JP2008192724A - 有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機半導体分子の配向制御と有機半導体薄膜の成膜性の両立により、キャリア移動度の大きい有機半導体薄膜を精度よく形成する有機薄膜トランジスタの製造方法を与えることにある。
【解決手段】支持体上に、ゲート電極、絶縁層、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタの製造方法において、(1)有機半導体材料を堆積させる表面に、有機半導体材料との親和性を低下させる自己組織化単分子膜を低い密度で形成する工程、(2)前記有機半導体材料を堆積させる表面以外の領域に、同じ自己組織化単分子膜を(1)よりも高い密度で形成する工程、(3)(1)で形成された密度の低い自己組織化単分子膜上に有機半導体層を形成する工程、からなることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】支持体上に、ゲート電極、絶縁層、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタの製造方法において、(1)有機半導体材料を堆積させる表面に、有機半導体材料との親和性を低下させる自己組織化単分子膜を低い密度で形成する工程、(2)前記有機半導体材料を堆積させる表面以外の領域に、同じ自己組織化単分子膜を(1)よりも高い密度で形成する工程、(3)(1)で形成された密度の低い自己組織化単分子膜上に有機半導体層を形成する工程、からなることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は有機薄膜トランジスタの製造方法、及び該有機薄膜トランジスタの製造方法により作製した有機薄膜トランジスタに関する。
情報端末の普及に伴い、コンピュータ用のディスプレイとしてFPD(フラットパネルディスプレイ)に対するニーズが高まっている。また、情報化の進展に伴い、従来、紙媒体で提供されていた情報が電子化される機会が増え、薄くて軽い、手軽に持ち運びが可能なモバイル用表示媒体として、電子ペーパーあるいはデジタルペーパーへのニーズも高まりつつある。
一般に平板型のディスプレイ装置においては、液晶、有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)、電気泳動等を利用した素子を用いて表示媒体を形成している。また、こうした表示媒体では画面輝度の均一性や画面書き換え速度等を確保するために、画像駆動素子としてアクティブ駆動素子(TFT素子)を用いる技術が主流になっている。例えば、通常のコンピュータディスプレイではガラス基板上にこれらTFT素子を形成し、液晶、有機EL素子等が封止されている。
こうしたTFT素子の製造には、主にSi系半導体が用いられ、通常スパッタリング、その他の真空系の製造プロセスが必要とされ、何十もの工程を必要とし、装置コスト、ランニングコストが非常に膨大なものとなっていた。
また、Si材料を用いたTFT素子の形成には高温の工程が含まれるため、基板材料には工程温度に耐える材料であるという制限が加わる。このため先に述べた電子ペーパーあるいは薄型ディスプレイを構成した場合、重く、柔軟性に欠け、落下の衝撃に弱い製品となってしまう。
近年において高い電荷輸送性を有する有機化合物として、有機半導体材料の研究が精力的に進められている。これらの化合物は有機EL素子用の電荷輸送性材料の他、例えば、有機レーザー発振素子や、多数の論文にて報告されている有機薄膜トランジスタ素子(有機TFT素子)への応用が期待されている。
低温での真空ないし低圧蒸着による形成や、更にその分子構造を適切に改良することによって溶剤に可溶化できればインクジェット法、または印刷法などといった溶液プロセスで簡便に製造できると考えられる。
このような低温プロセス・溶液プロセスによる製造は、透明樹脂基板上へのTFT素子の形成を可能とし、ディスプレイを軽く、柔軟性に富み、落としても割れない(もしくは非常に割れにくい)安価なディスプレイとすることができる。
これまでに半導体層として検討されてきた材料としては、ペンタセン等のアセン類、α−チエニールもしくはセクシチオフェン等、芳香族オリゴマー、更にはポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリ−p−フェニレンビニレンといった共役高分子などが挙げられるが、有機半導体層を形成する基板表面には、有機半導体層を形成する前にオクタデシルトリクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等による表面処理が一般に施されている。このような表面処理を施すことで、有機薄膜トランジスタ性能、特にキャリア移動度が大幅に向上することがよく知られている(例えば、非特許文献1)。
また、ディスプレイ等に適用する場合、複数の有機TFT素子をアレイ化する必要があるが、そのためには、必要な領域にのみ有機半導体層を形成する必要がある。その方法として、例えば、有機半導体層を堆積させる基板表面に表面エネルギーの異なる領域を予め形成しておくことで、有機半導体層を塗布と同時にパターニングする方法がいくつか提案されており、プロセス上の簡便さ、コストの面からも好ましい技術であると言える。
例えば、基板表面に形成した撥液性材料からなるパターンにより有機材料液をはじくことで、有機材料(半導体)層をパターニングする方法(例えば、特許文献1)、また、基板表面を異なる自己組織化単分子膜によって、(有機半導体)薄膜形成材料との親和性が高い表面状態の第1領域と、親和性が低い表面状態の第2領域とを形成し、第1領域上に薄膜形成する方法がある(例えば、特許文献2)。
また、自己組織化単分子膜を有機TFTに応用した例として、パターニング方法ではないが、自己組織化単分子膜の粗密により、有機TFT(ペンタセン蒸着膜)の閾値を制御する方法が開示されている。(特許文献3)
このように、基板上に表面エネルギーの異なる領域を形成して有機半導体層を位置精度よく塗布と同時にパターニングさせるためには、前もって基板表面を表面エネルギーの異なる領域にパターン化しておく必要がある。一方で、有機半導体層としては有機材料を配向性の高い薄膜とする必要があり、こういった面も考慮すると、これらの方法では、性能面、またプロセス面、コスト面でも不十分であり、より簡便に、より確実にキャリア移動度の高い、即ち、薄膜トランジスタとしてON/OFF性能のよい配向性のよい有機半導体薄膜をパターニングする方法の開発が今も望まれている。
Synthetic Metals 148 (2005) 75−79 特開2004−273851号公報
特開2003−234622号公報
特開2006−278628号公報
このように、基板上に表面エネルギーの異なる領域を形成して有機半導体層を位置精度よく塗布と同時にパターニングさせるためには、前もって基板表面を表面エネルギーの異なる領域にパターン化しておく必要がある。一方で、有機半導体層としては有機材料を配向性の高い薄膜とする必要があり、こういった面も考慮すると、これらの方法では、性能面、またプロセス面、コスト面でも不十分であり、より簡便に、より確実にキャリア移動度の高い、即ち、薄膜トランジスタとしてON/OFF性能のよい配向性のよい有機半導体薄膜をパターニングする方法の開発が今も望まれている。
Synthetic Metals 148 (2005) 75−79
本発明の目的は、有機半導体分子の配向制御と有機半導体薄膜の成膜性の両立により、キャリア移動度の大きい有機半導体薄膜を精度よく形成する有機薄膜トランジスタの製造方法を与えることにある。
本発明の上記課題は以下の手段により達成される。
1.支持体上に、ゲート電極、絶縁層、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタの製造方法において、
(1)有機半導体材料を堆積させる表面に、有機半導体材料との親和性を低下させる自己組織化単分子膜を低い密度で形成する工程、
(2)前記有機半導体材料を堆積させる表面以外の領域に、同じ自己組織化単分子膜を(1)よりも高い密度で形成する工程、
(3)(1)で形成された密度の低い自己組織化単分子膜上に有機半導体層を形成する工程、からなることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
(1)有機半導体材料を堆積させる表面に、有機半導体材料との親和性を低下させる自己組織化単分子膜を低い密度で形成する工程、
(2)前記有機半導体材料を堆積させる表面以外の領域に、同じ自己組織化単分子膜を(1)よりも高い密度で形成する工程、
(3)(1)で形成された密度の低い自己組織化単分子膜上に有機半導体層を形成する工程、からなることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
2.前記有機半導体材料を堆積させる表面が、ソース電極、ドレイン電極間のチャネルが形成される領域を含むことを特徴とする前記1に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
3.自己組織化単分子膜が低い密度で形成された表面の表面エネルギーの水素結合性成分γs h値をγs ha、自己組織化単分子膜が高い密度で形成された表面の表面エネルギーの水素結合性成分γs h値をγs hbとしたとき、γs ha>γs hbを満たすことを特徴とする前記1または2に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
4.自己組織化単分子膜が低い密度で形成された表面における液滴の接触角をθa、自己組織化単分子膜が高い密度で形成された表面における液滴の接触角をθbとしたとき、θa<θbを満たすことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
5.前記自己組織化単分子膜が、有機シラン化合物から形成されたものであることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
6.前記自己組織化単分子膜が、末端にアルキル基を有する有機シラン化合物から形成されたものであることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
7.前記有機半導体層が、有機半導体材料溶液を用いて形成されたことを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
8.前記1〜7のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法によって形成したことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
本発明により、成膜性よく、配向性の高い有機半導体層を形成することで、欠陥がなく、トランジスタ特性に優れた有機TFTを提供できる。
以下本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明は、有機材料の配向性が高い移動度の高い有機半導体層を成膜性よく形成する方法に関するものである。これにより、半導体層に欠陥がなく、トランジスタ特性に優れた有機TFTを提供できる。
本発明は、支持体上に、ゲート電極、絶縁層、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタの製造方法において、
(1)有機半導体材料を堆積させる表面に、有機半導体材料との親和性を低下させる自己組織化単分子膜を低い密度で形成する工程、
(2)前記有機半導体材料を堆積させる表面以外の領域に、同じ自己組織化単分子膜を(1)よりも高い密度で形成する工程、
(3)(1)で形成された密度の低い自己組織化単分子膜上に有機半導体層を形成する工程、
からなることを特徴とする、有機薄膜トランジスタの製造方法である。
(1)有機半導体材料を堆積させる表面に、有機半導体材料との親和性を低下させる自己組織化単分子膜を低い密度で形成する工程、
(2)前記有機半導体材料を堆積させる表面以外の領域に、同じ自己組織化単分子膜を(1)よりも高い密度で形成する工程、
(3)(1)で形成された密度の低い自己組織化単分子膜上に有機半導体層を形成する工程、
からなることを特徴とする、有機薄膜トランジスタの製造方法である。
前記(1)及び(2)のステップは、順次行ってもよい。(2)の工程を先に行う方がプロセスとしては単純であるが、後述のように種々の方法を用いることができる。
有機薄膜トランジスタを製造する場合、有機半導体材料を堆積させる表面として例えば、ボトムゲート型TFTにおいては基板としてのゲート絶縁層上に、また、例えばトップゲート型薄膜トランジスタの場合には、絶縁性基板上に直接堆積させるなど、幾つかの場合が考えられる。そして、薄膜トランジスタにおける半導体層や電極の配置、また有機TFT素子においては、薄膜トランジスタ自体をアレイ化する必要があり、そのためには、基板上の必要な領域にのみ有機半導体層をパターニング形成する必要がある。本発明においては、このような有機半導体層を堆積させる基板表面に自己組織化単分子膜を用いて表面エネルギーの異なる領域を予め形成しておくことで、有機半導体層を塗布と同時にパターニングするものである。自己組織化単分子膜を用いる本発明の方法により、有機半導体層を、位置精度、成膜性がよく、同時に有機半導体材料分子の基板上での配向を高め、キャリア移動度の高い薄膜として得ることが出来る。
本発明を、例えば、ゲート電極、ゲート絶縁層を形成した基板上に有機半導体薄膜を形成する場合を例にとって説明する。
本発明における第1のステップは、
(1)有機半導体材料を堆積させる表面に、有機半導体材料との親和性を低下させる自己組織化単分子膜を低い密度で形成する工程である。
(1)有機半導体材料を堆積させる表面に、有機半導体材料との親和性を低下させる自己組織化単分子膜を低い密度で形成する工程である。
有機半導体材料を堆積させる表面は、ここではゲート絶縁層であり、例えば酸化珪素等の水酸基等反応性の基が表面に多く存在する絶縁膜表面である。
自己組織化単分子膜の形成は、有機シラン化合物と前記表面を接触させることで形成させることができる。
ここにおいて、自己組織化単分子膜とは、膜形成面の構成原子(例えば前記水酸基)と結合可能な官能基を有する化合物(例えば、前記有機分子中にトリクロロシリル基等を有する有機シラン化合物)を、気体又は液体の状態で膜形成面と共存させることにより、前記官能基が膜形成面の構成原子と吸着乃至結合して、直鎖分子を外側に向けて形成された緻密な単分子膜である。この単分子膜は、化合物の膜形成面に対する自発的な化学吸着によって形成されることから、自己組織化単分子膜(SAM膜)と称される。
尚、自己組織化単分子膜については、A.Ulman著「An Introduction to Ultrathin Organic Film from Langmuir−Blodgett to Self−Assembly」(Academic Press Inc.Boston,1991)の第3章に詳しい。
有機シラン化合物としては従って、膜形成面と結合可能な官能基を有する化合物であり、所謂シランカップリング剤が好ましい。
有機半導体層を堆積させる表面、即ち、ソース、ドレイン電極間のチャネルを形成する領域に有機シラン化合物を接触させ反応させる。パターニングには、マスク(マスキングテープ)或いはレジスト等を、また、精度を要求しないときには、印刷法等によって有機シラン化合物を所定の領域に適用してもよい。
有機半導体層を堆積させる表面には自己組織化単分子膜を低い密度で形成する。これにより有機半導体材料との親和性はやや低下するが、自己組織化単分子膜が有機半導体材料の基板上での配向を向上させる。
次いで、前記(1)のプロセスによって有機半導体層を堆積させる表面に自己組織化単分子膜を低い密度で形成したのち、次いで、
(2)前記有機半導体材料を堆積させる表面以外の領域に、同じ自己組織化単分子膜を(1)よりも高い密度で形成する工程によって、前記の有機半導体材料を堆積させる表面以外の領域を表面エネルギーの小さい、有機半導体材料溶液と親和性のないこれをはじく領域とする。
(2)前記有機半導体材料を堆積させる表面以外の領域に、同じ自己組織化単分子膜を(1)よりも高い密度で形成する工程によって、前記の有機半導体材料を堆積させる表面以外の領域を表面エネルギーの小さい、有機半導体材料溶液と親和性のないこれをはじく領域とする。
有機半導体層を堆積させる表面に自己組織化単分子膜を低い密度で形成したのち、それ以外の領域に同じ自己組織化単分子膜を高い密度で形成するには、自己組織化単分子膜が低い密度で形成された表面はマスクテープ等により保護する必要がある。
しかる後、
(3)(1)で形成された密度の低い自己組織化単分子膜(SAM膜)上に有機半導体層を形成する工程、
によって、チャネル形成領域にのみ有機半導体層を形成することが出来る。
(3)(1)で形成された密度の低い自己組織化単分子膜(SAM膜)上に有機半導体層を形成する工程、
によって、チャネル形成領域にのみ有機半導体層を形成することが出来る。
前記有機半導体材料を堆積させる表面以外の領域においては、高い密度で自己組織化単分子膜が形成されており、有機半導体材料溶液を塗布或いはインクジェット法等により適用しても、高い密度で自己組織化単分子膜が形成された領域においては表面エネルギーが低下するため半導体溶液が反撥されるため、密度の低い自己組織化単分子膜上、即ち高い密度で自己組織化単分子膜が形成された領域よりも表面エネルギーの高い密度の低い自己組織化単分子膜が形成されたチャネル領域に有機半導体材料は自然に集まりここで成膜する。それにより形成される有機半導体層は、位置精度、再現性がよく、密度の低い自己組織化単分子膜(SAM膜)上に形成されるため配向性も高く成膜性がよい。
前記(1)、(2)、(3)は必ずしもこの順で行うべきものではなく、例えば上記のほかに、
(2)有機半導体材料を堆積させる表面領域(チャネル領域)以外の領域に、自己組織化単分子膜を(1)よりも高い密度で形成する工程、
(1)有機半導体材料を堆積させる表面に、有機半導体材料との親和性を低下させる自己組織化単分子膜を低い密度で形成する工程、
の順で表面エネルギーの異なった領域をパターニングしてもよい。
(2)有機半導体材料を堆積させる表面領域(チャネル領域)以外の領域に、自己組織化単分子膜を(1)よりも高い密度で形成する工程、
(1)有機半導体材料を堆積させる表面に、有機半導体材料との親和性を低下させる自己組織化単分子膜を低い密度で形成する工程、
の順で表面エネルギーの異なった領域をパターニングしてもよい。
即ち、有機半導体材料を堆積させる表面(チャネル領域)をマスク(例えばマスキングテープ等)で覆い、その後、本発明に係わるシランカップリング剤により表面処理を行ってSAM膜を高密度で形成させる。
その後、マスクを除き、SAM膜を低密度で形成することで、チャネル領域に低密度でSAM膜が形成され、その他の領域には高密度でSAM膜が形成された表面エネルギーが異なった領域をパターニングできる。
また、第1ステップとして(1)自己組織化単分子膜を基板全面に形成した後、チャネル領域のみ、遠紫外線等によって自己組織化単分子膜を所定量破壊することでその密度を低下させてもよいし、
また、基板表面を酸素プラズマ処理をすると、水酸基が表面に形成されるため、反応性は高くなるので、高密度にSAM膜を形成したい、チャネル領域以外の領域の基板表面のみ、予め酸素プラズマ処理を行うことでシランカップリング剤との反応性を高め、チャネル領域以外の領域の自己組織化単分子膜の密度を高く、チャネル領域における自己組織化単分子膜の密度が低くなるように調整してもよい。
また、基板表面を酸素プラズマ処理をすると、水酸基が表面に形成されるため、反応性は高くなるので、高密度にSAM膜を形成したい、チャネル領域以外の領域の基板表面のみ、予め酸素プラズマ処理を行うことでシランカップリング剤との反応性を高め、チャネル領域以外の領域の自己組織化単分子膜の密度を高く、チャネル領域における自己組織化単分子膜の密度が低くなるように調整してもよい。
このように、SAM膜を、低密度領域と高密度領域にパターニング形成する方法としては、方法は限定されず、前記の他、例えば、以下に挙げるような方法を本発明に適用することができる。
(i)有機半導体層を形成する基板表面の全領域に自己組織化単分子膜(SAM膜)が高密度で形成されるよう表面処理を施した後、チャネル領域のみ選択的に低密度化するような処理(例えば、UV照射、酸素プラズマ処理、UVオゾン処理など)を施す。
(ii)有機半導体層を形成する基板表面の全領域に自己組織化単分子膜(SAM膜)が低密度で形成されるよう表面処理を施した後、チャネル領域のみマスク(例えば、カプトンなどの粘着テープ、金属マスク、シリコンゴム、樹脂、レジストなど)で覆い、更に高密度でSAM膜が形成されるような処理を施した後、マスクを除去する。
(iii)チャネル領域のみマスク(例えば、カプトンなどの粘着テープ、金属マスク、シリコンゴム、樹脂、レジストなど)で覆い、自己組織化単分子膜(SAM膜)が高密度で形成されるよう表面処理を施した後、マスクを除去し、更にチャネル領域にSAM膜が低密度で形成されるよう表面処理を施す。
(iv)チャネル領域のみマスク(例えば、カプトンなどの粘着テープ、金属マスク、シリコンゴム、樹脂、レジストなど)で覆い、酸素プラズマ処理を施した後、マスクを除去して、自己組織化単分子膜(SAM膜)が高密度で形成されるような条件下で基板全面に表面処理を施す。(酸素プラズマによる前処理が施されていないチャネル領域は、同一の表面処理条件下でも、反応性が低くなることから低密度になる。)
(v)チャネル領域のみマスク(例えば、カプトンなどの粘着テープ、金属マスク、シリコンゴム、樹脂、レジストなど)で覆い、酸素プラズマ処理を施した後、自己組織化単分子膜(SAM膜)が高密度で形成されるよう表面処理を施し、マスクを除去後、更にチャネル領域にSAM膜が低密度で形成されるよう表面処理を施す。
(v)チャネル領域のみマスク(例えば、カプトンなどの粘着テープ、金属マスク、シリコンゴム、樹脂、レジストなど)で覆い、酸素プラズマ処理を施した後、自己組織化単分子膜(SAM膜)が高密度で形成されるよう表面処理を施し、マスクを除去後、更にチャネル領域にSAM膜が低密度で形成されるよう表面処理を施す。
また、SAM膜が高密度で形成されるような表面処理条件としては、表面処理材料(シランカップリング剤)との反応時間を長くする、反応温度を高くする、高濃度希釈溶液あるいは希釈しない原液を用いる、反応性の高い材料を用いる、などが適用でき、自己組織化単分子膜が低密度で形成されるような表面処理条件としては、反応時間を短くする、反応温度を低くする、低濃度希釈溶液を用いる、反応性の低い材料を用いる、酸素プラズマなどによる前処理洗浄を行わずに表面処理を施す、などが挙げられる。
本発明において用いられる表面処理材料は基板表面の表面エネルギーを低下させる。このような表面処理材料としては末端にアルキル基を有する有機シラン化合物が好ましい。
これらの有機シラン化合物としてはシランカップリング剤が好ましく、アルキルシラン、アルキルジシラザン類からなるシランカップリング剤が好ましい。これらのシランカップリング剤は、末端のアルキル基のほかハロゲノシラン、アルコキシシラン等の基板表面の水酸基等と反応性を有する基が置換されており、基板表面に化学的に結合してSAM膜を形成する。
これらアルキルシラン、アルキルジシラザン類の例としては、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等、また、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、イソプロピルトリクロロシラン、イソプロピルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、トリメチルクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン等、更にアルキルジシラザン類としてはヘキサメチルジシラザン等の化合物が挙げられる。
具体的には、信越化学社製のケイ素化合物試薬、または米国のGelest,Inc.Metal−Organics for Material&Polyer Technology、チッソ社製SILICON CHEMICALS等の化合物カタログに記載されているものの中からアルキルシラン、アルキルジシラザン類を選択して用いればよい。
特にオクチルトリエトキシシラン、オクチルトリクロロシラン(OTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が好ましい表面処理剤である。
また、フッ素原子を含有する基、また、フッ素を含有するアルキル基(フルオロアルキル基)を含有するシラン、アルキルシラザン類も好ましい。
これらの代表的具体例を以下に示す。
(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリクロロシラン
(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン
(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン(信越化学製KBM7103)
ビス(トリフルオロプロピル)テトラメチルジシラザン
(3−ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリクロロシラン
ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン
ペンタフルオロフェニルジメチルクロロシラン
1,8−ビス(トリクロロシリルエチル)ヘキサデカフルオロオクタン
これらの化合物は、信越化学、アヅマックス等から製品として入手可能である。
(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン
(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン(信越化学製KBM7103)
ビス(トリフルオロプロピル)テトラメチルジシラザン
(3−ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリクロロシラン
ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン
ペンタフルオロフェニルジメチルクロロシラン
1,8−ビス(トリクロロシリルエチル)ヘキサデカフルオロオクタン
これらの化合物は、信越化学、アヅマックス等から製品として入手可能である。
また、下記一般式(1)で表される化合物も好ましく挙げられる。
一般式(1)において、Xは、ケイ素、ゲルマニウム、錫、及び鉛から選ばれるいずれかの原子を表し、Zは、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、及び鉛(Pb)から選ばれる何れかの原子を表す。R1〜R6は各々水素原子又は置換基を表す。Yは連結基を表す。
一般式(1)において、R1〜R3で表される置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、等が挙げられる。
上記の置換基のうち特に好ましいのは、アルキル基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
なお、上記の各種置換基は、上記の置換基によって更に置換されていてもよい。また、R1、R2及びR3は相互に同一であっても、異なっていてもよい。
Xで表される金属原子のうち、好ましいのは、Si、Geである。
Yで表される連結基としては、アルキレン基(例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、シクロヘキシレン基(例えば、1,6−シクロヘキサンジイル基等)、シクロペンチレン基(例えば、1,5−シクロペンタンジイル基など)等)、アルケニレン基(例えば、ビニレン基、プロペニレン基等)、アルキニレン基(例えば、エチニレン基、3−ペンチニレン基等)、アリーレン基などの炭化水素基のほか、ヘテロ原子を含む基(例えば、−O−、−S−等のカルコゲン原子を含む2価の基、−N(R)−基、ここで、Rは、水素原子またはアルキル基を表し、該アルキル基は、前記一般式(1)において、R1〜3で表されるアルキル基と同義である)等が挙げられる。
また、上記のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基の各々においては、2価の連結基を構成する炭素原子の少なくとも一つが、カルコゲン原子(酸素、硫黄等)や前記−N(R)−基等で置換されていても良い。
更に、Yで表される連結基としては、例えば、2価の複素環基を有する基が用いられ、例えば、オキサゾールジイル基、ピリミジンジイル基、ピリダジンジイル基、ピランジイル基、ピロリンジイル基、イミダゾリンジイル基、イミダゾリジンジイル基、ピラゾリジンジイル基、ピラゾリンジイル基、ピペリジンジイル基、ピペラジンジイル基、モルホリンジイル基、キヌクリジンジイル基等が挙げられ、また、チオフェン−2,5−ジイル基や、ピラジン−2,3−ジイル基のような、芳香族複素環を有する化合物(ヘテロ芳香族化合物ともいう)に由来する2価の連結基であってもよい。
また、アルキルイミノ基、ジアルキルシランジイル基やジアリールゲルマンジイル基のようなヘテロ原子を会して連結する基であってもよい。
上記連結基のうち、好ましいのは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、及びアリーレン基等の炭化水素連結基である。
前記一般式(1)において、Zで表される原子の中、好ましいのは、Si、Tiである。
R4〜R6は、R1〜R3と同義であるが、置換基として、少なくともアルコキシ基またはハロゲン原子のいずれかを有していることが好ましい。
以下に、一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
これら具体例として挙げられた各化合物等は、例えば、Collect.Czech.Chem.Commun.,44巻,750〜755頁、J.Amer.Chem.Soc.1990年,112巻,2341〜2348頁、Inorg.Chem.,10巻,889〜892頁,1971年、米国特許第3,668,233号明細書等、また、特開昭58−122979号、特開平7−242675号、特開平9−61605号、同11−29585号、特開2000−64348号、同2000−144097号公報等に記載の合成方法、あるいはこれに準じた合成方法により製造することができる。
本発明において、基板上にSAM膜を形成する方法、即ち、シランカップリング剤を用いた表面処理方法については、特開2004−327857号公報、同2005−32774号公報、同2005−158765号公報の各公報等に開示されているような公知の方法を適用することができる。例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition、化学蒸着)法等の気相法、スピンコート法やディップコート法等の液相法、更にスクリーン印刷法、マイクロモールド法、マイクロコンタクト法、インクジェット法等の印刷法などを適用することができる。より好ましくは溶液プロセス(液相法)による方法である。
中でも本発明に好ましく用いられる方法としては、表面処理剤の溶液に基体を浸漬、または表面処理剤の溶液を基体に塗布して乾燥する方法(湿式法)が好ましい。
また、自己組織化単分子膜を形成する前には、酸素プラズマなどによる洗浄処理を施すことが反応性を高める上で好ましい。
(湿式法)
湿式法では、例えば、基体を表面処理剤の1質量%トルエン溶液に10分浸漬後、乾燥する、またはこの溶液を基体上に塗布して、乾燥する。浸漬時間、また、表面処理剤の濃度を変化させることで、自己組織化単分子膜の密度を調整できる。
湿式法では、例えば、基体を表面処理剤の1質量%トルエン溶液に10分浸漬後、乾燥する、またはこの溶液を基体上に塗布して、乾燥する。浸漬時間、また、表面処理剤の濃度を変化させることで、自己組織化単分子膜の密度を調整できる。
(プラズマCVD法、大気圧プラズマCVD法)
表面処理剤(プラズマCVD法では薄膜形成材料を原料ともいう)を含む反応ガスを50℃〜500℃の範囲で加熱された基体上に供給し、熱的反応により薄膜を形成する熱CVD法や、前述の大気圧プラズマ法の装置と放電ガス、反応ガスを用いて、0.01Pa〜100Paの減圧下で行う一般的なプラズマCVD法を用いてもよいが、移動度の向上、薄膜の均一性、薄膜の形成速度、非真空系での効率的生産という観点から大気圧プラズマ法が好ましい。同じく、反応ガスの濃度、また処理時間等の調整で形成されるSAM膜の濃度を調整する。
表面処理剤(プラズマCVD法では薄膜形成材料を原料ともいう)を含む反応ガスを50℃〜500℃の範囲で加熱された基体上に供給し、熱的反応により薄膜を形成する熱CVD法や、前述の大気圧プラズマ法の装置と放電ガス、反応ガスを用いて、0.01Pa〜100Paの減圧下で行う一般的なプラズマCVD法を用いてもよいが、移動度の向上、薄膜の均一性、薄膜の形成速度、非真空系での効率的生産という観点から大気圧プラズマ法が好ましい。同じく、反応ガスの濃度、また処理時間等の調整で形成されるSAM膜の濃度を調整する。
本発明においては、前記密度の低い自己組織化単分子膜(SAM膜)が形成された表面の表面エネルギーの水素結合性成分γs h値をγs ha、前記密度の高いSAM膜が形成された表面領域の表面エネルギーの水素結合性成分γs h値をγs hbとしたとき、γs ha>γs hbを満たすようにする。即ち、密度の低いSAM膜が形成された表面(有機半導体材料を堆積させる表面;チャネル領域)における表面エネルギーよりも、それ以外の領域の表面エネルギーが小さくして、半導体溶液をチャネル領域以外でははじくことでチャネル領域に精度よく有機半導体材料層(薄膜)を形成するものである。
有機半導体材料を堆積させるチャネル領域のみに有機半導体材料薄膜を形成するようそれ以外の表面と充分な表面エネルギーの差をもたせるには、高密度のSAM膜形成領域における表面エネルギーの水素結合成分γs hbは、8mN/m以下であり、より好ましくは、1mN/m以下である。また、低密度領域における表面エネルギーの水素結合成分γs haは、8mN/m以上、20mN/m以下、が好ましい。
また、高密度領域と低密度領域との表面エネルギーの差(γs ha−γs hb)は少なくとも4mN/m以上ある方が好ましい。
本発明における表面エネルギーの水素結合成分γS hは、以下に記載した絶縁体固体表面の表面自由エネルギーを求める方法によって求めることができる。
固体表面の表面自由エネルギーは、γS=γS d+γS p+γS hで表され(ここにおいて、γS d,γS p,γS hは、それぞれYoung−Fowkes式に基づく固体表面の表面自由エネルギーの非極性成分、極性成分、水素結合成分を表す。)
本発明において用いるγs hはこの水素結合成分である。
本発明において用いるγs hはこの水素結合成分である。
これら固体表面の表面自由エネルギー又その各成分は、以下の方法により求めることができる。
即ち、表面自由エネルギー既知の3種の標準液体、ヘキサン、ヨウ化メチレン、水と、被測定固体表面とのそれぞれの接触角を、協和界面科学株式会社製:接触角計CA−Vによりそれぞれ5回測定し、測定値を平均し、それぞれ平均接触角を得る。測定は20℃、50%RHの環境下で測定する。
次に、以下のYoung−Dupreの式及び拡張Fowkesの式に基づき、前記固体表面の表面自由エネルギーの3成分を算出することができる。
Young−Dupreの式
WSL=γL(1+cosθ)
WSL:液体/固体間の付着エネルギー
γL:液体の表面自由エネルギー
θ:液体/固体の接触角
拡張Fowkesの式
WSL=2{(γS dγL d)1/2+(γS pγL p)1/2+(γS hγL h)1/2}
γL=γL d+γL p+γL h:液体の表面自由エネルギー
γS=γS d+γS p+γS h:固体の表面自由エネルギー
γd、γp、γh:表面自由エネルギーの分散、双極子、水素結合成分
従って、
γL(1+cosθ)=2{(γS dγL d)1/2+(γS pγL p)1/2+(γS hγL h)1/2}
として、n−ヘキサンの表面自由エネルギーは既知であり3成分γL d、γL p、γL hが判っている(γL d=18.4mN/m、γL p、γL h=0)ことから、前記接触角θにより、絶縁体表面のγS dが求まる。
WSL=γL(1+cosθ)
WSL:液体/固体間の付着エネルギー
γL:液体の表面自由エネルギー
θ:液体/固体の接触角
拡張Fowkesの式
WSL=2{(γS dγL d)1/2+(γS pγL p)1/2+(γS hγL h)1/2}
γL=γL d+γL p+γL h:液体の表面自由エネルギー
γS=γS d+γS p+γS h:固体の表面自由エネルギー
γd、γp、γh:表面自由エネルギーの分散、双極子、水素結合成分
従って、
γL(1+cosθ)=2{(γS dγL d)1/2+(γS pγL p)1/2+(γS hγL h)1/2}
として、n−ヘキサンの表面自由エネルギーは既知であり3成分γL d、γL p、γL hが判っている(γL d=18.4mN/m、γL p、γL h=0)ことから、前記接触角θにより、絶縁体表面のγS dが求まる。
また、沃化メチレンの接触角θと、沃化メチレンの表面自由エネルギーは既知(γL d=46.8mN/m、γL p=4.0mN/m、γL h=0)であり、これから絶縁体表面のγS pが求まる。
また、水の接触角θと、水の表面エネルギーは前記3成分が既知(γL d=29.1mN/m、γL p=1.3mN/m、γL h=42.4mN/m)であり、絶縁体表面のγS hがこれから求まる。
この様にして、固体表面の表面自由エネルギーについて、上記3種の溶媒の表面自由エネルギーおよびそれぞれの接触角から求めることができる。必ずしもn−ヘキサン、沃化メチレン、水の組み合わせに限定することはなく、他の組み合わせを選んでもよいが、n−ヘキサンの前記表面自由エネルギーは分散項のみででなっており算出しやすい。
これら溶媒の表面自由エネルギーは、文献から参照することができる。例えば、「塗れ技術ハンドブック −基礎・測定評価データ−石井淑夫、小石眞純、角田光雄 33頁」また、「コーティングの基礎科学 原崎勇次著 槇書店 176−177頁」等に記載されたデータを用いることができる(20℃のデータを用いる)。
本発明においてはここで得られた表面自由エネルギーγS=γS d+γS p+γS hでの分散、双極子、水素結合成分のうち、水素結合成分γS hを用いる。
例えば、通常の酸化珪素からなる絶縁膜表面においては、前記表面自由エネルギーの水素結合成分γS hは24mN/m前後であり、OTSを用いてSAM膜を形成した場合、飽和領域では0〜0.1mN/m程度となる。
適度に低密度なSAM膜が形成されているときにキャリア移動度の高い、配向性のよい半導体薄膜となる。チャネル領域においては、表面自由エネルギーの水素結合成分γS h概ね20mN/m以下となるようにして、SAM膜を形成することが好ましい。
また、余りに低くなるとハジキが大きくなり均一な薄膜形成が出来ないため8mN/m以上が好ましい。
非チャネル領域において、高密度にSAM膜が形成されることは好ましいが、γS hで0.8mN/m以下で有れば充分な特性を得ることが出来る。
また、高密度領域と低密度領域との差(γs ha−γs hb)は、相対的な関係にもあり、少なくとも4mN/m以上あれば、半導体溶液は、チャネル領域にとその他の領域の親和性の違いによってパターニングが可能である。
また、自己組織化単分子膜の膜密度は、X線反射率測定法により求めることができる。極低角度、例えば、0.2〜2度の反射率を測定し、得られた反射率曲線をフレネルの式より求められる多層膜試料の反射率の式にフィッティングすることにより求められる。フィッティングの方法については、L.G.Parratt,Phis.Rev.,95,359(1954年)を参考にすることができる。
具体的には、X線発生源は銅をターゲットとし、50kV−300mAで作動させる。多層膜ミラーとGe(111)チャンネルカットモノクロメーターにて単色化したX線を使用する。測定は、ソフトウェアーATX−Crystal Guide Ver.6.5.3.4を用い、半割、アライメント調整後、2θ/ω=0度から1度を0.002度/stepで0.05度/min.で走査する。上記の測定条件で反射率曲線を測定した後、株式会社リガク製GXRR Ver.2.1.0.0解析ソフトウェアーを用いて求めることができる。
因みに、有機半導体材料を堆積させるチャネル領域(低密度でSAM膜が形成される)における水の接触角は40度〜100度となることが好ましく、より好ましくは50〜95度、さらに好ましくは55〜85度である。接触角が低いと、トランジスタ素子のキャリア移動度やon/off比を著しく低下させ、高すぎると有機半導体層を形成する際に有機半導体材料を含有する溶液をはじきやすくなる。
また、有機半導体材料については後に詳述するが、この領域における半導体材料溶液接触角が、その他の領域における半導体材料溶液接触角に対して小さいことが上記の低密度にSAM膜が形成された領域に薄膜が形成され、精度の高い有機半導体薄膜のパターニングが可能となるため好ましく、さらに、有機薄膜トランジスタにおいて、より高い電界効果、移動度を得ることができる。
基板の表面粗さなどの影響もあるが、有機半導体材料を堆積させる表面領域の半導体材料溶液接触角は3〜20度、さらに5〜15度がより好ましい。またそれ以外の領域の半導体材料溶液接触角は、15〜100度、さらに20〜90度がより好ましい。
半導体材料溶液を適用するとき(塗布、インクジェット)、これらの溶液の、有機半導体材料を堆積させる領域(チャネル領域)、即ち、前記密度の低い自己組織化単分子膜が形成された表面に対する、液滴の接触角θa(25℃)は、チャネル領域以外の、密度の高い自己組織化単分子膜(SAM膜)が形成された表面における液滴の接触角をθb(25℃)と、θa<θbの関係となるように調整される。
尚、有機半導体溶液の接触角は、前述した水接触角測定時に用いる液を純水の代わりに有機半導体溶液に変えることで同様に測定することができる。
本発明におけるこれらのSAM膜密度のパターニングは、マスク等を設けた後、シランカップリング剤による処理を行う方法のほか、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いてもよく、レジストを形成しシランカップリング剤による処理を行う方法等もある。またシランカップリング剤溶液等を直接インクジェット法によりパターニングしてもよい。また、前記のようにSAM膜形成後に、マスクを介して高エネルギー線(例えば遠紫外線、または電子線等)を照射しSAM膜を分解してパターニングする方法等も挙げられる。
次いで、本発明に係る各構成要素の詳細について、順次説明する。
《有機半導体層》
本発明に係る有機半導体層について説明する。
本発明に係る有機半導体層について説明する。
(有機半導体材料)
前記有機半導体チャネルを構成する本発明に係る有機半導体材料は、半導体として機能するものであれば、どのような有機化合物を選択してもよい。有機半導体材料としては、例えば、特開平5−55568号公報等にて開示されているペンタセンやテトラセンといったアセン類、特開平4−167561号公報等に開示されている鉛フタロシアニンを含むフタロシアニン類、特開2004−319982号公報等に開示されているベンゾポルフィリン等のポルフィリン類、その他、ペリレンやそのテトラカルボン酸誘導体、テトラチアフルバレン類等といった低分子量化合物や、特開平8−264805号公報等に開示されているα−チエニールもしくはセクシチオフェンと呼ばれるチオフェン6量体を代表例とする芳香族オリゴマー、またポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリ−p−フェニレンビニレンといった共役高分子など(これらの多くは「アドバンスド・マテリアル」(Advanced Material)誌2002年、第2号99頁に記載されている)が一般的に知られている。その中でも、有機半導体材料として低分子量化合物を用いた場合に本発明の効果がより発揮され、特に、重量平均分子量が5000以下の低分子量有機半導体材料を用いると、高移動度で駆動する有機薄膜トランジスタを得る上でより好ましい。
前記有機半導体チャネルを構成する本発明に係る有機半導体材料は、半導体として機能するものであれば、どのような有機化合物を選択してもよい。有機半導体材料としては、例えば、特開平5−55568号公報等にて開示されているペンタセンやテトラセンといったアセン類、特開平4−167561号公報等に開示されている鉛フタロシアニンを含むフタロシアニン類、特開2004−319982号公報等に開示されているベンゾポルフィリン等のポルフィリン類、その他、ペリレンやそのテトラカルボン酸誘導体、テトラチアフルバレン類等といった低分子量化合物や、特開平8−264805号公報等に開示されているα−チエニールもしくはセクシチオフェンと呼ばれるチオフェン6量体を代表例とする芳香族オリゴマー、またポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリ−p−フェニレンビニレンといった共役高分子など(これらの多くは「アドバンスド・マテリアル」(Advanced Material)誌2002年、第2号99頁に記載されている)が一般的に知られている。その中でも、有機半導体材料として低分子量化合物を用いた場合に本発明の効果がより発揮され、特に、重量平均分子量が5000以下の低分子量有機半導体材料を用いると、高移動度で駆動する有機薄膜トランジスタを得る上でより好ましい。
前述した有機半導体材料の中でも、低分子量化合物として、例えば、ピレン、コロネン、オバレン等やその誘導体、アントラセン、ペンタセン等やその誘導体(アセン類)、ルブレンやその誘導体等に代表される縮合多環式炭化水素類、ベンゾジチオフェン、アントラジチオフェン等やその誘導体等に代表されるヘテロ原子を含む縮合多環式芳香族化合物類、チオフェンオリゴマー等が好ましい例として挙げられる。ペンタセン類の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986等に記載のアセン類及びその誘導体等が挙げられる。
これらの中でも特に、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986等に記載されるようなエチニル置換基を有する縮合多環式芳香族化合物類が好ましく用いられる。
これらの例としては下記の有機半導体化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
また、本発明においては、有機半導体層(有機半導体膜ともいう)に、例えば、アクリル酸、アセトアミド、ジメチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基等の官能基を有する材料や、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレン及びテトラシアノキノジメタンやそれらの誘導体等のように電子を受容するアクセプターとなる材料や、例えば、アミノ基、トリフェニル基、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、フェニル基等の官能基を有する材料、フェニレンジアミン等の置換アミン類、アントラセン、ベンゾアントラセン、置換ベンゾアントラセン類、ピレン、置換ピレン、カルバゾール及びその誘導体、テトラチアフルバレンとその誘導体等のように電子の供与体であるドナーとなるような材料を含有させ、所謂ドーピング処理を施してもよい。
前記ドーピングとは電子授与性分子(アクセプター)または電子供与性分子(ドナー)をドーパントとして該薄膜に導入することを意味する。従って,ドーピングが施された薄膜は、前記の縮合多環芳香族化合物とドーパントを含有する薄膜である。本発明に用いるドーパントとしては公知のものを採用することができる。
《有機半導体材料(有機半導体分子ともいう)の分子量》
本発明に係る有機半導体材料としては、半導体として機能するものであれば、どのような有機化合物を選択してもよいが、分子量100〜5000の範囲が好ましい。
本発明に係る有機半導体材料としては、半導体として機能するものであれば、どのような有機化合物を選択してもよいが、分子量100〜5000の範囲が好ましい。
ここで、分子量は、当該業者周知の質量分析装置を用いて測定するが、分子量分布を示す化合物(オリゴマーや高分子等)の分子量(本願では、オリゴマー、高分子の分子量としては、重量平均分子量Mwを用いる。)、該分子量分布の測定は、市販のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)法などを用いて測定する。
(重量平均分子量(Mw)の測定及び分子量分布(Mw/Mn)について)
本発明に係る有機半導体材料の分子量は、上記のように100〜5000の範囲が好ましい。更に、前記有機半導体材料が、オリゴマー、高分子のように分子量分布(Mw/Mn)を有するような場合、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(分子量分布)は、3以下であることが好ましい。
本発明に係る有機半導体材料の分子量は、上記のように100〜5000の範囲が好ましい。更に、前記有機半導体材料が、オリゴマー、高分子のように分子量分布(Mw/Mn)を有するような場合、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(分子量分布)は、3以下であることが好ましい。
本発明に係る有機半導体材料の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)の測定は、THF(テトラヒドロフラン)をカラム溶媒として用いるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて分子量測定を行うことができる。
本発明に係る有機半導体材料の重量平均分子量(Mw)の測定について説明する。
具体的には、測定試料を1mgに対してTHF(脱気処理を行ったものを用いる)を1ml加え、室温下にてマグネチックスターラーを用いて撹拌を行い、充分に溶解させる。ついで、ポアサイズ0.45μm〜0.50μmのメンブランフィルターで処理した後に、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)装置に注入する。
GPC測定条件は、40℃にてカラムを安定化させ、THF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、1mg/mlの濃度の試料を約100μl注入して測定する。
カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807の組合せや、東ソー社製のTSKgelG1000H、G2000H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、TSK guard column等の組合せ等が好ましい。
検出器としては、屈折率検出器(RI検出器)、あるいはUV検出器が好ましく用いられる。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成した検量線を用いて算出する。検量線作成用のポリスチレンとしては10点程度用いることが好ましい。
本発明では、下記の測定条件にて分子量測定を行った。
(測定条件)
装置:東ソー高速GPC装置 HLC−8220GPC
カラム:TOSOH TSKgel Super HM−M
検出器:RI及び/またはUV
溶出液流速:0.6ml/分
試料濃度:0.1質量%
試料量:100μl
検量線:標準ポリスチレンにて作製:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルを用いて検量線(校正曲線ともいう)を作成、分子量の算出に使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔にすることが好ましい。
装置:東ソー高速GPC装置 HLC−8220GPC
カラム:TOSOH TSKgel Super HM−M
検出器:RI及び/またはUV
溶出液流速:0.6ml/分
試料濃度:0.1質量%
試料量:100μl
検量線:標準ポリスチレンにて作製:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルを用いて検量線(校正曲線ともいう)を作成、分子量の算出に使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔にすることが好ましい。
《有機半導体層の形成方法》
本発明に係る有機半導体層の形成方法について説明する。
本発明に係る有機半導体層の形成方法について説明する。
有機半導体層を形成する方法としては、公知の方法で形成することができ、例えば、真空蒸着、MBE(Molecular Beam Epitaxy)、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、スパッタ法、CVD、レーザー蒸着、電子ビーム蒸着、電着、スピンコート、ディップコート、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、及びLB法等、またスクリーン印刷、インクジェット印刷、ブレード塗布等の方法を挙げることができる。
この中で生産性の点で、有機半導体層を塗布により形成することが好ましい。塗布法としては、有機半導体の溶液を用いて簡単、且つ精密に薄膜が形成できるスピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット印刷等が好まれる。
なお、Advanced Material誌1999年第6号、480〜483頁に記載のように、ペンタセン等前駆体が溶媒に可溶であるものは塗布により形成した前駆体の膜を熱処理して目的とする有機材料の薄膜を形成してもよい。
(塗布に用いられる有機溶媒)
有機半導体液滴を作製する際に使用される有機溶媒は、芳香族炭化水素、芳香族ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素または脂肪族ハロゲン化炭化水素が好ましく、芳香族炭化水素、芳香族ハロゲン化炭化水素または脂肪族炭化水素がより好ましい。
有機半導体液滴を作製する際に使用される有機溶媒は、芳香族炭化水素、芳香族ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素または脂肪族ハロゲン化炭化水素が好ましく、芳香族炭化水素、芳香族ハロゲン化炭化水素または脂肪族炭化水素がより好ましい。
芳香族炭化水素の有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、メチルナフタレン等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない。
芳香族ハロゲン化炭化水素の有機溶媒としては、例えば、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、o−ジヨードベンゼン、m−ジヨードベンゼン、クロロトルエン、ブロモトルエン、ヨードトルエン、ジクロロトルエン、ジブロモトルエン、ジフルオロトルエン、クロロキシレン、ブロモキシレン、ヨードキシレン、クロロエチルベンゼン、ブロモエチルベンゼン、ヨードエチルベンゼン、ジクロロエチルベンゼン、ジブロモエチルベンゼン、クロロシクロペンタジエン、クロロシクロペンタジエン等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない。
脂肪族炭化水素の有機溶媒としては、例えば、オクタン、4−メチルヘプタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,3−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、3−エチルヘキサン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2−メチル−3−エチルペンタン、3−メチル−3−エチルペンタン、デカン、2,2,3,3−テトラメチルヘキサン、2,2,5,5−テトラメチルヘキサン、3,3,5−トリメチルヘプタン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、4−エチルヘプタン、2,3−ジメチルヘプタン、2−メチルオクタン、ドデカン、ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン等の鎖状脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、p−メンタン、デカリン、シクロヘキシルベンゼン等の環状脂肪族炭化水素等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない。本発明に用いられる脂肪族炭化水素としては環状脂肪族炭化水素が好ましい。
脂肪族ハロゲン化炭化水素の有機溶媒としては、例えば、クロロホルム、ブロモホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジフルオロエタン、フルオロクロロエタン、クロロプロパン、ジクロロプロパン、クロロペンタン、クロロヘキサン等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない。
本発明で用いられるこれらの有機溶媒は、1種類あるいは2種類以上混合して用いてもよい。また、有機溶媒は50℃〜250℃の沸点を有するものが好ましい。
(有機半導体層の膜厚)
これら有機半導体層の膜厚としては特に制限はないが、得られたトランジスタの特性は、有機半導体層の膜厚に大きく左右される場合が多く、その膜厚は有機半導体により異なるが、一般に1μm以下、特に10〜300nmが好ましい。
これら有機半導体層の膜厚としては特に制限はないが、得られたトランジスタの特性は、有機半導体層の膜厚に大きく左右される場合が多く、その膜厚は有機半導体により異なるが、一般に1μm以下、特に10〜300nmが好ましい。
《絶縁層》
本発明の有機薄膜トランジスタのゲート電極の絶縁層としては、種々の絶縁膜を用いることができるが、特に比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム等が挙げられる。それらのうち好ましいのは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
本発明の有機薄膜トランジスタのゲート電極の絶縁層としては、種々の絶縁膜を用いることができるが、特に比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム等が挙げられる。それらのうち好ましいのは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
上記皮膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法等のドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等の塗布による方法、印刷やインクジェット等のパターニングによる方法等のウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を任意の有機溶剤あるいは水に必要に応じて界面活性剤等の分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えば、アルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、所謂ゾルゲル法が用いられる。
これらのうち好ましいのは、上述した大気圧プラズマCVD法である。
絶縁層が陽極酸化膜または該陽極酸化膜と絶縁膜とで構成されることも好ましい。陽極酸化膜は封孔処理されることが望ましい。陽極酸化膜は、陽極酸化が可能な金属を公知の方法により陽極酸化することにより形成される。
陽極酸化処理可能な金属としては、アルミニウムまたはタンタルを挙げることができ、陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行うことにより、酸化被膜が形成される。陽極酸化処理に用いられる電解液としては、多孔質酸化皮膜を形成することができるものならばいかなるものでも使用でき、一般には硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、ホウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等、あるいはこれらを2種類以上組み合わせた混酸あるいそれらの塩が用いられる。陽極酸化の処理条件は使用する電解液により種々変化するので一概に特定し得ないが、一般的には電解液の濃度が1〜80質量%、電解液の温度5〜70℃、電流密度0.5〜60A/dm2、電圧1〜100ボルト、電解時間10秒〜5分の範囲が適当である。好ましい陽極酸化処理は電解液として硫酸、燐酸またはホウ酸の水溶液を用い、直流電流で処理する方法であるが、交流電流を用いることもできる。これらの酸の濃度は5〜45質量%であることが好ましく、電解液の温度20〜50℃、電流密度0.5〜20A/dm2で20〜250秒間電解処理するのが好ましい。
また有機化合物皮膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、及びシアノエチルプルラン等を用いることもできる。
有機化合物皮膜の形成法としては、前記ウェットプロセスが好ましい。
無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。また、これら絶縁膜の膜厚としては一般に50nm〜3μm、好ましくは100nm〜1μmである。
これらの有機、無機の皮膜は前記表面処理剤による表面処理を受けるとき、皮膜表面は、また、例えばシランカップリング剤中のアルコキシシラン、ハロゲノシラン等の基と反応性をもつ水酸基、アミノ基等の反応性基を有することが好ましい。
後述の支持体、基板についても同様であり、例えばシリコン基板等の場合には、表面に熱酸化膜を形成したり、また、表面がシランカップリング剤に対する反応性基をもたない基板の場合、基板上に、酸化珪素層等ヒドロキシ基を有する材料層を形成することが好ましい。
《支持体》
支持体を構成する基体材料としては、種々の材料が利用可能であり、例えば、ガラス、石英、酸化アルミニウム、サファイア、チッ化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミック基体、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素等半導体基体、紙、不織布等を用いることができる。
支持体を構成する基体材料としては、種々の材料が利用可能であり、例えば、ガラス、石英、酸化アルミニウム、サファイア、チッ化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミック基体、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素等半導体基体、紙、不織布等を用いることができる。
中でも、本発明に係る基板は、樹脂からなることが好ましく、例えば、プラスチックフィルムシートを用いることができる。プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。
プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基体を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに衝撃に対する耐性を向上できる。
《電極材料》
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、ソース電極またはドレイン電極を形成する電極材料としては導電性材料であれば特に限定されず、公知の電極材料にて形成される。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、ソース電極またはドレイン電極を形成する電極材料としては導電性材料であれば特に限定されず、公知の電極材料にて形成される。
電極材料としては導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられる。
また、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等)も好適に用いられる。
ソース電極またドレイン電極を形成する材料としては、上に挙げた中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましく、p型半導体の場合は特に白金、金、銀、ITO、導電性ポリマー及び炭素が好ましい。
ソース電極またドレイン電極とする場合は、上記の導電性材料を含む溶液、ペースト、インク、分散液等の流動性電極材料を用いて形成したもの、特に導電性ポリマー、または白金、金、銀、銅を含有する金属微粒子を含む流動性電極材料が塗布或いは印刷等により電極パターンを形成でき好ましい。
また、溶媒や分散媒体としては、有機半導体へのダメージを抑制するため水を60%以上、好ましくは90%以上含有する溶媒または分散媒体であることが好ましい。
金属微粒子を含有する流動性電極材料としては、例えば、公知の導電性ペースト等を用いてもよいが、好ましくは粒子径が1nm〜50nm、好ましくは1nm〜10nmの金属微粒子を必要に応じて分散安定剤を用いて、水や任意の有機溶剤である分散媒中に分散した材料である。
金属微粒子の材料としては、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができる。
このような金属微粒子の分散物の製造方法として、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法等の物理的生成法や、コロイド法、共沈法等の、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられるが、好ましくは、特開平11−76800号公報、同11−80647号公報、同11−319538号公報、特開2000−239853号公報等に示されたコロイド法、特開2001−254185号公報、同2001−53028号公報、同2001−35255号公報、同2000−124157号公報、同2000−123634号公報の各公報等に記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子の分散物である。
これらの金属微粒子分散物を用いて電極を成形し、溶媒を乾燥させた後、必要に応じて100〜300℃、好ましくは150〜200℃の範囲で形状様に加熱することにより、金属微粒子を熱融着させ、目的の形状を有する電極パターンを形成するものである。
本発明における電極また配線等の導電パターンの形成方法は、接着層を形成した基板上に、上記を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて導電性薄膜を形成する。公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成してもよく、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等により、レジストを形成しエッチングする方法等もある。また導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、金属微粒子を含有する分散液等を直接インクジェット法によりパターニングしてもよいし、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。
更に導電性ポリマーや金属微粒子を含有する導電性インク、導電性ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
また、無電解メッキ法による電極形成法は、電極を設ける部分にメッキ剤と作用して無電解メッキを生じさせる触媒を配した後に、メッキ剤を接触させるものである。
これにより前記触媒とメッキ剤とが接触し、前記部分に無電解メッキが施されて、電極が形成される。電極形成に無電解メッキを利用する方法は、低抵抗の電極を煩雑な工程なしに簡便、低コストで形成することができる。
また、本発明において、半導体チャネル領域のパターニングを行わない場合、接着層を厳格にパターニングすることで、導電層形成時に厳密なパターニングは必要なく精度よく導電パターンが形成できる。
本発明においては、また、ソース電極及びドレイン電極表面を、更に特許文献1等に記載があるようなチオール化合物等で表面修飾してもよい。
《保護層》
本発明の有機薄膜トランジスタ上には保護層を設けることも可能である。保護層としては前述した無機酸化物または無機窒化物等が挙げられ、前記大気圧プラズマ法で形成するのが好ましい。これにより有機薄膜トランジスタの耐久性が向上する。
本発明の有機薄膜トランジスタ上には保護層を設けることも可能である。保護層としては前述した無機酸化物または無機窒化物等が挙げられ、前記大気圧プラズマ法で形成するのが好ましい。これにより有機薄膜トランジスタの耐久性が向上する。
《有機薄膜トランジスタ素子の製造》
有機薄膜トランジスタは、基板上に有機半導体層で連結されたソース電極とドレイン電極を有し、その上に絶縁層を介してゲート電極を有するトップゲート型と、基体上に先ずゲート電極を有し、絶縁層を介して有機半導体膜で連結されたソース電極とドレイン電極を有するボトムゲート型に大別される。本発明の有機薄膜トランジスタは、これらトップゲート型またボトムゲート型のいずれでもよい。具体的な素子の層構成例は図1、図2に示す如くとなる。図1、2において、1が有機半導体層、2、3がそれぞれソース、ドレイン電極、4はゲート電極、5が(ゲート)絶縁層、6は基板である。
有機薄膜トランジスタは、基板上に有機半導体層で連結されたソース電極とドレイン電極を有し、その上に絶縁層を介してゲート電極を有するトップゲート型と、基体上に先ずゲート電極を有し、絶縁層を介して有機半導体膜で連結されたソース電極とドレイン電極を有するボトムゲート型に大別される。本発明の有機薄膜トランジスタは、これらトップゲート型またボトムゲート型のいずれでもよい。具体的な素子の層構成例は図1、図2に示す如くとなる。図1、2において、1が有機半導体層、2、3がそれぞれソース、ドレイン電極、4はゲート電極、5が(ゲート)絶縁層、6は基板である。
図3は、本発明の有機薄膜トランジスタ(TFT)が複数配置される薄膜トランジスタ素子シート10の1例の概略の等価回路図である。
薄膜トランジスタ素子シート10は、マトリクス配置された多数の有機薄膜トランジスタ11を有する。16は各有機薄膜トランジスタ11のゲート電極のゲートバスラインであり、17は各有機薄膜トランジスタ11のソース電極のソースバスラインである。各有機薄膜トランジスタ11のドレイン電極には、出力素子12が接続され、この出力素子12は、例えば、液晶、電気泳動素子等であり、表示装置における画素を構成する。図示した例では、出力素子12として液晶が、抵抗とコンデンサからなる等価回路で示されている。13は蓄積コンデンサ、14は垂直駆動回路、15は水平駆動回路である。
このような、基板上に有機TFT素子を2次元的に配列した薄膜トランジスタ素子シートの作製に本発明の方法を用いることができる。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいては、基板がプラスチックフィルムの場合、無機酸化物及び無機窒化物から選ばれる化合物を含有する下引き層、及びポリマーを含む下引き層の少なくとも一方を有することが好ましい。
下引き層に含有される無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム等が挙げられる。また無機窒化物としては窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。
それらのうち好ましいのは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、窒化ケイ素である。
本発明において、無機酸化物及び無機窒化物から選ばれる化合物を含有する下引き層は上述した大気圧プラズマ法で形成されるのが好ましい。
ポリマーを含む下引き層に用いるポリマーとしては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体、ポリアミド樹脂、エチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
《有機薄膜トランジスタ素子(TFT素子)1の製造》
本発明の有機薄膜トランジスタの一態様である、ボトムゲート型で且つ、ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ素子1を製造した。図4に製造の各工程を概略図で示した。
本発明の有機薄膜トランジスタの一態様である、ボトムゲート型で且つ、ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ素子1を製造した。図4に製造の各工程を概略図で示した。
《下引き層7の形成》
基板6として、ポリエーテルスルホン樹脂フィルム(200μm)を用い、該フィルム上に、先ず50W/m2/分の条件でコロナ放電処理を施した。
基板6として、ポリエーテルスルホン樹脂フィルム(200μm)を用い、該フィルム上に、先ず50W/m2/分の条件でコロナ放電処理を施した。
次いで、下記組成の塗布液を乾燥膜厚2μmになるように塗布し、90℃で5分間乾燥した後、60W/cmの高圧水銀灯下10cmの距離から4秒間硬化させた。
更に、その層の上に下記条件で連続的に大気圧プラズマ処理して厚さ50nmの酸化ケイ素膜を設け、これらの層を下引き層7とした(図4(1))。大気圧プラズマ処理装置は、特開2003−303520号公報に記載の図6に準じた装置を用いた。
《下引き層形成用塗布液の組成》
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20g
ジエトキシベンゾフェノンUV開始剤 2g
シリコーン系界面活性剤 1g
メチルエチルケトン 75g
メチルプロピレングリコール 75g
《大気圧プラズマ処理条件》
(使用ガス)
不活性ガス:ヘリウム 98.25体積%
反応性ガス:酸素ガス 1.5体積%
反応性ガス:テトラエトキシシラン蒸気(ヘリウムガスにてバブリング)
0.25体積%
(放電条件)
放電出力:10W/cm2
(電極条件)
電極は、冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール母材に対して、セラミック溶射によるアルミナを1mm被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により封孔処理を行い、表面を平滑にしてRmaxを5μmとした誘電体(比誘電率10)を有するロール電極であり、アースされている。一方、印加電極としては、中空の角型のステンレスパイプに対し上記同様の誘電体を同条件にて被覆した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20g
ジエトキシベンゾフェノンUV開始剤 2g
シリコーン系界面活性剤 1g
メチルエチルケトン 75g
メチルプロピレングリコール 75g
《大気圧プラズマ処理条件》
(使用ガス)
不活性ガス:ヘリウム 98.25体積%
反応性ガス:酸素ガス 1.5体積%
反応性ガス:テトラエトキシシラン蒸気(ヘリウムガスにてバブリング)
0.25体積%
(放電条件)
放電出力:10W/cm2
(電極条件)
電極は、冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール母材に対して、セラミック溶射によるアルミナを1mm被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により封孔処理を行い、表面を平滑にしてRmaxを5μmとした誘電体(比誘電率10)を有するロール電極であり、アースされている。一方、印加電極としては、中空の角型のステンレスパイプに対し上記同様の誘電体を同条件にて被覆した。
《ゲート電極の形成》
次いで、ゲート電極4を形成する。
次いで、ゲート電極4を形成する。
即ち、上記の下引き層7上に下記組成の光感応性樹脂組成液1を塗布し、100℃にて1分間乾燥させることで、厚さ2μmの光感応性樹脂層を形成した後、発振波長830nm、出力100mWの半導体レーザーで200mJ/cm2のエネルギー密度でゲートバスライン及びゲート電極のパターンを露光し、アルカリ水溶液で現像してレジスト像を得た。
更に、その上に、スパッタ法により厚さ300nmのアルミニウム皮膜を一面に成膜した後、MEKで上記光感応性樹脂層の残存部を除去することで、ゲートバスライン及びゲート電極4を作製する(図4(2))。
(光感応性樹脂組成液1)
色素A 7部
ノボラック樹脂(フェノールとm−、p−混合クレゾールとホルムアルデヒドを共縮合させたノボラック樹脂(Mw=4000、フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比がそれぞれ5/57/38)) 90部
クリスタルバイオレット 3部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 1000部
次いで、以下の陽極酸化皮膜形成工程により、平滑化、絶縁性向上のための補助的絶縁膜として、ゲート電極4上に陽極酸化被膜を形成した。
色素A 7部
ノボラック樹脂(フェノールとm−、p−混合クレゾールとホルムアルデヒドを共縮合させたノボラック樹脂(Mw=4000、フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比がそれぞれ5/57/38)) 90部
クリスタルバイオレット 3部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 1000部
次いで、以下の陽極酸化皮膜形成工程により、平滑化、絶縁性向上のための補助的絶縁膜として、ゲート電極4上に陽極酸化被膜を形成した。
(陽極酸化被膜形成工程)
ゲート電極を形成した後、基板をよく洗浄し、30質量%硫酸水溶液中で2分間、30Vの低電圧電源から供給される直流を用いて、陽極酸化皮膜の厚さが120nmになるまで陽極酸化を行った(図では省略した。)。よく洗浄した後に、1気圧、100℃の飽和した蒸気チャンバーの中で、蒸気封孔処理を施した。このようにして陽極酸化被膜を有するゲート電極4を下引き処理したポリエーテルスルホン樹脂フィルム上に作製した。
ゲート電極を形成した後、基板をよく洗浄し、30質量%硫酸水溶液中で2分間、30Vの低電圧電源から供給される直流を用いて、陽極酸化皮膜の厚さが120nmになるまで陽極酸化を行った(図では省略した。)。よく洗浄した後に、1気圧、100℃の飽和した蒸気チャンバーの中で、蒸気封孔処理を施した。このようにして陽極酸化被膜を有するゲート電極4を下引き処理したポリエーテルスルホン樹脂フィルム上に作製した。
《絶縁層の形成》
次いで、更にフィルム温度200℃にて、上述した大気圧プラズマ法の使用ガスを下記に変更し、厚さ30nmの酸化ケイ素層を設け、前記した陽極酸化アルミニウム層を併せて、厚さ150nmの絶縁層5を形成した(図4(3))。
次いで、更にフィルム温度200℃にて、上述した大気圧プラズマ法の使用ガスを下記に変更し、厚さ30nmの酸化ケイ素層を設け、前記した陽極酸化アルミニウム層を併せて、厚さ150nmの絶縁層5を形成した(図4(3))。
(使用ガス)
不活性ガス:アルゴン 98.9体積%
反応性ガス:水素ガス 0.8体積%
反応性ガス:テトラプロポキシチタン蒸気(150℃に加熱した液体にアルゴンガスを バブリング) 0.3体積%
《ソース電極、ドレイン電極の形成》
次いで、ソース電極2、ドレイン電極3を形成する。
不活性ガス:アルゴン 98.9体積%
反応性ガス:水素ガス 0.8体積%
反応性ガス:テトラプロポキシチタン蒸気(150℃に加熱した液体にアルゴンガスを バブリング) 0.3体積%
《ソース電極、ドレイン電極の形成》
次いで、ソース電極2、ドレイン電極3を形成する。
下記無電解メッキ触媒液をインクとして用い、回転ロール(支持ロール)にはバイアス電圧2000Vの電圧を印加し、更にパルス電圧(400V)を重畳させてソース、ドレイン電極パターンに従ってインクを吐出した。ノズル吐出口の内径は10μmとし、ノズル吐出口と基材とのギャップは500μmに保持した。メッキ触媒含有インクとして下記処方のものを用いた。
(無電解メッキ触媒液)
可溶性パラジウム塩(塩化パラジウム) 20質量%(Pd2+濃度1.0g/L)
イソプロピルアルコール 12質量%
グリセリン 20質量%
2−メチルペンタンチオール 5質量%
1,3−ブタンジオール 3質量%
イオン交換水 40質量%
更に乾燥定着させて、ソース、ドレイン電極触媒パターンを形成した。
可溶性パラジウム塩(塩化パラジウム) 20質量%(Pd2+濃度1.0g/L)
イソプロピルアルコール 12質量%
グリセリン 20質量%
2−メチルペンタンチオール 5質量%
1,3−ブタンジオール 3質量%
イオン交換水 40質量%
更に乾燥定着させて、ソース、ドレイン電極触媒パターンを形成した。
次いで、スクリーン印刷法により、下記無電解金メッキ液をインクとして用いてメッキ触媒パターンが形成された領域を含む領域に印刷を行った。メッキ剤がメッキ触媒と接触することでメッキ触媒のパターン上に無電解メッキが施され、金薄膜が形成された。
(無電解金メッキ液)
ジシアノ金カリウム 0.1モル/L
蓚酸ナトリウム 0.1モル/L
酒石酸ナトリウムカリウム 0.1モル/L
上記を溶解し、均一溶液とする。
ジシアノ金カリウム 0.1モル/L
蓚酸ナトリウム 0.1モル/L
酒石酸ナトリウムカリウム 0.1モル/L
上記を溶解し、均一溶液とする。
金薄膜が形成された基板表面を、純水で充分に洗浄、乾燥して、ソース電極2、ドレイン電極3を形成した(図4(4))。
以上により、絶縁層上にソース電極2、ドレイン電極3がパターニングされた基板Aを作製した。
《自己組織化単分子膜の形成》
次に、基板Aを酸素ガスを導入したプラズマ放電処理装置(放電出力:4W/cm2、エッチングガス組成:アルゴン99体積%、酸素1体積%、処理時間5秒)中に置き、大気圧プラズマ処理を施した。
次に、基板Aを酸素ガスを導入したプラズマ放電処理装置(放電出力:4W/cm2、エッチングガス組成:アルゴン99体積%、酸素1体積%、処理時間5秒)中に置き、大気圧プラズマ処理を施した。
続いて、表面処理剤としてOTS(オクチルトリクロロシラン)を用い、OTSを溶解したトルエン溶液(0.1質量%、室温)に基板Aを10分間浸漬した後、トルエンですすぎ、乾燥させることで、絶縁層表面に自己組織化単分子膜(SAM膜)が低密度で形成されるような表面処理を施した(低密度の自己組織化単分子膜SL)。(図4(5))
次に、ソース、ドレイン電極間のチャネルが形成される領域にカプトンテープMを貼り、チャネル領域をマスクした(図4(6))。
次に、ソース、ドレイン電極間のチャネルが形成される領域にカプトンテープMを貼り、チャネル領域をマスクした(図4(6))。
更にOTSを溶解したトルエン溶液(0.1質量%、60℃)に基板Aを10分間浸漬した後、トルエンですすぎ、乾燥させることで、絶縁層表面に高密度で自己組織化単分子膜が形成されるような表面処理を施した(高密度の自己組織化単分子膜SH)。(図4(7))
最終的に、カプトンテープを除去後、トルエン溶液中で洗浄することで、絶縁層表面に低密度の自己組織化単分子膜(SL)領域と高密度の自己組織化単分子膜(SH)領域をパターニングすることができた(図4(8))。
最終的に、カプトンテープを除去後、トルエン溶液中で洗浄することで、絶縁層表面に低密度の自己組織化単分子膜(SL)領域と高密度の自己組織化単分子膜(SH)領域をパターニングすることができた(図4(8))。
《有機半導体層の形成》
更に、前記表面処理パターニングを施した基板Aを窒素雰囲気下、ホットプレート上で60℃に加熱しながら、有機半導体化合物(1)のトルエン溶液(0.1質量%)を滴下したところ、選択的にチャネル領域のみに有機半導体層1が形成された。(図4(9)〜(10))
更に、前記表面処理パターニングを施した基板Aを窒素雰囲気下、ホットプレート上で60℃に加熱しながら、有機半導体化合物(1)のトルエン溶液(0.1質量%)を滴下したところ、選択的にチャネル領域のみに有機半導体層1が形成された。(図4(9)〜(10))
このようにして、有機薄膜トランジスタ素子1を作製した。
《有機薄膜トランジスタ素子2〜11の製造》
有機薄膜トランジスタ素子1の製造において、自己組織化単分子膜のパターニング方法の条件を表1に記載のように変更した以外は、有機薄膜トランジスタ素子1と同様にして、有機薄膜トランジスタ素子2〜11を製造した。
有機薄膜トランジスタ素子1の製造において、自己組織化単分子膜のパターニング方法の条件を表1に記載のように変更した以外は、有機薄膜トランジスタ素子1と同様にして、有機薄膜トランジスタ素子2〜11を製造した。
即ち、表面処理剤(OTS、ODTS(オクタデシルトリクロロシラン)、HMDS(ヘキサメチルジシラザン))、表面処理剤溶液濃度(0.01質量%、0.1質量%、及び原液。表中特に指定のないものは0.1質量%トルエン溶液を用いた)、処理時間、温度(尚、室温とは20℃)等をそれぞれ変えて低密度の自己組織化単分子膜(SL)領域と高密度の自己組織化単分子膜(SH)領域を密度、また、表面エネルギーが表1の値となるようそれぞれ作製した。それぞれ処理条件は表中に示した。
また、SAM膜の形成された表面の密度(g/cm3)、表面エネルギーの水素結合成分γs h、水接触角、又半導体溶液接触角については前述の方法により求めた。
《薄膜トランジスタの評価》
得られた有機薄膜トランジスタ素子1〜11の各々について、トランジスタ特性及びチャネル領域における塗布性の評価を行った。
得られた有機薄膜トランジスタ素子1〜11の各々について、トランジスタ特性及びチャネル領域における塗布性の評価を行った。
有機薄膜トランジスタ特性の評価は、各々のTFT素子について、I−V特性の飽和領域からキャリア移動度(cm2/V・s)、を求め、更に、ON/OFF比(ドレインバイアス−40Vとし、ゲートバイアス−50V及び0Vにしたときのドレイン電流値の比率)を求めた。
また、チャネル領域における塗布性は、チャネル領域の面積に対する、形成した有機半導体薄膜の面積比で表し、80〜100%の連続した塗布膜領域が形成され、目視で塗布欠陥がほとんど認められないものを○、基板に対する面積比で塗布膜領域が80%以下のもの、あるいは、目視で全面的に明らかな塗布欠陥が認められるものを△、液状材料がはじかれて基板上に全く残らず、膜を形成できないものを×として評価した。
その結果、本発明の有機薄膜トランジスタ素子1、5、6、8、11では、チャネル領域における塗布性が良好で、キャリア移動度が高く、有機半導体層がパターニング形成されたことによりON/OFF比に優れたトランジスタ特性を得ることができた。
一方、比較の有機薄膜トランジスタ素子3、10では、チャネル領域においても有機半導体溶液がはじいてしまい、有機半導体膜を形成することができなかった。また、比較2、4、7、9では、チャネル領域における有機半導体層が形成された絶縁層表面に配向性を向上させるための自己組織化単分子膜が全く存在せず、本発明の有機薄膜トランジスタ素子に比べ、移動度が劣るという結果が得られた。特に有機薄膜トランジスタ素子2(比較)では、有機半導体層のパターニングがなされておらず、低いON/OFFしか得られなかった。
得られた結果から、本発明の有機薄膜トランジスタ素子は、比較の有機薄膜トランジスタ素子と比べて、格段にトランジスタ特性が優れていることが分かる。
1 有機半導体層
2 ソース電極
3 ドレイン電極
4 ゲート電極
5 絶縁層
6 基板
7 下引き層
10 有機薄膜トランジスタシート
11 有機薄膜トランジスタ
12 出力素子
13 蓄積コンデンサ
14 垂直駆動回路
15 水平駆動回路
16 ゲートバスライン
17 ソースバスライン
2 ソース電極
3 ドレイン電極
4 ゲート電極
5 絶縁層
6 基板
7 下引き層
10 有機薄膜トランジスタシート
11 有機薄膜トランジスタ
12 出力素子
13 蓄積コンデンサ
14 垂直駆動回路
15 水平駆動回路
16 ゲートバスライン
17 ソースバスライン
Claims (8)
- 支持体上に、ゲート電極、絶縁層、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタの製造方法において、
(1)有機半導体材料を堆積させる表面に、有機半導体材料との親和性を低下させる自己組織化単分子膜を低い密度で形成する工程、
(2)前記有機半導体材料を堆積させる表面以外の領域に、同じ自己組織化単分子膜を(1)よりも高い密度で形成する工程、
(3)(1)で形成された密度の低い自己組織化単分子膜上に有機半導体層を形成する工程、からなることを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。 - 前記有機半導体材料を堆積させる表面が、ソース電極、ドレイン電極間のチャネルが形成される領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
- 自己組織化単分子膜が低い密度で形成された表面の表面エネルギーの水素結合性成分γs h値をγs ha、自己組織化単分子膜が高い密度で形成された表面の表面エネルギーの水素結合性成分γs h値をγs hbとしたとき、γs ha>γs hbを満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
- 自己組織化単分子膜が低い密度で形成された表面における液滴の接触角をθa、自己組織化単分子膜が高い密度で形成された表面における液滴の接触角をθbとしたとき、θa<θbを満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記自己組織化単分子膜が、有機シラン化合物から形成されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記自己組織化単分子膜が、末端にアルキル基を有する有機シラン化合物から形成されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記有機半導体層が、有機半導体材料溶液を用いて形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法によって形成したことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
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---|---|---|---|---|
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-
2007
- 2007-02-02 JP JP2007023889A patent/JP2008192724A/ja active Pending
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