JP2008132674A - タイヤ成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加硫時のリフト張力によってベルトコードが角度変化を生じても、加硫後のカーカスコードが波状に屈曲することのないタイヤ成形方法を提供する。
【解決手段】カーカスコード5aがタイヤ軸方向に対して第1の角度θ1 をなすように所定方向に傾斜した状態でカーカス部材をベルト7に接触させた後、タイヤ軸方向両側のカーカスコード5aをタイヤ軸方向に対して第1の角度θ1 の反対方向に第2の角度θ2 だけ傾斜させることにより、加硫時のリフト張力によってベルトコード7aが角度変化を生じた際、ベルト7に接触する部分のカーカスコード5aが第1の角度θ1 だけ反対方向に傾斜してタイヤ周方向に対してほぼ直角になるとともに、これに伴ってカーカスコード5aのタイヤ軸方向両側がそれぞれ第2の角度θ2 の反対方向に傾斜してタイヤ周方向に対してほぼ直角になるようにしたので、加硫後のカーカスコード5aが波状に屈曲することがない。
【選択図】図3

Description

本発明は、主にトラック、バス等の重荷重用の空気入りタイヤの製造に用いられるタイヤ成形方法に関するものである。
一般に、この種の空気入りタイヤを製造する場合には、成形ドラムにインナーライナ及びカーカス部材を巻き付けるとともに、カーカス部材のタイヤ軸方向両端側にそれぞれビード部材を配置した後、カーカス部材をタイヤ径方向に膨張させてベルトの内周面に接触させ、カーカス部材とベルトとを組付けて未加硫タイヤを成形している(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−68661号公報
ところで、前記未加硫タイヤのカーカスコードはタイヤ周方向に対して直角になるように配置されるが、図13(a) に示すように加硫時のリフト張力によってベルト20のベルトコード20aが角度変化を生じ、これに伴ってカーカスコード21が波状に屈曲するという問題がある。このようなカーカスコードの屈曲が生ずると、各ビード間のカーカスコードが本来の最短距離にならならないため、車両装着時の内圧によりカーカスコードが直線状に伸びようとして走行時に外径成長が生ずるとともに、ベルト層に剪断歪みが生じ、ベルト層の耐久性低下や偏摩耗の発生を来すという問題点があった。
また、未加硫タイヤの成形時に、ステッチングによってベルトコードの角度変化に対抗する癖付けを行うことにより、カーカスコードの屈曲を抑制する方法もあるが、ベルトコードの角度変化は点対称の複雑な変化となるため、これに完全に対抗するようにステッチングを行うことは困難であるとともに、このような方法ではステッチングがタイヤの左右非対称になり、未加硫タイヤの偏肉を生ずるという問題点があった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加硫時のリフト張力によってベルトコードが角度変化を生じても、加硫後のカーカスコードが波状に屈曲することのないタイヤ成形方法を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、複数本のカーカスコードがタイヤ周方向に配列されたカーカス部材を成形ドラムに巻き付けるとともに、カーカス部材のタイヤ軸方向両端側にそれぞれビード部材を配置した後、各ビード部材間のカーカス部材をタイヤ径方向に膨張させ、カーカス部材の外周面をベルトの内周面に接触させて未加硫タイヤを成形するタイヤ成形方法において、前記カーカスコードがタイヤ軸方向に対して所定の第1の角度をなすように所定方向に傾斜した状態でカーカス部材をベルトに接触させた後、ベルトとの接触部分以外に位置するタイヤ軸方向両側のカーカスコードを第1の角度の傾斜方向に対してそれぞれ反対方向に所定の第2の角度ずつ傾斜させるようにしている。
これにより、加硫時のリフト張力によってベルトコードが角度変化を生じた際、ベルトに接触する部分のカーカスコードが第1の角度だけ反対方向に傾斜してタイヤ周方向に対してほぼ直角になるとともに、これに伴ってカーカスコードのタイヤ軸方向両側がそれぞれ第2の角度の反対方向に傾斜してタイヤ周方向に対してほぼ直角になることから、加硫後のカーカスコードが波状に屈曲することがない。
本発明によれば、加硫時のリフト張力によってベルトコードが角度変化を生じても、加硫後のカーカスコードが波状に屈曲することがないので、走行時の外径成長によるベルト層の剪断歪みの発生やベルト層の耐久性の低下による偏摩耗の発生を効果的に防止することができる。
図1乃至図5は本発明の第1の実施形態を示すもので、図1は空気入りタイヤの部分正面断面図、図2はタイヤ成形工程を示す成形ドラム及びカーカス部材の側面図、図3はタイヤ成形工程を示す概略平面図、図4はその概略斜視図、図5はその部分正面断面図である。
この空気入りタイヤは、外周面側に形成されるトレッド部1と、幅方向両側に形成されるサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に形成されるビード部3とから構成される。
前記空気入りタイヤを製造する場合は、成形ドラムDにインナーライナ4及びカーカス部材5を巻き付けるとともに、カーカス部材5のタイヤ軸方向両端側にそれぞれビード部材6を配置した後、インナーライナ4及びカーカス部材5をタイヤ径方向に膨張させてベルト6の内周面に接触させ、カーカス部材5にベルト7、トレッド部材8及びサイドウォール部材9を組付けて未加硫タイヤを成形し、未加硫タイヤを加硫成型機で加硫する。
インナーライナ4は気密性を有するシート状のゴムからなり、カーカス部材5の内周面側に配置される。
カーカス部材5は、複数本のカーカスコード5aがタイヤの周方向に配列されたシート状のゴムからなり、その長手方向(タイヤ周方向)の一端部及び他端部をスプライスして円筒状に形成されるとともに、その幅方向両端側をビード部材6を巻き込むようにタイヤ幅方向内側から外側に向けてサイドウォール部2側に折り返される。また、各カーカスコード5aはタイヤ周方向に対して直角になるように配置されている。
ビード部材6は、金属線等のワイヤを束ねてなるビードコア6aと、断面略三角形状のゴムからなるビードフィラー6bとからなり、ビードフィラー6bはビードコア6aの外周側に配置される。
ベルト7はスチールや高強度繊維等からなるベルトコード7aをシート状のゴム材で被覆してなり、カーカス部材5の外周面側に配置される。また、ベルトコード7aはタイヤ周方向に対して傾斜するように配置されている。
トレッド部材8は押出成形によって形成されたゴムからなり、ベルト7の外周面側を覆うように配置される。また、トレッド部材8の外周面には、所定のトレッドパターンをなす溝8aが加硫成型時に形成される。
サイドウォール部材9は押出成形によって形成されたゴムからなり、カーカス部材5の幅方向両端側の外面を覆うように配置される。
前記空気入りタイヤの製造に用いる成形ドラムDは、軸方向両端側のドラム部D1 がそれぞれ回動可能に設けられ、各ドラム部D1 は互いに反対方向に回動するようになっている。各ドラム部D1 は拡径することによりビードコア6aに対応する部分を把持可能に形成されるとともに、それぞれ軸方向に移動可能に設けられている。
次に、本実施形態のタイヤ成形方法について説明する。尚、以下に説明する工程はタイヤ製造工程の一部を示すもので、他の製造工程については従来と同等であるため省略する。
まず、成形ドラムDにインナーライナ4を巻き付けるとともに、図2(a) に示すようにカーカス部材5を巻き付けて円筒状に成形した後、図2(b) に示すようにカーカス部材5の軸方向両端側にそれぞれ各ビード部材6を配置し、成形ドラムDの各ドラム部D1 を拡径してビードコア6aを把持する。ここで、図3(a) 及び図4(a) に示すように成形ドラムDの各ドラム部D1 を互いに反対方向に回動してカーカス部材5のカーカスコード5aをタイヤ軸方向に対して所定の第1の角度θ1 だけ所定方向に傾斜させながら各ドラム部D1 を互いに近づくように移動させることにより、カーカス部材5をタイヤ径方向に膨張させ、図5に示すようにカーカス部材5の外周面をベルト7の全幅Wの75%以上90%以下の接触幅W1 でベルト7の内周面に接触させる。この状態で各ドラム部D1 を前記回動方向とは反対方向にそれぞれ回動することにより、図3(b) 及び図4(b) に示すようにベルト7との接触部分以外に位置するタイヤ軸方向両側のカーカスコード5aを第1の角度θ1 の反対方向に第2の角度θ2 だけ傾斜させた後、カーカス部材5の軸方向両端側をそれぞれビードコア6aからタイヤ外側面側に折り返し、ステッチングにより未加硫タイヤを成形する。
この後、未加硫タイヤを加硫する際、加硫時のリフト張力によってベルトコード7aがタイヤ周方向に対して角度変化を生じ、これに伴ってカーカスコード5aの角度も変化するが、ベルト7に接触する部分のカーカスコード5aは予めタイヤ軸方向に対して第1の角度θ1 だけ所定方向に傾斜しているので、ベルトコード7aの角度変化に伴ってカーカスコード5aが第1の角度θ1 の反対方向に傾斜し、図3(c) に示すようにベルト7に接触する部分のカーカスコード5aがタイヤ周方向に対してほぼ直角になる。また、タイヤ軸方向両側(ベルト7に接触する部分以外の部分)のカーカスコード5aは予めタイヤ軸方向に対して第2の角度θ2 だけ第1の角度θ1 の反対方向に傾斜しているので、ベルト7に接触する部分のカーカスコード5aの角度変化に伴ってカーカスコード5aのタイヤ軸方向両側がそれぞれ第2の角度θ2 の反対方向に傾斜し、図3(c) に示すようにカーカスコード5aのタイヤ軸方向両側もタイヤ周方向に対してほぼ直角になる。
このように、本実施形態のタイヤ成形方法によれば、カーカスコード5aがタイヤ軸方向に対して所定の第1の角度θ1 をなすように所定方向に傾斜した状態でカーカス部材5をベルト7に接触させた後、タイヤ軸方向両側のカーカスコード5aをタイヤ軸方向に対して第1の角度θ1 の反対方向にそれぞれ所定の第2の角度θ2 だけ傾斜させることにより、加硫時のリフト張力によってベルトコード7aが角度変化を生じた際、ベルト7に接触する部分のカーカスコード5aが第1の角度θ1 だけ反対方向に傾斜してタイヤ周方向に対してほぼ直角になるとともに、これに伴ってカーカスコード5aのタイヤ軸方向両側がそれぞれ第2の角度θ2 の反対方向に傾斜してタイヤ周方向に対してほぼ直角になるようにしたので、加硫後のカーカスコード5aが波状に屈曲することがなく、走行時の外径成長によるベルト層の剪断歪みの発生やベルト層の耐久性の低下による偏摩耗の発生を効果的に防止することができる。
この場合、成形ドラムDの軸方向両端側のドラム部D1 を互いに反対方向に回動させることにより、タイヤ軸方向両側のカーカスコード5aを第1及び第2の角度θ1 ,θ2 にそれぞれ傾斜させるようにしたので、成形ドラムDによってカーカスコード5aを傾斜させることができ、カーカスコード5aが傾斜していない通常のカーカス部材5を用いることができる。
また、カーカス部材5をベルト7に接触させる際、接触幅W1 がベルト7の全幅Wの90%よりも大きいと、未加硫タイヤの外径が大きくなりすぎたり、ステッチングによる成形圧力が高められないなどの不具合があり、接触幅W1 がベルト7の全幅Wの75%よりも小さいと、カーカス部材5とベルト7との接触が不十分になるため、カーカス部材5の外周面をベルト7の全幅Wの75%以上90%以下の接触幅W1 でベルト7の内周面に接触させることにより、常に良好な成形を行うことができる。
図6及び図7は本発明の第2の実施形態を示すもので、図6はタイヤ成形工程を示す成形ドラム及びカーカス部材の側面図、図7はタイヤ成形工程を示す概略平面図である。尚、前記実施形態と同等の構成部分には同一の符号を付して示す。
本実施形態では、図6(a) に示すようにカーカスコード10aがタイヤ軸方向に対して予め第1の角度θ1 に傾斜するように形成されたカーカス部材10を成形ドラムDに巻き付けて円筒状に成形した後、図6(b) に示すようにカーカス部材10の軸方向両端側にそれぞれ各ビード部材6を配置し、成形ドラムDの各ドラム部D1 を拡径してビードコア6aを把持する。この後、各ドラム部D1 を互いに近づくように移動させることにより、図7(a) に示すようにカーカスコード10aが予め第1の角度θ1 に傾斜したカーカス部材10をタイヤ径方向に膨張させ、第1の実施形態と同様にカーカス部材10の外周面をベルト7の内周面に接触させる。この状態で各ドラム部D1 を前記回動方向とは反対方向にそれぞれ回動することにより、図7(b) に示すようにベルト7との接触部分以外に位置するタイヤ軸方向両側のカーカスコード10aを第1の角度θ1 の反対方向に第2の角度θ2 だけ傾斜させた後、カーカス部材10の軸方向両側をそれぞれビードコア6aからタイヤ外側面側に折り返し、ステッチングにより未加硫タイヤを成形する。
この後、未加硫タイヤを加硫する際、加硫時のリフト張力によってベルトコード7aがタイヤ周方向に対して角度変化を生じ、これに伴ってカーカスコード10aの角度も変化するが、ベルト7に接触する部分のカーカスコード10aは予めタイヤ軸方向に対して第1の角度θ1 だけ所定方向に傾斜しているので、ベルトコード7aの角度変化に伴ってカーカスコード10aが第1の角度θ1 の反対方向に傾斜し、図7(c) に示すようにベルト7に接触する部分のカーカスコード10aがタイヤ周方向に対してほぼ直角になる。また、タイヤ軸方向両側(ベルト7に接触する部分以外の部分)のカーカスコード10aは予めタイヤ軸方向に対して第2の角度θ2 だけ第1の角度θ1 の反対方向に傾斜しているので、ベルト7に接触する部分のカーカスコード10aの角度変化に伴ってカーカスコード10aのタイヤ軸方向両側がそれぞれ第2の角度θ2 の反対方向に傾斜し、図7(c) に示すようにカーカスコード10aのタイヤ軸方向両側もタイヤ周方向に対してほぼ直角になる。
このように、本実施形態のタイヤ成形方法によれば、第1の実施形態と同様、カーカスコード10aがタイヤ軸方向に対して所定の第1の角度θ1 をなすように所定方向に傾斜した状態でカーカス部材10をベルト7に接触させた後、タイヤ軸方向両側のカーカスコード10aをタイヤ軸方向に対して第1の角度θ1 の反対方向にそれぞれ所定の第2の角度θ2 だけ傾斜させることにより、加硫時のリフト張力によってベルトコード7aが角度変化を生じた際、ベルト7に接触する部分のカーカスコード10aが第1の角度θ1 だけ反対方向に傾斜してタイヤ周方向に対してほぼ直角になるとともに、これに伴ってカーカスコード10aのタイヤ軸方向両側がそれぞれ第2の角度θ2 の反対方向に傾斜してタイヤ周方向に対してほぼ直角になるようにしたので、加硫後のカーカスコード10aが波状に屈曲することがなく、走行時の外径成長によるベルト層の剪断歪みの発生やベルト層の耐久性の低下による偏摩耗の発生を効果的に防止することができる。
この場合、カーカスコード10aが予め第1の角度θ1 に傾斜するように形成されたカーカス部材10を成形ドラムDに巻き付けた後、カーカス部材10をベルト7に接触させるようにしたので、成形ドラムDを回動してカーカスコード10aを第1の角度θ1 に傾斜させる工程が不要となり、成形行程の簡素化を図ることができる。
ここで、第1及び第2の実施形態の成形方法により成形したタイヤの実施例について、カーカスコードが波状に屈曲する、いわゆるコードウェイブの発生と、ベルト耐久性の試験をそれぞれ行ったところ、以下の結果が得られた。この試験では、タイヤサイズが11R22.5、最大ベルト幅が200mm、ベルト角度が20゜のものを用いて行った。評価方法は、比較例を100とした場合の指数で評価し、数値が高い方が優位性ありとして判定した。コードウェイブの発生については、試験タイヤの内部をX線で撮影し、最大ベルト端50mmの範囲で1本のカーカスコードがタイヤ軸方向に平行な線を何本跨ぐかを指数化して評価した。指数が低いほどコードウェイブの発生具合が低い(コードが直線状に近い)ことを示す。ベルト耐久性の試験では、ドラム耐久試験機によりタイヤが破壊するまでの走行距離を比較して評価した。
前記試験の結果、本発明の実施例1〜7は、コードウェイブの発生とベルト耐久性の試験の何れにおいても比較例1及び2に比べて良好な結果が得られた。尚、実施例1〜6は前記第1の実施形態に係るもので、実施例7は前記第2の実施形態2に係るものである。
図9乃至図12は本発明の第3の実施形態を示すもので、図9は空気入りタイヤの部分正面断面図、図10はタイヤ成形工程を示す成形ドラム及びカーカス部材の側面図、図11はカーカスコード及び補強コードを示すビード部の概略側面図、図12は試験結果を示す図である。尚、前記実施形態と同等の構成部分には同一の符号を付して示す。
本実施形態の空気入りタイヤは、ビード部3を補強するための補強層11を備え、補強層11は補強部材12によって形成され、その他の部分は第2の実施形態と同様の成形方法によって成形される。
補強部材12は、例えばナイロンとスチールとの複合材からなる補強コード12aをシート状のゴム材で被覆してなり、補強コード11aはタイヤ径方向に対して傾斜するように配置されている。
本実施形態では、図10(a) に示すようにカーカスコード10aがタイヤ軸方向に対して予め第1の角度θ1 に傾斜するように形成されたカーカス部材10を成形ドラムDに巻き付けて円筒状に成形した後、補強コード12aがタイヤ軸方向に対して予め第3の角度θ3 に傾斜するように形成された補強部材12をカーカス部材10のタイヤ軸方向両側にそれぞれ補強コード12aの傾斜方向がカーカスコード10aの傾斜方向と反対向きになるように巻き付ける。この後、図10(b) に示すようにカーカス部材10の軸方向両端側にそれぞれ各ビード部材6を配置し、成形ドラムDの各ドラム部D1 を拡径してビードコア6aを把持した後、各ドラム部D1 を互いに近づくように移動させることによりカーカス部材10をタイヤ径方向に膨張させ、カーカス部材10の軸方向両側をそれぞれビードコア6aからタイヤ外側面側に折り返す。その際、図11(a) に示すようにカーカスコード10aはタイヤ径方向に対して第1の角度θ1 だけ傾斜し、図11(b) に示すように補強コード12aは第1の角度θ1 の反対方向にタイヤ径方向に対して第3の角度θ3 だけ傾斜することから、カーカスコード10aと補強コード12aは互いに第1の角度θ1 と第3の角度θ3 を加えた傾斜角度をなす。尚、この後の工程は第2の実施形態と同様である。
このように、本実施形態のタイヤ成形方法によれば、補強コード12aがタイヤ軸方向に対して予め第3の角度θ3 に傾斜するように形成された補強部材12をカーカス部材10のタイヤ軸方向両側にそれぞれ補強コード12aの傾斜方向がカーカスコード10aと反対向きになるように巻き付けるようにしたので、カーカスコード10aと補強コード12aとを互いに第1の角度θ1 と第3の角度θ3 を加えた角度だけ傾斜させることができ、タイヤ径方向に対する補強コード12aの傾斜角度が小さい補強部材12を用いた場合でも、カーカスコード10aとのなす角度を大きくすることができる。これにより、加硫成形時における補強コード12aの角度変化を小さくすることができるので、補強コード12aの角度変化に伴うカーカスコード10aの曲がりも抑制することができ、走行時の外径成長によるベルト層の剪断歪みの発生やベルト層の耐久性の低下による偏摩耗の発生を効果的に防止することができる。
ここで、第3の実施形態の成形方法により成形したタイヤの実施例について、ビード部の耐久性と外径成長の試験を行ったところ、以下の結果が得られた。この試験では、タイヤサイズが11R22.5のものを用い、タイヤ空気圧700kPa、荷重26.72×140%、速度20km/hの条件で行った。評価方法は、比較例を100とした場合の指数で評価し、数値が高い方が優位性ありとして判定した。ビード部の耐久性試験については、故障を生ずるまでの走行距離を比較して評価し、外径成長については、走行距離5000kmで測定したタイヤの外周を比較して評価した。
前記試験の結果、本発明の実施例1〜3は、ビード部耐久性と外径成長の試験の何れにおいても比較例に比べて良好な結果が得られた。
本発明の第1の実施形態を示す空気入りタイヤの部分正面断面図 タイヤ成形工程を示す成形ドラム及びカーカス部材の側面図 タイヤ成形工程を示す概略平面図 タイヤ成形工程を示す概略斜視図 タイヤ成形工程を示す部分正面断面図 本発明の第2の実施形態のタイヤ成形工程を示す成形ドラム及びカーカス部材の側面図 タイヤ成形工程を示す概略平面図 試験結果を示す図 本発明の第3の実施形態を示す空気入りタイヤの部分正面断面図 タイヤ成形工程を示す成形ドラム及びカーカス部材の側面図 カーカスコード及び補強コードを示すビード部の概略側面図 試験結果を示す図 従来のタイヤ成形工程を示す概略平面図
符号の説明
5…カーカス部材、5a…カーカスコード、6…ビード部材、7…ベルト、10…カーカス部材、10a…カーカスコード、12…補強部材、12a…補強コード、D…成形ドラム、D1 …ドラム部。

Claims (6)

  1. 複数本のカーカスコードがタイヤ周方向に配列されたカーカス部材を成形ドラムに巻き付けるとともに、カーカス部材のタイヤ軸方向両端側にそれぞれビード部材を配置した後、各ビード部材間のカーカス部材をタイヤ径方向に膨張させ、カーカス部材の外周面をベルトの内周面に接触させて未加硫タイヤを成形するタイヤ成形方法において、
    前記カーカスコードがタイヤ軸方向に対して所定の第1の角度をなすように所定方向に傾斜した状態でカーカス部材をベルトに接触させた後、
    ベルトとの接触部分以外に位置するタイヤ軸方向両側のカーカスコードを第1の角度の傾斜方向に対してそれぞれ反対方向に所定の第2の角度ずつ傾斜させる
    ことを特徴とするタイヤ成形方法。
  2. 前記成形ドラムの軸方向両端側を互いに反対方向に回動することによりカーカスコードを第2の角度に傾斜させる
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ成形方法。
  3. 前記カーカス部材をベルトの全幅の75%以上90%以下の幅でベルトに接触させた状態でカーカスコードを第2の角度に傾斜させる
    ことを特徴とする請求項1または2記載のタイヤ成形方法。
  4. 前記カーカス部材が巻き付けられた成形ドラムの軸方向両端側を互いに反対方向に回動することによりカーカスコードを第1の角度に傾斜させた後、カーカス部材をベルトに接触させる
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のタイヤ成形方法。
  5. 前記カーカスコードが予め第1の角度に傾斜するように形成されたカーカス部材を成形ドラムに巻き付けた後、カーカス部材をベルトに接触させる
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のタイヤ成形方法。
  6. 成形ドラムに巻き付けられたカーカス部材のタイヤ軸方向両側に、タイヤ軸方向に対して所定の第3の角度に傾斜した補強コードを有する補強部材をそれぞれ補強コードの傾斜方向がカーカスコードの傾斜方向と反対向きになるように巻き付ける
    ことを特徴とする請求項5記載のタイヤ成形方法。
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