JP2008124122A - 有機半導体薄膜、有機半導体薄膜の製造方法および有機半導体素子 - Google Patents

有機半導体薄膜、有機半導体薄膜の製造方法および有機半導体素子 Download PDF

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Reiko Sugizaki
礼子 杉崎
Katsura Hirai
桂 平井
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Abstract

【課題】ウエットプロセスで成膜する場合に、駆動時よりも基板温度を低温で成膜することにより、よりパッキング密度の高い半導体膜が得られる有機半導体薄膜の製造方法を提供することができた。また、前記製造方法を用いて有機半導体薄膜、有機半導体素子を提供する。
【解決手段】有機半導体材料を含有する溶液を、基板上へ供給して薄膜形成を行う有機半導体薄膜の製造方法において、該有機半導体薄膜の駆動時の温度以下の温度条件下で成膜する工程を有することを特徴とする有機半導体薄膜の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、キャリア移動度が高い有機半導体薄膜、有機半導体薄膜の形成方法及び有機半導体薄膜を有する有機薄膜トランジスタの製造方法に関する。
近年、有機半導体を半導体チャネルとして使用する有機薄膜トランジスタが種々検討されている。有機半導体は無機半導体に比べて加工が容易であり、プラスチック支持体との親和性が高いので薄層素子としての魅力がある。
有機半導体薄膜の形成方法としては、蒸着による方法が代表的であるが、材料の特性により種々の方法が用いられる。その中でも塗布或いは溶液、液体を基板に適用する常圧プロセス(ウエットプロセス)により、蒸着等よりも容易に、キャリア移動度の大きい有機半導体薄膜を得ようとする試みが多くなされている。
例えば、溶液積層により有機半導体薄膜を得る試みの中で、配向膜による有機半導体ポリマー配列の強化が試みられている(例えば、特許文献1参照。)。また、移動度の大きいチオフェンポリマー溶液を用い塗布、溶媒を乾燥させることで、キャリア移動度の大きい有機半導体薄膜又有機半導体層を形成している(例えば、非特許文献1参照。)。
しかしながら、有機半導体層の形成は、その結晶或いは構造体の、例えばπ−スタック等の配列等によりキャリア移動度が決まるため、単に有機半導体溶液を塗布し、溶媒を乾燥させる方法では得られる半導体層の移動度が未だ低い問題がある。更に繰り返し測定時の特性変動や、ゲート電圧の閾値が高いといった問題も同時に指摘されている。
また、有機半導体薄膜の製造方法として、ペンタセン溶液を100℃以上に加熱して塗布し成膜する方法がある(例えば、特許文献2)。このようなウエットプロセスによる形成された有機半導体薄膜は、成膜時の環境で最も安定な構造を形成し、その構造はその後の環境変化により容易には変化し難いという特性を示し、且つ、前記有機半導体薄膜は、より高温で分子間距離の長い結晶を形成するため、極度に高温での成膜はキャリア輸送に不利になりやすく、更に、高温で成膜した有機半導体薄膜を、それよりはるかにキャリアの不活性な低温で駆動させることは、なおさら移動度向上の観点からは不利である。
また、高温で成膜した半導体層を室温等へ冷却することによりクラック発生等がおこりやすく、高温で成膜することにより樹脂等の基板へのダメージが大きい等の問題がある。
国際公開第01/47043号パンフレット 特開2005−294737号公報 J.Am.Chem.Soc.,2004,126,3378
本発明は、ウエットプロセスで成膜する場合に、駆動時よりも基板温度を低温で成膜することにより、よりパッキング密度の高い半導体膜が得られる有機半導体薄膜の製造方法を提供することができた。また、前記製造方法を用いて有機半導体薄膜、有機半導体素子を提供する。
本発明の上記目的は、下記の構成1〜9により達成された。
1.有機半導体材料を含有する溶液を、基板上へ供給して薄膜形成を行う有機半導体薄膜の製造方法において、該有機半導体薄膜の駆動時の温度以下の温度条件下で成膜する工程を有することを特徴とする有機半導体薄膜の製造方法。
2.前記基板上に有機半導体薄膜が成膜される際の該基板の温度Aと、該有機半導体薄膜の駆動時における前記基板の温度Bとの差(B−A)が、0℃〜100℃であることを特徴とする前記1に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
3.前記有機半導体薄膜の成膜時の基板温度が、0℃〜100℃の範囲であることを特徴とする前記1または2に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
4.前記有機半導体薄膜の成膜時の圧力を、該有機半導体薄膜の駆動時の圧力よりも高圧になるように調整することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜の製造方法により成膜された該有機半導体薄膜の視射角入射X線回折測定により得られた回折ピークの中から最大強度を示すピークと2番目の強度のピークから得られる有機半導体分子の膜面水平方向の面間隔A1、A2と、駆動環境下で成膜した場合の前記有機半導体薄膜の視射角X線回折測定により得られた回折ピークの中から最大強度を示すピークと2番目の強度のピークから得られる前記有機半導体分子の膜面水平方向の面間隔B1、B2とが、各々下記不等式(a)〜(d)を満たすことを特徴とする有機半導体薄膜。
不等式(a)
A1>A2
不等式(b)
B1>B2
不等式(c)
A1<B1
不等式(d)
A2<B2
6.前記有機半導体材料が、分子量100〜5000の有機半導体分子から構成されていることを特徴とする前記5に記載の有機半導体薄膜。
7.前記有機半導体材料として、ヘテロ原子を含む縮合環化合物を含有することを特徴とする前記5または6に記載の有機半導体薄膜。
8.前記基板の表面エネルギーが、20mN/m〜75mN/mの範囲であることを特徴とする前記5〜7のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜。
9.前記5〜8のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜を含むことを特徴とする有機半導体素子。
本発明により、ウエットプロセスで成膜する場合に、駆動時よりも基板温度を低温で成膜することにより、よりパッキング密度の高い半導体膜が得られる有機半導体薄膜の製造方法を提供することができた。また、あわせて、前記製造方法を用いて有機半導体薄膜、有機半導体素子を提供することが出来た。
本発明の有機半導体薄膜の製造方法においては、請求項1〜4のいずれか1項に規定される構成を用いることにより、薄膜トランジスタ用途に有用な有機半導体薄膜の製造方法であり、該製造方法により得られた有機半導体薄膜は、高いキャリア移動度、且つ、良好なON/Off特性を示した。また、該有機半導体薄膜を用いた、有機半導体素子及び有機薄膜トランジスタ(有機TFTともいう)を併せて得ることが出来た。
また、本発明の有機TFTを具備した有機エレクトロルミネッセンス素子は、良好な発光特性を示すことが判った。
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について、順次説明する。
《有機半導体薄膜の製造方法》
本発明の有機半導体薄膜の製造方法について説明する。
本発明の有機半導体薄膜の製造方法としては、塗布方法が好ましく、塗布法による有機半導体薄膜の形成は、前記有機半導体材料を溶媒に溶解(部分的に分散状態になっていてもよい)し、これを例えば、酸化膜付きシリコンウエハー等の基板上に供給、塗布、乾燥して有機半導体薄膜(有機半導体層ともいう)が得られる。
また、塗布方法としては、例えば、キャストコート、スピンコート、印刷、インクジェット法、アブレーション法等を用いることが好ましい。
また、本発明の有機半導体膜の製造方法に係る溶媒、有機半導体層を構成する基板、電極、有機半導体層の詳細は、また、別途説明するが、本発明の有機半導体薄膜の製造方法においては、有機薄膜トランジスタを構成する場合、ゲート絶縁膜(例えばシリコンの熱酸化膜)等の疎水性の高い膜を有する基板上に形成されるため、有機半導体材料を溶解する溶媒としては、基板への親和性が高いものが好ましい。基板への親和性が高い溶媒としては、脂肪族炭化水素が好適である。トルエン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタンなどの鎖状脂肪族炭化水素、また、シクロヘキサン、シクロペンタンなどの環状脂肪族炭化水素、更に例えばクロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテルやジイソプロピルエーテル等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフランやジオキサンなどの環状エーテル、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類等用いられる有機半導体材料の種類等により、又、これらの溶媒を混合して用いてもよい。有機半導体材料膜を形成する基板材料により最適なものを選んで用いることができる。
その他、有機半導体材料の溶解の促進のため有機半導体材料に対する溶解性の高い他の溶剤を用いてもよい、基板上に適用したときに、溶液のはじきを起こさない範囲で用いることができる。
溶媒中における有機半導体材料の含有量は、用いる溶媒の種類、また、後述する有機半導体材料等の具体的選択によって変わってくるが、塗布によりこれ等液状材料を基板上に適用して、薄膜を形成させるためには、基板上への均一な延展性や、基板上での塗膜のピンホール等を効果的に防止する観点からは、溶液中(分散液中)の有機半導体材料の含有量は、0.01質量%〜10.0質量%、好ましくは0.1質量%〜5.0質量%の範囲で溶解(部分的分散していてもよい)していることが好ましい。
《成膜時の基板温度の設定》
本発明の有機半導体薄膜の製造方法においては、工程時の温度条件設定が、本発明に記載の効果を得る為には、請求項1に記載のように、有機半導体材料を含有する溶液を、基板上へ供給して薄膜形成を行う際には、有機半導体薄膜の駆動時の温度以下の温度条件下で成膜する工程を設けることが必須の要件である。
成膜時の基板温度の設定及び測定は、基板温度制御装置(リンカム製LTS350)を用いて行った。
《成膜時の基板の温度Aと駆動時における基板の温度B》
また、請求項2に記載のように、基板上に有機半導体薄膜が成膜される際の該基板の温度Aと、該有機半導体薄膜の駆動時における前記基板の温度Bとの差(B−A)が、0℃〜100℃の範囲になるように調整することが好ましい。
また更に、請求項3に記載のように、有機半導体薄膜の成膜時の基板温度が、0℃〜100℃の範囲になるように調整することが好ましく、更に好ましくは、20℃〜80℃の範囲であり、特に好ましくは、10℃〜60℃の範囲である。
因みに、有機半導体薄膜の駆動時の温度は、60℃〜70℃の範囲に調整することが好ましい。
《成膜時の圧力》
本発明の有機半導体薄膜の製造方法においては、請求項4に記載のように、有機半導体薄膜の成膜時の圧力を、該有機半導体薄膜の駆動時の圧力よりも高圧になるように調整することが好ましい。ここで、有機半導体薄膜の成膜時の圧力とは、測定チャンバー内部の圧力を付属の市販圧力計を用いて測定することが出来る。
《有機半導体薄膜中の有機半導体分子の膜面水平方向の面間隔》
請求項5に記載のように、本発明の有機半導体薄膜の製造方法で成膜された該有機半導体薄膜の視射角入射X線回折測定により得られた回折ピークの中から最大強度を示すピークと2番目の強度のピークから得られる有機半導体分子の膜面水平方向の面間隔A1、A2と、駆動環境下で成膜した場合の前記有機半導体薄膜の視射角X線回折測定により得られた回折ピークの中から最大強度を示すピークと2番目の強度のピークから得られる前記有機半導体分子の膜面水平方向の面間隔B1、B2とが、各々下記不等式(a)〜(d)を満たすことが好ましい。
不等式(a)
A1>A2
不等式(b)
B1>B2
不等式(c)
A1<B1
不等式(d)
A2<B2
《視射角入射X線回折測定(GIXD)》:微小角入射X線回折測定ともいう
本発明では、視射角入射X線回折の測定は下記に示す測定条件を用いた。
測定には、本発明の有機半導体薄膜の製造方法により形成された有機半導体薄膜中の有機半導体分子のX線回折スペクトルは、理学電気製X線回折装置ATX−G(Cu管球)を用い、In−plane測定モードで、X線を薄膜表面にすれすれに入射し、全反射したX線により薄膜表面に対して垂直な格子からの回折を測定した。
また、試料により、一部、測定条件の変更をしても最大強度を与える回折ピーク、並びに、半値幅は同一の値が得られることを確認している。測定時に用いる薄膜の膜厚は、5nm〜100nmの範囲に調整されるが、好ましくは10nm〜50nmの範囲である。
《表面エネルギー》
本発明の有機半導体膜を形成する基板に係る表面エネルギーについて説明する。
本発明の有機半導体薄膜の基板は、その表面エネルギーが20mN/m〜75mN/mの範囲であることが好ましく、更に好ましくは、40mN/m〜50mN/mの範囲である。
表面エネルギーは、接触角の測定により求めることが出来、接触角の測定は、接触角計(CA−DT・A型:協和界面科学社製)を用いて20℃、50%RHの環境下で測定し、得られたものである。
接触角により、基板表面における疎水性の度合を水の接触角による測定によって知ることが出来る。
上記のような特定の表面エネルギーを有する基板に形成された有機半導体薄膜は、薄膜中での有機半導体材料の結晶性が高く、優れた半導体特性(高移動度等)を示すことが判った。
《有機半導体材料(有機半導体分子ともいう)の分子量》
本発明に係る有機半導体材料としては、半導体として機能するものであれば、どのような有機化合物を選択してもよいが、分子量100〜5000の範囲が好ましい。
ここで、分子量は、当該業者周知の質量分析装置を用いて測定するが、分子量分布を示す化合物(オリゴマーや高分子等)の分子量(本願では、オリゴマー、高分子の分子量としては、重量平均分子量Mwを用いる。)、該分子量分布の測定は、市販のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)法などを用いて測定する。
(重量平均分子量(Mw)の測定及び分子量分布(Mw/Mn)について)
本発明に係る有機半導体材料の分子量は、上記のように100〜5000の範囲が好ましい。更に、前記有機半導体材料が、オリゴマー、高分子のように分子量分布(Mw/Mn)を有するような場合、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(分子量分布)は、3以下であることが好ましい。
本発明に係る有機半導体材料の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)の測定は、THF(テトラヒドロフラン)をカラム溶媒として用いるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて分子量測定を行うことができる。
本発明に係る有機半導体材料の重量平均分子量(Mw)の測定について説明する。
具体的には、測定試料を1mgに対してTHF(脱気処理を行ったものを用いる)を1ml加え、室温下にてマグネチックスターラーを用いて撹拌を行い、充分に溶解させる。ついで、ポアサイズ0.45μm〜0.50μmのメンブランフィルターで処理した後に、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)装置に注入する。
GPC測定条件は、40℃にてカラムを安定化させ、THF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、1mg/mlの濃度の試料を約100μl注入して測定する。
カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807の組合せや、東ソー社製のTSKgelG1000H、G2000H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、TSK guard column等の組合せ等が好ましい。
検出器としては、屈折率検出器(RI検出器)、あるいはUV検出器が好ましく用いられる。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成した検量線を用いて算出する。検量線作成用のポリスチレンとしては10点程度用いることが好ましい。
本発明では、下記の測定条件にて分子量測定を行った。
(測定条件)
装置:東ソー高速GPC装置 HLC−8220GPC
カラム:TOSOH TSKgel Super HM−M
検出器:RI及び/またはUV
溶出液流速:0.6ml/分
試料濃度:0.1質量%
試料量:100μl
検量線:標準ポリスチレンにて作製:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルを用いて検量線(校正曲線ともいう)を作成、分子量の算出に使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔にすることが好ましい。
《有機半導体材料の構造》
分子量100〜5000の範囲の化合物(低分子化合物〜オリゴマーの領域の分子までが含まれる)としては、代表的には、ペンタセン等の化合物があり、特に例えば、国際公開03/16599号パンフレット、国際公開03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン類、米国特許出願公開第2003−136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ類がある。
《縮合芳香族炭化水素環化合物》
本発明の有機半導体材料の好ましい態様のひとつとしては、縮合芳香族炭化水素環化合物(縮合した芳香族炭化水素環を有する化合物ともいう)が好ましく、具体的には、ナフタセン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ヘキサセン環、フェナントレン環、ピレン環、ベンゾピレン環、ベンゾアズレン環、クリセン環、ベンゾクリセン環、アセナフテン環、アセナフチレン環、トリフェニレン環、コロネン環、ベンゾコロネン環、ヘキサベンゾコロネン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フルオランテン環、ペリレン環、ナフトペリレン環、ペンタベンゾペリレン環、ベンゾペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピラントレン環、コロネン環、ナフトコロネン環、オバレン環、アンスラアントレン環等を有する化合物が挙げられる。
尚、これらの環は後述する一般式(OSC1)において、R1〜R6で表される置換基を有していてもよい。
《ヘテロ原子を含む縮合環化合物》
また、本発明の有機半導体材料の好ましい態様のひとつとして、ヘテロ原子を含む縮合環化合物(縮合環の構成原子としてヘテロ原子を有するという意味である。)が挙げられる。
該ヘテロ原子を含む縮合環化合物としては、好ましくは、分子構造中にヘテロ環を2つ以上含む化合物が好ましく、特に前記ヘテロ環がチオフェン環である化合物が好ましい化合物として挙げられる。
ヘテロ原子を含む縮合環化合物としては、好ましくはN、O及びSから選択されたヘテロ原子を縮合環を構成する元素として含有する芳香族複素縮合環であることが好ましく、具体的には、アクリジン環、ベンゾキノリン環、カルバゾール環、フェナジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、カルボリン環、サイクラジン環、キンドリン環、テペニジン環、キニンドリン環、トリフェノジチアジン環、トリフェノジオキサジン環、フェナントラジン環、アントラジン環、ペリミジン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭素原子の任意の一つが窒素原子で置き換わったものを表す)、フェナントロリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ナフトフラン環、ナフトチオフェン環、ベンゾジフラン環、ベンゾジチオフェン環、ナフトジフラン環、ナフトジチオフェン環、アントラフラン環、アントラジフラン環、アントラチオフェン環、アントラジチオフェン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、チオファントレン環(ナフトチオフェン環)等が挙げられる。
尚、これらの環は後述する一般式(OSC1)において、R1〜R6で表される置換基を有していてもよい。
《一般式(OSC1)で表される化合物》:有機半導体材料の好ましい化合物
本発明の有機半導体材料として用いられる、縮合芳香族炭化水素環化合物やヘテロ原子を含む縮合環化合物としては、例えば、下記一般式(OSC1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2008124122
式中、R1〜R6は水素原子または置換基を表し、Z1またはZ2は、芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、n1またはn2は0〜3の整数を表す。
一般式(OSC1)において、R1〜R6で各々表される置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、tert−オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、イソプロペニル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(ヘテロアリール基ともいい、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記カルボリニル基のカルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、等が挙げられる。
これらの置換基は、上記の置換基によって更に置換されていてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(OSC1)において、Z1またはZ2で表される芳香族炭化水素基、芳香族複素環基は、上記R1〜R6で各々表される置換基として記載されている芳香族炭化水素基、芳香族複素環基と各々同義である。
更に、下記一般式(OSC2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2008124122
式中、R7、R8は、各々水素原子または置換基を表し、Z1またはZ2は、芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、n1またはn2は0〜3の整数を表す。
一般式(OSC2)において、R7またはR8で表される置換基は、般式(OSC1)においてR1〜R6で各々表される置換基と同義である。また、Z1またはZ2で表される芳香族炭化水素基、芳香族複素環基は、上記R1〜R6で各々表される置換基として記載されている芳香族炭化水素基、芳香族複素環基と各々同義である。
前記一般式(OSC2)において、さらに、置換基R7及びR8が一般式(SG1)で表されることが好ましい。
Figure 2008124122
式中、R9〜R11は置換基を表し、Xはケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)またはスズ(Sn)を表す。
上記一般式(SG1)において、R9〜R11で表される置換基は、前記一般式(OSC1)におけるR1〜R6で表される置換基と同義である。
以下に、前記一般式(OSC2)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2008124122
Figure 2008124122
Figure 2008124122
また、本発明の有機半導体材料は、下記に示すチオフェンオリゴマーを併用していてもよい。
《チオフェンオリゴマー》
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーとしては、置換基を有するチオフェン環繰り返し単位と、無置換のチオフェン環繰り返し単位が、各々少なくとも2つ以上連続している部分構造を有するチオフェンオリゴマーを含み、且つ、該チオフェンオリゴマーに含まれるチオフェン環の環数が8〜40であるものである。前記チオフェン環の環数としては、8〜20の範囲が好ましい。更に好ましくは、チオフェンオリゴマーが下記一般式(1)で表される部分構造を有することである。
上記チオフェン環はアルキル基などの置換基を有していても、また無置換のものでもよいが、分子内に置換基、特にアルキル基を有するチオフェン環が含まれることが好ましく、置換基を有するチオフェン環と無置換のチオフェン環の両者が含まれることがより好ましい。
更に、前記チオフェン環が2つ以上連結していることが好ましく、更に好ましくは、連結するチオフェン環の数は2〜10である。
Figure 2008124122
式中、Rは置換基を表す。
《一般式(1)で表されるチオフェンオリゴマー》
前記一般式(1)で表されるチオフェンオリゴマーについて説明する。
一般式(1)において、Rで表される置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)等が挙げられる。
これらの置換基は上記の置換基によって更に置換されていても、複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
中でも好ましい置換基は、アルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が2〜20のアルキル基であり、特に好ましくは、炭素原子数6〜12のアルキル基である。
《チオフェンオリゴマーの末端基》
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーの末端基について説明する。
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーの末端基は、チエニル基をもたないことが好ましく、また、前記末端基として好ましい基としては、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)等が挙げられる。
《チオフェンオリゴマーの繰り返し単位の立体構造的特性》
本発明に用いられるチオフェンオリゴマーは、構造中に、Head−to−Head構造を持たないことが好ましく、加えて、更に好ましくは、前記構造中に、Head−to−Tail構造、または、Tail−to−Tail構造を有することが好ましい。
本発明に係るHead−to−Head構造、Head−to−Tail構造、Tail−to−Tail構造については、例えば、『π電子系有機固体』(1998年、学会出版センター発行、日本化学界編)27〜32頁、Adv.Mater.1998,10,No.2,93〜116頁等により参照出来るが、ここで、具体的に各々の構造的特徴を下記に示す。
Figure 2008124122
Figure 2008124122
Figure 2008124122
ここにおいてRは前記一般式(1)におけるRと同義である。
以下、本発明に用いられるこれらチオフェンオリゴマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2008124122
Figure 2008124122
Figure 2008124122
Figure 2008124122
これらのチオフェンオリゴマーの製造は、特開2006−024908号公報の記載を参照して行うことができる。
また、本発明においては、有機半導体層に、たとえば、アクリル酸、アセトアミド、ジメチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基などの官能基を有する材料や、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレンおよびテトラシアノキノジメタンやそれらの誘導体などのように電子を受容するアクセプターとなる材料や、たとえばアミノ基、トリフェニル基、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、フェニル基などの官能基を有する材料、フェニレンジアミンなどの置換アミン類、アントラセン、ベンゾアントラセン、置換ベンゾアントラセン類、ピレン、置換ピレン、カルバゾールおよびその誘導体、テトラチアフルバレンとその誘導体などのように電子の供与体であるドナーとなるような材料を含有させ、いわゆるドーピング処理を施してもよい。
前記ドーピングとは電子授与性分子(アクセプター)または電子供与性分子(ドナー)をドーパントとして該薄膜に導入することを意味する。従って,ドーピングが施された薄膜は、前記の縮合多環芳香族化合物とドーパントを含有する薄膜である。本発明に用いるドーパントとしては公知のものを採用することができる。
これらの有機半導体層の形成は、本発明においては、スピンコート、ディップコート、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、およびLB法等、またスクリーン印刷、インクジェット印刷、ブレード塗布などの溶液による塗布方法を用いて行うことができる。
この中で生産性の点で、有機半導体の溶液を用いて簡単かつ精密に薄膜が形成できるスピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等が好ましい。
また、これら結晶性有機半導薄膜を、有機半導体溶液を塗布する方法により作製する場合、有機半導体材料溶液を構成する溶媒としては任意の溶媒を用いることができる。例えば、炭化水素系、アルコール系、エーテル系、エステル系、ケトン系、グリコールエーテル系など広範囲の適度の蒸気圧或いは沸点を有する有機溶媒から、有機半導体薄膜を得ようとする有機半導体化合物に応じて適宜選択されるが、沸点で、60℃〜150℃の範囲に常圧沸点を有する溶媒類が、前記、結晶化界面、或いは、塗布液端面における溶媒の適度な蒸発速度をもつため好ましい。
例えば、ジエチルエーテルやジイソプロピルエーテル等の鎖状エーテル系溶媒、テトラヒドロフランやジオキサンなどの環状エーテル系溶媒、アセトンやメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、m−クレゾール等の芳香族系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、トリデカンなどの脂肪族炭化水素溶媒、α−テルピネオール、また、クロロホルムや1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、N−メチルピロリドン、2硫化炭素等を好適に用いることができるが、特に、芳香族炭化水素系溶媒、例えば、トルエン、キシレン等が好ましい溶媒として挙げられる。
塗布装置、また結晶化雰囲気を減圧とすれば、この制限はなくなるが、装置が大がかりとなる。
本発明の製造方法によって形成される有機半導体薄膜(層)の膜厚としては、高いトランジスタ特性を得る観点から、1μm以下、特に10nm〜300nmの範囲に調整することが好ましい。
本発明の薄膜トランジスタ素子において、ソース電極またはドレイン電極は、前記無電解メッキ法により形成されるが、ソース電極およびドレイン電極のひとつはゲート電極と共に無電解メッキによらない電極であってよい。その場合、電極は公知の方法、公知の電極材料にて形成される。電極材料としては導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペーストおよびカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられる。あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体など)も好適に用いられる。
ソース電極またドレイン電極を形成する材料としては、上に挙げた中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましく、p型半導体の場合は特に、白金、金、銀、ITO、導電性ポリマーおよび炭素が好ましい。
ソース電極またドレイン電極とする場合は、上記の導電性材料を含む、溶液、ペースト、インク、分散液などの流動性電極材料を用いて形成したもの、特に、導電性ポリマー、または白金、金、銀、銅を含有する金属微粒子を含む流動性電極材料が好ましい。また、溶媒や分散媒体としては、有機半導体へのダメージを抑制するため、水を60%以上、好ましくは90%以上含有する溶媒または分散媒体であることが好ましい。
金属微粒子を含有する流動性電極材料としては、たとえば公知の導電性ペーストなどを用いても良いが、好ましくは、粒子径が1nm〜50nm、好ましくは1nm〜10nmの金属微粒子を、必要に応じて分散安定剤を用いて、水や任意の有機溶剤である分散媒中に分散した材料である。
金属微粒子の材料としては、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができる。
このような金属微粒子の分散物の製造方法として、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法などの物理的生成法や、コロイド法、共沈法などの、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられるが、好ましくは、特開平11−76800号公報、同11−80647号公報、同11−319538号公報、特開2000−239853号公報等に示されたコロイド法、特開2001−254185号公報、同2001−53028号公報、同2001−35255号公報、同2000−124157号公報、同2000−123634号公報などに記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子の分散物である。
これらの金属微粒子分散物を用いて電極を成形し、溶媒を乾燥させた後、必要に応じて100℃〜300℃、好ましくは、150℃〜200℃の温度範囲で形状様に加熱することにより、金属微粒子を熱融着させ、目的の形状を有する電極パターンを形成するものである。
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅などの金属箔上に熱転写、インクジェット等により、レジストを形成しエッチングする方法がある。また導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、金属微粒子を含有する分散液等を直接インクジェット法によりパターニングしてもよいし、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーションなどにより形成してもよい。
更に、導電性ポリマーや金属微粒子を含有する導電性インク、導電性ペーストなどを凸版、凹版、平版、スクリーン印刷などの印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
ソース電極及びドレイン電極は、特にフォトリソグラフ法を用いて形成することが好ましく、この場合、有機半導体保護層に接して層の全面に光感応性樹脂の溶液を塗布し、光感応性樹脂層を形成する。
光感応性樹脂層としては、公知の感光性樹脂が使用できる。パターン露光後、光感応性樹脂層を現像してパターニング後電極形成する。ソース電極及びドレイン電極の材料として金属微粒子含有分散体を用いる場合、必要に応じて熱融着する。
本発明の有機薄膜トランジスタ素子のゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用いることができるが、特に、比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウムなどが挙げられる。それらのうち好ましいのは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
上記皮膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法などのドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法などの塗布による方法、印刷やインクジェットなどのパターニングによる方法などのウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤あるいは水に必要に応じて界面活性剤などの分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えばアルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。
これらのうち好ましいのは、上述した大気圧プラズマ法である。大気圧プラズマ法による絶縁被膜の形成は、例えば特開2003−179234号公報等に記載されている。
ゲート絶縁層が陽極酸化膜又は該陽極酸化膜と絶縁膜とで構成されることも好ましい。陽極酸化膜は封孔処理されることが望ましい。陽極酸化膜は、陽極酸化が可能な金属を公知の方法により陽極酸化することにより形成される。
陽極酸化処理可能な金属としては、アルミニウム又はタンタルを挙げることができ、陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行なうことにより、酸化被膜が形成される。陽極酸化処理に用いられる電解液としては、多孔質酸化皮膜を形成することができるものならばいかなるものでも使用でき、一般には、硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、ホウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはこれらを2種類以上組み合わせた混酸あるいそれらの塩が用いられる。
陽極酸化の処理条件は使用する電解液により種々変化するので一概に特定し得ないが、一般的には、電解液の濃度が1質量%〜80質量%、電解液の温度5℃〜70℃、電流密度0.5A/dm2〜60A/dm2、電圧1V〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲が適当である。好ましい陽極酸化処理は、電解液として硫酸、リン酸またはホウ酸の水溶液を用い、直流電流で処理する方法であるが、交流電流を用いることもできる。これらの酸の濃度は、5質量%〜45質量%であることが好ましく、電解液の温度は、20℃〜50℃、電流密度0.5A/dm2〜20A/dm2で20秒間〜250秒間電解処理するのが好ましい。
また、有機化合物皮膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることもできる。
有機化合物皮膜の形成法としては、前記ウェットプロセスが好ましい。
無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。またこれら絶縁膜の膜厚としては、一般に50nm〜3μm、好ましくは、100nm〜1μmである。
ゲート絶縁層上に有機半導体を形成する場合、ゲート絶縁層表面に、任意の表面処理を施してもよい。シランカップリング剤、たとえばオクタデシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ヘキサメチルジシラザンや、アルカン燐酸、アルカンスルホン酸、アルカンカルボン酸などの自己組織化配向膜が好適に用いられる。
〔基板について〕
基板を構成する支持体材料としては、種々の材料が利用可能であり、例えば、ガラス、石英、酸化アルミニウム、サファイア、チッ化珪素、炭化珪素などのセラミック基板、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素など半導体基板、紙、不織布などを用いることができるが、本発明において支持体は樹脂からなることが好ましく、例えばプラスチックフィルムシートを用いることができる。プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
また、本発明の有機薄膜トランジスタ素子上には素子保護層を設けることも可能である。保護層としては前述した無機酸化物又は無機窒化物等が挙げられ、上述した大気圧プラズマ法で形成するのが好ましい。これにより、有機薄膜トランジスタ素子の耐久性が向上する。
本発明の薄膜トランジスタ素子においては、支持体がプラスチックフィルムの場合、無機酸化物及び無機窒化物から選ばれる化合物を含有する下引き層、及びポリマーを含む下引き層の少なくとも一方を有することが好ましい。
下引き層に含有される無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、等が挙げられる。また無機窒化物としては窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。
それらのうち好ましいのは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、窒化ケイ素である。
本発明において、無機酸化物及び無機窒化物から選ばれる化合物を含有する下引き層は上述した大気圧プラズマ法で形成されるのが好ましい。
ポリマーを含む下引き層に用いるポリマーとしては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体、ポリアミド樹脂、エチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができる。
図1は、本発明の有機半導体薄膜を用いた、薄膜トランジスタ素子の代表的な素子構成を示す模式図である。
同図(a)は、ガラス支持体6上に、マスクを用い勿論金等を蒸着によりパターン形成し、または金属微粒子を含む層のパターンを形成した後、次に金属微粒子を含む層を加熱加圧して融着させてもよいが、ソース電極2、ドレイン電極3を形成し、その上に有機半導体材料層1を形成し、その上にゲート絶縁層5を形成し、更にその上にゲート電極4を形成して有機TFTを形成したものである。
図1(b)、(c)に、トップゲート型の有機薄膜トランジスタの他の構成例を示す。
また、図1(d)〜(f)はボトムゲート型の有機TFTの構成例を示す。同図(d)は支持体6上にゲート電極4を形成した後、ゲート絶縁層5を形成し、その上にソース電極2、ドレイン電極3を形成して、該ソース、ドレイン電極間のゲート絶縁層上に有機半導体材料層1を形成してボトムゲート型の有機TFTを形成したものである。同様に他の構成例を(e)、(f)に示す。なかでも同図(f)は支持体6上にゲート電極4を形成した後、ゲート絶縁層5を形成し、その上に有機半導体材料層1を形成した後、更にソース電極2、ドレイン電極3を形成して有機TFTを形成したものである。
図2は、前記有機薄膜トランジスタを用いて、液晶、電気泳動素子等の出力素子様に構成されたTFTシートの概略等価回路図の1例である。
TFTシート10はマトリクス配置された多数の有機TFT11を有する。7は各有機TFT11のゲートバスラインであり、8は各有機TFT11のソースバスラインである。各有機TFT11のソース電極には、例えば液晶、電気泳動素子等の出力素子12が接続され、表示装置における画素を構成する。画素電極は光センサの入力電極として用いてもよい。図示の例では、出力素子として液晶が、抵抗とコンデンサからなる等価回路で示されている。13は蓄積コンデンサ、14は垂直駆動回路、15は水平駆動回路である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
《有機薄膜トランジスタ1の作製》:比較例
比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウェハーに厚さ200nmの熱酸化膜を形成し、ゲート絶縁膜とした。
次に、半導体材料OSC2−2の0.1質量%テトラリン溶液を調製し、N2ガスでバブリングすることで、溶液中の溶存酸素を除去し溶液を100℃に加熱して、N2ガスを充填したグローブボックス中で、基板表面温度を基板温度制御装置(リンカム製LTS350)を用いて200℃に保持した前記酸化ケイ素皮膜の表面に塗布し半導体層を形成した。この時基板表面から5mm離れた位置の温度を、市販の温度測定装置を用いて測定したところ150℃であった。
このように成膜された半導体層の膜厚は20nmであった。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。以上によりチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタ1を作製した。
この素子を、前記基板温度制御装置を用いて、基板温度25℃に保持しFET性能を測定したところ、移動度は0.001cm2/Vsであった。また、このときの基板表面から5mmの距離の温度は25℃であった。
《有機薄膜トランジスタ2〜9の作製》
有機薄膜トランジスタ1の作製において、有機半導体材料OSC2−2の代わりに、表1に記載の有機半導体材料を用いた以外は同様にして、有機薄膜トランジスタ2〜9を作製した。
《有機半導体材料分子の面間隔(Å)測定》
得られた有機薄膜トランジスタ1〜9の各々について、有機半導体薄膜の成膜時のin−planeのX線回折により、半導体層以外から由来するピークを除き、回折強度が最大のピークから各面間隔の主成分を求めた。
また作製した素子とは別に、駆動環境と同様の環境下で半導体膜を形成し、そのin−planeのX線回折の測定から、上記同様に表面水平方向の面間隔を求めた。
得られた結果から、
素子作製半導体膜の面間隔(Å)(膜面水平方向の2成分)
駆動環境下で成膜した半導体膜の面間隔(Å)(膜面水平方向の2成分)
を表1に示す。
《有機薄膜トランジスタの評価》
得られた有機薄膜トランジスタ1〜9の各々について、移動度を評価した。
《移動度(キャリア移動度ともいう)》
得られた有機薄膜トランジスタ1〜9の各々について、各素子の移動度(キャリア移動度)を素子作製直後に測定した。尚、本発明では、I−V特性の飽和領域から移動度(キャリア移動度)を求めた。
尚、素子作製に使用した基板の絶縁膜表面の表面エネルギーは、いずれも40mN/m〜50mN/mの範囲内であった。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2008124122
表1から、比較に比べて、本発明の試料は、移動度が極めて高いという、優れたトランジスタ特性を示すことが明らかである。
本発明に係る有機薄膜トランジスタの構成例を示す概略図である。 有機TFTシートの概略等価回路図の1例を示す概略図である。
符号の説明
1 有機半導体層
2 ソース電極
3 ドレイン電極
4 ゲート電極
5 絶縁層
6 支持体
7 ゲートバスライン
8 ソースバスライン
10 有機TFTシート
11 有機TFT
12 出力素子
13 蓄積コンデンサ
14 垂直駆動回路
15 水平駆動回路

Claims (9)

  1. 有機半導体材料を含有する溶液を、基板上へ供給して薄膜形成を行う有機半導体薄膜の製造方法において、該有機半導体薄膜の駆動時の温度以下の温度条件下で成膜する工程を有することを特徴とする有機半導体薄膜の製造方法。
  2. 前記基板上に有機半導体薄膜が成膜される際の該基板の温度Aと、該有機半導体薄膜の駆動時における前記基板の温度Bとの差(B−A)が、0℃〜100℃であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
  3. 前記有機半導体薄膜の成膜時の基板温度が、0℃〜100℃の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
  4. 前記有機半導体薄膜の成膜時の圧力を、該有機半導体薄膜の駆動時の圧力よりも高圧になるように調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜の製造方法により成膜された該有機半導体薄膜の視射角入射X線回折測定により得られた回折ピークの中から最大強度を示すピークと2番目の強度のピークから得られる有機半導体分子の膜面水平方向の面間隔A1、A2と、駆動環境下で成膜した場合の前記有機半導体薄膜の視射角X線回折測定により得られた回折ピークの中から最大強度を示すピークと2番目の強度のピークから得られる前記有機半導体分子の膜面水平方向の面間隔B1、B2とが、各々下記不等式(a)〜(d)を満たすことを特徴とする有機半導体薄膜。
    不等式(a)
    A1>A2
    不等式(b)
    B1>B2
    不等式(c)
    A1<B1
    不等式(d)
    A2<B2
  6. 前記有機半導体材料が、分子量100〜5000の有機半導体分子から構成されていることを特徴とする請求項5に記載の有機半導体薄膜。
  7. 前記有機半導体材料として、ヘテロ原子を含む縮合環化合物を含有することを特徴とする請求項5または6に記載の有機半導体薄膜。
  8. 前記基板の表面エネルギーが、20mN/m〜75mN/mの範囲であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜を含むことを特徴とする有機半導体素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011165778A (ja) * 2010-02-08 2011-08-25 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> p型有機薄膜トランジスタ、p型有機薄膜トランジスタの製造方法、および、塗布溶液

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