JP2008122855A - 欠陥修正方法および欠陥修正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】欠陥部の近傍にダメージを与えたり、汚染することなく、微細な白欠陥部を容易に修正することが可能な欠陥修正方法を提供する。
【解決手段】この欠陥修正方法では、フィルム7に白欠陥部2aに応じた形状の孔7aを形成し、孔7aの開口部を白欠陥部2aに隙間を開けて対峙させ、塗布針17を用いて孔2aを含む所定の範囲でフィルム7をカラーフィルタ基板1に押圧するとともに孔2aを介して白欠陥部2aに修正インク16を塗布する。したがって、修正インク16を塗布するときのみフィルム7をカラーフィルタ基板1に接触させるので、毛細管現象によって修正インク16がフィルム7とカラーフィルタ基板1の隙間に侵入することを防止できる。
【選択図】図2

Description

この発明は欠陥修正方法および欠陥修正装置に関し、特に、液晶ディスプレイに用いられるカラーフィルタ基板の白欠陥部を修正する欠陥修正方法および欠陥修正装置に関する。
近年、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの大型化、高精細化に伴い、ガラス基板上に形成された電極や液晶カラーフィルタなどに欠陥が存在する確率が高くなっており、歩留まりの向上を図るため欠陥を修正する方法が提案されている。
たとえば、液晶パネルをカラー化するために用いられるカラーフィルタは、画面の大型化、高精細化に伴って画素数が増大している。そのため、欠陥の無いカラーフィルタを製造することが困難となり、白抜け欠陥や黒欠陥、異物欠陥、突起欠陥、混色欠陥などが発生する。白抜け欠陥に対しては修正インクを滴下して修正する方法が採用され、黒欠陥、異物欠陥に対してはレーザ光を照射することによって欠陥部を含む範囲を除去した後、修正インクを塗布する方法が採用されている。また、突起欠陥に関しては、レーザ光で除去する代わりに研磨などで突起部を平らにする方法が取られている。白抜け欠陥部に修正インクを塗布する方法としては、針先端にインクを付着させて塗布する針方式がある。また、他には、微小なインク滴を高速に噴出するインクジェット方式、インク液を一定量ずつ吐出するディスペンサ方式などがある。
下記の特許文献1には、比較的簡単な構成でカラーフィルタの白欠陥および黒欠陥を自動的に修正することのできる欠陥修正方法および欠陥修正装置が開示されている。これによると、画像処理機構によってカラーフィルタの欠陥部分を認識し、認識されたカラーフィルタの欠陥部分に、インク塗布機構のインク塗布用針で、針方式によってインクを塗布する。
また、欠陥部を覆うようにフィルムを設け、欠陥部とフィルムとをレーザ光を用いて略同時に除去し、除去した部分にフィルムをマスクとしてインクを塗布し、その後、フィルムを剥離除去する方法がある(たとえば、特許文献2,3参照)。
特開平9−61296号公報 特開平11−125895号公報 特開2005−95971号公報
しかし、針方式では、塗布径は使用する塗布針先端の平坦面の径で決定され、20〜30μmが最小限度である。したがって、幅20μm以下のブラックマトリックス部に生じた白欠陥に塗布した場合、その幅以上に塗布されるため、はみ出した部分をレーザ照射で除去する必要があり、修正が容易でなかった。
また、フィルムをマスクとして使用する方法では、フィルムと欠陥部をレーザ光で略同時に除去するので、大きなレーザパワーが必要となり、欠陥部の周辺にダメージを与えてしまう。あるいは、欠陥部に付着(密着)したフィルムにレーザアブレーションにより孔を形成するため、そのときに発生する異物(ごみ)がフィルムと基板の隙間に侵入し、欠陥部近傍を汚染することも想定される。
さらに、フィルムが基板に付着あるいは密着した状態で、修正インクを孔に塗布すると、フィルムと基板との隙間に毛細管現象で修正インクが吸い込まれて広がり、基板を汚染することも考えられる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、欠陥部の近傍にダメージを与えたり、汚染することなく、微細な白欠陥部を容易に修正することが可能な欠陥修正方法および欠陥修正装置を提供することである。
この発明に係る欠陥修正方法は、カラーフィルタ基板の白欠陥部を修正する欠陥修正方法において、フィルムに白欠陥部に応じた形状の孔を形成し、孔の開口部を白欠陥部に隙間を開けて対峙させ、孔を含む所定の範囲でフィルムをカラーフィルタ基板に押圧するとともに孔を介して白欠陥部に修正インクを塗布することを特徴とする。
好ましくは、塗布針の先端面に修正インクを付着させ、塗布針の先端面を所定の範囲に押圧して孔を介して白欠陥部に修正インクを塗布し、フィルムがカラーフィルタ基板に接触したことに応じて塗布針を上方に退避させ、フィルムの復元力でフィルムをカラーフィルタ基板から剥離させる。
また好ましくは、フィルムのカラーフィルタ基板側の表面に、孔を囲むようにして、修正インクが毛細管現象によってフィルムとカラーフィルタ基板との隙間に広がるのを防止するための溝を形成する。
また好ましくは、フィルムは、第1の孔が開けられた下方フィルムの上に、第2の孔が開けられた上方フィルムを重ねたものであり、第1の孔の少なくとも一部は第2の孔に連通しており、修正インクを第1および第2の孔を介して白欠陥部に塗布する。
また好ましくは、修正インクを第1および第2の孔を介して白欠陥部に塗布する際に、上方フィルムと下方フィルムの隙間に修正インクを毛細管現象によって吸い込ませる。
また、この発明に係る欠陥修正装置は、カラーフィルタ基板の白欠陥部を修正する欠陥修正装置において、フィルムに白欠陥部に応じた形状の孔を形成する孔形成手段と、孔の開口部を白欠陥部に隙間を開けて対峙させる位置決め手段と、孔を含む所定の範囲でフィルムをカラーフィルタ基板に押圧するとともに孔を介して白欠陥部に修正インクを塗布する塗布手段とを備えたことを特徴とする。
この発明に係る欠陥修正方法および欠陥修正装置では、フィルムに白欠陥部に応じた形状の孔を形成し、孔の開口部を白欠陥部に隙間を開けて対峙させ、孔を含む所定の範囲でフィルムをカラーフィルタ基板に押圧するとともに孔を介して白欠陥部に修正インクを塗布する。したがって、孔を開けたフィルムをマスクとして用いるので、必要な線幅からはみ出すことなく微細な部分に修正インクを塗布することができ、20μm以下の幅の微細な白欠陥部を容易に修正することができる。また、フィルムに孔を開けた後に、孔の開口部を白欠陥部に対峙させるので、レーザ光によって白欠陥部の近傍にダメージを与えることもない。また、修正インクを白欠陥部に塗布するときのみフィルムをカラーフィルタ基板に接触させるので、毛細管現象によって修正インクがフィルムとカラーフィルタ基板の隙間に侵入することを防止することができ、修正インクによって欠陥部周辺の基板が汚染されるのを防止することができる。
この発明に係る欠陥修正方法では、カラーフィルタ基板の白欠陥部と略同じ形状の孔をフィルムに開け、その孔を白欠陥部に位置合わせし、フィルムをカラーフィルタ基板に一定の隙間を開けて対峙させる。隙間は、フィルムを支持する支点間距離やフィルムの膜厚、フィルムに与える張力によって異なるが、たとえば10〜1000μm程度とする。
この状態で、塗布手段、たとえば、先端が平坦に加工され、その周りに修正インクを付着させた塗布針を孔の上から押し付けると、フィルムが変形して、孔を含む微小範囲のフィルムがカラーフィルタ基板の白欠陥部を含む微小範囲に接触する。接触時間は、フィルムに開けた孔を塗布針が押している間であり、修正インクがフィルムとカラーフィルタ基板との隙間に毛細管現象で流れる前に、塗布手段(この場合は塗布針)をフィルムから退避させる。塗布針を上方に退避させると、孔を含む微小範囲のフィルムはその弾性力でカラーフィルタ基板から離れる。したがって、毛細管現象によって修正インクがフィルムとカラーフィルタ基板の隙間に侵入することを防止することができ、修正インクによって欠陥部周辺の基板が汚染されるのを防止することができる。以下、この発明に係る欠陥修正方法について図面を用いて詳細に説明する。
図1(a)は修正対象であって、液晶パネルに使用されるカラーフィルタ基板1の構成を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のIB−IB線断面図である。図1(a)(b)において、カラーフィルタ基板1は、ガラス基板2と、その表面に格子状に形成されたブラックマトリックス3と、ブラックマトリックス3で囲まれる領域に形成された複数組のR(赤色)画素4、G(緑色)画素5およびB(青色)画素6とを備える。ブラックマトリックス3には、その一部の色が抜けた白欠陥部3aが発生しているものとする。
図2は、この発明の一実施の形態による欠陥修正方法を示す図である。図2において、修正対象は白欠陥部3aが発生したカラーフィルタ基板1であり、白欠陥部3aと同じ形状の孔7aの開いたフィルム7をマスクとして使用する。白欠陥部3aの上方に孔7aを位置合わせした状態で、フィルム7をカラーフィルタ基板1の上面に一定の隙間Gを開けて配置する。フィルム7は、たとえば薄膜のポリイミドフィルムであり、その幅はマスクとして使用するのに十分な幅があればよく、たとえば、5mm〜15mm程度にスリットしたロール状フィルムであり、その厚さFtは、その下が透けて見える程度のものが好ましく、たとえば10〜25μm程度である。
孔7aの開口部は、たとえば短軸長がSwで長軸長がSlの角形状である。孔7aは、レーザ照射によるレーザアブレーションで形成される。レーザとしては、YAG第3高調波レーザやYAG第4高調波レーザ、あるいはエキシマレーザなどのパルスレーザを用いる。たとえば、図3に示すように、レーザ部10は、観察光学系11の上部に固定され、観察光学系11の下端に固定した対物レンズ12からレーザ光が照射される。孔7aの形状および寸法は、たとえばレーザ部10に内蔵される可変スリット(図示せず)により決定され、孔7aは対物レンズ12で集光したレーザ光の断面形状に形成される。
フィルム7に孔7aを開ける工程は、白欠陥部3aの位置から離れた位置、あるいは、白欠陥部3aにレーザ光が当たらないように、フィルム7単体で加工が行なわれる。たとえば、フィルム7は、カラーフィルタ基板1から上方に離れた位置で、左右の固定ローラ13,14により水平に支持された状態に保持され、左右の固定ローラ13,14の中央に当たるフィルム7にレーザ光を照射して孔7aを形成する。このとき、レーザアブレーションにより発生するごみがカラーフィルタ基板1上に落下しないように、カラーフィルタ基板1とフィルム7との間に遮蔽板15を配置してもよい。
このように、白欠陥部3aにフィルム7を付着、あるいは密着させた状態でレーザ照射による孔7aの加工を行なわないので、ブラックマトリックス2や白欠陥2aの近傍を損傷することはない。また、フィルム7を浮かした状態で孔7aを開けるので、フィルム7の裏面にレーザアブレーション時に発生する異物(ゴミ)が付着することを抑制することができる。
孔7aの形成が終了した時点では、孔7a周りのフィルム7の表面には、孔7a部をレーザアブレーションした際に発生したごみが飛散しており、ごみの除去のため、孔7aを中心として、その周りの広い範囲に弱いパワーのレーザ光を照射する工程を入れてもよい。このとき、YAG第2高調波レーザに切り替えて、孔7aを中心とする広い範囲に弱いパワーのレーザ光を照射すれば、ごみのみを除去することも可能であり、新たにごみが発生することを防止することができる。図3に示した装置構成では、フィルム7の裏面に付着したごみをレーザ光で除去できないが、フィルム反転機構を設ければ同様にフィルム7の裏面も処理することも可能となる。
フィルム7に開けた孔7aと白欠陥部3aとが画像処理結果、あるいは、それぞれの位置座標データに基づき、カラーフィルタ基板1とフィルム7との相対移動により位置決めされ、それらが一定の隙間を持って対峙した状態にする。この工程は手動で行なっても構わない。図4は、孔7aと白欠陥部3aとが隙間Gを持って対峙した状態を示している。フィルム7は一定の張力によって張られた状態にある。隙間Gは、フィルム7を支持する支点(たとえば図3に示した固定ローラ13,14)の間隔やフィルム7の厚さ、フィルム7に与える張力によって異なるが、たとえば10〜1000μm程度に設定される。少なくとも孔7aを含む微小範囲のフィルム7が、カラーフィルタ基板1とは接触しない程度の隙間Gがあればよい。たとえば、隙間Gは200μm程度に設定される。
修正インク16の塗布は、たとえば、図5に示すように、塗布針17を用いて行なわれる。塗布針17の先端は尖っているが、その先端は平坦に加工されている。平坦面17aの直径は、たとえば、30〜100μm程度であり、孔7aの大きさに合わせて最適な直径のものを選択して使用する。孔7a全体を閉蓋するような平坦面17aを有する塗布針17を選択して使用するのが好ましい。このような塗布針17であれば、1回の塗布動作で孔7aを修正インク16で充填することができる。
塗布針17の平坦面17aの周りに修正インク16が付着した状態で、孔7aの略中央に塗布針17を上方から下降させると、フィルム7は変形して孔7aの周りの微小範囲のフィルム7が白欠陥部3aの周囲に付着し、白欠陥部3aに修正インク16が充填される。塗布針17は、図示しないガイド(直動軸受)によって上下方向に進退可能に保持されている。塗布針17を含む可動部の自重のみでフィルム7を押す。塗布針17が下降してフィルム7が白欠陥部3aに接触した後もさらに下降させようとしても、塗布針17はガイドに沿って上方に退避するので、塗布針17の平坦面17aは過負荷とならない。塗布針17は、図示しない制御手段によって時間管理されて制御される。
孔7aを含む微小範囲のフィルム7が白欠陥部3aに接触する時間は、塗布針17がフィルム7を押している間であり、修正インク16がフィルム7とカラーフィルタ基板1(白欠陥部3a近傍)との隙間に毛細管現象で流れる前に、塗布針17を上方に退避させる。塗布針17がフィルム7から離れれば、フィルム7の弾性で元の状態に戻り、孔7aを含む微小範囲のフィルム7は白欠陥部3aから離れる。そのため、フィルム7がカラーフィルタ基板1に接触する時間は極わずかである。
図6は、塗布針17を上方に退避した状態を示し、フィルム7はカラーフィルタ基板1から離れた状態に復帰しており、白欠陥部3aには、孔7aの形状と略同形状の修正層16Aが残る。また、余分に塗布された修正インク16はフィルム7の表面に残る。このように、フィルム7をマスクとして修正を行なうので、塗布針17による塗布形状よりも微細な修正層16A(パターン)を得ることが可能となる。
高精細なカラーフィルタ基板1の場合、ブラックマトリックス3の幅は20μm以下となり、塗布針方式ではみ出すことなく修正するのは難しかった。それに対して、フィルム7をマスクとしてカラーフィルタ基板1に一定の隙間を持って対峙させ、孔7aを含む微小範囲のフィルム7を塗布針17で押圧して塗布すれば、はみ出すことも無く、幅20μm以下のパターンであっても容易に描画することが可能となる。
修正層16Aには、修正インク16の仕様に合わせて紫外線硬化処理あるいは加熱硬化処理が施される。図6の状態で硬化処理を行なってもよいし、白欠陥部3aの上方からフィルム7を除去した後で硬化処理を行なってもよい。
このような方法で白欠陥部3aの修正を行なえば、塗布された修正インク16がカラーフィルタ基板1とフィルム7との隙間に毛細管現象で吸い込まれることも無く、孔7aよりも広い範囲に渡ってカラーフィルタ基板1を汚染する心配もなくなる。また、塗布が終了した時点で、フィルム7は白欠陥部3aやカラーフィルタ基板1から完全に離れているため、その後の工程でフィルム7を除去する際には、フィルム7が修正層16Aに接触して修正層16Aを崩す心配がない。
修正インク16の粘度が大きければ、カラーフィルタ基板1とフィルム7との隙間に毛細管現象で吸い込まれる可能性は低くなるが、逆に流動性が悪くなって、孔7a全体に入らないため、白欠陥部3aに修正インク16が付着しないことも想定される。それに対して、前述のように、塗布時のみ孔7a近傍のフィルム7を白欠陥部3aに押圧すれば、毛細管現象の影響を最小限に留めることができるので、修正インク16の粘度は小さくても構わない。
1つの白欠陥部3aを修正する際、1回の塗布で修正を完了する方が好ましい。その理由は、塗布回数が多くなると、孔7aに付着する修正インク16の量が多くなって、フィルム7とカラーフィルタ基板1との隙間に修正インク16が吸い込まれる、あるいは修正層16Aの形状が崩れる可能性も考えられるからである。ただし、複数回同じ位置に塗布することで修正層16Aの膜厚を厚くして色合いを調整することも可能である。この場合、修正層16Aを硬化処理した後でその上に再度修正層16Aを形成するのが好ましいが、積層する加工条件は、使用する修正インク16の仕様に合わせて決めることが望ましい。
図7は、白欠陥部3aの修正が完了した時点のカラーフィルタ基板1を上面から見た例を示す。白欠陥部3a上に形成された修正層16Aは、正常なブラックマトリックス2の幅と略同じ幅を有する。
ブラックマトリックス2上に異物があったり、混色している場合には、通常はレーザ照射で異物や混色部を除去して、一旦白欠陥に変換してから修正する。フィルム7をマスクとして修正するので、角型に限定されず、たとえば、L型や十字形状であっても、孔7aの形成が可能である限り、任意の形状の欠陥を修正することができる。そのため、ブラックマトリックス2の交差部などに生じた白欠陥であっても容易に修復することができる。
図8は、カラーフィルタ基板1の白欠陥部2aの上方にフィルム7の孔7aを位置決めした状態を示す平面図である。図8に示すように、孔7a全体を閉蓋可能な大きさの平坦面17aを持つ塗布針17を用いるのが好ましい。仮に孔7aが平坦面17aからはみ出す場合には、平坦面17aで押圧できない部分が生じ、その部分の修正パターンは膨らむ可能性が高い。また、孔7aの形状がL型や十字であっても、孔7a全体を平坦面17aで閉蓋するようにした方が好ましい。
図9(a)(b)は、フィルム7をカラーフィルタ基板1に対して一定の隙間を持って対峙させるフィルム供給ユニット20の構成を示す断面図である。図9(a)(b)において、図示しないフィルム供給リールから出たフィルム7は、固定ローラ21,22によって対物レンズ12とカラーフィルタ基板1との間に導かれ、固定ローラ22で反転され、さらに固定ローラ23を経由して図示しないフィルム巻き取りリールに巻き取られる。フィルム7は、左右に配置された固定ローラ22,23と、それらの間の上方に配置された固定ローラ21とにより、上下に並行に張り渡される。図9(a)に示すように、固定ローラ21,22の間のフィルム7Bにレーザ光を照射して孔7aを形成する。このとき、レーザアブレーションにより発生するごみがカラーフィルタ基板1上に落下しないように、上下に並行に張り渡されたフィルム7の間に遮蔽板15を配置してもよい。
フィルム供給ユニット20は、図示しないXYZステージにより、XYZ方向に移動可能とされる。XYZステージは、白欠陥部3aと孔7aとの位置調整に使用される。また、フィルム供給ユニット20にカラーフィルタ基板1に対して平行に回転する回転手段を持たせてもよい。
なお、図9(a)では、フィルム7が左右に折り返されていて、上方にあるフィルム7に孔7aを開ける際には、少し距離を置いてその下方にもフィルム7が存在するので、下方にあるフィルム7を遮蔽板15として使用できる場合には、遮蔽板15は省略可能である。
孔7aの形成が終了した時点では、フィルム7Bの表面には、レーザアブレーションの際に発生したごみが飛散している。ごみの除去のため、孔7aを中心として、その周りの広い範囲に弱いパワーのレーザ光を照射する工程を入れてもよい。このとき、YAG第2高調波レーザに切り替えて、孔7aを中心とする広い範囲に弱いパワーのレーザ光を照射すれば、ごみのみを除去することも可能であり、新たにごみが発生することを防止することができる。レーザ部10としては、孔7aを開けるためのレーザ光と、ごみを除去するためのレーザ光の2種類のレーザ光のうちのいずれかのレーザ光を選択的に出射できるものを使用するとよい。
このように、白欠陥部3aにフィルム7を付着、あるいは密着させた状態でレーザ光による孔7aの加工を行なわないので、カラーフィルタ基板1の白欠陥部3a近傍をレーザ光によって損傷することはない。また、フィルム7を浮かした状態で孔7aを開けるので、フィルム7の裏面にゴミが付着することを抑制することができる。
次に、図9(b)に示すように、フィルム7を図中R方向(時計針回転方向)に巻き取り、フィルム7Bの表面が下を向くようにフィルム7Bを反転させる。次いで、画像処理結果に基づいてカラーフィルタ基板1に対してフィルム7を相対移動させ、孔7aと白欠陥部3aを位置合わせしてカラーフィルタ基板1とフィルム7が対峙した状態にする。この工程は手動で行なっても構わない。フィルム7は一定の張力によって張られた状態にある。隙間Gは、フィルム7を支持する支点(たとえば固定ローラ22,23)の間隔やフィルム7の厚さ、フィルム7に与える張力によって異なるが、たとえば10〜1000μm程度に設定される。その後、上下に張り渡したフィルム7の間に図示しない塗布ユニットを挿入して孔7aの上方から修正インク16を塗布する。
図10(a)〜(d)は、フィルム7をカラーフィルタ基板1上に配置する他のフィルム供給ユニット25の構成を示す断面図である。フィルム供給ユニット25には、着脱可能なフィルム供給リールおよびフィルム巻き取りリール(図示せず)が装着される。フィルム供給リールから供給されるフィルム7は、図10(a)に示すように、固定ローラ26〜29によって対物レンズ12とカラーフィルタ基板1との間に導かれ、固定ローラ29で折り返され、固定ローラ30を介してフィルム巻き取りリールに導かれる。
固定ローラ27,28は、可動部材31に固定され、一定の範囲で上下に移動可能とされる。図10(a)では、可動部材23は上方位置に固定された状態にある。この状態では、固定ローラ27,28に挟まれた区間L1のフィルム7と、固定ローラ29,30に挟まれた区間L2のフィルム7は一定の隙間、たとえば約2mm前後を保って略平行に張り渡される。また、区間L1,L2のフィルム7はカラーフィルタ基板1に対しても略平行に対峙する。フィルム供給ユニット25の先端部(区間L2の部分)は、対物レンズ9の下方に挿入されてフィルム7をマスクとした修正に使用される。
この状態で、区間L1の略中央のフィルム7に、レーザ照射により白欠陥部3aに応じた形状の第1の孔7Baを形成する。この時、区間L2のフィルム7がレーザアブレーションにより発生する異物を受けるので、カラーフィルタ基板1が汚染されるのを防止することができる。第1の孔7Baの形成が終了した時点では、フィルム7のレーザ照射面には、レーザアブレーションした際に発生したごみが飛散している。ごみの除去のため、第1の孔7Baを中心として、その周りの広い範囲に弱いパワーのレーザ光を照射する工程を入れてもよい。このとき、YAG第2高調波レーザに切り替えて、第1の孔7Baを中心とする広い範囲に弱いパワーのレーザ光を照射すれば、ごみのみを除去することも可能であり、新たにごみが発生することを防止することができる。
次に、図10(b)に示すように、フィルム7をフィルム供給リールに巻き取りながら、第1の孔7Baが区間L2の略中央まで来るように移動させる。その後、可動部材31を下方位置に移動させて、固定ローラ27,28が、固定ローラ29,30よりも下方に位置するように移動させると、図10(c)に示すように、区間L1の間で上方フィルム7Aと下方フィルム7Bが重なるように配置される。
観察光学系11で第1の孔7Baを確認した後、図10(d)に示すように、区間L1の上方フィルム7Aに、第1の孔7Baの少なくも一部が露出するように第2の孔7Aaをレーザアブレーションで開ける。なお、第2の孔7Aaは上方フィルム7Aを貫通するに留め、下方フィルム7Bまで貫通させないようにする。この場合、フィルム7Aを貫通させるのに必要なレーザショット回数、レーザパワーを予め知っていれば、下方フィルム7Bの上面を深く削ることはない。また、下方フィルム7Bには微小な第1の孔7Baが開いているが、第2の孔7Aaが貫通した後のレーザショット回数は極力少なくなるようにセットし、フィルム7Bの下方に異物が落下するのを最小限に留める。なお、第2の孔7Aaを形成する際、下方フィルム7Bとカラーフィルタ基板1との間に図示しない遮蔽板を挿入して異物を受け止めるようにしてもよい。第2の孔7Aaを形成した後、YAG第2高調波レーザに切り替えて、第2の孔7Aaを中心とする広い範囲に弱いパワーのレーザ光を照射して、フィルム7Aの上面にある異物の除去を行なってもよい。
このように、初めに開けた第1の孔7Baの位置を確認してから第2の孔7Aaを形成するので、第1の孔7Baと第2の孔7Aaの位置調整は不要となり好都合である。
第2の孔7Aaの形成が完了した時点で、白欠陥部3aと第1の孔7Baとの位置合わせを行ない、第1の孔7Baを含む下方フィルム7B、および第2の孔7Aaを含む上方フィルム7Aをカラーフィルタ基板1に対して一定の隙間Gを開けて対峙させる。たとえば隙間Gは200μmに設定される。その後、図5で示したように、塗布針17を用いて修正インク16を塗布すれば、白欠陥部3aの近傍を汚染することなく修正することができる。
図10(d)に示すように、固定ローラ29でフィルム7を折り返し、上方フィルム7Aと下方フィルム7Bとを重ねて配置するため、フィルム供給ユニット25の先端部の高さHを低く抑えることが可能となる。たとえば、フィルム供給ユニット25の先端部の高さHを16mm程度とすれば、20倍対物レンズの作動距離(WD18mm)の直下に先端部を挿入できるので、図示しないレボルバの回転により、低倍率から高倍率の対物レンズ12に切り替えれば、白欠陥部3aと第1の孔7Baとの位置合わせを高精度で行なうことが可能となる。
ここで、第2の孔7Aaは、図11(a)〜(c)に示すような形態の中から、使用する修正インク16の粘度やカラーフィルタ基板1との濡れ性、あるいは、修正インク16の塗布量を考慮して適宜選択される。図11(a)では、第1の孔7Baと略同形状となるように第2の孔7Aaが形成されている。この場合、第1の孔7Baと第2の孔7Aaを別々に開けるのではなく、上方フィルム7Aと下方フィルム7Bを重ね合わせた状態で、同時に孔7Ba,7Aaを形成してもよい。
図11(b)では、第1の孔7Baよりも大きな第2の孔7Aaが形成され、第1の孔7Baがすべて露出している。また、図11(c)では、第1の孔7Baと略中央で直交するように第2の孔7Aaが形成され、第1の孔7Baの中央部のみが露出している。第1の孔7Baと第2の孔7Aaとの交差領域32のみが、上方フィルム7Aと下方フィルム7Bの両方を貫通する。この場合、修正インク16の粘度が高く、第1の孔7Baに流れ難い場合には、第2の孔7Aaを複数本形成してもよい。
図12は、図10(d)の状態から、塗布針17先端の平坦面17aの周りに修正インク16が付着した状態で、平坦面17aで孔7Aaの開口部を閉蓋するようにして塗布針17を上方から押し付けた様子を示す。この場合、平坦面17aが第1の孔7Ba全体を覆うことが可能な塗布針17を用いる。また、第2の孔7Aaも平坦面17aに収まるように形成してあってもよいし、第2の孔7Aaが平坦面17aからはみ出るような大きさであってもよい。
塗布針17がフィルム7A,7Bを上方から下方に押し付けると、フィルム7A,7Bが変形して第1の孔7Baの周りの微小範囲のフィルム7Bが白欠陥部3aの周囲に付着し、白欠陥部3aに修正インク16が充填される。このとき、上方フィルム7Aと下方フィルム7Bとの隙間33は極わずかとなり、毛細管現象により上方フィルム7Aと下方フィルム7Bとの隙間33に修正インク16が吸い込まれる。したがって、第1の孔7Baに修正インク16が過剰に流れるのを抑制することができ、パターンが大きく膨らんだり、第1の孔7Baとカラーフィルタ基板1との隙間に修正インク16が吸い込まれてカラーフィルタ基板1を汚染することを抑制することができる。
白欠陥部3aが長くなると、前述したようにそれに合わせて塗布針17の平坦面17aの面積が大きなものを使用して、第1の孔7Ba全体を押圧する必要があり、この場合、1回で塗布される修正インク16はより多くなる。たとえば、平坦面17aの径が50μmから100μmに変わった場合、平坦面17aの面積は半径の2乗に比例して増大するので、4倍を超える修正インク16が塗布される。このため、必要以上の修正インク16が第1の孔7Ba内部に送り込まれて、描画パターンが膨らむことが想定される。しかし、上方フィルム7Aと下方フィルム7Bとの隙間に余分な修正インク16が吸い込まれるので、修正インク16の液量を適正にすることができる。
図13は、カラーフィルタ基板1に生じた他の白欠陥部を示す図である。図13において、白欠陥部5aはG画素5内に生じたものであり、既に修正し易いようにレーザ照射によって四角形状に加工されている。このような白欠陥部5aを修正する場合、塗布針17を用いて円形状の修正層16Aを形成してもよいが、四角形状の孔7aの開いたフィルム7を用いて修正層16Aで白欠陥部5aを埋め、修正層16Aが白欠陥部5aからはみ出さないようにしてもよい。また、多画素に渡る白欠陥部34が発生した場合、ブラックマトリックス2を前述の方法で修正した後で、その両端の画素を修正すればよい。
図14(a)は、図10(d)のXIVA−XIVA線断面図であって、白欠陥部3aに修正インク16を塗布する塗布ユニット41の構成を示す図である。図14(a)において、白欠陥部3aとフィルム7A,7Bが一定の隙間を持って対峙し、かつ、白欠陥部3aと孔7Baとが位置合わせされた状態にあり、塗布ユニット41は、対物レンズ12の直下で、かつ、白欠陥部3aの真上に挿入された状態にある。このとき、塗布ユニット41が対物レンズ12の下方に挿入されるが、挿入スペースを確保するため、対物レンズ12を低倍率のものに切り換えることが望ましい。たとえば、10倍の対物レンズ12の作動距離WDは30mm程度あり、塗布ユニット41の高さを低く設計すれば容易に挿入可能である。
塗布ユニット41は、その底に第1の孔42aが開口され、修正インク16が注入された容器42と、第2の孔43aが開口され、容器42を密封する蓋43と、第1および第2の孔42a,43aと略同じ径を有する塗布針17とを含む。塗布針17の先端の平坦面17aは、第2の孔43aを貫通して修正インク16内に浸漬される。第1および第2の孔42a,43aの径は、それらに貫通する塗布針17の径よりも少し大きいが微小であるので、修正インク16の表面張力や容器42の撥水・撥油性により、第1の孔42aからの修正インク16の漏れはほとんど無い。
容器42に形成され、修正インク16を注入するための穴は、孔42aに近づくに従って断面積が小さくなるテーパ形状を有する。したがって、少ない修正インク16でも塗布針17の平坦面17aを浸漬することができ、経済的である。修正インク16の量は、たとえば20μl(マイクロリットル)である。修正インク16は日持ちしないものもあり、容器42は定期的に交換する。あるいは、使用済み容器42を洗浄後、再利用することも可能である。容器42の着脱を簡単にするため、手でつかみ易い構造にし、かつ、磁石による吸引を用いた着脱方法にすれば使い勝手は向上する。
塗布針17の基端部は塗布針固定板44に固着され、塗布針固定板44は図示しないガイド(直動部材)により上下動可能に支持される。この状態から、図14(b)に示すように、塗布針17の平坦面17aを容器42の底面に設けた第1の孔42aから突出させると、塗布針17の平坦面17aには修正インク16が付着する。さらに塗布針17を下降させ、平坦面17aで孔7Aaまたは孔7Baの開口部を閉蓋するようにフィルム7Aを押圧すると、フィルム7A,7Bが変形して孔7Baの周りの微小範囲のフィルム7Bが白欠陥部3aの周囲に付着し、白欠陥部3aに修正インク16が充填される。
塗布針固定板44は、図示しないガイド(直動軸受)によって上下方向に進退可能に支持されており、塗布針17を含む可動部の自重のみでフィルム7A,7Bを押す。塗布針17が下降してフィルム7Bをカラーフィルタ基板1に接触させた後もさらに下降させようとしても、塗布針17がガイドに沿って上方に退避するので、塗布針17の平坦面17aは過負荷とならない。塗布針17の駆動手段(図示せず)は、制御手段(図示せず)により、時間管理されて制御される。たとえば、フィルム7Bがカラーフィルタ基板1に接触する時間は1秒以下である。
この塗布方法では、塗布針17を白欠陥部3aと容器(インクタンクまたはペーストタンク)との間を往復動させる工程が省略されるため、欠陥修正に要する時間が短縮される。
また、修正インク16は孔42a,43aを除いて密閉された容器42内に入っており、塗布針17は容器42の蓋43の孔43aに微小な隙間を持って常に挿入された状態にあるため、修正インク16が大気に直接触れる面積は少ない。したがって、修正インク16の希釈液(溶媒)の蒸発を防止することができ、修正インク16の使用可能な日数(交換周期)を長くすることが可能となり、欠陥修正装置の保守の手間が軽減化される。
また、塗布動作の待機状態において塗布針17の平坦面17aを修正インク16の中に浸けているため、塗布針17の平坦面17aに付着した修正インク16の乾燥を防ぐことができ、塗布針平坦面17aの洗浄工程も省略可能となる。
このように、塗布ユニット41を小型にできるので、平坦面17aの径が異なる複数の塗布ユニット41を用意しておき、白欠陥部3aの大きさに応じて塗布針17を選択して使用することも可能である。
また、フィルム7にレーザ光を照射して孔を開けると、孔はレーザ照射面(フィルム表面)から貫通面(フィルム裏面)に近づくにつれて先細りとなるテーパ状になる。このことはレーザ加工の特徴でもある。
前述の例では、フィルム7に開けた孔7Baは、レーザを集光してレーザアブレーションにより形成され、孔7Baの形成が完了した後、レーザ照射面がカラーフィルタ基板1に対峙するように、固定ローラ29で反転されて使用される。このとき、孔7Baの断面形状は、上方に近づくにつれて先細りとなるテーパ状、つまりハの字形状でカラーフィルタ基板1に対峙する。
この状態で、塗布針17でフィルム7A,12Bをカラーフィルタ基板1側に押し付けて、孔7Baと白欠陥部3aとを接触させると、孔7Ba内の修正インク16には、孔7Baの先端が細くなる上方に毛細管現象の力が働き、修正インク16を上方に引き上げる力と修正インク16の自重との釣り合いで、孔7Ba内の修正インク16は中央が膨らんで垂れ下がった状態になる。したがって、フィルム7とカラーフィルタ基板1との隙間に修正インク16が吸い込まれることを抑制することができる。
なお、レーザ光を照射して孔7Baを形成する際、図15(a)に示すように孔7Baのみを形成するだけでなく、図15(b)に示すように、孔7Baの周りに隔壁7Bcを残して溝7Bbを形成してもよい。また、図15(c)に示すように、フィルム7のカラーフィルタ基板1に対峙する面に凹部7Bdを形成し、凹部7Bdの略中央に孔7Baを形成し、凹部7Bd内において孔7Baを囲むようにして溝7Bbを形成してもよい。凹部7Bdの幅や深さは、フィルム7が塗布時に変形して、孔7Baを含む微小範囲のフィルム7が、白欠陥部3aに付着可能な範囲に設定される。たとえば、12.5μm厚のフィルム7であれば、幅は100μm〜300μm前後、深さは1μm〜5μm程度である。凹部7Bdは、予めフィルム7に加工してあってもよく、加工手段としては、レーザや、機械的な手段(たとえば金型の転写)を用いる。なお、凹部7Bdはフィルム7の延在方向に連続して形成してもよいし、断続的に形成しても構わない。
図15(b)(c)のようなフィルム7をマスクとして修正すれば、白欠陥部3aに孔7aを接触させた状態であっても、溝7Bbによって修正インク16の侵入を防止することができる。
以上の実施の形態に示したように、白欠陥部3aを修正する場合、直線状のパターンで修正する以外にもL字形状、十字形状などのような複雑な形状のパターンを1回の修正で描画することが可能であり、白欠陥部3aの形状に応じた孔7a,7Baをフィルム7,7Bに開ければ、任意の形状の白欠陥部3aを修正可能であることは言うまでもない。
また、孔7a,7Baの寸法は、短軸長Swとフィルム7の厚さFtの関係を、Ft>Swの関係にすれば、孔7a,7Ba内に入った修正インク16を孔7a,7Ba内に留める力(付着力)が強くなり、フィルム7とカラーフィルタ基板1との隙間に作用する毛細管現象による吸引力に負けなくなる。したがって、修正インク16がフィルム7とカラーフィルタ基板1との隙間に吸い込まれるのを防止することができる。
上記寸法は、修正インク16の表面張力や粘度、カラーフィルタ基板1やフィルム7の濡れ性に依存し、修正の安定性を増すためには、Ft/2>Swのようにする方がより好ましい。この式は、孔7a,7Baの形状が、L字形状や十字形状のような複雑なものであっても適用される。
図16(a)は欠陥修正装置50の全体構成を示す正面図であり、図16(b)は図16(a)のXVIB−XVIB線断面図である。図16(a)(b)において、定盤51にはガントリ型のXYステージ52が搭載されている。XYステージ52は、図16(a)の左右方向に移動するX軸ステージ52aと、紙面に対して垂直方向に移動可能な門型形状のY軸ステージ52bとを含む。また、X軸ステージ52aには、上下に移動可能なZ軸ステージ53が固定台54を介して固定される。Z軸ステージ53には、レーザ部10、観察光学系11、対物レンズ12、XYZステージ55が固定され、XYZステージ55には塗布ユニット41が搭載されている。カラーフィルタ基板1のブラックマトリックス3およびR,G,Bの画素4〜6を修正できるように、それぞれ4色の修正インク16に対応する4個の塗布ユニット41が搭載され、白欠陥部の周囲の色に応じていずれか1つの塗布ユニット41が選択されて使用される。定盤51上にはチャック56が固定されていて、チャック56上にはカラーフィルタ基板1が固定される。
また、固定台54にはXYZステージ57が固定されていて、フィルム供給ユニット20をXYZ方向に移動可能としている。フィルム供給ユニット20は、フィルム供給リール58やフィルム巻き取りリール59を支持するベース板20aと、固定ローラ21〜23を固定する可動部材20bとを含み、可動部材20bは直動軸受60を介してベース板20aに上下方向に移動可能に保持されている。通常、固定ローラ22,23はカラーフィルタ基板1に接触しないようにされるが、仮に固定ローラ22,23がカラーフィルタ基板1に接触したとしても、直動軸受60に案内されて上方に退避するので、カラーフィルタ基板1に衝撃を与えないようになっている。
塗布ユニット41は、XYZステージ55を含めて制御手段により制御され、フィルム7の孔7aを、短時間のみカラーフィルタ基板1の白欠陥部3aに押圧する。また、フィルム供給ユニット20は、XYZステージ57により、対物レンズ12直下にある白欠陥部3a上に孔7aを位置決めするとともに、白欠陥部3aとフィルム7とが隙間を持って対峙するように駆動される。なお、フィルム供給ユニット20を図10のフィルム供給ユニット25で置換してもよいことは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
欠陥修正方法の修正対象であるカラーフィルタ基板の要部を示す図である。 この発明の一実施の形態による欠陥修正方法を示す斜視図である。 図2に示したフィルムに孔を開ける工程を示す断面図である。 図3に示した孔を白欠陥部に対峙させる工程を示す断面図である。 図4に示した孔を介して白欠陥部に修正インクを塗布する工程を示す断面図である。 図5に示した塗布針を上方に退避させた状態を示す断面図である。 図1に示した白欠陥部が修正された状態を示す図である。 図7に示した直線形状の修正層を形成する方法を示す図である。 この実施の形態の他の変更例を示す図である。 この実施の形態のさらに他の変更例を示す図である。 図10に示した第1および第2の孔を示す図である。 図11に示した第1および第2の孔を介して白欠陥部に修正インクを塗布する工程を示す断面図である。 この実施の形態のさらに他の変更例を示す図である。 図12に示した塗布針を含む塗布ユニットの要部を示す断面図である。 この実施の形態のさらに他の変更例を示す図である。 図14に示した塗布ユニットを備えた欠陥修正装置の全体構成を示す図である。
符号の説明
1 カラーフィルタ基板、2 ガラス基板、3 ブラックマトリックス、3a 白欠陥部、4 R画素、5 G画素、5a 白欠陥部、6 B画素、7,7A,7B フィルム、7a,7b,7Aa,7Ba 孔、7Bb 溝、7Bc 隔壁、7Bd 凹部、10 レーザ部、11 観察光学系、12 対物レンズ、13,14,21〜23,26〜30 固定ローラ、15 遮蔽板、17 塗布針、17a 平坦面、16 修正ペースト、16A 修正層、20,25 フィルム供給ユニット、20a ベース板、20b,31 可動部材、32 交差領域、33 隙間、34 白欠陥部、41 塗布ユニット、42 容器、42a 孔、43 蓋、43a 孔、44 塗布針固定板、50 欠陥修正装置、51 定盤、52 XYステージ、52a X軸ステージ、52b Y軸ステージ、53 Z軸ステージ、54 固定台、55,57 XYZステージ、56 チャック、58 フィルム供給リール、59 フィルム巻き取りリール、60 直動軸受。

Claims (6)

  1. カラーフィルタ基板の白欠陥部を修正する欠陥修正方法において、
    フィルムに前記白欠陥部に応じた形状の孔を形成し、
    前記孔の開口部を前記白欠陥部に隙間を開けて対峙させ、
    前記孔を含む所定の範囲で前記フィルムを前記カラーフィルタ基板に押圧するとともに前記孔を介して前記白欠陥部に修正インクを塗布することを特徴とする、欠陥修正方法。
  2. 塗布針の先端面に前記修正インクを付着させ、前記塗布針の先端面を前記所定の範囲に押圧して前記孔を介して前記白欠陥部に前記修正インクを塗布し、
    前記フィルムが前記カラーフィルタ基板に接触したことに応じて前記塗布針を上方に退避させ、前記フィルムの復元力で前記フィルムを前記カラーフィルタ基板から剥離させることを特徴とする、請求項1に記載の欠陥修正方法。
  3. 前記フィルムの前記カラーフィルタ基板側の表面に、前記孔を囲むようにして、前記修正インクが毛細管現象によって前記フィルムと前記カラーフィルタ基板との隙間に広がるのを防止するための溝を形成することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の欠陥修正方法。
  4. 前記フィルムは、第1の孔が開けられた下方フィルムの上に、第2の孔が開けられた上方フィルムを重ねたものであり、
    前記第1の孔の少なくとも一部は前記第2の孔に連通しており、
    前記修正インクを前記第1および第2の孔を介して前記白欠陥部に塗布することを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の欠陥修正方法。
  5. 前記修正インクを前記第1および第2の孔を介して前記白欠陥部に塗布する際に、前記上方フィルムと前記下方フィルムの隙間に前記修正インクを毛細管現象によって吸い込ませることを特徴とする、請求項4に記載の欠陥修正方法。
  6. カラーフィルタ基板の白欠陥部を修正する欠陥修正装置において、
    フィルムに前記白欠陥部に応じた形状の孔を形成する孔形成手段と、
    前記孔の開口部を前記白欠陥部に隙間を開けて対峙させる位置決め手段と、
    前記孔を含む所定の範囲で前記フィルムを前記カラーフィルタ基板に押圧するとともに前記孔を介して前記白欠陥部に修正インクを塗布する塗布手段とを備えたことを特徴とする、欠陥修正装置。
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