JPH06145684A - 油圧作動油組成物 - Google Patents

油圧作動油組成物

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JPH06145684A
JPH06145684A JP31579192A JP31579192A JPH06145684A JP H06145684 A JPH06145684 A JP H06145684A JP 31579192 A JP31579192 A JP 31579192A JP 31579192 A JP31579192 A JP 31579192A JP H06145684 A JPH06145684 A JP H06145684A
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JP
Japan
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acid ester
present
weight
hydraulic fluid
fatty acid
Prior art date
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Pending
Application number
JP31579192A
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English (en)
Inventor
Eiji Kamata
栄司 鎌田
Shozo Matsushita
庄蔵 松下
Mitsugi Yanaka
貢 谷中
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Tonen General Sekiyu KK
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Tonen Corp
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Tonen Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩擦係数が大幅に低減され、かつ、銅溶解性
の低い油圧作動油組成物を提供すること。 【構成】 鉱油に対し、組成物全量基準で、(a)アル
キル基の炭素数3〜8のジアルキルジチオりん酸亜鉛
0.3〜1.5重量%、(b)グリセリン部分脂肪酸エ
ステル0.1〜1.5重量%、及び(c)こはく酸エス
テル0.1〜1.0重量%を含有せしめてなることを特
徴とする油圧作動油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧作動油組成物に関
し、さらに詳しくは、摩擦係数が大幅に低減され、か
つ、銅溶解性の低い油圧作動油組成物に関する。本発明
の油圧作動油組成物は、自動車用油圧作動油、その中で
も特にパワーステアリングフルード(PSF)として好
適である。
【0002】
【従来の技術】油圧作動油は、油圧機器、流体継手、ト
ルクコンバーター、自動変速機、緩衝器などにおける動
力伝達、力の制御、緩衝、潤滑、防錆などの重要な機能
を果たし、油圧システムの信頼性、耐久性に直接影響す
るため、潤滑性能、耐摩耗性、摩擦特性、その他の諸性
能に優れていることが要求される。特に、パワーステア
リングに使用されるPSFに関しては、耐摩耗性が良好
で、かつ、低摩擦係数であることが求められる。
【0003】パワーステアリングは、ステアリング装置
の途中に動力機構を設け、かじ取りの際、補助力を与え
るようにしたもので、ハンドル操作を軽減し自動車の運
転を容易にするための機構である。パワーステアリング
は、オイル・タンク、オイル・ポンプ、コントロール・
バルブ、パワーシリンダー、ステアリングギア・ボック
スなどで構成されており、そこには油圧作動油が使用さ
れている。PSFは、この油圧作動油に当たり、パワー
ステアリングの作用に重要な役割を果たしている。
【0004】PSFは、油圧作動やピストンとシリンダ
間、ギア部などの潤滑の役割を果たしており、これらの
働きに対する必要な性能としては、(1)適正な粘度特
性を有すること、(2)耐摩耗性に優れていること、
(3)摩擦特性に優れていること、(4)熱・酸化安定
性に優れ、長期間の使用に耐えること、(5)耐焼付き
性に優れていること、(6)ゴムシール材との適合性が
あること、(7)泡立ちが少ないこと、等が挙げられ
る。
【0005】従来、これらの要求性能に対して、鉱油等
の基油に、ジチオりん酸亜鉛などの耐摩耗剤、粘度指数
向上剤、酸化防止剤、消泡剤などを添加することによ
り、耐摩耗性や低温流動性などを向上させた各種PSF
が開発されている。しかしながら、従来のPSFは、摩
擦調整剤を添加することによって、ポンプ摺動部やバル
ブにおける摩擦係数を低く維持している。また、耐摩耗
性を改善するためにジチオりん酸亜鉛を添加すると、耐
摩耗性は改善されるものの、摩擦係数が高くなるという
欠点を有する。PSFの摩擦特性が不十分であると、パ
ワーステアリングの円滑さが失われ、異常音が発生して
パワーステアリングの静粛性が損なわれる。また、パワ
ーステリングには、銅製の配管が用いられているが、P
SFの銅溶解性が高いと、油中に溶出した銅の作用によ
って、オイルシールの面荒れを起こし、シール不良を引
き起こし易くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、摩擦
係数が大幅に低減され、かつ、銅溶解性の低い油圧作動
油組成物を提供することにある。また、本発明の目的
は、特に、パワーステアリングフルードとして好適な油
圧作動油組成物を提供することにある。
【0007】本発明者は、前記従来技術の問題点を克服
するために鋭意研究した結果、基油として鉱油を用い、
これにジアルキルジチオりん酸亜鉛と、グリセリン脂肪
酸エステルの内トリエステルを除くモノエステル及び/
またはジエステルを選択的に添加することにより摩擦係
数を大幅に低減させることができ、さらに、無灰清浄分
散剤として、こはく酸エステルを選択して併用すると、
銅溶解性を大幅に低減できることを見出した。そして、
これら各成分の特定量の組み合わせにより、低摩擦係数
かつ銅溶解性の低い油圧作動油組成物の得られることを
見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成する
に至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、鉱油に対し、組成物全量基準で、(a)アルキル基
の炭素数3〜8のジアルキルジチオりん酸亜鉛0.3〜
1.5重量%、(b)グリセリン部分脂肪酸エステル
0.1〜1.5重量%、及び(c)こはく酸エステル
0.1〜1.0重量%を含有せしめてなることを特徴と
する油圧作動油組成物が提供される。以下、本発明につ
いて詳述する。
【0009】(基油)本発明で使用する鉱油としては、
例えば、軽質ニュートラル油、中質ニュートラル油、重
質ニュートラル油、ブライトストックなどが挙げられ
る。これらの鉱油は、100℃での粘度が通常1.5〜
30cSt(mm2/s)の範囲内にあることが好まし
い。
【0010】(ジアルキルジチオりん酸亜鉛)本発明で
使用するジアルキルジチオりん酸亜鉛は、下記一般式
〔1〕で表される化合物である。
【0011】
【化1】 一般式〔1〕中、R1〜R4は、炭素数3〜8のアルキル
基であり、それぞれ同一または相異なっていてもよい。
【0012】ジアルキルジチオりん酸亜鉛は、組成物全
量基準で、0.3〜1.5重量%、好ましくは0.5〜
1.0重量%の割合で使用する。また、2種以上のジア
ルキルジチオりん酸亜鉛を組み合わせて添加してもよ
い。ジアルキルジチオりん酸亜鉛の配合割合が小さすぎ
ると、耐摩耗性改善効果が小さく、逆に、大きすぎる
と、耐摩耗性改善効果が飽和し、また、摩擦係数を増大
させたり、腐食を発生させる場合がある。
【0013】(グリセリン部分脂肪酸エステル)本発明
では、主として摩擦調整剤として機能させるために、グ
リセリンの脂肪酸モノエステル及び/またはジエステル
を使用する。グリセリン脂肪酸エステルとしては、モノ
−、ジ−及びトリ−エステルがあるが、本発明では、ト
リエステル成分を除いたモノエステル、ジエステル、及
びこれらの混合物を選択的に使用する。グリセリン部分
脂肪酸エステルをジアルキルジチオりん酸亜鉛と併用す
ると、摩擦係数を大幅に低減させることができる。本発
明で使用するグリセリン脂肪酸モノエステルは、下記一
般式〔2〕で表される化合物である。
【0014】
【化2】 一般式〔2〕中、R1は、炭素数8〜20の飽和または
不飽和のアルキル基である。本発明で使用するグリセリ
ン脂肪酸ジエステルは、下記一般式〔3〕で表される化
合物である。
【0015】
【化3】 一般式〔3〕中、R1及びR2は、炭素数8〜20の飽和
または不飽和のアルキル基であり、それぞれ同一または
相異なっていてもよい。
【0016】脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、ス
テアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸などが挙げられ
る。グリセリン部分脂肪酸エステルの具体例としては、
オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセ
ライド、オレイン酸ジグリセライド、ステアリン酸ジグ
リセライド、などを挙げることができる。これらのグリ
セリン部分脂肪酸エステルは、それぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて使用することができる。モノ
エステルとジエステルを併用する場合には、好ましい重
量比は、30〜70重量%/30〜70重量%である。
グリセリン部分脂肪酸エステルは、組成物全量基準で
0.1〜1.5重量%、好ましくは0.3〜1.0重量
%の割合で添加する。この使用割合が小さすぎると、摩
擦係数低減効果が小さく、大きすぎると酸化安定性が低
下する。
【0017】(こはく酸エステル)本発明では、無灰清
浄分散剤として、こはく酸エステルを選択的に使用す
る。従来、無灰清浄分散剤の大部分は、こはく酸イミド
系であり、これらの他に、こはく酸アミド系、ペンチル
アミン系、及びこれらのホウ素誘導体等が使用されてき
た。ところが、本発明明者らの研究結果によると、汎用
されているこはく酸イミド系などの無灰清浄分散剤を使
用しても銅溶解性を抑制することができないが、驚くべ
きことに、こはく酸エステルを前記各成分と併用する
と、銅溶解性を大幅に低減できることを見出した。こは
く酸エステルの好ましい具体例としては、下記一般式
〔4〕で表される化合物を挙げることができる。
【0018】
【化4】 一般式〔4〕中、Rは、炭素数6〜30のアルキル基で
ある。
【0019】一般式〔4〕は、こはく酸とペンタエリト
リトールとのモノエステルの場合を表しているが、ペン
タエリトリトールのもう1つの水酸基がこはく酸のもう
1つのカルボキシル基とエステル化したジエステルも好
ましい。こはく酸エステルは、組成物全量基準で0.1
〜1.0重量%、好ましくは0.3〜1.0重量%の割
合で使用する。この使用割合が小さすぎると、銅溶解性
の抑制効果が小さく、大きすぎると、効果が飽和する。
【0020】(その他の添加剤)本発明の油圧作動油組
成物には、本発明の目的を損なわない限り、必要に応じ
て他の添加剤、例えば、粘度指数向上剤、金属清浄剤、
酸化防止剤、防錆剤、消泡剤などを適宜添加することが
できる。
【0021】粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメ
タクリレート系、ポリイソブチレン系、エチレン−プロ
ピレン共重合体系、スチレン−ブタジエン水添共重合体
系等が挙げられ、通常1〜20重量%の割合で使用され
る。金属清浄剤としては、例えば、Ca−スルホネー
ト、Mg−スルホネート、Ba−スルホネート、Ca−
フェネート、Ba−フェネート等がある。10〜400
の塩基価を持つ塩基性または過塩基性の金属清浄剤も使
用することができる。これらは、通常、0.1〜5重量
%の割合で使用される。
【0022】酸化防止剤としては、例えば、アルキル化
ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、ア
ルキル化−α−ナフチルアミン等のアミン系酸化防止
剤、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,4′−メ
チレンビス−(2,6−ジターシャリブチルフェノー
ル)等のフェノール系酸化防止剤等を挙げることがで
き、これらは、通常、0.05〜2重量%の割合で使用
される。
【0023】(油圧作動油組成物)本発明の油圧作動油
組成物は、鉱油、ジアルキルジチオりん酸亜鉛、グリセ
リン部分脂肪酸エステル、及びこはく酸エステルを必須
成分とし、所望により他の添加剤を添加して、均一に混
合することにより得ることができる。本発明の油圧作動
油組成物の100℃での粘度は、通常2〜15cSt、
好ましくは5〜10cStである。
【0024】本発明の油圧作動油組成物は、優れた耐摩
擦性と低摩擦係数を兼ね備え、しかも銅溶解性の低減効
果が顕著である。ジアルキルジチオりん酸亜鉛とグリセ
リン部分脂肪酸エステルのそれぞれ単独使用では、摩擦
係数低減効果は小さいが、両者を併用することにより、
摩擦係数を大幅に低減することができる。また、こはく
酸エステルを併用すると、銅溶解性が著しく小さくな
る。本発明の油圧作動油組成物は、各種機器の油圧作動
油として使用することができるが、特に、PSFとして
好適である。
【0025】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。
【0026】[実施例1〜3、比較例1〜4]基油とし
て100℃での粘度が3.0cStの高度精製鉱油を用
い、表1に示す各成分を添加して潤滑油組成物を調製し
た。使用した各成分は、以下のとおりである。 (1)基油:100℃での粘度が3.0cStの高度精
製鉱油 (2)粘度指数向上剤:ポリメタクリレート (3)酸化防止剤:2,6−ジターシャリーブチルパラ
クレゾール (4)消泡剤:ジメチルポリシロキサン (5)ジチオりん酸亜鉛:1級−C5/C6アルキル基混
合タイプ (6)こはく酸エステル(1):オクタデセニルこはく
酸とペンタエリトリトールとのエステル (7)こはく酸エステル(2):オクタデセニルこはく
酸モノラウリルエステル (8)グリセリン部分脂肪酸エステル:C18アルキル
基、モノエステル/ジエステル=50/50の混合物 (9)こはく酸イミド系無灰清浄分散剤:下記化学式の
化合物。
【0027】
【化5】 (R:ポリブテニル基) (9)ソルビタンエステル:下記化学式の化合物。
【0028】
【化6】 (R:C18アルケニル基) 各成分の配合割合、摩擦係数と銅溶解性の測定結果を一
括して表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】(*1)摩擦係数の測定法:LFW−1に
よる。即ち、図1に示す試験機を用いて、油温50℃、
荷重40kg、回転速度10rpm、鉄−ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)間の摩擦により測定した。
図1中、1は鉄製回転リングであり、2はPTFE製ブ
ロックであり、3は歪み計である。PTFE製ブロック
に荷重をかけ、リングを回転する時に生じる抵抗を歪み
計で検出し、摩擦係数を算出する。試験油は、リングの
半分程度まで浸っている。
【0031】(*2)銅溶解性の測定法:JISに規定
されるビニールコードの銅線3g、オイルシールゴム及
び高圧配管ホースゴムの細片をそれぞれ約3g、試供油
100mlを蓋付き三角フラスコに入れ、80℃の恒温
槽に一定時間放置する。その後、油中の銅溶解量を測定
する。
【0032】表1の結果から、本発明の組成物(実施例
1〜3)が優れた摩擦低減効果と銅溶解性の抑制効果を
示すことが分かる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、従来品と比較して、摩
擦係数が顕著に低減され、かつ、銅溶解性が大幅に低減
された油圧作動油組成物が提供される。本発明の油圧作
動油組成物は、自動車および工業用油圧作動油として使
用することができるが、特に、PSFとして好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、摩擦係数を測定する試験機の外観略図
である。
【符号の説明】
1:鉄製回転リング 2:ポリテトラフルオロエチレン製ブロック 3:歪み計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 10:04 30:06 40:08 (72)発明者 谷中 貢 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油に対し、組成物全量基準で、(a)
    アルキル基の炭素数3〜8のジアルキルジチオりん酸亜
    鉛0.3〜1.5重量%、(b)グリセリン部分脂肪酸
    エステル0.1〜1.5重量%、及び(c)こはく酸エ
    ステル0.1〜1.0重量%を含有せしめてなることを
    特徴とする油圧作動油組成物。
JP31579192A 1992-10-31 1992-10-31 油圧作動油組成物 Pending JPH06145684A (ja)

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JP31579192A JPH06145684A (ja) 1992-10-31 1992-10-31 油圧作動油組成物

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