JP5102098B2 - 注出栓 - Google Patents

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Description

本発明は、容器の口部に装着して好適な注出栓に関するものであり、容器の廃棄に際して注出栓を口部から取り外し容器の構成部材を同材質毎に回収する、いわゆる分別回収につき、その回収率をより一層高めようとするものである。
醤油やドレッシング等の調味材を入れる容器は、その口部に、プルリングの引き起こしにより閉塞壁部を引きちぎって開封するバージンタイプの注出栓が装着されており、容器内の内容物を使い切るまでの間はねじ込み式のキャップやアンダーカットタイプのキャップを注出栓に適合させて容器を密封状態に保持するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
実用新案登録第2548506号明細書
ところで、この種の容器は、容器本体部分、注出栓(中栓)、キャップはそれぞれ異種材にて構成されているのが普通であり、使用済み容器を廃棄するに当たっては、各構成部材を個別に分別して回収することが資源の有効活用を図るうえで重要になるところ、とくに、注出栓のベースについては、下向きに開放された環状溝部において容器の口部に強固に嵌合しているため簡単に取り外すことができず分別回収を実現するのが難しい状況にあった。
この点に関する先行技術としては、容器体口頸部へ嵌合させる中栓の外筒に適当数の深溝を設け、その溝底部を肉薄の柔軟部ないし破断部とし、中栓の雄ねじ筒外面へ螺合させたキャップ雌ねじ筒下端から外向きフランジ状頂壁を介して垂下する抱持筒を外筒の外面へ嵌着させる一方、外向きフランジ状頂壁に少数の破断容易な連結子を残して切離し溝を周設し溝の各対向面から、締付け方向への雄ねじ筒回動において互いに接する係合突部を設けたノズル兼用中栓付き容器が知られている(例えば、特許文献1参照)が、この中栓付き容器はその構造が比較的複雑であることから高い成形精度でもって効率的に製造するには製造手法について未だ改善の余地が残されていた。
実開平7−2250号公報
本発明の課題は、容器の廃棄に際しては比較的簡単な操作のもとで容器の口部から取り外すことができる注出栓を提案するところにある。
本発明は、内筒と外筒を同心二重配置にしてその相互間に下向きに開放された環状溝を形成し該環状溝に容器の口部を嵌合させて固定保持するベースと、このベースの上部に一体的に設けられた環状周壁と、この環状周壁の内側に設けられプルリングによる閉塞壁の引きちぎりによって注出経路を開口させて容器内の内容物の排出を可能とする注出筒と、この注出筒を覆い隠す収納空間を有し環状周壁の外側壁に着脱自在に係合するキャップとを備えた注出栓であって、
前記外筒の下端部に、薄肉部を介して切離し可能に連結しかつ、容器の口部外側に係合して容器の口部を環状溝内にて抜け出し不能に保持する係止環状体を設け、
前記キャップに、係止環状体の外周壁に当接して該係止環状体の拡径を抑制する突起を設け、
該係止環状体は、容器の口部を環状溝から引き抜く際にその回りの少なくとも一箇所を分断する弱化部を有する、ことを特徴とする注出栓であり、ここに弱化部とは切欠等によって形成された薄肉部分をいうものとする。
上記の注出栓において、キャップは、容器の口部突端に位置する天面壁と、この天面壁の縁部に一体的につながり容器の口部側壁を全周にわたって取り囲む周壁と、この周壁の下端にてヒンジを介して反転可能に連結するリングにて構成するのが好ましく、該リングにはその内周面に、係止環状体の拡径を抑制する突起を設ける。
また、周壁とリングとの間には、それらを複数箇所にて相互に連結するとともに該環状体からの引き離しによる破断を可能とするブリッジと、凸部を凹部に入れ込み周壁の環状体に対する回動を阻止する回り止めを設けるのが望ましい。
キャップの内周面に設けた突起は、キャップの回動による上方への移動に際して係止環状体を容器の口部へ向けて押し付けて薄肉部を破断させる突出代を有するものが望ましく、これにより、キャップを取り外す際に係止環状体を外筒から切離して脱落させることが可能となり、キャップの不正な取り外しがおこなわれたどうか目視でもって確認できる。
注出栓に引き抜き力を加えると、外筒と係止環状体の相互間に位置する薄肉部が破断するとともに該係止環状体の弱化部が分断されるため注出栓の口部に対する嵌合力は弱められることとなり比較的小さな力で注出栓を取り外すことができる。
キャップに設けた突起の突出代を調整することでキャップの取り外しに際して係止環状体を容器の口部へ向けて押し付けて薄肉部を破断、脱落させることが可能となりキャップが不正に取り外されたかどうかが一目で把握することができる。
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1〜3は本発明にしたがう注出栓の実施の形態を示した図である。
図における符号1は注出栓のベースである。このベース1は内筒1aと、外筒1bを同心二重に配置してその相互間に下向きに開放された環状溝mを形成するものであって、該環状溝mに容器の口部が嵌合するようになっている。
また、2はベース1の上部に一体的に設けられた環状周壁、3は環状周壁2の内側に一体的に配置された注出筒である(ベース1、環状周壁2、注出筒3を全て合わせて中栓と呼ぶこともできる)。この注出筒3には注出経路rを閉塞する閉塞壁3aが設けられており、この閉塞壁3aにつながるプルリング3bの引き起こしにより該閉塞壁3aを破断予定溝Sに沿って引きちぎることにより注出経路rを開放することができるようになっている。
4は注出筒3を覆い隠す収納空間を有し、環状周壁2の外側壁に設けられたねじ部に着脱自在に係合するキャップである。このキャップ4は天面壁4aと、この天面壁4aの縁部に一体的につながる周壁4bからなっている。
5は外筒1bの下端部に設けられた係止環状体である。この係止環状体5は薄肉部dを介して外筒1bに切離し可能に連結され、図2に示す如く凸部5aにより容器の口部外側の凸部(エッジeを有する)に係合(凸部と凸部が係合して抜け止め状態に保持するいわゆるアンダーカット係合となっている)させることができるようになっており、注出栓のベース1を容器の口部に強固に嵌合させる。また、この係止環状体5はその外観斜視図を分かり易く図解して図3に示したように少なくとも一箇所に比較的小さな力でもって該係止環状体5を上下に沿って分断させる弱化部(薄肉部)5bが形成されている。
6はキャップ4の周壁4bの内面下端部に設けられた突起(ドット状のものや環状のものが適用される)である。この突起6は係止環状体5の外周壁に当接してその拡径を抑制する。注出栓が容器の口部に取付けられた状態では突起6により係止環状体5が押し込まれやや傾いた姿勢に保たれる(図2参照)。
かかる構成になる注出栓は、キャップ4が装着されているかどうかにかかわりなく、容器の口部から引き抜こうとすると、図4に示すように薄肉部dが破断するとともに係止環状体5の弱化部5bが分断されるため注出栓の口部に対する嵌合力は弱められ比較的小さな力でもって注出栓を取り外すことができる。
図5は本発明にしたがう注出栓の他の実施の形態を示した外観斜視図である。
図における符号7はキャップ4の周壁4bの下端に設けられたリング、8はリング7を反転可能に周壁4bに連結するヒンジ、9キャップ4の周壁4bとリング7とを切離し可能に連結するブリッジ(薄肉片)、10は周壁4bに一体的に設けた凸部10aをリング7の上端に設けた凹部10b(凸部を二つ設けてその間に凹部を形成したもの)に入れ込みキャップ4のリング7に対する回動を阻止する回り止めである。
かかる構成のキャップ4は環状周壁2から取り外した状態でキャップ4とリング7とを相互に離反させる向きに力を加えることによりブリッジ9を破断してリング7を図6に示すように反転させることができるものであり、この反転状態で図7に示す如く再び環状周壁2に取付け、該リング7に指を引っ掛けて上方へ引き上げることで注出栓の取り外しが簡単に行える。
ヒンジ8は帯状体にて構成することが可能であり、その幅端に沿うようにリング7あるいはキャップ4の周壁4bにスリットt(図5、6参照)を設けておくことによりリング7の反転が容易となる。
また、ヒンジ8が設けられた対向位置でリング7の上端部に指掛け用の凹部11を設けておくことができ(図6参照)、これにより周壁4bとリング7との引き離しが容易に行える。この凹部11にはブリッジ9と同様のブリッジ12を設けておくことができる。ブリッジ12は指を引っ掛ける突起としてもよいし、ブリッジ12そのものの設置を省略することも可能であり、ブリッジ12の設置を省略した場合には凹部11のみが存在することになる。
とくに上掲図5に示したキャップ4は、合成樹脂を射出成形することにより単一部材として成形できるものであって、部品点数が増える不具合が生じることはない。
回り止め10については凸部10aを周壁4bに設け、凹部10bをリング7に設けた場合について示したが、凹部を周壁4bに、凸部10aをリング7に設けてもよく、また、凸部10aは周壁2の径方向外側へ向けて突出させるタイプの他に下向きに突出させてもよく、キャップのサイズや形状に応じて適宜変更し得る。
キャップ4の周壁4bの内面下端部に設けられた突起6については、キャップ4の回動による上方への移動(キャップ4を取り外す場合)にして係止環状体5を容器の口部へ向けて押し付けるような力を作用させる突出代に調整しておくことで薄肉部dを破断、脱落させることができるため、該突起6の突出代を予め調整しておき、キャップ4が不正に取り外されたかどうか目視できるようにしておいてもよく(キャップを取り外す前にもかかわらず係止環状体5が脱落していればキャップ4が不正に取り外されたと判断できる)、このような構成を採用することで安全性もより一層高められる。
分別回収を容易に行うことが可能な注出栓が提供できる。
本発明にしたがう注出栓の実施の形態を示した図である。 図1に示した注出栓の要部拡大図であり、(a)は容器の口部へ嵌合させる前の状態を示した図、(b)は容器の口部へ嵌合させた後の状態を示した図である。 本発明にしたがう注出栓のキャップを取り外した状態の外観斜視図である。 係止環状体の分断、脱落状態を示した図である。 本発明にしたがう注出栓の他の実施の形態を示した図である。 図5に示した注出栓におけるキャップの外観斜視図である。 注出栓の取り外し要領の説明図である。
符号の説明
1 ベース
1a 内筒
1b 外筒
2 環状周壁
3 注出筒
3a 閉塞壁
3b プルリング
4 キャップ
5 係止環状体
5a 凸部
5b 弱化部
6 突起
7 リング
8 ヒンジ
9 ブリッジ
10 回り止め
10a 凸部
10b 凹部
11 凸部

Claims (4)

  1. 内筒と外筒を同心二重配置にしてその相互間に下向きに開放された環状溝を形成し該環状溝に容器の口部を嵌合させて固定保持するベースと、このベースの上部に一体的に設けられた環状周壁と、この環状周壁の内側に設けられプルリングによる閉塞壁の引きちぎりによって注出経路を開口させて容器内の内容物の排出を可能とする注出筒と、この注出筒を覆い隠す収納空間を有し環状周壁の外側壁に着脱自在に係合するキャップとを備えた注出栓であって、
    前記外筒の下端部に、薄肉部を介して切離し可能に連結しかつ、容器の口部外側に係合して容器の口部を環状溝内にて抜け出し不能に保持する係止環状体を設け、
    前記キャップに、係止環状体の外周壁に当接して該係止環状体の拡径を抑制する突起を設け、
    該係止環状体は、容器の口部を環状溝から引き抜く際にその回りの少なくとも一箇所を分断する弱化部を有する、ことを特徴とする注出栓。
  2. 前記キャップは、容器の口部突端に位置する天面壁と、この天面壁の縁部に一体的につながり容器の口部側壁を全周にわたって取り囲む周壁と、この周壁の下端にてヒンジを介して反転可能に連結するリングからなり、該リングはその内周面に、係止環状体の拡径を抑制する突起を有する、請求項1記載の注出栓。
  3. 前記周壁とリングとの間に、それらを複数箇所にて相互に連結するとともに該環状体からの引き離しによる破断を可能とするブリッジと、凸部を凹部に入れ込み周壁の環状体に対する回動を阻止する回り止めを設けた請求項記載の注出栓。
  4. 前記突起は、キャップの回動による上方への移動に際して係止環状体を容器の口部へ向けて押し付けて薄肉部を破断させる突出代を有する、請求項1〜3の何れかに記載の注出栓。
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