JP2008127426A - 油圧作動油及びそれを用いた油圧システム - Google Patents

油圧作動油及びそれを用いた油圧システム Download PDF

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Abstract

【課題】粘度指数が高く、せん断安定性に優れ、油圧システムの省エネルギー化を実現することが可能な油圧作動油、並びに該油圧作動油を用いた油圧システムを提供する。
【解決手段】鉱物油及び/又はポリ−α−オレフィンを基油とし、動粘度(40℃)が10〜600mm2/sで、粘度指数が140〜200で、高温高せん断時(TBS粘度,100℃)の粘度低下率が0.5%以下で、せん断安定性試験(JPI法)での粘度低下率が0.5%以下である油圧作動油、並びに該油圧作動油を用いた油圧システムである。
【選択図】図2

Description

本発明は、油圧作動油及びそれを用いた油圧システムに関し、特に粘度指数が高く、せん断安定性に優れ、油圧システムの省エネルギー化を実現することが可能な油圧作動油に関するものである。
近年、様々な分野で環境への対応が求められている。2005年2月には京都議定書が発効され、温暖化防止策が各国に課せられている。特に、二酸化炭素の削減は急務な課題であり、国内各種産業分野、自動車をはじめとする輸送分野、一般消費生活のそれぞれで省エネルギー活動が盛んになっている。また、2006年4月からは、改正省エネ法も施行された。生産活動や一般生活に欠かせない電力を削減することで、結果として、二酸化炭素の削減に寄与することができる。産業設備機械の中でも、射出成型機、工作機械、プレス加工機、鍛圧プレス加工などの大きな仕事エネルギーを必要とするシステムには、油圧ポンプの加圧エネルギーを運動エネルギー(仕事エネルギー)に変換できる油圧システムが多用されている。この油圧システムにおいても、省エネルギーのニーズが高くなっており、油圧機器・回路によるハード面での対応が進められ、具体的には、インバータ制御、空気圧とのハイブリッド化などが適用されている。
一方、油圧システムの圧力媒体である油圧作動油に対しても、省エネルギー対策が求められている。従来、油圧作動油での省エネルギー対応策としては、低粘度化と高粘度指数化が必要不可欠であった。油圧作動油を低粘度化することで、油圧ポンプや配管での流体抵抗を低減できるものの、油圧ポンプでの内部漏れにより容積効率が低下するため、油圧ポンプの全効率には最適粘度がある[非特許文献1]。一方、油圧作動油を高粘度指数化することで、低温での粘度上昇を抑制でき、気温が低い季節での暖機運転を短縮できるので、油圧作動油の高粘度指数化は、起動時の消費電力を低減するには好適な対策と言える。そのため、従来、油圧作動油の省エネルギー対策として、鉱物油や合成油に高分子量のPMAポリマーを配合し、粘度指数を高める手法が採られてきた。
岡部平八郎,山口惇監修,作動油ハンドブック(1985),潤滑通信社発行
しかしながら、分子量数万〜数十万のポリマーを配合した油圧作動油は、非ニュートン流体として振る舞い、せん断がかかると粘度低下を起こし、制御バルブでの油モレが生じ、安定した制御が困難となり、長期の使用において粘度低下などの課題があった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、粘度指数が高く、せん断安定性に優れ、油圧システムの省エネルギー化を実現することが可能な油圧作動油、並びに該油圧作動油を用いた油圧システムを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、油圧システムに、特定の動粘度及び粘度指数を有し、せん断安定性に優れ、ニュートン流体としての挙動を示す油圧作動油を用いることで、油圧システムの省エネルギー化を実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の油圧作動油は、鉱物油及び/又はポリ−α−オレフィンを基油とし、動粘度(40℃)が10〜600mm2/sで、粘度指数が140〜200で、高温高せん断時(TBS粘度,100℃)の粘度低下率が0.5%以下で、せん断安定性試験(JPI法)での粘度低下率が0.5%以下であることを特徴とする。
本発明の油圧作動油は、分子量5000以下のオレフィン共重合体を0.1〜10重量%含むことが好ましい。ここで、分子量5000以下のオレフィン共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体が好ましい。ここで、分子量は、数平均分子量(Mn)をさす。
本発明の油圧作動油は、下記一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3):
Figure 2008127426
Figure 2008127426
Figure 2008127426
[式中、Rは、それぞれ独立して炭素数8〜24の飽和炭化水素基を表わす]のいずれかで表わされる化合物を0.01〜10重量%含むことが好ましい。
また、本発明の油圧システムは、上記の油圧作動油を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、粘度指数が高く、せん断安定性に優れ、油圧システムの省エネルギー化を実現することが可能な油圧作動油を提供することができる。
[油圧作動油]
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の油圧作動油は、鉱物油及び/又はポリ−α−オレフィンを基油とし、動粘度(40℃)が10〜600mm2/sで、粘度指数が140〜200で、高温高せん断時(TBS粘度,100℃)の粘度低下率が0.5%以下で、せん断安定性試験(JPI法)での粘度低下率が0.5%以下である。
本発明の油圧作動油は、動粘度(40℃)が10〜600mm2/sであり、10〜170mm2/sであることが好ましく、10〜68mm2/sであることが更に好ましい。動粘度(40℃)が10mm2/s未満では、油圧ポンプでの内部漏れにより容積効率が低下し、一方、600mm2/sを超えると、油圧作動油を用いた油圧システムの消費電力が大きくなる。
本発明の油圧作動油は、粘度指数が140〜200である。粘度指数が140未満では、低温での粘度上昇を抑制できない。一方、分子量5000以下のオレフィン共重合体を配合して粘度指数を高める場合、コスト面、および動粘度(40℃)600mm2/s以下を満たそうとすると、粘度指数は200が実質的な上限である。
本発明の油圧作動油は、高温高せん断時(TBS粘度,100℃)の粘度低下率が0.5%以下であり、0.4%以下であることが好ましい。高温高せん断時(TBS粘度,100℃)の粘度低下率が0.5%を超える油圧作動油は、高温で高せん断がかかると粘度低下を起こして、制御バルブ等で油モレし、安定した制御が困難であり、また、長期の使用において粘度が低下することがある。ここで、高温高せん断時(TBS粘度,100℃)の粘度低下率は、JIS K2283の毛細管粘度計の低せん断条件下で測定した粘度の値に対する、TBS粘度計を用い100℃で測定した高温高せん断条件下で測定した粘度の値の低下率として算出することができる。
本発明の油圧作動油は、せん断安定性試験(JPI法)での粘度低下率が0.5%以下であり、0.4%以下であることが好ましい。せん断安定性試験(JPI法)での粘度低下率が0.5%を超える油圧作動油は、せん断がかかると粘度低下を起こして、制御バルブで油モレし、安定した制御が困難であり、また、長期の使用において粘度低下を起こすことがある。ここで、せん断安定性試験(JPI法)での粘度低下率は、JIS K2283に準拠して、超音波法により、10KC、60分、40℃の条件下で、動粘度(40℃)の変化率として算出することができる。
<基油>
本発明の油圧作動油に用いる基油は、鉱物油及び/又はポリ−α−オレフィンである。前記鉱物油は、一般に、原油を常圧蒸留し、あるいは更に減圧蒸留して得られる留出物を各種の精製プロセスで精製した潤滑油留分である。ここで、精製プロセスとしては、水素化精製、溶剤抽出、溶剤脱ロウ、水素化脱ロウ、硫酸洗浄、白土処理などが挙げられる。これらのプロセスを適切な順序で組み合わせて処理して、本発明に好適な鉱物油系の基油を得ることができる。異なる原油あるいは留出油を用い、異なるプロセスの組み合わせ、順序により得られた、性状の異なる複数の精製油の混合油も好適な基油として用いることができる。一方、ポリ−α−オレフィンとしては、粘度特性及びコストを勘案すると、例えば、1−デセンや1−ドデセンなどを原料としたものが好ましい。さらに、本発明の油圧作動油に用いる基油としては、各種の鉱油基材の混合油、あるいは各種のポリ−α−オレフィンの混合油、およびそれら基材の任意な割合の混合油を使用することもできる。
これらの基油の物性は、特に限定されるものではないが、40℃における動粘度が5〜600mm2/sであることが好ましく、10〜580mm2/sであることが更に好ましく、粘度指数が80〜150であることが好ましく、流動点が−10℃以下であることが好ましい。
<粘度指数向上剤>
本発明では、動粘度(40℃)、粘度指数、高温高せん断時(TBS粘度,100℃)の粘度低下率、せん断安定性試験(JPI法)での粘度低下率が上記の範囲を満たすように、上述の基油にせん断安定性が高い粘度指数向上剤を配合することが好ましい。せん断安定性の高い粘度指数向上剤としては、分子量5000以下のオレフィン共重合体が好ましく、低分子量のエチレン−α−オレフィン共重合体が更に好ましい。該エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィンを配位アニオン重合触媒などによって共重合したものであり、重合度によって粘度を調整することが可能である。本発明においては、上記粘度特性を実現できる分子量5000以下のオレフィン共重合体を適宜配合することが可能であり、特に限定されるものではないが、コストなどを勘案すると、動粘度(40℃)が300〜40000mm2/sで,平均分子量が1000〜4000のエチレン−プロピレン共重合体を配合することが特に好ましい。
なお、分子量5000以下のオレフィン共重合体の含有量は、油圧作動油の0.1〜10重量%の範囲が好ましい。オレフィン共重合体の含有量が0.1重量%未満では、粘度指数を十分に向上させられないことがあり、一方、10重量%を超えても粘度指数の向上効果が飽和するとともに、動粘度を確保するためにはより低粘度の基油が必要となる。
<摩擦低減剤>
油圧システムの省エネルギー化のためには,油圧ポンプやシリンダーなどの摺動部における摩擦を低減することも重要である。そのため、本発明の油圧作動油には、摩擦低減効果を発揮しつつ、酸化安定性に優れ、ロングライフ化が可能な摩擦低減剤として、上記一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)のいずれかで表わされる化合物を配合することが好ましい。
上記一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)のにおいて、Rは、炭素数8〜24の飽和炭化水素基を表わし、分子中にRが複数存在する場合、各Rは、同一でも、異なってもよい。ここで、炭素数8〜24の飽和炭化水素基としては、n−ラウリル基(炭素数12)やiso−ステアリル基(炭素数18)などが好ましい。式(1)、(2)及び(3)のいずれかで表わされる化合物は、Rが炭素数8〜24の飽和炭化水素基であるため、酸化安定性が高い。
なお、上記一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)のいずれかで表わされる化合物の含有量は、油圧作動油の0.01〜10重量%の範囲、特には0.02〜1重量%の範囲が好ましい。式(1)、(2)及び(3)のいずれかで表わされる化合物の含有量が0.01重量%未満では、十分な摩擦低減効果が得られず、一方、10重量%を超えると、摩擦低減効果が飽和してコスト増となるばかりではなく、析出などの問題が生じる。
<その他添加剤>
本発明の油圧作動油には、通常の作動媒体としての性能を付与するために、流動点降下剤、酸化防止剤、防錆剤、摩耗防止剤、極圧剤、油性剤、消泡剤、金属不活性化剤などを適宜配合することができる。なお、流動点降下剤としては、少量の添加で効果がある分子量40万〜60万のポリマー、特にはPMAポリマーが好ましく、その添加量は、0.05〜0.5重量%の範囲が好ましく、0.05〜0.3重量%の範囲が更に好ましい。
[油圧システム]
本発明の油圧システムは、上述の油圧作動油を用いたことを特徴とし、油圧ポンプの加圧エネルギーを運動エネルギー(仕事エネルギー)に変換することができる。本発明の油圧システムは、上記油圧作動油を用いる以外特に制限なく、例えば、射出成型機、工作機械、プレス加工機、鍛圧プレス加工機等の産業設備機械の油圧システムとして、更には、建設機械、工作機械、車輌、船舶、航空機などの油圧機器や装置などの油圧システムとして利用することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
基油として、表1に示す物性の鉱物油およびポリ−α−オレフィン(PAO)を用いた。
Figure 2008127426
(実施例1〜4)
試験油の調製方法は特に限定されるものではないが、表2及び表3に示す基油、添加剤を耐熱性の容器(ステンレス製)に所定量計り取り、60℃に加温して、添加剤を均一に溶解させて試験油を得た。
表2中、オレフィン共重合体(粘度指数向上剤)としては、平均分子量が3700で、動粘度(40℃)が37500mm2/sで、動粘度(100℃)が2000mm2/sであるエチレン−プロピレン共重合体を用いた。
また、実施例1〜4の試験油には、摩擦低減剤として、上記一般式(1)で表わされ、Rがイソステアリル基であるグリセリルモノイソステアレートを添加した。配合量は、実施例1〜3の試験油では0.1重量%とし、実施例4の試験油では0.05重量%とした。
また、その他の添加剤として、油圧作動油としての基本性能を付与するために、実施例1〜4の試験油には、フェノール系酸化防止剤(0.5重量%)、リン系摩耗防止剤(1重量%)、カルボン酸部分エステル系防錆剤(0.05重量%)、およびシリコーン系消泡剤(5重量ppm)をそれぞれ配合した。
(比較例1〜3)
各種性能試験および油圧ポンプを用いた消費電力特性試験においては、表2に示す粘度特性を有するZnDTP系摩耗防止剤を用いた比較例1及び比較例2の試験油を用いた。なお、比較例1の試験油には、比較ポリマーとして、平均分子量100000のPMAポリマーを配合した。また、比較例3の試験油は、実施例2及び4に対応して、摩擦調整剤を配合していない比較油である。
<性能比較>
上記のよにして得た試験油に対して、下記の方法で、動粘度、粘度指数、低温粘度、高温高せん断粘度、せん断安定性を測定した。更に、下記の方法で、摩擦試験を行った。結果を表2及び表3に示す。
(i)動粘度及び粘度指数
動粘度及び粘度指数は、JIS K2283に準拠して、40℃及び100℃で測定した。
(ii)低温粘度
CCSを用いた低温粘度測定をJIS K2010に従って行った。なお、測定温度は、−20℃である。
(iii)高温高せん断粘度
TBS粘度計を用い、100℃の高温高せん断粘度を測定した。JIS K2283の毛細管粘度計の低せん断条件下で測定した粘度とTBS法による高せん断時の粘度とを比較して、高温高せん断時(TBS粘度,100℃)の粘度低下率を求めた。値の変化が大きいほど非ニュートン流体としての性能を有することとなる。
(iv)せん断安定性
JIS K2283に従って、超音波法によるせん断安定性を検討した。測定条件は、10KC、60分、40℃、動粘度(40℃)の変化を測定し、せん断安定性試験(JPI法)での粘度低下率を求めた。
(v)摩擦試験
ボール(SUJ−2製)/ディスク(SUJ−2製)のSRV摩擦試験にて、摩擦係数の測定を行った。試験条件は、荷重100N、振幅数50Hz、振幅1mm、温度40℃である。試験時間15分経過時の摩擦係数をデータとして用いた。
Figure 2008127426
Figure 2008127426
表2から、比較例1の試験油は、粘度指数が148と高いものの、高せん断時の粘度低下が大きく、かつPMAポリマーが高分子量であることから、せん断安定性が劣り粘度低下が生じることが分かる。この結果から、比較例1の試験油は、長期の実使用によって粘度変化が起こり、初期の粘度特性を維持できず、油圧ポンプの性能に変化が生じさせることが分かる。
また、比較例2の試験油は、ポリマーを配合していないため、せん断による粘度変化は少ないが、粘度指数が100程度であるため、低温での粘度が高く、高温域で粘度低下が大きくなる。
一方、実施例1〜3の試験油は、粘度指数が140以上であるにもかかわらず、高温高せん断時の粘度低下がほとんどなく、かつせん断安定性に優れ粘度低下も1/10程度であった。また、実施例1〜3の試験油は、低温での粘度も低く、油圧ポンプの低温時の始動性に優れることが示唆される。
また、表3の結果から、摩擦調整剤を配合することによって、摩擦係数の低下効果が確認された。
次に、下記の方法で、油圧ポンプを用いた消費電力、ポンプ全効率の測定を実施した。なお、評価は、40℃の動粘度をISO粘度グレードVG46にそろえ、せん断安定性に優れる実施例2及び3並びに比較例2の試験油で実施した。
(vi)油圧システムの消費電力特性試験
実験室で図1に示すような簡易な油圧システムを作製し、油圧ポンプを回転させる電動機の消費電力及び油圧ポンプの全効率を測定した。具体的には、図1に示す油圧ユニットは、油タンク(容量40L)、電動機(日立製作所製TFO、22kW)、油圧ポンプ(ベーンポンプ:油研工業製PV2R2−41、ピストンポンプ:油研工業製A37−FR01)、圧力制御弁(油研工業製BG−03−32)、トルク計(小野測器製KST−20)、オイルクーラー(カムイ産業製SHC−416F)、金属製配管およびニトリル製油圧ホースから構成される。油タンクには熱電対を設置して、油温を計測した。また、電動機の消費電力は、電動機の供給電源部(配電盤)に電力計(横河製CW240)を設置し、瞬間電力(kW)を測定した。
試験は、はじめに油圧システムの油タンクに試験油を40L張り込み、無負荷(吐出圧:1MPa以下)、油圧ポンプの回転数1200rpmで、油圧回路内に試験油を循環させ、油圧回路内の残存空気の除去を行うとともに、オイルクーラーによって、タンク油温を15℃に調整した。次いで、ベーンポンプの場合は吐出圧14MPa,ピストンポンプの場合は吐出圧17MPaの一定吐出圧力にて、油圧ポンプを運転した。なお、試験開始時より、オイルクーラーは使用せず、運転に伴う油温の上昇は成り行きとし、油温80℃になった時点で実験を終了した。この間、15℃〜80℃の瞬間消費電力、および油圧ポンプのトルクを計測した。なお、油圧ポンプの全効率は、以下の式:
ポンプ全効率(%)=[ポンプ出力]/[ポンプ軸入力]=[P×Q]/[T×N]
[式中、P=吐出圧力,Q=流量,T=トルク,N=回転数]を用いて算出した。消費電力が低いほど、またポンプ全効率が高いほど、試験油が省エネ特性に優れていることを示す。ベーンポンプ(14MPa)を用いた場合の瞬間消費電力(kW)の油温依存性を図2に、ポンプ全効率(%)の油温依存性を図3に示す。また、ピストンポンプ(17MPa)を用いた場合の瞬間消費電力(kW)の油温依存性を図4に、ポンプ全効率(%)の油温依存性を図5に示す。
その結果、図2に示すように、ベーンポンプでの瞬間消費電力は、比較例3に比べ、実施例2及び3ではいずれも幅広い温度域において消費電力が低く、省エネ性に優れていることが示された。また、図3に示すように、油圧ポンプの全効率も、幅広い温度域で高くなっており、実施例の作動油を用いることで、有効エネルギーが向上することが分かった。
更に、図4及び5に示すように、ピストンポンプを用いた場合も、瞬間消費電力、ポンプ全効率ともにベーンポンプの場合と同様に、実施例の作動油を用いた方が、省エネ特性が高いことが確認された。
上記の通り、鉱物油及び/又はポリ−α−オレフィンを基油とし、動粘度(40℃)が10〜600mm2/sで、粘度指数が140〜200で、高温高せん断時(TBS粘度,100℃)の粘度低下率が0.5%以下で、せん断安定性試験(JPI法)での粘度低下率が0.5%以下である本発明の油圧作動油は、消費電力が低く、かつ油圧ポンプの全効率が高いことから、油圧システムの省エネルギー化に有効である。
油圧ポンプによる消費電力及びポンプ全効率測定装置の油圧回路の概略図である。 ベーンポンプ(14MPa)を用いた瞬間消費電力(kW)の油温依存性を示すグラフである。 ベーンポンプ(14MPa)を用いたポンプ全効率(%)の油温依存性を示すグラフである。 ピストンポンプ(17MPa)を用いた瞬間消費電力(kW)の油温依存性を示すグラフである。 ピストンポンプ(17MPa)を用いたポンプ全効率(%)の油温依存性を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 鉱物油及び/又はポリ−α−オレフィンを基油とし、動粘度(40℃)が10〜600mm2/sで、粘度指数が140〜200で、高温高せん断時(TBS粘度,100℃)の粘度低下率が0.5%以下で、せん断安定性試験(JPI法)での粘度低下率が0.5%以下である油圧作動油。
  2. 分子量5000以下のオレフィン共重合体を0.1〜10重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の油圧作動油。
  3. 前記オレフィン共重合体がエチレン−プロピレン共重合体であることを特徴とする請求項2に記載の油圧作動油。
  4. 下記一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3):
    Figure 2008127426
    Figure 2008127426
    Figure 2008127426
    [式中、Rは、それぞれ独立して炭素数8〜24の飽和炭化水素基を表わす]のいずれかで表わされる化合物を0.01〜10重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の油圧作動油。
  5. 請求項1〜4のいずいれかに記載の油圧作動油を用いた油圧システム。
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