸点溶剤としては、沸点が−20〜200℃の炭化水素型の溶剤が好適に用いられる。このような溶剤としては、具体的には、例えば、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、石油エーテル等の石油分留成分が挙げられる。
また、上記熱発泡性マイクロカプセル(C)は、粒径が、通常、2〜100μm程度であるのが好ましく、5〜50μm程度であるのがより好ましい。
更に、上記熱発泡性マイクロカプセル(C)は、従来公知の方法により製造することができる。具体的には、例えば、特公昭42−26524号公報に記載されている方法を用いることができる。
本発明においては、このような熱発泡性マイクロカプセル(C)を含有することにより、得られる本発明の接着剤組成物を用いて得られる複合材料の断熱性が良好となり、その容積も減少することができる。これは、本発明の接着剤組成物が未発泡の状態で熱発泡性マイクロカプセル(C)を含有するため、本発明の接着剤組成物を用いて基板上に形成される断熱材が独立発泡体になりやすく、即ち、断熱材内部に存する発泡部分が非連続となりやすく、熱伝導率が低くなるためであると考えられる。
また、このような熱発泡性マイクロカプセル(C)を含有することにより、得られる本発明の接着剤組成物を用いて被着体上に断熱材を形成する際に特別な型も必要としないため、複雑な形状の被着体に対しても断熱材を形成することができる。
また、本発明においては、上記熱発泡性マイクロカプセル(C)の含有量が、上記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部であるのが好ましく、1〜5質量部であるのがより好ましい。なお、所望によりエポキシ樹脂(D)を含有する場合、この含有量は、上記ウレタンプレポリマー(A)およびエポキシ樹脂(D)の合計100質量部に対する含有量である。
上記熱発泡性マイクロカプセル(C)の含有量がこの範囲であると、本発明の接着剤組成物の被着体との接着性がより良好となる。
本発明の接着剤組成物は、加熱前の体積と加熱により発泡させた後の体積との比(加熱後/加熱前)が、1超100以下であるのが好ましく、1〜50であるのがより好ましく、1〜10であるのが更に好ましい。体積比がこの範囲であると、本発明の接着剤組成物の被着体との接着性がより良好となる。
<エポキシ樹脂(D)>
上記エポキシ樹脂(D)は、1分子中に2個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有する化合物からなる樹脂であれば特に限定されず、一般的に、エポキシ当量が90〜2000のものである。
このようなエポキシ樹脂としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。
具体的には、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型等のビスフェニル基を有するエポキシ化合物や、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物や、ナフタレン環を有するエポキシ化合物や、フルオレン基を有するエポキシ化合物等の二官能型のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;
フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型等の多官能型のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;
ダイマー酸等の合成脂肪酸のグリシジルエステル系エポキシ樹脂;
下記式(3)で表されるN,N,N′,N′−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン(TGDDS)、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン(TGMXDA)、下記式(4)で表されるトリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン、テトラグリシジル1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(TG1,3−BAC)、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂;
Figure 2008133395
下記式(5)で表されるトリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカン環を有するエポキシ化合物、具体的には、例えば、ジシクロペンタジエンとメタクレゾール等のクレゾール類またはフェノール類を重合させた後、エピクロルヒドリンを反応させる公知の製造方法によって得ることができるエポキシ化合物;
Figure 2008133395

(式中、mは、0〜15の整数を示す。)
脂環型エポキシ樹脂;東レチオコール社製のフレップ10に代表されるエポキシ樹脂主鎖に硫黄原子を有するエポキシ樹脂;ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂;ポリブタジエン、液状ポリアクリロニトリル−ブタジエンゴムまたはアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を含有するゴム変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらのエポキシ樹脂のうち、ビスフェノールA型であるのが、得られる本発明の接着剤組成物の被着体に対する接着性がより向上する理由から好ましい。
<接着付与剤(E)>
所望により本発明の接着剤組成物に含有していてもよい上記接着付与剤(E)は、従来公知の接着性付与剤であれば特に限定されず、その具体例としては、シランカップリング剤、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、シランカップリング剤であるのが、得られる本発明の接着剤組成物の被着体に対する接着性がより向上する理由から好ましい。
上記シランカップリング剤は、接着付与剤として従来公知のシランカップリング剤であれば特に限定されず、その具体例としては、アミノシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、イソシアネートシラン、ケチミンシランもしくはこれらの混合物もしくは反応物、または、これらとポリイソシアネートとの反応により得られる化合物等が挙げられる。
これらのうち、アミノシラン、メルカプトシランであるのが、得られる本発明の接着剤組成物の被着体に対する接着性が更に向上する理由から好ましい。
アミノシランは、アミノ基またはイミノ基と加水分解性のケイ素含有基とを有する化合物であれば特に限定されず、その具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン、ビスメトキシジメトキシシリルプロピルアミン、ビスエトキシジエトキシシリルプロピルアミン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン等が挙げられる。
メルカプトシランとしては、具体的には、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルエチルジエトキシシラン等が挙げられる。
ビニルシランとしては、具体的には、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン等が挙げられる。
エポキシシランとしては、具体的には、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
メタクリルシランとしては、具体的には、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
イソシアネートシランとしては、具体的には、例えば、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イソシアネートプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
ケチミンシランとしては、具体的には、例えば、ケチミン化プロピルトリメトキシシラン、ケチミン化プロピルトリエトキシシランが挙げられる。
本発明においては、このような接着付与剤(E)を含有することにより、得られる本発明の接着剤組成物を用いて被着体上に形成される断熱材と該被着体との接着性がより良好なものとなる。
また、本発明においては、接着付与剤(E)としてシランカップリング剤を使用する場合、その含有量は、基材成分に含有する上記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0.1〜50質量部であるのが好ましく、0.5〜5質量部であるのがより好ましい。なお、所望によりエポキシ樹脂(D)を含有する場合、この含有量は、上記ウレタンプレポリマー(A)およびエポキシ樹脂(D)の合計100質量部に対する含有量である。
シランカップリン剤の含有量がこの範囲であると、得られる本発明の接着剤組成物を用いて被着体上に形成される断熱材と該被着体との接着性がより良好なものとなる。
本発明の接着剤組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記各種成分以外に、必要に応じて、各種の添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、揺変性付与剤が挙げられる。
充填剤としては、例えば、ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;カーボンブラック等の有機または無機充填剤;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物、脂肪酸エステルウレタン化合物処理物が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
揺変性付与剤としては、例えば、水添ヒマシ油、シリカ、タルク等が挙げられる。
上記の各添加剤は適宜、組み合わせて用いることができる。
本発明においては、上記ウレタンプレポリマー(A)を含有する基材成分は、上記ウレタンプレポリマー(A)および上記熱発泡性マイクロカプセル(C)のみを含有する成分であってもよく、上記熱発泡性マイクロカプセル(C)を含有しない場合は、上記ウレタンプレポリマー(A)のみを含有する成分であってもよいが、必要に応じて、上述したエポキシ樹脂(D)や各種の添加剤(金属触媒を含む。)を含有していてもよい。
同様に、上記加熱硬化型潜在性硬化剤(B)を含有する硬化剤成分は、上記加熱硬化型潜在性硬化剤(B)および上記熱発泡性マイクロカプセル(C)のみを含有する成分であってもよく、上記熱発泡性マイクロカプセル(C)を含有しない場合は、上記加熱硬化型潜在性硬化剤(B)のみを含有する成分であってもよいが、必要に応じて、上述した接着付与剤(E)や各種の添加剤(金属触媒を含む。)を含有していてもよい。
また、本発明の接着材組成物は、硬化剤成分として上記加熱硬化型潜在性硬化剤(B)を用いているため、1液型の接着剤組成物として使用することができるが、上記基材成分からなる第1液(A剤)と上記接着剤成分からなる第2液(B剤)とする2液型の接着剤組成物としても使用することができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上記ウレタンプレポリマー(A)および上記エポキシ樹脂(D)を含有する基材成分と、上記加熱硬化型潜在性硬化剤(B)および上記未発泡の熱発泡性マイクロカプセル(C)ならびに上記各種添加剤(金属触媒を含む。)を含有する硬化剤成分とを混合し、ロール、ニーダー、押出し機、万能撹拌機等を用いて室温下で十分に混合し、均一に分散(混練)させることにより製造することができる。
本発明のウレタン接着剤組成物の施工方法は、上述した本発明のウレタン接着剤組成物の施工方法であって、
上記ウレタン接着剤組成物を被着体に塗布する塗布工程と、
上記塗布工程により塗布された上記ウレタン接着剤組成物を加熱する加熱工程とを具備する施工方法である。
以下に、塗布工程、加熱工程について詳述する。
<塗布工程>
上記塗布工程は、本発明の接着剤組成物を断熱材を形成する被着体表面に塗布する工程である。
ここで、被着体は、断熱材が要求される用途、個所により変わるため特に限定されないが、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フロートガラス、陽極酸化アルミニウム等が挙げられる。
また、本発明の接着剤組成物の被着体への塗布方法としては、具体的には、例えば、スプレー塗布、ディップ塗布、バーコーター塗布、回転塗布等が挙げられる。
<加熱工程>
上記加熱工程は、上記塗布工程により塗布された本発明の接着剤組成物を加熱する工程であり、上記未発泡の熱発泡性マイクロカプセル(C)が発泡するとともに、上記加熱硬化型潜在性硬化剤(B)により、上記ウレタンプレポリマー(A)および所望により含有する上記エポキシ樹脂(D)が硬化する工程である。
本発明においては、上記未発泡の熱発泡性マイクロカプセル(C)が十分に発泡するまでの間、ウレタンプレポリマー(A)およびエポキシ樹脂(D)が硬化してしまうことのないよう、60〜150℃で数十分程度加熱するのが好ましく90〜120℃で15分程度で加熱するのがより好ましい。
加熱の方法としては、例えば、電磁波を用いる電磁波加熱(例えば、放射板に熱放射する方法等)、ヒーター(例えば、電気ヒーター等)を用いる方法、温風を送風する方法が挙げられる。中でも、電磁波加熱であるのが好ましい。
本発明のウレタン接着剤組成物の施工方法により、被着体上に該被着体に接着した断熱材が形成された複合材料が得られる。
このように本発明のウレタン接着剤組成物の施工方法によれば、現行の施工方法、即ち、被着体上に接着剤を塗布し、断熱材を圧着させる施工方法において使用する接着剤を用いる必要がなく、施工工程の簡略化および施工時間の短縮化も図ることできる。これは、上述したように、上記ウレタンプレポリマー(A)および上記加熱硬化型潜在性硬化剤(B)とともに上記熱発泡性マイクロカプセル(C)を含有する本発明の接着剤組成物を被着体上に塗布し、加熱することにより、接着剤組成物そのものが被着体に接着した断熱材となるためである。
以下、実施例を用いて、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1および2)
下記表1に示す各組成成分を、下記表1に示す質量部となるように混合し、ウレタン接着剤組成物を調製した。
次いで、調製した各接着剤組成物を、被着体であるフロートガラス(50mm×50mm×5mm厚)上に塗布した後、120℃で15分間の条件で加熱乾燥させ、被着体上に断熱材が形成された複合材料を作製した。
また、同様の条件で、調製した各接着剤組成物を、陽極酸化アルミニウム板(50mm×50mm×3mm厚)、アクリル樹脂板(50mm×50mm×3mm厚)およびポリエステル板(50mm×50mm×3mm厚)上に塗布し、乾燥させ、被着体上に断熱材が形成された複合材料を作製した。
得られた各複合材料について、以下の方法により接着性を測定した。その結果を表1に示す。
<接着性>
各被着体に対する断熱材の接着性の評価は、作製した各複合材料を23℃、55%RHの条件下で3日間放置して養生した後、ナイフカットによる手はく離試験を行い、破壊の状態を目視で観察した。
なお、表1中、CFは接着剤組成物である断熱材が凝集破壊したこと示し、AFは接着剤組成物である断熱材が接着破壊(界面破壊)したことを示す。
上記と同様の方法で調製した各接着剤組成物を、離型処理した金属性の型(150mm×100mm×15mm厚)に入れ、120℃で10分間の条件で加熱乾燥した後に型から取り出し、断熱材のみからなる試験片を作製した。
得られた各試験片について、以下の方法により熱伝導率および体積比を測定した。その結果を表1に示す。
<熱伝導率>
得られた各試験片の表面の熱伝導率を熱伝導率計(京都電子社製)を用いて測定した。この結果、0.07以下であれば、熱伝導率が非常に優れていると言える。
<体積比>
試験片を作製する際に型に入れた各接着剤組成物の体積(150mm×100mm×15mm=225cm3)と、試験片(断熱材)の体積との比(試験片/接着剤組成物)を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 2008133395
表1中の各組成成分は、以下に示す通りである。
・ウレタンプレポリマーA1:数平均分子量3,000の2官能PPG(エクセノール3020、旭硝子社製)および数平均分子量5,000の3官能PPG(エクセノール5030、旭硝子社製)の質量比1:1の混合物と、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI、日本サイテックインダストリーズ社製)とを、イソシアネート基/水酸基(水酸基1個あたりのイソシアネート基の基数)(以下、「NCO/OH」という。)=2.0となる当量比で混合し、スズ触媒の存在下、窒素気流中、80℃で8時間反応させて得られたウレタンプレポリマー(イソシアネート基含有量:2.2質量%)
・エポキシ樹脂A1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD128、エポキシ当量190、東都化成社製)
・加熱硬化型潜在性硬化剤B1:7,11−オクダデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド(アミキュアUDH、味の素ファインケミカル社製)
・未発泡マイクロカプセルD1:未発泡の熱発泡性マイクロカプセル(マツモトマイクロスフェアーF−2、松本油脂社製、平均粒径:10〜20μm、壁材:ビニルクロライド系コポリマー、固形分:70質量%以上)
表1に示す結果から、実施例1〜5で調製した接着剤組成物から作製した複合材料は、未発泡の熱発泡性マイクロカプセル(C)を含有しない比較例1で調製した接着剤組成物から作製した複合材料に比べて接着性が良好であることが分かった。
また、実施例1〜5で調製した接着剤組成物から作製した断熱材のみからなる試験片は、比較例1および2で調製した接着剤組成物から作製した試験片に比べて非常に低い熱伝導率を示すことから断熱性に優れることが分かった。
更に、実施例1〜5で調製した接着剤組成物から作製した断熱材は、1超100以下であることが分かった。

Claims (7)

  1. ウレタンプレポリマー(A)を含有する基材成分と、
    加熱硬化型潜在性硬化剤(B)を含有する硬化剤成分とからなり、
    前記ウレタンプレポリマー(A)が、分子内の全てのイソシアネート基が第二級炭素または芳香環を含まない第三級炭素に結合した構造を有し、
    前記基材成分および/または前記硬化剤成分に、未発泡の熱発泡性マイクロカプセル(C)を含有するウレタン接着剤組成物。
  2. 更に、前記基材成分に、エポキシ樹脂(D)を含有する請求項1に記載のウレタン接着剤組成物。
  3. 更に、前記硬化剤成分に、接着付与剤(E)を含有する請求項1または2に記載のウレタン接着剤組成物。
  4. 前記接着付与剤(E)が、シランカップリング剤である請求項3に記載のウレタン接着剤組成物。
  5. 加熱前の体積と加熱により発泡させた後の体積との比(加熱後/加熱前)が、1超100以下である請求項1〜4のいずれかに記載のウレタン接着剤組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のウレタン接着剤組成物の施工方法であって、
    前記ウレタン接着剤組成物を被着体に塗布する塗布工程と、
    前記塗布工程により塗布された前記ウレタン接着剤組成物を加熱する加熱工程とを具備する施工方法。
  7. 請求項6に記載のウレタン接着剤組成物の施工方法により得られる、被着体上に該被着体に接着した断熱材が形成された複合材料。
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