JP2006216814A - 有機半導体材料、有機半導体薄膜、有機薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタ及びスイッチング素子 - Google Patents

有機半導体材料、有機半導体薄膜、有機薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタ及びスイッチング素子 Download PDF

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Abstract

【課題】経時劣化が抑えられた有機半導体材料、それを用いた有機半導体薄膜、有機薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタ及びスイッチング素子を提供する。
【解決手段】室温で有機溶媒に可溶な一般式(1a)又は(1b)で表される部分構造を有する化合物を含有する有機半導体材料。
Figure 2006216814

(式中、X1とX2はS、O又はNR1で、X3とX4はN又はCR2。R1、R2はH又は置換基。A1〜A4はC又はNで、CはH、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を持つ炭素原子。但し、A1〜A4の内少なくとも2つは芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を持つ炭素原子。nは1以上の整数。)
【選択図】なし

Description

本発明は、有機半導体材料、有機半導体薄膜、有機薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタ及びスイッチング素子に関する。
情報端末の普及に伴い、コンピュータ用のディスプレイとしてフラットパネルディスプレイに対するニーズが高まっている。また、さらに情報化の進展に伴い、従来、紙媒体で提供されていた情報が電子化される機会が増え、薄くて軽い、手軽に持ち運びが可能なモバイル用表示媒体として、電子ペーパーあるいはデジタルペーパーへのニーズも高まりつつある。
一般に平板型のディスプレイ装置においては、液晶、有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)、電気泳動等を利用した素子を用いて表示媒体を形成している。また、こうした表示媒体では画面輝度の均一性や画面書き換え速度等を確保するために、画像駆動素子としてアクティブ駆動素子(TFT素子)を用いる技術が主流になっている。例えば、通常のコンピュータディスプレイではガラス基板上にこれらTFT素子を形成し、液晶、有機EL素子等が封止されている。
ここでTFT素子には主にa−Si(アモルファスシリコン)、p−Si(ポリシリコン)等の半導体を用いることができ、これらのSi半導体(必要に応じて金属膜も)を多層化し、ソース、ドレイン、ゲート電極を基板上に順次形成していくことでTFT素子が製造される。こうしたTFT素子の製造には通常、スパッタリング、その他の真空系の製造プロセスが必要とされる。
しかしながら、このようなTFT素子の製造では、真空チャンバーを含む真空系の製造プロセスを何度も繰り返して各層を形成せざるを得ず、装置コスト、ランニングコストが非常に膨大なものとなっていた。例えば、TFT素子では、通常それぞれの層の形成のために真空蒸着、ドープ、フォトリソグラフ、現像等の工程を何度も繰り返す必要があり、何十もの工程を経て素子を基板上に形成している。スイッチング動作の要となる半導体部分に関しても、p型、n型等、複数種類の半導体層を積層している。こうした従来のSi半導体による製造方法ではディスプレイ画面の大型化のニーズに対し、真空チャンバー等の製造装置の大幅な設計変更が必要とされる等、設備の変更が容易ではない。
また、このような従来からのSi材料を用いたTFT素子の形成には高い温度の工程が含まれるため、基板材料には工程温度に耐える材料であるという制限が加わることになる。このため実際上はガラスを用いざるをえず、先に述べた電子ペーパーあるいはデジタルペーパーといった薄型ディスプレイを、こうした従来知られたTFT素子を利用して構成した場合、そのディスプレイは重く、柔軟性に欠け、落下の衝撃で割れる可能性のある製品となってしまう。ガラス基板上にTFT素子を形成することに起因するこれらの特徴は、情報化の進展に伴う手軽な携行用薄型ディスプレイへのニーズを満たすにあたり望ましくないものである。
一方、近年において高い電荷輸送性を有する有機化合物として、有機半導体材料の研究が精力的に進められている。これらの化合物は有機EL素子用の電荷輸送性材料のほか、例えば非特許文献1等において論じられているような有機レーザー発振素子や、例えば非特許文献2等、多数の論文にて報告されている有機薄膜トランジスタ素子(有機TFT素子)への応用が期待されている。これら有機半導体デバイスを実現できれば、比較的低い温度での真空ないし低圧蒸着による製造プロセスの簡易化や、さらにはその分子構造を適切に改良することによって、溶液化できる半導体を得る可能性があると考えられ、有機半導体溶液をインク化することによりインクジェット方式を含む印刷法による製造も考えられる。これらの低温プロセスによる製造は、従来のSi系半導体材料については不可能と考えられてきたが、有機半導体を用いたデバイスにはその可能性があり、従って前述の基板耐熱性に関する制限が緩和され、透明樹脂基板上にも例えばTFT素子を形成できる可能性がある。透明樹脂基板上にTFT素子を形成し、そのTFT素子により表示材料を駆動させることができれば、ディスプレイを従来のものよりも軽く、柔軟性に富み、落としても割れない(もしくは非常に割れにくい)ディスプレイとすることができるであろう。
しかしながら、こうしたTFT素子を実現するための有機半導体としてこれまでに検討されてきたのは、ペンタセンやテトラセンといったアセン類(例えば、特許文献1参照)、鉛フタロシアニンを含むフタロシアニン類、ペリレンやそのテトラカルボン酸誘導体といった低分子化合物(例えば、特許文献2参照)や、α−チエニールもしくはセクシチオフェンと呼ばれるチオフェン6量体を代表例とする芳香族オリゴマー(例えば、特許文献3参照)、ナフタレン、アントラセンに5員の芳香族複素環が対称に縮合した化合物(例えば、特許文献4参照)、モノ、オリゴ及びポリジチエノピリジン(例えば、特許文献5参照)、さらにはポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリ−p−フェニレンビニレンといった共役高分子等限られた種類の化合物(例えば、非特許文献1〜3参照)でしかなく、高いキャリア移動度を示す新規な電荷輸送性材料を用いた半導体性組成物の開発が待望されていた。
また、特開2003−292588号公報、米国特許出願公開第2003/136958号明細書、同2003/160230号明細書、同2003/164495号明細書では「マイクロエレクトロニクス用の集積回路論理素子にポリマーTFTを用いると、その機械的耐久性が大きく向上し、その使用可能寿命が長くなる。しかし半導体ポリチオフェン類の多くは、周囲の酸素によって酸化的にドープされ、導電率が増大してしまうため空気に触れると安定ではないと考えられる。この結果、これらの材料から製造したデバイスのオフ電流は大きくなり、そのため電流オン/オフ比は小さくなる。従ってこれらの材料の多くは、材料加工とデバイス製造の間に環境酸素を排除して酸化的ドーピングを起こさない、あるいは最小とするよう厳重に注意しなければならない。この予防措置は製造コストを押し上げるため、特に大面積デバイスのための、アモルファスシリコン技術に代わる経済的な技術としてのある種のポリマーTFTの魅力が削がれてしまう。これら及びその他の欠点は、本発明の実施の形態において回避され、あるいは最小となる。従って、酸素に対して強い対抗性を有し、比較的高い電流ONN/OFF比を示すエレクトロニックデバイスが望まれている」との記載があり、その解決手段が種々提案されている(例えば、特許文献6、7及び8参照)が、改善のレベルは満足できるものではなく、さらなる改良が望まれている。
特開平5−55568号公報 特開平5−190877号公報 特開平8−264805号公報 特開平11−195790号公報 特開2003−155289号公報 特開2003−261655号公報 特開2003−264327号公報 特開2003−268083号公報 『サイエンス』(Science)誌289巻、599ページ(2000) 『ネイチャー』(Nature)誌403巻、521ページ(2000) 『アドバンスド・マテリアル』(Advanced Material)誌、2002年、第2号、99ページ
本発明の目的は、簡単なプロセスで製造され、トランジスタとしての特性が良好であり、さらに経時劣化が抑えられた有機半導体材料、それを用いた有機半導体薄膜、有機薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタ及びスイッチング素子を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
(請求項1)
下記一般式(1a)または(1b)で表される部分構造を有する化合物を含有することを特徴とする有機半導体材料。
Figure 2006216814
(式中、X1及びX2はS、OまたはNR1であり、X3及びX4は窒素原子またはCR2である。R1、R2はHまたは置換基である。A1〜A4は炭素原子または窒素原子であり、該炭素原子はH、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を有する。ただし、A1〜A4の内少なくとも2つは芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を有する炭素原子である。nは1以上の整数である。)
(請求項2)
前記一般式(1a)または(1b)におけるnが1〜3の整数であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体材料。
(請求項3)
下記一般式(2a)、(2b)または(2c)で表される部分構造を有する化合物を含有することを特徴とする有機半導体材料。
Figure 2006216814
(式中、X1及びX2はS、OまたはNR1であり、X3及びX4はNまたはCR2である。R1、R2はHまたは置換基である。Ar1〜Ar8はH、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であり、Ar1〜Ar8の内少なくとも2つは芳香族炭化水素基または芳香族複素環基である。)
(請求項4)
前記一般式(2a)、(2b)または(2c)におけるAr1〜Ar8の内少なくとも2つが同一の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であることを特徴とする請求項3に記載の有機半導体材料。
(請求項5)
前記一般式(1a)、(1b)、(2a)、(2b)または(2c)で表される部分構造を有する化合物が、下記一般式(3a)または(3b)で表される部分構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機半導体材料。
Figure 2006216814
(式中、Ar9及びAr10は芳香族炭化水素基または芳香族複素環基である。)
(請求項6)
Ar1〜Ar8の内少なくとも4つが芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の有機半導体材料。
(請求項7)
前記一般式(2a)、(2b)または(2c)におけるAr1〜Ar8がHまたはフェニルであることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の有機半導体材料。
(請求項8)
請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体材料を含有する溶液から形成されることを特徴とする有機半導体薄膜。
(請求項9)
請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体材料を半導体層に用いることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
(請求項10)
請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体材料を半導体層に用いることを特徴とする電界効果トランジスタ。
(請求項11)
請求項9に記載の有機薄膜トランジスタまたは請求項10に記載の電界効果トランジスタを用いることを特徴とするスイッチング素子。
(請求項12)
前記半導体層を、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体材料を含有する溶液を塗布することにより形成することを特徴とする請求項9に記載の有機薄膜トランジスタ。
(請求項13)
前記半導体層を、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体材料を含有する溶液を塗布することにより形成することを特徴とする請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
(請求項14)
請求項12に記載の有機薄膜トランジスタまたは請求項13に記載の電界効果トランジスタを用いることを特徴とするスイッチング素子。
本発明により、簡単なプロセスで製造され、トランジスタとしての特性が良好であり、さらに経時劣化が抑えられた有機半導体材料、それを用いた有機半導体薄膜、有機薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタ及びスイッチング素子を提供することができる。
本発明の有機半導体材料においては、請求項1〜7のいずれか1項に規定される構成を用いることにより、薄膜トランジスタ用途に有用な有機半導体材料を得ることができる。また、該有機半導体材料を用いて作製した本発明の有機半導体薄膜、有機薄膜トランジスタ(以下、有機TFTともいう)、電界効果トランジスタは、キャリア移動度が高く、良好なON/OFF特性を示す等、優れたトランジスタ特性を示しながら、かつ、高耐久性であることが分かった。また、該有機TFTまたは該電界効果トランジスタを用いて作製されたスイッチング素子は良好なスイッチング特性を示すことが分かった。
有機半導体材料としてはペンタセンがよく知られているが、不溶性のため従来は蒸着によってしか膜を形成できず、塗布膜を作成することは難しい。また、ペンタセンは酸素を含有する雰囲気下では経時酸化する傾向があり、酸化に対して不安定である。
一方で、PHTに代表されるチオフェンポリマーのように塗布可能な材料も提案されているが、分子量分布を持つポリマーでは塗布膜を形成した場合πスタックの形成が部分的であり、分子配列が乱れている部分が多く、満足できるTFT性能を得るには不充分であった。
これらの課題を解決する手段として、特開平11−195790では末端にチオフェン、フランまたはピロールを有するナフタレンまたはアントラセンが提案されている。これらの化合物は分子間でπスタックしやすく、またクロロベンゼン等の有機溶媒に溶解することができる。しかし本発明者が検討したところ、これらの溶液を塗布する際には、必要な濃度を得るため溶液温度を高く維持する必要があり、また基板を熱する等の作業が必要であった。塗布によって半導体層を作製するためには、より溶けやすい方が濃度を調整しやすく、またより低い温度で溶解する方が扱いやすい。
本発明に係る一般式(1a)、(1b)、(2a)、(2b)、(2C)で表される部分構造を有する化合物は溶解性が向上し、より低い温度で溶液を塗布することが可能である。さらに適切な位置に芳香族炭素水素基または芳香族複素環基を導入することにより、分子が高規則的に配列し、より配向性の高い有機半導体薄膜を得ることができた。またTFT性能についても大幅な向上が可能となった。
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について説明する。
〔有機半導体材料〕
(一般式(1a)または(1b)で表される化合物)
本発明に係る一般式(1a)または(1b)で表される化合物について説明する。
本発明の有機半導体材料は、上記一般式(1a)または(1b)で表される化合物であることが特徴である。
一般式(1a)または(1b)において、X1及びX2はS、OまたはNR1であり、X3及びX4はNまたはCR2である。R1、R2はHまたは置換基である。置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシル基、シクロアルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、シリル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数が1〜20のアルキル基である。
1〜A4は炭素原子または窒素原子であり、該炭素原子はH、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を有する。ただし、A1〜A4の内少なくとも2つは芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を有する炭素原子である。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等が挙げられる。これらの各基は、さらに後述する置換基を有していてもよい。
芳香族複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(カルボニル基のカルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等が挙げられる。芳香族複素環基はS、NまたはOのいずれかを含むことが好ましい。これらの各基は、さらに後述する置換基を有していてもよい。
上記芳香族炭化水素基、芳香族複素環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)等が挙げられる。
これらの置換基は、上記の置換基によってさらに置換されていてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
nは1以上の整数であり、1〜3の整数であることが好ましい。
(一般式(2a)、(2b)または(2c)で表される化合物)
本発明に係る一般式(2a)、(2b)または(2c)で表される化合物について説明する。
本発明の有機半導体材料は、上記一般式(2a)、(2b)または(2c)で表される化合物であることが特徴である。
一般式(2a)、(2b)または(2c)において、X1及びX2はS、OまたはNR1であり、X3及びX4はNまたはCR2である。R1、R2はHまたは置換基である。Ar1〜Ar8はH、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であり、Ar1〜Ar8の内少なくとも2つは芳香族炭化水素基または芳香族複素環基である。これらの置換基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基は、一般式(1a)または(1b)で表される化合物で述べた基と同義である。
Ar1〜Ar8の内少なくとも2つが同一の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であることが好ましい。さらに、Ar1〜Ar8の内少なくとも4つが芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であることが好ましい。また、Ar1〜Ar8がHまたはフェニルであることが好ましい。
前記一般式(1a)、(1b)、(2a)、(2b)または(2c)で表される部分構造を有する化合物は、前記一般式(3a)または(3b)で表される部分構造を有することが好ましい。
一般式(3a)または(3b)において、Ar9及びAr10は芳香族炭化水素基または芳香族複素環基である。芳香族炭化水素基または芳香族複素環基は、一般式(1a)または(1b)で表される化合物で述べた基と同義である。
本発明に係る一般式(1a)、(1b)、(2a)、(2b)または(2c)で表される化合物の分子量は1万以下であることが好ましく、より好ましくは5000以下である。分子量をこの範囲に制限することにより、分子間のスタック性及び配向性が向上し、分子が規則的に配列した膜が作製でき、TFT性能の向上が可能となる。分子量はGPC(ゲルパーミーションクロマトグラフィー)を用いて求めた数平均分子量(Mn:ポリスチレン換算の分子量)である。
以下、本発明に係る一般式(1a)、(1b)、(2a)、(2b)または(2c)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2006216814
Figure 2006216814
Figure 2006216814
Figure 2006216814
Figure 2006216814
Figure 2006216814
Figure 2006216814
Figure 2006216814
Figure 2006216814
次に、本発明に係るこれらの化合物の合成例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
(化合物2の合成)
下記スキームにより化合物2を合成した。
Figure 2006216814
〈中間体3の合成〉
窒素雰囲気下、ジエチルエーテル300mlに中間体1 10g、中間体2 10g及びアセチルクロリド4gを加え、還流下、10時間攪拌した。得られた反応混合物を水、飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムを通して乾燥させた。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィーにより中間体3を8.1g得た(収率53%)。
(化合物2の合成)
窒素雰囲気下、トルエン250ml中に中間体3 5g及び五塩化リン3.5gを加え、室温で48時間攪拌した。得られた反応混合物を水、飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムを通して乾燥させた。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物2を2.9g得た(収率31%)。得られた化合物2の分子構造は、1H−NMR(核磁気共鳴スペクトル)及び質量スペクトル測定を行い、目的物と矛盾しないことを確認した。さらにHPLC測定した結果より99%以上の純度であることを確認した。
他の化合物も同様にして合成できる。
〔有機半導体薄膜、有機TFT、電界効果トランジスタ及びスイッチング素子〕
本発明の有機半導体薄膜、有機TFT、電界効果トランジスタ及びそれらを用いるスイッチング素子について説明する。ここで、スイッチング素子は、その使用形態により、有機TFT素子といわれることもあり、また、電界効果トランジスタ素子と呼ばれることがある。
本発明の有機半導体材料は、有機半導体薄膜、有機TFTや電界効果トランジスタの半導体層に用いることにより、良好に駆動するスイッチング素子(トランジスタ装置ともいう)を提供することができる。有機TFT(有機薄膜トランジスタ)は、支持体上に、チャネルとして有機半導体チャネルで連結されたソース電極とドレイン電極を有し、その上にゲート絶縁層を介してゲート電極を有するトップゲート型と、支持体上にまずゲート電極を有し、ゲート絶縁層を介して有機半導体チャネルで連結されたソース電極とドレイン電極を有するボトムゲート型に大別される。
本発明に係る有機半導体材料を有機半導体薄膜、有機TFTまたは電界効果トランジスタを用いたスイッチング素子のチャネル(半導体層ともいう)に設置するには、真空蒸着により基板上に設置することもできるが、適切な溶媒に溶解し必要に応じ添加剤を加えて調製した溶液をキャストコート、スピンコート、印刷、インクジェット法、アブレーション法等によって基板上に設置するのが好ましい。
この場合、本発明の有機半導体材料を溶解する溶媒は、有機半導体材料を溶解して適切な濃度の溶液が調製できるものであれば格別の制限はないが、具体的にはジエチルエーテルやジイソプロピルエーテル等の鎖状エーテル系溶媒、テトラヒドロフランやジオキサン等の環状エーテル系溶媒、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルムや1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、トルエン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、m−クレゾール等の芳香族系溶媒、N−メチルピロリドン、2硫化炭素等を挙げることができる。これらの溶媒のうち、非ハロゲン系溶媒を含む溶媒が好ましく、非ハロゲン系溶媒で構成することが好ましい。
本発明の有機半導体薄膜は、これらの有機半導体材料を含有する溶液から形成することが好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタは、これらの有機半導体材料を前述のように半導体層に用いることが好ましい。前記半導体層は、これらの有機半導体材料を含有する溶液を塗布することにより形成することが好ましい。有機半導体材料を溶解する溶媒は、前記非ハロゲン系溶媒を含む溶媒が好ましく、非ハロゲン系溶媒で構成することが好ましい。
本発明のスイッチング素子は、これらの有機薄膜トランジスタまたは電界効果トランジスタを用いることが好ましい。
本発明において、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を形成する材料は導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられるが、特に、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ITO及び炭素が好ましい。あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等も好適に用いられる。中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いてエッチングする方法がある。また導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、導電性微粒子分散液を直接インクジェットによりパターニングしてもよいし、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。さらに導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
ゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用いることができるが、特に比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム等が挙げられる。それらのうち好ましいのは酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
上記皮膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法等のドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等の塗布による方法、印刷やインクジェット等のパターニングによる方法等のウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶媒あるいは水に必要に応じて界面活性剤等の分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えば、アルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。これらのうち好ましいのは、大気圧プラズマ法とゾルゲル法である。
大気圧下でのプラズマ製膜処理による絶縁膜の形成方法は、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材上に薄膜を形成する処理で、その方法については特開平11−61406号公報、同11−133205号公報、特開2000−121804号公報、同2000−147209号公報、同2000−185362号公報等に記載されている(以下、大気圧プラズマ法とも称する)。これによって高機能性の薄膜を、生産性高く形成することができる。
また有機化合物皮膜として、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、及びシアノエチルプルラン等を用いることもできる。有機化合物皮膜の形成法としては、前記ウェットプロセスが好ましい。無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。またこれら絶縁膜の膜厚としては、一般に50nm〜3μm、好ましくは100nm〜1μmである。
また、支持体はガラスやフレキシブルな樹脂製シートで構成され、例えば、プラスチックフィルムをシートとして用いることができる。前記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。このように、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
以下に、本発明の有機半導体材料を用いて形成された有機半導体薄膜を用いた有機TFT(電界効果トランジスタも同様である)について説明する。
図1は、本発明に係る有機TFTの構成例を示す図である。同図(a)は、支持体6上に金属箔等によりソース電極2、ドレイン電極3を形成し、両電極間に本発明の有機薄膜トランジスタ材料からなる有機半導体層1を形成し、その上に絶縁層5を形成し、さらにその上にゲート電極4を形成して電界効果トランジスタを形成したものである。同図(b)は、有機半導体層1を、(a)では電極間に形成したものを、コート法等を用いて電極及び支持体表面全体を覆うように形成したものを表す。(c)は、支持体6上に先ずコート法等を用いて、有機半導体層1を形成し、その後ソース電極2、ドレイン電極3、絶縁層5、ゲート電極4を形成したものを表す。
同図(d)は、支持体6上にゲート電極4を金属箔等で形成した後、絶縁層5を形成し、その上に金属箔等で、ソース電極2及びドレイン電極3を形成し、該電極間に本発明の有機薄膜トランジスタ材料により形成された有機半導体層1を形成する。その他同図(e)、(f)に示すような構成を取ることもできる。
図2は、有機TFTシートの概略等価回路図の1例を示す図である。
有機TFTシート10はマトリクス配置された多数の有機TFT11を有する。7は各TFT11のゲートバスラインであり、8は各TFT11のソースバスラインである。各TFT11のソース電極には、出力素子12が接続され、この出力12は例えば液晶、電気泳動素子等であり、表示装置における画素を構成する。画素電極は光センサの入力電極として用いてもよい。図示の例では、出力素子として液晶が、抵抗とコンデンサからなる等価回路で示されている。13は蓄積コンデンサ、14は垂直駆動回路、15は水平駆動回路である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例
(有機TFT素子1の作製)
ゲート電極としての比抵抗0.01Ω・cmのSiウェハーに、厚さ2000Åの熱酸化膜を形成してゲート絶縁層とした後、オクタデシルトリクロロシランによる表面処理を行った。
比較化合物1(ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、regioregular、アルドリッチ社製、平均分子量89000、PHT)のクロロホルム溶液をアプリケーターを用いて塗布し、自然乾燥することによりキャスト膜(厚さ50nm)を形成して、窒素雰囲気下で50℃、30分間の熱処理を施した。
さらに、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着してソース電極及びドレイン電極を形成した。ソース電極及びドレイン電極は幅100μm、厚さ200nmで、チャネル幅W=3mm、チャネル長L=20μmの有機TFT素子1を作製した。
(有機TFT素子2及び3の作製)
有機TFT素子1の作製において、比較化合物1を比較化合物2、3(ペンタセン、アルドリッチ社製市販試薬を昇華精製して用いた)に各々変更した以外は同様にして、それぞれ有機TFT素子2、3を作製した。
Figure 2006216814
(有機TFT素子4〜9の作製)
有機TFT素子1の作製において、比較化合物1の代わりに、表1に記載の本発明の有機半導体材料に変更した以外は同様にして、有機TFT素子4〜9を作製した。本発明の有機半導体材料の分子量はいずれも1万以下であった。
(キャリア移動度及びON/OFF値の評価)
得られた有機TFT素子1〜9について、作製直後と大気中で1ヶ月放置後の各素子のキャリア移動度とON/OFF値を求めた。なお、本発明では、I−V特性の飽和領域からキャリア移動度を求め、さらに、ドレインバイアス−50Vとし、ゲートバイアス−50V及び0Vにしたときのドレイン電流値の比率からON/OFF比を求めた。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2006216814
表1から、比較の有機半導体材料を用いて作製した比較の有機TFT素子と比べて、本発明の有機半導体材料を用いて作製した有機TFT素子4〜9は、作製直後においても優れたトランジスタ特性を示し、かつ、経時劣化が少ないという高い耐久性を併せ持つということが分かる。
本発明に係る有機TFTの構成例を示す図である。 本発明の有機TFTの概略等価回路図の1例である。
符号の説明
1 有機半導体層
2 ソース電極
3 ドレイン電極
4 ゲート電極
5 絶縁層
6 支持体
7 ゲートバスライン
8 ソースバスライン
10 有機TFTシート
11 有機TFT
12 出力素子
13 蓄積コンデンサ
14 垂直駆動回路
15 水平駆動回路

Claims (14)

  1. 下記一般式(1a)または(1b)で表される部分構造を有する化合物を含有することを特徴とする有機半導体材料。
    Figure 2006216814
    (式中、X1及びX2はS、OまたはNR1であり、X3及びX4は窒素原子またはCR2である。R1、R2はHまたは置換基である。A1〜A4は炭素原子または窒素原子であり、該炭素原子はH、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を有する。ただし、A1〜A4の内少なくとも2つは芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を有する炭素原子である。nは1以上の整数である。)
  2. 前記一般式(1a)または(1b)におけるnが1〜3の整数であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体材料。
  3. 下記一般式(2a)、(2b)または(2c)で表される部分構造を有する化合物を含有することを特徴とする有機半導体材料。
    Figure 2006216814
    (式中、X1及びX2はS、OまたはNR1であり、X3及びX4はNまたはCR2である。R1、R2はHまたは置換基である。Ar1〜Ar8はH、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であり、Ar1〜Ar8の内少なくとも2つは芳香族炭化水素基または芳香族複素環基である。)
  4. 前記一般式(2a)、(2b)または(2c)におけるAr1〜Ar8の内少なくとも2つが同一の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であることを特徴とする請求項3に記載の有機半導体材料。
  5. 前記一般式(1a)、(1b)、(2a)、(2b)または(2c)で表される部分構造を有する化合物が、下記一般式(3a)または(3b)で表される部分構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機半導体材料。
    Figure 2006216814
    (式中、Ar9及びAr10は芳香族炭化水素基または芳香族複素環基である。)
  6. Ar1〜Ar8の内少なくとも4つが芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の有機半導体材料。
  7. 前記一般式(2a)、(2b)または(2c)におけるAr1〜Ar8がHまたはフェニルであることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の有機半導体材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体材料を含有する溶液から形成されることを特徴とする有機半導体薄膜。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体材料を半導体層に用いることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体材料を半導体層に用いることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  11. 請求項9に記載の有機薄膜トランジスタまたは請求項10に記載の電界効果トランジスタを用いることを特徴とするスイッチング素子。
  12. 前記半導体層を、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体材料を含有する溶液を塗布することにより形成することを特徴とする請求項9に記載の有機薄膜トランジスタ。
  13. 前記半導体層を、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機半導体材料を含有する溶液を塗布することにより形成することを特徴とする請求項10に記載の電界効果トランジスタ。
  14. 請求項12に記載の有機薄膜トランジスタまたは請求項13に記載の電界効果トランジスタを用いることを特徴とするスイッチング素子。
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