JP2008123569A - 光記録媒体駆動装置及び光記録媒体駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】検出信号に含まれる不要な変動の影響を排除して、光記録媒体の種類を正しく判別する。
【解決手段】検出信号SPIの信号レベルが検出閾値PSを上回るとともに、検出信号SPIの信号レベルの変化率が変化率閾値を上回ったときを、対物レンズの焦点が記録層に合致したものとして光記録媒体の種別を判別することにより、検出信号に含まれる不要な変動の影響を排除して、確実に光記録媒体の種類を判別することができる。
【選択図】図5
【解決手段】検出信号SPIの信号レベルが検出閾値PSを上回るとともに、検出信号SPIの信号レベルの変化率が変化率閾値を上回ったときを、対物レンズの焦点が記録層に合致したものとして光記録媒体の種別を判別することにより、検出信号に含まれる不要な変動の影響を排除して、確実に光記録媒体の種類を判別することができる。
【選択図】図5
Description
本発明は光記録媒体駆動装置及び光記録媒体駆動方法に関し、例えば光ディスク駆動装置に適用して好適なものである。
従来、光ディスク駆動装置においては、記録媒体としての光ディスクに対して光ビームを照射することにより、当該光ディスクに情報を記録し、また当該光ディスクから情報を再生するようになされたものが広く普及している。
また光ディスク駆動装置のなかには、波長約780[nm]の光ビームが用いられるCD(Compact Disc)方式の光ディスク、及び波長約660[nm]の光ビームが用いられるDVD(Digital Versatile Disc)方式の光ディスクの双方に対応したものも提案されている。
さらに光ディスクは、CD方式及びDVD方式の双方において外径約120[mm]、厚さ約1.2[mm]の円盤状である点では共通するものの、当該光ディスクの表面から情報が記録された記録層までの間隔、いわゆるカバー層の厚さについては互いに異なっており、CD方式では約1.2[mm]、DVD方式では約0.6[mm]となっている。
そのうえ、光ディスク駆動装置についても、光ビームを光ディスクに照射する対物レンズの開口数(NA:Numerical Aperture)が規定されており、CD方式の光ディスクに対しては開口数を0.45とし、DVD方式の光ディスクに対しては開口数を0.6とする必要がある。
そこで光ディスク駆動装置のなかには、2つの焦点を有する2焦点対物レンズを用いることにより、CD方式及びDVD方式の双方の光ディスクに対応するようになされ多ものも提案されている。
かかる光ディスク駆動装置では、光ディスクが装填された場合、例えば光ビームが当該光ディスクにより照射されてなる反射光ビームの検出結果を基に、光ディスクの表面から記録層までの間隔を認識し、この間隔からCD方式又はDVD方式といった光ディスクの種類を判別する手法が用いられている。このとき光ディスク駆動装置は、光ビームの焦点のうち所望の焦点ではない偽の焦点により得られる反射光ビーム成分を除外し得るようになされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−157545公報(第2図)
ところで近年では、光ディスクに対する大容量化等の要求に応じて、波長約405[nm]の光ビームを用いるBlu−ray Disc(登録商標、以下BDと呼ぶ)方式も提案されている。このBD方式では、対物レンズの開口数を0.85とするよう規定されている。
そこで光ディスク駆動装置は、CD方式及びDVD方式に加えてBD方式の光ディスクにも対応するべく、対物レンズを3焦点対物レンズとすることが考えられる。
しかしながら、このような対物レンズを用いる場合、光ディスク駆動装置では、光ビームについて常に複数の焦点を生じることになり、光学設計上の問題から、光ビームの偽の焦点が信号層に合焦したときにも十分な光量の反射光ビームを検出してしまう可能性がある。
このような場合、光ディスク駆動装置は、所望の焦点により得られた反射光ビームと偽の焦点により得られた反射光ビームとを区別することが困難となり、記録層を正しく認識することができないため、この結果光ディスクの種類を正しく判別できないという問題があった。
また、複数種類の光ディスクに対応した光ディスク駆動装置では、光ピックアップ内等で迷光が発生し、当該迷光の影響によっても記録層を正しく認識することができず、この結果光ディスクの種類を正しく判別することができないという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、光記録媒体の種類を正しく判別し得る光記録媒体駆動装置及び光記録媒体駆動方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の光記録媒体駆動装置においては、情報記録用の記録層が設けられた光記録媒体に光ビームを集光すると共に、所定の駆動部により当該光ビームの光軸に沿って移動される対物レンズと、光記録媒体により光ビームが反射されてなる反射光ビームを検出し検出信号を生成する検出部と、駆動部を制御して対物レンズを光記録媒体の遠方から近接させる際、検出信号の信号レベルが所定の検出閾値を上回るとともに当該検出信号の信号レベルの変化率が所定の変化率閾値を上回ったときにおける対物レンズの焦点の位置に基づいて、光記録媒体の表面から記録層までの間隔が異なる複数種類の光記録媒体のうちいずれの光記録媒体であるかを判別する制御部とを設けるようにした。
検出信号の信号レベルが検出閾値を上回るとともに、検出信号の信号レベルの変化率が変化率閾値を上回ったときを、対物レンズの焦点が記録層に合致したものとして光記録媒体の種別を判別することにより、検出信号に含まれる不要な変動の影響を排除して、確実に光記録媒体の種類を判別することができる。
また本発明の光記録媒体駆動方法においては、情報記録用の記録層が設けられた光記録媒体に光ビームを集光する対物レンズを、当該光ビームの光軸に沿って当該光記録媒体の遠方から近接させる近接ステップと、光記録媒体により光ビームが反射されてなる反射光ビームを検出し検出信号を生成する検出ステップと、検出信号の信号レベルが所定の検出閾値を上回るとともに当該検出信号の信号レベルの変化率が所定の変化率閾値を上回ったときにおける対物レンズの焦点の位置に基づいて、光記録媒体の表面から記録層までの間隔が異なる複数種類の光記録媒体のうちいずれの光記録媒体であるかを判別する判別ステップとを設けるようにした。
検出信号の信号レベルが検出閾値を上回るとともに、検出信号の信号レベルの変化率が変化率閾値を上回ったときを、対物レンズの焦点が記録層に合致したものとして光記録媒体の種別を判別することにより、検出信号に含まれる不要な変動の影響を排除して、確実に光記録媒体の種類を判別することができる。
本発明によれば、検出信号の信号レベルが検出閾値を上回るとともに、検出信号の信号レベルの変化率が変化率閾値を上回ったときを、対物レンズの焦点が記録層に合致したものとして光記録媒体の種別を判別することにより、検出信号に含まれる不要な変動の影響を排除して、確実に光記録媒体の種類を判別し得る光記録媒体駆動装置及び光記録媒体駆動方法を実現できる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)光ディスク駆動装置の全体構成
図1は全体として第1の実施の形態の光ディスク駆動装置1を示し、図示しない外部機器からの指示に基づき、光記録媒体としての光ディスク20に情報を記録し、また当該光ディスク20に記録された情報を再生するようになされている。
(1−1)光ディスク駆動装置の全体構成
図1は全体として第1の実施の形態の光ディスク駆動装置1を示し、図示しない外部機器からの指示に基づき、光記録媒体としての光ディスク20に情報を記録し、また当該光ディスク20に記録された情報を再生するようになされている。
また光ディスク駆動装置1は、CD(Compact Disc)方式、DVD(Digital Versatile Disc)方式又はBD(Blu-ray Disc、登録商標)方式といった3方式のいずれかでなる光ディスク20に対応し得るようになされている。便宜上、以下ではそれぞれCDメディア20c、DVDメディア20d、及びBDメディア20bと呼ぶ。
因みにCDメディア20c、DVDメディア20d、及びBDメディア20bは、外径が約120[mm]、厚さが約1.2[mm]の円盤状である点については共通しているものの、情報の記録時及び再生時に使用される光ビームの波長、当該光ビームを集光する対物レンズの開口数、光ビームが照射される表面から情報を記録する記録層までの間隔(いわゆるカバー層の厚さ)が互いに異なっている。
具体的には、CD方式、DVD方式及びBD方式において、光ビームの波長がそれぞれ約780[nm]、約660[nm]及び約405[nm]、対物レンズの開口数が約0.45、約0.6及び約0.85、カバー層の厚さ(以下、これを層厚TLと呼ぶ)が約1.2[mm]、約0.6[mm]及び約0.1[mm]とそれぞれ規定されている。
一方、光ディスク駆動装置1は、制御部2のシステム制御部3によって全体を統括制御するようになされている。このシステム制御部3は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)から基本プログラムやディスク種類判別プログラム、フォーカス制御開始プログラム等の各種プログラムを読み出し、これを図示しないRAM(Random Access Memory)に展開することにより、ディスク種類判別処理やフォーカス制御開始処理等の各種処理を実行するようになされている。
光ディスク駆動装置1は、例えば光ディスク20が装填された状態で、図示しない外部機器からの再生指示を受け付けると、当該光ディスク20に記録されている情報を読み出すようになされている。
実際上、サーボ制御部4は、システム制御部3の指示に基づき、図示しないスピンドルモータを駆動制御することにより光ディスク20を回転させると共に、光ピックアップ5から当該光ディスク20に光ビームを照射させる。
この光ピックアップ5は、いわゆる3波長対応型となっており、波長約780[nm]でなるCD用光ビームを出射するCD用レーザダイオード6c、波長約660[nm]でなるDVD用光ビームを出射するDVD用レーザダイオード6d、及び波長約405[nm]でなるBD用光ビームを出射するBD用レーザダイオード6b(以下、これらを総称してレーザダイオード6と呼ぶ)を有している。
光ピックアップ5は、光ディスク20の種類(すなわちCDメディア20c、DVD用メディア20d又はBDメディア20bのいずれであるか)に応じたレーザダイオード6から光ビームを出射させるようになされている。例えば光ディスク20がBDメディア20bであれば、光ピックアップ5は、BD用レーザダイオード6bからBD用光ビームを出射する。その後光ピックアップ5は、図示しない光学部品を介した後、対物レンズ7により当該光ビームを集光するようになされている。
対物レンズ7は、アクチュエータ8により、光ビームの光軸に沿って光ディスク20へ近接される方向又は離隔される方向、すなわちフォーカス方向へ駆動されるようになされている。これは、回転される光ディスク20がいわゆる面ブレ等を生じた際に、対物レンズ7を当該光ディスク20に追従させる。
また対物レンズ7は、複数の光学部品の組み合わせにより構成され(図示せず)、同時に複数の焦点を形成するようになされている。このため対物レンズ7は、光ビームが入射された際、複数の開口数を持つことになる。
実際上、対物レンズ7は、CD用光ビームを開口数約0.45で集光し、DVD用光ビームを開口数約0.6で集光し、BD用光ビームを開口数約0.85で集光することができる一方、同時に他の開口数でも光ビームを集光することになる。
光ピックアップ5は、光ビームが光ディスク20により反射されてなる反射光ビームが対物レンズ7に入射されると、図示しない光学部品を介して、これをフォトディテクタ9に照射させる。
フォトディテクタ9は、反射光ビームが照射される面に複数の検出領域を有しており、検出領域ごとに光電変換を行うことにより複数の検出信号を生成し、これらを信号生成部10へ供給する。
信号生成部10は、検出信号を基に所定の演算処理を行うことにより、反射光ビームの光量を表すプルイン信号SPI、光ビームの焦点と光ディスク20の記録層とのずれ量を表すフォーカスエラー信号SFE、光ディスク20に記録されている情報を表す再生RF信号SRF等を生成し、これらを制御部2へ供給する。
制御部2のサーボ制御部4は、フォーカスエラー信号SFEに基づき、当該フォーカスエラー信号SFEを値「0」に近づけるようなフォーカス駆動信号SDFをアクチュエータ8へ供給することにより、光ビームの焦点を光ディスク20の記録層に近づけさせるように、対物レンズ7をフォーカス方向に移動させる。
すなわちサーボ制御部4は、アクチュエータ8を介して対物レンズ7をフォーカス方向にフィードバック制御することにより、光ビームの焦点を光ディスク20の記録層に追従させるようになされている。
さらに制御部2は、図示しない信号処理部によって再生RF信号SRFに対し所定の復調処理や復号化処理等を施すことにより、光ディスク20に記録されている情報を再生し、これを外部機器(図示せず)へ送出するようになされている。
また光ディスク駆動装置1は、例えば光ディスク20が装填された状態で、図示しない外部機器からの記録指示及び記録すべきデータ等を受け付けると、当該光ディスク20に情報を記録するようになされている。
この場合にもサーボ制御部4は、光ディスク20から情報を再生する場合と同様に、アクチュエータ8を介して対物レンズ7をフィードバック制御することにより、光ビームの焦点を光ディスク20の記録層に追従させるようになされている。
このように光ディスク駆動装置1は、光ディスク20に光ビームを照射し、反射光ビームの検出結果を基に対物レンズ7をフォーカス方向にフィードバック制御する、いわゆるフォーカス制御を行うことにより、光ビームの焦点を光ディスク20の記録層に追従させるようになされている。
(1−2)光ディスクのディスク種類判別
ところで光ディスク20は、上述したように、記録時及び再生時に照射すべき光ビームの波長及びカバー層の厚さが、種類ごとに異なっている。
ところで光ディスク20は、上述したように、記録時及び再生時に照射すべき光ビームの波長及びカバー層の厚さが、種類ごとに異なっている。
すなわち光ディスク駆動装置1は、光ディスク20の種類ごとに、光ビームの波長、すなわちCD用レーザダイオード6c、DVD用レーザダイオード6d又はBD用レーザダイオード6bのいずれから光ビームを出射させるかと、フォーカス方向に関して光ビームの焦点を合わせる位置、すなわちフォーカス方向に関する対物レンズ7の位置とを切り換える必要がある。
このため光ディスク駆動装置1は、新たに光ディスク20が装填されると、まず当該光ディスク20に対して光ビームを照射してその種類を判別するようになされている。
従来、この種のディスク種類判別処理においては、対物レンズを光ディスクから遠ざけた状態から、当該光ディスクに一定速度Vで近づけさせながら、プルイン信号SPIの信号レベルと所定の検出閾値PSとを比較する。そして、プルイン信号PIの信号レベルが最初に検出閾値PSを越えたとき、光ビームが光ディスクの表面に合焦しているものと判定するとともに、次にプルイン信号SPIの信号レベルが検出閾値PSを越えたとき、光ビームが光ディスクの信号層に合焦しているものと判定する。そして、この間の経過時間に対物レンズの移動速度を乗じることにより、光ディスクの表面から信号層までの厚さすなわちカバー層厚を算出し、当該算出したカバー層厚に基づいて光ディスクの種別を判定する。
しかしながら、本発明の光ディスク駆動装置1のように対物レンズ7が複数の焦点を有している場合、図2(A)に示すようにプルイン信号SPIの信号レベルには、ディスク表面の反射に基づく信号レベル変化及び信号層の反射に基づく信号レベル変化の間に、迷光等に基づいて生じる比較的なだらかな変化を示す信号レベル変化(以下、これをフェイク(偽)現象と呼ぶ)や、ノイズに基づく急峻な変化を示す信号レベル変化が不特定個発生することを避け得ない。
そして、このようなプルイン信号SPIと検出閾値PSとの比較に基づく合焦判定(以下、閾値判定とも呼ぶ)では、検出閾値PSの設定によっては、図2(B)に示す閾値に基づく検出信号Sslのように、これらフェイク現象やノイズをも合焦状態と判定してしまい(すなわち信号レベルがハイレベルの状態)、これにより正常なディスク種類判別を行うことができなくなるという問題がある。
これに対して、ノイズの信号レベル変化が急峻であることに着目し、プルイン信号SPIの変化率等に基づいてディスク種類判別を行う方法も提案されている。
例えば、プルイン信号SPIの面積変化率を用いる方法では、次に示す(1)式を用いて、プルイン信号SPIの信号振幅liを所定時間tだけ加算した信号面積Snの差分でなる面積変化率ΔSnを算出する。
そして、当該面積変化率ΔSnと、適宜設定した面積変化率検出閾値Sdとを比較し、面積変化率ΔSnが面積変化率検出閾値Sd以上のとき、このプルイン信号SPIの信号レベル変化はディスク表面や記録層の反射に基づくものであると判定する。
すなわち図3(A)は、ディスク表面や記録層の反射に起因するプルイン信号SPIの信号レベル変化の例を示し、この場合期間約8tに渡る緩やかな変化を示している。そして、図3(B)はこのような信号レベル変化に対する面積変化率ΔSnを示し、この場合面積変化率ΔS2〜ΔS8の長い期間に渡って比較的大きな値の増加がみられる。
これに対し図4(A)は、ノイズに起因するプルイン信号SPIの信号レベル変化の例を示し、期間tのみで終結する急峻な変化を示しており、信号レベル変化のピーク前後における各期間の信号面積S1〜S3、S4〜S8は極めて小さな値となっているとともに、当該ピークを含む期間の信号面積S4も小さな値となっている。そして、図4(B)はこのような急峻な信号レベル変化に対する面積変化率ΔSnを示し、面積変化率ΔS4及びΔS5においてわずかな増加が見られるのみである。
したがって、上述した面積変化率検出閾値Sdを適切に設定することにより、ディスク表面や記録層の反射に基づくプルイン信号SPIの信号レベル変化と、ノイズに基づく信号レベル変化とを確実に識別することができる。
しかしながら、このようなプルイン信号SPIの変化率等に基づくディスク種類判別では、図2(C)に示す面積変化率に基づく検出信号Saのように、緩やかな変化を示すフェイク現象についても合焦状態と判定してしまう(すなわち検出信号Saの信号レベルがハイレベルの状態)。
このため発明の光ディスク駆動装置1では、上述した検出閾値PSに基づく閾値判定と、プルイン信号SPIの信号変化率に基づく信号変化率判定とを併用するようにした。
この場合、ノイズのようにピークレベルは高いものの急峻な変化を示す信号変化については、信号変化率判定によって合焦ではないと識別できるため、その分、閾値判定における検出閾値PSを高く設定することができ、これにより緩やかな信号変化を示すものの比較的ピークレベルが低いフェイク現象を合焦ではないと識別できるようになる。
すなわち図5はこのような閾値判定と信号変化率判定(この場合は面積変化率判定)とを併用した複合判定の様子を示し、図5(A)に示すプルイン信号SPIに対して、閾値判定における検出閾値PSを図2(A)よりも高めに設定している。
これにより、閾値判定による検出信号Sslは、図5(B)に示すように信号層及びノイズのみが検出され(信号レベルがハイレベル)、ピークレベルの低いフェイク現象についてはいずれも検出されることがない。一方、面積変化率判定による検出信号Saは、図5(C)に示すようにディスク表面、フェイク現象及び信号層が検出されている。
このため、閾値判定による検出信号Ssl及び面積変化率判定による検出信号Saそれぞれについて、その信号レベルがローの時を「0」、信号レベルがハイの時を「1」としし、検出信号Ssl及び検出信号Saを論理積演算を行って記録層検出信号SDを生成するようにすれば、閾値判定では検出されてしまうものの面積変化率判定では検出されないノイズや、面積変化率判定では検出されてしまうものの閾値判定では検出されないフェイク現象を排除して、検出すべき記録層のみを確実に検出することができる。
しかしながらこの場合、検出閾値PSが高く設定されたことから、比較的ピークレベルの低いディスク表面に基づく信号レベル変化は閾値判定によっては検出されず、このため記録層検出信号SDでは当該ディスク表面を検出することができない可能性がある。従って、面積変化率判定による検出信号Saにおける最初の検出結果をディスク表面に合焦した状態と判定し、当該ディスク表面に対する合焦状態を検出した以降、上述した記録層検出信号SDに基づいて記録層を検出するようにすればよい。
すなわち光ディスク駆動装置1のシステム制御部3は、光ディスク20が装填されたことを検出すると、光ディスク20に対して光ビームを照射しつつ、対物レンズ7を当該光ディスク20から遠ざけた状態から一定速度Vで近づけさせていく。
このときシステム制御部3は、プルイン信号SPIと検出閾値PSとを比較して閾値判定による検出信号Sslを生成するとともに、当該プルイン信号SPIに対し上述した(1)式を用いた演算を行って面積変化率判定による検出信号Sslを生成し、当該検出信号Ssl及び検出信号SslをAND演算して記録層検出信号SDを生成する。
そしてシステム制御部3は、面積変化率判定による検出信号Sslの信号レベルが最初にハイレベルに立ち上がった時点を、光ビームが光ディスク20の表面に合焦しているものと認識し、図示しないカウンタによる時間の計測を開始する。
その後システム制御部3は、記録層検出信号SDの信号レベルがハイレベルに立ち上がった時点を、光ビームが光ディスク20の記録層に合焦しているものと認識してカウンタによる時間の計測を終了し、このときの経過時間TPに対物レンズ7の移動速度Vを乗じることにより、カウンタによる計測中の移動距離d1、すなわち位置xcから位置xsまでの距離を算出する。
そしてシステム制御部3は、算出した移動距離d1と各種光ディスクのカバー層厚とを照合することにより装填された光ディスク20の種類を判定し、当該判定結果に応じて、当該光ディスク20に対する各種処理を開始する。
(1−3)動作及び効果
以上の構成において、この光ディスク駆動装置1では、光ディスク20が装填された際のディスク種類判別処理において、光ディスク20に対して光ビームを照射しつつ、対物レンズ7を遠方から当該光ディスク20に一定速度Vで接近させ、プルイン信号SPIに対する閾値判定によって検出信号Sslを生成するとともに、当該プルイン信号SPIに対する面積変化率判定によって検出信号Sslを生成し、さらに当該検出信号Ssl及び検出信号Sslを論理積演算して記録層検出信号SDを生成する。
以上の構成において、この光ディスク駆動装置1では、光ディスク20が装填された際のディスク種類判別処理において、光ディスク20に対して光ビームを照射しつつ、対物レンズ7を遠方から当該光ディスク20に一定速度Vで接近させ、プルイン信号SPIに対する閾値判定によって検出信号Sslを生成するとともに、当該プルイン信号SPIに対する面積変化率判定によって検出信号Sslを生成し、さらに当該検出信号Ssl及び検出信号Sslを論理積演算して記録層検出信号SDを生成する。
そして光ディスク駆動装置1は、面積変化率判定による検出信号Sslの最初の立ち上がりをディスク表面に対する合焦タイミングと認識するとともに、記録層検出信号SDの立ち上がりを記録層に対する合焦タイミングと認識し、この間の経過時間TPに対物レンズ7の移動速度Vを乗じた移動距離d1と各種光ディスクのカバー層厚とを照合することにより、装填された光ディスク20の種類を判定する。
このように、光ディスク装填時におけるディスク種類判別処理において、閾値判定と面積変化率判定とを併用して記録層を検出することにより、閾値判定では記録層であると誤判定されるノイズに基づく信号変化や、面積変化率判定では記録層であると誤判定されるフェイク現象に基づく信号変化等の不要な信号変化を適切に排除し、記録層のみを確実に識別することができる。
(1−4)他の実施の形態
なお、上述した第1の実施の形態においては、ディスク種類判別処理における閾値判定の判定方法として、プルイン信号SPIの信号レベルと検出閾値PSとを比較するようにしたが、本発明はこれに限らず、上述したプルイン信号SPIの信号振幅liを所定時間tだけ加算してなる信号面積Snと、適宜設定した信号面積閾値とを比較して閾値判定を行うようにしてもよい。この場合、信号面積Snは単位時間当たりのプルイン信号SPIの信号振幅liの積分値に当たることから、極端に急峻な信号変化を無視して、より安定した閾値判定を行うことができる。
なお、上述した第1の実施の形態においては、ディスク種類判別処理における閾値判定の判定方法として、プルイン信号SPIの信号レベルと検出閾値PSとを比較するようにしたが、本発明はこれに限らず、上述したプルイン信号SPIの信号振幅liを所定時間tだけ加算してなる信号面積Snと、適宜設定した信号面積閾値とを比較して閾値判定を行うようにしてもよい。この場合、信号面積Snは単位時間当たりのプルイン信号SPIの信号振幅liの積分値に当たることから、極端に急峻な信号変化を無視して、より安定した閾値判定を行うことができる。
また上述した第1の実施の形態においては、ディスク種類判別処理において面積変化率判定と閾値判定とを併用して記録層の検出を行うようにしたが、本発明はこれに限らず、面積変化率判定に代えて、例えばプルイン信号SPIの信号レベルの微分値等、プルイン信号SPIの信号変化状態に基づくこの他種々の信号変化率判定と閾値判定とを併用して記録層の検出を行うようにしてもよい。
さらに上述した第1の実施の形態においては、ディスク種類判別処理において常に一定の検出閾値PSを用いて閾値判定を行うようにしたが、本発明はこれに限らず、状況に応じて適宜検出閾値PSを変更しながら閾値判定を行うようにしてもよい。例えば、ディスク種類判別処理開始直後では検出閾値PSを低く設定すれば、閾値判定によってもディスク表面を検出でき、当該ディスク表面を検出した以降は検出閾値PSを高く設定すれば、閾値判定によるフェイク現象の誤認識を防止できる。
(2)第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態を説明するが、光ディスク駆動装置1の構成については、上述した第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明するが、光ディスク駆動装置1の構成については、上述した第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。
(2−1)第2の実施の形態の基本動作
上述したように、光ディスク駆動装置1の対物レンズ7は、複数種類の光ディスクに対応した複数の開口数を有しているため、装填された光ディスクに対応した焦点以外にも光ビームが焦点を結んでしまう。この偽の焦点による反射光は、光ディスクに対応した焦点(以下、これを正の焦点とも呼ぶ)がディスク表面や記録層に合焦していない状態において光量が増大し、プルイン信号SPIにフェイク現象として現れることがある。
上述したように、光ディスク駆動装置1の対物レンズ7は、複数種類の光ディスクに対応した複数の開口数を有しているため、装填された光ディスクに対応した焦点以外にも光ビームが焦点を結んでしまう。この偽の焦点による反射光は、光ディスクに対応した焦点(以下、これを正の焦点とも呼ぶ)がディスク表面や記録層に合焦していない状態において光量が増大し、プルイン信号SPIにフェイク現象として現れることがある。
このような偽の焦点によるフェイク現象は、迷光等によるフェイク現象に比べてそのピークレベルが大きく、このため第1の実施の形態で述べた面積変化率判定及び閾値判定の双方において検出されてしまい、記録層検出信号SDにおいて記録層に対する合焦タイミングとして誤認識されてしまうという問題がある。
ところでこのような偽の焦点は、対物レンズ7に複数の開口数を持たせた際、特定の種類の光ディスクに対応する光ビームの特性に最適化することによって、他の種類の光ディスクに対応する光ビームの特性に「しわ寄せ」が生じた結果によるものと推定される。
そして、偽の焦点及び正の焦点の相対距離は、対物レンズ7のそれぞれの開口数によって定まることから、偽の焦点によるフェイク現象が発生すると推定される光ディスク20に対しては、ディスク表面の検出タイミングではなく、偽の焦点によるフェイク現象の検出タイミングから記録層の検出タイミングまでの経過時間に基づいて、光ディスク20の種類を判定することで、偽の焦点によるフェイク現象が発生する光ディスクに対しても正しくディスク種類判定を行うことができる。
(2−2)ディスク種類判別処理
次に、光ディスク駆動装置1における、上述した偽の焦点によるフェイク現象の判定を併用したディスク種類判別処理について具体的に説明する。
次に、光ディスク駆動装置1における、上述した偽の焦点によるフェイク現象の判定を併用したディスク種類判別処理について具体的に説明する。
上述したように光ディスク駆動装置1は、CDメディア20c、DVDメディア20d、及びBDメディア20bのいずれかでなる光ディスク20に対応し得るようになされており、これらは照射すべき光ビームの波長及びカバー層厚が互いに異なるため、光ディスク駆動装置1は光ディスク20が新たに装填される都度、当該光ディスク20に対する種類判別を行う。
具体的に光ディスク駆動装置1は、まず光ディスク20に対してBDの用光ビームを照射して、当該光ディスク20がBDメディア20bであるか否かを判定する。
ここで光ディスク駆動装置1は、当該光ディスク20がBDメディア20bでなかった場合、今度は当該光ディスク20に対してDVDの用光ビームを照射して、当該光ディスク20がDVD用メディア20dであるか否かを判定する。
さらに光ディスク駆動装置1は、当該光ディスク20がDVD用メディア20dでもなかった場合、当該光ディスク20がCDメディア20cである可能性が高いものの、確認のために、当該光ディスク20に対してCDの用光ビームを照射し、当該光ディスク20がCD用メディア20dであるか否かを判定する。
このように光ディスク駆動装置1は、光ディスク20がBDメディア20bであるか否か、DVD用メディア20dであるか否か、CD用メディア20dであるか否かを順次判定することにより、当該光ディスク20の種類を判別するディスク種類判別処理を行うようになされている。
(2−3)BD判別処理及びDVD判別処理
次に、光ディスク駆動装置1が、光ディスク20がBD用メディアであるか否かを判別するBD判別処理、及び当該光ディスク20がDVD用メディアであるか否かを判別するDVD判別処理を行う場合について、BD判別処理を例に説明する。
次に、光ディスク駆動装置1が、光ディスク20がBD用メディアであるか否かを判別するBD判別処理、及び当該光ディスク20がDVD用メディアであるか否かを判別するDVD判別処理を行う場合について、BD判別処理を例に説明する。
光ディスク駆動装置1のシステム制御部3は、BD用レーザダイオード6bからBD用光ビームを発射させることにより、対物レンズ7からBD用光ビームを開口数が約0.85となるよう集光させる。
またシステム制御部3は、サーボ制御部4を介してアクチュエータ8を駆動制御することにより、対物レンズ7を光ディスク20から遠ざけた状態から、当該光ディスク20に一定速度Vで近づけさせていく。さらにシステム制御部3は、フォーカスエラー信号SFE及びプルイン信号SPIの変化を監視する(以下、一連の動作をBD用光ビームによるサーチ動作と呼ぶ)。
このときシステム制御部3は、図6(A)に示すようなプルイン信号SPIと検出閾値PSとを比較して、閾値判定による検出信号Ssl(図6(B))を生成するとともに、当該プルイン信号SPIに対し上述した(1)式を用いた演算を行って、面積変化率判定による検出信号Ssl(図6(C))を生成し、さらに当該検出信号Ssl及び検出信号SslをAND演算して記録層検出信号SD(図6(D))を生成する。
これと平行してシステム制御部3は、面積変化率判定による検出信号Sslの信号レベルが最初にハイレベルに立ち上がった時点を、BD用光ビームが光ディスク20の表面に合焦したものと認識し、光ビームの焦点の移動距離すなわち対物レンズ7の移動距離を計測するための距離計測信号SMをローレベルからハイレベルに立ち上げ、図示しないカウンタによる時間の計測を開始する。
その後システム制御部3は、記録層検出信号SDがハイレベルに立ち上がった時点でカウンタによる時間の計測を終了し、このときの経過時間TPに対物レンズ7の移動速度Vを乗じることにより、カウンタによる計測中の移動距離d1、すなわち位置xcから位置xsまでの距離を算出する。
次にシステム制御部3は、移動距離d1をBDメディア20bの層厚TL=0.1[mm]と比較する。具体的にシステム制御部3は、光ディスク20の個体差や測定誤差等を考慮し、例えば移動距離d1が0.1±0.02[mm]の範囲(以下、これを許容範囲と呼ぶ)内であれば、光ディスク20がBDメディア20bであるものと判別する。
一方、ここで移動距離d1がBDメディア20bの許容範囲外であった場合、システム制御部3は、光ディスク20がBDメディア20bでは無く、DVD用メディア20d又はCDメディア20cのいずれかであるものと判別する。
このようにシステム制御部3は、BD判別処理において、BD用レーザ光によるサーチ動作を行い、フォーカスエラー信号SFE及びプルイン信号PIにおける小信号変化及び大信号変化を基に、光ディスク20の表面から記録層までの間隔を移動距離d1として計測し、当該移動距離d1をBDメディア20bの層厚TLと比較することにより、当該光ディスク20がBDメディア20bであるか否かを判別する。
ここでシステム制御部3は、このBD判別処理において検出信号Ssl及び検出信号Sslを論理積演算して生成する記録層検出信号SDに基づいて光ディスク20の表面から記録層までの移動距離d1を計測することにより、ノイズやフェイク現象による信号変化に惑わされることなく、当該光ディスク20がBDメディア20bであるか否かを判別することができる。
因みにシステム制御部3は、DVD判別処理においても、BD判別処理と同様の手法により、光ディスク20がDVDメディア20dであるか否かを判別するようにもなされている。
(2−4)CD判別処理
次に、光ディスク駆動装置1が、光ディスク20がCDメディア20cであるか否かを判別するCD判別処理について説明する。
次に、光ディスク駆動装置1が、光ディスク20がCDメディア20cであるか否かを判別するCD判別処理について説明する。
光ディスク駆動装置1のシステム制御部3は、CD用レーザダイオード6cからCD用光ビームを発射させることにより、対物レンズ7からCD用光ビームを開口数が約0.45となるよう集光させる。
ここで、光ディスク駆動装置1において、CDメディア20cに対してCD用光ビームによるサーチ動作を行う場合の、プルイン信号PIの変化とCD用光ビームの焦点の位置との関係を検証した。因みに、ここでいう焦点とは、対物レンズ7が形成する複数の焦点のうち、開口数を約0.45としたときの焦点を意味する。
この場合、サーチ動作を継続して対物レンズ7を光ディスク20へ近づけていくと、プルイン信号PIには、図6(A)と対応する図7(A)に示すように、まずCD用光ビームが光ディスク20の表面に合焦したとき、BD判別処理の場合と同様にプルイン信号PIが一時的に増加する小信号変化が生じる。
その後、サーチ動作を継続して対物レンズ7を光ディスク20へ近づけていくと、BD判別処理の場合と同様に、プルイン信号PIが一時的に増加する大信号変化が生じる。
しかしながらこの時点では、光ピックアップ7は、CD用光ビームの焦点が光ディスク20の表面に合焦してから、表面と記録層の中間点付近までしか移動されていなかった。すなわちCD用光ビームは、光ディスク20の記録層から手前の位置に合焦しており、記録層には合焦していなかった。
これは、上述したように対物レンズ7が複数の焦点を有しており、その焦点のうち、開口数が約0.45となる焦点とは異なる偽の焦点が光ディスク20の表面又は記録層等に合焦しているために、プルイン信号PIが一時的に大きく増加するフェイク現象であると推測される。
因みに、光ディスク駆動装置1では、BD判別処理及びDVD判別処理の場合には、このような偽の焦点によるフェイク現象を検出することはない。これは上述したように、対物レンズ7の光学設計において、記録密度等の観点からBD用光ビームに対する特性を最優先とし、次にDVD用光ビームに対する特性を優先し、CD用光ビームに対する特性を優先させなかったことにより、CD用光ビームの特性に「しわ寄せ」が生じたものと推定される。
このような偽の焦点によるフェイク現象のピークレベルは、記録層に対して合焦した際のピークレベルに匹敵するほど高いことがある。この場合、当該偽の焦点によるフェイク現象は閾値判定及び面積変化率判定の双方によって検出されてしまい、この結果記録層検出信号SD(図7(C)がハイレベルとなる。
そして、さらにサーチ動作を継続して対物レンズ7を光ディスク20へ近づけていくと、プルイン信号PIに大信号変化が再度生じる。このとき光ピックアップ7は、CD用光ビームの焦点が光ディスク20の表面に合焦してから約1.2[mm]移動されていた。すなわちCD用光ビームは、このとき光ディスク20の記録層に合焦していると考えられる。
このように光ディスク駆動装置1では、CD判別処理の際、プルイン信号PIにおけるディスク表面による最初の小信号変化と、信号層による大信号変化との間に、ピークレベルが高く緩やかな大信号変化を示す偽の焦点によるフェイク現象が発生する。そして、仮にBD判別処理と同様に小信号変化から大信号変化までにおける対物レンズ7の移動距離d2をカバー層の厚さと見なしてしまうと、図7に示したように、光ディスク20の表面である位置xcからフェイク現象の検出位置である位置xfまでの距離をカバー層の厚さとして誤認識することになってしまう。
このときシステム制御部3は、CDメディア20cの表面から記録層の中間点付近までの距離をカバー層の厚さと誤認識してしまうことから、光ディスク20がCDメディア20cではなく、DVDメディア20dであると判別してしまう可能性がある。
このように光ディスク駆動装置1では、システム制御部3がCDメディア20cに対してCD用光ビームを用いてサーチ動作を行う際、大信号変化を2回検出することになり、
1回目ではなく2回目の大信号変化の検出時に、CD用光ビームが光ディスク20の記録層に合焦すること、及び1回目の大信号変化の検出時には、CD用光ビームの焦点が光ディスク20の記録層から約0.6[mm]手前に位置することが判明した。
1回目ではなく2回目の大信号変化の検出時に、CD用光ビームが光ディスク20の記録層に合焦すること、及び1回目の大信号変化の検出時には、CD用光ビームの焦点が光ディスク20の記録層から約0.6[mm]手前に位置することが判明した。
そこで光ディスク駆動装置1のシステム制御部3はCD判別処理の際、1回目の大信号変化の検出時を対物レンズ7の移動距離dの測定開始点とし、2回目の大信号変化の検出時にCD用光ビームが光ディスク20の記録層に合焦しているものと認識するようにした。
すなわちシステム制御部3は、図6と対応する図8に示すように、図8(A)に示すプルイン信号SPIと検出閾値PSとを比較して、閾値判定による検出信号Ssl(図8(B))を生成するとともに、当該プルイン信号SPIに対し上述した(1)式を用いた演算を行って、面積変化率判定による検出信号Ssl(図8(C))を生成し、さらに当該検出信号Ssl及び検出信号SslをAND演算して記録層検出信号SD(図8(D))を生成する。
このときシステム制御部3は、上述したBD判別処理とは異なり、検出信号Sslの最初の立ち上がりをディスク表面に対する合焦と認識するものの、距離計測信号SMを立ち上げずローレベルのままとする。
その後システム制御部3は、1回目の大信号変化、すなわち偽の焦点によるフェイク現象に応じた記録層検出信号SDの最初の立ち上がりを検出した時に、距離計測信号SMをローレベルからハイレベルに立ち上げ、カウンタ(図示せず)による時間の計測を開始する。
さらにシステム制御部3は、記録層検出信号SDの2回目最初の立ち上がりを検出した時に、CD用光ビームが光ディスク20の記録層に合焦したと認識し、当該記録層を検出したことを表す記録層検出信号SDを一時的にローレベルからハイレベルに立ち上げる。
このときシステム制御部3は、記録層検出信号がハイレベルに立ち上がった時点でカウンタによる時間の計測を終了し、このときの経過時間TPに対物レンズ7の移動速度Vを乗じることにより、カウンタによる計測中の移動距離d3、すなわち位置xfから位置xsまでの距離を算出する。
次にシステム制御部3は、移動距離d3を、偽の焦点によるフェイク現象の検出位置xfから記録層の位置xsまでの距離、すなわちディスク表面から記録層までの距離のおよそ半分と比較する。具体的にシステム制御部3は、光ディスク20の個体差や測定誤差等を考慮し、例えば移動距離d3が0.6±0.12[mm]の範囲(すなわち許容範囲)内であれば、光ディスク20がCDメディア20cであるものと判別する。
一方、ここで移動距離d3がCDメディア20cの許容範囲外であった場合、システム制御部3は、光ディスク20がCDメディア20cでは無く、BDメディア20b又はDVD用メディア20dであり、且つ前段のBD判別処理及びDVD判別処理において正常にディスク種類を判別できなかったものと判断し、所定のエラー処理を行うようになされている。
このようにシステム制御部3は、CD判別処理において、CD用光ビームの焦点が信号層と異なる位置xfにあるときに、1回目の大信号変化(偽の焦点によるフェイク現象)を検出すると共に、CD用光ビームの焦点が信号層の位置xsにある時に2回目の大信号変化を検出することを利用し、記録層検出信号SDの最初の立ち上がりから2回目の立ち上がりまでにおける対物レンズ7の移動距離d3を基に、光ディスク20がCDメディア20cであるか否かを判定する。
(2−5)動作及び効果
以上の構成において、この光ディスク駆動装置1では、光ディスク装填時におけるBD判別処理及びDVD判別処理の際、光ディスク20に対して光ビームを照射しつつ、対物レンズ7を遠方から当該光ディスク20に一定速度Vで接近させ、プルイン信号SPIに対する閾値判定によって検出信号Sslを生成するとともに、当該プルイン信号SPIに対する面積変化率判定によって検出信号Sslを生成し、さらに当該検出信号Ssl及び検出信号Sslを論理積演算して記録層検出信号SDを生成する。
以上の構成において、この光ディスク駆動装置1では、光ディスク装填時におけるBD判別処理及びDVD判別処理の際、光ディスク20に対して光ビームを照射しつつ、対物レンズ7を遠方から当該光ディスク20に一定速度Vで接近させ、プルイン信号SPIに対する閾値判定によって検出信号Sslを生成するとともに、当該プルイン信号SPIに対する面積変化率判定によって検出信号Sslを生成し、さらに当該検出信号Ssl及び検出信号Sslを論理積演算して記録層検出信号SDを生成する。
そして光ディスク駆動装置1は、面積変化率判定による検出信号Sslの最初の立ち上がりをディスク表面に対する合焦タイミングと認識するとともに、記録層検出信号SDの立ち上がりを記録層に対する合焦タイミングと認識し、この間の経過時間TPに対物レンズ7の移動速度Vを乗じた移動距離d1と、BD又はDVDのカバー層厚とを照合することにより、装填された光ディスク20がBDであるか否か、又はDVDであるか否かを判定する。
このように、光ディスク装填時におけるディスク種類判別処理において、閾値判定と面積変化率判定とを併用して記録層検出信号SDを生成し、当該記録層検出信号SDを用いて記録層を検出することにより、閾値判定では記録層であると誤判定されるノイズに基づく信号変化や、面積変化率判定では記録層であると誤判定されるフェイク現象に基づく信号変化等の不要な信号変化を適切に排除し、記録層のみを確実に識別して、確実にディスク種類の判別を行うことができる。
これに加えて光ディスク駆動装置1は、偽の焦点によるフェイク現象によってプルイン信号SPIに大信号変化が生じてしまうCD判別処理の際は、当該偽の焦点によるフェイク現象による大信号変化が閾値判定及び面積変化率判定の双方で検出されることを利用し、当該大信号変化による記録層検出信号SDにおける最初の立ち上がりタイミングから、当該記録層検出信号SDにおける次の立ち上がりタイミングまでの経過時間TPに対物レンズ7の移動速度Vを乗じた移動距離d3を基に、光ディスク20がCDメディア20cであるか否かを判定する。
この場合でも、閾値判定と面積変化率判定とを併用して記録層検出信号SDを生成し、当該記録層検出信号SDを用いて記録層を検出することにより、閾値判定では記録層であると誤判定されるノイズに基づく信号変化や、面積変化率判定では記録層であると誤判定されるフェイク現象に基づく信号変化等の不要な信号変化を適切に排除できるとともに、定まった焦点位置で発生することが既知である偽の焦点によるフェイク現象の発生を認識し、これをディスク表面に換えて基準位置として用いることにより、当該偽の焦点によるフェイク現象の発生を避け得ないCD判別処理においても、確実にディスク種類の判別を行うことができる。
(2−6)他の実施の形態
なお、上述した第2の実施の形態においては、ディスク種類判別処理における閾値判定の判定方法として、プルイン信号SPIの信号レベルと検出閾値PSとを比較するようにしたが、本発明はこれに限らず、上述したプルイン信号SPIの信号振幅liを所定時間tだけ加算してなる信号面積Snと、適宜設定した信号面積閾値とを比較して閾値判定を行うようにしてもよい。この場合、信号面積Snは単位時間当たりのプルイン信号SPIの信号振幅liの積分値に当たることから、極端に急峻な信号変化を無視して、より安定した閾値判定を行うことができる。
なお、上述した第2の実施の形態においては、ディスク種類判別処理における閾値判定の判定方法として、プルイン信号SPIの信号レベルと検出閾値PSとを比較するようにしたが、本発明はこれに限らず、上述したプルイン信号SPIの信号振幅liを所定時間tだけ加算してなる信号面積Snと、適宜設定した信号面積閾値とを比較して閾値判定を行うようにしてもよい。この場合、信号面積Snは単位時間当たりのプルイン信号SPIの信号振幅liの積分値に当たることから、極端に急峻な信号変化を無視して、より安定した閾値判定を行うことができる。
また上述した第2の実施の形態においては、ディスク種類判別処理において面積変化率判定と閾値判定とを併用して記録層の検出を行うようにしたが、本発明はこれに限らず、面積変化率判定に代えて、例えばプルイン信号SPIの信号レベルの微分値等、プルイン信号SPIの信号変化状態に基づくこの他種々の信号変化率判定と閾値判定とを併用して記録層の検出を行うようにしてもよい。
さらに上述した第2の実施の形態においては、ディスク種類判別処理において常に一定の検出閾値PSを用いて閾値判定を行うようにしたが、本発明はこれに限らず、状況に応じて適宜検出閾値PSを変更しながら閾値判定を行うようにしてもよい。例えば、ディスク種類判別処理開始直後では検出閾値PSを低く設定すれば、閾値判定によってもディスク表面を検出でき、当該ディスク表面を検出した以降は検出閾値PSを高く設定すれば、閾値判定によるフェイク現象の誤認識を防止できる。
本発明は、複数種類の光ディスクに対応した光ディスク装置に適用できる。
1……光ディスク駆動装置、2……制御部、3……システム制御部、4……サーボ制御部、5……光ピックアップ、6……レーザダイオード、7……対物レンズ、8…2軸アクチュエータ、9……フォトディテクタ、10……信号生成部、20……光ディスク。
Claims (5)
- 情報記録用の記録層が設けられた光記録媒体に光ビームを集光すると共に、所定の駆動部により当該光ビームの光軸に沿って移動される対物レンズと、
上記光記録媒体により上記光ビームが反射されてなる反射光ビームを検出し検出信号を生成する検出部と、
上記駆動部を制御して上記対物レンズを上記光記録媒体の遠方から近接させる際、上記検出信号の信号レベルが所定の検出閾値を上回るとともに当該検出信号の信号レベルの変化率が所定の変化率閾値を上回ったときにおける上記対物レンズの焦点の位置に基づいて、上記光記録媒体の表面から上記記録層までの間隔が異なる複数種類の上記光記録媒体のうちいずれの上記光記録媒体であるかを判別する制御部と
を具えることを特徴とする光記録媒体駆動装置。 - 上記制御部は、
上記光記録媒体の種類に応じて、上記検出信号の信号レベルが所定の表面検出閾値を上回ったときにおける上記対物レンズの焦点の位置を基準位置とするか、或いは、最初に上記検出信号の信号レベルが所定の検出閾値を上回るとともに当該検出信号の信号レベルの変化率が所定の変化率閾値を上回ったときにおける上記対物レンズの焦点の位置を上記基準位置とするかを選択し、
当該選択された基準位置から、次に上記検出信号の信号レベルが所定の検出閾値を上回るとともに当該検出信号の信号レベルの変化率が所定の変化率閾値を上回ったときにおける上記対物レンズの焦点の位置までの距離に応じて、上記光記録媒体を判別する
ことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体駆動装置。 - 上記制御部は、
上記検出信号として、上記検出部により検出された上記反射光ビームの光量に応じて信号レベルが変化するプルイン信号を用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体駆動装置。 - 上記対物レンズは、
上記光ビームを2以上の焦点に集光する多焦点対物レンズである
ことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体駆動装置。 - 情報記録用の記録層が設けられた光記録媒体に光ビームを集光する対物レンズを、当該光ビームの光軸に沿って当該光記録媒体の遠方から近接させる近接ステップと、
上記光記録媒体により上記光ビームが反射されてなる反射光ビームを検出し検出信号を生成する検出ステップと、
上記検出信号の信号レベルが所定の検出閾値を上回るとともに当該検出信号の信号レベルの変化率が所定の変化率閾値を上回ったときにおける上記対物レンズの焦点の位置に基づいて、上記光記録媒体の表面から上記記録層までの間隔が異なる複数種類の上記光記録媒体のうちいずれの上記光記録媒体であるかを判別する判別ステップと
を具えることを特徴とする光記録媒体駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006303134A JP2008123569A (ja) | 2006-11-08 | 2006-11-08 | 光記録媒体駆動装置及び光記録媒体駆動方法 |
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Publications (1)
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