JP4768581B2 - 光記録媒体駆動装置、種別判定方法 - Google Patents

光記録媒体駆動装置、種別判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、光の照射により信号の記録再生が行われる光記録媒体について記録及び/又は再生を行う光記録媒体駆動装置と、光記録媒体の種別について判定を行うための種別判定方法に関する。
デジタルデータを記録・再生するための技術として、例えばCD(Compact Disc),MD(Mini-Disc),DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)などの、光ディスク記録媒体(光磁気ディスクを含む)を記録メディアに用いたデータ記録技術がある。光ディスク記録媒体(単に光ディスクとも言う)は、ピットやマークによって信号が記録される円盤にレーザ光を照射し、その反射光の変化で信号が読み取られる記録メディアの総称である。
光ディスクについて記録又は再生を行うディスクドライブ装置としては、複数の種類の光ディスクに対応可能に構成されたものがある。光ディスクの種別が異なる場合、記録や再生のためのパラメータ等の変更が必要となるため、ドライブ装置側では光ディスクが装填されるとその種別を判定するようにされている。
一般的に光ディスクでは、ディスク種別についての情報がディスクの物理情報などとしてデータにより記録されているので、そのデータを読み出すことでそれらを判定することができる。しかしながら、光ディスクからデータを読み出すにあたっては、フォーカスサーボ・トラッキングサーボをかける必要があるので、このような物理情報に基づくディスク種別の判定を行う場合には相応の時間を要する。すなわち、高速な判定動作の妨げとなってしまう。
そこで、データ読み出しを行わずしてディスク種別の判定を行う手法として、例えばBD系/DVD系/CD系の判定については、それぞれの種別で表面から記録層までの距離が異なることを利用した判定手法を採ることが考えられる。
図7は、対物レンズをフォーカス方向に駆動したときに得られる反射光信号(例えばプルイン信号PI)の変化点の検出パターンを、BDのSLの場合(図7(a))、DVDのSLの場合(図7(b))、CDの場合(図7(c))のそれぞれについて示している。
ディスク表面から記録層までの距離は、BDの場合でおよそ0.1mm、DVDの場合およそ0.6mm、CDの場合はおよそ1.2mmとされる。従って、図示するように表面の変化点の検出タイミングから記録層の変化点の検出タイミングまでの差は、BDの場合0.1mm相当、DVDの場合0.6mm相当、CDの場合1.2mm相当の時間差となる。
このことから、検出された各変化点間の時間差を求めることで、BD/DVD/CDの大まかなディスク種別を判定することができるものである。
なお、関連する従来技術については下記特許文献を挙げることができる。
特開2006−155791号公報 特開2006−4528号公報
ここで、例えば上記のようにしてBD系/DVD系/CD系のおおまかな判定を行うにあたっては、先ず始めにBD用のレーザを起動して反射光信号検出を行うようにされる。これは、BDが最新の規格であり、最新の規格ほど使用頻度が高いとの推定に基づいてのことである。すなわち、このように使用頻度が最も高い推定されるBDのレーザを起動しておけば、レーザの切り換えを行う可能性を低くすることができ、次の処理への移行をスムーズに行うことができるからである。
しかし、このようにしてBD用のレーザを用いて反射光検出を行うと、先に述べたようにBD/DVD/CDでそれぞれ記録層位置が違うことからも理解されるように、DVD・CD系の光ディスクDであった場合は、その記録層までフォーカス位置を到達させることができない虞がある。
また、BD用のレーザでは、特に記録済みのDVD−RW,DVD+RW,CD−RWについて、記録層からの充分な反射光信号を得ることができず、結果として記録層の変化点が検出されなくなってしまうという可能性もある。
すなわち、これらのことによると、上記のようにBD用のレーザから起動させて種別判定を行うことに伴っては、次の図8に示されるようにしてDVDの場合(図8(a))、CDの場合(図8(b))で共に記録層の変化点が検出されなくなってしまう可能性があることになる。
この点で、先の図7に示したような記録層位置の違いに基づくディスク種別の判定では、ディスク種別を適正に判定することができなくなってしまう。
但し、BD用のレーザを用いているということは、BDについては必ず変化点を2個検出できるべきものとなる。この点を利用すれば、対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときに得られる反射光信号の変化点が1個であったときはBD以外である、すなわちDVD・CD系と判定でき、2個以上であったらBDであるとの判定を行うことができることになる。つまり、このような手法を採ることによって、先ず始めに行われるべきBDかそれ以外かの判定(BD/DVD・CDの判定)を行うことができると考えられる。
しかしながら、上記手法による判定動作とした場合は、光ディスクD上において反射光信号の変化点検出を行った位置に塵埃などの付着物や傷があったときに、表面の変化点が検出されなくなってしまう可能性が高い。すなわちBDの場合、DVD・CD系と比較するとレーザスポット径が極小となるため、わずかな塵埃や傷であっても反射率低下への影響が増すこととなって、比較的レベルの小さな表面の変化点を検出できない可能性が高くなってしまうものである。
表面の変化点が検出できない場合、BDであっても変化点が1つとなってしまう場合がある。すなわち、その場合は図9に示すような反射光信号の変化点の検出パターンとなってしまう。
このことにより、BD/DVD/CDの大別に際し先ず始めに行われるべきBDかそれ以外かの判定を行うにあたっては、上述したような変化点の数のみに基づく判定としてしまったのでは適正な判定動作とすることができなくなってしまう。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、光記録媒体駆動装置として以下のように構成することとした。
つまり、少なくとも光記録媒体に対して接離する方向となるフォーカス方向に移動可能に保持された対物レンズを介し、上記光記録媒体に対してレーザ光を照射すると共に、上記レーザ光の照射に応じて得られる上記光記録媒体からの反射光の検出を行うヘッド手段を備える。
また、上記対物レンズを上記フォーカス方向に駆動するフォーカス手段と、上記ヘッド手段で検出された反射光に基づく反射光信号を生成する信号生成手段と、制御手段とを備える。
そして、上記制御手段は、上記フォーカス手段により上記対物レンズを駆動させ、そのときの上記反射光信号を入力しそのピークを検出して、上ピークの数が2以上であるか否かを判別し、2以上であった場合はさらに1番目のピークと2番目のピークの検出タイミングの差が少なくとも第1の種別に属する上記光記録媒体の表面−記録層間の距離相当の所定のタイミング差よりも大であるか否かを判別し、上記所定のタイミング差よりも大でない場合は上記光記録媒体が上記第1の種別であると判定し、上記所定のタイミング差よりも大である場合は上記光記録媒体が上記第1の種別以外であると判定する第1判定処理を実行すると共に、
上記ピークの数が2以上でなかった場合は上記ピークの数が1であるか否かを判別し、1であった場合はそのピークのレベルが上記光記録媒体の表面の反射率相当のレベルであるか否かを判別し、上記表面の反射率相当である場合は上記光記録媒体が上記第1の種別以外であると判定し、上記表面の反射率相当でない場合は、上記光記録媒体上の異なる位置で再度上記第1判定処理を実行して、上記光記録媒体が上記第1の種別であるか否かを判別するものである。

上記のようにして対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときの反射光信号を入力してその変化点を検出した上で、変化点の数やレベルが所定条件を満たすか否かを判別し、所定条件を満たさないとされた場合に光記録媒体上の異なる位置で再度変化点を検出して、再度所定条件を満たすか否かを判別することで、光記録媒体表面に付着物や傷があって変化点の1つが検出できない可能性がある場合にも、第1の種別であるか否かの判定を適正に行うことができる。
上記のようにして本発明によれば、反射光信号の変化点が所定条件を満たさないとされた場合に光記録媒体上の異なる位置で再度変化点を検出して再度所定条件を満たすか否かを判別するものとしたことで、光記録媒体表面に付着物や傷があって変化点の1つが検出できない可能性がある場合にも、第1の種別であるか否かの判定を適正に行うことができる。
また、上記本発明によれば、対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときの反射光信号に基づき種別判定を行うことができるので、例えば光記録媒体に物理情報として記録された種別情報を読み出して判定を行う場合よりも判定動作を高速に行うことができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
<第1の実施の形態>

図1は、実施の形態としてのディスクドライブ装置の内部構成について示すブロック図である。
このディスクドライブ装置としては、図示する光ディスクDとして、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)のそれぞれに対応可能に構成される。また、これに伴い、図中光ピックアップ1としては、波長λ=780nm、650nm、405nmのそれぞれ波長の異なるレーザ光を共通のレーザダイオード及び共通の対物レンズを用いて照射するように構成された、いわゆる3波長単眼式のピックアップが採用されている。
また、このディスクドライブ装置は、データ再生のみが可能な再生専用装置とされる。この場合、ピット・ランドの組み合わせでデータが記憶される再生専用のROMディスクとしての光ディスクDのみでなく、記録可能型として、ライトワンス型やリライタブル型の光ディスクDについての再生も可能とされる。
また、特に本実施の形態の場合、BDとしての光ディスクDについては、記録層が単層のSL(Single Layer)と、記録層が2層のDL(Dual Layer)との双方に対応可能とされる。
図1において、先ず光ディスクDは、ディスクドライブ装置に装填されると図示しないターンテーブルに積載され、記録/再生動作時においてスピンドルモータ2によって一定線速度(CLV)で回転駆動される。
そして再生時には、光ピックアップ(光学ヘッド)1によって光ディスクD上のトラックにピット或いはマークで記録された情報の読出が行われる。
なお、光ディスクDには、再生専用の管理情報として、例えばディスクの物理情報等がエンボスピット又はウォブリンググルーブによって記録されるが、これらの情報の読出も光ピックアップ1により行われる。さらに記録可能型の光ディスクDに対しては、グルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたADIP情報が記録されているが、その読み出しも光ピックアップ1によって行うことができる。
光ピックアップ1内には、レーザ光源となるレーザダイオードや、反射光を検出するためのフォトディテクタ、レーザ光の出力端となる対物レンズ、レーザ光を対物レンズを介してディスク記録面に照射し、またその反射光をフォトディテクタに導く光学系等が形成される。この場合のレーザダイオードは、波長780nm、650nm、405nmのレーザ光を択一的に出力可能に構成される。
光ピックアップ1内において、上記対物レンズは2軸機構によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。
また光ピックアップ1全体はスレッド機構3によりディスク半径方向に移動可能とされている。
また光ピックアップ1におけるレーザダイオードはレーザドライバ9からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
また、本実施の形態の場合、光ディスクDとしてはBDにも対応するので、光ピックアップ1内には球面収差を補正するための球面収差補正機構も備えられる(図示せず)。この球面収差補正機構は、後述するSA(球面収差)補正ドライバ15によって駆動され、これによって球面収差が補正される。
光ディスクDからの反射光情報はフォトディテクタによって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてマトリクス回路4に供給される。
マトリクス回路4には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データに相当するRF信号(再生データ信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEなどを生成する。
また、グルーブのウォブリングに係る信号、即ちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号PPを生成する。
さらに本実施の形態の場合、後述する層数判定動作時に用いられるプルイン(Pull in)信号PIも生成する。なお、ここで言うプルイン信号PIとは、再生データ信号のエンベロープである。
マトリクス回路4から出力される再生データ信号(RF信号)はデータ信号処理回路5へ、フォーカスエラー信号FE及びトラッキングエラー信号TEはサーボ回路11へ、プッシュプル信号PPはウォブル信号処理回路6へ、それぞれ供給される。
また、プルイン信号PIはシステムコントローラ10に対して供給される。
データ信号処理回路5は、再生データ信号の2値化処理を行う。また、PLL処理を行って再生クロックを生成する。さらには、上記2値化処理後の2値データ列から同期信号を検出する処理なども行う。
データ信号処理回路5において、上記2値化処理により得られた2値データ列は後段のデコード部7に対して供給される。また、生成された上記再生クロックは、図示は省略したが各部の動作クロックとして供給される。また検出された同期信号はデコード部7に対して供給される。
デコード部7は、上記2値データ列についての復調処理を行う。即ち、再生データの復調、デインターリーブ、ECCデコード、アドレスデコード等の各種復調処理を行う。
再生時においては、上記データ信号処理回路5で復号された2値データ列、及び同期信号に基づく復調タイミングで示されるタイミングで、上記2値データ列に対する復調処理を行い、再生データを得る。デコード部7で再生データにまでデコードされたデータは、ホストインタフェース8に転送され、システムコントローラ10の指示に基づいてホスト機器100に転送される。ホスト機器100とは、例えばコンピュータ装置やAV(Audio-Visual)システム機器などである。
また、デコードされたアドレスデータは、システムコントローラ10に対して供給される。
光ディスクDが記録可能型ディスクである場合、光ディスクDにはウォブリンググルーブによってディスクの物理情報などの管理情報やADIP情報などが記録されている。
ウォブル信号処理回路6は、システムコントローラ10からの指示に基づき、マトリクス回路4からのプッシュプル信号PPからこのように光ディスクDのウォブリンググルーブによって記録された情報を検出し、これをシステムコントローラ10に対して供給する。
サーボ回路11は、マトリクス回路4からのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEから、フォーカス、トラッキング、スレッドの各種サーボ信号を生成しサーボ動作を実行させる。
即ちフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに応じてフォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号を生成し、これらを2軸ドライバ14に供給することで、光ピックアップ1内の2軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを上記各サーボ信号に応じたドライブ信号により駆動制御する。これによって光ピックアップ1、マトリクス回路4、サーボ回路11、2軸ドライバ14、2軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
またサーボ回路11は、システムコントローラ10からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、ジャンプパルスを出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
またサーボ回路11は、トラッキングエラー信号TEの低域成分として得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ10からのアクセス実行制御などに基づき、スレッドドライバ13によりスレッド機構3を駆動させる。スレッド機構3には、図示しないが、光ピックアップ1を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッドドライブ信号に応じてスレッドモータを駆動することで、光ピックアップ1の所要のスライド移動が行なわれる。
またサーボ回路11は、SA補正ドライバ15に対する球面収差補正値の設定を行うことが可能に構成される。すなわち、サーボ回路11は、システムコントローラ10からの指示に基づく球面収差補正値をSA補正ドライバ15に対して設定することができる。SA補正ドライバ15は、設定された球面収差補正値に応じた駆動信号により光ピックアップ1内の球面収差補正機構を駆動する。
また、サーボ回路11は、フォーカスバイアスの設定も可能に構成される。すなわち、システムコントローラ10からの指示に基づくフォーカスバイアスを上述したフォーカスサーボループに対して加算することができる。
スピンドルサーボ回路12はスピンドルモータ2をCLV回転させる制御を行う。
スピンドルサーボ回路12は、データ信号処理回路5にて生成される再生クロックを現在のスピンドルモータ2の回転速度情報として得、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
なお、光ディスクDが記録可能型ディスクである場合には、ウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを現在のスピンドルモータ2の回転速度情報として得ることができるので、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成することもできる。
そしてスピンドルサーボ回路12は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルドライバ16によりスピンドルモータ2のCLV回転を実行させる。
またスピンドルサーボ回路12は、システムコントローラ10からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ2の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
以上のようなサーボ系及び再生系の各種動作はマイクロコンピュータによって形成されたシステムコントローラ10により制御される。
システムコントローラ10は、ホストインタフェース8を介して与えられるホスト機器100からのコマンドに応じて各種処理を実行する。
例えば、ホスト機器100から光ディスクDに記録されている或るデータの転送を求めるリードコマンドが供給された場合、システムコントローラ10は、まず指示されたアドレスを目標としてシーク動作制御を行う。即ちサーボ回路11に指令を出し、シークコマンドにより指定されたアドレスをターゲットとする光ピックアップ1のアクセス動作を実行させる。
その後、その指示されたデータ区間のデータをホスト機器100に転送するために必要な動作制御を行う。即ち光ディスクDから読み出される信号(再生データ信号)についてデータ信号処理回路5、デコード部7における再生処理を実行させ、要求されたデータを転送する。
なお、この図1の例では、ホスト機器100に接続されるディスクドライブ装置として説明したが、本発明の光記録媒体駆動装置としては他の機器に接続されない形態もあり得る。その場合は、操作部や表示部が設けられたり、データ入出力のインタフェース部位の構成が、図1とは異なるものとなる。つまり、ユーザ操作に応じて記録や再生が行われるとともに、各種データの入出力のための端子部が形成されればよい。
もちろん光記録媒体駆動装置の構成例としては他にも多様に考えられ、例えば記録が可能な構成とすることもできる。すなわち、本発明の光記録媒体駆動装置としては、記録再生装置、及び記録専用装置の形態もあり得る。
第1の実施の形態のディスクドライブ装置は、上記により説明した構成によって、光ディスクDの記録層の層数を判定するための動作を行う。
特に、BDについてのSLとDLの判定を行う。
ここで、先にも述べたように、一般に光ディスクDに対しては、その記録層の数を示すディスクの物理情報がデータとして書き込まれている。このため、層数の判定は、この物理情報を読み出して行うことができる。
しかしながら、光ディスクからデータを読み出すにあたっては、フォーカスサーボ・トラッキングサーボがかけられている必要がある。そのため、上記物理情報に基づく層数判定を行う場合には相応の時間を要し、判定動作の高速化の妨げとなる。
そこで、本実施の形態としては、フォーカスサーボやトラッキングサーボをかけずに、対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときに得られる反射光信号に基づき、層数を判定するという手法を採ることとしている。
このようにして、対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときに光ディスクから得られる反射光信号に基づき行う層数判定としては、例えば以下のような考えに基づき行うことができる。
図2は、対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときに光ディスクから得られる反射光信号のパターンを示している。
先ず、記録層が1つのみの単層ディスクであれば、図2(a)に示されるようにして表面での反射光、記録層での反射光のそれぞれに基づく2つの変化点(ピーク位置)が得られるべきものとなる。また、記録層を2つ有するディスクであれば、図2(b)に示されるようにして表面反射光と、2つの記録層反射光(第1記録層及び第2記録層)とのそれぞれに基づく計3つの変化点が得られるべきものとなる。
従って、層数判定としては、対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときの反射光信号について、その変化点が2点のみである場合には単層ディスクであると判定でき、また変化点が3点であったときは2層ディスクであるとの判定を行うことができる。
しかしながら、本実施の形態のように、光ピックアップ1として3波長単眼式のピックアップを用いた場合、その構成上、特にBDについての層数判定時に、本来得られるべき表面や記録層での反射光以外にノイズ光が発生してしまうということが明らかとなった。
図3は、3波長単眼式のピックアップの場合の、BDの層数判定動作時に得られる反射光信号の例を示している。なおこの図では、BDのSL(単層)にレーザ光を照射した場合の反射光信号(例えばプルイン信号、フォーカスエラー信号)の例を示している。
図示するようにして、3波長単眼式のピックアップにより単層のBDにレーザ光を照射した場合、表面及び記録層での反射光の他に、表面の反射光の前に表面反射前ノイズ光、表面の反射光の内部に表面反射内ノイズ光、記録層の反射光の後に記録層反射後ノイズ光、のそれぞれが生じる可能性がある。
このノイズ光の生じ得る位置は、これら表面反射前、表面反射内、記録層反射後の何れかとなることがわかっているが、実際にノイズ光の生じる位置は、例えばディスクごとの特性やピックアップごとの特性によりまちまちとなる。また、場合によってはノイズ光が全く生じない場合もあり得る。
さらに、このようなノイズ光は、記録層の反射光に基づいて生じるものである。図3では単層のBDの場合にノイズ光の生じうる位置を示したものであるが、2層の場合には記録層が増える分、ノイズ光の生じうる位置のパターンはさらに複雑化するものとなる。
このようにして本来あるべきでない位置にノイズ光が検出されてしまうことで、上述したような反射光信号に基づく層数判定の手法では、適正に層数の判別を行うことができなくなってしまう。
このような反射光信号に基づく層数判定を行うことができなければ、上述したようにしてサーボをかけて光ディスクDに書かれている物理情報を読み出す必要があり、その分判定動作の高速化の妨げとなってしまう。
ところで、上記図3の説明によれば、2層のBDではノイズ光の発生パターンが単層の場合よりもさらに複雑化してしまうことから、層数判定にあたり、2層BDを2層BDであるとして適正に判定することは処理負担の軽減、判定時間の短縮化を図る上で得策でないと言える。
そもそも、BDとしては、現状では単層(SL:Single Layer)と2層(DL:Dual Layer)との2種しか存在しない。そこで、本実施の形態では、ノイズ光の発生パターンが最もシンプルなSLについて、これを間違いなくSLと判定し、それ以外のものはすべてDLと判定することでSL/DLの判定を行うものとする。
図4(a)(b)(c)は、単層のBDの場合に生じ得る、ノイズ光も含めた反射光信号の変化点(ピーク位置)の発生パターンを示している。なお、この図では上記反射光信号として、対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときに得られるプルイン信号PI(またはフォーカスエラー信号FE)の波形を模式的に示している。
この図4に示されるように、単層のBDの場合に生じ得るノイズ光も含めた反射光信号の変化点の発生パターンとしては、図4(a)の[表面反射光、記録層反射光、記録層反射後ノイズ光]のそれぞれに基づく3点が得られるパターンと、図4(b)の[表面反射前ノイズ光、表面反射光、記録層反射光]のそれぞれに基づく3点が得られるパターンと、図4(c)の[表面反射前ノイズ光、表面反射光、記録層反射光、記録層反射後ノイズ光]のそれぞれに基づく4点が得られるパターンとの、計3パターンがある。
また、この図4では、単層のBDの場合に生じ得る変化点の発生パターンとして、ノイズ光が生じる場合のパターンのみについて示しているが、実際にはノイズ光が全く生じないといったケースもあり得る。すなわち、表面反射光、記録層反射光のそれぞれに基づく2つの変化点のみが得られる場合である(図2(a)参照)。
このことから、単層のBDの場合に生じ得る変化点の発生パターンとしては、このようなノイズ光の全く生じないパターンも含めて、計4パターンとなる。
なお、この図4では、先の図3に示したノイズ光のうち表面反射内ノイズ光が省略されたものとなっているが、この表面反射内ノイズ光としては、真の表面反射光に近接して発生する性質上、ディスクドライブ装置側でこれが表面反射光と分離して検出される可能性が極めて低いものとなっている。すなわち、このことから表面反射内ノイズ光については実質的にノイズ光として考慮する必要はなく、ノイズ光も含めた反射光信号の変化点の発生パターンとしては、実質的には上記の4パターンのみとすればよい。
単層のBDであることを確認するにあたっては、対物レンズをフォーカス方向に駆動したときの反射光信号にて検出される変化点の発生パターンが、これら図4に示すパターンの何れかに合致するか否かを判別するものとすればよい。
すなわち、この判別結果に基づきSLをSLとして適正に判定することができるもので、ひいてはSL/DL(単層/多層)の判定を適正に行うことができるものである。
ここで、このように変化点の発生パターンが合致するか否かを判別するための手法としては種々考えることができるが、本実施の形態では、記録層における反射光と、表面反射光及び各ノイズ光とに所要のレベル差があることを利用した手法を採るものとしている。
BDにおいて、記録層の反射率としては、規格上、レーザ光が入射する側の第1記録層について、ROとしての再生専用型で70%〜35%、RE・Rとしての記録可能型で24%〜12%と規定され、最大で70%、最小で12%となっている。これに対し、図4に示した各ノイズ光、及び表面反射光のレベルは、共に反射率で換算すると4〜5%に相当するものとなっている。
すなわち、記録層反射光に対し、各ノイズ光及び表面反射光のレベルは最高でも1/2を超えることはないものであり、従って記録層反射光に基づく変化点のレベルと比較して1/2以下のものは、ノイズ光または表面反射光に基づく変化点であるとの識別が可能となる。
以下、具体的に、本実施の形態としての層数判定動作について説明する。なお、下記動作説明において、動作主体は主にシステムコントローラ10となる。
先ず、層数判定を行うにあたっては、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボをかけない状態で、装填された光ディスクDに対するレーザ光照射を実行させると共に、対物レンズをフォーカス方向に駆動させそのときに得られるプルイン信号PIをマトリクス回路4から入力する。そして、このように得られるプルイン信号PIの変化点とそのレベルを検出し、それらの情報を保持する。これによって変化点の数と、それぞれの変化点でのプルイン信号PIのレベルの情報とを取得する。
ここで、検出された変化点の数について、その値が「2」であった場合には、表面反射光と記録層反射光のみが検出されたということになる。従って、先ずは変化点の数(nとする)が「2」であるか否かについて判別を行って、その結果n=2である場合には、装填された光ディスクDはSLであると判定する。
そして、変化点の数nが「3」以上である場合には、先の図4を参照してわかるように、n=3,4であればSLである可能性がある。これは、逆を言えば、変化点の数nが5以上である場合には、SLではない、すなわちDLであるということになる。
従って、このように変化点の数nが5以上であるか否かの判別を行って、n≧5である場合にはDLであると判定する。
また、変化点の数nが3,4である場合、変化点の発生パターンは、先の図4に示した何れかのパターンに合致している可能性がある。すなわち、本来生じるべき表面反射光と記録層反射光の他に、記録層反射後ノイズ光のみ(図4(a))、表面反射前ノイズ光のみ(図4(b))、或いはそれらの双方のみ(図4(c))が生じているケースである。
先ずは、図4(b)に示される、表面反射前ノイズ光のみが追加的に生じる場合であるか否かを検証する。先に述べたように、記録層反射光に対しては、ノイズ光と表面反射光とはそのレベルが最高でも1/2以上にはならないものとなる。そこで、1番目に検出された変化点のレベル(V1とする)と、2番目に検出された変化点のレベル(V2とする)とが、3番目に検出された変化点のレベル(V3とする)に対して共に1/2以下となっているか否かを判別し、これによって表面反射前ノイズ光が発生しているか否かを判別する。具体的には、例えばV3/V1≧2且つV3/V2≧2であるか否かを判別し、この条件が満たされれば表面反射前ノイズ光が生じていることが確定する。
ここで、このように表面反射前ノイズ光が生じるケースであるとされた場合において、変化点の数nが「3」である場合には、図4(b)のケースであると確定する。そこで、V3/V1≧2且つV3/V2≧2であるとされた場合は、さらに変化点の数nが「3」であるか否かの判別を行って、n=3であればSLと判定する。
一方、n=3でないとされた場合は、検出された変化点の数nは「4」となるので、SLである場合に残されたケースは図4(c)のケースのみとなる。そこで、この場合には、4番目に検出された変化点が、記録層反射後ノイズ光に基づくものであるか否かを判別すれば、図4(c)のケースであるか否かを確認できる。
ここで、この時点では既に、表面反射光の前に表面反射前ノイズ光が検出されるケースであることが確定しているので、1番目=表面反射前ノイズ光、2番目=表面反射光、3番目=記録層反射光であることが確定している。そこで、4番目が記録層反射後ノイズ光に基づく変化点であるとすれば、3番目に検出された変化点のレベル(V3)に対し、4番目に検出された変化点のレベル(V4)が1/2以下となっているか否かを判別すれば、4番目が記録層反射後ノイズ光であるか否かを判別することができる。すなわち、図4(c)のSLのケースであるか否かを判別できる。
具体的には、例えばV3/V4≧2であるか否かを判別する。そして、その結果V3/V4≧2であれば、SLと判定する。
また、V3/V4≧2でないとすれば、4番目は記録層の反射光に基づくものとなるので、その場合は記録層の反射光が2つ検出されたことになる。このため、V3/V4≧2でないとされた場合は、DLと判定する。
また一方で、上述したV3/V1≧2且つV3/V2≧2であるか否かを判別した結果、V3/V1≧2且つV3/V2≧2ではない、すなわち表面反射前ノイズ光が生じないケースであるとされた場合は、先ずは変化点の数nが「3」であるか否かを判別する。この判別の結果、n=3ではないとされた場合は、変化点の数nが「4」で、且つ表面反射前ノイズ光が生じないケースとなり、図4に示した何れのケースにも当てはまらない。このため、n=3でなければDLと判定する。
そして、n=3である場合には、SLである場合に残されたケースは図4(a)のケースとなる。ここで、この時点では、既に表面反射前ノイズ光が生じていないことが判別されていることから、1番目=表面反射光、2番目=記録層反射光であることが確定する。つまりは、図4(a)のケースであるか否かは、3番目が記録層反射後ノイズ光であるか、他の記録層反射光であるかが確認できればよい。
そこで、n=3である場合には、2番目の変化点のレベル(V2)に対して3番目の変化点のレベル(V3)が1/2以下となっているか否か(例えばV2/V3≧2であるか否か)を判別する。この判別の結果、V2/V3≧2であるとされた場合は、図4(a)のケースと合致するので、SLと判定する。
一方、V2/V3≧2でないとされた場合は、3番目がノイズ光でなく記録層の反射光であるということになるので、DLと判定する。
このようにして実施の形態では、実際に対物レンズをフォーカス方向に駆動したときの反射光信号の変化点の発生パターンが、図4に示したような単層のBDにおいて生じ得るノイズ光も含めた発生パターンの何れかに合致するか否かを判別するものとしたことで、SLをSLとして適正に判定することができる。ひいてはSL/DLの判定を適正に行うことができる。
そして、具体的な層数判定動作として、本実施の形態では、記録層反射光のレベルと、各ノイズ光・表面反射光のレベルとの差が所定以上となることを利用して、実際に検出した反射光信号の変化点の数と所定の変化点間のレベル差とが、単層のBDの場合の変化点の発生パターンに基づいて予め定められた上記変化点の数と上記所定の変化点間の反射光信号のレベル差についての所定条件を満たすか否かについて判別を行っている。これにより、上記のようにしてSLを間違いなくSLであると判別することができ、SL/DLの判定を適正に行うことができる。
また、このような本実施の形態としての層数判定動作としては、単に対物レンズをフォーカス方向に駆動したときに得られるプルイン信号PIなどの反射光信号に基づいて行うことができる。従って、フォーカスサーボ・トラッキングサーボをかけて光ディスクDに記録されるディスクの物理情報を読むことで層数の情報を取得する必要はなく、これにより層数判定動作を格段に高速化することができる。
また、本実施の形態の層数判定動作は、例えばプルイン信号PIやフォーカスエラー信号FEなど、信号読出(データ再生)のために設けられる通常のフォトディテクタからの反射光信号の変化点を検出した結果に基づき行うことができるので、例えば先に挙げた特許文献1に記載の発明のように、層数判定にあたって信号読出用とは別のフォトディテクタを設ける必要性はないものとすることができる。この結果、余分な追加構成及びコストアップの防止を図ることができる。
続いて、図5のフローチャートには、上記により説明した実施の形態としての層数判定動作を実現するための処理動作を示す。この図5に示す処理動作は、システムコントローラ10が、例えば内蔵するROMなどのメモリ内に格納されるプログラムに基づいて実行するものである。
先ず、ステップS101においては、プルイン信号PI(PSI)の変化点の検出処理を実行する。つまり、先ずは装填された光ディスクDに対し、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボをかけない状態で光ピックアップ1によるレーザ光照射を実行させる。またこれと共に、サーボ回路11に対する指示を行って対物レンズをフォーカス方向に駆動させ、そのときに得られるプルイン信号PIをマトリクス回路4から入力する。そして、このように得られるプルイン信号PIの変化点(ピーク位置)とそのレベルを検出し、それらの情報を保持する。
続くステップS102では、変化点の数nが「2」(n=2)であるか否かについて判別処理を行う。n=2であるとして肯定結果が得られた場合には、図示するようにしてステップS110に進みSLであるとの判定を行う。
また、ステップS102において、n=2ではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS103に進み、変化点の数nが「3」以上(n≧3)であるか否かについて判別処理を行う。
n≧3ではないとして否定結果が得られた場合、変化点の数nは「1」ということになり、矛盾が生じる。このためステップS103にて否定結果が得られた場合は、ステップS112のエラー処理として、予め定められた所定の処理を実行する。
一方、上記ステップS103において、n≧3であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS104に進み、変化点の数nが「5」以上(n≧5)であるか否かについて判別処理を行う。
ステップS104において、n≧5であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS111に進んでDLであるとの判定を行う。
また、ステップS104において、n≧5ではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS105に進み、1番目に検出された変化点のレベル(V1)と、2番目に検出された変化点のレベル(V2)とが、3番目に検出された変化点のレベル(V3)に対して共に1/2以下となっているか否かについて判別処理を行う。具体的には、V3/V1≧2且つV3/V2≧2であるか否かを判別する。
ステップS105において、V3/V1≧2且つV3/V2≧2であり、V1とV2とが共にV3に対して1/2以下となっているとして肯定結果が得られた場合は、表面反射前ノイズ光が発生していることが確定するため、ステップS106に進み、変化点の数nが「3」(n=3)であるか否かについて判別処理を行う。つまり、これによって図4(b)のケースであるか否かの判別が行われる。
ステップS106において、n=3であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS110に進んでSLであるとの判定を行う。
一方、ステップS106において、n=3ではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS107に進み、3番目に検出された変化点のレベル(V3)に対し、4番目に検出された変化点のレベル(V4)が1/2以下となっているか否かについて判別処理を行う。具体的には、V3/V4≧2であるか否かを判別する。
このステップS107に至る過程では、既に表面反射前ノイズ光が生じるケースであって且つ変化点の数nが「4」であることが確定しているので、SLである場合に残されたケースは図4(c)のケースのみとなる。このため当該ステップS107は、上記の判別処理によって、4番目に検出された変化点が記録層反射後ノイズ光に基づくものであるか否かを判別し、図4(c)のケースであるか否かを確認しようとするものである。
ステップS107において、V3/V4≧2であり、V3に対しV4が1/2以下となっている(つまり4番目に検出された変化点が記録層反射後ノイズ光に基づくものである)として肯定結果が得られた場合は、ステップS110に進みSLであるとの判定を行う。
一方、V3/V4≧2でなく、V3に対しV4が1/2以下になっていない(つまり4番目に検出された変化点が記録層反射後ノイズ光に基づくものでない)として否定結果が得られた場合は、4番目は他の記録層の反射光ということになるので、ステップS111に進みDLであるとの判定を行う。
また、先のステップS105において、V3/V1≧2且つV3/V2≧2ではないとして否定結果が得られた場合(つまり表面反射前ノイズ光が生じないケースであるとされた場合)は、ステップS108に進み、変化点の数nが「3」(n=3)であるか否かについて判別処理を行う。
ステップS108において、n=3ではないとして否定結果が得られた場合は、変化点の数nが「4」で、且つ表面反射前ノイズ光が生じないケースとなり、図4に示した何れのケースにも当てはまらない。このため、ステップS108にて否定結果が得られた場合は、ステップS111においてDLであるとの判定を行う。
一方、ステップS108において、n=3であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS109に進み、2番目の変化点のレベル(V2)に対して3番目の変化点のレベル(V3)が1/2以下となっているか否かについて判別処理を行う。具体的には、V2/V3≧2であるか否かの判別を行う。
このステップS109に至る過程では、既に表面反射前ノイズ光が生じていないことが確定していることから、1番目=表面反射光、2番目=記録層反射光であることが確定している。また、上記ステップS108の判別結果から変化点の数nは「3」であることが確定している。このとき、SLとして残されたケースは図4(a)のケースのみとなることから、当該ステップS109では、上記のようにしてV2に対しV3が1/2以下となっているか否かについて判別することで、3番目が記録層反射後ノイズ光であるか否かの確認、つまり図4(a)のケースであるか否かの確認を行っている。
上記ステップS109において、V2/V3≧2であり、V2に対してV3が1/2以下となっている(つまり3番目が記録層反射後ノイズ光である)として肯定結果が得られた場合は、ステップS110に進みSLであるとの判定を行う。
一方、V2/V3≧2ではなく、V2に対してV3が1/2以下とはなっていない(つまり3番目が他の記録層反射光である)として否定結果が得られた場合は、ステップS111に進みDLであるとの判定を行う。
ここで、これまででは、記録層反射光に対する表面反射光及び各ノイズ光とのレベル差を利用した手法として、実際に検出した反射光信号の変化点の数と所定の変化点間のレベル差とが、図4に示したような単層ディスクの場合に生じうる変化点の発生パターンに基づき設定された上記変化点の数と上記所定の変化点間のレベル差についての所定条件を満たすか否かについて判別を行う手法について説明した。
但し、このように実際に検出した反射光信号の変化点の数と所定の変化点間のレベル差とが、単層ディスクの場合に生じうる変化点の発生パターンに基づき設定された所定条件を満たすか否かについて判別を行う手法については、以下のような変形例も可能である。
先ず、この変形例の場合も、先の例と同様に、プルイン信号PIの変化点の検出を行って変化点の数n、各変化点のレベルを取得する。
その上で、先ずはこの場合も変化点の数nが「2」であるか否かを判別し、n=2であればSLと判定する。また、n=2でない場合はn≧3であるか否かについて判別し、n≧3でない場合はエラー扱いとする。
一方、n≧3である場合は、2番目の変化点のレベル(V2)に対し、3番目の変化点のレベル(V3)が1/2以下(例えばV2/V3≧2)となっているか否かを判別することで、表面反射前ノイズ光が無く且つ記録層反射後ノイズ光が有るか否かを確認する。
すなわち、図4(a)のように表面反射前ノイズ光が無く且つ記録層反射後ノイズ光が有る場合には、V2に対しV3が1/2以下となるので、これを確認しようとするものである。
この場合、表面反射前ノイズ光がなければ、1番目は必ず表面反射光となるので、上記のようにV2に対しV3が1/2以下となっていれば、2番目は記録層反射光であるということが確定する。また、このようにV3がV2の1/2以下であれば、3番目の変化点はノイズ光(記録層反射後ノイズ光)であるということも判明する。従って、上記のようにV2/V3≧2か否かを判別すれば、表面反射前ノイズ光が無く且つ記録層反射後ノイズ光が有るか否かを確認できるものである。
そして、この判別の結果、V2/V3≧2であり、表面反射前ノイズ光が無く且つ記録層反射後ノイズ光が有るとされた場合は、さらに変化点の数nが「3」であるか否かの判別を行う。n=3であれば図4(a)のケースに合致するので、SLと判定する。
一方、n=3でない場合は、図4(a)に対してさらに4番目以降が存在することになり、SLのケースに合致しない。すなわち、DLと判定する。
また、V2/V3≧2ではなく、表面反射前ノイズ光が無く且つ記録層反射後ノイズ光が有るケースではないとされた場合は、図4(b)(c)のような表面反射前ノイズ光が生じているケースであるか否かを確認する。
つまり、先の例の場合と同様に、1番目の変化点のレベル(V1)と2番目の変化点のレベル(V2)とが、共に3番目に検出された変化点のレベル(V3)に対して1/2以下となっているか否かを判別する。具体的には、例えばV3/V1≧2且つV3/V2≧2であるか否かを判別する。この条件が満たされれば、3番目が記録層反射光で、1番目・2番目が共に記録層反射光以外の他の光であることが判明する。このとき、1番目・2番目の何れかは表面反射光であることになるので、残る1つは表面反射前ノイズ光であることになる。つまり、これによって1番目=表面反射前ノイズ光、2番目=表面反射光であるということが確定することになり、結果、図4(b)(c)の何れかの可能性があるパターンであるということが判明する。
このようなV3/V1≧2且つV3/V2≧2であるか否かの判別の結果、V3/V1≧2且つV3/V2≧2ではない(つまりV1とV2とが共にV3に対して1/2以下になっていない)とされた場合は、実際に生じているパターンは、図4の何れのケースにも合致しないということが確定する。従ってDLと判定する。
一方、V3/V1≧2且つV3/V2≧2である(つまりV1とV2とがV3に対して共に1/2以下である)とされた場合は、さらに変化点の数nが「3」であるか否かについて判別する。n=3であれば、図4(b)のケースであることが確定するので、SLと判定する。
一方、n=3でない場合は、図4(c)のケースであるか否かを確認する。つまり、3番目の変化点のレベル(V3)に対し、4番目の変化点のレベル(V4)が1/2以下(V3/V4≧2)となっているか否かについて判別し、これによって4番目の変化点が記録層反射後ノイズ光であるか否かを確認する。
V3/V4≧2ではなく、V3に対しV4が1/2以下になっていないとされた場合は、4番目の変化点は他の記録層反射光によるものと判明するので、DLと判定する。
一方、V3/V4≧2であり、V3に対しV4が1/2以下になっているとされた場合は、図4(c)のケースの可能性有りと判明する。
よって、さらに変化点の数nが「4」であるか否かを判別し、n=4であれば図4(c)のケースとなるのでSLと判定する。また、n=4でなければSLの場合に生じ得る何れのケースにも合致しないことから、DLと判定する。
図6のフローチャートは、このような第1の実施の形態の変形例としての動作を実現するための処理動作を示している。この図6に示す処理動作としてもシステムコントローラ10が内部のメモリに格納されるプログラムに基づいて実行するものである。
先ず、ステップS202(PIS変化点の検出処理)、S202(n=2か否かの判別処理)、S203(n≧3か否かの判別処理)では、それぞれ先の図5に示したステップS101、S102、S103と同様の処理を実行する。そして、ステップS202にて肯定結果が得られた場合は、ステップS210にてSLと判定する。また、ステップS203にてn≧3ではないとして否定結果が得られた場合は、n=1となって矛盾するので、ステップS212に進み先のステップS112と同様のエラー処理を実行する。
また、ステップS203において、n≧3であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS204に進み、2番目に検出された変化点のレベル(V2)に対し、3番目に検出された変化点のレベル(V3)が1/2以下(V2/V3≧2)になっているか否かについて判別処理を行う。
V2/V3≧2であり、V2に対しV3が1/2以下になっているとして肯定結果が得られた場合は、ステップS205に進み、変化点の数nが「3」(n=3)であるか否かについて判別処理を行う。
ステップS205において、n=3であるとして肯定結果が得られた場合は、図4(a)のケースに合致するので、ステップS210に進みSLとの判定を行う。
一方、ステップS205においてn=3ではないとして否定結果が得られた場合は、図4(a)に対してさらに4番目以降が存在することになり、SLである場合の何れのケースにも合致しないので、ステップS211に進んでDLとの判定を行う。
また、上記ステップS204において、V2/V3≧2ではなく、V2に対しV3が1/2以下になっていないとして否定結果が得られた場合は、ステップS206に進み、1番目の変化点のレベル(V1)と2番目の変化点のレベル(V2)とが、3番目に検出された変化点のレベル(V3)に対して共に1/2以下(V3/V1≧2且つV3/V2≧2)となっているか否かについて判別処理を行う。
この条件が満たされれば、図4(b)(c)の何れかの可能性があるパターンであるということが判明する。
ステップS206において、V3/V1≧2且つV3/V2≧2ではなく、V1とV2とがV3に対して共に1/2以下になっていないとの否定結果が得られた場合は、実際に生じているパターンは、図4の何れのケースにも合致しないということが確定するので、ステップS211に進みDLであるとの判定を行う。
一方、V3/V1≧2且つV3/V2≧2であり、V1とV2とがV3に対して共に1/2以下であるとの肯定結果が得られた場合は、ステップS207に進み、変化点の数nが「3」(n=3)であるか否かについて判別処理を行う。n=3であれば、図4(b)のケースであることが確定するので、ステップS210に進んでSLであるとの判定を行う。
また、上記ステップS207において、n=3でないとして否定結果が得られた場合は、ステップS208に進み、3番目の変化点のレベル(V3)に対し、4番目の変化点のレベル(V4)が1/2以下(V3/V4≧2)となっているか否かについて判別処理を行う。
V3/V4≧2ではなく、V3に対しV4が1/2以下になっていないとの否定結果が得られた場合は、4番目の変化点は他の記録層反射光によるものと判明するので、ステップS211に進みDLとの判定を行う。
また、上記ステップS208において、V3/V4≧2であり、V3に対しV4が1/2以下であるとの肯定結果が得られた場合は、ステップS209に進み、変化点の数nが「4」(n=4)であるか否かについて判別処理を行う。すなわち、これによって図4(c)のケースであるか否かを確認するものである。
n=4であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS210に進みSLであるとの判定を行う。
一方、n=4でないとして否定結果が得られた場合は、ステップS211に進みDLであるとの判定を行う。
このようにして、実際に検出した反射光信号の変化点の数と所定の変化点間のレベル差とが、単層ディスクの場合に生じうる変化点の発生パターンに基づき設定された所定条件を満たすか否かについて判別を行う手法としては、先に例示した手法以外の他の手法を採ることもできる。
以上、第1の実施の形態について説明したが、実施の形態の層数判定としては、これまでに説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えばこれまでの説明では、反射光信号の変化点の発生パターンが単層ディスクである場合に生じ得るノイズ光を含めた発生パターンの何れかに合致するか否かを判別するための具体的手法として、実際に検出した反射光信号の変化点の数と所定の変化点間のレベル差とが、単層ディスクの場合に生じうる変化点の発生パターンに基づき設定された所定条件を満たすか否かについて判別を行う手法のみを例示したが、他の手法を採ることもできる。
例えば、図4に示したような単層ディスクの場合に生じ得る反射光信号の各パターンの波形と、実際に検出された反射光信号の波形との相関性を調べた結果に基づき、実際に検出された反射光信号の波形のパターンが何れかのパターンに合致するか否かを判別することもできる。
但し、相関計算は比較的処理量が多いことから、層数判定動作の時間短縮・処理負担軽減の面で好ましくない。これに対し、先に例示したような反射光信号の変化点の数と所定の変化点間のレベル差とが所定条件を満たすか否かについて判別を行う手法を採る場合には、必要な処理は少なくとも変化点検出、除算などの比較的簡易な演算処理や数値の大小関係の比較処理など、処理負担は相当に少なくすることができる。この点で、実施の形態で例示した手法を採る場合の方が、層数判定動作に要する時間は格段に高速化することができる。
また、先の具体例では、BDについてのSL/DLの別を判定する場合を例示したが、実施の形態としては、他の種類の光ディスク記録媒体について単層/多層の別を判定する場合に広く適用することができる。
例えば他の種類の光ディスク記録媒体の場合であっても、単層ディスクの場合のノイズ光の発生パターンが図4と同様であれば、先に例示した手法による層数判定を行うことで、同様に単層/多層の別を判定することができる。また、規格上、単層と2層との2種しか存在しないのであれば、全ての光ディスク記録媒体について単層/2層の何れであるかの判定を適正に行うことができる。
また、単層ディスクの場合のノイズ光の発生パターンが図4に示したものと異なる場合には、そのパターンと実際に得られたパターンとについて、実際に得られたパターンがそれら何れかのパターンに合致するか否かを判別した結果に基づくことで、単層/多層の別を適正に判定することができる。そしてこの場合も、規格上単層と2層との2種しか存在しない場合には、同様に単層/2層の何れかであるかの判定を適正に行うことができる。
また、先の説明では、反射光信号としてプルイン信号を用いる場合を例示したが、その他にも例えばフォーカスエラー信号を用いることもできる。反射光信号としては、光ディスク記録媒体にレーザ光を照射した際の反射光を検出した結果に基づき得られる信号であって、対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときに表面・記録層からの反射光に応じて変化点が得られる信号であれば、他の信号を用いることもできる。
また、これまでの説明では、複数の波長のレーザ光を照射する単眼式の光ピックアップが採用される場合に本発明を適用する場合を例示したが、このような複数波長単眼式の光ピックアップ以外のピックアップが採用される場合にも、本実施の形態は好適に適用することができる。
ここで、実施の形態の層数判定手法は、ノイズ光が生じない場合に適用しても、単層/多層の別を誤判定する虞はないものとなる。従って、複数波長単眼式以外の光ピックアップが採用される場合で、ノイズ光が生じない場合であっても、本実施の形態を適用して何ら問題は生じない。
むしろ、複数波長単眼式以外の光ピックアップを採用する場合でも、将来何らかの原因でノイズ光が生じる可能性もあり得る。そのような場合に本実施の形態の層数判定手法を適用すれば、先の場合と同様に、単層/多層の別の判定(規格上、単層/2層の2種のみであれば単層/2層の別の判定)を適正に行うことが可能となる。
<第2の実施の形態>

続いて、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、光ディスクDの種別の判定を、第1の実施の形態と同様に対物レンズをフォーカス方向に駆動したときの反射光信号の変化点を検出した結果に基づき行うものである。
なお、第2の実施の形態としても、ディスクドライブ装置の構成としては図1に示したものと同様となるので改めての説明は省略する。
図1に示したディスクドライブ装置では、光ディスクDとしてBD系/DVD系/CD系に対応可能に構成されているので、種別の判定については、先ずはこれらBD系/DVD系/CD系の別の判定を行い、その上で最終的にそれらの系のうちのさらに詳細な種別の判定(例えばBD系であればRO/R/REの判定、DVD系であればROM/R/RWの判定)を行うという流れになる。
このとき、上記のようなBD系/DVD系/CD系の判定については、先ずはBD系であるかそれ以外であるかの判別を行い、BD系以外であればDVDであるかそれ以外であるか(つまりCD)の判別に移行するようにされる。
このようにしてBD系から優先的に判定が行われるのは、BDが最新の規格で、最新の規格のディスクほどその使用頻度が高いという推測に基づいてのことである。
ここで、BD系/DVD系/CD系の判定については、それぞれの種別で表面から記録層までの距離が異なることを利用することが考えられる。
図7は、対物レンズをフォーカス方向に駆動したときに得られる反射光信号(例えばプルイン信号PI)の変化点の検出パターンを、BDのSLの場合(図7(a))、DVDのSLの場合(図7(b))、CDの場合(図7(c))のそれぞれについて示している。
ディスク表面から記録層までの距離は、BDの場合でおよそ0.1mm、DVDの場合およそ0.6mm、CDの場合はおよそ1.2mmとされる。従って、図示するように表面の変化点の検出タイミングから記録層の変化点の検出タイミングまでの差は、BDの場合0.1mm相当、DVDの場合0.6mm相当、CDの場合1.2mm相当の時間差となる。
このことから、検出された各変化点間の時間差を求めることで、BD/DVD/CDの大まかなディスク種別を判定することができるものである。
ところで、第2の実施の形態のディスクドライブ装置では、上述のようにしてBD系か否かの判定→DVD系か否かの判定→CD系か否かの判定の順で処理を行う都合から、先ず始めにBD用のレーザを起動してBDか否かの判定(以下、BD/DVD・CDの判定とも呼ぶ)動作を実行することになる。
しかしながら、このようにしてBD用のレーザを用いて反射光検出を行うと、先に述べたようにBD/DVD/CDでそれぞれ記録層位置が違うことからも理解されるように、DVD・CD系の光ディスクDであった場合は、その記録層までフォーカス位置を到達させることができない虞がある。
また、BD用のレーザでは、特に記録済みのDVD−RW,DVD+RW,CD−RWについて、記録層からの充分な反射光信号を得ることができず、結果として記録層の変化点が検出されなくなってしまうという可能性もある。
すなわち、これらのことによると、上記のようにBD用のレーザから起動させて種別判定を行うことに伴っては、次の図8に示されるようにしてDVDの場合(図8(a))、CDの場合(図8(b))で共に記録層の変化点が検出されなくなってしまう可能性があることになる。
この点で、先の図7に示したような記録層位置の違いに基づくディスク種別の判定では、ディスク種別を適正に判定することができなくなってしまう。
但し、BD用のレーザを用いているということは、BDについては必ず変化点を2個検出できるべきものとなる。この点を利用すれば、対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときに得られる反射光信号の変化点が1個であったときはBD以外である、すなわちDVD・CD系と判定でき、2個以上であったらBDであるとの判定を行うことができることになる。つまり、このような手法を採ることによって、先ず始めに行われるべきBD/DVD・CDのおおまかな別を判定できると考えられる。
しかしながら、上記手法による判定動作とした場合は、光ディスクD上において反射光信号の変化点検出を行った位置に塵埃などの付着物や傷があったときに、表面の変化点が検出されなくなってしまう可能性が高い。すなわちBDの場合、DVD・CD系と比較するとレーザスポット径が極小となるため、わずかな塵埃や傷であっても反射率低下への影響が増すこととなって、比較的レベルの小さな表面の変化点を検出できない可能性が高くなってしまうものである。
表面の変化点が検出できない場合、BDであっても変化点が1つとなってしまう場合がある。すなわち、その場合は図9に示すような反射光信号の変化点の検出パターンとなってしまう。
このことにより、BD/DVD/CDの大別に際し先ず始めに行われるべきBD/DVD・CD(BDかそれ以外か)の判定を行うにあたっては、上述したような変化点の数のみに基づく判定としてしまったのでは適正な判定動作とすることができなくなってしまう。
このようにしてBD/DVD・CDのおおまかな種別の判定が適正に行われず、BDであるべきものをBDではないと誤判定されてしまった場合には、次に行われるべきDVD系のレーザを用いたDVD系の種別判別に移行してしまい、その際には回復処理に多大な時間を要したり、或いは正常に起動できないなどといった事態に陥ることになる。
これに伴っては光ディスクDの装填から起動までのユーザの待ち時間が増えるので、その分ユーザに不快感を与えてしまうという問題が生じる。
そこで、第2の実施の形態としては、上記のようにしてBD系/DVD系/CD系の大別にあたり先ず始めに行われるべきとされる、BD用のレーザを用いたBD/DVD・CDのおおまかな種別判定について、以下のような手法を採るものとしている。
先ずは、この場合としてもシステムコントローラ10は、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボをかけない状態で、装填された光ディスクDに対するレーザ光照射を実行させる。上記による説明から理解されるように、この場合に照射すべきレーザ光としては、BD用のレーザ光(波長405nm)を選択する。
そして、このようにレーザ光照射を実行させた状態で、対物レンズをフォーカス方向に駆動させ、そのときに得られる反射光信号としてマトリクス回路4からのプルイン信号PIを入力する。その上で、このように得られるプルイン信号PIの変化点とそのレベルを検出し、それらの情報を保持する。これによって変化点の数nと、それぞれの変化点でのプルイン信号PIのレベルの情報とを取得する。
ここで、BDである場合の変化点の検出パターンについて整理しておく。
BD用のレーザ光を照射しているので、変化点検出を行った光ディスクD上の位置に付着物や傷がないとすると、
・BD-SLの場合・・・「表面・記録層」
・BD-DLの場合・・・「表面・第1記録層・第2記録層」
となる。すなわちBDであって付着物や傷がないとされる場合、検出される変化点の数nは必ず2以上となる。
一方、BDであっても付着物や傷がある場合、変化点の検出パターンは、
・BD-SLの場合・・・「記録層のみ」
・BD-DLの場合・・・「第1記録層・第2記録層」
となる。
また、DVD系、CD系の光ディスクDの場合、付着物や傷の有無にかかわらずBD用レーザを用いた場合の変化点の検出パターンは先の図8に示したように「表面のみ」となる。
このような各ケースでの変化点検出パターンより、BD-SLの場合であって付着物や傷がある場合と、DVD・CDの場合とで共に変化点の数nが「1」となり、その場合に誤判定が生じるものである。
このような誤判定を防止するにあたっては、検出した変化点の数nが「1」であった場合に、これがBD系であるかそれ以外であるかが判別できればよい。
そのために第2の実施の形態では、ディスク表面の反射率と記録層での反射率との差を利用する。すなわち、ディスク表面の反射率は、各種別でおよそ4〜5%であるのに対し、BDの記録層の反射率は規格上12〜70%となっているので、その差を利用する。
具体的には、変化点の数nが「1」であった場合、検出した変化点のレベルが反射率換算で4〜5%程度となっているか、すなわち検出した変化点が表面のものであるか否かの判別を行う。具体的には、変化点のレベルが所定の閾値を下回っているか否かを判別することで、検出した変化点が表面のものであるか否かを判別する。
この判別の結果、検出した変化点が表面のものであるとされた場合は、先の図8に示した何れかのケースとなるので、DVD・CD系のディスクであると判定する。
一方、検出した変化点が表面のものではないとされた場合は、変化点検出を行った位置に付着物や傷があった場合のBDである可能性があるので、これに応じ、光ディスクD上の異なる位置で、変化点検出をリトライする。具体的には、スレッド機構3によって光ピックアップ1をディスク半径方向に所定量移動させ、その位置で再度、対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときの反射光信号(ここではプルイン信号PI)の変化点検出を行う。
このようにして光ディスク上の位置を変えてリトライを行った結果、変化点の数nが2以上であった場合には、上述した前提、すなわちBDレーザを用いる場合はDVD・CD系の光ディスクDの記録層にレーザスポットを到達させることできないという前提によれば、装填された光ディスクDがBDであると判定することができることになる。
ここで、このようにBD用レーザを用いたときにはDVD・CD系の光ディスクDの記録層にレーザスポットを到達させることできないという前提は、多くの場合は成り立つということができるが、場合によっては、BD用レーザを用いた場合にもDVD・CD系の記録層にレーザスポットを到達させることが可能となる場合もないとは言えない。すなわち、DVD・CD系であっても変化点が2個検出される場合もなくはない。
この点を考慮すると、上述のようにして変化点の数nが2以上であることを以て直ちにBD系であるとの判定を行うと、DVD・CD系をBDであると誤認してしまう可能性がないとは言えないことになる。
そこで、このような可能性をも考慮に入れてより適正な判定動作の実現を図るとした場合には、変化点の数nが2以上であった場合に、さらに1番目と2番目の変化点の検出タイミング差が所定時間長以下であるか否かを判別すればよい。
BDの場合、SLのときは表面〜記録層間が0.1mmとされる。また、DLの場合、表面〜第1記録層〜第2記録層の間はそれぞれ75μm、25μm程度となっている。DLの場合、付着物などがある場合でも変化点が2個検出される(第1記録層、第2記録層)ことになるが、上記の層間距離より、これら第1記録層〜第2記録層間は0.1mm以下となる。一方で、DVDでは表面〜記録層間が0.6mm、CDは1.2mmである。
そこでこの点を利用し、変化点の数nが2以上であってBD/DVD・CDの双方の可能性があるとされる場合には、検出された1番目と2番目の変化点について、それらの間が0.1mm以下(つまりBD)か、0.6mm以上(つまりDVD・CD系)かを判別すれば、BD/DVD・CDを判定することができる。
具体的にこの場合は、検出された2以上の変化点のうち1番目と2番目の変化点の検出タイミング差が、例えば0.3mm相当以下の時間長であるか否かを判別し、0.3mm相当以下となっていればBDと判定し、それ以外ならDVD・CD系と判定する。
このようにして、検出された変化点の数nが2以上である場合には、念のため1番目と2番目に検出されたそれぞれ変化点の検出タイミング差に基づく判別を行うことで、BD用レーザを用いた場合にもDVD・CD系の記録層にレーザスポットを到達させることができてしまう場合にも、適正にBD/DVD・CDの判定を行うことができる。
一方で、上述したようなリトライを行った結果、変化点の数nが2以上ではないとされた場合は、装填された光ディスクDは表面検出漏れのBDではないという予想が立つ。そこで、この場合はDVD・CD系であることを確認する。
具体的には、変化点の数nが「1」であるか否かを判別し、「1」である場合には再度、その変化点のレベルが反射率4〜5%に相当するレベルであるか否かを判別する。この条件が満たされればDVD・CD系と判定する。
ここでもし仮に、このような反射率の条件が満たされなかった場合は、再度のリトライは行わず、エラー扱いとする。すなわち、ここに至るまでの流れでは、1度目のリトライで変化点の数nが「1」とされ、そのレベルが表面のレベルではないことが確定したことになるが、これはBD,DVD,CDの何れの場合にも合致しないパターンとなる。このため、上記のようにしてエラー扱いとするものである。
ここで、これまでは、検出された変化点の数nが「2」以上か「1」の場合についてのみ説明したが、変化点が検出されない、すなわち変化点の数nが「0」であるという場合も想定できなくはない。
このように変化点の数nが「0」であった場合は、先に説明したものと同様のリトライを行って、光ディスクD上の異なる位置で再度変化点検出を行う。そして、このリトライにより検出された変化点について、先に説明したものと同様、その数nやレベルについての条件判定を再度行う。
具体的には、先ずは変化点の数nが「2」以上であるか否かを判別し、2以上であれば1番目と2番目の変化点の間が0.3mm相当以下の間隔となっているか否かを判別し、この条件が満たされればBDと判定し、満たされなければDVD・CD系と判定する。
一方、2以上でないとされた場合は、変化点の数nが「1」であるか否かを判別し、「1」であれば先に述べたようにその変化点のレベルが反射率4〜5%に相当するレベルであるか否かを判別し、この条件が満たされればDVD・CD系と判定する。また、このように変化点の数nが「1」とされた後、反射率についての条件が満たされなかったときには、この場合も既に1度のリトライを行ったということで、再度のリトライは行わずにエラー扱いとする。
その上で、上記リトライの結果、変化点の数nが「1」でなく再度「0」であるとされた場合(つまり検出位置を変更してもなお変化点の数nが「0」であった場合)には、「No Disc」として、光ディスクDが装填されていないとの判定を行う。
このように変化点の数nが「0」であった場合にもリトライを行うようにすることで、何らかの原因でBD-SLの表面・記録層の双方が検出されなかった場合やDVD・CD系の表面(及び記録層)が検出されなかった場合を救済して、直ちに「No Disc」とされてしまうことを防止することができる。
図10は、上記による第2の実施の形態としてのBD/DVD・CDの判定動作を実現するための処理動作について示したフローチャートである。
なお、この図に示す処理動作はシステムコントローラ10が例えば内部のROM等に格納されたプログラムに基づいて実行するものである。
先ず、ステップS301では、PIS変化点検出処理を実行する。このステップS301の処理としては、先の図5のステップS101と同様の処理を行えばよい。
そして、続くステップS302では、変化点の数n≧2であるか否かを判別する。
変化点の数n≧2ではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS303に進み、変化点の数n=1であるか否かを判別する。
変化点の数n=1であれば、ステップS304に進み、変化点のレベルが4〜5%相当か否かを判別する。具体的には、変化点のレベルが所定の閾値以下であるか否かを判別する。
変化点のレベルが上記所定閾値以下であるとして肯定結果が得られた場合はステップS305に進み、DVD・CD系と判定する。
一方、変化点のレベルが上記所定閾値以下ではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS306に進み、リトライ後か否かを判別する。すなわち、次のステップS308や後述するステップS311によるリトライ処理が既に行われているか否かを判別する。
リトライ処理が既に行われているとして肯定結果が得られた場合は、ステップS307に進み、エラー処理として予め定められた所定処理を実行する。
一方、上記ステップS306においてリトライ処理が行われていないとして否定結果が得られた場合は、ステップS308においてリトライ処理を実行する。つまり、このリトライ処理としては、先ずはサーボ回路11に対して指示を行うことで、スレッド機構3により光ピックアップ1をディスク半径方向に所定量駆動させる。そしてその後、ステップS301と同様の変化点検出処理を実行することで、光ディスクD上の異なる位置において再度のPIS変化点検出が行われるようにする。
このステップS308の処理を実行した後は、図示するようにしてステップS302に戻るようにされる。これによって変化点の数nやレベルについての条件判定が再度実行されることになる。
また、上述したステップS303において、変化点の数n=1ではないとされた場合は、ステップS309に進みリトライ後であるか否かの判別を行う。つまり、この場合としても先のステップS306と同様に、ステップS308、ステップS311によるリトライ処理が既に行われているか否かを判別する。
リトライ処理が既に行われているとして肯定結果が得られた場合は、ステップS309に進んで「No Disc」と判定する。
一方、リトライ処理が行われていないとして否定結果が得られた場合は、ステップS311において先のステップS308と同様のリトライ処理を実行した後、ステップS302に戻るようにされる。
そして、ステップS302において、変化点の数n≧2ではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS312に進み、1番目の変化点〜2番目の変化点が0.3mm相当以下であるか否かの判別を行う。つまり、検出した変化点のうち1番目と2番目の変化点について、それらの検出タイミング間の時間差が所定閾値以下であるか否かを判別する。
ステップS312において、上記時間差についての所定閾値に基づく判別の結果、1番目の変化点〜2番目の変化点が0.3mm相当以下ではないとの否定結果が得られた場合は、ステップS305に進みDVD・CD系と判定する。
一方、1番目の変化点〜2番目の変化点が0.3mm相当以下であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS313に進みBDと判定する。
上記のようにして第2の実施の形態によれば、変化点の数n=1であり、付着物等による表面検出漏れのBD(BD-SL)と、DVD・CD系との双方の可能性がある場合にリトライ処理を実行し、光ディスクD上の異なる位置で再度変化点検出を行って再度変化点の数nやレベルに基づく条件判定を行うものとしたことで、光ディスクDに付着物等がある場合にも適正にBD/DVD・CDの判定を行うことができる。
また、変化点の数n≧2であることを以て直ちにBDと判定せず、1番目の変化点〜2番目の変化点の検出タイミング差が所定以下であるか否かを判別し、所定以下であればBD、それ以外ならDVD・CD系と判定するようにしたことで、例えばBD用レーザを用いた場合にもDVD・CD系の記録層にレーザスポットを到達できてしまう場合にも、適正にBD/DVD・CDの判定を行うことができる。
なお、これまでで説明した第2の実施の形態において、リトライ処理にあたっては、スレッド機構3を駆動して変化点検出位置を変更する場合を例示したが、他にも、例えばスピンドルモーター2を駆動して変更することも可能である。但し、スピンドルモーター2により駆動した場合、回転が停止するまでに或る程度の時間を要するので、スレッド機構3を駆動する場合の方が判定時間の短縮化の面では好ましいものとなる。
<第3の実施の形態>

続いて、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、BD系の光ディスクDについて、その種別に応じた最適なトラッキング方式を選択するものである。
なお、第3の実施の形態においても、ディスクドライブ装置の構成としては先の図1に示したものと同様となるので改めての説明は省略する。
先ず、第3の実施の形態を説明するにあたっての前提として、BD系の光ディスクDでは、BD-ROとしての読み出し専用型の場合と、BD-RやBD-REとしての記録可能型の場合とで、最適とされるトラッキング方式が異なるものとなっている。すなわち、BD-ROについてはDPD(Differential Phase Detection:位相差検出)方式が採用され、BD-R・BD-REについてはDPP(Differential Push-Pull:差動プッシュプル)方式が採用される。
万一、不適切なトラッキング方式を選択してしまった場合には、トラッキングサーボがかからないか、仮にサーボをかけられたとしてもデータの読み出しを行うことが不能となってしまうことになる。
このため、光ディスクDの装填後、トラッキングサーボをかける前においては、BD-ROであるか、BD-R・BD-REであるかの判定を行う必要があることになる。
このようなBD-RO/BD-R・BD-REの判定は、例えば次の図11(a)(b)に示されるようにして、各種別で記録層の反射率の差があることを利用して行うことができる。つまり、先にも述べたが、BD-RO(SL)の記録層の反射率は35〜70%程度、BD-R・BD-REの記録層の反射率は12〜24%程度となっているので、例えば図中の閾値th-Jとして、30%程度に相当する反射光信号レベルの値とすることで、それらの別を判定することができる。
しかしながら、BDの規格では、ROタイプであってもその記録層反射率がBD-R,BD-REと同等となる、いわゆる低反射率ROの存在が許可されている。例えばこのような低反射率ROとしては、「DVD/BD Hybrid」として、表面から0.1mmの位置にBD-RO層、表面から0.6mmの位置にDVD-ROM層が形成されている。また、低反射率ROとしては「CD/BD Hybrid」として表面から0.1mmの位置にBD-RO層、表面から1.2mmの位置にCD-ROM層が形成されたディスクもある。
このような低反射率ROの存在から、上記のようにして単に閾値th-Jのみに基づく種別判定を行っていたのでは、光ディスクDの種別に応じた適切なトラッキング方式を選択することができなくなってしまう。
つまり具体的には、低反射率ROディスクとしてのROMディスクであるにも関わらず、BD-R・BD-REとの判定が行われしまい、これによってトラッキング方式としてDPDではなくDPPが選択されてしまうといったものである。
上述もしたように、不適切なトラッキング方式によりトラッキングサーボをかけにいってしまった場合はデータ読み出しが不能となるので、上記のような誤判定によると「DVD/BD Hybrid」や「CD/BD Hybrid」としての規格上許されたディスクであるにもかかわらず、データ読み出しが行えなくなってしまうという問題が生じる。
そこで、第3の実施の形態では、このような「DVD/BD Hybrid」「CD/BD Hybrid」などの低反射率ROにも対応して、適切なトラッキング方式を選択できるようにすることを目的として、以下のような動作を行うものとしている。
先ず、この場合も基本的には、先の図11に示したような閾値th-Jを用いた判別手法を採用する。具体的には、この場合も先の第1,第2の実施の形態の場合と同様に反射光信号(この場合も例えばプルイン信号PI)についての変化点の検出を行った上で、検出された変化点のうち、そのレベルが閾値th-Jより大となる変化点があるか否かを判別する。
そして、閾値th-Jより大となる変化点があるとされた場合には、トラッキング方式としてDPDを選択して終了する。
一方、閾値th-Jより大となる変化点がないとされた場合は、ひとまずDPPを選択して、当該DPP方式の設定の下でトラッキングサーボON及びデータ読み出しを実行させる。
なお、確認のために述べておくと、DPP/DPDの各方式の切り換えとしては、マトリクス回路4におけるトラッキングエラー信号TEの算出にあたり、光ピックアップ1内の各ディテクタからの出力信号のうち何れの信号を用いるかの切り換えと、トラッキングエラー信号TEの算出方法との切り換えを行うことで実現できる。
そして、このようにDPP方式でトラッキングサーボON・データ読み出しを実行させると、その結果としてサーボかかりデータが読み出させたか否かを判別する。すなわち、最終的にデータが読み出せたか否かを判別する。
DPP方式によりデータが読み出せた場合は、BD-R,BD-REであると推定できるので、そのままDPPの選択状態で終了する。
一方、データが読み出せなかった場合には、低反射率ROであると推定できるので、DPD方式を選択して終了する。
このようにして、変化点検出の結果、そのレベルが閾値th-Jより大となる変化点がなくBD-R・BD-REと低反射率ROとの双方の可能性がある場合には、ひとまずDPP方式を選択してデータ読み出しを行ってBD-R・BD-REであるか否かを確認することで、低反射率ROを適正に判定することができ、これによってBD-RO,BD-R,BD-REと共に、低反射率ROにも対応してそれぞれに適切なトラッキング方式を選択・設定することができる。
ここで、上記説明では、低反射率ROが適切に判定されないことのみを問題視したが、実際においては、通常のBD-ROであっても、例えばレーザダイオードの劣化や塵埃の堆積、ディスク表面の汚損等によって記録層のPISレベルが閾値th-J以下となってしまう場合も考えられる。すなわち、この場合としても低反射率ROの場合と同様に、ROMタイプであるのにトラッキング方式として不適切なDPP方式の方が選択されてしまうという問題が生じる。
上記による第3の実施の形態の動作によれば、このようにして通常のBD-ROにおいて記録層の反射光信号レベルが閾値th-J以下となってしまう場合にも、適切なトラッキング方式を選択することができる。
図12は、上記により説明した第3の実施の形態としての動作を実現するための処理動作について示したフローチャートである。
なお、この図に示す処理動作としてもシステムコントローラ10が内蔵するROM等に格納されるプログラムに基づいて実行するものである。
先ず、ステップS401では、先の図5のステップS101と同様にPIS変化点検出処理を実行する。
そして、ステップS402では、PISレベル>閾値th-Jの変化点があるか否かについて判別を行う。PISレベル>閾値th-Jとなる変化点があるとして肯定結果があるとした場合は、BD-ROと推定できるので、ステップS405に進んでDPDを選択する。
つまり、マトリクス回路4に対しDPD方式によるトラッキングエラー信号TEの生成を行うように動作切り換え指示を行う。
なお、図1では、システムコントローラ10からマトリクス回路4への制御線が示されていないが、実際に第3の実施の形態の動作を実現するにあたっては当該制御線を設けるものとすればよい。
一方、ステップS402において、PISレベル>閾値th-Jとなる変化点がないとして否定結果が得られた場合は、ステップS403においてDPPを選択する。つまり、DPP方式によるトラッキングエラー信号TEを生成するようにマトリクス回路4に対する動作切り換え指示を行う。
続くステップS404では、サーボがかかりデータが読めるか否かについて判別するための処理を行う。
すなわち、先ずはサーボ回路11に対しトラッキングサーボをONする指示及び光ディスクD上の所定アドレスへのアクセス指示を行って、データ読み出しの実行制御を行う。そして、この結果、最終的にデータが読み出されたとみなされる所定の条件を満たすか否か(例えばエラーレートが所定以下か否かなど)を判別することで、サーボがかかりデータが読めたか否かを判別する。
ステップS404において、サーボがかかりデータが読めたとして肯定結果が得られた場合は、図示するようにしてそのまま処理を終了する。すなわち、これによってトラッキング方式としてはDPPが選択・設定された状態となる。
一方、データが読めなかったとして否定結果が得られた場合は、ステップS405に進みDPDを選択する。このステップS404→S405の処理により、低反射率ROの場合にその反射率のみに基づいてDPPが選択されてしまうといった事態の防止が図られる。
ところで、上記説明では、本来は高反射率であるべきROMタイプのディスクについてDPPが誤って選択されてしまう(つまりR・REタイプと誤認されてしまう)ことに伴う問題を解決する手法のみについて説明したが、これとは逆に、本来低反射率であるべきR・REタイプのディスクについて高反射率のROMタイプであると誤認されてしまうという可能性もある。
このような誤認は、例えば光学系の製造バラツキや温度などの周辺環境によってR・REタイプのディスクについて反射光信号レベルが高く検出されてしまうことによって引き起こされる可能性がある。
そこで第3の実施の形態としては、このようなR・REタイプがROMタイプであると誤認されてしまう可能性があることに対応させた例として、次のような変形例とすることも可能である。
具体的には、PISレベルが閾値th-Jより大となる変化点がないとされてDPDを選択した場合についても、サーボがかかりデータが読めるか否かを判別するようにする。その結果、データが読めるとされた場合には、ROMタイプであるとしてそのままDPDの設定状態で終了する。
そして、データが読めなければ、今度はDPPを選択し、その状態でデータが読めるか否かを再度判別する。この結果データが読めればR・REタイプであるとしてそのままDPPの設定状態で終了する。
このような変形例とすることで、R・REタイプのディスクについて反射光信号レベルが高く検出されてしまう可能性がある場合にも、実際にデータを読めるか否かを判別した結果に基づき適切なトラッキング方式を選択することができる。
図13のフローチャートは、上記のような第3の実施の形態の変形例としての動作を実現するための処理動作を示している。なお、この図に示す処理動作としてもシステムコントローラ10が内蔵するROM等に格納されるプログラムに基づいて実行する。
先ず、ステップS501、S502は、先の図12のステップS401、S402と同様となる。そして、ステップS502において、PISレベル>th-Jとなる変化点がないとされた場合はステップS503にてDPPを選択する処理を実行し、PISレベル>th-Jとなる変化点があるとされた場合はステップS504にてDPDを選択する処理を実行する。
この場合も、上記ステップS503にてDPPを選択した後には、ステップS505にてサーボがかかりデータが読めるか否かの判別を行い、最終的にデータが読めるとされた場合はそのままDPPの設定状態で処理を終了する。
また、データが読めないとした場合にはステップS504に進みDPDを選択する。
そして、この場合は、ステップS504にてDPDを選択した後においても、ステップS506においてサーボがかかりデータが読めるか否かについて判別を行うようにされる。このステップS506において、最終的にデータが読めたとして肯定結果が得られた場合は処理を終了し、これによってDPDでデータを読める場合には、DPDが選択・設定されることになる。
一方、データが読めないとして否定結果が得られた場合は、ステップS503に戻り、DPPを選択する処理を実行する。すなわち、これによってR・REタイプであるにも関わらずPISレベル>th-Jとなる変化点があるとしてDPDが選択されてしまった場合にも、サーボがかかりデータが読めるか否かの判別を行った結果に基づき、適切なトラッキング方式を選択することができる。
なお、上記の変形例によると、「データが読めない→他方のトラッキング方式でデータ読み出し実行→再度データが読めるか否かの判別」を繰り返し行うようにされている。
先に述べたような単なる塵埃の堆積などによる反射率の低下、光学系の製造バラツキ・周辺環境等による反射率の上昇で誤認が生じているといったときには、必ずどちらか一方のトラッキング方式に収束させることができるものとなるが、もし仮に、ドライブ装置や光ディスクD自体に不具合がある場合には、無限ループに陥ってしまう虞がある。
そこで、閾値th-Jに基づき設定したトラッキング方式でデータが読めないとされたことに応じ他方のトラッキング方式を設定して再度データ読み出し・データが読めるか否かの判別・判別結果に応じたトラッキング方式の選択を行う回数は、ごく少ない回数(例えば1回)に止めるのが望ましいものとなる。
<第4の実施の形態>

続いて、第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、基本的にはこれまでで説明してきた第1〜第3の実施の形態の各種動作を組み合わせて、BD/DVD・CDの判定→BDと判定された場合におけるBDのSL/DLの判定→BDの場合に対応したDPD/DPDの選択、を一連の動作で実行するようにしたものとなる。
なお、この第4の実施の形態についてもディスクドライブ装置の構成は図1に示したものと同様となるので改めての説明は省略する。
但し、この第4の実施の形態では、上記のようにしてこれまでの第1〜第3の実施の形態の動作を組み合わせた上で、その間に、測定した反射光信号レベルに応じて反射光信号のゲインを調整する(すなわちフォトディテクタの感度を調整する)という動作も行うようにされる。
ここで、このゲイン調整動作としては、経時変化によるレーザダイオードの劣化や、対物レンズへの塵埃の堆積等で、反射光信号レベルが低下する傾向となってしまうことの防止を図る目的で行うものとしている。
これまでで説明した各実施の形態の動作としては、それぞれ反射光信号の変化点レベルを基準としてディスク種別や記録層数の判定を行うようにされているので、反射光信号レベルの低下に応じては適切な判定動作を行うことができなくなる可能性がある。
そこで、先ずは予め工場出荷時等において表面の反射光信号レベル(例えばプルイン信号PIのレベル)を基準反射光信号レベルとして測定しておき、この基準反射光信号レベルの情報を予めシステムコントローラ10が内蔵するメモリに対して格納しておく。その上で、光ディスクDの装填ごとに表面合焦時における反射光信号レベル(1番目の変化点のレベル)を測定するものとし、この測定した表面の反射光信号レベルと上記基準反射光信号レベルとを比較し、その結果に基づき反射光信号のゲインを調整する。具体的には、測定した反射光信号レベルが上記基準反射光信号レベルと比較して所定以下となっている場合に、反射光信号のゲインを所定分増加させる動作を行うものである。
このような反射光信号のゲイン調整が行われることで、反射光信号レベルは、経時変化によるレーザダイオードの劣化や対物レンズへの塵埃の堆積等に対しても基準反射光信号レベルと一致するように制御することができ、これによって反射光信号の変化点レベルを基準としたディスク種別や記録層数の判定動作が正しく行われるようにすることができる。
なお、第4の実施の形態では、このようなゲイン調整動作について、反射光信号レベルの低下具合に応じた2段階の調整が可能となるようにしている。
つまり、具体的にこの場合は、基準反射光信号レベル(Vref)に対する測定された反射光信号レベル(つまり1番目の変化点のPISレベル=V1)の割合(V1/Vref)について、所定の2つの閾値(閾値th-R1:例えば「0.4」、閾値th-R2:例えば「0.6」)を設けておき、先ずは測定された反射光信号レベルV1/基準反射光信号レベルVrefの値が閾値th-R1以下となるか否か(つまりV1/Vref≦0.4であるか否か)を判別する。そして、V1/Vref≦0.4であると判別された場合は、反射光信号のゲインを第1の所定値分増加させる(例えば+6dB)。
そして、V1/Vref≦0.4にまで低下していないとされた場合に、さらに測定された反射光信号レベルV1/基準反射光信号レベルVrefの値が閾値th-R2以下であるか否か(V1/Vref≦0.6であるか否か)を判別し、この判別の結果V1/Vref≦0.6であるとされた場合は、反射光信号のゲインを第2の所定値分増加させる(例えば+3dB)。V1/Vref≦0.6でなかった場合は、特にゲイン調整は行わないものとしている。
このようにしてゲイン調整に複数の段数を設けることで、実際の反射光信号レベルの低下具合に応じたより細かな調整動作とすることができる。
なお、反射光信号のゲイン調整については、例えばマトリクス回路4内に設けられるフォトディテクタからの反射光信号を増幅するアンプのゲインを調整することで行うものとすればよい。この場合、ゲイン調整を行うにあたってはシステムコントローラ10からマトリクス回路4への制御線が必要となるが、図1においては当該制御線を省略している。
第4の実施の形態では、上記のようなゲイン調整動作を、「BDのSL/DLの判定」と「DPD/DPDの選択」との間に実行する。すなわち、第4の実施の形態としては、全体として(1)BD/DVD・CDの判定→(2)BDと判定された場合におけるBDのSL/DLの判定→(3)反射光信号のゲイン調整→(4)DPD/DPDの選択、による一連の動作を行うものとなる。
図14〜図17のフローチャートは、上記による第4の実施の形態としての動作を実現するための処理動作について示している。なお、これら図14〜図17に示される一連の処理動作としてもシステムコントローラ10が内蔵するROM等に格納されるプログラムに基づいて実行するものである。
また、確認のために述べておくと、これら図14〜図17に示す一連の処理動作は、光ディスクDの装填に応じて開始されるものである。
先ず、図14では、第4の実施の形態の動作として先ず始めに行われるべき、BD/DVD・CDの判定動作に対応して実行される処理動作について主に示している。
図示するようにして、この場合のBD/DVD・CDの判定動作についての処理動作としては、先の図10に示した第2の実施の形態としての処理動作と同様の処理動作を実行する。すなわち、図中のステップS601〜S613としては、図10にて説明したステップS301〜S313と同様の処理を実行する。
その上でこの場合は、ステップS613にてBDと判定した後に、次の図15に示されるステップS614に処理を進めるようにされる。
図15は、上記のようなBD/DVD・CDの判定動作によってBDと判定された後に実行されるべき、BDのSL/DLの判定動作に対応して実行される処理動作について主に示している。
このSL/DLの判定動作に対応して実行される処理動作については、先の図5に示した第1の実施の形態としての処理動作と同様の処理動作を実行する。すなわち、図中ステップS614〜S624としては、図5に示したステップS102〜S112と同様の処理動作を実行する。
この場合、ステップS622にてSLと判定した後、及びステップS623にてDLと判定した後には、次の図16に示すステップS625に処理を進めるようにされる。
図16は、反射光信号のゲイン調整動作に対応して行われるべき処理動作について主に示している。
先ず、ステップS625では、1番目の変化点のレベルV1と基準反射光信号レベルVrefの読出し処理を実行する。すなわち、先の図14のステップS601により実行したPIS変化点検出処理によって内部のメモリに保持されている1番目の変化点のレベルV1と、同じく内部のメモリ内に予め格納されている基準反射光信号レベルVrefとを読み出す。
続くステップS626では、V1/Vref≦th-R1であるか否かを判別する。つまり、この場合はV1/Vrefの値が閾値th-R1としての「0.4」以下であるか否かを判別することになる。
ステップS626において、V1/Vref≦th-R1であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS627に進みPISのゲインを第1の所定値分増加させる処理を行う。すなわち、例えばマトリクス回路4内の反射光信号についてのアンプのゲインを上記第1の所定値分として+6dBするための制御処理を行う。
また、上記ステップS626において、V1/Vref≦th-R1ではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS628に進んでV1/Vref≦th-R2であるか否かを判別する。すなわち、V1/Vrefの値が先の閾値th-R1(例えば「0.4」)よりもその値の大きな閾値th-R2(例えば「0.6」)以下であるか否かを判別する。
V1/Vref≦th-R2であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS629に進みPISのゲインを第2の所定値分増加させる処理を行う。つまり、マトリクス回路4内のアンプのゲインを上記第2の所定値分として例えば+3dBするための制御処理を行う。
図16において、上記ステップS628においてV1/Vref≦th-R2ではないとして否定結果が得られた場合、及びステップS629、ステップS627の処理を実行した後は、次の図17に示されるステップS630に処理を進めるようにされる。
図17は、DPP/DPDの選択動作に対応して行われるべき処理動作について主に示している。
この図17に示す処理動作としては、先の図13に示した処理動作とほぼ同様の処理動作を実行するものとされる。すなわち、図17におけるステップS630〜S634としては、図13におけるステップS501を除いたステップS502〜S506と同様の処理を実行する。
なお、図示は省略しているが、この場合もドライブ装置や光ディスクDの不具合による無限ループに陥らないように、一方のトラッキング方式を選択してデータが読めなかった場合に他方のトラッキング方式を選択する回数は、例えば1回などに制限するようにしておく。
以上で第4の実施の形態としての処理動作は終了となる。
ここで、上記により説明した第4の実施の形態では、図14に示したようにBD/DVD・CDの判定処理について先の第2の実施の形態と同様の処理動作を実行するものとしているが、先の第2の実施の形態では、この図14に示したようなBD/DVD・CDの判定処理について、第1の実施の形態で説明したようなBDのノイズ光については特に考慮しないものとして説明を行った。
しかしながら、このようなノイズ光が生じる場合においても、図14に示されるような第2の実施の形態において説明したものと同様の処理を行うことで、適正にBD/DVD・CDの判定を行うことができる。
先ず、ノイズ光について整理しておくと、先の図4にて説明したように、BD−SLの場合にノイズ光も含めて生じうる変化点の検出パターンとしては、
「表面反射光・記録層反射光」
「表面反射光・記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」
「表面反射前ノイズ光・表面反射光・記録層反射光」
「表面反射前ノイズ光・表面反射光・記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」
の4パターンとなる。
このとき、BD/DVD・CDの判定で問題となる塵埃・傷等による表面検出漏れでn=1となるのは、実際にはノイズ光の全く発生しない「表面反射光・記録層反射光」のパターンのときと、「表面反射前ノイズ光・表面反射光・記録層反射光」のときのみとなる。なお、後者の「表面反射前ノイズ光・表面反射光・記録層反射光」のときについては、表面が検出されないことで表面反射前ノイズ光も生じないことになるので、変化点の数nは「記録層反射光」のみのn=1となるものである。
このようにして表面検出漏れによりn=1となる場合には、図14に示される第2の実施の形態と同様の処理動作が行われることで、適正にBD/DVD・CDの判定を行うことが可能であることが理解できる。
一方で、他のパターンのとき、このような表面検出漏れによっては、
・「表面反射光・記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」のとき・・・変化点の数nは「記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」のn=2となる。
・「表面反射前ノイズ光・表面反射光・記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」のとき・・・変化点の数nは「記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」のn=2となる。
すなわち、これらのパターンのように記録層反射後ノイズ光が生じる場合には、記録層の数n=2が検出されることになる。
このようにして表面検出漏れでn=2が検出されてしまったとしても、図14に示す処理動作によれば、ステップS602→S612に進み1番目の変化点〜2番目の変化点が0.3mm相当以下となっているか否かが判別されることで、適正にBDと判定することができる。
つまり、「表面反射光・記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」のとき、及び「表面反射前ノイズ光・表面反射光・記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」のときも共に1番目の変化点〜2番目の変化点が0.3mm相当以下となるので、適正にBDであると判定することができるものである。
また、仮に、BD用のレーザではDVD・CD系の記録層まで到達できないとの前提(すなわちDVD・CD系では必ずn=1となるとの前提)に立ち、上記ステップS612のような1番目の変化点〜2番目の変化点が0.3mm相当以下であるか否かの判別を行わないとした場合にも、変化点の数n≧2であることを以てBDであると判定することで、「表面反射光・記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」「表面反射前ノイズ光・表面反射光・記録層反射光・記録層反射後ノイズ光」のパターンを適正にBDであると判定できることが理解できる。
以上のようにして、第2の実施の形態において説明したものと同様の処理を行うことで、ノイズ光が生じる場合においても適正にBD/DVD・CDの判定を行うことができる。
また、このようなノイズ光の発生を考慮すると、図16に示した反射光信号のゲイン調整処理において、1番目の変化点のレベルV1が必ず表面の反射光信号レベルとなる保証はないことになる。すなわち、表面反射前ノイズ光が生じた場合には、それが1番目に検出される変化点となるからである。
但し、表面反射前ノイズ光は、先にも述べたようにその反射光信号レベルは反射率に換算して4〜5%と、表面での反射光信号レベルとほぼ同レベルで得られることになる。従って1番目に検出される変化点のレベルV1を表面の反射光信号レベルとしてみなすものとした図16の処理によれば、表面反射前ノイズ光が発生する場合にも適正にフォトディテクタの感度調整を行うことができる。
また、第4の実施の形態では、図15のSL/DLの判定処理として、先の図5に基づく処理を実行するもとしたが、もちろん図6に基づく処理とすることもできる。
同様に、図17のDPP/DPDの切り換え処理としては図13に基づく処理動作を実行するものとしたが、図12に基づく処理動作とすることもできる。
また、第4の実施の形態では、図16に示したような反射光信号のゲイン調整処理をBD/DVD・CDの判定→BDのSL/DLの判定の次に実行するものとしたが、このようなゲイン調整処理は光ディスクDの装填後、BD/DVD・CDの判定に先立って行うようにすることもできる。
また、第4の実施の形態では、ステップS601のPIS変化点検出処理として、各図の処理に共通させたPIS変化点検出処理を実行するものとしたが、これによってPIS変化点検出処理は、各図の処理に共通の1度のみ行えばよいものとでき、ディスク種別の判定〜最終的なDPP/DPDの選択までに要する時間の短縮化を図ることができる。但し、特にこのような時間短縮を考慮しない場合等には、各図の処理ごとに独立してPIS変化点検出処理を実行するといったことも可能である。
実施の形態の光記録媒体駆動装置の内部構成について示すブロック図である。 対物レンズをフォーカス方向に駆動させたときに光記録媒体から得られる反射光信号のパターンを示した図である。 3波長単眼式のピックアップの場合での層数判定動作時に得られる反射光信号の例を模式的に示した図である。 単層ディスクの場合に生じ得る、反射光信号の変化点の発生パターンの例(ノイズ光が生じていない場合のパターンを除く)を示した図である。 第1の実施の形態としての層数判定動作を実現するための処理動作について示したフローチャートである。 第1の実施の形態の変形例としての層数判定動作を実現するための処理動作について示したフローチャートである。 対物レンズをフォーカス方向に駆動したときに得られる反射光信号の変化点の検出パターンを、BDのSLの場合、DVDのSLの場合、CDの場合のそれぞれについて示した図である。 BD用のレーザを用いた場合のDVD、CDでの記録層反射の検出漏れについて説明するための図である。 BDのSLの場合における表面反射の検出漏れについて説明するための図である。 第2の実施の形態の判定動作を実現するための処理動作について示したフローチャートである。 反射光信号についての閾値(th-J)のみに基づくBDのRO/RE,Rの判定動作について説明するための図である。 第3の実施の形態としての動作を実現するための処理動作について示したフローチャートである。 第3の実施の形態の変形例としての動作を実現するための処理動作について示したフローチャートである。 第4の実施の形態の動作として、主にBD/DVD・CDの判定動作を実現するための処理動作について示したフローチャートである。 第4の実施の形態の動作として、主にBDのSL/DLの判定動作を実現するための処理動作について示したフローチャートである。 第4の実施の形態の動作として、主に反射光信号のゲイン調整動作を実現するための処理動作について示したフローチャートである。 第4の実施の形態の動作として、主にBDについてのDPP/DPDの選択動作を実現するための処理動作について示したフローチャートである。
符号の説明
1 光ピックアップ、2 スピンドルモーター、3 スレッド機構、4 マトリクス回路、5 データ信号処理回路、6 ウォブル信号処理回路、7 デコード部、8 ホストインタフェース、9 レーザードライバ、10 システムコントローラ、11 サーボ回路、12 スピンドルサーボ回路、13 スレッドドライバ、14 2軸ドライバ、15 SA補正ドライバ、16 スピンドルドライバ、100 ホスト機器、D 光ディスク

Claims (4)

  1. 少なくとも光記録媒体に対して接離する方向となるフォーカス方向に移動可能に保持された対物レンズを介し、上記光記録媒体に対してレーザ光を照射すると共に、上記レーザ光の照射に応じて得られる上記光記録媒体からの反射光の検出を行うヘッド手段と、
    上記対物レンズを上記フォーカス方向に駆動するフォーカス手段と、
    上記ヘッド手段で検出された反射光に基づく反射光信号を生成する信号生成手段と、
    制御手段を備えると共に、
    上記制御手段は、
    上記フォーカス手段により上記対物レンズを駆動させ、そのときの上記反射光信号を入力しそのピークを検出して、上ピークの数が2以上であるか否かを判別し、2以上であった場合はさらに1番目のピークと2番目のピークの検出タイミングの差が少なくとも第1の種別に属する上記光記録媒体の表面−記録層間の距離相当の所定のタイミング差よりも大であるか否かを判別し、上記所定のタイミング差よりも大でない場合は上記光記録媒体が上記第1の種別であると判定し、上記所定のタイミング差よりも大である場合は上記光記録媒体が上記第1の種別以外であると判定する第1判定処理を実行すると共に、
    上記ピークの数が2以上でなかった場合は上記ピークの数が1であるか否かを判別し、1であった場合はそのピークのレベルが上記光記録媒体の表面の反射率相当のレベルであるか否かを判別し、上記表面の反射率相当である場合は上記光記録媒体が上記第1の種別以外であると判定し、上記表面の反射率相当でない場合は、上記光記録媒体上の異なる位置で再度上記第1判定処理を実行して、上記光記録媒体が上記第1の種別であるか否かを判別す
    記録媒体駆動装置。
  2. 上記制御手段は、
    上記ヘッド手段を上記光記録媒体の半径方向に所定分移動させる、又は上記光記録媒体を所定分回転駆動させることで、上記光記録媒体上の異なる位置で再度上記第1判定処理を実行
    求項1に記載の光記録媒体駆動装置。
  3. 上記制御手段は、
    上記変化点の数が1であるか否かを判別した結果、上記変化点の数が1でなかった場合、上記光記録媒体上の異なる位置で再度上記フォーカス手段により上記対物レンズを駆動させてそのときの上記反射光信号を入力しその変化点を検出し、再度、少なくとも上記変化点の数が2以上であるか否かを判別した結果に基づいて上記光記録媒体が上記第1の種別であるか否かを判別す
    求項1に記載の光記録媒体駆動装置。
  4. 少なくとも光記録媒体に対して接離する方向となるフォーカス方向に移動可能に保持された対物レンズを介し、上記光記録媒体に対してレーザ光を照射すると共に、上記レーザ光の照射に応じて得られる上記光記録媒体からの反射光の検出を行うヘッド手段と、上記対物レンズを上記フォーカス方向に駆動するフォーカス手段と、上記ヘッド手段で検出された反射光に基づく反射光信号を生成する信号生成手段とを備える光記録媒体駆動装置における種別判定方法であって、
    上記フォーカス手段により上記対物レンズを駆動させ、そのときの上記反射光信号を入力しそのピークを検出して、上ピークの数が2以上であるか否かを判別し、2以上であった場合はさらに1番目のピークと2番目のピークの検出タイミングの差が少なくとも第1の種別に属する上記光記録媒体の表面−記録層間の距離相当の所定のタイミング差よりも大であるか否かを判別し、上記所定のタイミング差よりも大でない場合は上記光記録媒体が上記第1の種別であると判定し、上記所定のタイミング差よりも大である場合は上記光記録媒体が上記第1の種別以外であると判定する第1判定処理を行うと共に、
    上記ピークの数が2以上でなかった場合は上記ピークの数が1であるか否かを判別し、1であった場合はそのピークのレベルが上記光記録媒体の表面の反射率相当のレベルであるか否かを判別し、上記表面の反射率相当である場合は上記光記録媒体が上記第1の種別以外であると判定し、上記表面の反射率相当でない場合は、上記光記録媒体上の異なる位置で再度上記第1判定処理を行って、上記光記録媒体が上記第1の種別であるか否かを判別す
    別判定方法。
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