JP2008125761A - 吸収性物品 - Google Patents
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【解決手段】本体吸収層(21,23)及び本体防漏層22を備えた実質的に縦長の吸収性本体2と、吸収性本体2における少なくとも後方部の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップ3とを有する吸収性物品1であって、後方フラップ3は、フラップ表面シート31、フラップ裏面シート32及びこれらの間に介在するフラップ吸収体33を備えており、フラップ吸収体33は、繊維集合体に吸収性ポリマーが配合されてなるポリマーシートを備え、フラップ吸収体33の上面側が液の一時保持層として機能するようになっている。
【選択図】図2
Description
また、後方フラップを有する生理用ナプキンにおいて、後方フラップに吸収層(以下「フラップ吸収層」という)を設け、吸収性本体から溢れた体液を後方フラップにおいて吸収できるようにして、生理用ナプキン全体としての防漏性を向上させる技術が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
本実施形態の吸収性物品は、生理用ナプキン1であり、図1〜図3に示すように、本体吸収層(21,23)及び本体防漏層22を備えた実質的に縦長の吸収性本体2と、吸収性本体2における少なくとも後方部Bの両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップ3,3と、吸収性本体2における前方部Aの両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対のウイング部4,4とを有している。
吸収性本体2の上面には、図1に示すように、本体表面シート21から本体吸収体23に向けて凹んだ圧搾溝Dが設けられている。圧搾溝Dは、例えばヒートエンボス加工により形成され、本体表面シート21と本体吸収体23とを一体化している。
このように、吸収性本体2は、本体表面シート21、本体吸収体23及び本体裏面シート22の順で積層した積層体からなる。
後方フラップ3を有する生理用ナプキン1の長さ(生理用ナプキンの長手方向に沿う長さ)は、26cm以上、好ましくは30cm以上である。後方フラップ3の(片側の)幅(生理用ナプキンの幅方向に沿う幅)は、1cm以上、好ましくは3cm以上である。後方フラップ3の幅は、個装形態から生理用ナプキンを取り出す際の取り扱い易さや生理用ナプキンの装着し易さの観点から、吸収性本体2の幅よりも短い方が好ましい。本実施形態における後方フラップ3は、後方部Bに配されており、前方部Aから後方部Bに向けて幅が拡がる形状を有している。
フラップ防漏層32は、液不透過性又は撥水性のフラップ裏面シートからなる。フラップ裏面シート32は、フラップ吸収体33の下面全域を被覆している。
このように、後方フラップ3は、フラップ表面シート31、フラップ吸収体33及びフラップ裏面シート32の順で積層した積層体からなる。
具体的には、ウイング部4は、図3に示すように、液透過性のウイング表面シート41、液保持性のウイング吸収体43及び液不透過性又は撥水性のウイング裏面シート42の順で積層した積層体からなる。ウイング吸収体43は、平面視で、ウイング部4を一回り小さくした形状を有している。ウイング表面シート41は、ウイング吸収体43の上面全域を被覆している。ウイング裏面シート42は、ウイング吸収体43の下面全域を被覆している。
このように、ウイング部4は、ウイング表面シート41、ウイング吸収体43及びウイング裏面シート42の順で積層した積層体からなる。
本実施形態においては、図2及び図3に示すように、本体表面シート21、一対のフラップ表面シート31,31及び一対のウイング表面シート41,41は、一つの一体表面シート11から形成されている。また、本体裏面シート22、一対のフラップ裏面シート32,32及び一対のウイング裏面シート42,42は、一つの一体裏面シート12から形成されている。
フラップ吸収体33が吸収性本体2に亘って延在し、本体吸収体23の一部と一体化していると好ましい理由は、次の通りである。フラップ吸収体33においては、体液は、本体吸収体23を介して間接的に又は直接的に、フラップ吸収体33における吸収性本体2近傍の領域に吸収される場合が多い。そのような場合においても、フラップ吸収体33と一体化している本体吸収体23の存在により、フラップ吸収体33における吸収性本体2近傍の領域に吸収された体液は、吸収ポイントから同心円状に徐々に拡散することができるため、後方フラップ3の周縁部から漏れ出しにくい。
また、上層本体吸収体23aと一体吸収体13とは、別体となっている。
また、一体裏面シート12は、一体吸収体13の下面全域を被覆している。一体裏面シート12の周縁部は、一体吸収体13の周縁部から延出している。
本体表面シート21及びウイング表面シート41並びに一体裏面シート12(本体裏面シート22、フラップ裏面シート32、ウイング裏面シート42)としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられている各種材料を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シートとしては、各種製法による不織布、樹脂フィルムに開孔を形成したもの、これらの積層体等を用いることができる。裏面シートとしては、透湿性を有するか又は有さない熱可塑性樹脂のフィルム、撥水性の不織布、これらの積層体等を用いることができる。
上層本体吸収体23aは、吸収性物品における吸収体として従来から用いられているものを特に制限なく用いることができる。上層本体吸収体23aは、嵩高で、液保持能が高いものが好ましい。
ポリマーシートにおいては、吸収性ポリマーの膨潤により液透過性や液拡散性が低下しないように、フラップ表面シート31側に吸収性ポリマーが存在しないようにするか、又は比較的膨潤しにくい繊維状の形態の吸収性ポリマー(以下「繊維状ポリマー」ともいう)を使用することが好ましい。本実施形態においては、繊維状ポリマーを使用している。繊維状ポリマーを使用した場合には、吸収後の繊維状ポリマーの膨潤によって、ポリマーシートの毛管径が小さくなるため、液が拡散しやすく(液保持性が低下した領域から液を移動させる力が働く)、フラップ吸収体33を有効に使用できる点から好ましい。また、吸収性ポリマーが繊維状であるため、その脱落も起こり難い。脱落防止の観点から、吸収性ポリマー33dは、繊維集合体33cの構成繊維と接合されていることが好ましい。
吸収性ポリマーの脱落防止の工夫がなされたポリマーシートとしては、例えば、特開平5−38350号公報や特開平8−232189号公報に記載のものが挙げられる。
尚、繊維状ポリマーと同様の効果が得られる吸収性ポリマーは、構成繊維上に吸収性ポリマーの原料を直接配し、重合を行うことにより得ることができる。
また、フラップ吸収体33の密度は、これに延在している本体吸収体(本実施形態においては、下層本体吸収体23b)の密度よりも高いことが好ましく、0.05〜0.2g/cm3程度高いことが更に好ましい。
フラップ吸収体33の密度がこれと一体化している本体吸収体の密度よりも高くなっていると、フラップ吸収体33に吸収された体液が、これと一体化している本体吸収体に戻りにくい点で好ましい。
〔座屈強度の測定方法〕
測定は、20℃、65%RH下において、1日以上放置した吸収体を用いて、この温度及び湿度条件下にて行う。
隣接する突出開孔31aの間の平面方向距離は、好ましくは0.5〜5mmである。隣接する3個の突出開孔31aによって囲まれる領域の面積は、ストック空間34に液を一時保持しやすい点から、0.1〜10mm2であることが好ましい。
円形の突出開孔31aの開孔径は、突出開孔31aの安定維持性及び液の透過性の向上の点から、0.2〜1.5mmであることが好ましく、0.3〜1.0mmであることが更に好ましい。また、液の透過性を向上させる点から、フラップ表面シート31の開孔率は、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることが更に好ましい。開孔率は、画像解析装置(NEXUS製 NEW QUBE ver.4.20)を用い、フラップ表面シート31をその上面(外面)側から下面(内面)側に投影した場合における突出開孔31aの開孔面積を、フラップ表面シート31の面積で除すことによって求められる。
また、突出開孔31aに対応した配置パターンの孔形状を有する吸引ネットを備えたロール又はコンベア上において、熱可塑性フィルムを加熱下に吸引することにより製造することができる。
同様に、吸収性本体2の前方部Aから滲出した液や、吸収されずに流れる液を、ウイング部4で効果的に吸収できるため、前方部Aからの液漏れ防止性に優れる。
第2実施形態におけるフラップ吸収体33においては、図6に示すように、上層フラップ吸収体33aは、第1実施形態におけるフラップ吸収体33と同様に、ポリマーシートからなる。一方、下層フラップ吸収体33bは、構成繊維間の空間が狭く、密度が高い高密度シートからなる。
このような嵩高シートとしては、密度が0.01〜0.05g/cm3程度の材料を用いることが好ましく、エアレイド法により積繊され、不織布化されたシートや、熱風により嵩回復したヒートボンドタイプの不織布が好ましい。このような嵩高シートでは、液の一時保持機能、及び液拡散しにくいことによる遮蔽効果を有する。特にフラップ吸収体33においては、対象となる液が本体吸収体23と比較すると非常に少ないため、0.3〜0.5mm程度の厚みがあれば十分な機能発現が可能となっている。
前記エンボス吸収紙は、エンボス加工を施すことにより、吸収紙に厚みを出し、且つ液が1方向に拡散しないようにしたものである。そのエンボスパターンは特に限定されないが、1〜30個/cm2の密度でドット状にエンボス加工されていることが好ましい。
また、フラップ表面シート31が、突出開孔31aが設けられていない領域31bとフラップ吸収体33とを離間し得る突出開孔31aを有していなくても、不織布からなるフラップ表面シート31においては、その構成繊維による微細な凹凸形状によって、液の拡散を抑える効果を奏することができ、また、フィルム材料からなるフラップ表面シート31においても、突出開孔31aよりも小さな小孔や小突起を形成することによって同様の効果を奏することができる。
例えば、下層本体吸収体23bは、図9に示すように、吸収性本体2の幅方向全域に亘っておらず、吸収性本体2の両側部近傍のみに分離して設けられていてもよい。本体吸収体23は、単層構造でも複数構造でもよい。
本体吸収層は、本体表面シート21と本体吸収体23との積層体に制限されず、両者の機能を併有する一体的な部材から構成することができる。
ウイング部4にはウイング吸収体が設けられていなくてもよい。また、ウイング部4自体がなくてもよい。
前記各実施形態の各構成は適宜組み合わせることができる。
2 吸収性本体
21 本体表面シート
22 本体裏面シート(本体防漏層)
23 本体吸収体
23a 上層本体吸収体
23b 下層本体吸収体
3 後方フラップ
31 フラップ表面シート
31a 突出開孔
31b 突出開孔が設けられていない領域
31c フラップ吸収体に当接する部位
31d ストック空間に向けて開いた部位
31e 畝部
31f 畝間部
32 フラップ裏面シート(フラップ防漏層)
33 フラップ吸収体
33a 上層フラップ吸収体
33b 下層フラップ吸収体
33c 繊維集合体
33d 吸収性ポリマー
34 ストック空間
4 ウイング部
41 ウイング表面シート
42 ウイング裏面シート
43 ウイング吸収体
A 前方部
B 後方部
Claims (5)
- 本体吸収層及び本体防漏層を備えた実質的に縦長の吸収性本体と、該吸収性本体における少なくとも後方部の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップとを有する吸収性物品であって、
前記後方フラップは、フラップ表面シート、フラップ裏面シート及びこれらの間に介在するフラップ吸収体を備えており、
前記フラップ吸収体は、繊維集合体に吸収性ポリマーが配合されてなるポリマーシートを備え、該フラップ吸収体の上面側が液の一時保持層として機能するようになっている吸収性物品。 - 前記ポリマーシートにおいて、前記吸収性ポリマーは前記繊維集合体の構成繊維と接合されている請求項1記載の吸収性物品。
- 前記吸収性ポリマーは繊維状の形態を有している請求項1又は2に記載の吸収性物品。
- 本体吸収層及び本体防漏層を備えた実質的に縦長の吸収性本体と、該吸収性本体における少なくとも後方部の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップとを有する吸収性物品であって、
前記後方フラップは、フラップ表面シート、フラップ裏面シート及びこれらの間に介在するフラップ吸収体を備えており、
前記フラップ表面シートは、前記フラップ吸収体に向けて突出する多数の突出開孔を有しており、該突出開孔によって、該フラップ表面シートにおける該突出開孔が設けられていない領域と該フラップ吸収体とが離間している吸収性物品。 - 前記フラップ吸収体は、その密度が0.05g/mm3以上である請求項4記載の吸収性物品。
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