JP2008114864A - 合成樹脂製容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器を回転させる力に対して異なる抵抗性を示す凸条を胴部に設けた合成樹脂製容器本体を形成する。
【解決手段】2分割ブロー成型により成形する胴部と頸部を有する円筒状の合成樹脂製容器本体において、胴部に胴部の円周の内側に頂部が位置する複数の三角形状の凸条を設け、頸部に90°間隔に配置した4個の垂直状である頸部リブを設けた円筒状の合成樹脂製容器本体であって、成型型の合わせ面を180°対向する頸部リブの中間線とし、型を分離する方向をその合わせ面と直行する方向とする合成樹脂製容器本体であって、胴部に設けた前記三角形状の凸条は、頂部に内接する頂角θとし、該頂角θは頂部を通る円筒中心線によって2分される角度が同一では無く、かつ、該頂角θは頂部を通る型の分離方向線によって該頂角を2分したとき、胴部円筒の中心より外側となる外側頂部分角θaとし、該外側頂部分角θaがθa≧0°の関係に設定されていることを特徴とする合成樹脂製容器本体。

【選択図】図4

Description

本発明は、4つの頸部リブが頸部に設けられ、胴部に凸条を設けた合成樹脂製の容器に関する。
容器頸部に注出口を挿入して装着し、さらに螺合被冠するキャップを設けた化粧用容器は特許文献1(特開平11−349025号公報)や特許文献2(特開2000−247351号公報)が知られている。
このような容器において、手で胴体を持ってキャップを回した場合に、滑って上手に蓋の開閉ができないことがある。特に、化粧料が手に着いていた場合には滑りやすい。また、使用開始時にキャップを強く回す必要がある場合など、空回りの危険がある。そして、円筒状の容器の場合はさらに危険性は大きくなる。
特開平11−349025号公報 特開2000−247351号公報
本発明は、容器頸部に放射状に延出形成した頸部リブを有するブロー成型による円筒形合成樹脂製容器において、容器を回転させる力に対して異なる抵抗性を示す凸条を胴部に設けた合成樹脂製容器本体を形成することにある。
本願発明は、2分割ブロー成型により成形される胴部と頸部を有する合成樹脂製容器本体において、胴部に複数の凸条を設け、頸部に90°間隔に配置した縦向きの4個の頸部リブを設けた円筒状の合成樹脂製容器本体であって、成型型の合わせ面を180°対向する頸部リブの中間線とし、成型型の分離方向を該合わせ面に直交する方向であって、胴部凸状横断面が緩斜面と急斜面のテーパ面から形成し、かつ、成型型の分離方向から両テーパ面が視認できる形状としたことを特徴とする合成樹脂製容器本体である。これにより、ブロー成型の成型型を脱型した場合にアンダーカットが生じない形状及び配置となり、回転方向に対する抵抗性を向上させることができることを特徴とする合成樹脂製容器を提供することができる。
本発明の主な解決手段は次のとおりである。
(1)2分割ブロー成型により成形する胴部と頸部を有する円筒状の合成樹脂製容器本体において、胴部に胴部の円周の内側に頂部が位置する複数の三角形状の凸条を設け、頸部に90°間隔に配置した4個の垂直状である頸部リブを設けた円筒状の合成樹脂製容器本体であって、成型型の合わせ面を180°対向する頸部リブの中間線とし、型を分離する方向をその合わせ面と直行する方向とする合成樹脂製容器本体であって、胴部に設けた前記三角形状の凸条は、頂部の内角を頂角θとし、該頂角θは頂部を通る円筒中心線と直交する直線によって2分される角度が同一では無く、かつ、該頂角θは頂部を通る型の分離方向線によって該頂角を2分したとき、胴部円筒の中心より外側となる外側頂部分角θaとし、該外側頂部分角θaがθa≧0°の関係に設定されていることを特徴とする合成樹脂製容器本体。
(2)胴部に複数設けられた三角形状の凸条は連続して設けられていることを特徴とする(1)記載の合成樹脂製容器本体。
(3)胴部に設けられた連続する複数の凸条は、180°対向して設けられたことを特徴とする(2)記載の合成樹脂製容器本体。
(4)凸条の一方の始端辺は成型型の合わせ面であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の合成樹脂製容器本体。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載された合成樹脂製容器本体の頸部に、該頸部に対して縦方向に挿入して装着する内キャップと該内キャップに螺着するキャップ本体からなるキャップを装着したの合成樹脂製容器。
(6)胴部に設けた前記三角形状の凸条の頂角θは、該頂角が頂部を通る円筒中心線と直交する直線によって2分される角度の内、小さい方の角度を形成するテーパ面がキャップの螺合正転方向に対面する方向に配置されたことを特徴とする(5)記載の合成樹脂製容器。
(7)胴部に設けた前記三角形状の凸条の頂角θは、該頂角が頂部を通る円筒中心線と直交する直線によって2分される角度の内、小さい方の角度を形成するテーパ面がキャップの螺合逆転方向に対面する方向に配置されたことを特徴とする(5)記載の合成樹脂製容器。
さらに、本発明は次のような態様に用いることができる。
(8)前記(5)〜(7)のいずれかに記載された合成樹脂製容器であって、キャップとしてヒンジ付きキャップを採用した合成樹脂製容器において、
ヒンジ付きキャップは、容器頸部に直接嵌合する封止膜が設けられた内キャップと、
切り刃付きシール開封用の円筒体と注出口と注出口を開閉するヒンジ付き頂蓋が設けられたキャップ本体とを備えており、
内キャップとキャップ本体は螺合による接合関係を有し、使用状態となる螺合終端に逆転を防止するロック機構が形成されており、
内キャップの封止膜が使用開始時に行う前記螺合により開封されるものであって、
容器本体と内キャップの装着機構が水平方向の係合機構と垂直方向の係合機構から構成され、
水平方向の係合機構が、容器本体の頸部に形成された環状突起部とキャップ内面に形成された環状突起部とを係合して回動可能かつ抜止防止の構成とし、
垂直方向の係合機構が、容器本体の頸部リブである縦リブとキャップ内面に設けた複数の縦リブとを係合したものであることを特徴とするキャップ付き合成樹脂製容器。
(9)容器本体の頸部リブである縦リブとキャップ内面に設けた複数の縦リブとを係合関係はある程度大きな力を加えてキャップを逆回転及び/又は正回転したときに回動を許容する程度の係合抵抗に構成したものであることを特徴とする(8)記載のキャップ付き合成樹脂製容器。
(10)垂直方向の係合機構が、容器本体の頸部に形成した縦リブを、頸部の中間部に設けた主縦リブと該頸部の基端部に設けた補助縦リブとから構成し、通常状態では主縦リブとキャップ内面に設けた複数の縦リブとが係合し、補助リブとは係合しないものとし、キャップ本体を下方に強圧したときに補助リブとキャップ内面に設けた複数の縦リブとが係合するものとすることを特徴とする(8)又は(9)記載のキャップ付き合成樹脂製容器。
(11)容器本体の頸部に形成された環状突起部又はキャップ内面に形成された環状突起部は、一方がリング状に形成され、他方が点状に複数配置された凸部であることを特徴とする(8)〜(10)のいずれかに記載のキャップ付き合成樹脂製容器。
(12)容器本体の頸部に形成した縦リブ及びキャップ内面に設けた複数の縦リブは、先端がテーパ面であって、双方のテーパの傾斜が逆向き配置されていることを特徴とする(8)〜(11)のいずれかに記載のキャップ付き合成樹脂製容器。
(13)未使用状態において封止膜が開封されることを防止する開封防止リングを内キャップとキャップ本体の間に介在させたことを特徴する(8)〜(12)のいずれかに記載のキャップ付き合成樹脂製容器。
(14)キャップ本体に設けられた切り刃付きシール開封用の円筒体は、切り刃が2枚設けられ、当該2枚の切り刃は円筒端に非点対称及び/又は切り刃先端の高さを異ならしめて配置することにより2枚の切り刃による開封距離が異なり、該開封動作によって封止膜の切り残し部が一カ所残存する開封構成としたことを特徴とする(8)〜(13)のいずれかに記載のキャップ付き合成樹脂製容器。
(15)キャップ本体に設けられた切り刃付きシール開封用の円筒体に設けられた切り刃は2枚であって、
該2つの切り刃は円筒体の先端に非点対称に対抗して配置され、該円筒体の軸を中心とし一方の切り刃の先端を0°とする円周方向の位置関係及び破断回転の関係を次のように設定することにより、破断操作後に連結部が1カ所形成された封止膜の開封状態が形成されることを特徴とする(8)〜(14)のいずれかに記載のキャップ付き合成樹脂製容器。
一方の切り刃Aの位置=0°
他方の切り刃Bの位置θb>180°
一方の切り刃Aの破断回転角度θcut<θb
一方の切り刃Aの破断回転角度θcut+θb>360°
(16)内キャップは、2重の円筒状であって、
キャップ内面に形成された環状突起部が外側の円筒体内周面に形成され、該環状突起部は係合時に容器本体頸部に設けられた環状突起部の下方なる位置に設けられており、該外側円筒体の外周には雄ネジが設けられ、
また、内側の円筒体は開封後は注出孔となり、未使用時には封止膜である底部が形成された短径の有底の円筒体であって、
キャップ本体は、前記内キャップの雄ネジに螺合する雌ネジが形成された内径を有する筒状蓋体であって、該蓋の天井面に前記注出孔内に内接して進退可能とする切り刃付き円筒体を形成し、該切り刃は2枚形成され、該2枚の切り刃の間隔は大離間角度である大きな間隔と、小離間角度である短い間隔とする非点対称に配置されており、
キャップ本体に設けられた突出刃の先端が内キャップの注出孔の封止膜を破断する端緒の位置から、回転進入する限度を前記小離間角度より大きく前記大離間角度よりも小さくなる範囲に内キャップとキャップ本体の螺合関係に設定したキャップであることを特徴とする(8)〜(15)のいずれかに記載のキャップ付き合成樹脂製容器。
(17)キャップ及び容器本体は合成樹脂製であることを特徴とする(8)〜(16)のいずれかに記載のキャップ付き合成樹脂製容器。
本発明は、上述したような構成を備えることによって、以下のような本発明に特有の効果を奏するものである。
1.容器に回転力が加えられた場合に、回転方向に対する抵抗性を変えることができる。この抵抗性の違いにより、キャップの着脱の容易性や、破損に対する容器の抵抗性を向上させることができ、容器の安全性の向上を計ることができる。キャップの取付け構造と容器胴部の凸条の方向性を連動させることにより、機能を向上させることができる。
2.特に、使用開始当初にバージンシールを切開するために大きな螺着力が必要となる円筒形の合成樹脂製容器においては、非力な女性においても装着の操作性が向上する。
3・成型型の合わせ面近くに寄せて複数の凸条を配置し、他の部分には凸条を設けないことにより、成型合わせ面の影響を受けることなく印刷を施すことができる。そして、成型合わせ面近くに位置する凸条の始端辺を成型合わせ面一致あるいは近辺に設けることにより、容器本体表面に残る成型合わせ面のラインを目立たなくすることができる。
4. 凸条を設けた容器本体の保持力が大きくなることに対して、一方では、キャップ構造にはずれ防止のセーフティー構造を採用すると、キャップを逆転させてもキャップが容器から外れることが無く安全である。ヒンジキャップの存在に気づかずにキャップ本体を逆転しても事故が発生しない。
5.上記4.と同様にキャップを逆転させても、キャップ本体の螺合ロック保持力よりも、内キャップと容器本体の頸部との間で回動を許容抵抗を小さくしたので、キャップ本体の螺合が緩むことは無い。
6.シール部材を備えた打ち込み内キャップと、切り刃付き円筒体を設けたキャップ本体を螺合させて、シール部材を開封する構成に本発明の凸条を設けた容器本体を組み合わせることにより、容器本体を安定して保持でき開封に要する力を軽減することができると共に回動終端が特定されるので開封箇所の特定、シールの切り残し部の確実性を向上させることができる。
7.その他実施対応に応じた作用効果として、(1)2枚の切り刃によって2カ所から切削が開始され、一方は切り離されるときに切断音がでて、開封作業が終了したことが確認できる、(2)使用状態が維持され、キャップ本体を外して開封防止リングを再度装着してバージン状態を再現することが困難となる、(3)使用開始時のセット操作の際に主係合が利かなくなっても、補助の係合機構を使用することにより初期のセット操作を完了することができる等を付加的に挙げることができる。
本発明は、ホールド性を高めた円筒胴部とキャップ装着用のリブを備えた合成樹脂製の容器であって、ブロー成型に適した合成樹脂製容器本体を主とするものである。さらに、この合成樹脂製容器本体の機能を発揮するキャップの構造とを組み合わせた容器である。
以下に各構成要素について述べる。
1.容器本体
容器本体は、円筒状の胴部の上部に円筒状の頸部が設けられており、頸部周囲には、縦状の頸部リブが90°間隔に4本形成されている。円筒状の胴部には縦筋状に凸条が形成されている。容器本体は、合成樹脂製であって、2分割の成型型を用いてブロー成型される。
頸部に設けられる縦状の頸部リブは、頸部基部から中間部に設けられることが望ましい。また、上下に分割することもできる。
また、頸部を形成する円筒部の上方には環状突起部が形成される。この環状突起部にはリング状に一体に設けるか点状に設けることが可能である。成型の容易性からみて一体のリング状が好ましく、点状の場合は1〜4個が適当である。この環状突起部は、キャップを装着したときに係合が完成するように内キャップに設けた環状突起部よりも上方に位置するように形成する。
環状突起部は頸部リブの上端の上方に離して設ける。頸部リブの先端面はテーパを付けたテーパ面とすることができる。このテーパの方向によって回動方向の抵抗性を調整することができる。この頸部リブは上下に分離して設けることでき、上側は常に係合する主頸部リブとし、下側は、通常状体では係合しないか係合力が弱い状態の補助頸部リブとすることができる。何らかの理由で主頸部リブに不具合が生じた場合には、補助頸部リブを活用して、係合を維持できるようにする。
容器本体は、残量が視認できる透明性があるボトルが適している。例えば、化粧料容器等である。充填物は液体、粉体等である。
2分割型の成型型を用いたブロー成型される本発明の容器胴部と頸部を備えた合成樹脂製容器は、左右に型を開いて型抜きすることになる。さらに、縦状の頸部リブを4本設けることは、180°対向するリブの中央部を通る鉛直線を型の合わせ面とし、それに直行する方向に型を開いて脱型することになる。この容器の形状的な制限に加えて、円筒状の胴部に凸条の縦筋を設ける場合には、その凸条の形状を成型終了後に型を分離して脱型方向に邪魔とならないように設計する製法上の制限と凸条を設ける機能上の要求を満たす必要がある。
本発明の容器本体は、2つのテーパ面の異なる傾斜角からなるテーパ面を持つ凸条をもち、急傾斜面を脱型方向中心線側に向け、緩傾斜面を脱型方向から見て視認できる形状とすることにより、脱型に支障が無く、胴部の回転方向に対して、抵抗力に方向性を持たせることができる。この凸条を、胴部を90°の円弧に4分割した場合、脱型方向から左右の分割円弧では、逆向きの方向性が得られるので、一方だけあるいは両方に設けることにより、正回転あるいは逆回転の一方への抵抗性を高める、あるいは、四方に設けることにより、両回転方向への対応性を発揮させることができる。
凸条の本数は、1〜数本まとめて配置するか、あるいは、全周に多数配置することができる。容器の正面等に配慮して、回転に対して押さえやすい位置に設けることが好ましい。凸条を成型型の合わせ面側に寄せて配置し、中央部には凸条を設けない態様とした場合は、中央部に印字などの装飾が可能となる部分を成型型の痕に邪魔されることなく大きくとることができる。成型合わせ面付近あるいは成型合わせ面に凸条の斜面の始端がくるように設定すると、特に、容器表面に残る成型痕を目立たなくすることができ、容器の美麗性を向上させることができる。また、凸条の高さ方向は、押さえやすい位置と長さが設定される。例えば、全長にわたるか、中間部、上側あるいは下側に片寄らせるなどの配置ができる。
なお、本発明に適用できるブロー成型自体は、円筒状の合成樹脂製容器の製造手段として一般的な成型手段を用いることができるので省略する。
図4に平面視した容器の概略図を参考に示す。
容器本体2の胴部24と頸部21が中心Oとする同心円状に配置されている。頸部21には、4つの頸リブ23S、23N、23E、23Wが90°間隔で放射状に配置されている。この頸リブ23Sを正面側とし、頸リブ23Nを背面側とし、左右の頸リブ23E、23Wとする。各頸リブで4分割された区画を、頸リブ23Sを始端として、反時計回りにI面〜IV面とする。そして、2分割されたブロー成型の型合わせ面は、中心Oを通る左右の頸リブ23E、23Wの中間線であるA−Bとする。このように設定すると、ブロー成型終了後に型を外して、容器本体を取り出すために型を開いて分離して脱型する方向は、型合わせ面A−Bと直角な方向をfとし、中心Oを通る方向線を脱型中心線f0、f’0とする。この概略図では、凸条25をII面とIV面であって、合わせ面側に寄らせて3本設けている。凸条25は、急傾斜のテーパ面bを脱型中心線f0側に設け、緩傾斜のテーパ面aが反対側に設けられている。IV面に設けた凸条の部分を拡大して第5図に示す。凸条の三角形状の頂点をPnとし、該頂点Pnを通る脱型方向線fnを想定し、この脱型方向線fnと緩傾斜テーパ面aのなす角Pnθaとするとき、「角Pnθa≧0°」に設定される。これにより緩傾斜テーパ面aは脱型方向に対して弊害とならない。頂点Pnと中心Oを通る半径方向線PnRと急傾斜テーパ面bのなす角Pnθbは、この図示の例では急傾斜テーパ面を形成できる程度あれば成型上の制約はなく自由に設定できる。
緩傾斜あるいは急傾斜は、三角形状の凸条の頂点Pnの内角である頂角Pnθnを半径方向線PnRによって分割したとき大きな角度となる側に位置する傾斜面が緩傾斜のテーパ面となり、小さな角度となる側に位置する傾斜面が急傾斜テーパ面となる。凸条を脱型中心線f0、f’0に寄せて形成した場合は、テーパ面の傾斜は頂部の左右どちら側にも形成することができる。また、脱型中心線f0、f’0を跨ぐように形成することもできる。また、凸条の頂部は、面取して角触りを柔らかくすることができる。
凸条はテーパ面の途中から連続して設けることも可能であり、間隔をおいて設けることも可能である。
脱型上の制限としては、各凸条のテーパ面がその凸条の頂部を通る脱型方向線から見て視認できるかあるいは重なるように設定する必要がある。
このような凸条に形成することにより、容器を回転させる方向に対する抵抗に異方性を持たせることができ、かつ、ブロー成型の型抜きの障害とならない容器本体を形成することができる。
2.容器全体構成例
容器本体と容器本体頸部に装着されたキャップから容器が構成される。キャップは、容器頸部に押し込むように被着する形式であって、頸部に設けられている頸リブとキャップ側の内面に設けられた縦状のリブが填り合って、キャップの回転が規制され、また、キャップ内面に設けられた環状凹部と容器頸部に設けられた環状凸状が係合して抜止となる形式のキャップが適している。
さらに、キャップは、容器頸部の開口から内容物を充填した後、小さな注出口が形成された内キャップに被冠し、その内キャップにキャップ本体を被冠させる2重構造のキャップに適している。このような構成のキャップは、充填作業性に優れ、ユーザーが使用する注出口は実状に合わせて小さくすることができるので、一般に用いられている。また、内キャップは打ち込み状態で被冠されるので、外すことは困難であり、ユーザーが誤って外すことも少なく、不正な詰め替えも困難である。キャップ本体は、螺合されていることが多く、ユーザーが一般に使用するキャップ部分は螺旋の開閉を伴うことが多い。
また、2重構造のキャップは、係合関係が、容器本体と内キャップの間と内キャップとキャップ本体の間の2カ所になるので、この2カ所の係合力に配慮することも重要である。
一例は、容器本体頸部と内キャップとの係合力と、内キャップとキャップ本体の係合ロックの力との関係が、前者が後者よりも弱くなるように構成したものである。垂直方向のリブ同士係合を、キャップ本体の回し過ぎなどに回転力によって破壊やはずれる程度ととすることにより実現できる。
3.キャップの例
キャップは、内キャップとキャップ本体から構成される。必要に応じて、未使用状態においては開封防止リングを介在させる。
3−1内キャップの例
内キャップは、シールされた流出孔を有し、ボトル容器の頸部に装着される。2重円筒状をなし、ボトルの頸部を挟み込んで装着される形式である。内側の円筒が流出孔を形成し、底部を封止してシール部材を形成する。
外側の円筒の内周面には環状突起部が水平方向に形成され、環状突起部より下方に縦リブが多数設けられている。環状突起部は容器本体頸部側の環状突起部の下方に位置する箇所に形成する。また、円筒内周面には、この環状突起部の下側に複数の縦リブが形成される。この縦リブの間に容器本体頸部側の縦リブが入り込んだ形となって、水平方向の回動が阻止されて係合関係が構築される。
この縦リブの先端面にテーパを設けることができる。テーパ面の方向、大きさ等の形状を変更することにより回動方向の抵抗性を調整することができる。もちろん、この回動方向の抵抗調整は容器本体の頸リブとの相互関係で最終的には決定される。
環状突起部の上部に小さな凸状の環状突起部を設けて、2重の突起部の間に凹部を形成することができる。この凹部に容器頸部の環状突起部を保持することにより、内キャップの通常の垂直方向の位置決めをすることができる。この位置決めにより、容器頸部の頂部上方に空隙を形成することができる。
内キャップの外側の円筒の外周には、雄ネジが形成されている。この雄ネジは二条ネジとすると結合距離を短くして強度を得ることができる。
また、キャップ本体を使用開始時に最初にセットした後は外すことができない構成とする場合は、外周の基端部には、係合爪を設け、容器本体側に設けられた対抗する係合爪と螺合終端において係合する関係となって、ネジの逆転を阻止するロック機能を果たさせることができる。この係合爪は小間隔をあけて2つ設けることができ、この場合はこの小間隔にキャップ本体の係合爪がはまり込んで正逆回転方向のロック機能を果たす。また、容器本体との位置合わせのため、係合マークを最下端のフランジに設けることができる。
内キャップにシール部材である封止膜を設けた場合は、皿状に湾曲させることができる。湾曲の程度を開封状態において、裏面がボトルの頸部に安定して接触するようにボトル頸部の内周径の曲率と同程度とすることが好ましい。
3−2キャップ本体の例
キャップ本体は、内キャップに螺合するタイプが多い。さらに、キャップ本体の頂部にはヒンジキャップを設けて、使用開始初期設定と通常使用状態を変えることも可能である。どのような形態も可能であるが、本願発明に適するタイプは、何らかの回転力が必要となる形式のキャップが適している。
例えば、頂部にヒンジ付きキャップを設け、内面にバージンシール切開用の切り刃を形成した、螺着タイプのキャップ本体について、以下に説明する。
キャップ本体は、略円筒体であり、先端に注出口、該注出口を開閉するヒンジ付きキャップ、内キャップに螺合するための雌ネジが内周面に設けられ、注出口から内側に続くシール切開用の円筒刃、内周面の下端部に内キャップの係合爪に対抗する係合爪が設けられている。円筒部の外周下端には係合マークを設けることができる。
キャップ本体は、内キャップをねじ込み螺合によって、円筒刃が封止膜を切開し、螺合の終了と同時に開封が完了する。また、キャップ本体は螺合終端において、ロックされ逆転防止機構とされている。封止シールを切開する円筒刃の構成は次のとおりである。
2枚の切り刃は、シールしている封止膜を内縁周に沿って切削して、ほぼ全周に渡って切り離し一部を連結片として残すことができるように形成する。例えば、非点対称配置、大きさの異なる山形形状の刃、傾斜を違えた山形形状刃、先端の高さを違えた刃などである。開封動作は、回動して行う。2枚の切り刃による回動切削は、それぞれの切り刃の切削軌跡が一部で重複しないようにすることで実現できる。回動範囲を規制することにより、正確な切削軌跡が実現でき、確実に連結片を残すことができる。連結片が2カ所できることは、シール部材が十分に開かず、スムーズな注出を妨げる恐れがある。完全に切り離してしまうと、シール片がボトル容器本体内を浮遊したり、注出孔に引っかかり流出を阻害してしまう恐れがある。ボトル容器が透明な場合は、不純物が混入しているような印象を与えてしまう。特に、化粧品や飲料品では、使用感が不良である。
残存連結片と接触して停止する切り刃の接触部位を、開封片を下方に付勢する形状にすると、開封片の姿勢を一定に保つことができる。例えば、切削終了部位を下向き傾斜面とすると、接触によって下向きの付勢ができる。また、切削終了点において刃部が終了するように刃部を形成し、切削終了点から刃付き円筒を更に進入させると、刃付き円筒の外周面によって連結が挟圧されて開封片を下向きに付勢することができる。ただし、進入が深くなると連結片がちぎれてしまう危険があるので、ちぎれない程度の進入に留めるよう注意することが大事である。
2枚の切り刃を設けた円筒体の回動を規制する手段としては、内キャップとキャップ本体とを螺合させ、螺合の終点において、1カ所の連結片が残るようにすることが可能である。
ひとつの円周上に位置する2枚の切り刃を用いた切開によって、ひとつの連結片を形成することは、2つできる切開始点と切開終点のうち、切削終点が一方の切削始点を乗り越えることとなり、このとき連結片が切り離される音が発生するので、開封動作の終了を確認することができる。
2枚の刃の形成及び開封動作の回動規制には次のような態様がある。
(1)切り刃付きシール開封用の円筒体を備えたキャップにおいて、切り刃は2枚設けられ、2枚の切り刃による開封距離が異なる構成とし、開封動作後シールの切り残し部が一カ所残存するシール開封機構付きキャップ。
(2)2枚の切り刃による開封距離が異なる構成を円筒端に非点対称及び/又は切り刃先端の高さを異ならしめることにより実現できる。
非点対称即ち、円周上に切り刃の間隔を異ならせて配置した場合は、2つの切り刃が同時に切削を開始したとき、短い間隔に相当する長さを切削した時点で、長い間隔と短い間隔の差分が連結片として残ることとなる。
また、2枚の切り刃の先端の高さに差を設けた場合、回転進入させつつ切削動作を行うとき、2つの切り刃は切削開始時期に時間差が生じ、その時間差分の長さを連結片として残すことができる。
(3)注出孔を塞ぐ封止膜に対して、筒先端に2枚の突出刃を非点対称に配置した注出孔内を進退可能な円筒体を天井面に設けたキャップ本体を有するキャップ。
(4)非点対称配置の具体的な態様の一例として次のように規定することができる。封止膜を設けた内キャップと内キャップに螺合するキャップ本体とから構成され、キャップ本体を正回転することにより封止膜を破断する切り刃を2つ備えたキャップであって、該2つの切り刃は円筒体の先端に非点対称に対抗して配置され、該円筒体の軸を中心とし一方の切り刃の先端を0°とする円周方向の位置関係及び破断回転の関係を次のように設定することにより、破断操作後に連結部が1カ所形成された封止膜の開封状態が形成されるキャップ。
一方の切り刃Aの位置=0°
他方の切り刃Bの位置θb>180°
一方の切り刃Aの破断回転角度θcut<θb
一方の切り刃Aの破断回転角度θcut+θb>360°
(5)更に、螺合関係を規定することにより、切り残しの残存連結片を規制することができる。例えば、封止膜を設けた内キャップと内キャップに螺合するキャップ本体とから構成され、キャップ本体を正回転することにより封止膜を破断する切り刃を2つ備えたキャップであって、内キャップは、外周に雄ネジが設けられた円筒状であって、内側に封止膜となる底部を形成した短径の有底の円筒体からなる注出孔が設けられており、キャップ本体は、前記内キャップの雄ネジに螺合する雌ネジが形成された内径を有する筒状蓋体であって、該蓋の天井面に前記注出孔内に内接して進退可能とする切り刃付き円筒体を形成し、該切り刃は2枚形成され、該突出刃の間隔は大離間角度である大きな間隔と、小離間角度である短い間隔ととする非点対称に配置されており、キャップ本体に設けられた突出刃の先端が内キャップの注出孔の封止膜を破断する端緒の位置から、回転進入する限度を前記小離間角度より大きく前記大離間角度よりも小さくなる範囲に内キャップとキャップ本体の螺合関係に設定したキャップ。
更に、この場合、切削終点にて刃部が終了するように形成した2枚の切り刃付きシール開封用円筒刃とすることにより、切削終了点において開封片を下向き付勢を保持ができる。更に、切り刃部終了点から、連結部の長さを超えない範囲で、螺合を進めると連結片が円筒刃の外周面によって押さえ込まれるので、開放片の下向き姿勢を更に安定させることができる。
3−3ヒンジキャップ
キャップ本体の先端側にはヒンジ付きキャップを設けることができる。開封後はヒンジキャップを開閉することにより内容物を注出することが可能となる。開封後は小出しにして使用するような用途には、便利で清潔に使用することができる。例えば、化粧用容器に適している。
3−4開封防止リング
開封防止リングは、未使用状態を示すものでキャップ本体や内キャップとは別体に独立して設けられることが好ましい。未使用状態を示す不正開封手段としては、内キャップとキャップ本体とを帯状に連結する手段(例えば、特許文献3)などが一般的に用いられている。本出願人は、新たな手段として、特開2006−193202号公報に示すように、別体構成したリング状の開封防止部材を提案した。
図1は、容器本体の外観図を示す。
図2は、キャップを装着した容器全体の外観図を示す。
図3は、図2A−A断面を示す。
図4は、平面視した容器の概略図を参考に示す。
図5は、図4に表示した凸条のひとつ25aを拡大した図である。
図6は、本実施例1のキャップを容器本体に装着した状態の部分拡大図を示す。図6(a)は未使用状態、図6(b)はシールを開封した状態を示している。
図7はヒンジ付きキャップ本体を示し、(a)はヒンジ付きキャップ本体の断面図、(b)は下面視図、図8(a)はヒンジ付きキャップ本体の外観図、図8(b)はヒンジ付きキャップをオープンにした状態の断面図を示す。
図9は内キャップを示し、(a)は上面視図、(b)は断面図、(c)は下面視図、(d)は内キャップの外観図を示す。
図10は、開封防止リングの一部破断面図を示す。 図11は本発明の係合関係を示す図である。(a)は係合セットが終了した図、(b)はキャップ本体のセット途中の状態を示す。
図12は、キャップ本体と内キャップセットの状態図を示す。
図13は、切り刃の状態を下面から見た図を示している。
図14は、本実施例の切り刃の開封動作を示す図であって、図14(a)は未使用状態の切り刃の位置、図14(b)は切削開始位置、図14(c)は切削終了位置を示す。
図1は、容器本体の外観図を示す。
容器本体は、図1に例示されており、内キャップを被せることができるように、頸部を形成し、収容部は少なくとも一部が透明となっていることが望ましい。透明な合成樹脂製とすることができ、PETなどを用いて、ブロー成型により製造する。容器本体2は、肩部を絞って形成した頸部21が設けられ、該頸部には環状突起部22と頸リブ23が形成されている。この頸リブ23は、周囲に90°間隔に4個形成されている。そして、上下に分割して主頸リブ23aと補助頸リブ23bの2つから構成することもできる。図示は2つに分離タイプを示しているが、連続した一体とすることも可能である。上下の2部材に分けた場合には、未使用状態での回しすぎ等の原因により、主頸リブ23aが破損した場合には、補助頸リブ23bと内キャップに縦リブ36との係合により、使用開始の初期状態にセットが可能である。特に、容器頸部の頂部に隙間があるので、キャップ本体を強く押し込むことによって、補助頸リブ23bとの係合力を高めることができ、セットが確実となる。
環状突起部22は連続したリング状に形成するが、点状突起を複数設けることも可能である。頸リブ23は、ブロー成型では、型抜きの制限があるので、縦状のリブを複数設ける場合は90°間隔に設ける4個が望ましい。環状突起部を点状突起とする場合も同様である。
容器本体の胴部24には凸条25が縦方向に3筋一組として2カ所に設けられている。この、凸条25は断面異形であって、急傾斜のテーパ面と緩傾斜のテーパ面が設けられている。
図2に、容器本体2にキャップ9を装着した本実施例の容器1を示す。容器本体2の胴部をA−A位置で横断した断面を図3に示す。凸条25を3筋を組みにして、180°対向して形成してある。
図4は、図1記載した容器本体を平面視した概略図である。容器本体2の胴部24と頸部21が中心Oとする同心円状に配置されている。頸部21には、4つの頸リブ23S、23N、23E、23Wが90°間隔で放射状に配置されている。なお、この図示では上下2分した状態は割愛して説明する。この頸リブ23Sを正面側とし、頸リブ23Nを背面側とし、左右の頸リブ23E、23Wとする。各頸リブで4分割された区画を、頸リブ23Sを始端として、反時計回りにI面〜IV面とする。そして、2分割されたブロー成型の型合わせ面は、中心Oを通る左右の頸リブ23E、23Wの中間線であるA−Bとする。このように設定すると、ブロー成型終了後に型を外して、容器本体を取り出すために型を開く脱型方向は、型合わせ面A−Bと直角な方向f0、f’0となる。この概略図では、凸条25をII面とIV面であって、合わせ面側に寄らせて筋条に3本設けている。
凸条25は、急傾斜のテーパ面bを脱型中心線f0側に設け、緩傾斜のテーパ面aが反対側に設けられている。IV面に設けた凸条の部分を拡大して第5図に示す。凸条の三角形状の頂点をPnとし、該頂点Pnを通る脱型方向線fnを想定し、この脱型方向線fnと緩傾斜テーパ面aのなす角Pnθaとするとき、「角Pnθa≧0°」に設定される。これにより緩傾斜テーパ面aは脱型方向に対して弊害とならない。頂点Pnと中心Oを通る半径方向線PnRと急傾斜テーパ面bのなす角Pnθbは、この図示の例では急傾斜テーパ面を形成できる程度あれば成型上の制約はなく自由に設定できる。
緩傾斜あるいは急傾斜は、三角形状の凸条の頂点Pnの内角である頂角Pnθnを半径方向線PnRによって分割したとき大きな角度となる側に位置する傾斜面が緩傾斜のテーパ面となり、小さな角度となる側に位置する傾斜面が急傾斜テーパ面となる。また、凸条の頂部は、面取して角触りを柔らかくすることができる。
凸条はテーパ面の途中から連続して設けることも可能であり、間隔をおいて設けることも可能である。
脱型上の制限としては、各凸条のテーパ面がその凸条の頂部を通る脱型方向線から見て視認できるかあるいは重なるように設定する必要がある。
このような凸条に形成することにより、容器を回転させる方向に対する抵抗に異方性を持たせることができ、かつ、ブロー成型の型抜きの障害とならない容器本体を形成することができる。
この例では、キャップを逆転方向に回した場合に抵抗が大きくなり、螺着によって着脱するキャップの場合は、開蓋時に滑り抵抗が大きくなる。脱型中心線f0、f’0と線対称にI面とIII面に設けた場合は、締めるときの抵抗が大きくなる。I〜IVの各面に設けた場合は、指などで押さえる場所によって、力のかけ具合を調整することができる。そして、脱型中心線f0、f’0付近には凸条や成型痕がないきれいな表面を大きくとることができるので、デザインや内容物に関する記載などの印刷等の表面装飾をきれいに行うことができる。凸条の緩傾斜テーパの始端部が成型合わせ面付近に位置するので、成型痕も目立たず、容器全体をきれいに仕上げることができる。
図6には、本実施例のキャップを容器本体に装着した状態の部分拡大図が示されている。 図6(a)は未使用状態、図6(b)はシールを開封した状態を示している。
未使用状態では、容器本体2の頸部21に内キャップ3、開封防止リング5、キャップ本体4の順に被冠装着されている。内キャップ3は、ボトル容器の頸部の先端部が空隙35に進入し、ボトル容器本体2の頸部に設けられた環状突起部22が内キャップの環状凹部34aに納まりその下側に頸部に設けられた環状突起部34bが位置して係合して抜け止めされている。ボトル容器の頸部基部に形成された縦リブ23a、23bと内キャップの基部内面に設けた縦リブ36が係合して周方向の回動を規制している。また、内キャップの雄ネジ33とキャップ本体の雌ネジ42が螺合している。ネジは2条ネジを採用して少ない回転数でも強固で安定した螺合を実現する。未使用状態を保持するためにキャップ本体の下部に開封防止リング5を介在させて螺合の進入を止め、円筒切刃70が下降して封止膜7と接触することを防止している。
内キャップ3を容器本体2の頸部21に被冠して強く押し込むことによって、両者の係合は完成し、水平に設けられた2つの環状突起部の係合によって抜止となり、内キャップに設けられた多数の縦リブの間に容器の頸部側の縦リブが入り込むことによって、回動が規制される。実用工程での組付けは、ボトル容器に内容物を充填した後に、内キャップと開封防止リングとキャップ本体をセットした状態のキャップをボトル容器の頸部に押し込んで未使用状態のキャップ付き容器を完成させる。
使用状態は、まずキャップ本体と開封防止リングを一緒に一旦はずし、キャップ本体のみを再装着して、終点まで螺合を進めることにより、円筒切刃70によって封止膜7の周囲を、連結片79を残して切削して開封状態とする。その後ヒンジキャップ6を開いて内容物を取り出して、内容物を利用することができる。
本例では、封止膜7は、Δd分下側へ湾曲させた皿状としてある。図6(b)において、このΔdは、容器本体の頸部21に沿うように接触する曲率に形成する。このような状態によって切開された封止膜は安定した姿勢となり、開栓後の使用状態を良好に保つことができる。
キャップ本体の構成を、図7、図8を参照して説明する。図7はヒンジ付きキャップ本体を示し、(a)はヒンジ付きキャップ本体の断面図、(b)は下面視図、図8(a)はヒンジ付きキャップ本体の外観図、図8(b)はヒンジ付きキャップをオープンにした状態の断面図を示す。
キャップ本体4は、内キャップに被冠する雌ネジ42を形成した円筒部41、該円筒部41の頂部にはヒンジキャップ6が設けられている。中央部には先端側に切刃を設けた円筒切刃70を設ける。この円筒切刃の基部側は注出口65となる。円筒部41の基端内側に外係合爪47が2つ180°対抗して設けられ、内キャップの基端部に設けられた内係合爪38と係合して、螺合終点で両者が逆転防止の係合関係を構成する。また、係合爪47の他に係合凸部44が2つ180°対抗して設けられている。この係合凸部44は内キャップに設けられた高段部39aに接触して、正方向の回り止め機能を果たす。外係合爪47に対応する円筒部41の外周基端部には係合マーク45を設けることができる。この係合マークと内キャップに設けられた係合マークが一致した場合に装着が完成したことを確認できる。
図8(a)はキャップ本体4を側面から見た外観が示されている。側面には係合マーク45をやや膨らませて設けている。ヒンジキャップ6を開放した状態を示すキャップ本体の断面が図8(b)に示されている。頂蓋64の一端はヒンジ61によって連結され、他端にはつまみ63が形成され、中央部には注出口65を封鎖できる栓62が設けられている。
円筒切り刃の構成例を図13に示す。円筒切刃70は、切刃A71と切刃B72の2つが設けられ、側面視で略山形の形状であって、頂部を平坦78、切刃の前方は鉛直に形成された切刃先部73、それに続く切刃先斜面74、更に平坦部75を備えている。切刃の後ろは後部斜面77を経て平坦部に連なっている。2枚の切刃は大間隔角210°、少間隔角150°隔てられて形成されている。開封動作は後述するが、切削角度150°、40°分の連結片が切り離されずに残存する。この切刃は頂部に平坦部が20°分設けられているのでその分と切削しながら封止膜に突き刺さる切刃先斜面74の一部を算入すると、170°分の切削が実行されるので、未切削の残存角度が40°となる。
内キャップの構成を、図9を参照して説明する。図9は内キャップを示し、(a)は上面視図、(b)は断面図、(c)は下面視図、(d)は内キャップの外観図を示す。
内キャップは、略円筒状の外観をしており、内側に小径の円筒を備えた2重構造である。小径円筒の底部は封止膜でシールされている。この2重の円筒によって形成される空隙部に容器本体の頸部先端を挿入して、被冠する構造である。
更に、詳述すると、内キャップ3は、雄ネジ33が形成された外筒部31、封止膜7によってシールされた内筒部32によって2重に形成され、2つの筒によって形成される空隙35を有する。外筒部31の外側基部にはキャップ本体あるいは開封防止リングの突起と係合する内係合爪38及び係合マーク38cが設けられている。また、この係合爪38と小間隔を空けて対抗する小係合爪38bが設けられ、2つの爪の間の小間隔が係合凹部37を形成している。キャップ本体に設けられた外係合爪47は内係合爪38の背部の該膨出部を乗り越えて係合凹部37に納まった状態が使用のセット状態となる。この外係合爪47は内係合爪38との係合によって逆転防止となり、使用状態ではキャップ本体が内キャップから外れることがない。また、高段部39aが設けられており、キャップ本体の係合凸部44に当接して正方向の過回転防止機能を果たす。外筒部31の内面には多数の縦リブ36、36・・、環状凹部34a、環状突起部34bが形成され、それぞれ容器本体の頸部に設けられた縦リブ23(主縦リブ23a、補助縦リブ23b)、環状突起部22と係合して、抜止と回転が防止された被冠関係となるようにされている。縦リブ36の先端面はテーパが付けられた傾斜面36aに形成されている。
図10に開封防止リング5が例示されている。段付きの円筒形となっていて、内キャップに装着され、上方の小径部にはキャップ本体の基部が装着される。装着状態においては、未使用状態であることをし示すと共に、封止膜が切り刃と接触することを防止している。内キャップ及びキャップ本体と係合位置を規制するために、係合用に凹部57、開封防止リング凸部54が形成されている。
本実施例のキャップと容器本体との係合関係について説明する。容器本体に内キャップが直接接触し、内キャップにキャップ本体が被冠する。内キャップとキャップ本体が螺合関係にあるので、内キャップと容器本体頸部との接合機構は、水平方向の凸状環状部材同士を上下になるように配置して抜止とし、回動規制は両者に設けた縦リブ同士を入り組ませて構成している。キャップ本体を螺着し、螺着終点でロックしているが、誤って強く緩める方向に回動した場合にはロックが破壊されて、収納されている内容物が漏れてしまう事故に繋がる恐れがある。このような事故防止のために、本実施例では、縦リブの先端面にテーパを付けた傾斜面としている。両者の縦リブの傾斜面を対向して配置する事によって、螺合を緩める方向に強く回したキャップを場合に、螺合のロック保持力よりも小さな係合力に設計することにより、キャップ本体が内キャップから外れてしまうことを防止できる構成としたものである。また、正転方向の係合力は逆転方向の係合力よりも大きいが、極めて大きな力でキャップを正回転させた場合に、縦リブが折れる程度の強度に設計しておくと、ネジ山が壊れてしまうような回転力を加えても内キャップと容器頸部のリブ構成が吸収して、キャップが抜けて外れてしまうような事故を防止できる。特に、本実施例は、シールの一部を切り離さないで残しておく様にすることもひとつの特徴であって、開封動作がねじ込み量によって規定されているので、ねじ込み過ぎは、シールを完全に切り離してしまう危険もあるので、過剰な螺合を制限することは大事である。
また、未使用状態では開封防止リングを内キャップとキャップ本体の間に介在させていて、使用開始時にキャップ本体を外して開封防止リングを外して、再度キャップ本体を内キャップの外周に螺合させることにより、シール部材の開封とキャップの装着を完成するものである。仮に、一旦使用状態にした後にキャップ本体を外し、再度開封防止リングを挿嵌しキャップ本体をその上に被せるような不正開封が行われる危険がある。本実施例は、使用状態にキャップ本体を装着した場合にロックされる構成に加えて、強い逆転力が加わった場合には縦リブ同士の係合力がロック保持力よりも小さくしてあるので、内キャップと容器頸部の間で空回りしてしまい、キャップが外れることがない。したがって、本実施例は不正開封防止機能も備えている。
具体的な構成を図11、図8を参照して説明する。
図11(a)は使用状態にセットされた状態の係合関係を示している。一番内側にボトル容器の円筒状の頸部21とその頸部に設けられた主縦リブ23aが2個設けられている。主縦リブ23aの先端にはテーパが付けられた傾斜面23cに形成されている。この頸部に内キャップが挿入されており、内キャップの内周面に設けられた多数の縦リブ36の間に主縦リブ23aが挟み込まれた状態でセットされている。この縦リブ36の先端にもテーパが付けられた傾斜面36aに形成されている。これらの傾斜方向は対向関係にあり、セット状態にあるキャップを逆転して外そうとした場合には、この傾斜面に沿って係合が外れ易い構成としている。縦リブ36が多数設けられているので、ひとつの縦リブを乗り越えても次の縦リブ36が抵抗となるので、自由回転とはならない。
内キャップとキャップ本体との係合のロック構成は、内キャップの外周に設けられた内係合爪38とキャップ本体側の外係合爪47が逆転防止方向に係合する。内キャップに設けられた高段部39aにキャップ本体に設けた係合凸部44が当接して回り止めとなる。本実施例では、内係合爪38に対向して小係合爪38bを設け、その間が係合凹部37が形成されている。この係合凹部に外係合爪47がはまり込むこととなる。
図11(b)は、使用開始時の操作の途中の状態を示している。開封防止リングを外して、キャップ本体をねじ込んでいく終点の状況である。時計方向に回転していき、内係合爪38の背面に外係合爪47の背面が接触し、両者の背面を乗り越えて係合凹部37に外係合爪47がはまり込んで螺合が完成する。一方、内キャップの高段部39aにキャップ本体の係合凸部44が当接して回り止めとなる。この例では、過回り防止の主要構成は係合凸部44と高段部39aの当接が担当している。強く回し込んだ場合には、この当接によって内キャップとキャップ本体の螺合が破壊されることなく、縦リブの方が折れ曲がる程度に縦リブを設計しておくことにより、安全性が向上する。
例えば、具体的には、セット終了後にキャップを逆転する方向の縦リブ同士の係合の破断トルクを3Kgf/cmに設定し、正方向にネジを過剰に締め付けた場合にリブ同士の係合の破断トルクを10Kgf/cmに設定する。また、初期使用セット時にキャップ本体を回し込むときに内キャップの爪を乗り越えるトルクを4Kgf/cmに設定し、セット後の爪の係合トルクを10Kgf/cmに設定する。このように設定することにより、通常成人が初期設定できたことを、キャップ本体をねじ込みの際に受ける乗り越え抵抗で容易に確認できると同時に、誤って逆方向に回転させると容器本体の頸部と内キャップのリブ同士の係合力が内キャップとキャップ本体の爪係合力よりも小さいのでからまわりしてしまい、その結果キャップ本体がはずれてしまう危険を防止することができる。
また、それぞれの係合マーク45、38cが一致した状態でセットが完了することが目視で確認できる。
図12は図11(a)におけるキャップ本体と内キャップのセット状態図を概略したものであるので、詳細は省略する。
本実施例は、開封防止リングを介在させることにより、バージン状態が明瞭となるとともに、開封防止リングには切り離されるような接合片が設けられていないので、開封防止リングを外した跡が残らずきれいである。また、開封防止用のオーバーカバーでもないので使用状態のデザインがそのまま表示できる。
そして、キャップ本体のねじ込み動作に伴って、シールの開封がなされ、切断された封止膜の一部を残存させるので、シール片が特定の位置に保持され、シール片が詰まってしまったりボトル容器内を浮遊するようなことにはならない。
そしてまた、キャップを強く逆転しても、内キャップと容器頸部の縦方向の係合抵抗を弱くしてあるので、キャップ本体が外れることなく空回りする構成としている。さらに、強く正回転した場合には、縦リブが折れ曲がる様にすることにより、螺着構造が破壊されることも防止することができる。
さらに、内キャップと容器本体頸部は、水平係合と垂直係合の機構とを分離し、上下にも分けてあるので、縦リブ同士の係合を緩くしても、抜止の係合には影響が無い。
本実施例は、各構成が有機的に関連して、外観及び安全性を高めたキャップ付き容器である。
シールの開封動作は次のとおりである。図14を参照して説明する。図14は、内キャップを平面視した状態での円筒刃70の位置関係を表示している。内キャップの内筒32に設けられた封止膜7が中心に示されている。内筒32内における2枚の切り刃A,B71,72の状態を縦断面視において表記している。図14(a)は開封防止リングが装填された未使用状態であり、図14(b)は開封防止リングを外し、切り刃A,B71,72が封止膜7を切削始めた始点の状態であり、図14(c)は切削が連結片79を残して終了した状態を示す。円筒刃70の先端に形成された切り刃A71と切り刃B72の形状は前記したとおりであり、同一形状の略山形形状である。
図14(a)は、切り刃A71の平部78の後端を0°とした円形座標軸で各部材の位置関係が示されている。切り刃Bの平部78の後端は210°に配置され、それぞれ平部は20°分の長さを有し、切り刃の底部である切り刃先斜面74の基部と後部斜面77の基部間は90°分の長さを有している。縦断面視的には切り刃の平部78は封止膜7と非接触状態にある。
図14(b)は、開封防止リングを取り外して、再螺合して図1(a)の位置から45°進行させた位置において、2枚の切り刃の平部が封止膜を突き破り切削した始点の状態を示している。切り刃Bの平部78の後端は255°にある。
図14(c)は、更に135°回転して、開削を終了した状態を示している。切り刃A71の平部78の後端は、180°に位置している。切り刃Bの平部78の後端は30°である。縦断面視的に見ると切り刃A71は83aの状態となっており、切り刃先端斜面74が封止膜7を突き破った状態となり、その先端斜面分が15°分及び平部20°分が加算された170°分が切り刃A71によって切削された角度になり、座標軸的には215°である。したがって、図14(b)の切り刃Bの平部78の後端255°との差分40°が切り残され、連結片79を形成する部分に相当する。
一連の螺合回転は360°以内で実現するように構成されている。開封防止リング分が180°であり、開削回転が遊びも入れて180°となっている、このような少ない回転角度による正確な制御は2条ネジによる螺合構造としたことにより実現されている。
一方、切削終点における切り刃B72は、縦断面視的に見ると83bの状態にあり、平面的には切り刃B72の切刃先部73は50°にある。したがって、切り刃A71の切削位置45°を通過しており、この部分は切り離されていることとなる。合成樹脂の延びを考慮しても、切り刃B72の切刃先斜面74も切り刃Aと同様に螺合の進入に伴い、封止膜レベル15°分を超えているので、切り離しは確実である。
この実施例を請求項4に添って考えると次のようになる。本実施例では、切り刃の頂部が平部や山形の傾斜面が実質的な切削機能を果たしているのでその分を考慮して、適用関係を考える必要がある。針のような棒状の切り刃の場合は、このような関係は考慮する必要が無い。
(1)一方の切り刃Aの位置=0°:図14(b)における切り刃A71の平部78の後端位置45°(請求項に記載した発明の概念は、切り刃がシールを開削する間際の配置関係を想定しているので、ここでは、45°に相当する)
(2)他方の切り刃Bの位置θb>180°:図14(a)における切り刃B72の平部78の後端位置210°(ここでは大間隔角度である210°に相当する)
(3)一方の切り刃Aの破断回転角度θcut<θb:切り刃A71によって切削された角度170°
(4)一方の切り刃Aの破断回転角度θcut+θb>360°:切り刃A71によって切削された角度170°+図14(a)における切り刃B72の平部78の後端位置210°
この切り刃B72の切り離し終点において、破断音が発生するので、シールの開封が確実に行われたことが利用者は耳においても確認することができ、余分は回動動作は必要とせず、安心できる。螺合による切り刃の進入であるから、ストレートに押し込む力に比べて小さな力で開封動作ができる。
残存した連結片79は、切り刃A71の平坦部75によって、奥側へ付勢されて姿勢が安定し、ヒンジキャップを開いて振り出しなどの注出動作を行っても、封止膜が戻ることもなく、スムーズな注出操作を行うことができる。
封止膜を湾曲させて容器本体の頸部に密着させることができ、開栓後の封止膜の姿勢を安定に保つことができ、使用時の障害発生を防止することができる。
本実施例のキャップは、まず内キャップと開封防止リングとキャップ本体とを一体に組み合わせて準備し、内容物を充填した状態のボトル容器本体の頸部に圧着することにより被冠することができる。ボトリング工程を簡略化することができる。
本実施例は、使用開始時に開封防止リングとキャップ本体を逆回転させて外すときには、容器本体の凸条に設けられた急傾斜テーパ面が回転に対して抵抗力を発揮し、開封リングを外した後キャップ本体を螺合させつつバージンシールを切開するときには凸条の緩傾斜テーパ面が滑り止めの機能を果たす。本実施例は、各構成が有機的に関連して、外観及び安全性を高めたキャップ付き容器である。
なお、本実施例ではヒンジキャップを設けた例を示したが、キャップ本体の螺合を正逆回転させて、キャップを着脱する形式としてもよく、その場合は、本実施例の凸条はキャップを外す方向の回転に対して、より作用効果を発揮するので、硬く締めた場合でも開けやすい。
実施例2について図15、図16を参照して説明する。言及しない部分は、原則として実施例1と共通する。
図15は実施例2のキャップを容器本体に装着した状態の部分拡大図を示す。(a)は未使用状態、(b)はシールを開封した状態を示している。図16は、図15に示されている各構成部材の断面図である。(a)は容器頸部断面図、(b)は内キャップ断面図、(c)はキャップ本体断面図であり、右半分(c1)には開封リングが嵌挿された状体が示されている。
実施例2は、実施例1大きく異なる部分は、内キャップの環状凹部34aの上側にも環状突起部として上環状突起部34cを設けて環状凹部34aと容器本体頸部に設けられた環状突起部22と係合するようにした構造、及び容器頸部に設けた補助縦リブ23bを水平に設け、通常状体では内キャップの縦リブ36とこの補助縦リブ23bは係合しない関係とし、キャップ本体4を強く押し込んだ場合に係合する構造としたことである。
図15(a)や図16(c)の(c1)にあるように、開封防止リング5が嵌挿された状体で強く正方向に回転すると、容器頸部に設けられた主縦リブ23aが破壊される危険がある。このような場合には、使用開始時に開封防止リング5を外して、キャップ本体4を再螺合しても、そのままでは正転方向に空回りする危険が生ずる。このときにキャップ本体4を容器側に強く押し付けると補助縦リブ23bと縦リブ36が係合して、使用開始のセット状態に組み付けることができる。
この強制組付けを補助する機構が、内キャップに設けた上環状突起部34cと容器頸部の頂部21bの上側に形成される上部空隙35bである。上環状突起部34cが存在するので内キャップ3は容器頸部の環状突起部22に支承され、下がることがない。また、この支承によって、容器頸部の頂部21bの上部には上部空隙35bが存在して内キャップの縦リブ36と補助縦リブ23bは係合しない関係が通常は維持されている。
前述のように主縦リブ23aが破壊され、縦リブ36との係合が困難となった場合には、キャップ本体4を強く容器側に押し付けることにより、内キャップ3は上部空隙35bの余裕分下方に下がり、縦リブ36の下面側と容器頸部に設けられた補助縦リブ23bが係合することになる。なお、上部環状突起部34cは、環状突起部34bよりも小さな凸状として、押し下げ抵抗を加減することとする。なお、実施例1と共通する内容については、重複を避けるために割愛する。
本実施例2では、使用開始時の最初のセット不良が発生する場合の不慮の事態に対する対応力を向上させた容器を提供することができる。特に、補助縦リブと内キャップの縦リブを係合させて正方向に回転させる場合は、容器本体を安定して保持する必要性が高くなるので、凸条が有効に機能する。
なお、本実施例ではヒンジキャップを設けた例を示したが、キャップ本体の螺合を正逆回転させて、キャップを着脱する形式としてもよく、その場合は、本実施例の凸条はキャップを外す方向の回転に対して、より作用効果を発揮するので、硬く締めた場合でも開けやすい。
容器本体の外観図を示す。 キャップを装着した容器全体の外観図を示す。 図2A−A断面を示す。 平面視した容器の概略図を参考に示す。 図4に表示した凸条の一部を拡大した図である。 本実施例のキャップを容器本体に装着した状態の部分拡大図を示す。(a)は未使用状態、(b)はシールを開封した状態を示している。 ヒンジ付きキャップ本体を示し、(a)はヒンジ付きキャップ本体の断面図(b)は下面視図 (a)はヒンジ付きキャップ本体の外観図、(b)はヒンジ付きキャップをオープンにした状態の断面図を示す。 内キャップを示し、(a)は上面視図、(b)は断面図、(c)は下面視図(d)は内キャップの外観図を示す。 開封防止リングの一部破断面図を示す。 本発明の係合関係を示す図である。(a)は係合セットが終了した図、(b)はキャップ本体のセット途中の状態を示す。 キャップ本体と内キャップセットの状態図を示す。 切り刃の状態を下面から見た図を示している。 本実施例の切り刃の開封動作を示す図、(a)は未使用状態の切り刃の位置、(b)は切削開始位置、(c)は切削終了位置を示す。 実施例2のキャップを容器本体に装着した状態の部分拡大図を示す。(a)は未使用状態、(b)はシールを開封した状態を示している。 図15に示されている各構成部材の断面図である。(a)は容器頸部断面図、(b)は内キャップ断面図、(c)はキャップ本体断面図であり、右半分(c1)には開封リングが嵌挿された状体が示されている。
符号の説明
1 ボトル容器
2 容器本体
21 頸部
22 環状突起部
23 頸リブ
23S、N、E、W 頸リブ
23a 主縦リブ
23b 補助頸リブ
23c 傾斜面
24 胴部
25 凸条

3 内キャップ
31 外筒部
32 内筒部
33 雄ネジ
34a 環状凹部
34b 環状突起部
35 空隙
35b 上部空隙
36 縦リブ
36a 傾斜面
37 係合凹部
38 内係合爪
38b 内係合小爪
38c 係合マーク
39a 高段部

4 キャップ本体
41 円筒部
42 雌ネジ
43 円筒下端部
44 係合凸部
45 係合マーク
47 外係合爪
5 開封防止リング
54 開封防止リング凸部
57 凹部

6 ヒンジキャップ
61 ヒンジ
62 栓
63 つまみ
64 頂蓋
65 注出口

7 封止膜
70 円筒切刃
71 切刃A
72 切刃B
73 切刃先部
74 切刃先斜面
75 平坦部
77 後部斜面
78 平部
79 連結片

81a 未使用状態の切り刃Aの縦方向位置
81b 未使用状態の切り刃Bの縦方向位置
82a 封止膜切開始点における切り刃Aの縦方向位置
82b 封止膜切開始点における切り刃Bの縦方向位置
83a 封止膜切開終点における切り刃Aの縦方向位置
83b 封止膜切開終点における切り刃Bの縦方向位置

9 キャップ
f 脱型方向線
Pn 頂部

Claims (7)

  1. 2分割ブロー成型により成形する胴部と頸部を有する円筒状の合成樹脂製容器本体において、
    胴部に胴部の円周の内側に頂部が位置する複数の三角形状の凸条を設け、頸部に90°間隔に配置した4個の垂直状である頸部リブを設けた円筒状の合成樹脂製容器本体であって、
    成型型の合わせ面を180°対向する頸部リブの中間線とし、型を分離する方向をその合わせ面と直行する方向とする合成樹脂製容器本体であって、胴部に設けた前記三角形状の凸条は、頂部の内角を頂角θとし、該頂角θは頂部を通る円筒中心線と直交する直線によって2分される角度が同一では無く、かつ、該頂角θは頂部を通る型の分離方向線によって該頂角を2分したとき、胴部円筒の中心より外側となる外側頂部分角θaとし、該外側頂部分角θaがθa≧0°の関係に設定されていることを特徴とする合成樹脂製容器本体。
  2. 胴部に複数設けられた三角形状の凸条は連続して設けられていることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製容器本体。
  3. 胴部に設けられた連続する複数の凸条は、180°対向して設けられたことを特徴とする請求項2記載の合成樹脂製容器本体。
  4. 凸条の一方の始端辺は成型型の合わせ面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合成樹脂製容器本体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載された合成樹脂製容器本体の頸部に、該頸部に対して縦方向に挿入して装着する内キャップと該内キャップに螺着するキャップ本体からなるキャップを装着した合成樹脂製容器。
  6. 胴部に設けた前記三角形状の凸条の頂角θは、該頂角が頂部を通る円筒中心線と直交する直線によって2分される角度の内、小さい方の角度を形成するテーパ面がキャップの螺合正転方向に対面する方向に配置されたことを特徴とする請求項5記載の合成樹脂製容器。
  7. 胴部に設けた前記三角形状の凸条の頂角θは、該頂角が頂部を通る円筒中心線と直交する直線によって2分される角度の内、小さい方の角度を形成するテーパ面がキャップの螺合逆転方向に対面する方向に配置されたことを特徴とする請求項5記載の合成樹脂製容器。
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