JP2008124197A - 複合磁性部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複合磁性部材1は、可撓性のある第1被覆層3、磁性材料によって形成された磁性層5、および可撓性のある第2被覆層7を、この順序で積層した構造になっている。磁性層5は、複数の磁性体小片5aが配列された構造になっており、複数の磁性体小片5aは、少なくとも表裏いずれか一方の面に溝が形成された薄板状磁性体を、第1被覆層3と第2被覆層7との間に挟み込んでから、溝に沿って割ることによって形成されたものである。
【選択図】図1
Description
上記特許文献1に記載の磁性シートないしアンテナ装置は、複数の磁性体小片をシート基材上に面状に配列してなる磁性層を備えており、このような磁性層を備えることにより、磁性シートの曲げ、たわみ量等を容易に設定可能となる旨が開示されている(例えば、特許文献1:段落[0055]等)。
また、磁性体小片の寸法が小さくなればなるほど、複数の磁性体小片を配置する際に設計通りに整列させることは困難になる傾向がある。すなわち、各磁性体小片の向きを正確に揃えることが困難になる傾向があり、隣り合う磁性体小片間の間隔を正確に揃えることも困難になる傾向がある。
本発明の複合磁性部材は、積層された複数の層を有する構造で、前記複数の層の内、少なくとも一部は、磁性材料によって形成された磁性層が、可撓性のある第1被覆層と第2被覆層との間に挟み込まれた構造とされている複合磁性部材であって、前記磁性層は、複数の磁性体小片が配列された構造になっており、前記複数の磁性体小片は、少なくとも表裏いずれか一方の面に溝が形成された薄板状磁性体を、前記第1被覆層と前記第2被覆層との間に挟み込んでから、前記溝に沿って割ることによって形成されたものであることを特徴とする。
まず、本発明の複合磁性部材において、前記磁性材料は、軟磁性フェライトであると好ましく、さらに望ましくは、Ni−Zn系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Ba系フェライト、またはフェロックスプレーナ系フェライトであるとよい。あるいは、コバルト系や鉄系のアモルファス合金なども、本発明において磁性材料として利用するのに好適である。
また、本発明の複合磁性部材において、前記磁性層は、厚さが0.01mm〜1mmとされていると好ましく、さらに望ましくは、厚さが0.01mm〜0.3mmとされているとよい。
また、本発明の複合磁性部材において、前記薄板状磁性体に形成された溝は、深さが前記薄板状磁性体の厚みの5%〜95%とされていると好ましく、さらに望ましくは33%〜66%とされているとよい。
さらに、本発明の複合磁性部材において、第1被覆層および第2被覆層は、基本的には、磁性層を保持するための層であり、磁性層の機能を損なわないような材質で構成されていれば、その材質については限定されない。
具体的には、例えば、本発明の複合磁性部材において、前記第1被覆層および前記第2被覆層は、少なくとも一方が粘着性材料によって形成された粘着層とされていてもよい。
また、本発明の複合磁性部材において、前記第1被覆層および前記第2被覆層は、少なくとも一方が導電性材料によって形成された導電層とされていてもよい。
また、本発明の複合磁性部材において、前記第1被覆層および前記第2被覆層は、少なくとも一方が熱伝導性材料によって形成された熱伝導層とされていてもよい。
なお、以上、第1被覆層および第2被覆層の内、少なくとも一方が磁性層を保持する機能以外に何らかの機能を備える構成について説明したが、本発明の複合磁性部材は、磁性層、第1被覆層、および第2被覆層の3つの層に加え、さらにいくつかの層が積層された構造になっていても構わない。したがって、例えば、磁性層、第1被覆層、および第2被覆層、以上3層に加えて、さらに粘着層、導電層、熱伝導層などを、いくつか積層してもよい。
[第1実施形態]
図1(a)は、本発明の一実施形態として例示する複合磁性部材の斜視図、同図(b)は同複合磁性部材の構造を示す分解図である。
これらの内、第1被覆層3および第2被覆層7は、樹脂シート(本実施形態の場合、厚さ0.1mmのPETシート)によって構成されている。
以上のような構造の複合磁性部材1は、磁性材料からなる磁性層5を備えているので、一般的なフェライト焼結体等と同様、電磁波遮蔽体や電磁波吸収体として利用でき、例えば、電子部品や各種ケーブル類からの放射ノイズ対策等に利用することができる。
例えば、上述の磁性層5の場合、図3(a)に示すような、縦横に延びる複数の溝が格子状のパターンを形成するものであったが、図3(b)に示す磁性層11のように、縦横に延びる複数の溝に加え、図中右上から左下へ斜めに延びる複数の溝を形成してもよい。
また、図3(a)〜同図(d)に示した溝のパターンは、平行に延びるものが等間隔で形成されていたが、図3(e)に示す磁性層17のように、部分的に溝の間隔が変わっているようなパターンを採用してもよい。このような溝のパターンを採用すれば、最終的に得られる複合磁性部材の曲げやすさを、部分的に変えることができる。
[第2実施形態]
以下、上記第1実施形態とは、別の実施形態について説明する。
このような構造を採用した複合磁性部材21であっても、上記第1実施形態のものと同様の作用、効果を奏する。しかも、この複合磁性部材21の場合、磁性層5が第1被覆層3および第2被覆層7の内部に封入され、複合磁性部材21の端面に磁性層5が露出しない状態になるので、磁性層5をより確実に保護することができるようになる。
図4(c)に示す複合磁性部材23は、第1被覆層3、磁性層5、および第2被覆層7に加え、さらに粘着層25を積層した構造とされている。
このような構造を採用した複合磁性部材23であっても、上記第1実施形態等のものと同様の作用、効果を奏する。しかも、この複合磁性部材23の場合、剥離紙27を剥がして複合磁性部材23を任意の箇所に貼り付けることができるようになる。
図4(d)に示す複合磁性部材31は、第1被覆層3、磁性層5、および粘着層25が積層された構造になっている。すなわち、上記第3実施形態において、複合磁性部材23は、第1被覆層3、磁性層5、および第2被覆層7とは別に、粘着層25を設けた構造になっていたが(図4(c)参照)、本実施形態においては、粘着層25が本発明でいう第2被覆層として機能するように構成してある。
このような構造を採用した複合磁性部材31であっても、上記第1実施形態等のものと同様の作用、効果を奏する。また、この複合磁性部材23も、上記第3実施形態同様、剥離紙27を剥がして任意の箇所に貼り付けることができるものとなる。
図5(a)および同図(b)に示す複合磁性部材群33は、複数の複合磁性部材33aに対して単一の剥離紙27を設けた構造になっている。すなわち、上記第4実施形態においては、単一の複合磁性部材31に対して単一の剥離紙27を設けてあったが、この点で第5実施形態は、第4実施形態とは相違するものとなっている。
図6(a)および同図(b)に示す複合磁性部材41は、電子部品とプリント配線板との間に介在させることができるものである。すなわち、上記第5実施形態では、電子部品の上に貼り付けるタイプのものを例示したが、この点で、第6実施形態は、第5実施形態とは相違するものとなっている。
図7(a)に示す複合磁性部材45は、第1被覆層3、磁性層5、および粘着層25が積層された構造を備える点で、先に説明した複合磁性部材31(図4(d)参照)等と基本的な構造が共通するものであるが、これらに加えて、さらに帯状体47と粘着部48とを備えている点に特徴がある。
図8(a)に示す複合磁性部材53は、第1被覆層3、磁性層5、および粘着層25が積層された構造を備える点、帯状体47と粘着部48を備える点で、先に説明した複合磁性部材45(図7(a)参照)に類似する構造となっているが、複合磁性部材45が、第1被覆層3、磁性層5、および粘着層25の積層体を1組備えていたのに対し、複合磁性部材53は、同様の積層体を2組備えている点に特徴がある。
図9(a)に示す複合磁性部材55は、第1被覆層3、磁性層5、および粘着層25が積層された構造を備える点、帯状体47と粘着部48を備える点で、先に説明した複合磁性部材45(図7(a)参照)や複合磁性部材53(図8(a)参照)に類似する構造となっているが、第1被覆層3、磁性層5、および粘着層25の積層体を8組備えている点に特徴がある。
図9(b)に示す複合磁性部材55は、断面が八角形になるような形態でケーブル57の外周に取り付けてあったが、第1被覆層3、磁性層5、および粘着層25の積層体を十分に湾曲させることができる場合には、図10(a)に示す複合磁性部材61のように、第1被覆層3、磁性層5、および粘着層25の積層体を単一のものとし、図10(b)に示すように、ケーブル63の外周に取り付けるようにしてもよい。
図11(a)に示す複合磁性部材65は、第1被覆層3、および磁性層5を備える点で、先に説明した各実施形態(例えば、複合磁性部材31(図4(d)参照)等)と同様の構成となっているが、導電性材料によって形成された導電層67を第2被覆層として備える点で、先に説明した各実施形態とは相違する。
図12(a)に示す複合磁性部材75は、磁性層5の構成が先に説明した各実施形態と同様になっているが、熱伝導性材料によって形成された熱伝導層77を第1被覆層および第2被覆層として備える点で、先に説明した各実施形態とは相違する。
このような構造の複合磁性部材75であれば、図12(a)に示すように、プリント配線板79上に表面実装された電子部品81と放熱フィン83との間に挟み込むことにより、熱源である電子部品81から放熱部である放熱フィン83へ熱を伝達し、電子部品81からの放熱を促すことができる。また同時に、電子部品81からの放射ノイズ対策に利用することができる。
図13に示す複合磁性部材91は、基本的な構造が第1実施形態と同様のものであるが、外周部93の形状が任意の形状に切り出されており、また、内側にいくつかの孔95が形成された構造になっているものである。
図14(a)および同図(b)に示す複合磁性部材101は、RFIDアンテナ基板103に対して貼り付けられたもので、第1被覆層3、磁性層5、および粘着層25が積層された構造になっている点で、第4実施形態と同等な構造になっている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
Claims (10)
- 積層された複数の層を有する構造で、前記複数の層の内、少なくとも一部は、磁性材料によって形成された磁性層が、可撓性のある第1被覆層と第2被覆層との間に挟み込まれた構造とされている複合磁性部材であって、
前記磁性層は、複数の磁性体小片が配列された構造になっており、
前記複数の磁性体小片は、少なくとも表裏いずれか一方の面に溝が形成された薄板状磁性体を、前記第1被覆層と前記第2被覆層との間に挟み込んでから、前記溝に沿って割ることによって形成されたものである
ことを特徴とする複合磁性部材。 - 前記磁性材料は、軟磁性フェライトである
ことを特徴とする請求項1に記載の複合磁性部材。 - 前記軟磁性フェライトは、Ni−Zn系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Ba系フェライト、またはフェロックスプレーナ系フェライトである
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合磁性部材。 - 前記磁性層は、厚さが0.01mm〜1mmとされている。
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の複合磁性部材。 - 前記薄板状磁性体に形成された溝は、深さが前記薄板状磁性体の厚みの5%〜95%とされている
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の複合磁性部材。 - 前記薄板状磁性体に形成された溝は、幅が0.001mm〜1mmとされている
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の複合磁性部材。 - 前記磁性体小片は、0.01mm角〜5mm角の範囲内に含まれる形状および寸法とされている
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の複合磁性部材。 - 前記第1被覆層および前記第2被覆層は、少なくとも一方が粘着性材料によって形成された粘着層とされている
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の複合磁性部材。 - 前記第1被覆層および前記第2被覆層は、少なくとも一方が導電性材料によって形成された導電層とされている
ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の複合磁性部材。 - 前記第1被覆層および前記第2被覆層は、少なくとも一方が熱伝導性材料によって形成された熱伝導層とされている
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の複合磁性部材。
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